JPH08111040A - 磁気ヘッドおよび光磁気記録装置 - Google Patents
磁気ヘッドおよび光磁気記録装置Info
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- JPH08111040A JPH08111040A JP6247714A JP24771494A JPH08111040A JP H08111040 A JPH08111040 A JP H08111040A JP 6247714 A JP6247714 A JP 6247714A JP 24771494 A JP24771494 A JP 24771494A JP H08111040 A JPH08111040 A JP H08111040A
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Abstract
録に必要な発生磁界をえる。 【構成】 磁性層21を複数層積層した積層体から成
り、該磁性層に対して垂直な磁極端面が形成された磁心
20と、この磁心の周囲に設けられたコイル23とを備
え、光磁気記録媒体1との間で相対的に移動されてなる
磁気ヘッドであって、上記磁極端面20aは上記光磁気
記録媒体1に対して平行に設けられ、上記磁性層21は
上記光磁気記録媒体1との相対的な移動方向に対して垂
直となるように設けられた。
Description
記録装置に係わり、特に光磁気ディスク等の光磁気記録
媒体に情報信号を記録するための磁気ヘッドおよび光磁
気記録装置に関するものである。
密度で情報信号を記録する光磁気記録装置が従来より知
られている。
示す。図14において、1は光磁気記録媒体としてのデ
ィスクであり、磁気記録層1aが設けられている。ディ
スク1はスピンドルモータ2により回転駆動される。デ
ィスク1の上面側には磁気ヘッド3が、また下面側には
光ヘッド4が配置される。上記磁気ヘッド3はサスペン
ション5の先端に保持され、また、光ヘッド4とサスペ
ンション5の固定端は、連結部材6により連結されてい
る。
1の磁気記録層1aに情報信号の記録を行なう場合に
は、スピンドルモータ2によりディスク1を高速で回転
させ、磁気記録層1aにスパイラル状に形成された記録
トラックに、光ヘッド4に備えられた対物レンズ9を通
してレーザ光8が照射される。レーザ光8が、記録トラ
ックに収束し、また、正確に記録トラックに追従するた
めに対物レンズ9に対してフォーカス制御、トラッキン
グ制御が行なわれる。
温度はキュリー温度以上に上昇する。同時に上記レーザ
光8の照射部位に対して、上記磁気ヘッド3は情報信号
により変調されたバイアス磁界を印加する。これによ
り、磁気記録層1aの温度上昇部位における磁化方向
は、ディスク1の回転にともないレーザ光8の照射部位
より遠ざかるにつれて温度が低下する過程で、上記バイ
アス磁界の方向に向けられる。このようにして記録トラ
ック上には磁化の方向の変化によって情報信号が記録さ
れるのである。
ている光磁気記録用磁気ヘッドの構成を図11に示す。
ここで図11(a)は背面、図11(b)は底面、図1
1(c)は側面より見た図である。図中、10はU字型
のコアであり、一般的には高透磁率のフェライトにより
構成される。また、11はコア10に設けられたコイル
である。磁気ヘッドはディスクの高速回転に伴なって生
じる空気流によりディスクとの間に微小な間隔を保ち浮
上走行するために、空気力学的な浮上面形状を有するス
ライダー12を備えている。一般にスライダー12は非
磁性のセラミック材料により構成される。コア10の一
端には略方形の磁極端面10aが形成されており、磁極
端面10aを磁気ヘッドの底面側にしてコア10および
スライダー12は接合されている。
アス磁界はコイル11に電流を流すことにより磁極端面
10aよりほぼ垂直に発生される。したがって、磁気ヘ
ッドはその底面をディスクと対向させ、さらには磁気記
録層上のレーザ光の照射部位が、磁極端面10aの直下
に位置するように配置される。
気記録用磁気ヘッドにおけるコイルに流す記録電流と磁
気ヘッドの発生磁界の関係を示すグラフである。なお、
ここで示すのは、標準的な従来の磁気ヘッドの一例であ
り、コアは、その飽和磁束密度が5kGのフェライトに
より構成され、また、磁極端面の寸法が0.15mm×
0.15mm、コイル巻回数が20回である。ここで、
一般には、光磁気ディスクに良好な状態で信号記録を行
なうために、200〜300(Oe)のバイアス磁界が
印加される。このグラフによると、記録電流が小さい場
合には、発生磁界が記録電流に比例するのであるが、記
録電流の増加にともなって、やがて、発生磁界が飽和す
る。これは、コア内部での磁束密度がフェライトの飽和
磁束密度を越えて増大することができないことによるも
のである。
に、記録信号の周波数fに依存し、周波数fが高くなる
程、飽和磁界は低下する傾向にある。このような現象
は、記録信号の周波数fが高い程、磁気ヘッドにおける
高周波損失(主に、コアを構成する磁性材料に固有の性
質)が増大するため磁気ヘッドが発熱し、それにともな
って、コアを構成するフェライトの飽和磁束密度が低下
することに帰因するものである。一例として、従来の光
磁気記録用磁気ヘッドのコアに使用れるフェライトの飽
和磁束密度Bsの温度依存性を図13に示す。図示のよ
うに、フェライトの飽和磁束密度Bsは常温(25℃)
では5kGであるが、温度の上昇とともに低下し、10
0℃においては約3kGとなるのである。
いて、信号記録の高速化に対する要求が強くなり、これ
にともない記録信号の周波数を高くする必要がある。と
ころが、上述のように、記録信号の周波数を高くした場
合には、磁気ヘッドにおける高周波損失の増大のため、
飽和磁界が低下し、例えば、図12に示したように、記
録信号の周波数を10MHz以上とした場合、記録電流
をいくら増大しても、良好な信号記録に必要な200
(Oe)以上の発生磁界を得ることはできない。このよ
うに、記録信号の周波数は、磁気ヘッドの能力により制
限されるため、より高速で信号記録することができない
という問題点があった。
はコイルのインダクタンスが1.0〜1.5μHとかな
り大きい。したがって高い周波数の電流をコイルに対し
て供給するためには高い電圧をコイルに与えなければな
らず、そのために磁気ヘッドの駆動回路の消費電力が増
大するのである。このような制約からも記録信号の周波
数を10MHz以上にすることができず、より高速で信
号記録することができないという問題点があった。
ドは、磁性層を複数層積層した積層体から成り、該磁性
層に対して垂直な磁極端面が形成された磁心と、この磁
心の周囲に設けられたコイルとを備え、光磁気記録媒体
との間で相対的に移動されてなる磁気ヘッドであって、
上記磁極端面は上記光磁気記録媒体に対して平行に設け
られ、上記磁性層は上記光磁気記録媒体との相対的な移
動方向に対して垂直となるように設けられた磁気ヘッド
であることを特徴とする。
第1の磁気ヘッドにおいて、上記光磁気記録媒体との相
対的な移動方向に対して垂直な方向の上記磁極端面の幅
Wは、上記光磁気記録媒体との相対的な移動方向に対し
て平行な方向の上記磁極端面の長さLよりも大きいこと
を特徴とする。
第1の磁気ヘッドにおいて、上記光磁気記録媒体との相
対的な移動方向に対して垂直な方向の上記磁極端面の幅
Wと、上記光磁気記録媒体との相対的な移動方向に対し
て平行な方向の上記磁極端面の長さLが、次式 20μm≦L≦100μm L+40μm≦W L×W≦25000μm2 を満たすことを特徴とする。
第1又は第2の磁気ヘッドにおいて、上記光磁気記録媒
体との相対的な移動に伴なって生じる空気流によって上
記光磁気記録媒体表面上を浮上するスライダーを備え、
このスライダーは前部構成部材と後部構成部材との間に
上記磁心を挟んだ構成であることを特徴とする。
記録媒体にレーザ光を収束して照射する光ヘッドと、該
レーザ光の照射部位に情報信号により変調された磁界を
印加する磁気ヘッドと、上記光磁気記録媒体を上記光ヘ
ッドおよび磁気ヘッドに対して相対的に移動させる手段
と、を備えた光磁気記録装置において、上記磁気ヘッド
は請求項1〜請求項4のいずれかに記載の磁気ヘッドで
あることを特徴とする。
とは実質的に垂直、平行とみなせる垂直、平行に近い状
態も含まれるものとする。
数層積層することで、各磁性層の厚さを薄くして高周波
数における磁気特性の低下を抑制したものである。ま
た、磁心を磁性層に対して垂直な磁極端面を有するよう
にし、該磁極端面は光磁気記録媒体に対して平行に設
け、上記磁性層は上記光磁気記録媒体との相対的な移動
方向に対して垂直となるように設けることで、光磁気記
録に十分な大きさで均一な磁界が光磁気媒体に対して垂
直に印加できるようにするとともに、磁極端面の幅を十
分に大きくした場合であっても製造を容易としたもので
ある(積層体の厚さ方向は厚くすると製造工程が煩雑と
なるのに対し、積層体の幅方向は長くしても製造上の制
約がないので、磁性層を光磁気記録媒体との相対的な移
動方向に対して垂直にすることで、容易な製造工程で磁
気端面の幅を十分大きく作製することができる。)。こ
れにより、光スポットのトラッキングによる変位が生じ
た場合にも、光スポットは磁気端面の直下に位置するの
で、光磁気記録媒体には常に十分な磁界が印加され、良
好な信号記録が可能となる。
詳細に説明する。なお、本発明における光磁気記録媒体
はディスク状に限定されず、例えばカード状であっても
よい。 (第1の実施例)図1(a),(b)は本発明による光
磁気記録用磁気ヘッドおよび光磁気記録装置の一実施例
を示した平面図及び正面図であり、また図2(a),
(b)は磁気ヘッドの磁心(コア)の構成を示した正面
図及び底面図である。なお、光磁気記録装置の全体構成
は図14に示した構成と同様であるので詳細な説明は省
略する。
は磁気記録層、4は光ヘッド、8はレーザ光、9は対物
レンズである。20は“T”字型のコアであり、金属磁
性材料からなる磁性層21と絶縁層22とを交互に積層
した積層体からなる。磁性層21の厚さは15μm以下
であり、例えばFe−Al−Si合金(センダスト)か
らなる。絶縁層22は磁性層21を互いに電気的に絶縁
するために必要に応じて設けられSiO2 等の材料から
成る。コア20には図2(b)に斜線で示すように、磁
性層21に対して垂直に磁極端面20aが形成され、ま
たコア20は均一な磁界が印加されるように磁極端面2
0aがディスク1に平行に対向し、また、磁性層22が
矢印Aで示すディスク1の回転方向に対して垂直となる
ように配置される。コア20の周囲にはコイル23が設
けられておりコイル23に記録電流が供給されることに
より、磁界Hが発生し、ディスク1に対して垂直に印加
される。ここで、磁界Hは磁極端面20aの直下におい
て十分な強度を有する。
レーザ光8を微小なスポット8aに収束し、ディスク1
上の記録トラック7a上に照射する。記録トラック7a
はディスク1に偏心がある場合、回転に伴なって7a′
または7a″で示すように変位を生ずる。これに対して
光ヘッド4は図示しないアクチュエータにより対物レン
ズ9を記録トラック7aに対して垂直な方向に駆動する
ことによって、スポット8aを8a′,8a″で示され
るように変位させて、常に記録トラックに追従するよう
にトラッキング制御を行なう。
る。ここでコイル23に高い周波数の記録電流を供給し
て磁界を発生させる場合、コア20内に発生するうず電
流によって、磁気特性が低下することを防ぐため、磁性
層21は、その厚さを薄くした方がよい。これについ
て、図7を参照して説明する。図7は、センダストから
なる磁性層の厚さtが5,10,15μmの各場合につ
いて、コアの透磁率の周波数特性の実測結果を示すグラ
フである。ここで、絶縁層の厚さは0.5μm、総積層
厚は100μmである。グラフより明らかであるよう
に、約10MHzよりも低い周波数においては、磁性層
は、その厚さtが薄い方が、透磁率が小さくなる傾向に
ある。しかし、約10MHzよりも高い周波数において
は、逆に、その厚さtが小さい方が、透磁率が大きく、
周波数特性が高周波域まで伸びている。一般に、前記の
ような光磁気記録用の磁気ヘッドにおいて十分な性能を
得るためには、コアの透磁率を300以上にすることが
要求されている。従来のフェライトにより構成したコア
においては、透磁率を300に確保できる周波数の上限
が約20MHzであった。これに対し、本発明において
は、磁性層の厚さt=15μmとした場合、上述の性能
とほぼ同等の性能が得られる。また、t=10μmとし
た場合、周波数特性は約25MHzまで、また、t=5
μmとした場合、約40MHzまで、それぞれ、高周波
域を伸ばすことが確認されている。
が高くなりつつあることを考慮すると、磁性層は、その
厚さtを、最大で15μm、望ましくは10μm以下と
することが好ましい。また、絶縁層は、通常、非磁性で
あるため、磁束の大部分が磁性層に集中するから、この
ため、磁性層の飽和磁束密度を7kG、絶縁層の厚さを
磁性層の厚さのx%とすると、コア全体の実効的な飽和
磁束密度は、7kG×(100/100+x)となる。
それでも、なお、従来使用されているフェライトの飽和
磁束密度4kG〜6kGを上まわるためには、絶縁層の
厚さを磁性層の厚さの16%以下とすればよい。
磁性層より成るコアの実効的な飽和磁束密度Bsの温度
依存性を図8に示す。図示のように、Fe−Al−Si
の磁性層を、絶縁層を挟んで、積層したコアの実効的な
飽和磁束密度Bsは、常温(25℃)で、約6.4kG
である。また、温度の上昇とともに低下するのである
が、その割合は、図13に示したフェライトと比較して
穏やかであり、100℃においても飽和磁束密度Bsは
5.5kGと高い。
存性を示すのは、Fe−Al−Si合金のキュリー温度
が400〜500℃であり、フェライトのキュリー温度
150〜250℃と比較して高いからである。本実施例
の磁気ヘッドの記録電流と発生磁界強度の関係を図9に
示す。記録信号の周波数が10〜20MHzであっても
300(Oe)以下で発生磁界が飽和することはなく、
良好な信号記録に必要な200(Oe)以上の発生磁界
を得ることができる。
キュリー温度が高いという特性は、Fe−Al−Si合
金(センダスト)のみでなく、Fe−Ni合金(パーマ
ロイ)、Fe−(M)合金、FeNi−(M)合金、F
eCo−(M)合金、Co−(M)合金(ただし(M)
はSi,B,C,P,N,Al,Mo,Ti,Zr,N
b,Hf,Ta,Yのうち少なくとも一種類以上の元素
を含む)などの磁性材料が共通して有しているものであ
り、これらの材料によってコアを構成してもよい。
12号公報に示されるように、磁性体薄膜を絶縁層であ
る樹脂を介して複数積層した構成の積層体を、エネルギ
ービーム例えばレーザ光により、所定の形状に切断する
ことにより作製することができ、このような方法であれ
ば製造が容易であり、かつ歩留りもよいのである。
成膜方法によって磁性層と絶縁層を交互に成膜した積層
体を所定の形状に切断することにより作製してもよい。
このような実施例における磁気ヘッドのコアの構成の一
例を図3(a),(b)に示す。ここで24は、非磁性
の基板である。
て平行な方向の長さLとディスクの回転方向に対して垂
直な方向の幅Wについて説明する。
界は磁極端面20aの直下において十分な強度とされる
から、常に良好な信号記録を行なうためにはレーザ光の
スポットはトラッキング制御により変位した場合であっ
ても磁極端面20aの直下に位置するようにする。な
お、磁極端面20aの幅Wをディスクの回転方向に対し
て垂直な方向に配置したのは通常トラッキング制御はデ
ィスクの回転方向に対して垂直方向に制御されるからで
ある。
取り付け位置の誤差が発生することも考慮した場合、磁
極端面20aは大きい方が望ましい。ところが一方では
磁極端面20aの面積を大きくする程、コイル23のイ
ンダクタンスは増大する。よく知られているようにイン
ダクタンスの大きいコイルに高い周波数の記録電流を供
給する場合には、より大きな電圧をコイルに対して与え
る必要があり、これによって、駆動回路の消費電力が増
大するという問題点がある。さらには積層体の厚さを増
大した場合、製造上のさまざまな問題点が発生する。
たうえで、磁極端面20aのディスクの移動方向に対し
て平行な方向の長さLと、ディスクの移動方向に対して
垂直な方向の幅Wとが定められなければならない。本願
発明者の検討によれば幅Wは長さLよりも大きく、また
特にこれらが次式を満たすのが望ましい。
ーザ光のスポットが磁気ヘッドの磁極端面の直下に位置
するように、磁気ヘッドと光ヘッドは取り付けられる。
ここで、両者の相対的な取り付け位置の誤差は、その取
り付け方法にもよるのであるが、大量生産に適した方法
によればレーザ光のスポットの位置は、磁極端面の中心
に対して磁極端面の幅方向についても、長さ方向につい
ても最大±10μmの誤差を生ずる場合がある。したが
って磁極端面の長さLは20μm以上とすることが好ま
しい。
たトラッキング制御により記録トラックに垂直な方向に
変位を生ずる。この変位量は最大で±20μmである。
したがって、磁極端面の幅Wはこのようにレーザ光のス
ポットが変位した場合でも、スポットが磁極端面の直下
よりはずれないために、十分な大きさを必要とする。一
方、レーザ光のスポットは記録トラックに平行な方向に
は変位を生じないから磁極端面の幅Wは長さLよりも大
きく設定することが好ましく、上記40μm以上大きく
することがより好ましい。
体をエネルギービームにより切断する加工方法により製
造する場合、積層体の厚さが増大する程切断が困難とな
り、より大きな強度のエネルギービームを必要とする。
大させた場合には切断時の温度上昇により磁性層の磁気
特性に変化を生じるため好ましくない。そのため積層体
の厚さは100μm以下とすることが好ましい。
を一層ずつ成膜して形成する場合、積層体の厚さが増大
する程、また積層数が増大する程、形成に必要な時間が
増大する。一例として、磁性層の厚さが4.5μm、絶
縁層の厚さが0.5μm、積層数が20、積層体の厚さ
100μmである場合、積層体の形成には約15時間を
必要とし、大量生産が可能な限界である。また、積層体
の厚さを100μmよりも大きくすると、熱応力等によ
り積層体が変形するなどの不良を生じやすい。以上の点
からも積層体の厚さを100μm以下とすることが好ま
しい。一方、積層体の幅については、このような製造上
の制約はなく十分に大きくすることが可能である。さら
には前記したように、磁極端面の幅Wは十分に大きくす
る必要があり、長さLよりも大きくすることが好まし
い。したがって、磁性層の幅方向を磁極端面の幅方向に
一致させて、言い換えれば磁性層をディスクの回転方向
に対して垂直となるようにコアを配置するのが望まし
く、この時磁極端面の長さLは積層体の厚さに等しくな
るのである。
周波数との関係について説明する。図10は磁極端面の
面積L×Wとコイルのインダクタンスとの関係の一例を
示すグラフである。ここではコイルの巻数が25回であ
る場合について示す。図示のようにコイルのインダクタ
ンスは磁極端面の面積に比例する。通常記録信号の周波
数を10MHz以上とするためには、コイルのインダク
タンスは1μH以下とする。もし1μHよりも大きい場
合には、コイルに十分な記録電流を供給するためにより
高い電圧をコイルに与えなければならず、このため駆動
回路の消費電力が2W以上に増大し、実用的なものとは
なりにくいからである。またコイルの巻数を少なくする
ことによってインダクタンスを減少させる手段も知られ
てはいるが、この場合には磁気ヘッドの磁界発生効率が
低下するため、記録に必要な十分な磁界を発生するため
にはより大きな電流を供給しなければならず、結果とし
て、駆動回路の消費電力を低減することはできない。本
願発明者の検討によると、コイルの巻数は約25回(2
0回〜30回)とするのが最適であることが確認されて
いる。これらの事実をもとにして、図10より、磁極端
面の面積L×Wは25000μm2 以下が望ましい。 (第2の実施例)次にディスクの高速回転に伴なって生
じる空気流により、ディスクとの間に微小な間隔を保
ち、浮上走行するための空気力学的な浮上面形状を有す
るスライダーを備えた磁気ヘッドに本発明を適用した第
2の実施例について説明する。
示す。本実施例においては、スライダーはスライダー前
部構成部材25とスライダー後部構成部材26からな
り、両者は間に金属磁性材料等からなる磁性層と絶縁層
の積層体からなるコア20を挟んで接合されている。ス
ライダー前部構成部材25とスライダー後部構成部材2
6は非磁性のセラミック材料により構成される。
面20aがディスクに平行に対向し、また磁性層が矢印
Aで示すディスクの回転方向に対して垂直となるように
配置されている。コア20の磁極端面20aをとり囲む
ようにコイル23が設けられる。27はコイル23を収
容するためにスライダーに設けられた溝である。
に、磁性層の厚さは15μm以下、望ましくは10μm
以下とし、また絶縁層の厚さは磁性層の厚さの16%以
下とする。
飽和磁束密度が高く、キュリー温度が高いFe−Al−
Si合金(センダスト)をはじめ、Fe−Ni合金(パ
ーマロイ)、Fe−(M)合金、FeNi−(M)合
金、FeCo−(M)合金、Co−(M)合金(ただ
し、(M)はSi,B,C,P,N,Al,Mo,T
i,Zr,Nb,Hf,Ta,Yのうち少なくとも一種
類以上の元素を含む)等を使用してもよい。
向に対して垂直な方向の幅Wはディスクの移動方向に対
して平行な方向の長さLよりも大きく、また、特にこれ
らが前記の式(1),(2),(3)を満たすのが望まし
い。例えば代表的な値としては幅Wは200μm、長さ
Lは50μmである。
イダー前部構成部材25またはスライダー後部構成部材
26の接合面に直接スパッタ法等の成膜方法によって、
磁性層と絶縁層を交互に成膜することによって形成する
こともできる。
方法の概略工程を示す。
部構成材料の母材であるセラミック材料からなる基板3
0の接合面30aが鏡面加工される。次に、図5(b)
において、基板30の接合面上にスパッタ法によってセ
ンダストからなる磁性層とSiO2 からなる絶縁層とを
交互に成膜し積層体31を形成する。磁性層の厚さは
4.5μm、絶縁層の厚さは0.5μm、積層数を10
とすると積層体31の厚さは50μmとなる。次に、図
5(c)において、積層体31上にスライダー後部構成
部材の母材であるセラミック材料からなる基板32を接
着し接合体を得る。
して多数のスライダー基体33を得る。次に、図6
(b)において、スライダー基体33の浮上面33aを
鏡面加工し、コイルを収容する環状の溝27、および、
スライダーの浮上特性を向上させるための溝28とチャ
ンファー29とが加工される。ここで磁極端面20aの
幅Wは溝27の内側の寸法で決められ、また、長さLは
前記積層体31の厚さに等しい。図6(c)において、
溝27内にコイル23が収容され、磁気ヘッドが完成す
る。このような方法によれば、きわめて効率よく磁気ヘ
ッドを製造することができるのである。
ヘッドは、磁性層を複数層積層した積層体から成り、上
記磁性層に対して垂直な磁極端面が形成されたコアと、
コアの周囲に設けられたコイルとを備え、さらに、上記
磁極端面は光磁気記録媒体に対して平行に設けられ、ま
た上記磁性層は上記光磁気記録媒体との相対的な移動方
向に対して垂直となるように設けたことにより、記録信
号の周波数を高くしても良好な信号記録に必要な発生磁
界をえることができる。例えば、記録信号の周波数を1
0MHz以上とした場合であっても、200(Oe)以
上の磁界を飽和することなく発生できる。その結果、従
来よりも高速で信号記録することができる。
動方向に対して垂直な方向の幅Wを光磁気記録媒体の移
動方向に対して水平な方向の長さLよりも大きくし、さ
らに望ましくは幅Wと長さLとが次式 20μm ≦ L ≦ 100μm L+40μm ≦ W L×W ≦ 25000μm2 を満たすようにすれば、たとえ磁気ヘッドと光ヘッドと
の取り付け位置の誤差およびレーザ光のスポットのトラ
ッキング制御による変位が発生した場合であっても、レ
ーザ光のスポットは磁極端面の直下に位置するから、光
磁気記録媒体には常に十分な磁界が印加され、良好な信
号記録が可能である。
ことができ、コアの製造時に変形を生ずるなどの不良の
発生がない。
タンスが1μH以下となるため、記録信号の周波数を1
0MHz以上とした場合であっても、コイルの駆動回路
の消費電力を2W以下の実用的な値に抑えることが可能
である。
気ヘッドおよび光磁気記録装置を説明するための図であ
る。
アの構成図である。
ヘッドのコアの構成図である。
成図である。
造方法を示す図である。
造方法を示す図である。
数特性図である。
の温度特性図である。
との関係を示す特性図である。
インダクタンスの関係を示す特性図である。
界との関係を示す特性図である。
度特性図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 磁性層を複数層積層した積層体から成
り、該磁性層に対して垂直な磁極端面が形成された磁心
と、この磁心の周囲に設けられたコイルとを備え、光磁
気記録媒体との間で相対的に移動されてなる磁気ヘッド
であって、 上記磁極端面は上記光磁気記録媒体に対して平行に設け
られ、上記磁性層は上記光磁気記録媒体との相対的な移
動方向に対して垂直となるように設けられた磁気ヘッ
ド。 - 【請求項2】 上記光磁気記録媒体との相対的な移動方
向に対して垂直な方向の上記磁極端面の幅Wは、上記光
磁気記録媒体との相対的な移動方向に対して平行な方向
の上記磁極端面の長さLよりも大きいことを特徴とする
請求項1に記載の磁気ヘッド。 - 【請求項3】 上記光磁気記録媒体との相対的な移動方
向に対して垂直な方向の上記磁極端面の幅Wと、上記光
磁気記録媒体との相対的な移動方向に対して平行な方向
の上記磁極端面の長さLが、次式 20μm≦L≦100μm L+40μm≦W L×W≦25000μm2 を満たすことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッ
ド。 - 【請求項4】 上記光磁気記録媒体との相対的な移動に
伴なって生じる空気流によって上記光磁気記録媒体表面
上を浮上するスライダーを備え、このスライダーは前部
構成部材と後部構成部材との間に上記磁心を挟んだ構成
であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
の磁気ヘッド。 - 【請求項5】 光磁気記録媒体にレーザ光を収束して照
射する光ヘッドと、該レーザ光の照射部位に情報信号に
より変調された磁界を印加する磁気ヘッドと、上記光磁
気記録媒体を上記光ヘッドおよび磁気ヘッドに対して相
対的に移動させる手段と、を備えた光磁気記録装置にお
いて、 上記磁気ヘッドは請求項1〜請求項4のいずれかに記載
の磁気ヘッドであることを特徴とする光磁気記録装置。
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