JPH08112071A - 新規豆腐食品の製造法 - Google Patents

新規豆腐食品の製造法

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JPH08112071A
JPH08112071A JP6252110A JP25211094A JPH08112071A JP H08112071 A JPH08112071 A JP H08112071A JP 6252110 A JP6252110 A JP 6252110A JP 25211094 A JP25211094 A JP 25211094A JP H08112071 A JPH08112071 A JP H08112071A
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water
tofu
bean curd
milk
soybean
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Takahiko Soeda
孝彦 添田
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は豆乳に凝固剤及びトランスグルタミ
ナーゼを加え凝固してから凍結、熟成後脱水、乾燥する
ことを特徴とする新規豆腐食品の製造法である。。 【効果】 本発明により、冷凍処理時のスポンジ化が抑
制され、かつ適度の弾力及び好ましい喉ごしを有する新
規豆腐食品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規豆腐食品の製造方
法に関するものであり、その目的とするところは弾力と
喉ごしの良い食感を有し、かつ母屋の短縮された新規豆
腐食品を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】凍豆腐は日本古来からの伝統食品として
広く食されてきたスポンジ状で歯ごたえをもち、タンパ
ク質と脂肪に富み、日本独特のだしを楽しむ蛋白食品で
ある。このものはタンパク質の凍結変性を活用するため
スポンジ状を呈し、決して喉ごしがなめらかとはいい難
い。この凍豆腐独特の歯ごたえをソフトな歯ごたえとす
る試みがなされてきた。例えば、特開平5−49430
では生豆腐に高圧をかけて冷却後、内部全体が高圧下の
冷却状態にある豆腐を急速に減圧することにより、豆腐
内部まできめ細かさを均一にすることができ、かつ芯の
ない弾力のある凍豆腐を得る方法を提供している。
【0003】更に、凍豆腐の母屋に関する基礎的研究も
古くから試みられてきた。母屋とは凍結したまま冷蔵す
ることをいい、通常−1〜−3℃の冷蔵室の中に2〜3
週間置かれる。この目的は普通の豆腐とほとんど同じ組
織を持つ原料豆腐を凍結変性でスポンジ化させて脱水、
乾燥しやすくすると同時に、独特の風味を持つ食品に変
化させることにある。この長時間を要する母屋を少なく
とも短縮できれば凍豆腐製造の進歩になることは明かで
ある。凍豆腐の製造工程とその合理化に関する研究は、
中島恭三ら(大阪府立工業奨励館報告、No.5、
(3)、10(1953)他)などかなり報告されてい
る。 更に、母屋短縮についても小森友明ら(全凍連通
信、No.1、8(1964))により調査されてい
る。母屋短縮の技術の一例として、例えば特公昭56−
12092に見られるように、凍結した凍豆腐の持つ潜
熱を一部取り除いて速やかに熟成適温を与えると共に所
定大きさにブロック化して熟成させる技術が報告されて
いる。また、特公昭56−31941に見られるよう
に、豆乳に卵黄及び/叉は卵白を懸濁し、豆乳温度80
℃以下で攪はんしながら温度を上げて卵蛋白が熱変性す
るまで加熱して卵蛋白が凝固せずに分散している分散豆
乳を得、次いでこの分散豆乳に凝固剤を添加し、得られ
る豆腐カードを急速凍結した後−3〜−6℃で短時間熟
成する技術も報告されている。
【0004】一方、凍豆腐の湯戻し時の膨軟性及び復元
性の改善として、特開昭49−50147に見られるよ
うに、重炭酸ソーダ、炭酸水で処理したり、特公昭55
−16621に見られるように、凍豆腐中の陰イオンを
除去したりする方法が報告されている。
【0005】しかしながら、上述した凍豆腐に関する課
題を充分満足できるような技術は提供されていないのが
現実である。従って、スポンジ化をコントロールして喉
ごしの良い食感を与え、かつ母屋の短縮についても充分
満足できる技術の提供が待ち望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ほどよい弾力を有し、喉ごしの優れ、かつ母屋の短
縮された新規豆腐食品としての凍豆腐の製造方法の提供
である。
【0007】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、ほどよい
弾力と喉ごしの優れた食感を与える凍豆腐を得ることを
目的として種々検討をおこなった結果、豆乳にトランス
グルタミナーゼを作用させてから凍結後脱水することに
より、目的とする新規豆腐食品となることを発見し、本
発明を完成するに至った。即ち、本発明は豆乳に凝固剤
及びトランスグルタミナーゼを加え凝固してから凍結、
熟成後脱水、乾燥することを特徴とする新規豆腐食品の
製造法である。以下に本発明を詳細に説明をする。
【0008】まず大豆をよく精選し、大豆以外のの種実
や茎葉を除く。精選後よく水洗いした大豆を一晩水に漬
け、十分吸水させる。吸水後大豆は通常約2.2〜2.3
倍の重量となる。次にこの吸水大豆に水を注ぎながら、
グラインダーもしくは鉄製衝撃式粉砕機を用いて磨砕す
る。
【0009】磨砕大豆は更に水を加えて釜にいれ、加熱
を行う。多くの場合は、縦長の釜に入れてボイラーから
の蒸気を吹き込む。予め消泡剤を加え発砲が起こるたび
に消泡剤を追加し、100℃近くに達するまで加熱す
る。消泡剤としてはシリコン樹脂が有効である。この加
熱は大豆に付着する各種の微生物を殺菌し、又青くさみ
を取り除き、トリプシン阻害物質、ヘマグルチニンなど
の生理的有害物質を破壊するとともに大豆の蛋白質を熱
変性させ、カルシウムによる凝固物に弾力性と結合性を
与え、品質のよい凍豆腐を得る上にも重要な意義があ
る。
【0010】加熱が終わったらすばやく濾過して豆乳を
得る。濾過は(1)布袋に入れてバスケット式遠心分離
機による方法や(2)オイルジャッキによる圧搾濾過、
(3)布に詰まるのを防ぎながら広い面積で自然濾過を
行う方法、(4)オリバーフィルターのように回転円筒
の表面で濾過して円筒内部に豆乳を得る方法、あるいは
(5)横型の高速遠心分離機であるデカンターによる方
法があり、いずれの方法を用いても構わない。尚、最近
は加熱磨砕物をスクリューによって狭い部分に送り込む
間に外側の多孔板から豆乳をとる装置(スクリュープレ
ス)が評価されている。濾過後の豆乳には時になお微粉
が入るので目の細かい布で更にこし分ける。このように
して得られた豆乳は大豆10kgから100〜110k
g位で、固形分も4.5〜5%程度のものが望ましい。
これには最終的に大豆に加わる水の量が大豆の約11〜
12倍程度とすればよい。この中には浸漬中に大豆が吸
う水や加熱中凝固するドレインの量も含まれる。豆乳濃
度は木綿豆腐の6〜7%よりやや低い程度である。
【0011】豆乳は温度が50〜65℃位になった時、
攪はんしながら、例えば塩化カルシウム溶液等の凝固剤
及びトランスグルタミナーゼ溶液を加える。この際、塩
化カルシウム、グルコノデルタラクトン、硫酸カルシウ
ム等の凝固剤が豆乳と十分均一に混ざることが必要であ
る。塩化カルシウム等の凝固剤の量が不足すると凝固物
は柔らかく、よくまとまらない。また多すぎるともろく
なるという欠点が生じる。また、トランスグルタミナー
ゼの添加量は豆乳中の蛋白1gあたり1〜100ユニッ
ト、好ましくは3〜10ユニットである。この添加量が
1ユニットよりも少ないときはトランスグルタミナーゼ
を添加した効果が現れず、一方100ユニット以上の添
加量の時は最終製品の食感がもろくざらついてしまい、
好ましくない。
【0012】凝固を行わせるときその終点を判定するに
は凝固途中の豆乳を時々取って凝固物の性状を観察しな
がら判定する。凝固終了時の塩化カルシュウム等の凝固
剤の濃度は豆乳100g当り約0.05−1.0g内外
であるが、もちろんこの濃度は大豆の種類や豆乳の蛋白
濃度によって違うものである。次に、凝固物は十分細か
いので、上澄をとらずそのまま上澄と一緒に型箱中に移
す。
【0013】型箱は工業的には150cm角の大型のも
のが用いられる。底は濾布を張った多孔板でいずれもス
テンレス製である。移し終わったら、型箱より少し小さ
い枠で底が濾布を張った多孔板になっているものを上か
らあて、これに水を入れた容器をおいて重さをかけて押
しをする。その間「ゆ」は型箱及び蓋の多孔板を通して
上叉は下に抜ける。一定の厚さまで押すと止まるように
なっている。また、工場によってはエアシリンダーで脱
水を行う。豆腐を取り出す時は水の入った蓋を除く。
尚、従来はもっと小型の型枠を用いていたがこの場合は
内部に布を予め敷いた型箱の中に粉砕した凝固物を流し
込んで、圧搾により豆腐とした。型箱の底につけた間隙
から水分を抜き、豆腐がある程度小さくなったら枠を取
り除き、以後布の端を豆腐の上におり込み、押し蓋を
し、圧搾工程にはいる。これにはコンベアー上を移動す
る間に押し蓋に次第に圧力がかかって脱水が行われる。
【0014】得られた豆腐は型箱から取り出し、流水中
に一晩おき水晒しを行う。これは余分の塩化カルシウム
等の凝固剤や上澄中の成分を溶かしさると共に十分冷却
を行い、また仕上げを硬くする為に行う。
【0015】次に、水晒しした豆腐を一定の形に成型す
る。これはステンレス製の薄い刃を数本一定の間隔で平
行に張ったものでまず縦方向に切り、次いでこれと直角
方向の刃で横の方向に切る。大体の大きさは、目的によ
って異なるが、一般には7.7cm×6cm×2cmの
大きさに仕上げられ、1個の重量約90gである。
【0016】切断成型された豆腐は凍結される。凍結装
置はいわゆるエアーブラスト式で、空気をファンにより
冷却管に送り込んで冷却し、これを豆腐にあてる方式で
ある。最近ではコンベアーを利用して連続的に凍結する
方法もあり、トンネルの中を屈曲して20m位進む間に
凍結される。凍結条件は特に制限されないが、通常−1
0〜−20℃で約1ー48時間程度行うばよい。
【0017】さて、凍結してあめ色となった豆腐は熟成
工程に移される。熟成には約1〜4週間を必要とする。
熟成は大きな冷蔵庫の中で処理される。温度は−2〜−
6℃位に保つことが望ましい。また、孔や隙間を設けて
空気の流通をよくしたプラスチィック製の箱に不規則に
入れ、これを積み重ねて熟成させる。その間空気が箱内
に自由に出入りできるので豆腐自身が速やかに室内温度
と同じ温度に上がってくる。熟成の間に豆腐中の氷結晶
が次第に成長し、これに伴って起こる蛋白の変性により
豆腐に海綿化をおこさせ、これを解凍した場合十分脱水
性をよくする共にできた骨格構造によって乾燥の際の収
縮、角質化を防ぐことが熟成の主目的である。熟成の温
度は氷が溶けない程度で高い方がよい。
【0018】氷を溶かす為には流水中に凍結豆腐を数時
間おく方法がよく用いられる。例えば20℃の流水中に
置けば約1時間半で溶ける。また、凍結豆腐を金網で作
ったバスケットに入れ、コンベアーによって流水槽中を
移動させ、その間に氷をとかす方法も多く用いられる。
更に幅広いコンベアー式の金属製の網の上に規則正しく
並べた豆腐の上からシャワーを浴びせて移動中に解凍す
る方法もある。この場合も解凍に1時間以上を必要とす
る。熟成を終わった豆腐はきめがある程度細かく、しか
も一方で脱水性に富み、海綿のような弾力性を備えてい
る。
【0019】解凍が終わった豆腐を必要に応じて、アル
カリ塩類(炭酸カリ、燐酸塩などの混合物)の溶液に浸
漬する。これは調理時熱湯を注いだ場合、水を吸って大
きくする為である。
【0020】次ぎに豆腐を脱水する。脱水にはジャッキ
あるいはバスケット遠心分離機を用いる。このときの水
分は約40〜50%内外とする。脱水法にはこの他コン
ベアー式の解凍装置に組み合わせた方法としてゴムロー
ルの間に解凍した豆腐を挟んで圧搾する方法も採ること
もできる。
【0021】次に、脱水後乾燥を行う。乾燥不完全品が
生じたり、製品に割れができたり、形が歪んだりするこ
とを避けるために、乾燥機内にある程度湿度を与えて、
かなりゆっくり乾燥する。乾燥条件はまちまちである
が、通常温度50〜60℃、風速1.0〜1.6m/
秒、湿度0.08kg/kgがよい。
【0022】原料大豆から上記の工程を経て最終製品に
至るまでの歩留まりは、通常原料大豆100kgに対し
て、約1000〜1100kgの磨砕物を得、濾過後約
1000kgの豆乳、約230kgの豆腐(水分約80
%)、約50kgの最終製品が得られる。これは一応の
目安であり、これに拘るものではない。
【0023】本発明に於て、豆乳とは大豆から調製され
るもの以外に、(1)豆乳粉末を原料として調製される
もの、(2)濃縮大豆タンパク質叉は分離大豆タンパク
質に水及び油脂を添加し、その後乳化して得られるもの
も含む。豆乳粉末を出発原料とする場合は、この豆乳粉
末に水を加え、通常の豆乳と同じ蛋白濃度叉は固形分濃
度に調整した後は、通常の豆乳を出発原料とする方法と
同じ操作に従えばよい。また、濃縮大豆タンパク質叉は
分離大豆タンパク質を出発原料とする場合は、丸大豆か
ら得られる豆乳とほぼ近い成分組成となるように、即
ち、濃縮大豆タンパク質の場合であれば水、油脂を加え
て、叉分離大豆タンパク質の場合であれば糖類と水、油
脂を加えて調整後、混合機もしくは乳化機(ホモジナイ
ザー)により乳化して豆乳とする。この後は通常の豆乳
を出発原料とする方法と同じ操作に従えばよい。
【0024】さて、本発明で用いるトランスグルタミナ
ーゼとしてはカルシウム非依存性のものとカルシウム依
存性のものがある。前者の例としては微生物由来のもの
(例えば、特開平1−27471参照)をあげることが
できる。後者の例としてはモルモット肝臓由来のもの
(特公平1−50382参照)、魚由来のもの(例え
ば、関信夫ら「昭和63年度日本水産学会秋期大会講演
要旨集」167頁及び「平成2年度日本水産学会春季大
会講演要旨集」219頁参照)をあげることができる。
この他、遺伝子組換技術により製造されるもの(特開平
1−300889、特開平5−199883、特開平6
−225775参照)等、いずれのトランスグルタミナ
ーゼでも用いることができ、起源及び製法に限定される
ことはない。但し、機能性及び経済性の点から、好まし
くはカルシウム非依存性のものがよい。例えば、上述の
微生物由来のトランスグルタミナーゼ(特開平1−27
471)等はいづれの条件を満足するのもであり、現時
点では最適といえる。
【0025】尚、本発明でいうトランスグルタミナーゼ
の活性単位は、次のようにして測定され、かつ定義され
る。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニ
ルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行
い、生成したヒドロキサム酸をトリクロル酢酸存在下で
鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定し、
ヒドロキサム酸の量を検量線より求め、活性を算出する
(特開平1−27471公報参照)。
【0026】
【作用】トランスグルタミナーゼは、ペプチド鎖内にあ
るグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転
移反応を触媒する酵素である。このトランスグルタミナ
ーゼは、アシル受容体としてタンパク質中のリジン残基
のε−アミノ基が作用すると、タンパク質分子の分子内
において及び分子間においてε−(γ−Glu)−Ly
s架橋結合が形成される。また、水がアシル受容体とし
て機能するときは、グルタミン残基が脱アミド化されて
グルタミン酸残基になる反応を進行させる酵素である。
本発明は、豆乳に凝固剤と同時にこのトランスグルタミ
ナーゼを添加して豆腐を調製、熟成後脱水、乾燥して得
られる新規豆腐食品の製造法である。本発明の方法で製
造した新規豆腐食品はなめらかで、かつ適度の弾力を有
し、喉ごしの優れた食感を有する。これは、上述したト
ランスグルタミナーゼによって、蛋白間での架橋が形成
され、豆腐ゲルを構成する蛋白網目構造がより強固で緻
密になったためであると考えられる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳しく説
明する。もちろん、これによって規定されるものではな
い。
【0028】実施例1 丸大豆1kgを一夜水に浸漬してから家庭用ミキサーで
磨砕し、丸大豆と水の比率が1:15になるように調整
して、これに直下で100℃になってから3分間加熱
し、直ちにバスケット型遠心分離機でおからを除き豆乳
を得た。豆乳の温度が60℃になったとき、塩化カルシ
ウム及び放線菌ストレプトベルチシリウムに属する微生
物(Streptoverticillium mobaraense IFO 13819)起
源のトランスグルタミナーゼ(比活性1000ユニット/mg)を
各々少量の水に溶解して、静かに攪はんしながら豆乳に
加えた。微生物由来トランスグルタミナーゼを加え、1
0分間放置してホエーを除いた後、型箱に入れて20分
間押しをして8×4×6.5cmの豆腐を得た。尚、ト
ランスグルタミナーゼの添加量は豆乳中の蛋白1g当り
5ユニットで、凝固剤である塩化カルシウムの添加量は
豆乳100g当り、0.4gである。
【0029】これを一夜水に晒した後4×4×1.5c
mに切断してから、−20℃フリーザーで2時間凍結し
た後、−5℃の低温恒温室で20日冷蔵し、熟成をおこ
なった。その後室温で解凍し、アルカリ塩類溶液に浸漬
処理後、遠心分離機により脱水後、乾燥して新規豆腐食
品を得た。一方、トランスグルタミナーゼ処理を行わな
い以外は全く同一の条件で調製したものを対照とした。
【0030】得られた2種類の冷凍豆腐を常温の水に浸
漬することにより解凍し、官能的に評価した。この結
果、対照区豆腐はスポンジ様の歯ごたえであったのに比
べ、処理区豆腐は対照区豆腐よりなめらかでソフトな弾
力を維持し、喉ごしが対照品に比べ優れ良好であった。
【0031】実施例2 豆乳粉末(日本タンパク社製「ハイプロトン」、蛋白含
量約50%)250gを水2000gに溶解し豆乳溶液
を得た。ついで、速やかに沸騰するまで加熱した。沸騰
後加熱を止め、豆乳温度が約55℃まで降温した時点
で、グルコンデルタラクトン6g、及び放線菌ストレプ
トベルチシリウムに属する微生物(Streptoverticilliu
m mobaraense IFO 13819)起源のトランスグルタミナ
ーゼ(比活性1000ユニット/g)0.8gを各々少
量の水に溶解して、静かに攪はんしながら豆乳に加え
た。トランスグルタミナーゼの添加量は蛋白1g当り
6.4ユニットに相当する。これを45〜50℃で30
分間保持後、80℃、5分間加熱した。加熱後、箱型の
型枠中に豆乳を約300g注入し、放冷して豆腐を得
た。この豆腐を型枠より取り出し、2〜3cmのサイコ
ロ状にナイフで切断した。この成型豆腐を−20℃フリ
ーザーで2時間凍結した後、−5℃の低温恒温室で20
日冷蔵熟成を行なった。さらに熟成後室温で解凍し、ア
ルカリ塩類溶液に浸漬処理後、遠心分離機により脱水
後、乾燥して新規豆腐食品(処理区)を得た。対照とし
て、トランスグルタミナーゼを添加しない以外は上記と
全く同様にして調製された豆腐食品(対照区)を得た。
【0032】得られた2種類の冷凍豆腐を常温の水に浸
漬することにより解凍し、官能的に評価した。この結
果、対照区豆腐はスポンジ様の歯ごたえであったのに比
べ、処理区豆腐は対照区豆腐よりなめらかでソフトな弾
力を維持し、凍結前の食感と近似し良好であった。
【0033】
【参考例】本発明は伝統的な凍豆腐の製造法についての
ものであるが、本発明は冷凍豆腐の製法についても応用
できる。その一例を下記に示す。
【0034】丸大豆を原料として得られた通常の豆乳
(蛋白含量5.3%)2000gに、速やかに沸騰する
まで加熱した。沸騰後、直ちに加熱を止め、豆乳温度が
約55℃まで降温した時点で、グルコンデルタラクトン
3g、硫酸カルシウム5g、及び放線菌ストレプトベル
チシリウムに属する微生物(Streptoverticillium mob
araense IFO 13819)起源のトランスグルタミナーゼ
(比活性1000ユニット/g)0.6gを各々少量の
水に溶解して、静かに攪はんしながら豆乳に加えた。
これを50〜55℃で30分間保持後、75℃、10分
間加熱した。加熱後、箱型の型枠中に豆乳を約300g
注入し、放冷して豆腐を得た。この豆腐を型枠より取り
出し、2〜3cmのサイコロ状にナイフで切断した。こ
の成型豆腐を−40℃で一晩かけて凍結し冷凍豆腐を得
た。この冷凍豆腐を常温の水に浸漬することにより解凍
し、官能評価を行った所、なめらかで、ソフトな弾力を
有していた。
【0035】
【発明の効果】トランスグルタミナーゼのタンパク質分
子間又は分子内でのグルタミンとリジン間のε−(γ−
Glu)Lys架橋高分子化能を利用して、豆腐中の蛋
白網目構造を緻密にすることにより、冷凍処理時のスポ
ンジ化を抑制し、結果的に通常の凍豆腐と比べて適度の
弾力があり、かつ喉ごしの優れた新規豆腐食品を提供す
ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆乳に凝固剤及びトランスグルタミナー
    ゼを加え凝固してから凍結、熟成後脱水、乾燥すること
    を特徴とする新規豆腐食品の製造法。
  2. 【請求項2】 豆乳が大豆濃縮蛋白及び/叉は大豆分離
    蛋白に水と油を加え乳化して得られた乳化物である請求
    項1記載の新規豆腐食品の製造法。
JP6252110A 1994-10-18 1994-10-18 新規豆腐食品の製造法 Pending JPH08112071A (ja)

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