JPH081044Y2 - 泥漿鋳込み成形機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は泥漿鋳込み成形機の改良に関する。

（従来の技術） 複数の泥漿鋳型を型組みし、上下方向及び側面方向か
ら型締めし、鋳込み成形する。

泥漿鋳込み成形機として例えば特開昭63-31709号公報
に示すものがあり、同公報の第２図に明示される如く成
形機４は上型ａ、下型ｂ及び側型ｃを型合せし、上型ａ
と下型ｂとを主油圧シリンダ５で垂直方向に押圧し、ま
た側型ｃを補助油圧シリンダ６で水平に押圧して型締め
する構成となっている。

一方、成形される衛生陶器には各種あり、第３図に示
すバック付き掃除用流し100や図示せぬバック付き手洗
器はバック即ち背板101が溢れ面102から上方へ大きく張
り出すため、例えば第４図に示す成形機110が使用され
ている。

成形機110は、泥漿鋳型111が背高である為に、左右か
ら補助油圧シリンダ112,113で鋳型111を挟持し、且つ主
油圧シリンダ114で下方へ押圧して型締めを為す。

（考案が解決しようとする課題） 特開昭63-31709号公報の成形機４は、背高な鋳型に十
分な側圧を掛け難く、型締めが不十分となる虞れがあ
る。

又、第４図の成形機110は補助油圧シリンダ112,113を
支えるブラケット112A,113Aがやはり背高となり、それ
の剛性を高め難い。

本発明は、バック付き掃除用流しなど背高な鋳型によ
り適合した泥漿鋳込み成形機を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案は、泥漿鋳型を上下
方向及び側面方向から型締めして鋳込み成形を行う泥漿
鋳込み成形機において、成形機は、泥漿鋳型の側面部を
囲む揺動自在な環状部材を備え、この環状部材に泥漿鋳
型の一側面部を押圧する押圧手段を設け、この押圧手段
の押圧反力を押圧手段に対向する側の環状部材で受ける
ようにした。又、環状部材は、泥漿鋳型を下方へ押圧す
る昇降部材に吊下げた。

（作用） 分割鋳型を成形機内で型合せした後、上下方向に型締
めし、水平方向は泥漿鋳型の一方の側面部に設けられた
押圧手段を環状部材に進動することで環状部材は適宜揺
動しながら分割鋳型を狭圧する。

環状部材は昇降部材に吊下されているので、環状部材
は昇降部材とともに移動する。

もって泥漿鋳型は上下左右ともに押圧されて十分な型
締めがなされる。

（実施例） 本考案の実施例を添付図面に基づいて以下に説明す
る。

第１図は本考案に係る泥漿鋳込み成形機の一部破断正
面図であり、泥漿鋳込み成形機１（以下、成形機と記
す）は基礎２に立設された４本の支柱３…と、これら支
柱の上端に掛け渡された天井ビーム４と、前記支柱３…
の途中に水平に掛け渡されたベース５とで架溝を組み、
更に前記天井４に下向きに垂直シリンダ６を取りつけ、
このシリンダ６のピストンロッド6a先端に昇降部材とし
ての上押し板７を係合し、この上押し板に次に述べる環
状部材10をリンク機構９…で吊下してなる。

リンク機構９は、上押し板７に取付けたアイプレート
9aと、このアイプレートに貫通するピン9bと、このピン
に上部を支持される縦長なリンクプレート9cと、このリ
ンクプレートの下部に貫通するピン9dと、このピンに係
り環状部材10に固着されたアイプレート9eとから成る所
謂鎖機構であって、特に第１図の左右方向に大きな自由
度を有する。

前記環状部材10は、第１図のＡ−Ａ線断面図である第
２図に示すように、溝形鋼11a…で泥漿鋳型12（以下、
鋳型と記す）を囲うロ字形の枠11を構成し、この枠の一
辺に水平シリンダ13,13を固着し、これらシリンダのピ
ストンロッド13a,13a先端に左押し板14を掛け渡し、ま
た前記枠の右部に右押し板15を貼着する。

これら左・右押し板14,15で鋳型12を左右から挟圧す
る。

更に、枠11の右部には第１図に示す通り、カウンタウ
ェート16がボルト止めされて、シリンダ13,13によるア
ンバランスを解消する。

鋳型12は第３図のバック付き掃除用流し101に合致す
べく上型12a（第１図）と下型12bとからなり、これらの
合せ面には縦向き合せ面12cを含む。

以上の構成からなる成形機の作用を次に述べる。

第１図に示す如く、ベース５上の下型12bに上型12aを
載せて型合せする。

垂直シリンダ６のピストンロッド6aを前進させるとと
もに、水平シリンダ13,13のピストンロッド13a,13aを前
進させる。

垂直シリンダ６は鋳型12を上下方向に押圧し、また水
平シリンダ13,13は鋳型12を左右方向から挟圧する。即
ち、水平シリンダの力は右押し板15が受け、この右押し
板15は水平シリンダ13,13と共通に環状部材10に支承さ
れ、もって鋳型12は左押し板14と右押し板15との間に挟
圧されて、縦向き合せ面12cを密着させる。

尚、環状部材10はリンク機構９で吊下されているの
で、上押し板７に対してかなり自由に左右方向に移動可
能であるから、垂直シリンダ６と水平シリンダ13,13の
動作にずれがあっても互いに無理な力を作用することは
無い。

型組み・型締めが終った鋳型12へ図示せぬ泥漿供給管
から泥漿を供給し、且つ加圧する。

合せ面12cに、型を開こうとする左右方向の力が作用
するが、環状部材10でそれを阻止する。

なお、水平シリンダは１本でも３本以上でも良く、要
は環状部材の一辺に設けたことを特徴とする。

（考案の効果） 以上に述べた通り本考案は、泥漿鋳型の側面部を囲む
揺動自在な環状部材を備え、この環状部材に泥漿鋳型の
一側面部を押圧する押圧手段を設け、この押圧手段の押
圧反力を押圧手段に対向する側の環状部材で受けるよう
にしたので、押圧手段の押圧端部が前進して泥漿鋳型の
側面部に当接し、その後更に前進し型締め圧力が作用
し、環状部材が揺動軸を中心に揺動して押圧端部の移動
方向と相対的に反対方向に移動し、押圧端部と環状部材
との間で泥漿鋳型を挟圧する。そのため環状部材と泥漿
鋳型の間隔、泥漿鋳型と押圧手段との間隔を精度良くす
る必要がなく、押圧手段のセットを簡単に行うことがで
きる。

又、押圧手段が背高の泥漿鋳型の側面部を押圧する場
合でも、環状部材の取付位置を変えるだけでよく、押圧
手段の押圧力に耐える程の剛性が要求される押圧手段取
付けのための背高のブラケットが不要となる。

更に押圧手段が泥漿鋳型の一方の側面部を押圧するよ
うに設けられているので、押圧手段の押圧反力が押圧手
段に対向する環状部材で受け止められ、泥漿鋳型の側面
部が押圧手段と環状部材の間で挟圧され、一つの押圧手
段で側面部の型締めができる。

更に又、環状部材が泥漿鋳型を下方へ押圧する昇降部
材に吊下されているので、昇降部材と同時に昇降動作し
て、環状部材、押圧手段を上方向に回避させることがで
き、回避させた後空間スペースが確保でき、型替、下型
上の生素地の手当て作業がし易くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る泥漿鋳込み成形機の一部破断正面
図、 第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、 第３図はバック付掃除用流しの斜視図、 第４図は従来の泥漿鋳込み成形機正面図。 １……泥漿鋳込み成形機 ７……昇降部材としての上押し板 ９……リンク機構、10……環状部材 12……泥漿鋳型、13……水平シリンダ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】泥漿鋳型を上下方向及び側面方向から型締
   めして鋳込み成形を行う泥漿鋳込み成形機において、 前記成形機は、泥漿鋳型の側面部を囲む揺動自在な環状
   部材を備え、 この環状部材に泥漿鋳型の一側面部を押圧する押圧手段
   を設け、 この押圧手段の押圧反力を押圧手段に対向する側の前記
   環状部材で受けるようにしたことを特徴とする泥漿鋳込
   み成形機。
2. 【請求項２】前記環状部材が、泥漿鋳型を下方へ押圧す
   る昇降部材に吊下されていることを特徴とする請求項１
   記載の泥漿鋳込み成形機。