JPWO2019176654A1 - ポリエステル系繊維構造物 - Google Patents

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直希 浅井
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Abstract

本発明は、皮脂等の油性成分の蓄積を防ぐことで、再汚染防止性や、皮脂の分解物由来の不快臭の防臭性を有するポリエステル系繊維構造物を提供する。下記式(1)で表される再汚染防止評価試験を行う前後のL*値の差ΔL*が7以下であり、かつJIS L1902(2015年度版)菌液吸収法で黄色ブドウ球菌、MRSAに対する抗菌活性値が増殖値を上回るポリエステル系繊維構造物である。ΔL*=L*(a)−L*(b) ・・ (1)ΔL*:再汚染防止評価試験を行う前後のL*値の差L*(a):再汚染防止評価試験を行う前の布帛のL*値L*(b):再汚染防止評価試験を行う後の布帛のL*値

Description

本発明は、皮脂等の油性成分の蓄積を防ぐことで、再汚染防止性や、皮脂の分解物由来の不快臭の防臭性を有するポリエステル系繊維構造物に関する。
ポリエステル系繊維は、他の繊維と比べて疎水性が高く、皮脂等の油性汚れが蓄積しやすいことが知られている。よって、洗濯時に他の汚れが皮脂の蓄積した部分に吸着され、黒ずみ(再汚染)が生じやすい。また、皮脂の蓄積は、再汚染以外にも不快臭の原因にもなる。黄色ブドウ球菌等の皮膚の常在細菌が、汗とともに生地に移行し、皮脂やタンパク質等を分解することで、短、中鎖脂肪酸を発生し、独特の不快臭を発生する。
これらの問題を解決するため、様々な繊維構造物が数多く提案されている。例えば、ポリフルオロアルキル基を有するフッ素系撥水剤やポリフルオロアルキル基と親水基の両方を併せ持つフッ素系防汚剤が付与されたもの(特許文献1,2)、親水性樹脂が付与されたもの(特許文献3)がある。
特開2002−201568号公報 特開2016−113724号公報 特開平8−49169号公報
しかしながらフッ素系撥水剤やフッ素系防汚剤が付与されたものは、皮脂等の油性の汚れ成分が付着しにくくなるが、一度付着した汚れについては、むしろ洗濯での汚れ除去を妨げることがある。一方で、一般的な親水性樹脂を付与されたものは、油性の汚れ成分の洗濯除去性を大きく向上させる。しかしながら、ユニフォーム用途等で繰り返し着用されるなかで、洗濯で皮脂を除去しきれずに徐々に皮脂が蓄積することで、洗濯で一度除去された塵やほこり等の黒ずみ成分が皮脂の蓄積した部分に吸着され、黒ずみ汚れが生じたり、皮脂や皮膚の常在細菌による皮脂分解物由来の不快臭が発生しているのが現状である。
本発明は、皮脂等の油性成分の蓄積を防ぐことで、再汚染防止性や、皮脂の分解物由来の不快臭の防臭性を有するポリエステル系繊維構造物を提供するものである。
上記課題を解決すべく、本発明は下記の構成を採用する。
下記式(1)で表される再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差ΔLが7以下であり、かつJIS L1902(2015年度版)菌液吸収法で黄色ブドウ球菌、MRSAに対する抗菌活性値が増殖値を上回るポリエステル系繊維構造物。
ΔL=L(a)−L(b) (1)
ΔL:再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差
(a):再汚染防止評価試験を行う前の布帛のL
(b):再汚染防止評価試験を行う後の布帛のL
JIS L 0217(1995年度版)103法で50回洗濯後の再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差ΔLが7以下であり、かつJIS L1902(2015年度版)菌液吸収法で黄色ブドウ球菌、MRSAに対する抗菌活性値が増殖値を1以上上回る前記ポリエステル系繊維構造物。
ポリエーテル成分が繊維表面に担持されてなる前記ポリエステル系繊維構造物。
ポリエーテル成分のサイズ排除クロマトグラフィーから得られるポリエチレングリコール換算重量平均分子量が1500〜6000g/molの範囲である前記ポリエステル系繊維構造物。
抗菌剤を含む前記ポリエステル系繊維構造物。
本発明により、皮脂等の油性成分の蓄積を防ぐことで、再汚染防止性や、皮脂の分解物由来の不快臭の防臭性を有するポリエステル系繊維構造物が得られるようになった。
本発明のポリエステル系繊維構造体は、ポリエステル系繊維を含むものであり、好ましくは繊維構造体中50質量%以上のポリエステル系繊維を含むものであり、より好ましくは80質量%以上のポリエステル繊維を含むものである。
ポリエステル系繊維を構成する素材としては、エステル結合を有するポリマーであればよく、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、その共重合体などの芳香族ポリエステル、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルなどを基本骨格とするポリエステル類が挙げられ、なかでも布帛の強度の観点から芳香族ポリエステルが好ましく、さらにはポリエチレンテレフタレートが好ましい。これらポリエステル系繊維にはヒンダートフェノール系、アミン系、ホスファイト系、チオエステル系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、シアニン系、スチルベン系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ベリノン系、キナクリドン系などの有機顔料、無機顔料、蛍光増白剤、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタンなどの粒子、静電剤などの添加剤が含有されていてもよい。
本発明の繊維構造体にはポリエステル系繊維以外の繊維を含んだ混用品であってもよい。上記ポリエステル系繊維以外の繊維としては、例えば綿やウール、キュプラ、ナイロン繊維等が挙げられ、綿である場合に特に本発明の効果が顕著である。これらは紡績糸、混繊糸、交織、交編、混綿等いずれの形態で含まれていても構わない。
また、本発明の繊維構造物としては、織物、編物および不織布などの布帛状物の形態のものを好ましく使用することができ、また、繊維構造物を構成する繊維の形態としては短繊維、長繊維のいずれであってもよく、これらに限定されるものではない。
本発明の繊維構造物は、下記式(1)で表される再汚染防止評価試験を行う前後のL*値の差ΔLが7以下であり、好ましくは0〜5、より好ましくは0〜3である。下限については、限定はなくΔLが0に近いことが望ましいが、現実的には3〜5程度であれば極めて優れた再汚染防止効果、防臭効果を発揮する。
ΔL=L(a)−L(b) (1)
ΔL:再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差
(a):再汚染防止評価試験を行う前の布帛のL*値
(b):再汚染防止評価試験を行う後の布帛のL*値
上記L値はCIE 1976(L,a,b)色空間における明度である。また、上記再汚染防止評価試験は、後述する評価試験である。本発明の繊維構造物は、上記範囲を満たすことにより、洗濯によっても再汚染されず、L値で代表される色調を高度に維持することが可能となる。
また、本発明の繊維構造物は、JIS L1902(2015年度版)菌液吸収法で黄色ブドウ球菌、MRSAに対する抗菌活性値が増殖値を上回るものであり、1以上上回るものであることが好ましい。本発明の繊維構造物は、この特性を有することで、制菌性を有し、菌が繁殖しにくくなることから、繊維構造物に付着した油性成分の分解による不快臭の発生を抑制することができる。
また、耐久性の観点からJIS L0217(1995年度版)103法で50回洗濯後もその性能を維持することが好ましい。これにより、繊維構造物に皮脂等の汚染物が付着したとしてもこれら汚染物を分解する菌が、繁殖しにくくなる性能が洗濯によっても低下しにくくなり、分解物の生成が抑制され、不快臭の発生を抑制することが可能となる。上記において、黄色ブドウ球菌、MRSAに対する抗菌活性値が増殖値を上回るとは、黄色ブドウ球菌、MRSAのいずれを用いた試験においても上記条件を満たすことが必要である。
本発明の繊維構造物は本発明に規定する条件を満たす限り特に制限はないが、制菌性を有するポリエステル系繊維構造物の繊維表面にポリエーテル成分を有する繊維構造物とする手段が挙げられ、とくにポリエーテル成分をポリエステル系繊維構造物の表面に担持させる方法が挙げられる。
ポリエーテル成分を繊維表面に担持させる方法としては、浴中処理、Pad法等でポリエーテル成分を含む加工剤で後加工する方法のほかに、ポリエステル系繊維構造物を構成する繊維を構成するベースポリマーにポリエーテルもしくは、ポリエーテル基を有する共重合可能な単量体を共重合もしくはグラフト重合させる方法や繊維への練り込みといった原糸改質等が考えられるが、原糸改質の場合、糸強度等の物性が大きく変化したり、汚れが繊維内部に浸透しやすくなる可能性があるため、物性を損なわず、選択的に表面を改質できる浴中処理、Pad法等の後加工での処理が好ましい。
本発明においてポリエーテル成分は、ポリエーテル、あるいはポリエーテル基を含む化合物におけるポリエーテル基部分を意味する。ポリエーテル成分は、1分子あたりに2つ以上のエーテル結合を有する化合物、分子中に存在するポリエーテル基を指す。本発明の繊維構造物にポリエーテル成分を担持するために用いることができる化合物としては、例えばポリアルキレングリコール、セルロース、ポリアルキレングリコールとポリエステルからなるブロック共重合体などがあげられるが、本発明の規定を満たす限りこれに限定されない。なかでもポリエステル系繊維との親和性が高く、耐洗濯性等の耐久性の観点から、ポリアルキレングリコール単位からなるソフトセグメントとポリエステルなどのポリアルキレングリコールと共重合可能なポリマー単位からなるハードセグメントを共重合したポリエーテルエステルブロック共重合体が好ましい。
上記ソフトセグメントを構成するポリアルキレングリコール単位としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールから生成する単位などが好ましくあげられ、なかでもポリエチレングリコールがより好ましく挙げられる。
上記のハードセグメントを構成する好ましい例であるポリエステル単位としては、テレフタル酸/またはイソフタル酸とアルキレングリコールからなる重合体単位などが好ましくあげられる。
なお、これらのブロック共重合体のポリエステルとポリエーテルの共重合比は任意であるが、ポリエステル単位:ポリエーテル単位(質量比)=1:1〜1:30であることが好ましい。
用いられるポリエーテル成分のポリエチレングリコール換算重量平均分子量は、本発明で規定するΔL値を満たす程度に大きいのがよく、ポリエーテル成分のサイズ排除クロマトグラフィーから得られるポリエチレングリコール換算重量平均分子量が1500〜6000g/molの範囲であることが好ましい。なかでも1500〜5000g/molといった比較的高分子量ポリエーテルを用いることが、より優れた再汚染防止性を付与する観点から好ましい。より好ましくは2000〜4000g/molである。
本発明でポリエーテル成分を有するポリエステル系繊維構造物は、制菌性を有するものであり、ポリエステル系繊維構造物に含まれる繊維を構成するポリマーが本来的に制菌性を有することにより、ポリエステル系繊維構造物自体が抗菌性を有する場合には、その制菌性を利用することができ、そうでない場合には繊維構造物に抗菌剤を含有せしめることが好ましい。抗菌剤の種類は限定されないが、ピリジン系抗菌剤、銀系抗菌剤などがあげられ、なかでもピリジン系抗菌剤が好ましい。
ピリジン系抗菌剤としては特に限定されるものではなく、例えば、2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジン、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、ジ(2−ピリジルチオール−1−オキシド)等のピリジン系化合物、N−トリクロロメチルチオフタルイミド、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオテトラヒドロフタルイミド、N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド、N−トリクロロメチルチオ−N−(フェニル)メチルスルファミド、N−トリクロロメチルチオ−N−(4−クロロフェニル)メチルスルファミド、N−(1−フロロ−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ)−N−(フェニル)メチルスルファミド、N−(1,1−ジフロロ−1,2,2−トリクロロエチルチオ)−N−(フェニル)メチルスルファミド、N,N−ジクロロフロロメチルチオ−N’−フェニルスルファミド、N,N−ジメチル−N’−(p−トリル)−N’−(フロロジクロロメチルチオ)スルファミド等のハロアルキルチオ系化合物、1−ジヨードメチルスルフォニル−4−クロロベンゼン、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−エトキシカルボニルオキシ−1−ブロム−1,2−ジヨード−1−プロペン、2,3,3−トリヨードアリルアルコール等の有機ヨード系化合物、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズチアゾール亜鉛等のチアゾール系化合物および1H−2−チオシアノメチルチオベンズイミダゾール、2−(2−クロロフェニル)−1H−ベンズイミダゾール等のベンズイミダゾール系化合物等を使用することができる。
抗菌剤を含有せしめる方法としては、浴中処理、Pad法等の後加工する方法のほかに、ポリエステル系繊維構造物を構成する繊維を構成するベースポリマーにポリエーテルもしくは、ポリエーテル基を有する共重合可能な単量体を共重合もしくはグラフト重合させる方法や繊維への練り込みといった原糸改質等が考えられる。しかし、原糸改質の場合、糸強度等の物性が大きく変化したり、汚れが繊維内部に浸透しやすくなる可能性があるため、物性を損なわず、選択的に表面を改質できる浴中処理、Pad法等の後加工での処理が好ましい。
かくして得られる本発明のポリエステル系繊維構造物は皮脂の蓄積防止と制菌性を有することで皮脂の蓄積に起因した黒ずみや、常在細菌の繁殖に起因した不快臭の発生が低減されることため、スポーツシャツ等のアパレル素材に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例中の性能は次の方法で測定した。次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、実施例中の測定や評価は以下の方法で行った。
(再汚染防止評価試験方法)
下記成分の汚染液150mlと直径6.4mmのステンレス鋼球10個をラウンダーメータ型洗濯試験機付属の450ml試験瓶に入れ、40±2℃に予熱する。試験片を5cm×10cmに切ったものを3枚、試験瓶に入れて蓋をし、40±2℃に調整した試験機に取り付けて20分間回転する。終了後試験片を取り出し、流水で洗った後風乾する。これを20回繰り返すことで再汚染防止評価とした。
(汚染液の作成)
HEAL’S ECE FORMULATION NON PHOSPHATE REFERENCE DETERGENT(A)17.5g、油性汚染剤2.8g、乾性汚染剤0.95gを秤量し、洗剤を乳鉢ですりつぶして汚染剤を練り合わせた後、水を少量ずつ加えて練り合わせて全体を1Lにし、プライミクス(株)製ホモディスパー2.5型を用いて1800rpmで2時間乳化分散させた後、5Lまで希釈する。
上記で使用した油性汚染剤、乾性汚染剤の成分を表1、表2に示す。
再汚染防止評価試験前後の試験片について、汚染剤付着部分の明度(L値)をコニカミノルタ(株)製多光源分光測色計(cm−3700d)を用い、全反射法で測定し、再汚染防止評価試験前のL値をL(a)、再汚染防止評価試験後のL*値をL*(b)とし、下記式でL*値の差ΔL*を評価した。
ΔL=L(a)−L(b) (1)
ΔL:再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差
(a):再汚染防止評価試験を行う前の布帛のL*値
(b):再汚染防止評価試験を行う後の布帛のL*値
(b)値が大きい程、洗浄性が高く、防汚性が良好であることを示す。特にΔL*が小さいほど皮脂蓄積に起因した黒ずみ汚れが抑制されていることを示す。
Figure 2019176654
Figure 2019176654
(制菌性評価方法)
JIS L1902(2015年度版)菌液吸収法に従って測定を行った。以下に詳細を示す。
1.試験片0.4gをバイアル瓶に入れ、試験菌液0.2mlを滴下後、バイアル瓶のふたをする。
2.バイアル瓶を37℃で24時間培養する。
3.洗い出し液20mlを加えて試験片から試験菌を洗い出し、洗い出し液中の生菌数を混釈平板培養法又は発光測定法により測定する。
4.下記の式に従い抗菌活性値を算出する。
抗菌活性値={log(対照試料・培養後生菌数)−log(対照試料・接種直後生菌
数)}−{log(試験試料・培養後生菌数)−log(試験試料・接種直後生菌数)}
対照試料には、標準布(綿)を使用した。
抗菌活性値>増殖値(対象試料の抗菌活性値)である場合、合格である。対応菌種としては、黄色ブドウ球菌、MRSAを選択した。
(繰り返し洗濯)
再汚染防止評価試験、制菌性評価と同様の試験試片をJIS L0217(1995年度版)103法で50回洗濯を行った。50回洗濯後の試験片を上記再汚染防止評価試験、制菌性評価にそれぞれ供した。
(ポリエチレングリコール換算重量平均分子量測定方法)
以下の条件でポリエチレングリコール換算重量平均分子量を測定した。
装置:ゲル浸透クロマトグラフ GPC(島津製作所製 LC−20AD)
検出器:示差屈折率検出器 RI (Waters 製RI−8020 型,感度32x)
カラム :TSKgel G3000PWXL(東ソー製)
溶媒 :0.1M塩化ナトリウム水溶液
流速 :0.8 mL/min
カラム温度 :23℃
注入量:0.1 mL
標準試料:ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド
データ処理:島津製作所製 Prominence GPCシステム
試料の調製方法を以下に示す。
1.ポリエステル系繊維構造物5gとアンモニア水30mL試験管に加え、密栓する。
2.120℃で5時間加熱し、放冷する。
3.開栓し、精製水30mLを加えた後、6M塩酸をテレフタル酸由来の沈殿物が生じるまで加え、遠心分離する。
4.上澄み液を採取し、塩酸濃度が0.1Mになるよう調製する。
5.0.45μmフィルターでろ過し、分子量測定に用いた。
なお、ポリエチレンテレフタレート繊維を使用し、かつポリエーテル成分がポリエチレングリコール成分である場合、上記測定には、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコール成分が検出される場合があるが、この場合は測定の趣旨を鑑み、ポリエチレングリコール成分を評価の対象とする。
(NMR測定)
上記ポリエチレングリコール換算重量平均分子量の測定で試料の調整方法1〜3と同じ操作を行い、得られる上澄み液5mLを乾固させたのち、50%重水素化クロロホルム/重水素化ヘキサフルオロ2−プロパノール1mLに溶解させたものをNMRチューブに入れ、以下の測定方法でH−NMR測定を行った。
NMRのスペクトルチャートで内部基準テトラメチルシラン由来のピークを0ppmとしたとき、3.7〜3.8ppmに強いピークが検出されることにより、ポリエチレングリコール成分が存在することが分かる。
H−NMR測定方法)
[条件]
装置名:ECA400(日本電子製)
測定核:1H
観測周波数:399.78MHz
溶媒:重水素化クロロホルム+重水素化ヘキサフルオロ2−プロパノール(1/1v/v)
内部標準:テトラメチルシラン(TMS)
[詳細]
測定法:Single pulse
スペクトル幅:8000Hz
パルス幅:6.45μs(45°パルス)
パルス待ち時間:15.0s
データポイント:32768
<実施例1>
溶媒を水とし、SR−2010A(高松油脂(株)製、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とアルキレングリコール及び/又はポリアルキレングリコールとからなるブロック共重合体、固形分10%);5%owfと、MR−T100(大阪化成(株)製、ピリジン系抗菌剤、固形分19%);1.5%owfと酢酸0.5g/Lとを含む加工液に、繊度84T−36Fのポリエチレンテレフタレート繊維で編成したポリエステル編布を浸漬し、密栓した後、130℃で60分間浴中での加熱処理を行った後、1分間流水すすぎし、乾燥させることで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。実施例1で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。なお、ポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール成分の存在が確認できた。
<実施例2>
溶媒を水とし、ETV−100(テイカ(株)製、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とアルキレングリコール及び/又はポリアルキレングリコールとからなるブロック共重合体、固形分10%);5%owfと、ニッカノンZP−700(日華化学(株)製ピリジン亜鉛系抗菌剤);1.5%owfと酢酸0.5g/Lとを含む加工液に、繊度84T−36Fのポリエチレンテレフタレート繊維で編成したポリエステル編布を浸漬し、密栓した後、130℃で60分間浴中での加熱処理を行った後、1分間流水すすぎし、乾燥させることで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。実施例2で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。なお、ポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール成分の存在が確認できた。
<実施例3>
溶媒を水とし、SR−2010A(高松油脂(株)製);5%owfと、シルバーデュア(ダウ社製銀系抗菌剤);1.5%owfと、酢酸0.5g/Lとを含む加工液に、ポリエチレンテレフタレート80%/綿 20% 紡績糸で編成した編布を浸漬し、密栓した後、130℃で60分間浴中での加熱処理を行った後、1分間流水すすぎし、乾燥させることで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。実施例3で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。なお、ポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール成分の存在が確認できた。
<実施例4>
溶媒を水とし、SR−2010A(高松油脂(株)製);5%owfと、Protx2 W(IFTNA社製ピリジン亜鉛系抗菌剤);1.5%owfと、酢酸0.5g/Lとを含む加工液に、ポリエチレンテレフタレート92%/キュプラ 8% 混繊糸で編成した編布を浸漬し、密栓した後、130℃で60分間浴中での加熱処理を行った後、1分間流水すすぎし、乾燥させることで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。実施例4で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。なお、ポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール成分の存在が確認できた。
<比較例1>
溶媒を水としMR−T100(大阪化成(株)製);1.5%owfと、酢酸0.5g/Lとを含む加工液に、繊度84T−36Fのポリエチレンテレフタレート繊維で編成したポリエステル編布を浸漬し、密栓した後、130℃で60分間浴中での加熱処理を行った後、1分間流水すすぎし、乾燥させることで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。比較例1で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。
<比較例2>
溶媒を水としETV−100(テイカ(株)製);5%owfと、酢酸0.5g/Lとを含む加工液に、繊度84T−36Fのポリエチレンテレフタレート繊維で編成したポリエステル編布を浸漬し、密栓した後、130℃で60分間浴中での加熱処理を行った後、1分間流水すすぎし、乾燥させることで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。比較例2で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。なお、ポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール成分の存在が確認できた。
<比較例3>
溶媒を水としAG−E700D(旭ガラス(株)製、フッ素系撥水・撥油加工剤)30g/LとMR−T100(大阪化成(株)製);1.5%owfを含む加工液に、繊度84T−36Fのポリエチレンテレフタレート繊維で編成したポリエステル編布を浸漬し、密栓した後、130℃で2分間の加熱処理を行うことで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。比較例3で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。
<比較例4>
溶媒を水とし、TO−SR−1(高松油脂(株)製、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とアルキレングリコール及び/又はポリアルキレングリコールとからなるブロック共重合体、固形分10%);5%owfと、MR−T100(大阪化成(株)製);1.5%owfと、酢酸0.5g/Lとを含む加工液に、ポリエチレンテレフタレート80%/綿 20% 紡績糸で編成した編布を浸漬し、密栓した後、130℃で60分間浴中での加熱処理を行った後、1分間流水すすぎし、乾燥させることで本発明におけるポリエステル系繊維構造物を得た。比較例4で得たポリエステル系繊維構造物の測定結果を表1に示す。
なお、ポリエーテル成分としては、ポリエチレングリコール成分の存在が確認できた。
Figure 2019176654

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差ΔLが7以下であり、かつJIS L1902(2015年度版)菌液吸収法で黄色ブドウ球菌、MRSAに対する抗菌活性値が増殖値を上回るポリエステル系繊維構造物。
    ΔL=L(a)−L(b) ・・ (1)
    ΔL:再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差
    (a):再汚染防止評価試験を行う前の布帛のL
    (b):再汚染防止評価試験を行う後の布帛のL
  2. JIS L0217(1995年度版)103法で50回洗濯後の、再汚染防止評価試験を行う前後のL値の差ΔLが7以下であり、かつJIS L1902(2015年度版)菌液吸収法で黄色ブドウ球菌、MRSAに対する抗菌活性値が増殖値を1以上上回る請求項1に記載のポリエステル系繊維構造物。
  3. ポリエーテル成分が繊維表面に担持されてなる請求項1または2に記載のポリエステル系繊維構造物。
  4. ポリエーテル成分のサイズ排除クロマトグラフィーから得られるポリエチレングリコール換算重量平均分子量が1500〜6000g/molの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系繊維構造物。
  5. 抗菌剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル系繊維構造物。
  6. 抗菌剤がピリジン系抗菌剤である請求項5記載のポリエステル系繊維構造物。
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