JPH08104505A - 窒化珪素粉末 - Google Patents

窒化珪素粉末

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JPH08104505A JP7149902A JP14990295A JPH08104505A JP H08104505 A JPH08104505 A JP H08104505A JP 7149902 A JP7149902 A JP 7149902A JP 14990295 A JP14990295 A JP 14990295A JP H08104505 A JPH08104505 A JP H08104505A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度、高信頼性の窒化珪素質焼結体の製造
原料として好適な易焼結性の窒化珪素粉末を提供する。 【構成】 比表面積が6〜25m2 /gである窒化珪素
粉末であって、該窒化珪素粉末1cm3中に存在する、
3〜50μmの粗大粒子並びに凝集粒子及び/又は融着
粒子の数量が1000個以下、20μm超の金属異物量
が3個以下、10〜20μmの金属異物量が15個以下
であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度、高信頼性の窒
化珪素質焼結体が安定して得られる易焼結性の窒化珪素
粉末に関する。さらには、窒化珪素質焼結体を工業的に
製造するための原料として好適な低粘度の窒化珪素含有
スラリーを容易に調製しうる窒化珪素粉末に関する。構
造用セラミックスである窒化珪素は、強度、靱性、耐熱
衝撃性などの機械的特性や耐熱性、耐食性などの種々の
特性に優れた材料として、切削チップ、エンジン部品、
ガスタービン部材、鋳造用ノズル、軸受け部材等に利用
されている。
【0002】
【従来技術及びその問題点】窒化珪素質焼結体の製造原
料である窒化珪素粉末の製造法としては、(1)金属珪
素の直接窒化法、(2)シリカ還元窒化法、(3)シリ
コンジイミドの熱分解法が知られている。これらの方法
で製造される窒化珪素粉末は、焼結体の機械的特性や耐
熱性などの特性を向上させるために、近年何れも高純
度、超微粉、高α相含有等に改善され、金属不純物量や
酸素含有量或いは粒子径・比表面積などの特性において
は同程度の粉末が製造されるようになってきた。
【0003】一般に、窒化珪素質焼結体の機械的特性や
耐熱性などの特性は、原料の窒化珪素粉末中に存在する
粗大な一次粒子や凝集粒子及び/又は融着粒子等の粗大
粒子の影響を大きく受けることが知られている。(1)
の方法で製造された粉末は、直接窒化反応時に生成する
粗大粒子の未粉砕粒子を多く含み、(2)の方法で製造
された粉末は、原料のシリカ粉末の融着による粗大粒子
を多く含み、(3)の方法で製造された粉末は、微粒子
の凝集による粗大粒子を多く含んでいる。
【0004】この窒化珪素粉末中の粗大な一次粒子や凝
集粒子及び/又は融着粒子等の粗大粒子の含有量は、走
査型電子顕微鏡写真及び透過型電子顕微鏡写真により一
次粒子の大きさ、状態を定性的に測定するか、或いは遠
心沈降光透過法、X線回折法、光散乱法、レーザー回折
法、コールターカウンター法等の粒度分布測定器、また
は篩分けによる粒度分布測定等により定量されてきた。
しかしながら、走査型または透過型電子顕微鏡写真によ
る粗大粒子の測定は、極微小部分の測定であり再現性に
欠け、凝集粒子の粒子径分布の判定も困難で定量的な測
定ができなかった。また、各粒度分布測定装置による粗
大粒子の測定は、主に二次粒子の測定であり、しかも測
定限界が%単位であることから、0.1%以下の少量の
粗大粒子数を再現性良く測定することが困難であった。
【0005】窒化珪素質焼結体の機械的特性や耐熱性、
耐食性などの諸特性は、窒化珪素粉末中の粗大粒子及び
異物粒子の影響を大きく受けていることは知られてい
る。しかしながら、粗大粒子数量の測定法、及びこれら
の諸特性に対する影響度合を定量的に解析した報告或い
は提案がなされてはいない。これは、前記の粗大粒子数
量を定量する方法が確立されておらず、これらの粗大粒
子数を低減して高強度で特性のバラツキの少ない焼結体
が安定して得られる易焼結性の窒化珪素粉末を製造する
こと自体が検討できないという問題があった為である。
【0006】一方、窒化珪素質焼結体は、通常窒化珪素
粉末から所望の形状の成形体を作製し、これを焼結する
ことにより製造される。特に、工業的に窒化珪素質焼結
体を製造する場合には、成形のプロセスにおいて、原料
粉末を含有するスラリーの調製工程が含まれており、低
粘度の窒化珪素含有スラリーを容易に調製しうることが
重要となる。
【0007】窒化珪素粉末から成形体を製造する方法と
しては、ラバープレス成形、金型プレス成形、ホットプ
レス成形、射出成形、鋳込成形等が知られている。例え
ば、ラバープレス成形、金型プレス成形等においては、
成形原料として流動性の良好なスプレー乾燥顆粒を使用
する。流動性の悪い顆粒を使用すると成形体が不均質
(各部の密度が不均一)となり、焼結時の収縮が不均一
となって変形したり、クラックを生じたりする。スプレ
ー乾燥による顆粒調製においては、適正なスラリー流動
範囲があり、通常はスラリー粘度50〜500cP、好
ましくは100〜400cPに調整される。スラリー粘
度が高すぎると、スラリーを乾燥装置のアトマイザーに
供給する際に、送液配管の途中またはスラリーの吹き出
し口で閉塞が起こるので好ましくない。また、逆に、ス
ラリー粘度が低すぎると、スラリーの送液中に粗粒成分
が沈降して組成が不均一となる。更に得られる乾燥顆粒
が小さくなりすぎて顆粒の流動性が失われる。
【0008】したがって、スラリー粘度が高い場合に
は、溶媒を追加して粉体比(粉末体積と溶媒体積との比
率)を下げることにより、スラリー粘度を適正範囲に入
れる。またスラリー粘度が低い場合には、粉末を追加し
て粉体比を上げることにより、スラリー粘度を適正範囲
に入れる。一方、粉体比の低いスラリーを使用してスプ
レー乾燥を行うと、得られる顆粒に陥没部を生じ、更に
はドーナツ状の顆粒が生成して流動性が悪化する。ま
た、溶媒の蒸発に多量の熱量を必要として効率が悪くな
り、生産性の面からも好ましくない。したがって、でき
るだけ粉体比の高いスラリーを調製して、これをスプレ
ー乾燥することにより、球形で流動性の良好な顆粒を作
製する必要がある。
【0009】また、鋳込成形用スラリーにも適正な範囲
がある。通常はスラリー粘度50〜500cP、好まし
くは100〜400cPに調整される。スラリー粘度が
高すぎると、成形型の細部までスラリーが入り難くな
り、また排泥不良を生じ、乾燥過程でクラックが発生し
易くなる。逆にスラリー粘度が低すぎると、着肉工程で
スラリー中の粗粒成分が沈降し、組成に不均一を生ず
る。また、型の合わせ目よりスラリーが漏れ易くなる。
したがって、スラリー粘度が高い場合には、溶媒を追加
して粉体比を下げることにより、スラリー粘度を適正範
囲に入れる。またスラリー粘度が低い場合には、粉末を
追加して粉体比を上げることにより、スラリー粘度を適
正範囲に入れる。一方、粉体比の低いスラリーを使用し
て鋳込成形を行うと、着肉速度が小さくて成形時間が長
くなり、生産性上好ましくない。また、成形体の乾燥収
縮及び焼結時の収縮が大きくなり、乾燥過程または焼結
過程でクラックが発生するという問題がある。したがっ
て、できるだけ粉体比の高いスラリーを調製する必要が
ある。
【0010】前述のように、原料粉末の溶媒に対する比
率を高め最小限の溶媒量で粘度の低いスラリーを調製し
た方が良質の成形体を得やすい。しかし、窒化珪素セラ
ミックス成形用スラリーにおいては、一般に成形後の形
状を保つためにポリビニルアルコール、ポリエチレング
リコール、アクリル酸エステル系共重合樹脂などの成形
用バインダーが添加されるため、バインダーの添加によ
りスラリーの粘度が高くなり、適正な範囲にスラリー粘
度を調整することが難しくなる。このため、従来は形状
精度の向上という目的からはバインダーの添加量を増や
す必要があるものの、比表面積6〜25m2 /gの微粉
末からのスラリーの調製ではスラリー粘度が上昇して成
形に支障をきたすという問題があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記課題を解決するために窒
化珪素粉末中の粗大粒子数量の測定法を開発し、この結
果に基づき高強度で特性のバラツキの少ない焼結体が安
定して得られる易焼結性の窒化珪素粉末を提供すること
を目的としている。さらには、工業的に窒化珪素質焼結
体を製造する際に、成形プロセスにおいて、成形用のバ
インダーを添加しても低粘度、高粉末濃度の窒化珪素含
有スラリーが容易に得られる窒化珪素粉末を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明は、比表面積が
6〜25m2 /gである窒化珪素粉末であって、該窒化
珪素粉末1cm3 中に存在する、3〜50μmの粗大粒
子並びに凝集粒子及び/又は融着粒子の数量が1000
個以下、20μm超の金属異物量が3個以下、10〜2
0μmの金属異物量が15個以下であることを特徴とす
る窒化珪素粉末に関するものである。
【0013】さらには、本発明は、硝酸イオンの吸着量
が150ppm以下である窒化珪素粉末、さらに、無機
酸イオンの吸着量の合計量が200ppm以下である窒
化珪素粉末に関するものである。
【0014】本発明の窒化珪素粉末は、比表面積が6〜
25m2 /gである。比表面積が6m2 /g未満の窒化
珪素粉末中には、粒成長した粗大粒子の割合が増加し、
比表面積が25m2 /g超の窒化珪素粉末には、微粒子
の凝集、融着による粗大粒子が増加する。また、本発明
の窒化珪素粉末は、α分率が85%以上であることが望
ましい。α分率が85%未満の高β分率の窒化珪素粉末
は、結晶化温度が1600℃以上の高温に達する場合に
生成し、この高温下では、窒化珪素粒子は粒成長、融着
及び凝集し易くなり、粗大粒子が増加する。
【0015】さらに、本発明の窒化珪素粉末は、窒化珪
素粉末1cm3 中に存在する、3〜50μmの粗大な一
次粒子並びに凝集粒子及び/又は融着粒子の数量が10
00個以下、好ましくは700個以下である。窒化珪素
粉末中の粗大粒子数量が1cm3 中に1000個よりも
多く存在すると、窒化珪素の焼結過程において窒化珪素
粒子が焼結助剤等からなる粒界相に溶解する際の溶解速
度のずれ、遅れを生じ、緻密化の進行を妨げる。また、
緻密化の際に粗大粒子を核にした粒成長が進み、異常な
粒成長部分を持つ焼結体組織となり、異常粒成長部分の
周囲にマイクロクラックを生じて、焼結体の強度を低下
させる。窒化珪素粉末中の粗大粒子数量が1cm3 中に
1000個以下の場合は、粒界相への窒化珪素粒子の溶
解速度が均一で速く、焼結体組織が均一となり、高強
度、高信頼性な窒化珪素質焼結体となる。
【0016】一般に、窒化珪素粉末中の粗大な一次粒子
や凝集粒子及び/又は融着粒子等の粗大粒子は硬く、焼
結体作製工程における原料調製時の乾式或いは湿式のボ
ールミル混合粉砕では解砕或いは粉砕することが難し
い。窒化珪素質焼結体は、焼結助剤を添加した混合粉末
の成形体を焼結することにより得られている。窒化珪素
粉末と焼結助剤との混合は、通常湿式ボールミル混合に
よって行なわれている。したがって窒化珪素粉末中の粗
大粒子は焼結助剤との混合粉末中にそのまま残存する。
残存する粗大粒子は、通常は焼結助剤混合スラリーから
開孔径50μm前後の篩を用いて取り除かれる。篩の開
孔径は、50μmより小さい場合は篩の目詰まりが急激
に増えることから小さくても20μm程度である。通常
は作業性を考慮して44μm程度の篩が用いられてい
る。つまり、窒化珪素質焼結体の製造原料である窒化珪
素粉末において、高強度で特性のバラツキの少ない焼結
体が安定して得られる易焼結性の窒化珪素粉末を提供す
るためには、窒化珪素粉末中の50μm以下の粗大な一
次粒子や凝集粒子及び/又は融着粒子等の粗大粒子の数
量を一定値以下に制御する必要がある。
【0017】本発明においては、従来定量的な測定が困
難であった50μm以下の粗大な一次粒子や凝集粒子及
び/又は融着粒子等の粗大粒子の数量の測定法として、
JIS K5101(顔料試験方法)に準拠したグライ
ンド・ゲージを用いた測定法を確立した。グラインド・
ゲージは、0〜50μmの深さの直線状の傾斜のある幅
1.2cm、長さ12.5cmの溝の測定部と、測定部
につづく50μm以上の深さの溝のあるスラリー滴下部
と、スラリーを掃き取るスクレーパーとからなる。測定
方法は、窒化珪素粉末スラリーをグラインド・ゲージ上
に1〜2滴垂らし、スクレーパーにより掃き取り、粗大
粒子並びに凝集粒子及び/又は融着粒子を引きずること
によって現れる線状痕の出現地点を粗大粒子並びに凝集
粒子及び/又は融着粒子の大きさとし、出現した線状痕
の本数を粗大粒子並びに凝集粒子及び/又は融着粒子の
数量とすることによって定量し、得られた粗大粒子並び
に凝集粒子及び/又は融着粒子の数量を、窒化珪素粉末
スラリー濃度と、グラインド・ゲージの0〜50μmの
深さの傾斜のある幅1.2cm、長さ12.5cmの測
定部のスラリー容積から、窒化珪素粉末1cm3 当たり
に換算することにより、窒化珪素粉末1cm3 中に存在
する粗大粒子並びに凝集粒子及び/又は融着粒子の数量
を測定することができる。
【0018】測定する窒化珪素粉末は、有機溶剤ととも
に湿式ボールミル処理し、粘調なスラリーを調製する。
使用する有機溶剤は、アセトン、メタノール、エタノー
ル等の比較的低粘度のものでは、窒化珪素粉末の分散性
は良いものの、得られたスラリーの粘度が低く、グライ
ンド・ゲージ上でスクレーパーで掃く際に、スラリーが
途切れる。この為、流動パラフィン、エチレングリコー
ル、グリセリン等の高粘度の有機溶剤を使用する必要が
ある。これらの溶剤の内、流動パラフィン、グリセリン
を用いると、窒化珪素粉末の分散性が悪くなる。したが
って、窒化珪素粒子との表面反応性が無く、適度な粘度
を持つエチレングリコールを添加溶剤とすることが好ま
しい。
【0019】窒化珪素粉末とエチレングリコールの混合
比は、重量基準で20g:28gとする。窒化珪素製5
φmmボール480個と共に、内容積100mlのポリ
瓶の中に入れ、前処理として始め振幅5mmの振動ミル
により5分間予備混合することが必要である。予備混合
時間が少ないか、行なわない場合は、湿式ボールミルに
要する時間が非常に長くなる。逆に、予備混合時間が長
い場合は、振動ミル時の処理粉末の粉砕またはボールの
磨耗による混入物の存在のため正確な粗大粒子数の定量
ができなくなる。次いで行なうボールミル混合は120
rpmで36〜60時間が好ましい。ボールミル時間が
少ない場合は、窒化珪素粉末の溶剤への分散が不十分と
なり、未分散の窒化珪素粉末の塊によるグラインド・ゲ
ージ上の線状痕の増加に伴い、粗大粒子数量値が見掛け
上激増する。ボールミル時間が長い場合は再凝集により
粗大粒子数量が増加する。
【0020】グラインド・ゲージによる測定は、上記窒
化珪素スラリーをグラインド・ゲージの50μmの溝の
側のスラリー滴下部へ1〜2滴垂らし、スクレーパーに
て5cm/秒以下の速度でゆっくり掃き取る。スクレー
パーの掃き取り速度は、速すぎる場合、スラリーが途切
れる。窒化珪素スラリー中の粗大な一次粒子や凝集粒子
及び/又は融着粒子等の粗大粒子の大きさは、スクレー
パーで掃き取るときに粗大粒子が引きずられることによ
って現れる線状痕の出現地点のグラインド・ゲージの目
盛りから読み取る。粗大粒子の個数は、前記のグライン
ド・ゲージ測定を5回行ない、現れた線状痕の総本数を
窒化珪素粉末lcm3 当りに換算することにより得られ
る。但し、3μm以下の粗大粒子の場合は線状痕の出現
位置および本数の判定が困難であり、この方法では測定
ができない。
【0021】窒化珪素粉末中の粗大な一次粒子や凝集粒
子及び/又は融着粒子等の粗大粒子数量の換算は、グラ
インド・ゲージ5回測定数量を、測定部の溝の中に掃き
延ベられたスラリーの体積と、スラリー中の窒化珪素粉
末の体積濃度から、窒化珪素粉末1cm3 当りの数量に
換算することによって得られる。但し、窒化珪素粉末の
理論密度をρ=3.186g/cm3 、エチレングリコ
ールの常温の密度を0.9017g/cm3 とした。つ
まり、グラインド・ゲ一ジ5回測定による粗大粒子測定
数量値に定数31.7を乗じた値を窒化珪素粉末1cm
3 当りの粗大粒子数量とした。
【0022】また、本発明の窒化珪素粉末は、粉末1c
3 中に存在する20μm超の金属異物量が3個以下、
好ましくは1個以下、10〜20μmの金属異物量が1
5個以下、好ましくは5個以下であることを特徴として
いる。原料粉末中の金属異物は、焼結後も粗大異物粒子
として焼結体中に残存し、これが破壊の起点となる。粉
末1cm3 中に存在する20μm超の金属異物量が3個
よりも多いと、得られる焼結体中に特に低強度な欠陥部
が生成し、強度試験におけるバラツキが増大する。強度
測定デ−タをワイブル統計により解析した場合には、ワ
イブル係数が低下すると共に、低強度側に異常デ−タ点
を生じ、解析自体の信頼性が無くなる。もちろん、材料
としての信頼性も欠如する。また、10〜20μmの金
属異物量が15個よりも多い場合も、同様に焼結体中に
低強度な欠陥部が多数生成する。この場合には欠陥部の
寸法はやや小さいものの、欠陥の数量が多いため、平均
強度も低下し、バラツキも増大する。ワイブルプロット
上では特に低強度な異常デ−タ点は生じないが、ワイブ
ル係数は低下し、材料としての信頼性は低下する。
【0023】金属異物量の測定は、窒化珪素粉末250
gを超音波分散した後、目開き20μm及び10μmの
篩に通して、篩上残渣を光学顕微鏡で観察するか、或い
は篩上残渣物中の金属異物を磁石により集め、磁石上の
金属異物を接着面を持つテープ或いはシートに付着さ
せ、接着面上の金属異物を光学顕微鏡で観察することに
より求める。光学顕微鏡の観察により測定した金属異物
の数量を、窒化珪素粉末1cm3 (3.186g)当り
に換算して、金属異物量を決定した。
【0024】一方、窒化珪素粉末から窒化珪素質焼結体
を工業的に製造する場合、通常、窒化珪素粉末に成形用
のバインダーを添加して所望の形状の成形体を作製した
後、これを焼結する。したがって、成形用のバインダー
を添加しても低粘度、高粉末濃度の窒化珪素含有スラリ
ーが容易に得られることが望ましい。本発明者等は、窒
化珪素粉末と成形用バインダーとからなるスラリーの製
造において、バインダーの添加によりスラリーの粘度が
上昇する原因を種々検討した結果、窒化珪素粉末に対す
るポリビニルアルコール等の成型用バインダーの吸着量
が原料スラリーの粘度を支配していることを見出した。
即ち、スラリーにポリビニルアルコール等の成型用バイ
ンダーを添加すると、添加した成型用バインダーが粉末
表面に吸着し粉末の表面電位が低下する、または粒子表
面が疎水基で被覆され、溶媒との親和性が悪くなること
によりスラリーの粘度が高くなる。
【0025】成型用バインダーの代表例であるポリビニ
ルアルコールが窒化珪素粉末の表面に吸着する機構につ
いては以下のように考えられる。一般にポリビニルアル
コールの水に対する溶解性は平均重合度とケン化度に支
配される。ポリビニルアルコールには親水性の水酸基が
多数存在する。この水酸基は、分子内または分子間で強
い水素結合を形成し、ポリビニルアルコールの水に対す
る溶解性を著しく阻害する。ケン化度の低いポリビニル
アルコールには、水酸基のかわりに一部疎水性の酢酸基
が存在する。酢酸基が適量存在すると、分子内または分
子間の水酸基の水素結合を弱め、ポリビニルアルコール
の水に対する溶解性を良くする。ポリビニルアルコール
はこのような基本的性質を持ち、様々な平均重合度、ケ
ン化度のものが存在する。
【0026】一方、窒化珪素粉末の表面には、シラノー
ル(Si−OH)基やシラザン(Si2 −NH)基のよ
うな表面官能基が存在し、これらの官能基の濃度は粉末
の製造条件により異なる。これらの官能基は水中でプロ
トンの授受を行いブレンステッド酸性点(H+供与点)
や塩基性点(H+受容点)になる。ポリビニルアルコー
ルは分子内の水酸基で窒化珪素粉末表面のブレンステッ
ド酸性点に吸着すると考えられる。更に、窒化珪素粉末
表面の酸性度について詳細に検討した結果、前記の表面
官能基もさることながら、吸着イオンによって酸性度は
大きく変化することがわかった。そして、吸着イオンの
量を低減することにより、酸性度を制御して、低粘度の
スラリーを調製することができることを見出した。
【0027】即ち、本発明の窒化珪素粉末は、硝酸イオ
ンの吸着量が150ppm以下、さらには、無機酸イオ
ンの吸着量の合計量が200ppm以下であることが望
ましい。無機酸イオンとしては、硝酸イオン、ハロゲン
イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオン等の酸
性点を形成するイオンが挙げられる。通常、窒化珪素粉
末を製造する際に、原料及び製造工程で混入してくるも
のとしては、硝酸イオン、フッ素イオン、塩素イオン、
硫酸イオンが挙げられる。
【0028】本発明における無機酸イオンの吸着量は、
以下の方法により測定する。窒化珪素粉末1gを超純水
200g中に分散させ、冷却管を付けた容器内で2時間
還流煮沸して吸着イオンを溶出させる。次に、還流煮沸
直後の熱い状態でスラリーを熱ろ過し、溶出液を得る。
回収した粉末を再び超純水に分散させて、同一操作を繰
り返す。2回の抽出操作で得られた溶出液中の無機酸イ
オン濃度をイオンクロマトグラフィー(横河電機製IC
−7000S型)により測定し、溶出液と窒化珪素粉末
との重量比より、窒化珪素粉末中の吸着イオン濃度に換
算する。
【0029】本発明の窒化珪素粉末としては、金属ケイ
素直接窒化法、シリカ還元法、シリコンジイミドの熱分
解法によって製造されたものが挙げられる。窒化珪素粉
末中の粗大粒子量及び金属異物量を容易に低減できると
いう点では、イミド分解法が最も適している。イミド分
解法では、例えば、イミド中に残存するトルエンの量を
0.3wt%以下にし、イミドを仮焼、熱分解する炉へ
供給するガス中の酸素含有量を0.01〜0.8vol
%に調整し、イミド1kg当たり100〜400Nlの
ガスを供給して仮焼し、得られたアモルファスを15分
間以上振動ミル処理を行って、解砕、衝撃した後、14
00〜1600℃の温度条件下で結晶化させることによ
り、粗大粒子量の少ない窒化珪素粉末を製造することが
できる。また、製造された窒化珪素粉末を気流輸送する
際の輸送配管の材質の選択と、気流輸送圧力の低減(3
kg/cm2 G以下)により、金属異物量の少ない粉末
を製造することができる。更に除鉄処理を施せば金属異
物量の低減に効果的である。このような各種条件の最適
化により所望の特性の粉末を得ることができる。
【0030】さらに、硝酸イオンの吸着量が150pp
m以下、無機酸イオンの吸着量の合計量が200ppm
以下である窒化珪素粉末は以下の方法で製造される。イ
ミド分解法では、原料としてハロゲン化珪素を使用する
ため、フッ素、塩素等のハロゲンの残留が問題となる。
この方法においては、イミド等の含窒素シラン化合物の
合成の際に副生するハロゲン化アンモニウムを液体アン
モニアにて洗浄、除去する工程で、含窒素シラン化合物
のハロゲン含有量を200ppm以下にすると共に、得
られた含窒素シラン化合物を仮焼、熱分解してアモルフ
ァス窒化珪素に変換する工程で、雰囲気中の酸素濃度を
2.0vol%以下、好ましくは0.8vol%以下に
調整することにより、硝酸イオン濃度を150ppm以
下に抑えることができる。また、含窒素シラン化合物の
液体アンモニアによる洗浄不足あるいは、仮焼時の雰囲
気中の酸素濃度上昇等により、硝酸イオン濃度の吸着量
が150ppm超、または無機酸イオンの吸着量の合計
量が200ppm超の窒化珪素粉末が生成した場合に
は、当該粉末を70℃以上、好ましくは80℃以上の熱
水に浸漬して洗浄し、吸着化学種を脱着させた後、脱着
イオンの再吸着を防止するために、40℃以上、好まし
くは50℃以上の温度で加温ろ過することにより、所望
の粉末を得ることができる。
【0031】金属ケイ素粉末の直接窒化法では、例え
ば、比表面積10m2/g以上の金属ケイ素粉末を水素
ガスと窒素ガスとの混合雰囲気下あるいはアンモニアガ
スと窒素ガスとの混合雰囲気下に1400〜1500℃
まで昇温することにより窒化珪素のインゴットを得る。
得られたインゴットを常法により粗砕、中砕した後、ボ
ールミル、振動ミル、ジェットミル、アトライターミ
ル、パールミル等で湿式または乾式粉砕して粒度を調整
する。粉砕の際に混入した不純物を無機酸(例えば、フ
ッ化水素酸と硫酸との混合物)で処理して、溶解除去し
た後、乾燥処理して窒化珪素粉末を製造する。アトライ
ター粉砕を例にとれば、粉砕時間を0.8時間以上にし
て十分に粉砕し、酸処理後のろ過ケーキの乾燥を100
℃以下の温度で行うことにより、粗大粒子量の少ない窒
化珪素粉末を製造することができる。また、フッ化水素
酸濃度1.0wt%以上、硫酸濃度10wt%以上の高
濃度な無機酸を使用して酸処理を行い(処理液中の粉末
量は10wt%程度)、処理温度40℃以上、処理時間
10時間以上という条件を設定することにより、金属異
物量の少ない粉末を製造することができる。更に除鉄処
理を施せば金属異物量の低減に効果的である。このよう
に金属ケイ素粉末の直接窒化法によっても所望の特性の
粉末を得ることができる。
【0032】さらに、硝酸イオンの吸着量が150pp
m以下、無機酸イオンの吸着量の合計量が200ppm
以下である窒化珪素粉末は以下の方法で製造される。直
接窒化法では、窒化されたインゴットの粉砕処理に続く
混酸処理時に、混酸として使用される無機酸イオンの残
留が問題となる。混酸処理は、通常、フッ酸と塩酸、硫
酸、硝酸等の無機酸とを併用して行われ、フッ酸−塩酸
系、フッ酸−硫酸系、フッ酸−硝酸系等が使用される。
フッ酸濃度は、通常0.02〜0.2gHF/gSi3
4であり、併用されるフッ酸以外の無機酸濃度は、通
常、1.0〜2.0g/gSi34である。乾式粉砕に
よれば、湿式粉砕の場合よりも混酸処理の濃度を低くす
ることができる。混酸処理の濃度が高い程、使用された
無機酸イオンの残留量が増大するが、通常の処理条件で
も、無機酸イオンの吸着量の合計量は200ppm超と
なる。このため、混酸処理後の粉末を70℃以上、好ま
しくは80℃以上の熱水に浸漬して洗浄し、吸着化学種
を脱着させた後、脱着イオンの再吸着を防止するため
に、40℃以上、好ましくは50℃以上の温度で加温ろ
過することにより、所望の粉末を得ることができる。
【0033】シリカ還元法では、例えば、比表面積10
2/g以上の窒化珪素粉末、比表面積100m2/g以
上のシリカ粉末及び比表面積50m2/g以上のカーボ
ンブラックとを一定の割合で混合したものを原料とし、
これを窒素ガス気流中で加熱することにより、窒化珪素
粉末を製造する。原料として20μm超の金属異物量が
3個以下、10〜20μmの金属異物量が15個以下で
ある高純度な粉末を使用し、かつ製造された窒化珪素粉
末を気流輸送する際の輸送配管の材質の選択と、気流輸
送圧力の低減により、金属異物量の少ない粉末を製造す
ることができる。更に除鉄処理を施せば金属異物量の低
減に効果的である。また、シリカ1重量部に対して、カ
ーボン2重量部以上、窒化珪素0.1重量部以上を添加
して、湿式で均一混合した後、造粒したものを原料とし
て使用し、焼成温度を1450℃以下に設定すると共
に、生成粉末の大気中加熱による脱炭処理温度を680
℃以下に設定して、4時間以上かけてゆっくり脱炭する
ことにより、粗大粒子量の少ない窒化珪素粉末を製造す
ることができる。この方法により製造された窒化珪素粉
末は、ナイロン製の振動ミルにより軽く解砕処理して、
所望の特性の粉末を得る。
【0034】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて更に具体的に
本発明を説明する。なお、窒化珪素粉末の焼結体特性の
評価は、焼結体密度はアルキメデス法により求め、抗折
強度は焼結体をテストピース状に加工し、JIS−R1
601規定の抗折試験にて四点曲げ強度を求めた。 (l)粗大粒子量(個/cm3Si34):太佑機材株
式会社製グラインド・ゲージによる。 (2)相対密度(%):アルキメデス法 (3)四点曲げ強度(kg/mm2):島津製作所製オ
ートグラフDSS−500型による。 実施例1〜7及び比較例1〜5 イミド分解法により表1に示す製造条件で窒化珪素粉末
を製造した。
【0035】
【表1】
【0036】得られた窒化珪素粉末の特性を表2に示
す。なお、粗大粒子数は、以下の測定方法により行っ
た。窒化珪素粉末20gを、エチレングリコール28g
と窒化珪素製5φmmボール480個と共に内容積10
0mlのポリエチレン製の瓶の中に入れ密栓し、振幅5
mmの振動ミルにより5分間予備混合した。更に、12
0rpmのボールミル混合を48時間行ない、得られた
窒化珪素粉末スラリーをグラインド・ゲージのスラリー
滴下部へ1〜2滴垂らし、スクレーパーにて5cm/秒
以下のゆっくりした速度で掃き取り、出現した線状痕か
ら粒子径3〜50μmの粗大粒子の数量を読み取った。
同様に粗大粒子数量の測定を4回行ない、計5回の測定
値を窒化珪素粉末1cm3 当りの数量に換算することに
より、粗大粒子数量値を得た。
【0037】
【表2】
【0038】また、得られた窒化珪素粉末の吸着イオン
量を測定した結果を表3に示す。次に、これらの窒化珪
素粉末を原料として、窒化珪素−水系スラリーを調製し
た。調製条件は、以下の通りである。窒化珪素粉末93
重量%、イットリア粉末5重量%、アルミナ粉末2重量
%を混合し、これに粉末濃度が50重量%になるように
イオン交換水を添加した。さらに、粉末合計量に対し
て、分散剤としてジエチルアミンを0.3重量%、バイ
ンダーとしてポリビニルアルコール(クラレ製PVA2
05C、平均重合度550、ケン化度88.0mol
%)を3重量%添加した。これを24時間ボールミルで
混合解砕した。得られたスラリーをE型粘度計で20
℃、0.5rpmの条件で粘度を測定した。得られた結
果を表3に示す。スラリーの粘度は90〜850cPで
あった。500cP以下のスラリーであれば好適に使用
し得る。
【0039】
【表3】
【0040】実施例8〜13及び比較例6〜10 直接窒化法により表4に示す製造条件で窒化珪素粉末を
製造した。得られた窒化珪素粉末の特性を表5及び表6
に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】実施例14〜19 上記直接窒化法により得られた窒化珪素粉末を用いて、
以下の処理を行った。窒化珪素粉末50gを超純水95
0mlに分散させ、表7に示す温度に加熱し、2時間よ
く攪拌して、洗浄した。加熱終了後30分間放置し、表
7に示す温度になった時点でスラリーをろ過し、更に同
じ温度の水でケーキを洗浄した。次いで、得られたケー
キを70℃で真空乾燥した。得られた窒化珪素粉末の特
性値を表7に示す。
【0045】得られた粉末につき、実施例1と同様にし
て窒化珪素−水系スラリーを調製し、得られたスラリー
をE型粘度計で20℃、0.5rpmの条件で粘度を測
定した。得られた結果を表7に示す。直接窒化法の窒化
珪素粉末もイミド分解法の窒化珪素粉末と同様に、硝酸
イオンの吸着量が150ppm以下であれば、低粘度の
スラリーを調製することができ、無機酸イオンの吸着量
の合計量が200ppm以下にになれば、更にスラリー
粘度が低下して好ましい。
【0046】
【表7】
【0047】実施例20 実施例1〜13及び比較例1〜10で得られた窒化珪素
粉末について焼結体特性を測定した。窒化珪素粉末93
重量部に焼結助剤としてY235重量部とAl232重
量部を添加し、エタノールを加え48時間ボールミルで
湿式混合し、乾燥後300kg/cm2 の成形圧で6×
45×75mm形状に金型成形し、これを1500kg
/cm2 の成形圧でCIP成形した。これらの成形体を
窒化珪素製坩堝に入れ、窒素ガス雰囲気下1780℃の
温度で2時間焼結をして焼結体を得た。得られた焼結体
は切り出し、研削後、相対密度、室温における四点曲げ
の抗折強度を測定した。それらの結果を表8に示す。本
発明の窒化珪素粉末は、高強度で特性のバラツキの少な
い焼結体が安定して得られることがわかる。
【0048】
【表8】
【0049】実施例21 実施例1〜7及び実施例14〜17で調製した窒化珪素
−水系スラリーを用いて、以下の方法で鋳込み成形を行
った。まず、スラリーを真空脱泡した後、石膏型に注入
して着肉させた。所定の肉厚に達した時点で余剰のスラ
リーを排出した。排泥後、16時間放置して鋳込み成形
体が硬くなってから脱型し、更に乾燥処理した。得られ
た成形体は、クラックの発生がなく、良好な成形体であ
った。
【0050】また、実施例8〜13及び実施例18〜1
9で調製した窒化珪素−水系スラリーを用いて、同様に
して鋳込み成形を行った。得られた成形体は成形不良
で、乾燥後にクラックが発生した。以上の結果から、無
機酸イオンの吸着量を所定量以下とすることにより、成
形用のバインダーを添加しても低粘度、高粉末濃度の窒
化珪素含有スラリーが容易に得られることがわかる。
【0051】実施例22 実施例1〜7及び実施例14〜17で調製した窒化珪素
−水系スラリーを、送液ポンプを使用してスプレー乾燥
装置に送り込み、熱風温度150℃、アトマイザー回転
数8000rpmの条件でスプレー乾燥し、顆粒を調製
した。得られた顆粒は表9に示すように平均粒径39〜
85μmの球形で流動性の良好なものであった。
【0052】一方、実施例12で調製した窒化珪素−水
系スラリーを用いて、同様にしてスプレー乾燥を行おう
としたが、送液チューブの出口で閉塞してしまい、スプ
レー乾燥ができなかった。
【0053】
【表9】
【0054】実施例1〜7及び実施例14〜17で調製
した窒化珪素−水系スラリーをスプレー乾燥して得られ
た顆粒を用いて、500kg/cm2 の成形圧で6×4
5×75mm形状に金型成形し、これを1500kg/
cm2 の成形圧でCIP成形した。これらの成形体を窒
化珪素製坩堝に入れ、窒素ガス雰囲気下1780℃の温
度で2時間焼結をして焼結体を得た。得られた焼結体は
切り出し、研削後、相対密度、室温における四点曲げの
抗折強度を測定した。それらの結果を表10に示す。以
上の結果から、無機酸イオンの吸着量を所定量以下とす
ることにより、成形用のバインダーを添加しても低粘
度、高粉末濃度の窒化珪素含有スラリーが容易に得られ
るので、成形用のバインダーを添加した水スラリーから
成形体を作製し、これを焼結した場合にも、得られる焼
結体はエタノール等の有機溶媒を用いた場合と同様の焼
結体特性を示しており、工業的に窒化珪素質焼結体を製
造するのに好適な窒化珪素粉末であることがわかる。
【0055】
【表10】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が6〜25m2 /gである窒化
    珪素粉末であって、該窒化珪素粉末1cm3 中に存在す
    る、3〜50μmの粗大粒子並びに凝集粒子及び/又は
    融着粒子の数量が1000個以下、20μm超の金属異
    物量が3個以下、10〜20μmの金属異物量が15個
    以下であることを特徴とする窒化珪素粉末。
  2. 【請求項2】 硝酸イオンの吸着量が150ppm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の窒化珪素粉末。
  3. 【請求項3】 無機酸イオンの吸着量の合計量が200
    ppm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の窒化珪素粉末。
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