JPH0242376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は同時に複数のワークを鋳造するマルチ
鋳造装置に関し、鋳造されるワークの品質精度を
向上させることを目的とするものである。

従来公知のマルチ鋳造装置について一例をあげ
れば、第１図に示した通り、垂直方向に植立され
た複数のコラム１間にクラウンプレート２が架橋
され、しかも該クラウンプレートには１ケの型押
し手段がとりつけられている。この場合における
型押し手段は、ロツド３，３を上記クラウンプレ
ート２に対して直交方向に摺動自在に貫通させる
とともに、上記各ロツド３，３の下端部には下面
に下向きの鋳造型５を複数設けたところの可動プ
ラテン４がコラム１に沿つて上下方向に摺動可能
に取り付けられている。しかも上記コラム１の上
端部には水平バー６を一体に架設させ、さらに該
水平バー６とクラウンプラテン２との間に伸縮自
在のシリンダー７を介在させてなるものである。

したがつて上記の従来構造の鋳造装置にあつて
は、シリンダー７を作動させてそのシリンダーロ
ツド７ａを伸縮させることにより水平バー６とロ
ツド３，３を介して可動プラテン４を支柱１，１
に沿つて上下動させることができ、このプラテン
４の下面に複数の鋳造型５を取り付け（図示しな
い）、下金型との間で下降押圧および上昇開放を
繰り返すことにより同時に複数のホイールを鋳造
するものである。

ところが上記した従来装置にあつては、鋳造型
５，５の下降押圧手段として該２個の鋳造型５，
５を共通した一枚の可動プラテン４に一体に取り
つけるとともに、鋳造型５，５の中心上に植立さ
せたロツド３，３を介して、可動プラテン４を下
降押圧することになる。しかるにこの場合には各
金型の高さの差やプラテン、ホルスターの撓みな
どに対応できないために湯もれや、鋳バリを生じ
たり、カジリを生ずる等鋳造品質を悪化させると
共に金型の損耗を生じ金型寿命を低下させるなど
多くの問題があつた。

本考案は上記した種々の問題点を解決すべく案
出されたものであり、以下において本考案の具体
的な内容を第２図に示した一実施例をもとにして
説明すると、１１は垂直方向に植立されたコラ
ム、１２はコラム１１，１１間の上端部に架橋さ
れたクラウンプレート、１３は連結部材１３ａを
介して上記クラウンプレート１２の上方に一定間
隔を介して平行にとりつけられた補助プレート、
１４および１５は上記クラウンプレート１２に設
けられた型押し手段を示す。

型押し手段１４および１５はそれぞれ複数本の
垂直ロツド１６ａ，１６ｂをクラウンプレート１
２および補助プレート１３にスリーブ１７，１８
を介して直交方向に摺動自在に貫通させるととも
に、垂直ロツド１６ａ，１６ｂの下端部には金型
保持プレート１９の下面に上型鋳造金型２０が取
りつけられ、さらに上記平行ロツド１６ａ，１６
ｂの上端部には水平バー２１が架設されている。

クラウンプレート１２の上面にはシリンダー２
２が介在せしめられている。すなわち、垂直ロツ
ド１６ａ，１６ｂの中間部には補助プレート１３
を貫通するシリンダー２２が位置せしめられ、該
シリンダー２２の基端部はクラウンプレート１２
の上面部に、また伸縮するシリンダーロツド２３
の先端部は前記水平バー２１の中央を貫通させて
一体的にネジ止めされている。

上記した構成においてシリンダー２２を作動さ
せ、そのシリンダーロツド２３を伸縮させること
によりロツド１６ａ，１６ｂを介して上型鋳造金
型２０を任意に上下動させることができ、これに
よつて予めセツトされた鋳造金型内に上記上型鋳
造金型２０を下降押圧および上昇開放させること
ができ、この操作の繰り返しによりワークの鋳造
をおこなうものである。

この場合において型押し手段１４および１５の
うち一方のみを使用する場合においては電気的制
御手段を切り替えて他方のシリンダー２２の作動
を休止させることもできる。

本考案は上記した通り、クラウンプレートの上
部には連結部材を介在させることにより一定の間
隔を介して補助プレートを平行に沿わせるととも
に、型押し手段は各金型の直上であつて補助プレ
ートを貫通させたシリンダーをクラウンプレート
上に、そのシリンダーロツドの伸長方向を上方に
向けて固定するとともに、該シリンダーの側面側
対称位置に、前記クラウンプレートおよび補助プ
レートにそれぞれスリーブを介して貫通させた複
数の垂直ロツドを配設し、垂直ロツドの上端部を
水平バーにて連結するとともに、該水平バーの中
間部を前記シリンダーロツドの先端部に結合さ
せ、さらに垂直ロツドの下端部間には金型保持プ
レートを介して上型鋳造金型をとりつけてなるも
のであるために、従来のような複数の鋳造型を一
個の可動プラテンに装着した構造のものに比べ、
それぞれの鋳造材料に多少の形状の不揃いがあ
り、鋳造金型の高さに不同を生じてもシリンダー
による型押し方向にブレを生ずることがなく常に
安定した型押しを実施することができ、また１ケ
の金型のみを使用する場合にあつても、従来のも
のではシリンダーと金型の中心に金型を取付け直
す必要があつたが、本考案の装置では敢えて金型
をシリンダーの作用中心位置にセツトし直すなど
の面倒な作業を要せずとも型押し手段を作動させ
ることができる。以上の如く本装置は高精度・高
品質の鋳造品を得ることができ、また金型寿命を
延ばし得る等種々の有益な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来公知の鋳造装置の要部縦断面図、
第２図は本考案の一実施例であるホイールの鋳造
装置の要部縦断面図であらわす。 １１……コラム、１２……クラウンプレート、
１３……補助プレート、１４，１５……型押し手
段、２０……鋳造金型、２１……水平バー、２２
……シリンダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のコラムにより水平に支承されたクラウン
   プレートと、該クラウンプレートに各金型の直上
   に位置して個別に設けられた複数の型押し手段と
   からなり、クラウンプレートの上部には連結部材
   を介在させることにより一定の間隔を介して補助
   プレートを平行に沿わせるとともに、型押し手段
   は各金型の直上であつて補助プレートを貫通させ
   たシリンダーをクラウンプレート上にそのシリン
   ダーロツドの伸長方向を上方に向けて固定すると
   ともに、該シリンダーの側面側対称位置に、前記
   クラウンプレートおよび補助プレートにそれぞれ
   スリーブを介して貫通させた複数の垂直ロツドを
   配設し、垂直ロツドの上端部を水平バーにて連結
   するとともに、該水平バーの中間部を前記シリン
   ダーロツドの先端部に結合させ、さらに垂直ロツ
   ドの下端部間には金型保持プレートを介して上型
   鋳造金型を取りつけてなるマルチ鋳造装置。