JPH08120524A - ポリエステル繊維 - Google Patents

ポリエステル繊維

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JPH08120524A
JPH08120524A JP6281394A JP28139494A JPH08120524A JP H08120524 A JPH08120524 A JP H08120524A JP 6281394 A JP6281394 A JP 6281394A JP 28139494 A JP28139494 A JP 28139494A JP H08120524 A JPH08120524 A JP H08120524A
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JP
Japan
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polyester
weight
fiber
parts
polymer
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JP6281394A
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English (en)
Inventor
Noboru Watanabe
昇 綿奈部
Masayuki Taji
昌之 田地
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防虫性あるいは芳香性等の諸機能を長期間持
続し得るポリエステル繊維を提供する。 【構成】 昇華性成分を含有するポリエステル繊維にお
いて、繊維が鞘部と芯部を有し、昇華性成分が芯部に含
有され、繊維中心が中空であることを特徴とするポリエ
ステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル繊維に関
し、更に詳しくは、シート、不織布等に好ましく使用さ
れるポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマーに防虫剤あるいは芳香剤を添加
し、紡糸して得られた繊維が知られている。これら剤は
昇華性であることが多く、従って剤が短期間で失われて
しまい、効果が持続しないという問題があった。
【0003】芯部及び鞘部がポリオレフィンからなり、
芯部又は鞘部が原着されており、芯部に難燃剤を含有す
る繊維が知られている(特開平2‐169717号)。
【0004】また、繊維の中心を中空にして軽量化を図
ることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、防虫性ある
いは芳香性等の諸機能を長期間持続し得るポリエステル
繊維を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、昇華性成分を
含有するポリエステル繊維において、繊維が鞘部と芯部
を有し、昇華性成分が芯部に含有され、繊維中心が中空
であることを特徴とするポリエステル繊維である。
【0007】本発明のポリエステル繊維において、芯部
に昇華性成分を含めることにより、鞘部を形成するポリ
エステルポリマーが障壁となり、昇華性成分の急激な揮
散が防止される。この一方、繊維中心が中空であるため
に、昇華性成分がこの中空部に昇華し、繊維末端の中空
部から外部に出ていくので適度な昇華が生じる。従っ
て、昇華性成分に基づく機能を長期間持続させることが
できる。従って、昇華性成分の使用量の削減が可能であ
り、コスト低減をも図ることができる。更に、繊維中心
が中空であるために軽量化を図ることができると共に、
嵩高性の良好な繊維が得られる。また、機能部を内側と
したので、鞘部において原着繊維本来の機能を低下させ
ることなく、色鮮やかな繊維を得ることができる。ま
た、鞘部において抗菌性を発揮させることができる。
【0008】本発明において、芯部に含める昇華性成分
は、好ましくは防虫剤及び/又は芳香剤である。該成分
を含めることにより、防虫性及び/又は芳香性の諸機能
を有するポリエステル繊維を得ることができる。
【0009】防虫剤としては、本発明の芯部を形成する
ポリエステルポリマーと良く相溶し、高温下でも安定性
を有し、更に防虫効果が高くかつ安全な化合物を選択す
ることが好ましい。例えば、オルトジアルキルフタレー
ト、イソジアルキルフタレート、テレジアルキルフタレ
ート等の芳香族カルボン酸エステル類、ジアルキルアジ
ペート、ジアルキルフマレート等を挙げることができ
る。上記化合物中、アルキル基の炭素数は好ましくは1
〜8である。
【0010】芳香剤としては、植物抽出油等が好まし
い。例えば、フォレスト(祥光化学株式会社)等が挙げ
られる。
【0011】上記の防虫剤及び芳香剤の昇華性成分は、
夫々芯部のポリエステルポリマー100重量部に対し
て、好ましくは0.1〜10.0重量部、特に好ましく
は0.5〜2.0重量部含める。上記範囲未満では、夫
々の機能を十分に発揮することができない。上記範囲を
超えても、顕著な効果の増加は認められず、コストの増
加につながる。
【0012】本発明のポリエステル繊維を形成するポリ
エステルポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエ
チレンオキシベンゾエート、ポリ1,4‐ジメチルシク
ロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトン及びこ
れらを成分とするコポリエステル等が挙げられる。鞘部
及び芯部は、同一又は異なるポリエステルポリマーによ
って構成し得るが、繊維製造上のコントロールの容易さ
から、鞘部及び芯部が同一のポリエステルポリマーによ
って構成されることが好ましい。
【0013】鞘部に含める着色剤には特に制限はない。
有機系あるいは無機系の顔料又は染料のいずれでもよ
く、また、その混合物であってもよい。所望する色彩、
使用するポリエステルポリマーの種類、目標とする耐候
性のレベル(変腿色堅牢性)、及び製糸安定性を考慮し
て適宜選択することができる。該着色剤は、慣用の量で
用いることができる。
【0014】また、本発明のポリエステル繊維におい
て、その鞘部に、抗菌剤、好ましくは抗菌性金属を担持
するゼオライトを含めることができる。これにより、該
ポリエステル繊維に抗菌性を付与することができ、抗菌
性と、防虫性及び/又は芳香性の諸機能を併せ持つポリ
エステル繊維を得ることができる。上記の抗菌性金属を
担持するゼオライトは、鞘部を形成するポリエステルポ
リマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜1
0.0重量部、特に好ましくは0.5〜2.0重量部含
める。上記範囲未満では、十分な抗菌性を得ることがで
きず、上記範囲を超えても、顕著な効果の増加は認めら
れない。
【0015】ここで、抗菌性金属を担持するゼオライト
自体は公知であり、ゼオライトへの抗菌性金属のイオン
交換によって作ることができる。抗菌性金属としては、
銀、銅、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、
水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、コバル
ト、ニッケル、又はこれらの2種以上の組合せが挙げら
れる。好ましくは、銀、銅、亜鉛、又はこれらの組合せ
が用いられ、特に銀単独、又は銀と銅又は亜鉛の組合せ
が抗菌性に優れている。抗菌性金属を担持するゼオライ
トを作る方法は、たとえば特公昭63−54013号及
び特公平3−80814号公報に記載されている。
【0016】本発明においては、特願平5‐53119
号明細書に記載されている方法、即ち、抗菌性金属を担
持するゼオライトの変色作用を抑制する方法において、
ヒドロキシまたはアルコキシシラン又はその低縮合物に
より上記ゼオライトを処理する方法により製造された変
色作用の少ない抗菌性を担持するゼオライトが好まし
い。
【0017】また、特願平6‐68102号明細書に記
載されている方法、即ち、抗菌性金属を担持するゼオラ
イトの変色作用を抑制する方法において、抗菌性金属を
担持するゼオライト1000重量部に対して、0.05
重量部以上のエチレン性不飽和結合を含むアルコキシシ
ラン単量体と9.95重量部以上のエチレン性不飽和単
量体から少なくとも成り、かつ該アルコキシシラン単量
体と該エチレン性不飽和単量体との総和が10〜200
重量部である共重合体により、上記ゼオライトを表面処
理することを特徴とする方法により製造された変色作用
の少ない抗菌性金属を担持するゼオライトも好ましい。
【0018】上記特願平5‐53119号及び特願平6
‐68102号明細書に記載されている方法で得られる
抗菌性金属を担持するゼオライトは、ポリエステル繊維
に配合されて、抗菌性を発揮すると共に、ポリエステル
繊維を変色させないため特に好ましい。
【0019】本発明のポリエステル繊維において、鞘部
及び芯部対中空部の体積比は、好ましくは95〜60:
5〜40、特に好ましくは85〜70:15〜30であ
る。上記範囲内とすることにより、防虫性、芳香性等の
諸機能を長期間持続させることができると共に、軽量な
繊維を得ることができる。中空部が上記範囲未満では、
上記諸機能を十分に発揮できない。中空部が上記範囲を
超えては、上記諸機能を長期間持続することができず、
かつ延伸時に中空部が潰れるため好ましくない。
【0020】上記の着色剤又は抗菌性金属を担持するゼ
オライトをポリエステル繊維の鞘部に、そして防虫剤及
び/又は芳香剤をポリエステル繊維の芯部に添加する方
法は、好ましくは下記の通りである。
【0021】即ち、着色剤又は抗菌性金属を担持するゼ
オライト、及び昇華性成分を夫々別個に液状分散媒体と
混合し、着色剤又は抗菌性金属を担持するゼオライトと
液状分散媒体との混合物を鞘部を形成するポリエステル
ポリマーに、そして昇華性成分と液状分散媒体との混合
物を芯部を形成するポリエステルポリマーに、夫々ポリ
マーの紡糸直前において、急速混練した後、これを紡糸
する方法である。
【0022】ここで使用する液状分散媒体としては特に
制限はなく、特公平3‐47327号公報に記載された
ものを挙げることができる。例えば、ジオクチルフタレ
ート、ジイソデシルアジペート等の可塑剤、大豆油、あ
まに油、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油等の植
物油及びエポキシ化植物油、流動パラフィン、液状ポリ
ブテン、ノニオン系界面活性剤、液状ポリエステル等の
公知の液状分散媒体を用いることができる。耐熱性、分
散安定性等の点から液状ポリエステルを用いることが好
ましい。液状ポリエステルとは、ポリカルボン酸とポリ
オールとを主成分として反応させて得られる液状でエス
テル結合を三個以上有するものであり、脂肪族系及び芳
香族系ポリエステルが挙げられる。脂肪族系ポリエステ
ルが特に好ましい。
【0023】脂肪族系ポリエステルとしては、防虫剤、
芳香剤のような低粘性の液状物を混合する場合には、例
えば特開平5‐279920号公報に記載されたものを
使用することができる。即ち、脂肪族系ポリエステルと
しては、ポリエステルポリマーへの注入が困難にならな
い程度で、高い粘度を有し、加熱減量が少なく、更にポ
リエステルポリマーとの反応性が低くて、高分子状態を
維持し得るものを用いることが好ましい。このような脂
肪族系ポリエステルとしては、25℃における粘度が好
ましくは15,000〜100,000センチポイズで
ある。粘度が上記範囲を超えては、ポリエステルポリマ
ーへの注入が困難になるため好ましくない。また、その
平均分子量は、好ましくは3,500〜20,000、
特に好ましくは4,000〜20,000である。平均
分子量が上記範囲を超えては、上記と同じくポリエステ
ルポリマーへの注入が困難になるため好ましくない。更
に、加熱減量が2%以下、水酸基価が20mgKOH/
g以下の脂肪族系ポリエステルを用いることが好まし
い。ここで、上記加熱減量は10℃/分で60℃から3
10℃まで加熱した場合の値を示した。
【0024】一方、着色剤あるいは抗菌剤の場合には、
液状分散媒体に対するその配合比を上げるために、分散
媒体としての液状脂肪族系ポリエステルは、25℃にお
ける粘度が好ましくは1,000〜5,000センチポ
イズであるような低粘性のものが好ましい。また、脂肪
族系ポリエステルとして、例えば特公平5‐73146
号公報に記載されたものを使用することもできる。即
ち、25℃における粘度が好ましくは150ポイズ以
下、特に好ましくは100ポイズ以下で、平均分子量が
好ましくは700〜3,500、特に好ましくは1,0
00〜2,500であり、更に、水酸基価が25mgK
OH/g以下、好ましくは20mgKOH/g以下であ
る。
【0025】上記のような脂肪族系ポリエステルとして
は、例えばアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸又は
グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸と、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3‐ブタンジオー
ル、ペンチルグリコール、ヘキシルグリコール、ジエチ
レングリコール等のグリコールとあるいはポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレン
グリコール等のポリアルキレングリコールとを共重合し
たもの、又はこれらの脂肪族ジカルボン酸とグリコール
とより得られるポリエステルの少なくとも一方の末端を
プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコ
ール等の一価アルコールで封鎖したものが用いられる。
脂肪族系ポリエステルの酸成分としては、好ましくはア
ジピン酸が用いられ、またグリコール成分としては、好
ましくはエチレングリコール又は1,3‐ブタンジオー
ルが用いられる。また、ポリエステルの末端を封鎖する
一価のアルコールとしてはプロピルアルコールが好まし
い。
【0026】着色剤又は抗菌性金属を担持するゼオライ
トと液状分散媒体との混合物を鞘部を形成するポリエス
テルポリマーに添加するに際しては、着色剤と液状分散
媒体との重量比は、好ましくは5/95〜60/40、
特に好ましくは10/90〜50/50である。上記範
囲未満では、着色が不十分となりやすく、上記範囲を超
えては、ポリエステルポリマーへの添加の際にポンプに
よる送液が困難となり好ましくない。また、抗菌性金属
を担持するゼオライトと液状分散媒体との重量比は、好
ましくは5/95〜60/40、特に好ましくは30/
70〜50/50である。上記範囲未満では、抗菌性を
十分に付与することができず、上記範囲を超えては、両
者の混合状態が悪くなりむらなく抗菌性を付与すること
ができないと共に、ポリエステルポリマーへの添加の際
にポンプによる送液が困難となり好ましくない。
【0027】防虫剤、芳香剤等の昇華性成分と液状分散
媒体との混合物をポリエステル繊維の芯部に添加するに
際しては、上記昇華性成分と液状分散媒体との重量比
は、好ましくは10/90〜70/30、特に好ましく
は40/60〜60/40である。上記範囲未満では、
昇華性成分の夫々の機能を十分に付与できず、上記範囲
を超えては、ポリエステルポリマーへの添加の際にポン
プによる送液が困難となり好ましくない。
【0028】上記混合物の調製は、まず上記配合比で各
成分を混合した後、例えば三本ロール、ボールミル、サ
ンドミル、アトライター、ニーダー等、又はこれらの組
み合わせを用いて混練することにより行うことができ
る。次に、このようにして調製された各混合物は、別々
の押出機を用いて溶融された二つのポリエステルポリマ
ー流中に、夫々ポリエステルポリマーの紡糸直前におい
て、急速混練することにより添加され、多成分紡糸機を
使用して、着色剤又は抗菌性金属を担持するゼオライト
を含むポリエステルポリマーを鞘部とし、昇華性成分を
含むポリエステルポリマーを芯部として紡糸され、本発
明のポリエステル繊維を製造する。
【0029】また、上記各混合物のポリエステルポリマ
ー流中への添加にあたっては、例えばポリマー導入管出
口の通常重合度のポリエステルポリマーに会合部を設け
て、プランジャーポンプ又はギヤポンプで計量された各
混合物を注入する。
【0030】該会合部以降のポリマー流路は、例えば第
一混練部−ギヤポンプ−第二混練部−スピンビーム(第
三混練部)−紡糸パックの順にとり、混練部の許容圧力
損失をできるだけ大きくし、使用する公知の静止混練素
子の数を多くすることができる。静止混練素子として
は、例えばケニックス社製のスタティク・ミキサー、特
殊機化工業社製のロス‐LSG‐ミキサーあるいはロス
‐LPD‐ミキサー、及びズルサー社製のSMミキサー
あるいはBKMミキサー等が挙げられる。会合部、第一
混練部、ギヤポンプはギヤポンプ接合用のウエアプレー
ト内に組込み、添加する混合物の計量精度を上げ、装置
をコンパクト化することができる。
【0031】このようにして製造された本発明のポリエ
ステル繊維は、好ましくはシート、不織布等として使用
され、防虫性、芳香性等の諸機能を長期間持続すること
ができる。また、色鮮やかであり、あるいは優れた抗菌
性を示す。
【0032】本発明のポリエステル繊維において、芯部
に含められる昇華性成分例えば防虫剤、芳香剤等に代え
て、消臭剤を含めることもできる。該消臭剤としては、
無機系吸着型が好ましく、例えば、Kフレッシュ(テイ
カ株式会社製)、キョーワード(協和化学工業株式会社
製)、セラホワイト(第一希元素化学工業株式会社製)
等が挙げられる。これにより、非中空の芯鞘型繊維の芯
部に消臭剤を入れたポリエステル繊維に比べて、より良
好な消臭効果を発揮することができる。
【0033】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0034】
【実施例】以下の実施例においては下記の化合物を使用
した。 <着色剤>フタロシアニンブルー(リオノールブルー
FG‐7330、商標、東洋インキ製造株式会社製) <防虫剤>芳香族カルボン酸エステル系防虫剤(マルカ
マイトED、商標、大阪化成株式会社製) <芳香剤>植物抽出油芳香剤(フォレスト、商標、祥光
化学株式会社製) <抗菌性金属を担持するゼオライト>銀、亜鉛イオン交
換ゼオライト抗菌剤(BM102B、商標、鐘紡株式会
社製)
【0035】
【実施例1】液状分散媒体としての、アジピン酸と1,
3‐ブタンジオールからなる脂肪族ポリエステル(平均
分子量2,000)85重量部と着色剤15重量部を三
本ロールにて混練して、着色剤と脂肪族ポリエステルと
からなる混合物を調製した。別途、アジピン酸と1,3
‐ブタンジオールからなる脂肪族ポリエステル(平均分
子量4,000)50重量部に防虫剤50重量部を加え
て、攪拌混合し防虫剤と脂肪族ポリエステルとからなる
混合物を調製した。
【0036】次に、固有粘度0.64のポリエチレンテ
レフタレート溶融ポリマー50重量部に、上記の着色剤
と脂肪族ポリエステルとからなる混合物2重量部を多成
分紡糸機の紡糸口金へのポリマー導入管出口においてギ
ヤポンプを使用して添加した。別途、固有粘度0.64
のポリエチレンテレフタレート溶融ポリマー50重量部
に、上記の防虫剤と脂肪族ポリエステルとからなる混合
物3重量部を同様にポリマー導入管出口においてギヤポ
ンプを使用して添加し、次に、ポリマー流路に設けたス
タティクミキサー(ケニックス社製)及びBKMミキサ
ー(ズルサー社製)を用いて急速混練した。引続いて、
着色剤を含む溶融ポリマーをポリエステル繊維の鞘部と
し、また防虫剤を含む溶融ポリマーを芯部として中空の
繊維を紡糸した。これを常法に従って延伸して繊度6.
0デニールの本発明の繊維中心が中空である複合ポリエ
ステル繊維を製造した。該ポリエステル繊維は、鞘部及
び芯部対中空部の体積比が75:25であった。
【0037】次いで、該複合ポリエステル繊維によりウ
ェブを形成し、次いで該ウェブをニードルパンチ加工し
て接合し、長期間防虫性を維持し得ると共に、軽量で色
鮮やかな防虫ベッドマットを得た。
【0038】該繊維について、コナヒョウダニに対する
忌避率の経時変化及び洗濯後の忌避率を調べた。
【0039】コナヒョウダニに対する忌避率は、大阪府
立公衆衛生研究所法式に従い、直径3cmのシャーレを
粘性シート上に置き、その周囲に6個の同一シャーレを
中央のシャーレと接するように置き、周囲の6個のシャ
ーレには、防虫性を付与した本発明の複合繊維(処理
区)と防虫性を付与していない未処理の繊維(無処理
区)を交互に入れ、各繊維上に粉末飼料0.05gを置
く一方、中央のシャーレには粉末飼料を入れずダニのみ
を入れ、湿度75%に保って、25℃の高温気中で24
時間放置し、周囲の6個のシャーレに侵入したダニの数
を数え、以下の式により忌避率を求めた。
【0040】忌避率(%)=[(無処理区の侵入ダニ数
−処理区の侵入ダニ数)/無処理区の侵入ダニ数]×1
00 洗濯試験は、JIS L‐0217、103法に準拠し
て実施した。
【0041】
【比較例1】アジピン酸と1,3‐ブタンジオールから
なる脂肪族ポリエステル(平均分子量4,000)50
重量部に防虫剤50重量部を加えて、攪拌混合して、防
虫剤と脂肪族ポリエステルとからなる混合物を調製し
た。
【0042】次に、固有粘度0.64のポリエチレンテ
レフタレート溶融ポリマー50重量部に、上記の防虫剤
と脂肪族ポリエステルとからなる混合物3重量部をポリ
マー導入管出口においてギヤポンプを使用して添加し、
次に、ポリマー流路に設けたスタティクミキサー(ケニ
ックス社製)及びBKMミキサー(ズルサー社製)を用
いて急速混練した。
【0043】これを通常の方法によって紡糸金口より紡
糸し、これを延伸して繊度6デニールの防虫性ポリエス
テル繊維を製造した。
【0044】次に、実施例1と同じく、コナヒョウダニ
に対する忌避率の経時変化及び洗濯後の忌避率を調べ
た。
【0045】以上の結果を表1に示す。
【0046】
【表1】 実施例1は、従来品である比較例1の忌避率の経時変化
に比べて、忌避率の低下は著しく小さい。このように実
施例1の繊維は、長期間に亘って、防虫性を良好に持続
し得ることが分かった。また、洗濯後の忌避率の低下
も、比較例1と比べて著しく小さい。
【0047】
【実施例2】液状分散媒体としての、アジピン酸と1,
3ブタンジオールから成る脂肪族ポリエステル(平均分
子量2,000)90重量部と着色剤10重量部を三本
ロールにて混練して、着色剤と脂肪族ポリエステルとか
らなる混合物を調製した。
【0048】別途、アジピン酸と1,3ブタンジオール
から成る脂肪族ポリエステル(平均分子量4,000)
80重量部に芳香剤20重量部を加えて、攪拌混合し
て、芳香剤と脂肪族ポリエステルとからなる混合物を調
製した。
【0049】次に、実施例1と同一にして、固有粘度
0.64のポリエチレンテレフタレート溶融ポリマー5
0重量部に、上記の着色剤と脂肪族ポリエステルとから
なる混合物2重量部を添加した。別途、固有粘度0.6
4のポリエチレンテレフタレート溶融ポリマー50重量
部に、上記の芳香剤と脂肪族ポリエステルとからなる混
合物1重量部を、実施例1と同じく急速混練した。引続
いて、着色剤を含む溶融ポリマーを鞘部とし、芳香剤を
含むポリマーを芯部として中空の繊維を製造した。
【0050】次いで、実施例1と同様にして、長期間芳
香性を維持し得ると共に、軽量で色鮮やかな芳香性マッ
トを得た。
【0051】また、芯部に消臭剤を含む繊維は下記の参
考例1、2のようにして製造することができる。
【0052】
【参考例1】液状分散媒体としての、アジピン酸と1,
3ブタンジオールから成る脂肪族ポリエステル(平均分
子量2,000)90重量部と着色剤10重量部を三本
ロールにて混練して、着色剤と脂肪族ポリエステルとか
らなる混合物を調製した。
【0053】別途、上記と同じ脂肪族ポリエステル50
重量部に消臭剤50重量部を加えて三本ロールにて混練
して、消臭剤と脂肪族ポリエステルとからなる混合物を
調製した。
【0054】次に、固有粘度0.64のポリエチレンテ
レフタレート溶融ポリマー50重量部に、上記の着色剤
と脂肪族ポリエステルとからなる混合物2重量部を多成
分紡糸機の紡糸金口へのポリマー導入管出口においてギ
ヤーポンプを使用して添加した。別途、固有粘度0.6
4のポリエチレンテレフタレート溶融ポリマー50重量
部に、上記の消臭剤と脂肪族ポリエステルとからなる混
合物5重量部を同様にポリマー導入管出口においてギヤ
ポンプを使用して添加し、実施例1と同じく急速混練し
た。引続いて、着色剤を含む溶融ポリマーを鞘部とし、
消臭剤を含むポリマーを芯部として中空の繊維を製造し
た。
【0055】次いで、実施例1と同様にして、軽量で色
鮮やかな消臭性マットを得た。
【0056】
【参考例2】液状分散媒体として、アジピン酸とジエチ
レングリコールから成る脂肪族ポリエステル(平均分子
量2,500)60重量部と抗菌性を担持したゼオライ
ト40重量部を三本ロールにて混練して抗菌剤と脂肪族
ポリエステルとからなる混合物を調製した。
【0057】別途、上記と同じ脂肪族ポリエステル60
重量部と消臭剤40重量部を加えて三本ロールにて混練
して消臭剤と脂肪族ポリエステルとからなる混合物を調
製した。
【0058】次に、固有粘度0.64のポリエチレンテ
レフタレート溶融ポリマー50重量部に、上記の抗菌剤
と脂肪族ポリエステルとからなる混合物2重量部を多成
分紡糸機の紡糸金口へのポリマー導入管出口においてギ
ヤーポンプを使用して添加した。別途、固有粘度0.6
4のポリエチレンテレフタレート溶融ポリマー50重量
部に、上記の消臭剤と脂肪族ポリエステルとからなる混
合物4重量部を同様にポリマー導入管出口においてギヤ
ポンプを使用して添加し、実施例1と同じく急速混練し
た。引続いて、抗菌剤を含む溶融ポリマーを鞘部とし、
消臭剤を含むポリマーを芯部として中空の繊維を製造し
た。
【0059】次いで、実施例1と同様にして、軽量な抗
菌性消臭マットを得た。
【0060】
【発明の効果】本発明は、防虫性あるいは芳香性等の諸
機能を長期間持続し得るポリエステル繊維を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/42 X

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性成分を含有するポリエステル繊維
    において、繊維が鞘部と芯部を有し、昇華性成分が芯部
    に含有され、繊維中心が中空であることを特徴とするポ
    リエステル繊維。
  2. 【請求項2】 昇華性成分が防虫剤及び/又は芳香剤で
    ある請求項1記載のポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】 鞘部が、着色剤により原着されており及
    び/又は抗菌剤を含有する請求項1又は2記載のポリエ
    ステル繊維。
  4. 【請求項4】 鞘部及び芯部対中空部の体積比が、95
    〜60:5〜40である請求項1〜3のいずれか一つに
    記載のポリエステル繊維。
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