JPH0810983A - ろう付用防食アルミニウム材料の製造方法 - Google Patents
ろう付用防食アルミニウム材料の製造方法Info
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Abstract
を、製造ラインの長尺化等を派生することなく溶射法に
よって簡易に製造でき、しかもろう付性にも優れたろう
付用防食アルミニウム材料の製造方法を提供する 【構成】アルミニウム材の表面に、Zn−Si系合金線
材を溶射する。アルミニウム材表面のZn成分の付着量
は6〜14g/m2 、Si成分の付着量は3〜20g/
m2 とするのが良い。
Description
よって製作される熱交換器の構成部材等として用いられ
るろう付用アルミニウム材料の製造方法、特に耐食性を
要求される部材に好適に用いられるろう付用防食アルミ
ニウム材料の製造方法に関する。
の語はその合金を含む意味で用いられる。
う材層を被覆形成してろう付用材料となす技術は既に知
られている。しかし、ろう材層を形成しただけではろう
付後に耐食性を付与することはできない。
ルミニウム材料の製造方法として、ろう材層の溶射形成
に先立ってまずZnまたはZn合金をアルミニウム材の
表面に溶射して防食層を形成し、その後にろう材を溶射
する方法が提案されている(例えば特開平1−1577
94号、特開平2−46969号)。
順次別々に形成するために、溶射装置を前後2段に配置
しなければならず、製造ラインが長くなるとか、コスト
高につくというような欠点があった。
−Si−Zn系合金ろう材を用いることにより、ろう材
層の形成前のZn溶射を不要とする技術が提案されてい
る(例えば特公昭63−1152号、特開平1−107
961号)。
l−Si−Zn系合金ろう材は、Al−Siろう材を主
成分とするため、溶射時に酸化が進行し易く、このため
強固な酸化皮膜が形成されやすく、この酸化皮膜がろう
付性を阻害して良好なろう付けを行うことができないと
いう欠点があった。
みてなされたものであって、耐食性を付与できるろう付
用アルミニウム材料を、製造ラインの長尺化等を派生す
ることなく溶射法によって簡易に製造でき、しかもろう
付性にも優れたろう付用防食アルミニウム材料の製造方
法を提供するものである。
ウム材の表面にZn−Si系合金線材を溶射することを
特徴とするろう付用防食アルミニウム材料の製造方法に
よって達成される。
おけるSi成分は、溶射後においてろう材成分として機
能するものである。すなわち、溶射後アルミニウム材の
表面に存在している溶射層中のSiは、ろう付加熱時に
アルミニウム材のAlと反応してろう材としてのAl−
Si合金を形成する。一方、Zn−Si系合金線材に含
まれるZn成分は防食効果を付与するものである。而し
て、アルミニウム材のろう付性、耐食性は、溶射後にお
けるアルミニウム材表面のSi成分やZn成分の付着量
に大きく依存するため、溶射材料としてのZn−Si系
合金線材そのものの組成はさほど重要ではない。一般的
には、Si:18〜77wt%、残部Zn及び不可避不純
物の組成のものが用いられる。なお、溶射後のアルミニ
ウム材のろう付性、耐食性に影響を与えない限りにおい
て、Zn、Siの外に他の成分を含有していても良い。
使用されているDCアーク溶射機等を使用して行えば良
い。溶射条件も特に限定されることはなく、一般的な溶
射条件を採用すれば良い。また、かかる溶射は、アルミ
ニウム材表面に形成される溶射層の酸化を可及的防止す
るため、N2 雰囲気等の非酸化性雰囲気で行うのが良
い。
を巻きほどきながら、あるいはアルミニウム材が特に押
出材の場合には、アルミニウム材を押出機から押出しな
がら、連続的に溶射するのが生産効率上好ましい。
ミニウム材表面にはZn−Si系合金からなる溶射層が
形成される。溶射層におけるZn成分の付着量は、6〜
14g/m2 とするのが良い。6g/m2 未満ではろう
付後の耐食性が不十分となる虞れがあり、14g/m2
を越えると初期腐食が激しくかえって耐食性に劣る場合
がある。より好ましくは、溶射層におけるZn成分の付
着量を8g/m2 以上とするのが良く、また12g/m
2 以下とするが良い。一方Si成分の付着量は、3〜2
0g/m2 とするのが良い。3g/m2 未満ではその後
のろう付が不十分となる虞れがあり、20g/m2 を越
えるとエロージョンが発生する危険がある。より好まし
くは、溶射層におけるSi成分の付着量を4g/m2 以
上とするのが良く、また7g/m2 以下とするが良い。
−Si系合金線材におけるZn、Si含有量を考慮し
て、溶射層の厚さを調整することにより行えば良い。ま
た、溶射層はアルミニウム材の片面にのみ形成しても良
いし、図1に示すようにアルミニウム材(2)の上下に
溶射ガン(4)(4)を配置して溶射を行うことによ
り、上下両面に溶射層を形成しても良い。
特に限定されることはなく、用途との関連で要求される
種々の材質のものを用いれば良い。また、アルミニウム
材の加工方法も特に限定されることはなく、押出材、圧
延材、鋳造材その他各種の材料を用いることができる。
また、アルミニウム材の断面形状も限定されることはな
く、用途との関係で決定される任意の形状に製作すれば
良い。
射層を形成されたアルミニウム材料は、その後、ろう付
品の構成部材としてろう付に供される。具体的には、被
接合部にフラックスを塗布し乾燥したのち、N2 等の不
活性ガス雰囲気中で600℃前後の温度に加熱される。
この加熱による温度上昇の過程で、溶射層中のZn成分
がアルミニウム材表面に拡散して防食層が形成される。
また、溶射層中のSi成分とアルミニウム材のAlとが
反応してAl−Si合金ろう材を形成し、このろう材を
利用してろう付接合が達成される。
ら、Al−Si系合金ろう材を溶射する場合に較べて溶
射時の酸化が抑制され、酸化皮膜の形成が抑制される。
従って、ろう付性が阻害される不都合が軽減される。
を合金としてともに含むZn−Si系合金線材を溶射す
るから、防食層とろう材層を順次別々に形成する必要は
ない。
×高さ3mm×肉厚0.5mmの多孔偏平押出材(2)
を、図1及び図2に示すように、押出機(1)から押出
したのち、押出機の出側において、押出材(2)の上下
に溶射ガン(4)(4)をコイル方向に傾斜させた状態
で配置し、押出材(2)表面に溶射を行った。その後、
冷却用水槽(3)で冷却したのち、コイル(6)に連続
的に巻き取った。溶射ガン(4)としては、通常のDC
アーク溶射機によるものを用いた。
示すような各種組成の合金からなる線材(直径1.6m
m)を用いて溶射を行い、押出材(2)の上下両面に溶
射層(5)(5)を被覆形成した。
料について、溶射層におけるZn成分、Si成分、Al
成分を測定した。その結果を表1に示す。
ミニウム材料を熱交換チューブに用いて、図3および図
4に示すいわゆるマルチフロー形のアルミニウム製熱交
換器コアにそれぞれ組み立てた。なお、図3および図4
に示す熱交換器コアは、水平状態で上下に平行に配置さ
れた上記ろう付用アルミニウム材料からなる多数本のチ
ューブ(11)と、隣接するチューブ(11)間に介在配置
されたコルゲートフィン(12)と、最外側のコルゲート
フィンの外側に配置されたサイドプレート(13)(13)
を備えた縦350mm×横550mm×奥行16mmに
形成されたものである。なお、コルゲートフィン(12)
としては、JIS3003Al合金からなる長さ530
mm×幅16mm×高さ8mm×肉厚0.12mmのも
のを用いた。また、サイドプレート(13)としてはJI
S1100Al合金からなる長さ530mm×幅16m
m×肉厚0.8mmのものを用いた。
82wt%KAlF4 +18wt%K3AlF6 からなる平
均粒径10μmのフラックスを水に懸濁させた懸濁液
(濃度10%)を塗布し乾燥したのち、O2 濃度:50
ppm、露点:−60℃のN2ガス雰囲気中にて600
℃×3分加熱し、各構成部材をろう付した。
について、コルゲートフィン(12)との接合状態を目視
観察することにより、ろう付性を評価した。その結果を
表1に示す。
7、8の各熱交換器コアをCCT腐食試験(複合腐食試
験)に供して、180サイクル後のチューブの腐食状態
を調べたところ、表1に示すとおりであった。
の試料については、ろう付不十分であったが、この理由
は強固な酸化皮膜が形成され、これがろう付性を阻害し
たものと推測される。また、本発明実施品について、溶
射層におけるZn成分、Si成分の付着量が好適範囲に
ある場合には、優れたろう付性、優れた耐食性を示し、
かつろう付後の外観も良好であることがわかる。
Si系合金線材を用いるから、Al−Si系合金ろう材
を溶射する場合に較べて溶射時の酸化を抑制でき、酸化
皮膜の形成を抑制できる。従って、ろう付性が阻害され
る不都合を軽減することができる。
を合金としてともに含むZn−Si系合金線材を溶射す
るから、防食層とろう材層を順次別々に形成する必要が
なくなり、1台の溶射装置で済む。従って、複数の溶射
装置の設置に起因する製造ラインの長尺化やコスト高を
派生することなく、防食性能を有するろう付用アルミニ
ウム材料の製造が可能となる。
着量が6〜14g/m2 であり、Si成分の付着量が3
〜20g/m2 である場合には、さらに優れたろう付
性、耐食性を確実に実現することができる。
熱交換器コアの正面図である。
ィンとを分離して示す斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム材の表面に、Zn−Si系
合金線材を溶射することを特徴とするろう付用防食アル
ミニウム材料の製造方法。 - 【請求項2】 アルミニウム材表面のZn成分の付着量
が6〜14g/m2であり、Si成分の付着量が3〜2
0g/m2 である請求項1に記載のろう付用防食アルミ
ニウム材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14049894A JP3652719B2 (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | ろう付用防食アルミニウム材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14049894A JP3652719B2 (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | ろう付用防食アルミニウム材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0810983A true JPH0810983A (ja) | 1996-01-16 |
JP3652719B2 JP3652719B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=15270036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14049894A Expired - Fee Related JP3652719B2 (ja) | 1994-06-22 | 1994-06-22 | ろう付用防食アルミニウム材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3652719B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102010064222A1 (de) * | 2010-12-27 | 2012-06-28 | Stefan Hundt | Beschichtetes Metallsubstrat |
CN105154717A (zh) * | 2015-09-02 | 2015-12-16 | 太仓顺如成建筑材料有限公司 | 一种耐腐蚀铝合金 |
-
1994
- 1994-06-22 JP JP14049894A patent/JP3652719B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102010064222A1 (de) * | 2010-12-27 | 2012-06-28 | Stefan Hundt | Beschichtetes Metallsubstrat |
EP2468913A3 (de) * | 2010-12-27 | 2014-05-07 | Stefan Hundt | Beschichtetes Metallsubstrat |
CN105154717A (zh) * | 2015-09-02 | 2015-12-16 | 太仓顺如成建筑材料有限公司 | 一种耐腐蚀铝合金 |
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JP3652719B2 (ja) | 2005-05-25 |
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