JPH0811194A

JPH0811194A - バッグインボックス用注出チューブの製造方法

Info

Publication number: JPH0811194A
Application number: JP15331294A
Authority: JP
Inventors: Akihiro Taguchi; 晃宏田口
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1994-07-05
Filing date: 1994-07-05
Publication date: 1996-01-16

Abstract

(57)【要約】【目的】注出チューブの先端部を溶着することを無く
し、さらにもう一方の先端部に、バッグと一体化させる
際に必要な部品である注出口や、バンドまたはリングを
取り除いたより簡便なバッグインボックス用注出チュー
ブを製造する方法を提供する。【構成】一端が閉塞し他端が外方に延びるフランジ部を
有する注出チューブを、適度な反発弾性、硬度等を有す
る合成樹脂材料を用いて金型内に押し出し、ブロー成形
法により製造することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バッグインボックスか
ら液状内容物を取り出すための注出チューブの製造方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】このようなバッグインボックスは、予め
滅菌状態でジュース等の飲料水を大量に収容し、これか
らその飲料水をコップ等に少量づつ供給し、または販売
するのに用いられている。

【０００３】このバッグインボックスから液状内容物を
取り出す場合、例えば特開平２ー１０９８９５号公報、
特開平５ー２５４５６４号公報等に開示されているよう
に、長いチューブ状の注出チューブをバッグインボック
スの一側に設け、この注出チューブをローラポンプでし
ごくようにして液状内容物を定量的に注出することが行
われている。

【０００４】ところでこの注出チューブは、適度の反発
弾性、硬度等適当な物性が要求されることから、従来は
一般にシリコーンゴムが用いられていた。しかし、この
シリコーンゴムからなる注出チューブは、高価で、かつ
ヒートシール性に乏しいなどの問題があり、この種の注
出チューブとして必ずしも適当なものではない。

【０００５】また発明者らは、ポリプロピレンとエチレ
ンプロピレンゴムとを主成分とする合成樹脂材料で作ら
れた注出チューブを提案し、さらに、前記注出チューブ
のチューブ外周面に、厚みが２０〜１００μｍのポリエ
チレンまたはポリエチレンテレフタレートからなる層が
被覆されている注出チューブを提案した（特開平５ー２
５４５６４号公報）。

【０００６】しかしこの場合においても、バッグと注出
チューブの材質が異なるため、注出チューブを直接バッ
グに溶着することは困難である。

【０００７】そのため、主にポリエチレンを原料とした
注出チューブ接続用の注出口を用意し、この注出口に注
出チューブを嵌合させ、バッグと注出チューブを一体化
させている。さらに注出チューブが注出口から外れない
ように、注出チューブと注出口の嵌合部に、注出チュー
ブの外側からバンドまたはリング等で注出チューブを固
定している。

【０００８】ところで、図２（ａ）に示すように、この
ようなバッグインボックス用注出チューブは、シリコー
ン系ゴム材料を用いて、一般的な押し出し成形法により
製造されているため、この方法により得られる注出チュ
ーブ（６０）は一様に内径が同寸法の円筒形状である。

【０００９】従って、成形後、必要長さに切断し、一方
のチューブ先端部をヒートシール等の方法で溶着、密封
し、密封部（６２）をつくる必要がある。

【００１０】また、もう一方の先端の開口部（６３）を
バッグ（５０）に取り付けるため、例えば、ポリエチレ
ンまたはポリエチレンとＥＶＡ等の積層体からなる可撓
性フィルムから作られたバッグ本体（５１）の注出用部
分（Ｂ）の開口孔に、比較的硬質のポリエチレンからな
る注出チューブ接続用の注出口（７０）が、この注出口
基端のフランジ部（７３）をヒートシール等の方法で融
着させた状態で突設されている。また、注出口の筒部
（７１）は外箱（図示してない）の壁面から外側に向け
て突出している。

【００１１】この注出口の筒部（７１）には、注出チュ
ーブ（６０）の基端が開口部（６３）から嵌合され、さ
らにその上から注出チューブ（６０）と前記注出口（７
０）が外れたりしないように、筒部（７１）外径よりや
や大きい内径のチューブ固定用リング（８０）で締めつ
けられたりしている。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事情からなされたものであって、注出チューブの先端
部を溶着することを無くし、さらにもう一方の先端部
に、バッグと一体化させる際に必要な部品である注出口
や、バンドまたはリングを取り除いた、より簡便なバッ
グインボックス用注出チューブを製造する方法を提供す
ることを課題とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記目的
を達成するために、まず第１の発明では、一端が閉塞し
他端が外方に延びるフランジ部を有する注出チューブ
を、適度な反発弾性、硬度等を有する合成樹脂材料を用
いて金型内に押し出し、ブロー成形法により製造するこ
とを特徴とするバッグインボックス用注出チューブの製
造方法である。

【００１４】また、第２の発明では、一端が閉塞し他端
が外方に延びるフランジ部を有し、かつ、外周面がヒー
トシール可能な合成樹脂材料で被覆されている注出チュ
ーブを、多層ヘッドを用いた多層ブロー成形法により製
造することを特徴とするバッグインボックス用注出チュ
ーブの製造方法である。

【００１５】さらにまた、第３の発明では、一端が閉塞
し他端が外方に延びるフランジ部を有し、かつ、外周面
が５０〜２００μｍ厚のヒートシール可能な合成樹脂材
料で被覆されている注出チューブを、多層ヘッドを用い
た多層ブロー成形法により製造することを特徴とするバ
ッグインボックス用注出チューブの製造方法である。

【００１６】

【作用】上記のように本発明によれば、ブロー成形法に
より注出チューブを製造するので、先端部が閉塞した形
状の注出チューブを容易に製造することができる。

【００１７】また第２の発明によれば、注出チューブを
多層ブロー成形法により製造するので、注出チューブの
外周面にヒートシール可能な合成樹脂材料を被覆するこ
とが可能である。

【００１８】さらにまた第３の発明によれば、注出チュ
ーブの外周面を被覆しているヒートシール可能な樹脂か
らなる被覆層が５０〜２００μｍの厚みを有しているの
で、注出チューブの柔軟性が増すと共に、注出チューブ
とバッグ内面との溶着が強固に行われる。

【００１９】

【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。〈実施例１〉図１（ａ）は、本発明のブロー成形法によ
り製造した注出チューブの一実施例の断面説明図であ
り、注出チューブ成形体（１）は、液状内容物が流通す
るチューブ本体（１１）と、チューブ本体の先端にあた
る閉塞された密封部（１２）と、密封部と反対側でチュ
ーブ本体に連設して、外方に延びているフランジ部（１
３）と、このフランジ部の先の不用部（１４）からなっ
ている。そして、不用部（１４）をカッター等で切断し
て製品となる注出チューブ（１０）に仕上げる。

【００２０】図１（ｂ）は、この注出チューブ（１０）
をバッグの開口孔に突設した状態を示す断面説明図で、
図中Ａは充填用部分を、Ｂは注出用部分を示す。バッグ
（２０）には、バッグ本体（２１）に液状内容物の充
填、注出に供するように、それぞれ専用の充填用部分
（Ａ）に対応する開口孔と注出用部分（Ｂ）に対応する
開口孔が設けられている。

【００２１】注出チューブ基端のフランジ部（１３）
を、例えばポリエチレン、またはポリプロピレンとＥＶ
Ａ等の積層体からなる可撓性フィルムから作られたバッ
グ（２０）の注出用部分（Ｂ）の開口孔に入れると、注
出チューブ基端のフランジ部（１３）の外側面とバッグ
（２０）の最内層フィルムが重なり、バッグ（２０）と
注出チューブ（１０）は熱融着等の方法により容易に、
しかも完全に密封することができる。従って、バッグの
注出部に、注出チューブとバッグを固着させるための注
出口や、注出チューブを固定させるためのリングを設け
る必要はなくなる。

【００２２】〈実施例２〉外周面をヒートシール可能な
熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン樹脂で被覆した注出
チューブを多層ブロー成形法で製造した一実施例を図１
（Ｃ）に示す。この場合、ヘッドは多層ヘッドにして、
前記実施例１と同様、一般的に良く行われているダイレ
クトブロー成形法で製造される。

【００２３】多層ヘッドの最内層ヘッドは、液状内容物
と直接接触する注出チューブ本体（１１０ａ）となる部
分で、例えばシリコーン系ゴム材料を用い、そして前記
最内層ヘッドの外側のヘッドは、前記注出チューブ本体
（１１０ａ）を被覆する被覆層（１１０ｂ）となる部分
で例えばポリエチレン樹脂を用いて成形し、注出チュー
ブ成形体（１０１）を得る。

【００２４】なお必要ならば、シリコーン系ゴム材料層
と、ポリエチレン樹脂層との間に、両者の接着を強固に
させる接着層を設け三層構成にしても構わない。

【００２５】注出チューブ成形体（１０１）は、液状内
容物が接触するチューブ本体（１１１）と、チューブ本
体の先端にあたる閉塞された密封部（１１２）と、密封
部と反対側でチューブ本体に連設して外方に延びている
フランジ部（１１３）と、このフランジ部の先の不用部
（１１４）からなっている。そして、成形後の工程で不
用部（１１４）をカッター等で切断して製品となる注出
チューブ（１１０）に仕上げる。

【００２６】この注出チューブをバッグの開口孔に突設
してバッグインボックスに装備するが、この状態は実施
例１の場合と同様なので、ここでは省略する。

【００２７】

【発明の効果】上記のように本発明によれば、ブロー成
形法により注出チューブを製造するので、一端は閉塞部
を有し、他端はフランジ部を有する注出チューブが容易
に製造可能で、注出チューブの一端を熱溶着等の方法で
閉塞するという手間が省けるという効果がある。

【００２８】また、注出チューブの一端にフランジ部を
設けたので、注出チューブとバッグを直接、接着させる
ことができ、注出チューブ接続用注出口やチューブ固定
用リングを必要とせず、バッグの部品点数が減って、バ
ッグインボックスのコストダウンに繋がるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明のブロー成形法により製造した注
出チューブの一実施例を示す断面説明図である。（ｂ）同注出チューブをバッグの開口孔に突設した状態
を示す断面説明図である。（ｃ）本発明の別のブロー成形法により製造した注出チ
ューブの一実施例を示す断面説明図である。

【図２】（ａ）従来例の押し出し成形法により製造した
注出チューブの一実施例を示す断面説明図である。（ｂ）同注出チューブをバッグの開口孔に突設した状態
を示す断面説明図である。

【符号の説明】

１‥‥注出チューブ成形体１０‥‥注出チューブ１０ａ‥注出チューブ本体１０ｂ‥ポリエチレン被覆層１１‥‥チューブ本体１２‥‥密封部１３‥‥フランジ部１４‥‥不用部２０‥‥バッグ２１‥‥バッグ本体３０‥‥充填用注出口３１‥‥フランジ部３２‥‥注出口先端部３３‥‥充填口密封キャップ５０‥‥バッグ５１‥‥バッグ本体６０‥‥注出チューブ６１‥‥チューブ本体６２‥‥密封部６３‥‥開口部７０‥‥注出チューブ接続用注出口７１‥‥筒部７２‥‥凸部７３‥‥フランジ部８０‥‥チューブ固定用リング１０１‥‥注出チューブ成形体１１０‥‥注出チューブ１１０ａ‥注出チューブ本体１１０ｂ‥ポリエチレン被覆層１１１‥‥チューブ本体１１２‥‥密封部１１３‥‥フランジ部１１４‥‥不用部Ａ‥‥充填用部分Ｂ‥‥注出用部分

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一端が閉塞し他端が外方に延びるフランジ
部を有する注出チューブを、適度な反発弾性、硬度等を
有する合成樹脂材料を用いて金型内に押し出し、ブロー
成形法により製造することを特徴とするバッグインボッ
クス用注出チューブの製造方法。
【請求項２】外周面をヒートシール可能な合成樹脂材料
で被覆された前記注出チューブを、多層ヘッドを用いた
多層ブロー成形法で製造することを特徴とする請求項１
記載のバッグインボックス用注出チューブの製造方法。
【請求項３】前記ヒートシール可能な合成樹脂材料被覆
層の厚みを５０〜２００μｍにして製造することを特徴
とする請求項２記載のバッグインボックス用注出チュー
ブの製造方法。