JPH08104290A - 浮構造物および浮漁礁 - Google Patents

浮構造物および浮漁礁

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JPH08104290A
JPH08104290A JP6242693A JP24269394A JPH08104290A JP H08104290 A JPH08104290 A JP H08104290A JP 6242693 A JP6242693 A JP 6242693A JP 24269394 A JP24269394 A JP 24269394A JP H08104290 A JPH08104290 A JP H08104290A
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JP
Japan
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floating body
floating
mooring
rope
point
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JP6242693A
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English (en)
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Daizaburo Tamura
大三郎 田村
Hiroshi Kawanishi
洋 川西
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Toray Industries Inc
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 荒天下あるいは外洋において、水平方向投影
面積を小さくして、耐久性良い浮構造物および浮漁礁を
提供する。 【構成】 水底のアンカー5に係留した浮体1におい
て、該係留ロープ2と該浮体とを連結した係留点3が、
該浮体の中心より上流側に偏芯しており、かつ、該偏芯
位置が該浮体の長さの5〜15%の範囲内にあることを
特徴とする。係留ロープ2は該浮体1を裏面に貫通し、
かつ、係留点3は浮体中心部からずれた位置にあり、さ
らに、浮体の裏面部に設けられた環状の枠体またはレー
ルを移動可能に設けられている。また、浮漁礁は、浮体
1の外側にリングを設け、該リングと該浮体とのなす平
面に陰影物を設けたことを特徴とするものであり、さら
に、また、かかる浮構造物または浮漁礁のいずれかの下
面に人工海藻を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性の良い浮構造物
および浮漁礁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の浮構造物としては、例えば特公昭
61−5949記載の円盤型灯浮標、あるいは、特開昭
55−19684記載の灯浮標があった。また、浮漁礁
としては、実公平3−13184記載の浮漁礁があっ
た。
【0003】荒天下、あるいは外洋に係留される浮構造
物および浮漁礁は、耐久性が悪いという問題があった。
この理由は、従来は明確でなかったが、本発明者らは鋭
意研究した結果、潮流と波の回転速度である水粒子速度
と、風による吹送流の3者により、浮構造物および浮漁
礁、すなわち浮体に大きい外力が加わることにあった。
具体的には、荒天下あるいは外洋では、潮流は黒潮の流
軸においては、5〜7ノットであり、これは約2.5〜
3.5m/secである。波の水粒子速度は、波高10
〜15mで約2.6〜3.1m/secである。吹送流
は、風速40〜60m/secで約1.2〜1.8m/
secである。浮体に加わる外力は、これら3者の和の
2乗と浮体の水平方向投影面積との積に比例する。すな
わち、耐久性を良くするには水平方向投影面積を小さく
して外力を小さくする必要があった。ところが、係留点
が浮体の中心にある従来の場合、すなわち、特公昭61
−5949の場合、上述の強い流れが加わると、浮体が
流れに対して直角になろうとする作用が働らく。このた
め、傾斜して水平方向投影面積が増大し、大きい外力が
加わる。
【0004】具体的には、たとえば、直径D=10m、
高さH=3mの浮体における水平方向投影面積Sn は傾
斜のない場合(S0 )は30m2 であるが、45°傾斜
した場合(S1 )は、側面積をSh (D×H)、低面積
をSv [(π/4)D2 ]とすると、30cos45°
+78.5sin45°だから76.7m2 となる。す
なわち、2.6倍も増大し、それだけ強い外力が加わる
という欠点があった。かかる傾斜を小さくする方法とし
ては、特開昭55−19684号公報があるが、これは
浮体の下面の係留点より下に複数個の支柱を設け、該支
柱の下端を環状に連結して、該支柱と環状体とのなす面
積に外力を受けさせて、この外力を係留点を中心とする
モーメントにして、傾斜を小さくするものである。この
場合、傾斜は小さくなるものの、支柱と環状体の面積が
増えるため、結局、外力を小さくする効果は小さい。
【0005】また、水平方向投影面積を小さくする方法
としては、実公平3−13184号公報があるが、これ
は浮体を船型として、センターボードを設け、船首を潮
流方向に向けさせるものである。ところが、この場合、
前述したと同様に荒天下あるいは外洋において、強い流
れが加わると、船首は流れや波の方向に向くものの、浮
体は流れに対して直角になろうとする作用によって傾斜
し、底面積分が増大するので、外力を小さくするという
効果は小さいという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の課題を解決するため、条件のきびしい荒天下あるいは
外洋において、浮体を水平姿勢として水平方向投影面積
を小さくすることによって、浮体が受ける外力を小さく
して、耐久性良い浮構造物および浮漁礁を提供せんとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
次のような構成で達成したものである。
【0008】すなわち、本発明の浮構造物は、水底のア
ンカーに係留ロープで係留した浮体において、該係留ロ
ープと該浮体とを連結した係留点が、該浮体の中心より
上流側に偏芯しており、かつ、該偏芯位置が該浮体の長
さの5〜15%の範囲内にあることを特徴とするもので
ある。
【0009】また、本発明の浮構造物は、ロープ係止点
が、浮体の表面部に設けられており、係留ロープは該浮
体を裏面に貫通し、かつ、係留点は浮体中心部からずれ
た位置にあることを特徴とするものであり、さらに、ま
た、係留点が、浮体の裏面部に設けられた環状の枠体ま
たはレールを移動可能に設けられていることを特徴とす
るものである。
【0010】また、本発明の浮漁礁は、かかる構造物の
浮体の外側にリングを設け、該リングと該浮体とのなす
平面に陰影物を設けたことを特徴とするものであり、さ
らに、また、かかる浮構造物または浮漁礁のいずれかの
下面に人工海藻を取付けたことを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】本発明は、従来の浮構造物および浮漁礁では対
処できなかった耐久性向上について、鋭意研究したとこ
ろ、これら浮体は荒天下および外洋において、強い流れ
が加わった場合、流れに対して直角になろうとする作用
があることを見出し、かつ、該作用が浮体を傾斜させて
水平方向投影面積を増大させるため、強い外力を受ける
ことを解明し、そして、係留点を浮体の中心より上流側
の特定の範囲に設定することによって、浮体を傾斜させ
ずに、すなわち、水平姿勢を保持して外力を小さくでき
ることを究明し、さらに、他の発明も加味して完成され
たものである。
【0012】本発明でいう浮体としては、各種の観測ブ
イ、航路などの標識ブイ、魚群などの生物を調査するブ
イ、浮漁礁など、水面および水中に設置される全ての浮
構造物や機器が適用できる。浮体の形状は、比較的薄い
ものや、流れの方向に細長いものに適用され、比較的薄
いものとは、高さが直径あるいは外寸の1倍以下、好ま
しくは0.5倍以下であり、細長いものとは、長さが幅
の1倍以上、好ましくは2倍以上のものが、本発明の効
果を発揮できるので好ましい。浮体の材質は限定されな
いが、構造については水中に設置する場合には水圧に対
して耐圧性を有することが必要である。
【0013】本発明でいう係留点とは、係留ロープの上
端と浮体とを連結した位置であり、浮体の下面より下に
設け、かつ、浮体の中心より上流側に設け、その度合は
浮体の長さを基準として設定される。浮体の中心とは、
浮力と水中重量との合力の作用点であるが、材質の均質
なものでは重心であり、浮心である。浮体の長さとは流
れの方向の長さをいい、円盤状のものは直径であり、流
れの方向に細長いものはその長さである。
【0014】偏芯長さとは、係留点と浮体の中心との水
平長さをいい、本発明の重要なポイントであり、浮体の
長さの5〜15%である必要がある。好ましくは7〜1
2%である。この理由は、これより小さいと、前述した
ように浮体に強い流れが加わった時、浮体の上流側が上
向きに傾斜し、これより大きいと下向きに傾斜して、両
者とも水平方向投影面積が大きくなって、外力が大きく
なることによる。他の理由は、流れに対する方向性が良
いことである。すなわち、偏芯長さが上記より小さい場
合、不規則な流れや波浪や風により、円盤状のものは回
転が生じて係留ロープにネジリが加わり弱くなる。ま
た、細長状のものは流れの方向に対して横を向くように
なるため、水平方向投影面積が増大して外力が大きくな
る。ところが、本発明では方向性が良いため、これらの
問題が発生しないので耐久性が良い。
【0015】浮体の下部に設ける安定重りとは、浮体の
内部あるいは外部に直接取付ける重りと係留ロープ重量
とからなり、比重が1以上が好ましいが、材質は限定さ
れない。重量は浮体を安定させる作用のある水中重量で
表わし、その大きさは浮体の体積相当分を基準として設
定される。浮体の体積相当分とは、例えば海水の場合、
浮体の体積と海水の単位体積重量、すなわち、1.03
トン/m3 との積である。該安定重りの水中重量は浮体
の体積の5〜30%相当分である必要があり、好ましく
は7〜15%である。この理由は、これより小さいと、
浮体が波面と同様な動きをするようになって動揺が大き
いためであり、動揺が大きいと、係留点付近の摩耗や疲
労が大きくなって耐久性が悪くなる。また、浮漁礁では
魚類の集まりが悪くなる。さらに浮体に人が乗って維持
管理作業をする場合に危険となる。上記より大きい場合
は、浮体の沈下が大きくなって、水平方向投影面積が増
加して外力が大きくなり、また、必要な余剰浮力を得る
ために大きい浮体が必要となって外力が大きくなるとと
もに高価になる。さらに、偏芯しているので浮体の傾斜
が大きくなる。
【0016】浮体の下面および浮体と外側のリングとの
なす平面の下面に設ける人工海藻は、合成繊維や布や合
成樹脂のフィルムをカットしたもの、ロープなどを使用
し、これらを1本ずつあるいは複数本束ねて取付ける。
【0017】浮体の外側に設けるリングは、陰影物の形
状を保持して大きい水平面積を得るもので、鉄、プラス
チック、FRPなどからなり、材質は限定されない。浮
体と該リングとのなす平面に設ける陰影物は、上記と同
様の布やフィルム、合成繊維や合成樹脂の網などが使用
できるが、水が上下に通過できる網の方が上下方向の外
力を小さくできることと、微小生物や魚類の集まりが良
いので好ましい。
【0018】本発明において、上記の人工海藻、リン
グ、陰影物は魚類を集める効果とともに、大きい外力を
受けないという特徴を有する。すなわち、人工海藻は強
い流れがあると、吹かれて平面状となって水平方向投影
面積が小さくなる。また、リングと陰影物は前述したよ
うに浮体が傾斜しないために、これも平面状となって水
平方向投影面積が小さいことによる。また、リングおよ
び陰影物は浮体の動揺を安定させる効果も有し、さら
に、リングの内部を中空にして水を入れるとこの効果は
高まり、結局、前述したのと同様に係留点付近の摩耗や
疲労を防止し、耐久性を高める。
【0019】本発明において、係止点が、浮体の表面部
に設けられており、係留ロープは該浮体を裏面に貫通し
ている形、つまり、係留ロープが浮体の表面部に設けら
れた係止点のロープ連結部材に連結され、かつ、該ロー
プは浮体の厚さ方向に拡大する穴を貫通してアンカーに
係留されている形が、浮体を安定に維持する機能に優れ
ていて好ましい。かかる構造において、さらに、ロープ
連結部材が、浮体を貫通する棒状体または屈曲した棒状
体であり、かつ係留点が該棒状体の下端部に設けられた
構造を採用すると、ロープと浮体との摩擦を減少した
り、係留点の位置を安定させることができるので、浮体
の安定性や耐久性を向上させることができる。さらに浮
体の安定性を改善するには、係留点を、浮体の裏面部に
設けられた環状の枠体またはレールに、移動可能に設け
た形が好ましい。この場合、係留点は、浮体の外周以内
の裏面部に設けられた環状の枠体またはレールか、もし
くは、浮体の外周より外側裏面部に設けられた環状の枠
体またはレールのいずれかの構造が採用されるが、安定
性の上からは、後者が好ましい。
【0020】本発明を図面により説明する。
【0021】図1は本発明の浮構造物の一例を示し、一
部を切り欠いた側面図である。この図において、1は浮
体であり、2は係留ロープ、3は係留点、4は浮体の中
心の垂線、2と3との水平長さが偏芯長さ、5がアンカ
ー、6が標識灯である。本浮体1の形状は円盤状であ
り、水中重りは浮体1の内部下面中央部や後方に設けた
重り7と、係留ロープ2の水中重量とである。本例では
重り7を中央よりやや後方に設けて、浮体1の静水時に
おける傾斜を小さくしている。なお、本浮体を水中に係
留すると、静水時で約30°上流側が下向きになるが、
強い流れが加わると水平となって外力が小さい。
【0022】図2は本発明の浮漁礁の例を示す斜視図
で、浮体1の外周の水面近くの水中に、リング8を設
け、陰影物9と、人工海藻9を取付けている。本例では
リング8を水面近くの水中に設けたが、船舶が近づきや
すくるため、もっと深くしても良いが、浮体1の下面よ
り深くすると、全体の水平方向投影面積がリング8の全
部を含むことになるので好ましくない。
【0023】図3は本発明の浮漁礁の他の例を示す斜視
図で、浮体1は細長状であり、全体は円形状である。重
り7は浮体1の下流側に設けて安定重りとし、浮体の動
揺を小さくするとともに、寸法は高さが浮体と同じ位で
長さが浮体の約1/2と大きくないが、浮体を流れの方
向に向ける効果を助ける。
【0024】図4は、浮体の傾斜原理を説明する図で、
図5は、浮体の傾斜実験結果を示すグラフである。
【0025】図6は、本発明の浮構造物の他の一例を示
すもので、浮体1の表面にロープ係止点3を有する構造
を示すもので、係留ロープ2は浮体1内を貫通して裏面
に出てアンカー5に係留されている。この構造の一例で
ある、浮体1内の貫通穴13が、裏面に向けて拡大した
形状を有する構造の場合では、該係留ロープ2は、水の
流れにしたがって該貫通穴13の壁に沿って係留点3を
通ってアンカー5によって係止されている。すなわち、
係留点3は該貫通穴13の壁の最下部である。また、ロ
ープ連結部材11を使用する構造の場合は、この部材に
よって係留点2が、浮体1の中心からズレた位置で係留
される形を採るように配慮する。たとえば該貫通穴13
に沿うように取り付けた棒状の部材とするか、または貫
通穴13は細工しないで棒状の該連結部材11を直角に
曲げた形状にしたものを使用するなどの方法で係留点3
を中心からズレさせる。
【0026】図7は、本発明の浮構造物の、さらに他の
一例を示すもので、浮体1の裏側の外周の内外に、ロー
プ連結部材11が移動自在に内在されている環状のレー
ルまたは枠体12を設けた構造のものである。かかるレ
ームまたは枠体12は、もちろん中心からズレた裏面の
位置にロープ連結部材11がくるように移動自在に設け
られている。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。
【0028】実施例1 図1に示す本発明の浮構造物の縮尺1/30モデルを作
製した。モデルは直径13cm、高さ4cm、体積50
0cm3 、係留点の偏芯長さは1.3cmで浮体の長さ
の10%であり、比重約0.2であった。このモデルを
使用して造波水槽で波を起しながら曳航して、モデルの
挙動を観察した。曳航した理由は、流れと波の混在する
現実の状況を再現するために、流れの代りに実施したも
ので、曳航個所は係留ロープの下端で造波水槽の底近く
であった。実験条件は、波高0.35m、静水面の深さ
1.0m係留ロープは長さ1.5m、水中重量87gの
チエンを使用し、曳航速度を変更して実施した。曳航す
ると、図4に示すように、波の山が来た時、浮体が水平
に対して傾斜するので、この傾斜角度を測定した。図5
の実線はこの最大傾斜角と曳航速度、すなわち、流速と
の関係を示した図で、縦軸が傾斜角度で、浮体の上流側
が上向きを+、下向きを−とした。横軸は流速で実寸換
算とした。実寸換算はフルードの相似律で実施し、モデ
ルの縮尺がr=30であるから、流速は曳航速度×ルー
トrであり、浮体の直径は13cm×r=3.9m、高
さは4cm×r=1.2m、波高は0.35m×r=1
0.5mである。図5の実線で示すように、流速が大き
くなると傾斜角は若干大きくなるが、流速2.5m/s
ec、すなわち、5ノットでも約10°と小さい。すな
わち、流速5ノット、波高10.5mという荒天下ある
いは外洋においても、浮体の傾斜角が小さいので、水平
方向投影面積が小さく、外力が小さい。
【0029】比較例1 実施例1の係留点を浮体の中心に取付けて、実施例と同
じように実験した。傾斜角を図5の点線で示すが、傾斜
角は、実施例1と同じ条件の流速2.5m/sec、波
高10.5mにおいて、約45°と大きい。すなわち、
係留点が浮体の中心にある従来の浮構造物は、上記条件
において傾斜が約45°と大きいので、水平方向投影面
積が前述したように傾斜のない場合に比べて約2.6倍
となり、これに比例して外力が大きい。なお、本比較例
において、さらに曳航速度を大きくしていくと、浮体の
傾斜角は90°に近づいていく。すなわち、強い流れが
あると、浮体は流れに対して直角になろうとする作用が
あることを見出した。
【0030】実施例2 実施例1で使用したモデルを使用し、係留ロープのチエ
ン重量を変更して、波による動揺安定性を試験した。試
験条件は、水槽で波高5cmの小波を発生させて、浮体
が波面と同調して動揺する度合を比較した。
【0031】表1に動揺安定性を示すが、チエン重量は
水や水中重量で、浮体の体積500cm3 相当の500
gに対する比である。
【0032】
【表1】 すなわち、安定重りの水中重量は、浮体体積相当分の5
%以上が必要である。しかし、30%を越えると、浮体
の沈下が大きくなるなど、前述したような不都合が生じ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の浮構造物および浮漁礁によれ
ば、荒天下あるいは外洋においても耐久性が高く、ま
た、魚類の集魚効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は本発明の浮構造物の一例を示す側面図
【図2】この図は本発明の浮漁礁の一例を示す斜視図
【図3】この図は本発明の浮漁礁の他の例を示す斜視図
【図4】この図は浮体の傾斜を説明する図
【図5】この図は浮体の傾斜の実験結果を示すグラフ
【図6】この図は本発明の浮構造物の他の一例を示す断
面図
【図7】この図は本発明の浮構造物のさらに他の一例を
示す断面図
【符号の説明】
1:浮体 2:係留ロープ 3:係留点 4:浮体の中心の垂線 5:アンカー 6:標識灯 7:重り 8:リング 9:陰影物 10:人工海藻 11:ロープ連結部材 12:環状枠体(レール) 13:貫通穴 14:ロープ係止点

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水底のアンカーに係留ロープで係留した
    浮体において、該係留ロープと該浮体とを連結した係留
    点が、該浮体の中心より上流側に偏芯しており、かつ、
    該偏芯位置が該浮体の長さの5〜15%の範囲内にある
    ことを特徴とする浮構造物。
  2. 【請求項2】 浮体の下部に安定重りを設け、該重りの
    水中重量が、該浮体の体積の5〜30%相当分であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の浮構造物。
  3. 【請求項3】 ロープ係止点が、浮体の表面部に設けら
    れており、係留ロープは該浮体を裏面に貫通し、かつ、
    係留点は浮体中心部からずれた位置にあることを特徴と
    する浮構造物。
  4. 【請求項4】 請求項3において、係留ロープが浮体の
    表面部の係止点のロープ連結部材に連結され、かつ、該
    ロープは浮体の厚さ方向に拡大する穴を貫通してアンカ
    ーに係留されていることを特徴とする浮構造物。
  5. 【請求項5】 請求項4において、ロープ連結部材が、
    浮体を貫通する棒状体であり、かつ係留点は該棒状体の
    下端に設けられていることを特徴とする浮構造物。
  6. 【請求項6】 係留点が、浮体の裏面部に設けられた環
    状の枠体またはレールを移動可能に設けられていること
    を特徴とする浮構造物。
  7. 【請求項7】 係留点が、浮体の外周以内の裏面部に設
    けられた環状の枠体またはレールに設けられていること
    を特徴とする請求項6記載の浮構造物。
  8. 【請求項8】 係留点が、浮体の外周より外側裏面部に
    設けられた環状の枠体またはレールに設けられているこ
    とを特徴とする請求項6記載の浮構造物。
  9. 【請求項9】 請求項1、3または6記載の浮構造物の
    外側にリングを設け、該リングと該浮体とでなす平面に
    陰影物を設けたことを特徴とする浮漁礁。
  10. 【請求項10】 請求項1、3または6記載の浮構造物
    または請求項9記載の浮漁礁のいずれかの下面に人工海
    藻を取付けたことを特徴とする浮漁礁。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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