JPH08109516A - 機能性ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

機能性ポリエステル繊維の製造方法

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JPH08109516A
JPH08109516A JP6263299A JP26329994A JPH08109516A JP H08109516 A JPH08109516 A JP H08109516A JP 6263299 A JP6263299 A JP 6263299A JP 26329994 A JP26329994 A JP 26329994A JP H08109516 A JPH08109516 A JP H08109516A
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JP
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weight
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polyester
polyester polymer
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JP6263299A
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Noboru Watanabe
昇 綿奈部
Tamotsu Ishida
保 石田
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 別途の液状分散媒体を使用せず、吸水性、抗
菌性、防虫性等の諸機能をポリエステル繊維に付与する
方法を提供する。 【構成】 ポリエーテル系吸水剤と機能性剤との混合物
をポリエステルポリマーの紡糸直前において、ポリエス
テルポリマー中に急速混練した後、これを紡糸すること
を特徴とする機能性ポリエステル繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機能性ポリエステル繊維
の製造方法に関し、更に詳しくは吸水性、抗菌性、防虫
性等の諸機能を持つポリエステル繊維の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル繊維に所望の機能を
付与するためには、該機能を発揮する機能性剤を予め液
状分散媒体と混合して、該混合物をポリエステルポリマ
ーの紡糸直前に、ポリエステルポリマー中に急速混練し
た後、これを紡糸することによりポリエステル繊維を製
造していた。
【0003】例えば、特開平5‐279920号公報に
は、防虫剤を液状分散媒体としての脂肪族系ポリエステ
ルと混合してギヤポンプによって送液可能な粘性になっ
た混合液を調製し、この混合液をポリエステルポリマー
の紡糸直前において、ポリエステルポリマー中に急速混
練した後、これを紡糸することを特徴とする防虫性ポリ
エステル繊維の製造方法が開示されている。
【0004】特開平3‐124809号公報には、液状
ポリエステルを分散媒とし、トリポリリン酸二水素アル
ミニウムを含むスラリー状組成物を、ポリエステル繊維
の紡糸直前に急速混練することによる消臭性ポリエステ
ル繊維の製造方法が開示されている。
【0005】また、特公平3‐47327号公報には、
カーボンブラックを含む顔料組成物を液状分散媒体中に
混合し、これを紡糸直前の溶融ポリエステル樹脂に配合
し、混合する方法が開示されている。
【0006】上記いずれの方法においても、ポリエステ
ル繊維に付与すべき、所望の機能とは無関係の液状分散
媒体を使用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、別途の液状
分散媒体を使用せずに諸機能をポリエステル繊維に付与
する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエーテル
系吸水剤と機能性剤との混合物をポリエステルポリマー
の紡糸直前において、ポリエステルポリマー中に急速混
練した後、これを紡糸することを特徴とする機能性ポリ
エステル繊維の製造方法である。
【0009】本発明においては、従来法のように別途の
液状分散媒体は使用しない。即ち、ポリエーテル系吸水
剤が紡糸時に液状分散媒体としても働く。ポリエーテル
系吸水剤を使用することにより、機能性剤をその中に良
好に分散することができる。更に、この混合物は、ポリ
エステルポリマー中への注入及び混練に際して、それに
適した良好な性状を有する。従って、ポリエステルポリ
マーへの注入が容易となり、かつポリエステルポリマー
中に均一に混練することができる。ポリエーテル系吸水
剤はポリエステルポリマー中に添加されて吸水性を発揮
し、機能性剤は抗菌性、防虫性等の諸機能を発揮する。
従って、ポリエステル繊維に吸水性、及び抗菌性、防虫
性等を同時に付与することができ、所望の機能を持つポ
リエステル繊維を、経済的かつ簡便に製造することがで
きる。
【0010】本発明に使用するポリエーテル系吸水剤
は、好ましくは芳香族ジカルボン酸とポリオキシアルキ
レングリコールとを共重合したものである。芳香族ジカ
ルボン酸としては、好ましくはテレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルトフタル酸、無水フタル酸、アルキル置換テ
レフタル酸、ハロゲン化テレフタル酸、アルキル置換イ
ソフタル酸、ハロゲン化イソフタル酸等が使用され、特
に好ましくはテレフタル酸が使用される。
【0011】ポリオキシアルキレングリコールとして
は、好ましくは下記式(II)で示されるものが使用され
る。
【0012】
【化2】 ここで、Rは水素原子又はメチル基を示し、そして、m
は5〜30の整数、好ましくは10〜25の整数を示
す。
【0013】本発明のポリエーテル系吸水剤としては、
特に好ましくは下記式(I)で示されるものが挙げられ
る。
【0014】
【化3】 ここで、各R及び各mは夫々独立して、上記と同じであ
り、そして、nは6〜15の整数、好ましくは9〜12
の整数を示す。
【0015】上記の式(I)で示されるポリエーテル系
吸水剤は、ポリエステル繊維に良好な吸水性を付与し得
ると共に、特に耐熱性及び耐久性に優れている。該ポリ
エーテル系吸水剤は、機能性剤を良好にその中に分散す
ることができる。また、該ポリエーテル系吸水剤と機能
性剤との混合物は、特にポリエステルポリマーへの注入
が容易で、かつポリエステルポリマー中に均一に混練す
ることができる。
【0016】また、本発明に使用する機能性剤として
は、好ましくは抗菌剤、防虫剤、消臭剤、芳香剤、難燃
剤、蓄熱剤等が挙げられる。
【0017】抗菌剤として、好ましくは抗菌性金属を担
持するゼオライトが用いられる。抗菌性金属を担持する
ゼオライトは公知であり、ゼオライトへの抗菌性金属の
イオン交換によって作ることができる。抗菌性金属とし
ては、銀、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミ
ウム、クロム、コバルト、ニッケル、又はこれらの2種
以上の組合せが挙げられる。好ましくは、銀、銅、亜
鉛、又はこれらの組合せが用いられ、特に銀単独、又は
銀と銅又は亜鉛の組合せが抗菌性に優れている。抗菌性
金属を担持するゼオライトを作る方法は、たとえば特公
昭63−54013号及び特公平3−80814号公報
に記載されている。
【0018】本発明においては、特願平5‐53119
号明細書に記載されている方法、即ち、抗菌性金属を担
持するゼオライトの変色作用を抑制する方法において、
ヒドロキシまたはアルコキシシラン又はその低縮合物に
より上記ゼオライトを処理する方法により製造された変
色作用の少ない抗菌性を担持するゼオライトが好まし
い。
【0019】また、特願平6‐68102号明細書に記
載されている方法、即ち、抗菌性金属を担持するゼオラ
イトの変色作用を抑制する方法において、抗菌性金属を
担持するゼオライト1000重量部に対して、0.05
重量部以上のエチレン性不飽和結合を含むアルコキシシ
ラン単量体と9.95重量部以上のエチレン性不飽和単
量体から少なくとも成り、かつ該アルコキシシラン単量
体と該エチレン性不飽和単量体との総和が10〜200
重量部である共重合体により、上記ゼオライトを表面処
理することを特徴とする方法により製造された変色作用
の少ない抗菌性金属を担持するゼオライトも好ましい。
【0020】上記特願平5‐53119号及び特願平6
‐68102号明細書に記載されている方法で得られる
抗菌性金属を担持するゼオライトは、ポリエステル繊維
に配合されて、抗菌性を発揮すると共に、ポリエステル
繊維を変色させないため特に好ましい。
【0021】防虫剤としては、ポリエステルポリマーと
よく相溶し、高温下でも安定性を有し、更に防虫効果が
高くかつ安全な化合物を選択することが好ましい。例え
ば、オルトジアルキルフタレート、イソジアルキルフタ
レート、テレジアルキルフタレート等の芳香族カルボン
酸エステル類、ジアルキルアジペート、ジアルキルフマ
レートあるいはマレイン酸エステル類等が挙げられる。
上記化合物中、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8
である。芳香族カルボン酸エステル類が、より好ましく
使用される。
【0022】消臭剤としては、ポリエステルポリマーへ
の分散性が良く、高温下でも安定性を有し、消臭効果が
高く、かつ安全な化合物が好ましい。例えば、Kフレッ
シュ(テイカ株式会社製)、キョーワード(協和化学工
業株式会社製)、セラホワイト(第一希元素化学工業株
式会社製)等が挙げられる。
【0023】芳香剤としては、植物抽出油等が好まし
い。例えば、フォレスト(祥光化学株式会社製)等が挙
げられる。
【0024】難燃剤としては、テトラブロモビスフェノ
ールA、臭素化エポキシ系物質、芳香族ジホスフェート
等、及びそれらの混合物が好ましい。例えば、PX‐2
00、PX‐201、PX‐202(いずれも大八化学
株式会社製)、臭素化エポキシ系剤(阪本薬品株式会社
製)、TBA(日華化学株式会社製)等が挙げられる。
【0025】蓄熱剤としては、酸化ジルコニウム、炭化
ジルコニウム、二酸化チタン等、及びそれらの混合物が
好ましい。例えば、サンセラミック(サンセラミック技
研株式会社製)等が挙げられる。
【0026】上記のポリエーテル系吸水剤、及び抗菌
剤、防虫剤、消臭剤、芳香剤、難燃剤、蓄熱剤の機能性
剤は、下記の量でポリエステルポリマー中に配合するこ
とが好ましい。
【0027】即ち、ポリエステルポリマー中に、ポリエ
ーテル系吸水剤が、好ましくは1.0〜10重量%、特
に好ましくは1.5〜3.5重量%、抗菌剤が、好まし
くは0.3〜5.0重量%、特に好ましくは1.0〜
2.0重量%、防虫剤が、好ましくは0.1〜3.0重
量%、特に好ましくは0.5〜1.5重量%、消臭剤
が、好ましくは1.0〜10重量%、特に好ましくは
2.0〜5.0重量%、芳香剤が、好ましくは0.1〜
2.0重量%、特に好ましくは0.2〜1.0重量%、
難燃剤が、好ましくは0.3〜10重量%、特に好まし
くは2.0〜5.0重量%、蓄熱剤が、好ましくは0.
3〜10重量%、特に好ましくは2.0〜5.0重量%
である。上記各成分が、上記範囲未満では、十分な吸水
性、抗菌性、防虫性、消臭性、芳香性、難燃性、蓄熱性
の諸機能が得られず、上記範囲を超えては、得られたポ
リエステル繊維の物性が低下すると共に、コストの増加
につながり好ましくない。
【0028】本発明のポリエステル繊維を形成するポリ
エステルポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエ
チレンオキシベンゾエート、ポリ1,4‐ジメチルシク
ロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトン及びこ
れらを成分とするコポリエステル等が挙げられる。本発
明に使用されるポリエステルポリマーは、いわゆるファ
イバーグレードのもので通常18,000〜22,00
0の数平均分子量を持つものが好ましい。
【0029】上記のポリエーテル系吸水剤及び機能性剤
をポリエステル繊維に添加するに際しては、ポリエーテ
ル系吸水剤と機能性剤との重量比は、両者の混合状態が
良好であり、かつポリエステル繊維への注入の際にポン
プによる送液が困難にならない範囲であれば、特に制限
はない。好ましくは20/80〜70/30であり、特
に好ましくは40/60〜60/40である。
【0030】上記の重量比は、得られるポリエステル繊
維中における各物質の所望量に応じて適宜定められる。
【0031】また、所望により上記各成分に加えて、混
合物の粘度を調節する目的で、粘度低下剤例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ペンタメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリ
コール、デカメチレングリコール、ビス(β‐ヒドロキ
シエチル)テレフタレート、ビス(β‐ヒドロキシエチ
ル)イソフタレート、ビスフェノールAのエチレンオキ
サイドあるいはプロピレンオキサイドの付加体等のグリ
コール類を添加することができる。該成分の配合量は、
ポリエーテル系吸水剤と機能性剤の合計100重量部に
対して、好ましくは5〜50重量部、特に好ましくは1
0〜30重量部である。これにより混合物の粘度を調節
することができ、羊毛混に適した抗ピル性多機能綿が得
られる。該配合量が上記範囲未満では、混合物の粘度を
十分に調節することができず、上記範囲を超えては、混
合物の粘度が低下し過ぎポリエステル繊維の紡糸の際、
紡糸金口からのポリマードロップが生ずる等の悪影響を
及ぼすため好ましくない。
【0032】混合物の調製は、まず上記重量比で各物質
を配合した後、三本ロール、ボールミル、サンドミル、
アトライター、ニーダー等、又はこれらの組み合わせを
用いて行うことができる。このようにして調製された混
合物をポリエステルポリマーの紡糸直前において、ポリ
エステルポリマー中に急速混練することにより添加す
る。該添加にあたっては、例えばポリマー導入管出口の
通常重合度のポリエステルに会合部を設けて、プランジ
ャーポンプ又はギヤポンプで計量された上記混合物を注
入する。
【0033】会合部以降のポリマー流路は、例えば第一
混練部−ギヤポンプ−第二混練部−スピンビーム(第三
混練部)−紡糸パックの順にとり、混練部の許容圧力損
失をできるだけ大きくし、使用する公知の静止混練素子
の数を多くすることができる。静止混練素子としては、
例えばケニックス社製のスタティク・ミキサー、特殊機
化工業社製のロス‐LSG‐ミキサーあるいはロス‐L
PD‐ミキサー、及びズルサー社製のSMミキサーある
いはBKMミキサー等が挙げられる。会合部、第一混練
部、ギヤポンプはギヤポンプ接合用のウエアプレート内
に組込み、添加する混合物の計量精度を上げ、装置をコ
ンパクト化することができる。
【0034】また、本発明の方法を使用してコンジュゲ
ート繊維の一の成分側にポリエーテル系吸水剤及び機能
性剤を添加することができる。この場合には、上記のよ
うにして調製した混合物を上記と同様にしてコンジュゲ
ート繊維の一の成分側に混練することにより実施するこ
とができる。
【0035】このようにして製造されたポリエステル繊
維は、好ましくは織物、編物として使用され、良好な吸
水性、及び抗菌性、防虫性等の諸機能を発揮する。
【0036】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0037】
【実施例】以下の実施例においては下記の化合物を使用
した。 <吸水剤>ポリエーテル系吸水剤(AE58、商標、丸
菱油化株式会社製、化学式(I)で示される化合物) <抗菌剤>銀、亜鉛イオン交換ゼオライト抗菌剤(BM
102B、商標、鐘紡株式会社製) <防虫剤>芳香族カルボン酸エステル系防虫剤(PE1
00、商標、大阪化成株式会社製) <粘度低下剤>ビスフェノールA付加体(AE01、商
標、三洋化成株式会社製) また、各特性の評価方法は下記の通りである。 <吸水性>揚水性 :試料2.3gを内径10mmφのガラス管に詰
め重量を測定する(この重量を[W-1]gとする)。次に、
約5mmの高さまで水を入れたシャーレに上記の試料入
りガラス管をシャーレ底面に垂直となるようにつける。
この時点を0分として、2分30秒後のガラス管中の水
の高さ(揚水高さ)を読み取り、同時にシャーレよりガ
ラス管を取出し、その重量を測定する(この重量を[W-
2]gとする)。上記操作を3回行い、揚水量及び揚水高
さの夫々について平均値をとり評価する。ここで、揚水
量は([W-2]-[W-1])gで算出した。保水性 :0.15〜0.20gの試料を準備する(この
重量をSWgとする)。純水約100ml及び上記試料
をビーカーに入れた後、ガラス棒でつついて試料中の気
泡を追い出す。10分間隔でガラス棒により試料をもみ
ながら、30分間純水中に浸す。次いで、該試料を素早
く取出し、手に持って水切り(絞ってはならない)をし
た後、その底にガラスビーズ約50gを入れた50ml
遠心びん中に入れ、シーロンフィルムをかぶせ凹凸がな
いようにはさみで切取る。該遠心びんを遠心分離機にセ
ットし、正確に10分間遠心処理した後、素早くシーロ
ンフィルムをはがしピンセットで試料を取出し秤量する
(この重量をAgとする)。該操作を四個の試料につい
て行い、その平均値により保水性を算出する。ここで、
保水性は下記式により算出した。
【0038】 保水性(%)=[(A−SW)/SW]×100吸湿率 :試料を5.0gづつ用意し、夫々別のアルミホ
イル容器に入れる。これらを105℃に調節した通風乾
燥器中に4時間放置し絶乾する。その後、各試料を乾燥
器から取出しシリカゲルデシケーター中に5分間入れた
後、絶乾重量を測定する(この重量をWgとする)。次
に、各試料を夫々繊維試験室内(温度20℃、湿度65
%)及び硫酸デシケーター内(温度20℃、湿度92
%)に24時間放置した後、再度、試料重量を測定する
(この重量をW´gとする)。夫々の吸湿率は、下記式
により算出した。
【0039】 吸湿率(%)=[(W´−W)/W]×100 <抗菌性>抗菌性試験は、SEK法に準拠しシェークフ
ラスコ法により実施した。振とう機としては、リストア
クションシェーカー[バレル コーポレーション(Burre
llCorporation) (米国、ペンシルバニア州、ピッツバ
ーグ)、Model‐75]を使用した。試料:液の重
量比は1:100とした。菌種として、肺炎かん菌(Kle
bsiella Pneumoniae)<K.Pneumoniae ATCC 4352> を使用
した。
【0040】抗菌性試験方法の概要は下記の通りであ
る。 (1) まず、菌液を調製し、菌量が1.4×104 個/m
lとなるように液量を調製する。 (2) 試料0.75グラムを、200ミリリットルの密栓
付三角フラスコ中に入れる。次いで、1.4×104
/ml菌量の液75mlを入れる。 (3) 上記フラスコに密栓を施した後、上記のリストアク
ションシェーカーを使用して、25℃で、1時間振とう
する。 (4) 振とう後、菌液と試料を分離し、菌液につき寒天培
地に塗布し、培養してコロニーを形成する。 (5) コロニーを計測し、振とう1時間後の生菌数を求め
る。同様にして振とう0時間の生菌数を求める。
【0041】抗菌性は、減菌率により示した。ここで、
W0 、W3 及びW5 は、夫々洗濯回数0、3及び5回後
の試料であり、洗濯テストは、JIS L‐0217、
103法に準拠して実施した。 <防虫性>コナヒョウダニに対する忌避率で評価した。
コナヒョウダニに対する忌避率は、大阪府立公衆衛生研
究所法式に従い、直径3cmのシャーレを粘性シート上
に置き、その周囲に6個の同一シャーレを中央のシャー
レと接するように置き、周囲の6個のシャーレには、防
虫性を付与した本発明のポリエステル繊維(処理区)と
未処理のポリエステル繊維(無処理区)を交互に入れ、
各ポリエステル繊維上に粉末飼料0.05gを置く一
方、中央のシャーレには粉末飼料を入れずダニのみを入
れ、湿度75%に保って、25℃の高温気中で24時間
放置し、周囲の6個のシャーレに侵入したダニの数を数
え、以下の式により忌避率を求めた。
【0042】忌避率(%)=[(無処理区の侵入ダニ数
−処理区の侵入ダニ数)/無処理区の侵入ダニ数]×1
00
【0043】
【実施例1】抗菌剤、吸水剤及び粘度低下剤を、夫々5
0重量部、40重量部及び10重量部の量で配合し、こ
れを三本ロールを使用して混練して混合物を調製した。
次に、数平均分子量21,000のポリエチレンテレフ
タレート溶融ポリマーの導入管出口に対して2セットに
分岐した、会合部と混練部からなるポリマー流路を設
け、混練部に2個の導入口を有する紡糸パックを接合
し、片側の会合部に上記混合物を該ポリマー中に5.0
重量%となるようにギヤポンプを使用して添加した。他
の会合部には何も添加しなかった。次に、ポリマー流路
に設けたスタティクミキサー(ケニックス社製)及びB
KMミキサー(ズルサー社製)を用いて急速混練した。
引き続いて、紡糸パックで240ホールの中空サイドバ
イサイドの口金を使用し、接合比1:1、巻取速度78
0メートル/分で紡糸し、これを延伸して繊度7.69
デニールのポリエステル繊維を製造した。該ポリエステ
ル繊維中に、抗菌剤が1.25重量%、そして吸水剤が
1.0重量%であった。該ポリエステル繊維の繊維強度
は2.64g/d、伸度は68.7%、捲縮数は6.5
回/25mm、捲縮率は22.0%であり、詰め綿に適
した繊維が得られた。
【0044】
【実施例2】抗菌剤、吸水剤、防虫剤及び粘度低下剤
を、33重量部、32重量部、20重量部及び15重量
部の量で配合して混合物を調製し、かつ上記混合物が片
側のポリマー中に3.0重量%となるように配合した以
外は、実施例1と同一にして実施した。ポリエステル繊
維中に、抗菌剤が0.5重量%、吸水剤が0.48重量
%、そして防虫剤が0.3重量%であった。
【0045】
【実施例3】抗菌剤、吸水剤、防虫剤及び粘度低下剤
を、40重量部、22重量部、28重量部及び10重量
部の量で配合して混合物を調製し、かつ上記混合物が片
側のポリマー中に5.0重量%となるように配合した以
外は、実施例1と同一にして実施した。ポリエステル繊
維中に、抗菌剤が1.0重量%、吸水剤が0.55重量
%、そして防虫剤が0.7重量%であった。
【0046】
【実施例4】抗菌剤、吸水剤及び防虫剤を、30重量
部、50重量部及び20重量部の量で配合して混合物を
調製し、かつ上記混合物がポリマー中に5.0重量%と
なるように、紡糸機の紡糸口金へのポリマー導入管出口
においてギヤポンプを使用して添加し、次に、ポリマー
流路に設けたスタティクミキサー(ケニックス社製)及
びBKMミキサー(ズルサー社製)を用いて急速混練し
た。引き続いて、常法に従って紡糸し、これを延伸して
繊度3.2デニール、強度5.1g/d、伸度35%の
ポリエステル繊維を得た。ポリエステル繊維中に、抗菌
剤が1.5重量%、吸水剤が2.5重量%、そして防虫
剤が1.0重量%であった。
【0047】
【実施例5】抗菌剤、吸水剤及び粘度低下剤を、夫々5
0重量部、42重量部及び8重量部の量で配合し、これ
を三本ロールを使用して混練して混合物を調製した。次
に、数平均分子量21,000のポリエチレンテレフタ
レート溶融ポリマーの導入管出口に対して2セットに分
岐した会合部、混練部のポリマー流路を設け、混練部に
2個の導入口を有する紡糸パックを接合し、片側の会合
部に上記混合物を該ポリマー中に6.0重量%となるよ
うにギヤポンプを使用して添加した。他の会合部には何
も添加しなかった。次に、ポリマー流路に設けたスタテ
ィクミキサー(ケニックス社製)及びBKMミキサー
(ズルサー社製)を用いて急速混練した。引き続いて、
紡糸パックで240ホールの中空サイドバイサイドの口
金を使用し、接合比1:1、巻取速度780メートル/
分で紡糸し、これを延伸して繊度8.0デニールのポリ
エステル繊維を製造した。該繊維中に、抗菌剤が1.5
重量%、そして吸水剤が1.26重量%であった。該繊
維の繊維強度は2.33g/d、伸度は67.6%、捲
縮数は5.8回/25mm、捲縮率は23.8%であ
り、十分な繊維強度と伸度を有していた。また、該繊維
の延伸時に後加工防虫剤(P3870、商標、大阪化成
株式会社製)をミスト状にして1.0%付与した。
【0048】上記実施例1〜5のポリエステル繊維を試
料として抗菌性、吸水性、防虫性を評価した。その結果
を表1に示す。
【0049】
【表1】 実施例1〜5は、本発明の方法に従って、抗菌剤、吸水
剤及び所望により防虫剤を添加して製造したポリエステ
ル繊維である。いずれの場合にも、抗菌性は洗濯回数0
回において非常に良好であった。洗濯回数を増すと抗菌
性は多少低下するが、著しい低下はなく良好な抗菌性を
維持し、抗菌性に耐久性があることが分かった。吸水
性、即ち揚水性、保水性、吸湿率はいずれも良好であっ
た。また、吸水剤の添加量の増加に伴って、吸水性は増
大した。また、いずれの場合にも、防虫性は良好であっ
た。
【0050】
【発明の効果】本発明の方法は、別途の液状分散媒体を
使用せず、吸水性、抗菌性、防虫性等の諸機能をポリエ
ステル繊維に付与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 59/20 Z D01D 1/02 D01F 1/07 1/10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエーテル系吸水剤と機能性剤との混
    合物をポリエステルポリマーの紡糸直前において、ポリ
    エステルポリマー中に急速混練した後、これを紡糸する
    ことを特徴とする機能性ポリエステル繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエーテル系吸水剤が下記式(I)で
    示される化合物である請求項1記載のポリエステル繊維
    の製造方法 【化1】 (ここで、Rは夫々独立して水素原子又はメチル基を示
    し、mは夫々独立して5〜30の整数を示し、nは6〜
    15の整数を示す)。
  3. 【請求項3】 機能性剤が、抗菌剤、防虫剤、消臭剤、
    芳香剤、難燃剤、蓄熱剤より成る群から選ばれたもので
    ある請求項1又は2記載の方法。
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