JPH08104663A - グリセリン誘導体の製造法 - Google Patents

グリセリン誘導体の製造法

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JPH08104663A
JPH08104663A JP24104794A JP24104794A JPH08104663A JP H08104663 A JPH08104663 A JP H08104663A JP 24104794 A JP24104794 A JP 24104794A JP 24104794 A JP24104794 A JP 24104794A JP H08104663 A JPH08104663 A JP H08104663A
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Yasuyuki Fujii
靖之 藤井
Hisakazu Furugaki
久和 古垣
Katsumi Kita
克己 喜多
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベタつき感が少なく、感触が優れた化粧用油
剤として有用なグリセリン誘導体の簡便な製造法の提
供。 【構成】 炭素数1〜24のアルコールとエピハロヒドリ
ンとを塩基の存在下反応させて化合物(3)を得、更にこ
の化合物(3)に、炭素数2〜24の脂肪酸又はそのエステ
ルあるいは酸クロライドを反応させて、グリセリン誘導
体(6) を得る。 【化1】 【化2】 (式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基等、R2は炭素数
1〜23のアルキル基等を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリセリン誘導体の製造
法に関する。さらに詳しくは、ベタつき感の少ない優れ
た化粧用油剤として用いられるグリセリン誘導体を簡便
かつ安価に供給できる製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧品に配合される油剤として
は、グリセリンのトリエステル、ネオペンチルグリコー
ルのジエステル等のエステル類が汎用されている。しか
し、エステル類については、油性感が強いという欠点が
あり、必ずしも化粧品油剤として満足できるものではな
く、高性能かつ簡便に製造できる安価な油剤が望まれて
いる。
【0003】特開昭52−54033号公報、特開昭5
2−54018号公報には、それぞれ化粧料、軟膏類基
剤としてグリセリントリエーテルが開示され、使用感が
ノングリージー(non greasy) と紹介されているが、合
成の詳細な方法、あるいは収率等も記載されてない。ま
た、グリセリントリエーテルの1つのエーテル基をエス
テル基に置換したグリセリンのジエーテル/モノエステ
ル体は、カナダ国特許第1106681 号明細書に低カロリー
脂質として開示されている。しかし、合成法について
は、アルコールとエピハロヒドリンを四塩化スズ、三
フッ化ホウ素等のルイス酸存在下反応させ、アルキルハ
ロヒドリンを得る工程、さらに、それをアルカリで処
理し、閉環させたアルキルグリシジルエーテルを得る工
程、さらに、もう一度四塩化スズ、三フッ化ホウ素等
のルイス酸存在下アルコールを反応させ、1,3−ジ−
O−アルキルグリセリンを得る工程、さらに、それを
脂肪酸と反応させ、グリセリンのジエーテル/モノエス
テル体を得る工程、という4段階にも及ぶ合成ルートで
グリセリンのジエーテル/モノエステル体を得ている。
【0004】1,3−ジ−O−アルキルグリセリンの別
途合成法としては、例えばBer., 24, 2145(1891), J. C
hem. Soc., 101, 305(1912) にフェノール類とエピクロ
ロヒドリンとをアルカリ条件下反応させることにより、
1段階で1,3−ジ−O−アルキルグリセリンを得る方
法が記載されている。しかし、フェノール類の酸性と脂
肪族アルコール類のそれとは明らかに異なり、前述のカ
ナダ国特許に見られるごとく、脂肪族アルコール類では
1段階で1,3−O−ジアルキルグリセリンは得られに
くいと考えられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなグリセリ
ンのジエーテル/モノエステル体は、グリセリントリエ
ステルに比べエステル結合の減少により感触等の向上が
期待されながら、製造が困難であるため汎用の油剤とし
ては利用できず、容易な製造方法の開発が望まれてい
る。従って、本発明の目的は、ベタつき感が少なく、感
触が優れた化粧用油剤として有用なグリセリン誘導体の
簡便な製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、感触の優れた油剤として用いられるグリ
セリンのジエーテル/モノエステル体の簡便な製造方法
について鋭意検討を行った結果、塩基の存在下、アルコ
ールとエピハロヒドリンを反応させると、1段階でグリ
セリンの1,3−ジエーテル体が得られ、これをエステ
ル化することにより容易にグリセリンのジエーテル/モ
ノエステル体が得られることを見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、次の一般式(1) R1−OH (1) (式中、R1は炭素数1〜24の直鎖又は分岐のアルキル
基、アルケニル基あるいは環状のアルキル基を示す。)
で表されるアルコール(以下アルコール(1) と略記す
る)の1種又は2種以上と、次の一般式(2)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、 Xはハロゲン原子を示す。)で表
されるエピハロヒドリン(以下エピハロヒドリン(2) と
略記する)とを塩基の存在下反応させ、次の一般式
(3)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、Rは前記と同じ意味を示し、2
つのR1は同一でも異なっていてもよい。)で表される化
合物(以下化合物(3) と略記する)を得、更にこの化合
物(3) に、次の一般式(4) R2−COOR3 (4) (式中、R2は炭素数1〜23の直鎖又は分岐のアルキル基
あるいはアルケニル基を示し、R3は水素原子、メチル基
又はエチル基を示す。)で表される脂肪酸又はそのエス
テル(以下脂肪酸又はそのエステル(4) と略記する)、
あるいは、次の一般式(5) R2−COCl (5) (式中、R2は前記と同じ意味を示す。)で表される酸ク
ロライド(以下酸クロライド(5) と略記する)を反応さ
せることを特徴とする、次の一般式(6)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R及びR2は前記と同じ意味を示
す。)で表されるグリセリン誘導体(以下グリセリン誘
導体(6) と略記する)の製造法を提供するものである。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明においては、まず、下記の反応式に示すように、ア
ルコール(1) とエピハロヒドリン(2) とを、塩基の存在
下反応させることにより、グリセリン誘導体(6) の中間
体である化合物(3) を製造する。
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R1及びX は前記と同じ意味を示
す。) 上記一般式(1) 中、R1で示される基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n
−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n
−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキ
シル基、2−ヘキシルデシル基、2−ヘプチルウンデシ
ル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルテトラデシ
ル基、5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−ト
リメチルブチル)オクチル基、次式
【0016】
【化8】
【0017】(式中、m+n=14であり、m=n=7を
頂点とする分布をもつ)で表されるメチル分岐イソステ
アリル基等の分岐アルキル基、アリル基、メタリル基、
9−オクタデセニル基、ファルネシル基等のアルケニル
基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、アビエチル
基等の環状アルキル基などが挙げられるが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。R1として好ましいもの
は、炭素数2〜12の直鎖、分岐又は環状のアルキル基で
ある。
【0018】本発明に用いられるアルコール(1) として
は、上記のようなR1基を有するものが挙げられ、具体的
には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ヘキシル
アルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルア
ルコール、n−デシルアルコール、n−ドデシルアルコ
ール、n−テトラデシルアルコール、n−ヘキサデシル
アルコール、n−オクタデシルアルコール等の直鎖アル
コール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、2−ヘキシルデシ
ルアルコール、2−ヘプチルウンデシルアルコール、2
−オクチルドデシルアルコール、2−デシルテトラデシ
ルアルコール、2−(1,3,3−トリメチルブチル)
−5,7,7−トリメチルオクチルアルコール、次式
【0019】
【化9】
【0020】(式中、m及びnは前記と同じ意味を示
す。)で表されるメチル分岐イソステアリルアルコール
等の分岐アルコール、アリルアルコール、メタリルアル
コール、9−オクタデセニルアルコール、ファルネシル
アルコール等のアルケニルアルコール、シクロオクチル
アルコール、シクロドデシルアルコール、アビエチルア
ルコール等の環状アルコールなどが挙げられるが、必ず
しもこれらに限定されるものではない。好ましくは炭素
数2〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコールである。こ
れらのアルコールは1種又は2種以上の混合物として用
いることができる。
【0021】本発明で用いられるエピハロヒドリン(2)
としては、 Xが塩素、臭素又はヨウ素原子を示すエピハ
ロヒドリンが挙げられ、好ましくはエピクロルヒドリン
である。
【0022】本発明において、アルコール(1) とエピハ
ロヒドリン(2) とは、塩基の存在下反応させる。ここで
用いられる塩基としては、例えば水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;水素化
ナトリウム等のアルカリ金属の水素化物;ブチルリチウ
ム等のアルカリ金属のアルキル化物などが挙げられ、好
ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムである。塩
基は、粒子状、ペレット状あるいは水溶液であっても構
わないが、好ましくは、粒子状、ペレット状である。ま
た、本反応では、場合によってはテトラブチルアンモニ
ウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド
等の相関移動触媒を用いても構わない。
【0023】本反応におけるエピハロヒドリン(2) に対
するアルコール(1) の量は1〜1000倍当量が好ましく、
更に好ましくは2〜 100倍当量である。1倍当量より少
ないと化合物(3) の収率は低下する。また、アルコール
(1) は、多ければ多いほど化合物(3) の収率(選択性)
は向上する。また、過剰のアルコール(1) は回収して再
利用にまわすことができるが、1000倍当量以下で十分で
ある。本反応に使用する塩基の量は、エピハロヒドリン
(2) に対して 0.5〜10倍当量が好ましく、更に好ましく
は 0.8〜5倍当量である。 0.5倍当量より少ないと、反
応の進行は遅く、また10倍当量より多いと、化合物(3)
からさらに反応が進行したもののほか、多くの副反応物
が生じて好ましくない。
【0024】本反応は、アルコール(1) 、エピハロヒド
リン(2) 及び塩基を一括で仕込み、反応させても目的の
化合物(3) は得られるが、好ましくは第1段階にアルコ
ール(1) と塩基で十分アルコラートを発生させた後、エ
ピハロヒドリン(2) を加える方がより効率的で収率も向
上する。第1段階のアルコール(1) と塩基との反応であ
るが、アルコラートをたやすく発生できる組み合わせで
あれば低温あるいは室温で攪拌するだけで十分である
が、例えば、アルコール(1) と、粒子状あるいはペレッ
ト状の水酸化アルカリであれば、30〜 100℃程度の温度
をかけて1時間ほど攪拌し、十分アルカリを溶解させ、
アルコラートにした方が好ましい。攪拌温度は、アルコ
ール(1) の種類によって異なるが、30℃より低いとアル
コラートの発生は十分ではない。また、塩基が溶解すれ
ばよく、 100℃より高くする必要もない。ここでは溶媒
を用いなくても十分反応は進行するが、場合によって
は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等も使用
することができる。
【0025】次のエピハロヒドリン(2) との反応である
が、第1段階で十分アルコラートを発生させたら、エピ
ハロヒドリン(2) を一括でも構わないが、30分〜3時間
程度かけて添加する方が好ましい。ここでの反応は、第
1段階で用いたアルコールにより異なるが、10〜90℃付
近で反応させることができる。特に、メチルアルコール
など、分子量の特に小さいアルコールを用いた場合は10
〜40℃付近で行うことが好ましい。10℃より低いと反応
の進行は遅いが、40℃を超えると、副反応が進行する。
また、アルコールの炭素数が10を超えると、反応温度は
40〜90℃が好ましい。40℃より低いと反応は遅く、また
90℃を超えると副反応物が多く生成する。反応時間は1
〜5時間で十分である。
【0026】次に、このようにして得られた化合物(3)
に、下記反応式に示すように、脂肪酸又はそのエステル
(4) 、あるいは酸クロライド(5) を反応させることによ
り、グリセリン誘導体(6) を得ることができる。
【0027】
【化10】
【0028】(式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を
示す。) 化合物(3) と反応せしめる脂肪酸又はそのエステル(4)
あるいは酸クロライド(5) を形成する脂肪酸としては、
酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸等の直鎖脂肪酸、2 −エチルヘキサ
ン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−(1,
3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル
オクタン酸、次式
【0029】
【化11】
【0030】(式中、m及びnは前記と同じ意味を示
す。)で表されるメチル分岐イソステアリン酸等の分岐
脂肪酸、9−ヘキサデセン酸、9−オクタデセン酸、1
3−ドコセン酸等の不飽和脂肪酸などが挙げられるが、
必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0031】化合物(3) と、脂肪酸又はそのエステル
(4) との反応では、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩
酸、フッ化ホウ素エーテラート等の酸触媒存在下で、こ
れらを一括添加して反応させる。ここで脂肪酸を用いる
場合には水を、また脂肪酸エステルを用いる場合にはメ
タノールあるいはエタノールを系外に抜き出すことによ
りグリセリン誘導体(6) を製造できる。この場合、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の溶媒を用い、溶媒との共
沸還流下(80〜130 ℃)、反応させて水あるいはメタノ
ール、エタノールを抜き出してもよいし、また高温(200
℃以上、好ましくは200 〜250 ℃)で、溶媒を用いず直
接、化合物(3) と、脂肪酸又はそのエステル(4) とを反
応させ、水あるいはメタノール、エタノールをぬき出し
てもよい。反応時間は1〜15時間程度が好ましい。ま
た、化合物(3) と酸クロライド(5) との反応では、要す
れば、ピリジン、ジメチルアニリン、トリエチルアミ
ン、テトラメチル尿素などの塩基触媒共存下、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン等の溶媒中で、0〜100
℃あるいは溶媒還流下、直接のエステル化を行うことが
できる。反応時間は1〜10時間程度である。
【0032】これらの反応における化合物(3) と、脂肪
酸又はそのエステル(4) 、あるいは酸クロライド(5)
は、化合物(3) に対して1〜2倍当量の脂肪酸又はその
エステル(4) 、あるいは酸クロライド(5) を反応させれ
ば十分である。1倍当量より少なければ、未反応の化合
物(3) が少なくとも回収される。また、2倍当量より多
く使用すれば、エステル化はかなり速く進行するが、多
くの未反応脂肪酸又はそのエステル(4) 、あるいは酸ク
ロライド(5) を回収することとなり、経済的にも好まし
くない。好ましくは1〜 1.5倍当量である。
【0033】本発明の簡便な製造法で得られるグリセリ
ン誘導体(6) は、化粧品用油剤として有用である。上記
のような本発明の方法によると、グリセリン誘導体(6)
は、R1及びR2によってさまざまな化合物が得られるが、
化粧品用油剤に限れば、分子量 100〜600のものが好ま
しい。分子量が 100より少ないと、においを生じたり、
安全性にも問題が生じることがある。また、 600より多
いと、粘度がかなり高くなり、油性感も強くなり、感触
的にも化粧品用油剤としては好ましくない。さらに好ま
しくは、分子量 200〜500 である。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0035】実施例1 2−O−ドデシロイル−1,3−ジ−O−メチルグリセ
リン(6a)
【0036】
【化12】
【0037】滴下ロート、窒素ガス導入管、冷却管及び
攪拌装置を備えた5リットルのフラスコに、メチルアル
コール2880g(90モル)、粒子状水酸化ナトリウ
ム432g(10.8モル) を仕込み、窒素ガス導入下、60℃で
1時間攪拌した。その後、30℃に冷却し、エピクロルヒ
ドリン832g(9.0モル)を2時間かけて滴下し、滴下終了
後、さらに30℃で 3.5時間攪拌した。反応混合物を塩酸
で中和し、濾過後、過剰のメチルアルコールを留去し、
さらに減圧蒸留(68℃/10Torr) することにより、標記
化合物の中間体1,3−ジ−O−メチルグリセリンを 7
91g(収率73%;エピクロルヒドリン基準)を得た。
【0038】次に、窒素ガス導入管、冷却脱水管及び攪
拌装置を備えた2リットルのフラスコに、上で得られた
1,3−ジ−O−メチルグリセリンを300g(2.5モル)、
ラウリン酸660g(3.3モル)、キシレン 500g、パラトル
エンスルホン酸3g(0.017モル)を仕込み、窒素ガス導
入下、キシレン還流中8時間脱水エステル化を行った。
その後、水洗を行い、さらにキシレン、ラウリン酸を減
圧下留去し、さらに減圧蒸留(147℃/0.7Torr)すること
により、無色透明液体として標記化合物 680g(収率90
%)を得た。
【0039】実施例2 2−O−オクタノイル−1,3−ジ−O−ブチルグリセ
リン(6b)
【0040】
【化13】
【0041】滴下ロート、窒素ガス導入管、冷却管及び
攪拌装置を備えた5リットルのフラスコに、n−ブチル
アルコール2904g(39.2モル)、粒子状水酸化
ナトリウム575g(14.4モル)を仕込み、窒素ガス導入
下、80℃で1時間攪拌した。その後、60℃に冷却し、エ
ピクロルヒドリン889g(9.6モル)を1時間かけて滴下
し、滴下終了後、さらに60℃で2時間加熱攪拌した。反
応混合物を水洗して、水酸化ナトリウムを除去し、さら
に過剰のn−ブチルアルコールを減圧下で留去し、さら
に減圧蒸留(105〜115 ℃/5Torr) することにより、標
記化合物の中間体1,3−ジ−O−ブチルグリセリンを
1005g(収率51%;エピクロロヒドリン基準)を得た。
【0042】次に、窒素ガス導入管、冷却脱水管及び攪
拌装置を備えた1リットルのフラスコに、上で得られた
1,3−ジ−O−ブチルグリセリン 400g(1.96モル)、
オクタン酸 324g(2.25モル)を仕込み、窒素ガス導入
下、 220℃で12時間脱水エステル化を行った。その後、
水洗を行い、さらに過剰のオクタン酸を減圧下留去し、
さらに減圧蒸留(160℃/1Torr) することにより、無色
透明液体として標記化合物595g(収率92%) を得た。
【0043】実施例3 2−O−2−エチルヘキサノイル−1,3−ジ−O−ブ
チルグリセリン(6c)
【0044】
【化14】
【0045】窒素ガス導入管、冷却脱水管及び攪拌装置
を備えた2リットルのフラスコに、実施例2で得られた
1,3−ジ−O−ブチルグリセリン250g(1.2モ
ル)、2−エチルヘキサン酸229g(1.6モル)、パラトル
エンスルホン酸 17.9g(0.1モル)、トルエン 300gを仕
込み、窒素ガス導入下、トルエン還流中 9.5時間脱水エ
ステル化を行った。その後、水洗を行い、さらにトルエ
ン、2−エチルヘキサン酸を減圧下留去し、さらに減圧
蒸留(165〜170 ℃/5Torr) することにより、無色透明
液体として標記化合物 412g(収率96%)を得た。
【0046】実施例4 2−O−オクタノイル−1,3−ジ−O−オクチルグリ
セリン(6d)
【0047】
【化15】
【0048】滴下ロート、窒素ガス導入管、冷却管及び
攪拌装置を備えた3リットルのフラスコに、オクチルア
ルコール1950g(15モル)、粒子状水酸化ナトリウム240g
(6モル)を仕込み、窒素ガス導入下80℃で1時間攪拌し
た。その後、80℃でエピクロルヒドリン277.6g(3モル)
を 1.5時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに80℃で3
時間攪拌した。反応混合物を水洗して、水酸化ナトリウ
ムを除去し、さらに過剰のオクチルアルコールを減圧下
で留去し、さらに減圧蒸留(150〜160 ℃/0.25Torr) す
ることにより、標記化合物の中間体1,3−ジ−O−オ
クチルグリセリンを556g(収率60%;エピクロルヒドリ
ン基準)を得た。
【0049】次に、窒素ガス導入管、冷却脱水装置及び
攪拌装置を備えた 500mlのフラスコに、上で得られた
1,3−ジ−O−オクチルグリセリン 150g(0.47モル)
、オクタン酸75.2g(0.52モル) 、パラトルエンスルホ
ン酸8.9g(0.047モル) 、トルエン100gを仕込み、窒素
ガス導入下、トルエン還流中、 3.5時間脱水エステル化
を行った。その後、水洗を行い、さらにトルエン、オク
タン酸を減圧下留去し、さらに減圧蒸留(スミス蒸留:
240℃/0.3Torr)することにより、無色透明液体として
標記化合物 193g(収率93%) を得た。
【0050】実施例5 2−O−オクタノイル−1,3−ビス−O−(2−エチ
ルヘキシル)グリセリン(6e)
【0051】
【化16】
【0052】滴下ロート、窒素ガス導入管、冷却管及び
攪拌装置を備えた3リットルのフラスコに、2−エチル
ヘキシルアルコール2600g(20モル)、粒子状水
酸化ナトリウム 400g(10モル) を仕込み、窒素ガス導入
下80℃で1時間攪拌した。その後、50℃に冷却し、エピ
クロルヒドリン427g(5モル) を30分かけて滴下し、滴下
終了後、50℃から70℃に昇温し、さらに 4.5時間加熱攪
拌した。反応混合物を水洗し、水酸化ナトリウムを除去
し、さらに過剰の2−エチルヘキシルアルコールを減圧
下留去し、さらに減圧蒸留することにより、標記化合物
の中間体1,3−ビス−O−(2−エチルヘキシル)グ
リセリンを689g(収率44%;エピクロルヒドリン基準)
を得た。
【0053】次に、窒素ガス導入管、冷却脱水装置及び
攪拌装置を備えた 500mlのフラスコに、上で得られた
1,3−ビス−O−(2−エチルヘキシル)グリセリン
100g(0.3モル)、オクタン酸47g(0.33モル) 、パラト
ルエンスルホン酸5.6g(0.029モル)、トルエン 100gを
仕込み、窒素ガス導入下、トルエン還流中、 4.5時間脱
水エステル化を行った。その後、水洗を行い、さらにト
ルエン、オクタン酸を減圧下留去し、さらに減圧蒸留
(スミス蒸留:240 ℃/0.3Torr)することにより、無色
透明液体として標記化合物 126g(収率95%)を得た。
【0054】実施例6 2−O−イソステアロイル−1,3−ジ−O−オクチル
グリセリン(6f)
【0055】
【化17】
【0056】(式中、m及びnは前記と同じ意味を示
す。) 窒素ガス導入管、冷却脱水管及び攪拌装置を備えた 500
mlのフラスコに、実施例4で得られた1,3−ジ−O−
オクチルグリセリン 94.8g(0.3モル)、イソステアリン
酸(エメリー社製:エマゾール871) 98g(0.35モ
ル)、パラトルエンスルホン酸2.85g(0.015モル)、ト
ルエン 150gを仕込み、窒素ガス導入下、トルエン還流
中、5時間脱水エステル化を行った。その後、水洗を行
い、トルエンを減圧下留去し、さらにシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製することにより、無色透明液
体として標記化合物 169g(収率97%)を得た。
【0057】実施例1〜6で得られた各グリセリン誘導
体は、いずれもベタつき感が少なく、感触が優れた化粧
用油剤であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) R1−OH (1) (式中、R1は炭素数1〜24の直鎖又は分岐のアルキル
    基、アルケニル基あるいは環状のアルキル基を示す。)
    で表されるアルコールの1種又は2種以上と、次の一般
    式(2) 【化1】 (式中、 Xはハロゲン原子を示す。)で表されるエピハ
    ロヒドリンとを塩基の存在下反応させ、次の一般式(3) 【化2】 (式中、R1は前記と同じ意味を示し、2つのR1は同一で
    も異なっていてもよい。)で表される化合物を得、更に
    この化合物に、次の一般式(4) R2−COOR3 (4) (式中、R2は炭素数1〜23の直鎖又は分岐のアルキル基
    あるいはアルケニル基を示し、R3は水素原子、メチル基
    又はエチル基を示す。)で表される脂肪酸又はそのエス
    テル、あるいは、次の一般式(5) R2−COCl (5) (式中、Rは前記と同じ意味を示す。)で表される酸
    クロライドを反応させることを特徴とする、次の一般式
    (6) 【化3】 (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を示す。)で表され
    るグリセリン誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 塩基がアルカリ金属の水酸化物、炭酸
    塩、水素化物又はアルキル化物である請求項1記載の製
    造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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