JPH08104772A - 発泡性スチレン系重合体粒子、その製造法及び発泡成形品 - Google Patents
発泡性スチレン系重合体粒子、その製造法及び発泡成形品Info
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- JPH08104772A JPH08104772A JP24323494A JP24323494A JPH08104772A JP H08104772 A JPH08104772 A JP H08104772A JP 24323494 A JP24323494 A JP 24323494A JP 24323494 A JP24323494 A JP 24323494A JP H08104772 A JPH08104772 A JP H08104772A
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- polymer particles
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- silicone oil
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- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 スチレン系単量体を含む単量体成分(I)を
水性媒体中に懸濁して重合を開始し、前記単量体成分
(I)の重合転化率が70〜100重量%の時点でシリ
コーンオイルを添加し、その後にスチレン系単量体を含
む単量体成分(II)を更に添加して重合を行うことを特
徴とする発泡性スチレン系重合体粒子、その製造法及び
発泡成形品。 【効果】 発泡成形した際に表面平滑性の優れた発泡成
形品を得ることができる。
水性媒体中に懸濁して重合を開始し、前記単量体成分
(I)の重合転化率が70〜100重量%の時点でシリ
コーンオイルを添加し、その後にスチレン系単量体を含
む単量体成分(II)を更に添加して重合を行うことを特
徴とする発泡性スチレン系重合体粒子、その製造法及び
発泡成形品。 【効果】 発泡成形した際に表面平滑性の優れた発泡成
形品を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡成形した際に表面
平滑性に優れた成形品が得られる発泡性スチレン系重合
体粒子、その製造法及び発泡成形品に関する。
平滑性に優れた成形品が得られる発泡性スチレン系重合
体粒子、その製造法及び発泡成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発泡成形品の表面に各種の印刷が
行われることが多くなり、表面平滑性に優れた発泡成形
品が求められるようになってきた。これは、発泡成形品
の表面に凹凸があると、凹部分が印刷されずに白く残
り、印刷外観の見映えが低下するためである。特に発泡
性重合体粒子を使用する発泡ポリスチレンでは、発泡体
粒子間の間隙が十分に埋まりにくいため、表面平滑性を
向上させることが一層要求される。
行われることが多くなり、表面平滑性に優れた発泡成形
品が求められるようになってきた。これは、発泡成形品
の表面に凹凸があると、凹部分が印刷されずに白く残
り、印刷外観の見映えが低下するためである。特に発泡
性重合体粒子を使用する発泡ポリスチレンでは、発泡体
粒子間の間隙が十分に埋まりにくいため、表面平滑性を
向上させることが一層要求される。
【0003】この表面平滑性の向上技術として特開昭5
8−222121号公報、特開昭62−11740号公
報、特開昭61−214544号公報、特開昭63−6
9844号公報、特開平1−299841号公報及び特
開平1−299843号公報には、発泡剤を含浸した発
泡ポリスチレン用重合体粒子の表面に表皮部を侵食する
表面添加剤を塗ることにより表層部に発泡しない層を設
ける方法が記載されている。また、特開平4−2586
46号公報には、粒子表面層付近に最も多量となるよう
に特定量のシリコーンオイルを含浸し、かつ加熱又は減
圧によって粒子表面層付近の発泡剤を逸散せしめる方法
が記載されている。
8−222121号公報、特開昭62−11740号公
報、特開昭61−214544号公報、特開昭63−6
9844号公報、特開平1−299841号公報及び特
開平1−299843号公報には、発泡剤を含浸した発
泡ポリスチレン用重合体粒子の表面に表皮部を侵食する
表面添加剤を塗ることにより表層部に発泡しない層を設
ける方法が記載されている。また、特開平4−2586
46号公報には、粒子表面層付近に最も多量となるよう
に特定量のシリコーンオイルを含浸し、かつ加熱又は減
圧によって粒子表面層付近の発泡剤を逸散せしめる方法
が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−2221
21号公報、特開昭62−11740号公報、特開昭6
1−214544号公報、特開昭63−69844号公
報、特開平1−299841号公報及び特開平1−29
9843号公報に示される方法は、発泡剤が逸散しやす
くなり、発泡性ポリスチレン系重合体粒子の製品として
の寿命が短くなるという欠点がある。特開平4−258
646号公報に示される方法には、発泡剤の逸散処理に
よって発泡剤の含有量が低下して、発泡性ポリスチレン
系重合体粒子の製品としての寿命が短くなるという欠点
がある。本発明は以上のような問題をすべて解決するも
のであり、発泡剤の逸散等の問題がなく、発泡成形品の
表面平滑性に優れる発泡性スチレン系重合体粒子、その
製造法及び発泡成形品を提供するものである。
21号公報、特開昭62−11740号公報、特開昭6
1−214544号公報、特開昭63−69844号公
報、特開平1−299841号公報及び特開平1−29
9843号公報に示される方法は、発泡剤が逸散しやす
くなり、発泡性ポリスチレン系重合体粒子の製品として
の寿命が短くなるという欠点がある。特開平4−258
646号公報に示される方法には、発泡剤の逸散処理に
よって発泡剤の含有量が低下して、発泡性ポリスチレン
系重合体粒子の製品としての寿命が短くなるという欠点
がある。本発明は以上のような問題をすべて解決するも
のであり、発泡剤の逸散等の問題がなく、発泡成形品の
表面平滑性に優れる発泡性スチレン系重合体粒子、その
製造法及び発泡成形品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン系単
量体を含む単量体成分(I)を水性媒体中に懸濁して重
合を開始し、前記単量体成分(I)の重合転化率が70
〜100重量%の時点でシリコーンオイルを添加し、そ
の後にスチレン系単量体を含む単量体成分(II)を更に
添加して重合を行うことを特徴とする発泡性スチレン系
重合体粒子の製造法、この製造法により得られる発泡性
スチレン系重合体粒子並びにこの発泡性スチレン系重合
体粒子を発泡成形して得られる発泡成形品に関する。
量体を含む単量体成分(I)を水性媒体中に懸濁して重
合を開始し、前記単量体成分(I)の重合転化率が70
〜100重量%の時点でシリコーンオイルを添加し、そ
の後にスチレン系単量体を含む単量体成分(II)を更に
添加して重合を行うことを特徴とする発泡性スチレン系
重合体粒子の製造法、この製造法により得られる発泡性
スチレン系重合体粒子並びにこの発泡性スチレン系重合
体粒子を発泡成形して得られる発泡成形品に関する。
【0006】本発明の製造法に用いる水性媒体中には、
懸濁安定剤として、燐酸三カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、燐酸マグネシウム、燐酸バリウム、燐酸ストロ
ンチウム、燐酸アルミニウム、燐酸鉄、燐酸コバルト、
ピロ燐酸カルシウム等の難溶性無機塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性
高分子化合物などを使用することができる。これらの懸
濁安定剤は、通常水性媒体中に0.1〜1重量%使用さ
れる。
懸濁安定剤として、燐酸三カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト、燐酸マグネシウム、燐酸バリウム、燐酸ストロ
ンチウム、燐酸アルミニウム、燐酸鉄、燐酸コバルト、
ピロ燐酸カルシウム等の難溶性無機塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性
高分子化合物などを使用することができる。これらの懸
濁安定剤は、通常水性媒体中に0.1〜1重量%使用さ
れる。
【0007】本発明に用いる単量体成分(I)及び(I
I)はともに、スチレン系単量体を必須成分として含
む。スチレン系単量体としては、スチレン、ビニルトル
エン、イソプロピルスチレン、α−メチルスチレン、ク
ロロスチレン、第3ブチルスチレン、ジビニルベンゼン
等が挙げられるが、特にスチレンが好ましい。スチレン
系単量体は、各成分(I)及び(II)中、それぞれ70
重量%以上含まれるのが好ましい。スチレン系単量体と
併用できるその他の単量体は特に制限はなく、例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ル、1,3−ブタジエン等のジエン、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、マレイン酸エ
ステル等が挙げられる。これらを併用する場合は、各成
分(I)及び(II)中、それぞれ30重量%以下含まれ
るのが好ましい。
I)はともに、スチレン系単量体を必須成分として含
む。スチレン系単量体としては、スチレン、ビニルトル
エン、イソプロピルスチレン、α−メチルスチレン、ク
ロロスチレン、第3ブチルスチレン、ジビニルベンゼン
等が挙げられるが、特にスチレンが好ましい。スチレン
系単量体は、各成分(I)及び(II)中、それぞれ70
重量%以上含まれるのが好ましい。スチレン系単量体と
併用できるその他の単量体は特に制限はなく、例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ル、1,3−ブタジエン等のジエン、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、マレイン酸エ
ステル等が挙げられる。これらを併用する場合は、各成
分(I)及び(II)中、それぞれ30重量%以下含まれ
るのが好ましい。
【0008】また、その他の添加剤として上記単量体と
ともに、気泡形成剤として公知のエチレン酢ビ共重合
体、エチレンビスステアリルアミド、メチレンビスステ
アリルアミド等を添加しても良い。さらには、フタル酸
ジオクチル、アジピン酸ジオクチル等の可塑剤を添加し
ても良い。
ともに、気泡形成剤として公知のエチレン酢ビ共重合
体、エチレンビスステアリルアミド、メチレンビスステ
アリルアミド等を添加しても良い。さらには、フタル酸
ジオクチル、アジピン酸ジオクチル等の可塑剤を添加し
ても良い。
【0009】本発明の製造法においては通常重合開始剤
を用いるが、重合開始剤としては過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、メチルベンゾイルペルオキシド、1,1
−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート等
の有機過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。これら
の重合開始剤は、数種を組み合わせて用いても良い。重
合開始剤は単量体成分に対して0.1〜1重量%用いる
のが好ましい。
を用いるが、重合開始剤としては過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、メチルベンゾイルペルオキシド、1,1
−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート等
の有機過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。これら
の重合開始剤は、数種を組み合わせて用いても良い。重
合開始剤は単量体成分に対して0.1〜1重量%用いる
のが好ましい。
【0010】本発明に用いられるシリコーンオイルとし
ては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン
等のシリコーンオイル、オレフィン変性シリコーンオイ
ル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変
性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、親
水性特殊変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコ
ーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキ
シ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーン
オイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、カルナバ変
性シリコーンオイル、アミド変性シリコーンオイル等の
各種変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの
中ではジメチルシリコーンが発泡時の発泡セルを大きく
する効果が高く好ましい。
ては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン
等のシリコーンオイル、オレフィン変性シリコーンオイ
ル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変
性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、親
水性特殊変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコ
ーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキ
シ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーン
オイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、カルナバ変
性シリコーンオイル、アミド変性シリコーンオイル等の
各種変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの
中ではジメチルシリコーンが発泡時の発泡セルを大きく
する効果が高く好ましい。
【0011】次いで、本発明の製造法における製造工程
を説明する。本発明の製造法においては、まず前記単量
体成分(I)、重合開始剤及び必要に応じて用いられる
その他の添加剤を水性媒体中に懸濁して重合を開始す
る。単量体成分(I)の量は、使用する単量体総量
((I)成分及び(II)成分を含む)に対して95〜3
0重量%とするのが好ましい。95重量%を超える場合
又は30重量%未満の場合は、成形品の表面平滑性を向
上する効果が充分ではない。より好ましくは90〜50
重量%であり、さらに好ましくは85〜60重量%であ
る。この単量体成分(I)とともに気泡形成剤を添加す
るのが好ましく、これは単量体成分(I)に対して0.
01〜0.2重量%用いるのが好ましい。
を説明する。本発明の製造法においては、まず前記単量
体成分(I)、重合開始剤及び必要に応じて用いられる
その他の添加剤を水性媒体中に懸濁して重合を開始す
る。単量体成分(I)の量は、使用する単量体総量
((I)成分及び(II)成分を含む)に対して95〜3
0重量%とするのが好ましい。95重量%を超える場合
又は30重量%未満の場合は、成形品の表面平滑性を向
上する効果が充分ではない。より好ましくは90〜50
重量%であり、さらに好ましくは85〜60重量%であ
る。この単量体成分(I)とともに気泡形成剤を添加す
るのが好ましく、これは単量体成分(I)に対して0.
01〜0.2重量%用いるのが好ましい。
【0012】シリコーンオイルの添加は、単量体成分
(I)の重合転化率70〜100重量%の時点で行う
が、必ずしも重合反応の進行中である必要はない。例え
ば、この時点で一旦冷却し重合反応を停止してから添加
したり、さらにビーズを取り出して分級などの操作を行
ってから添加しても差し支えない。ただし、ビーズを取
り出す場合には、重合転化率90重量%以上の時点で行
うことが、ブロッキングを防ぐ上で好ましい。なお、重
合転化率が70重量%未満で添加するとシリコーンオイ
ルが合成初期の粒子に均一に拡散してしまい本発明の効
果は得られない。
(I)の重合転化率70〜100重量%の時点で行う
が、必ずしも重合反応の進行中である必要はない。例え
ば、この時点で一旦冷却し重合反応を停止してから添加
したり、さらにビーズを取り出して分級などの操作を行
ってから添加しても差し支えない。ただし、ビーズを取
り出す場合には、重合転化率90重量%以上の時点で行
うことが、ブロッキングを防ぐ上で好ましい。なお、重
合転化率が70重量%未満で添加するとシリコーンオイ
ルが合成初期の粒子に均一に拡散してしまい本発明の効
果は得られない。
【0013】シリコーンオイルの添加量は使用する単量
体総量((I)成分及び(II)成分を含む)に対して
0.005〜1.0重量%とするのが好ましい。0.0
05重量%未満では成形品の表面平滑性を向上する効果
が充分ではなく、1.0重量%を超えると成形品の表面
に融けが生じる傾向にある。より好ましくは0.01〜
0.5重量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.
2重量%である。
体総量((I)成分及び(II)成分を含む)に対して
0.005〜1.0重量%とするのが好ましい。0.0
05重量%未満では成形品の表面平滑性を向上する効果
が充分ではなく、1.0重量%を超えると成形品の表面
に融けが生じる傾向にある。より好ましくは0.01〜
0.5重量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.
2重量%である。
【0014】シリコーンオイルの添加後に添加する単量
体成分(II)の量は、使用する単量体総量((I)成分
及び(II)成分を含む)に対して5〜70重量%とする
のが好ましい。5重量%未満の場合又は70重量%を超
える場合は、成形品の表面平滑性を向上する効果が充分
ではない。より好ましくは10〜50重量%であり、さ
らに好ましくは15〜40重量%である。
体成分(II)の量は、使用する単量体総量((I)成分
及び(II)成分を含む)に対して5〜70重量%とする
のが好ましい。5重量%未満の場合又は70重量%を超
える場合は、成形品の表面平滑性を向上する効果が充分
ではない。より好ましくは10〜50重量%であり、さ
らに好ましくは15〜40重量%である。
【0015】単量体成分(II)の添加は、シリコーンオ
イルの添加後であればどの時点で行っても良く、通常重
合開始剤とともに添加される。重合を一旦停止してシリ
コーンオイルを添加した場合は、単量体成分(II)の添
加後の重合反応を進行させるために、系を重合温度に再
調整して行う。また、ビーズを一旦取り出した場合は、
再び水性媒体中に懸濁してから行う。
イルの添加後であればどの時点で行っても良く、通常重
合開始剤とともに添加される。重合を一旦停止してシリ
コーンオイルを添加した場合は、単量体成分(II)の添
加後の重合反応を進行させるために、系を重合温度に再
調整して行う。また、ビーズを一旦取り出した場合は、
再び水性媒体中に懸濁してから行う。
【0016】得られたスチレン系重合体粒子を発泡性ス
チレン系重合体粒子とするには、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の易揮発性炭化水素、メチレンクロリド、ジクロルジフ
ルオロメタン、トリフルオロメタン等の易揮発性ハロゲ
ン化炭化水素又はこれらの混合物などの発泡剤を重合途
中又は重合後に密閉した耐圧容器中で熱含浸することに
より行うことができる。これらの発泡剤の中で、ブタン
又はイソブタンを全発泡剤の50重量%以上用いるのが
好ましい。含浸時期としては、総単量体((I)成分及
び(II)成分を含む)の重合転化率が90重量%以上の
時期が、重合中の粒子の集塊化や非球状粒子の生成とい
ったトラブルを防ぐ観点から好ましい。熱含浸は、前記
のような懸濁安定剤を含んだ水性媒体中に粒子を懸濁し
た状態で行うことが、ブロッキングを防ぐ上で好まし
い。
チレン系重合体粒子とするには、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等
の易揮発性炭化水素、メチレンクロリド、ジクロルジフ
ルオロメタン、トリフルオロメタン等の易揮発性ハロゲ
ン化炭化水素又はこれらの混合物などの発泡剤を重合途
中又は重合後に密閉した耐圧容器中で熱含浸することに
より行うことができる。これらの発泡剤の中で、ブタン
又はイソブタンを全発泡剤の50重量%以上用いるのが
好ましい。含浸時期としては、総単量体((I)成分及
び(II)成分を含む)の重合転化率が90重量%以上の
時期が、重合中の粒子の集塊化や非球状粒子の生成とい
ったトラブルを防ぐ観点から好ましい。熱含浸は、前記
のような懸濁安定剤を含んだ水性媒体中に粒子を懸濁し
た状態で行うことが、ブロッキングを防ぐ上で好まし
い。
【0017】以上の様にして得られた発泡性スチレン系
重合体粒子は、一般に行われる方法により、発泡成形さ
れて各種発泡成形品とされる。例えば予備発泡装置で予
備発泡した後、発泡成形金型に充填してスチームで加圧
加熱して発泡成形品とすることができる。このような方
法により、表面平滑性に優れる発泡成形品が得られる。
重合体粒子は、一般に行われる方法により、発泡成形さ
れて各種発泡成形品とされる。例えば予備発泡装置で予
備発泡した後、発泡成形金型に充填してスチームで加圧
加熱して発泡成形品とすることができる。このような方
法により、表面平滑性に優れる発泡成形品が得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 4リットルのオートクレーブに10重量%燐酸三カルシ
ウム分散液(日本化学工業(株)製、商品名スーパータイ
ト10)21g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム(和光純薬工業(株)製)0.06g及びイオン交換水
1200gを入れてよく撹拌し、均一な混合溶液(水性
媒体)とした。次いで75重量%過酸化ベンゾイル湿体
(日本油脂(株)製、商品名ナイパーBW)3.6g、t
−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート(日本油
脂(株)製、商品名パーブチルI)0.9g及びエチレン
酢ビ共重合体(気泡形成剤、日本合成(株)製、商品名ソ
アレックスCH)0.9gを溶解したスチレン(電気化
学工業(株)製)900gを撹拌しながら加え、90℃に
昇温して重合を開始した。重合転化率(比重法によって
測定)が90重量%に達した時点で、ジメチルシリコー
ン(信越化学(株)製、商品名KF−96、粘度100セ
ンチポイズ)1.2g(単量体総量に対して0.1重量
%)を加えた。この30分後、75重量%過酸化ベンゾ
イル湿体1.2g、t−ブチルペルオキシイソプロピル
カルボネート0.3g及び1,1−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日
本化薬(株)製、商品名トリゴノックス−29)0.45
gを加えた。この直後から、スチレン300gを1時間
かけて滴下して加えた。滴下終了の30分後から、オー
トクレーブを密閉して、温度を115℃に1時間要して
昇温し、115℃に6時間保った。次に100℃に1時
間を要して冷却し、100℃に温度を保った状態で、シ
クロヘキサン24gとブタン70gを1時間を要して導
入した。その後3時間温度を100℃に保った後に室温
まで冷却して目的とする発泡性ポリスチレン重合体粒子
を得た。得られた発泡性ポリスチレン重合体粒子を55
ml/gに予備発泡した。予備発泡粒子を24時間熟成し、
0.078MPaのスチーム圧で5秒間加熱成形を行っ
た。得られた成形品表面の最大陥没深さは75μmと浅
く、表面平滑性に優れていた。
ウム分散液(日本化学工業(株)製、商品名スーパータイ
ト10)21g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム(和光純薬工業(株)製)0.06g及びイオン交換水
1200gを入れてよく撹拌し、均一な混合溶液(水性
媒体)とした。次いで75重量%過酸化ベンゾイル湿体
(日本油脂(株)製、商品名ナイパーBW)3.6g、t
−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート(日本油
脂(株)製、商品名パーブチルI)0.9g及びエチレン
酢ビ共重合体(気泡形成剤、日本合成(株)製、商品名ソ
アレックスCH)0.9gを溶解したスチレン(電気化
学工業(株)製)900gを撹拌しながら加え、90℃に
昇温して重合を開始した。重合転化率(比重法によって
測定)が90重量%に達した時点で、ジメチルシリコー
ン(信越化学(株)製、商品名KF−96、粘度100セ
ンチポイズ)1.2g(単量体総量に対して0.1重量
%)を加えた。この30分後、75重量%過酸化ベンゾ
イル湿体1.2g、t−ブチルペルオキシイソプロピル
カルボネート0.3g及び1,1−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日
本化薬(株)製、商品名トリゴノックス−29)0.45
gを加えた。この直後から、スチレン300gを1時間
かけて滴下して加えた。滴下終了の30分後から、オー
トクレーブを密閉して、温度を115℃に1時間要して
昇温し、115℃に6時間保った。次に100℃に1時
間を要して冷却し、100℃に温度を保った状態で、シ
クロヘキサン24gとブタン70gを1時間を要して導
入した。その後3時間温度を100℃に保った後に室温
まで冷却して目的とする発泡性ポリスチレン重合体粒子
を得た。得られた発泡性ポリスチレン重合体粒子を55
ml/gに予備発泡した。予備発泡粒子を24時間熟成し、
0.078MPaのスチーム圧で5秒間加熱成形を行っ
た。得られた成形品表面の最大陥没深さは75μmと浅
く、表面平滑性に優れていた。
【0019】比較例1 実施例1において、ジメチルシリコーンを用いぬ以外は
実施例1と同様に発泡性ポリスチレン系重合体粒子を合
成した。粒子を実施例1と同様に発泡成形して得られた
成形品表面の最大陥没深さは、90μmと表面平滑性が
悪くなった。
実施例1と同様に発泡性ポリスチレン系重合体粒子を合
成した。粒子を実施例1と同様に発泡成形して得られた
成形品表面の最大陥没深さは、90μmと表面平滑性が
悪くなった。
【0020】実施例2 4リットルのオートクレーブに10重量%燐酸三カルシ
ウム分散液(日本化学工業(株)製、商品名スーパータイ
ト10)21g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム(和光純薬工業(株)製)0.06g及びイオン交換水
1200gを入れてよく撹拌し、均一な混合溶液とし
た。次いで75重量%過酸化ベンゾイル湿体(日本油脂
(株)製、商品名ナイパーBW)4.8g、t−ブチルペ
ルオキシイソプロピルカルボネート(日本油脂(株)製、
商品名パーブチルI)1.2g及びエチレンビスステア
リルアミド(気泡形成剤、日本化成(株)製、商品名スリ
ーパックスE)1.2gを溶解したスチレン(電気化学
工業(株)製)1200gを撹拌しながら加え、90℃に
昇温して重合を開始した。重合転化率(比重法によって
測定)95重量%に達した時点で、室温まで冷却し、ビ
ーズを取り出して乾燥した。得られたビーズをふるいで
分級し、0.71mm〜1.19mmの粒径範囲のものを9
00g分取した。4リットルのオートクレーブに10重
量%燐酸三カルシウム分散液(日本化学工業(株)製、商
品名スーパータイト10)60g、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.06
g、イオン交換水1200g及び分取したポリスチレン
ビーズ900gを入れて撹拌を開始し、90℃に昇温し
た。次いで、ジメチルシリコーン0.6g(単量体総量
に対して0.05重量%)を加えた。30分後、75重
量%過酸化ベンゾイル湿体1.2g、t−ブチルペルオ
キシイソプロピルカルボネート0.3g及び1,1−ビ
ス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン(日本化薬(株)製、商品名トリゴノックス
−29)0.45gを加えた。この直後から、スチレン
300gを1時間かけて滴下して加えた。滴下終了の3
0分後から、オートクレーブを密閉して、温度を115
℃に1時間を要して昇温し、115℃に6時間保った。
次に100℃に1時間を要して冷却し、100℃に温度
を保った状態で、シクロヘキサン24gとブタン70g
を1時間を要して導入した。その後3時間温度を100
℃に保った後に室温まで冷却して目的とする発泡性ポリ
スチレン重合体粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレ
ン重合体粒子を55ml/gに予備発泡した。予備発泡粒子
を24時間熟成し、0.078MPaのスチーム圧で5秒
間加熱成形を行った。得られた成形品表面の最大陥没深
さは77μmと浅く、表面平滑性に優れていた。
ウム分散液(日本化学工業(株)製、商品名スーパータイ
ト10)21g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム(和光純薬工業(株)製)0.06g及びイオン交換水
1200gを入れてよく撹拌し、均一な混合溶液とし
た。次いで75重量%過酸化ベンゾイル湿体(日本油脂
(株)製、商品名ナイパーBW)4.8g、t−ブチルペ
ルオキシイソプロピルカルボネート(日本油脂(株)製、
商品名パーブチルI)1.2g及びエチレンビスステア
リルアミド(気泡形成剤、日本化成(株)製、商品名スリ
ーパックスE)1.2gを溶解したスチレン(電気化学
工業(株)製)1200gを撹拌しながら加え、90℃に
昇温して重合を開始した。重合転化率(比重法によって
測定)95重量%に達した時点で、室温まで冷却し、ビ
ーズを取り出して乾燥した。得られたビーズをふるいで
分級し、0.71mm〜1.19mmの粒径範囲のものを9
00g分取した。4リットルのオートクレーブに10重
量%燐酸三カルシウム分散液(日本化学工業(株)製、商
品名スーパータイト10)60g、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.06
g、イオン交換水1200g及び分取したポリスチレン
ビーズ900gを入れて撹拌を開始し、90℃に昇温し
た。次いで、ジメチルシリコーン0.6g(単量体総量
に対して0.05重量%)を加えた。30分後、75重
量%過酸化ベンゾイル湿体1.2g、t−ブチルペルオ
キシイソプロピルカルボネート0.3g及び1,1−ビ
ス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン(日本化薬(株)製、商品名トリゴノックス
−29)0.45gを加えた。この直後から、スチレン
300gを1時間かけて滴下して加えた。滴下終了の3
0分後から、オートクレーブを密閉して、温度を115
℃に1時間を要して昇温し、115℃に6時間保った。
次に100℃に1時間を要して冷却し、100℃に温度
を保った状態で、シクロヘキサン24gとブタン70g
を1時間を要して導入した。その後3時間温度を100
℃に保った後に室温まで冷却して目的とする発泡性ポリ
スチレン重合体粒子を得た。得られた発泡性ポリスチレ
ン重合体粒子を55ml/gに予備発泡した。予備発泡粒子
を24時間熟成し、0.078MPaのスチーム圧で5秒
間加熱成形を行った。得られた成形品表面の最大陥没深
さは77μmと浅く、表面平滑性に優れていた。
【0021】比較例2 実施例2において、スチレン及び重合開始剤の追加を行
わなかった以外は実施例1と同様に発泡性ポリスチレン
重合体粒子を合成した。粒子を実施例2と同様に発泡成
形して得られた成形品表面の最大陥没深さは、98μm
と表面平滑性が悪くなった。
わなかった以外は実施例1と同様に発泡性ポリスチレン
重合体粒子を合成した。粒子を実施例2と同様に発泡成
形して得られた成形品表面の最大陥没深さは、98μm
と表面平滑性が悪くなった。
【0022】
【発明の効果】本発明の発泡性スチレン系重合体粒子を
用いると、発泡成形した際に表面平滑性の優れた発泡成
形品を得ることができる。
用いると、発泡成形した際に表面平滑性の優れた発泡成
形品を得ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 スチレン系単量体を含む単量体成分
(I)を水性媒体中に懸濁して重合を開始し、前記単量
体成分(I)の重合転化率が70〜100重量%の時点
でシリコーンオイルを添加し、その後にスチレン系単量
体を含む単量体成分(II)を更に添加して重合を行うこ
とを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子の製造法。 - 【請求項2】 シリコーンオイルの添加量が、使用する
単量体総量に対して0.005〜1.0重量%である請
求項1記載の発泡性スチレン系重合体粒子の製造法。 - 【請求項3】 単量体成分(II)の量が、使用する単量
体総量に対して5〜70重量%である請求項1又は2記
載の発泡性スチレン系重合体粒子の製造法。 - 【請求項4】 シリコーンオイルが、ジメチルシリコー
ンである請求項1、2又は3記載の発泡性スチレン系重
合体粒子の製造法。 - 【請求項5】 単量体成分(I)とともに、気泡形成剤
を添加する請求項1、2、3又は4記載の発泡性スチレ
ン系重合体粒子の製造法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の製造法
により得られる発泡性スチレン系重合体粒子。 - 【請求項7】 請求項6記載の発泡性スチレン系重合体
粒子を発泡成形してなる発泡成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24323494A JPH08104772A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 発泡性スチレン系重合体粒子、その製造法及び発泡成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24323494A JPH08104772A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 発泡性スチレン系重合体粒子、その製造法及び発泡成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08104772A true JPH08104772A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17100837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24323494A Pending JPH08104772A (ja) | 1994-10-07 | 1994-10-07 | 発泡性スチレン系重合体粒子、その製造法及び発泡成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08104772A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016006540A1 (ja) * | 2014-07-09 | 2016-01-14 | 大日精化工業株式会社 | 樹脂ビーズ、樹脂ビーズの製造方法並びに該樹脂ビーズを含む製品 |
US9808413B2 (en) | 2014-05-12 | 2017-11-07 | Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. | Resin beads, method for manufacturing resin beads and product containing resin beads |
-
1994
- 1994-10-07 JP JP24323494A patent/JPH08104772A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9808413B2 (en) | 2014-05-12 | 2017-11-07 | Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. | Resin beads, method for manufacturing resin beads and product containing resin beads |
WO2016006540A1 (ja) * | 2014-07-09 | 2016-01-14 | 大日精化工業株式会社 | 樹脂ビーズ、樹脂ビーズの製造方法並びに該樹脂ビーズを含む製品 |
US9809705B2 (en) | 2014-07-09 | 2017-11-07 | Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. | Resin beads, method for manufacting resin beads and product including resin beads |
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