JPH08109212A - メタクリル系樹脂の製造方法 - Google Patents

メタクリル系樹脂の製造方法

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JPH08109212A
JPH08109212A JP6270157A JP27015794A JPH08109212A JP H08109212 A JPH08109212 A JP H08109212A JP 6270157 A JP6270157 A JP 6270157A JP 27015794 A JP27015794 A JP 27015794A JP H08109212 A JPH08109212 A JP H08109212A
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methacrylic resin
group
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methacrylic
peroxyester
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JP6270157A
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Jun Nakauchi
純 中内
Tetsuya Sawano
哲哉 沢野
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/10Esters
    • C08F20/12Esters of monohydric alcohols or phenols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/38Polymerisation using regulators, e.g. chain terminating agents, e.g. telomerisation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無色で、かつ透明性に優れたメタクリル系樹
脂の製造方法を提供する。 【構成】 メタクリル酸エステルを主成分とする重合性
単量体またはその部分重合物に、連鎖移動剤として分子
内に1個の−SH基と、−SH基、−OH基およびCO
OH基から選ばれる官能基の少なくとも1個とを有する
メルカプト基含有化合物を添加し、特定のパーオキシエ
ステル系過酸化物の少なくとも1種を含むラジカル重合
開始剤の存在下で重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタクリル系樹脂の製造
方法に関し、より詳しくは、無色で、かつ透明性に優れ
たメタクリル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】メタ
クリル系樹脂は、透明性、耐候性、機械的性質等に優れ
た性質を有するため、照明材料、光学材料、看板、ディ
スプレイ、装飾部材、建築材料等の多くの分野に使用さ
れている。
【0003】一般にメタクリル酸エステルの重合におい
ては、アゾニトリル系あるいはパーオキサイド系の重合
開始剤が用いられているが、多量に使用した場合にアゾ
ニトリル系の重合開始剤はパーオキサイド系の重合開始
剤に比べて重合体の製造時あるいは製品の熱加工時に発
泡しやすい等の欠点があることから、メタクリル酸エス
テルの重合においてはパーオキサイド系の重合開始剤が
有利に使用され、それを用いた重合方法もいくつか提案
されてきている(例えば、特開昭56−145007号
公報、特開昭61−181813号公報、特開平4−7
301号公報等)。
【0004】しかし、パーオキサイド系の重合開始剤に
おいても、特開平4−7301号公報に記載されている
ジアルキルパーオキサイド、パーオキシカーボネート等
のパーオキサイド系の重合開始剤は重合時にある種の着
色剤を退色させるという欠点がある。このため、メタク
リル酸エステルの重合においては、特開昭56−145
007号公報に記載されているようなパーオキシエステ
ル型の過酸化物からなる重合開始剤が主に使用されてい
る。
【0005】一方、メタクリル酸エステルの重合におい
ては重合体溶液の粘度を調節したり、あるいは得られる
重合体の分子量を低減させて熱成形性等を向上させるた
めに連鎖移動剤として知られるメルカプタンが使用され
る。ところが、メタクリル酸エステルをパーオキサイド
系の重合開始剤とメルカプタンとの併用系で重合させた
場合、得られる重合体が黄色に帯色するという問題が生
じる。
【0006】本発明者らは、この問題について、さらに
検討した結果、メタクリル酸エステルと1官能第1級メ
ルカプタンとパーオキシエステル系過酸化物を共存させ
た重合条件下では着色が生じること、着色は1官能第1
級メルカプタンの種類で異なること、またこの様な重合
条件下ではメルカプタンの連鎖移動反応が阻害されるこ
と等を突き止めた。さらにこの様な重合条件下では分光
透過率において近紫外域に吸収が生じることがわかっ
た。例えば1官能第1級メルカプタンとしてn−アルキ
ルメルカプタンを使用し、後述するパーオキシエステル
系過酸化物を併用してメタクリル酸メチルを重合すると
樹脂は黄色く着色する。そしてこの時パーオキシエステ
ルの種類によらず、またn−アルキルメルカプタンの炭
素数にもよらず約308nmから310nmを中心波長
とする吸収が生じる。一方、ベンジルメルカプタンやチ
オグリコール酸エステルのようにn−アルキルメルカプ
タンとその構造が大きく異なる1官能第1級メルカプタ
ンの場合は着色の色および吸収スペクトルが異なる。そ
して1官能第1級メルカプタンの使用量およびパーオキ
シエステル系過酸化物の使用量が多くなるほど着色の度
合いおよび、近紫外域での吸収はいずれも大きくなる。
【0007】この問題を回避する方法として特開平4−
3312125号公報に酸性アルキルリン酸エステルを
添加する方法が開示されている。しかしながら、上記の
方法を用いて鋳込重合によりメタクリル樹脂板を製造し
た場合、鋳型面と樹脂との離型性は向上するものの、離
型面が汚染された状態になる。特に鋳型が金属性である
場合には、酸性物質である酸性アルキルリン酸エステル
の付着が原因で腐食を生じさせるおそれがある。そのた
めに、鋳込重合においては、鋳型の洗浄等の管理に多大
な労力を費やすとともに、腐食がひどい場合には鋳型の
使用が困難となる。
【0008】したがって、本発明の目的は、酸性アルキ
ルリン酸エステルを使用することなしに、無色で、かつ
透明性に優れたメタクリル系樹脂を製造できる方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成するために鋭意検討を進めた結果、メタクリル
酸エステルを主成分とする重合性単量体またはその部分
重合体に、特定のメルカプト基含有化合物を添加し、パ
ーオキシエステル系過酸化物の存在下で重合させること
により、上記の目的が達成できることを見い出し本発明
に至った。
【0010】すなわち、本発明は、メタクリル酸エステ
ルを主成分とする重合性単量体またはその部分重合体
に、連鎖移動剤として分子内に1個の−SH基と、−S
H基、−OH基および−COOH基から選ばれた官能基
の少なくとも1個とを有するメルカプト基含有化合物を
添加し、下記の一般式(I)または(II)
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】 で示される少なくとも1種のパーオキシエステル系過酸
化物を含むラジカル重合開始剤の存在下で重合すること
を特徴とするメタクリル系樹脂の製造方法にある。
【0013】本発明でいうメタクリル酸エステルを主成
分とする重合性単量体またはその部分重合体とは、メタ
クリル酸エステル単独もしくはメタクリル酸エステル5
0重量%以上とそれと共重合可能な他の重合性単量体5
0重量%以下との単量体混合物またはそれの部分重合物
であって50重量%以下の重合体固形物を含有するもの
をいう。
【0014】本発明に用いられるメタクリル酸エステル
としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなど
の炭素数1〜18の一価のアルコールとメタクリル酸の
メタクリル酸エステルが挙げられる。これらの中でも本
発明の効果が充分に発揮される点からメタクリル酸メチ
ルおよびメタクリル酸シクロヘキシルの使用が好まし
い。メタクリル酸エステルは1種でまたは2種以上を混
合して用いられる。
【0015】また、本発明において上記のメタクリル酸
エステルと共重合可能な他の重合性単量体としては、ア
クリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチ
ル,アクリル酸2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜1
8の一価アルコールとアクリル酸とのアクリル酸エステ
ル;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート,プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート,トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能
(メタ)アクリレート;スチレン,α−メチルスチレン
などの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル,ジビニ
ルベゼンなどが挙げられる。これらの単量体は1種でま
たは2種以上を混合して用いられ、メタクリル酸エステ
ルとの単量体混合物中50重量%以下である。その使用
量が単量体混合物中、50重量%を超えると、メタクリ
ル樹脂としての特性が失われるようになる。
【0016】本発明において連鎖移動剤として用いられ
るメルカプト基含有化合物は、分子内に1個の−SH基
と、−SH基、−OH基および−COOH基から選ばれ
る官能基の少なくとも1個とを有するものである。メル
カプト基含有化合物の例としては、1,2−エタンジチ
オール,1,10−ジメチルカプトデカンなどの繰り返
し単位が2〜10のポリメチレン両末端に2個以上の−
SH基を有する化合物;トリエチレングリコールジメル
カプタン,1,4−ジメルカプト−2,3−ブタンジオ
ール,2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどの
多価アルコールの−OH基を−SH基で2個以上置換し
た構造の化合物;チオグリコール酸,2−メルカプトプ
ロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセ
ロール,チオグリコールなどの分子内に1個の−SH基
と−OH基、−COOH基から選ばれた官能基を少なく
とも1個を有する化合物;エチレングリコールジチオグ
リコレート,トリメチロールプロパントリス−(−β−
チオプロピオネート),トリメチロールプロパントリス
−(チオグリコレート),ペンタエリスリトールテトラ
キス−(−β−チオプロピオネート),ペンタエリスリ
トールテトラキス−(チオグリコレート)などのチオグ
リコール酸,2−メルカプトプロピオン酸,3−メルカ
プトプロピオン酸等と多価アルコールとのエステル化合
物;1,5−ジメルカプト−3−チアペンタンなどが挙
げられる。これらのメルカプト化合物は1種または2種
以上を混合して用いることができる。
【0017】また、これらのメルカプト基含有化合物
は、他のメルカプタンと組み合わせて使用することがで
きる。特に着色が生じ易いn−アルキルメルカプタン等
の1官能第1級メルカプタンを使用する場合に、上記の
メルカプト化合物を併用させることにより、樹脂の着色
を防止できる。その際、本発明の効果を発揮させるため
には連鎖移動剤中のメルカプト基含有化合物のモル比を
通常5%以上にすればよい。
【0018】メルカプト基含有化合物の使用量は、メタ
クリル酸エステルを主成分とする重量性単量体またはそ
の部分重合体100重量部に対して0.01〜1.0重
量部である。特に樹脂が架橋されない場合は重量平均分
子量として6000〜500000の重合体が得られる
ような使用量が好ましく、さらに好ましくは10000
0〜350000の重量平均分子量が得られるようなメ
ルカプト基含有化合物の使用が好ましい。
【0019】本発明において用いられる重合開始剤とし
ては、上記の一般式(I)または(II)で示されるパー
オキシエステル系過酸化物である。
【0020】その具体例として、(α,α´−ビス−ネ
オデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ク
ミルパーオキシデカノエート、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロ
ヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオ
キシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエ
ート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミルパー
オキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジ
メチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオ
キシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソ
プロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ3,
5,5−トリ−メチルヘキサノエート、t−ブチルパー
オキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパ
ーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘ
キシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−
ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシm
−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ−フェ
ノキシアセテート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハ
イドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼ
レート、ジ−t−ブチルパーオキシ−トリメチルアジペ
ートなどが挙げられ、これらは1種でまたは2種以上を
混合して用いられる。上記のパーオキシエステル系過酸
化物の中でも特に好ましいものとしては、10時間半減
期を得るための分解温度が35〜65℃の範囲にあるも
のが好ましく、その例としてt−ブチルパーオキシネオ
デカノネート、t−ヘキシルパーオキシデカノネート、
t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキ
シピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシイソブチレートなどが挙げられる。
【0021】パーオキシエステル系過酸化物の使用量
は、メタクリル酸エステルを主成分とする重合性単量体
またはその部分重合体100重量部に対して0.01〜
1.5重量部の範囲である。使用量が0.01重量部未
満では充分な重合を行うことができず、また、その使用
量が1.5重量部を超える場合には重合体の重合度が低
下し、また重合の制御が困難となる。
【0022】本発明においては、上記一般式(I)また
は(II)のパーオキシエステル系過酸化物が重合開始剤
の必須成分として用いられるが、本発明の目的を阻害し
ない範囲において、他の重合開始剤を併用することがで
きる。併用できる重合開始剤としては、例えば2,2´
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾビス系開始剤や、
ジラウロイルパーオキサイド、2,2−ジ−(t−ブチ
ルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシエステル系以外
の過酸化物開始剤等を挙げることができる。
【0023】本発明のメタクリル系樹脂を得るための重
合方法は、特に限定されず、公知の塊状重合、懸濁重
合、溶液重合等が採用される。
【0024】以上の構成から得られる本発明のメタクリ
ル系樹脂は、可視光のみならず近紫外域においても透明
性に優れており、例えば厚さ3mmの樹脂板において波
長310nm以上の紫外域においても70%もしくは8
0%以上の透過率を得ることができる。
【0025】なお、本発明においては、必要により、着
色に影響を及ぼさない添加剤、例えば紫外線吸収剤、光
安定剤、離型剤などを添加することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、「部」とあるのは「重量部」を意味
する。なお、実施例および比較例における各種物性の評
価は下記に示す方法を用いて行った。 (1)着色 重合して得た厚さ3mmの樹脂板を大きさが50mm×
200mmである短冊状の試験片に切り出した。そして
その短冊状試験片の短辺(50mm)を研磨した後、そ
の後部に白紙を当てて研磨面を観察して着色の有無を判
定した。 (2)透過率 (株)島津製作所製、紫外可視自記分光光度計(UV−
160)により、厚さ3mmの樹脂板について310n
mおよび500nmの波長における透過率を測定した。 (3)重量平均分子量 重合によって得られた樹脂をテトラヒドロフランに溶解
させて、濃度2.4mg/mlの試料溶液を調整し、島
津製作所製、LC−6AにてGPC(ゲル浸透クロマト
グラフィ)測定を行った。測定結果から標準ポリスチレ
ンの分子量によって得られた検量線をポリメタクリレー
トに換算したものを用いて重量平均分子量を算出した。
【0027】[実施例1]冷却管、温度計および撹拌機
を取り付けたセパラブルフラスコにメタクリル酸メチル
3000部を入れた後窒素置換を行い、さらに撹拌しな
がら加熱し、内温が80℃になった時点で2,2´−ア
ゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.95
部を添加した。さらに加熱を行い、内温が95℃に達し
てから15分間保持した後、室温まで冷却して、粘度が
20℃において10ポイズで、重合率が20%であるシ
ラップを得た。このシラップ300部に、純分70%の
t−ヘキシルパーオキシピバレート0.96部、エチレ
ングリコールジチオグリコレート0.09部、さらに離
型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.0
15部を添加混合溶解した後吸引脱気し、30cm角の
大きさの鏡面ステンレススチール板、スチールクリッ
プ、ポリ塩化ビニル製ガスケットからつくられたキャス
ト用セルに注入し、65℃の水浴中で60分、さらに1
30℃の空気浴中で1時間重合させて厚さ3mmのメタ
クリル系樹脂板を得た。表1にこの得られたメタクリル
系樹脂板についての評価結果を示す。
【0028】[比較例1〜2]実施例1においてエチレ
ングリコールジチオグリコレートに代えてn−ドデシル
メルカプタンを用い、その使用量を表1に示す如くにし
た以外は実施例1と全く同じ操作を行い、厚さ3mmの
メタクリル系樹脂板を得た。表1にこの得られたメタク
リル系樹脂板についての評価結果を示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1の実施例および比較例から明らかなよ
うに、本発明以外のメルカプト基含有化合物を使用した
場合には得られるメタクリル系樹脂板が帯黄色し、近紫
外域の透過率も低下する。これに対し、本発明のメルカ
プト基含有化合物を使用した場合には近紫外域も含め無
色で透明なメタクリル系樹脂板が得られることが判る。
【0031】[実施例2〜18]実施例1においてメル
カプト基含有化合物の種類および使用量を表2に示す如
くに代えた以外は実施例1と全く同じ操作を行い、厚さ
3mmのメタクリル系樹脂板を得た。表2にこの得られ
たメタクリル系樹脂板についての評価結果を示す。
【0032】
【表2】
【0033】[実施例19〜21、比較例4〜6]実施
例1においてメルカプト基含有化合物および重合開始剤
の種類とその使用量を表3に示す如くにする以外は実施
例1と全く同じ操作を行い、厚さ3mmのメタクリル系
樹脂板を得た。表3にこの得られたメタクリル系樹脂に
ついての評価結果を示す。
【0034】
【表3】
【0035】[比較例7〜10]実施例1においてメル
カプト基含有化合物の種類とその使用量を表4に示す如
くにする以外は実施例1と全く同じ操作を行い、厚さ3
mmのメタクリル系樹脂板を得た。表1にこの得られた
メタクリル系樹脂についての評価結果を示す。
【0036】
【表4】
【0037】[実施例22]冷却管、温度計および撹拌
機を取り付けたセパラブルフラスコに、メタクリル酸メ
チル1435.5部、n−ブチルアクリレート64.5
部、エチレングリコールジチオグリコレート0.675
部を入れた後窒素置換を行い、さらに撹拌しながら加熱
し、内温が80℃になった時点で2,2´−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部を添加し
た。さらに加熱を行い、内温が95℃に達してから18
分間保持した後、室温まで冷却して、粘度が20℃にお
いて11ポイズで、重合率が25.9%であるシラップ
を得た。このシラップ300部に、純分70%のt−ヘ
キシルパーオキシピバレート0.96部、2,2´アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.024
部、エチレングリコールジチオグリコレート0.06
部、さらに離型剤としてジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム0.015部を添加し、以後は実施例1に示した
手順で注型し、76℃の水浴中で30分、さらに130
℃の空気浴中で30分重合させ厚さ3mmの無色透明の
メタクリル系樹脂板を得た。このメタクリル系樹脂板の
重量平均分子量は190000であり、波長310nm
および500nmにおける透過率はそれぞれ79%およ
び92.2%であった。
【0038】[実施例23〜29]実施例1においてメ
ルカプト基含有化合物の種類とその使用量、ならびに重
合開始剤の使用量を表5に示す如くにする以外は実施例
1と全く同じ操作を行って厚さ3mmのメタクリル系樹
脂板を得た。表5にこの得られたメタクリル系樹脂板に
ついての評価結果を示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】本発明のメタクリル系樹脂の製造方法に
おいては、重合開始剤としてパーオキシエステル系過酸
化物、そして連鎖移動剤として特定のメルカプト基含有
化合物を使用するので、無色で、かつ透明性に優れたメ
タクリル系樹脂を得ることができる。また、本発明のメ
タクリル系樹脂の製造方法においては、酸性アルキルリ
ン酸エステルを使用しないので、鋳込重合においても鋳
型を汚染し、また腐食させることがない。さらに、本発
明のメタクリル系樹脂の製造方法においては、重合開始
剤として特定のパーオキシエステル系過酸化物を使用し
ているために、重合時に染料や顔料などの着色剤を退色
させることがなく、着色性に優れたメタクリル系の着色
樹脂を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸エステルを主成分とする重
    合性単量体またはその部分重合体に、連鎖移動剤として
    分子内に1個の−SH基と、−SH基、−OH基および
    −COOH基から選ばれる官能基の少なくとも1個とを
    有するメルカプト基含有化合物を添加し、下記の一般式
    (I)または(II) 【化1】 【化2】 で示される少なくとも1種のパーオキシエステル系過酸
    化物を含むラジカル重合開始剤の存在下で重合すること
    を特徴とするメタクリル系樹脂の製造方法。
JP6270157A 1994-10-11 1994-10-11 メタクリル系樹脂の製造方法 Pending JPH08109212A (ja)

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