JPH08104263A - 履帯張り調整装置 - Google Patents

履帯張り調整装置

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JPH08104263A
JPH08104263A JP26318394A JP26318394A JPH08104263A JP H08104263 A JPH08104263 A JP H08104263A JP 26318394 A JP26318394 A JP 26318394A JP 26318394 A JP26318394 A JP 26318394A JP H08104263 A JPH08104263 A JP H08104263A
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JP
Japan
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support plate
tension adjusting
plate portion
rod
adjusting cylinder
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JP26318394A
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English (en)
Inventor
Makoto Etsuto
誠 越渡
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 張力調整シリンダのロッドが変形や破損を生
じるのを確実に防止し、張力調整シリンダの安定した作
動を長期に亘って補償する。 【構成】 張力調整シリンダ31の他側ロッド19に設
けた他側ばね受32に凸湾曲面32Bを形成すると共
に、サイドフレーム5内に固着した支持板部33に凹湾
曲面33Bを形成し、この凸湾曲面32Bと凹湾曲面3
3Bとを当接させた状態でヨーク8と支持板部33との
間に張力調整シリンダ31を支持するように構成する。
これにより、張力調整シリンダ31の一側ロッド18に
上下方向の力が作用すると、他側ばね受32の凸湾曲面
32Bが支持板部33の凹湾曲面33Bに沿って摺動す
ることにより、調整シリンダ31がサイドフレーム5内
で傾くのが許容されるから、他側ロッド19の突出端側
に作用する曲げ応力を低減でき、他側ロッド19が早期
に変形や破損を生じるのを確実に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば油圧ショベル、
油圧クレーン、ブルドーザ等の装軌式車両に用いられる
履帯張り調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設作業に用いられ土砂の掘削作業等を
行う油圧ショベルや、高所への資材運搬作業等を行うク
ローラクレーン等の建設機械は、一般に整地されていな
い路面を走行するために無限軌道の履帯を有する下部走
行体を備えている。
【0003】そこで、図4ないし図8に従来技術による
装軌式車両として油圧ショベルを例に挙げて示す。
【0004】図中、1は下部走行体、2は該下部走行体
1のトラックフレーム3上に旋回可能に搭載された上部
旋回体を示し、該上部旋回体2の前部には作業装置4が
俯仰動可能に設けられている。
【0005】そして、上部旋回体2は、運転室2Aと、
該運転室2Aの後側に設けられた機械室2Bと、該機械
室2Bの後側に設けられたカウンタウエイト2Cとを有
している。
【0006】また、作業装置4は、上部旋回体2の前側
に俯仰動可能に取付けられたブーム4Aと、該ブーム4
Aの先端に俯仰動可能に取付けられたアーム4Bと、該
アーム4Bの先端に回動可能に取付けられたバケット4
Cとからなり、これらはブームシリンダ4D、アームシ
リンダ4Eおよびバケットシリンダ4F等に対する作動
圧油の給排により掘削作業等を行うようになっている。
【0007】ここで、下部走行体1のトラックフレーム
3は、該トラックフレーム3の中央に位置して上部旋回
体2を支持するセンタフレーム(図示せず)と、該セン
タフレームの左,右両側に設けられ、前後方向に伸長す
る一対のサイドフレーム5(一方のみ図示)とから大略
構成され、該各サイドフレーム5は長尺な板材を溶接等
により接合することにより前後方向に延びる角筒体とし
て形成されている。
【0008】6は各サイドフレーム5の一端側(前端
側)を構成するアイドラブラケットを示し、該各アイド
ラブラケット6は図4および図5に示すように、サイド
フレーム5の底板5Aから延長して一体形成された底板
6Aと、下端が該底板6Aに固着され上下に伸長する左
右の側板6B,6Bと、該各側板6Bの上端側に一体形
成された上板6Cと、該上板6Cおよび各側板6Bが固
着され、アイドラブラケット6とサイドフレーム5との
間を仕切る仕切板6Dとから構成されている。ここで、
上板6Cは、後述するアイドラ9を収容すべく、その一
端側中央が所定の幅をもって切欠かれ、また、仕切板6
Dには後述する張力調整シリンダ15の他側ロッド19
が挿通される挿通穴6Eが設けられている。
【0009】7,7はアイドラブラケット6の各側板6
Bから内側に突設された上ガイド板7Aと下ガイド板7
Bとの間に形成されたガイド部を示し、該各ガイド部7
により後述のヨーク8が摺動可能に支持されるようにな
っている。ここで、上ガイド板7Aおよび下ガイド板7
Bは、各側板6Bと仕切板6Dとに固着され、さらに複
数の補強板(図示せず)を介して上板6Cおよび底板6
Aに接合され、堅固な板組構造をなしている。
【0010】8はサイドフレーム5のアイドラブラケッ
ト6内に配設されたヨークを示し、該ヨーク8は左右に
分岐して平行に伸長する一対の腕部8A,8Aと、該各
腕部8Aの先端側に形成された締着部8B,8Bと、該
各締着部8Bの先端側にボルト9,9を介して固定され
た軸受部8C,8Cとを有し、各腕部8Aが基端側の連
結部8Dで一体化され全体として略U字状に形成されて
いる。そして、ヨーク8の連結部8D端面には、張力調
整シリンダ15の後述する一側ロッド18先端が当接す
るようになっている。
【0011】10は前記各サイドフレーム5の一端側に
位置し、アイドラブラケット6内にヨーク8を介して摺
動可能に支持された遊動輪としてのアイドラを示し、該
アイドラ10の中心部には左右に突出する回転軸10A
が一体形成され、該回転軸10Aはヨーク8の軸受部8
Cに支持されている。従って、アイドラ10はヨーク8
により回転可能に支持されると共に、アイドラブラケッ
ト6のガイド部7を構成する上ガイド板7Aおよび下ガ
イド板7Bに沿って前後方向に摺動変位するようになっ
ている。
【0012】11は各サイドフレーム5の他端側に設け
られた駆動輪で、該駆動輪11は走行用アクチュエータ
としての油圧モータ(図示せず)等によって回転駆動さ
れ、後述の履帯12を駆動するようになっている。
【0013】12はアイドラ10と駆動輪11との間に
巻装された履帯を示し、該履帯12はサイドフレーム5
の上側では上ローラ13,13によってガイドされ、サ
イドフレーム5の下側では下ローラ14,14,…によ
ってガイドされ、駆動輪11の回転駆動により下部走行
体1を路上等で走行させるようになっている。ここで、
各上ローラ13および各下ローラ14はサイドフレーム
5の上側と下側にそれぞれ回転可能に設けられ、該各ロ
ーラ13,14は履帯12がサイドフレーム5に接触し
たりするのを防止するようになっている。
【0014】15は各サイドフレーム5内に設けられた
張力調整シリンダを示し、該張力調整シリンダ15は、
外周側に一側ばね受部16Aを有し、有底筒状に形成さ
れたシリンダ本体16と、該シリンダ本体16の一端側
を施蓋し、一側ロッド18を摺動可能に支持したロッド
カバー17と、シリンダ本体16の一端側からヨーク8
に向けて突出し、シリンダ本体16内にピストンを介し
てグリース室(いずれも図示せず)を画成した一側ロッ
ド18と、シリンダ本体16の他端側から後述の支持板
部25に向けて突出し、シリンダ本体16内にピストン
を介してグリース室(いずれも図示せず)を画成した他
側ロッド19と、該他側ロッド19の突出端側がロッド
挿通穴20Aを介して挿通された他側ばね受20と、他
側ロッド19の突出端側に形成された雄ねじ部19Aに
螺入され、他側ばね受20を他側ロッド19に対して抜
止めするストッパとしてのナット21と、シリンダ本体
16の一側ばね受部16Aと他側ばね受20との間に配
設され、該他側ばね受20を支持板部25に押付けるこ
とによって他側ロッド19を常時伸長方向に付勢した圧
縮ばね22と、他端側が支持板部25に固着され、該圧
縮ばね22の周囲を取囲むようにサイドフレーム5内を
軸方向に伸長した筒状のカバー23と、他側ロッド19
の周囲に位置してシリンダ本体16の底部側に固着さ
れ、他側ばね受20に当接することによって他側ロッド
19の最縮小位置を規制する筒状のストッパ24とから
大略構成されている。
【0015】そして、該張力調整シリンダ15は、圧縮
ばね22により他側ロッド19を常時伸長方向に付勢
し、一側ロッド18,ヨーク8等を介してアイドラ10
を矢示A方向(サイドフレーム5の長さ方向)に常時押
圧する。そして、後述するようにアイドラ10に矢示B
方向の力が作用したときには、圧縮ばね22が圧縮され
て他側ロッド19が縮小することにより、他側ばね受2
0とストッパ24とが近接するように作動して履帯12
の張力を調整するようになっている。
【0016】25は張力調整シリンダ15の他側ばね受
20等を支持すべく該サイドフレーム5内に固着された
支持板を示し、該支持板部25は所定板厚の金属板から
サイドフレーム5の内面形状に対応した角形状に形成さ
れ、その中央部にはナット21や他側ロッド19を挿通
するための挿通穴25Aが穿設されている。そして、該
支持板部25はそのほぼ全周をサイドフレーム5の内側
にすみ肉溶接することにより固着されている。
【0017】26は他側ロッド19の突出端に設けられ
たグリスニップルで、該グリスニップル26は図6に示
すように、他側ロッド19の中心部に穿設されたグリス
通路27を介してシリンダ本体16内に形成されたグリ
ス室(図示せず)と外部とを連通させている。そして、
グリスニップル26からグリス通路27を通じてグリス
室内にグリスを注入することにより、シリンダ本体16
からの他側ロッド19の突出長が設定され、アイドラ1
0と駆動輪11との間に巻回された履帯12の初期張力
が設定されるようになっている。
【0018】28はナット21の側面に螺着された廻止
めボルトを示し、該廻止めボルト28は、他側ロッド1
9の先端側に穿設された係合孔19Bに係合することに
より、ナット21を他側ロッド19に対して回止めする
ようになっている。
【0019】従来技術による履帯張り調整装置は上述の
如き構成を有するもので、張力調整シリンダ15のシリ
ンダ本体16および他側ロッド19は、サイドフレーム
5内に位置して支持板部25に基端側が溶接されたカバ
ー23内に、他側ばね受20、圧縮ばね22およびスト
ッパ24等と共に収納されている。そして、圧縮ばね2
2はシリンダ本体16の一側ばね受部16Aと他側ばね
受20との間に縮装され、他側ばね受20は圧縮ばね2
2により支持板部25に常時押付けられている。これに
より、他側ロッド19は常時伸長方向に付勢されてアイ
ドラ10をヨーク8等と共に矢示A方向に押圧し、履帯
12の張力を調整するようになっている。
【0020】そして、油圧ショベルの走行時に各履帯1
2が地面の形状に応じて変形し、履帯12の張力が増大
すると、該履帯12に押圧されてアイドラ10が矢示B
方向に移動し、上ガイド板7Aおよび下ガイド板7Bに
沿って前後方向に摺動するヨーク8を介して張力調整シ
リンダ15の他側ロッド19が縮小して他側ばね受20
とストッパ24とが近接することにより、駆動輪11と
アイドラ10との間の距離が変化して各履帯12の張力
が調節される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧ショベ
ルが岩石を乗越える場合等において、アイドラ10に作
用する荷重Fは、通常、図8中に示すように水平方向
(前後方向)の力と垂直方向(上下方向)の力との合力
となる。ここで、アイドラブラケット6の内側に設けら
れた上ガイド板7Aおよび下ガイド板7Bとヨーク8と
の間には、ヨーク8の前後方向への円滑な摺動を補償す
るための隙間が形成されているから、アイドラ10に上
述の如き荷重Fが作用すると、ヨーク8はアイドラ10
と共に後方に移動しつつ、その連結部8Dが図示の如く
上向き(または下向き)に移動するような挙動を生じ
る。このため、張力調整シリンダ15の一側ロッド18
には、ヨーク8の連結部8Dとの摩擦に伴う上向き(ま
たは下向き)の力が作用し、張力調整シリンダ15は、
図8中に一点鎖線で示すように、サイドフレーム5内の
支持板部25と他側ばね受20との当接面を中心として
傾こうとする。
【0022】これに対し、従来技術による履帯張り調整
装置では、支持板部25と他側ばね受20との当接面は
それぞれ平坦面として形成され、他側ばね受20が支持
板部25に対して傾くことは困難であるから、アイドラ
10に上述の如き荷重Fが作用することにより、張力調
整シリンダ15の一側ロッド18に上下方向の力が作用
しても、他側ロッド19は他側ばね受20のロッド挿通
穴20Aに規制されて水平状態を保持しようとする。
【0023】この結果、他側ロッド19の突出端側にお
ける、他側ばね受20のロッド挿通穴20Aとの当接部
分に曲げ応力が集中してしまい、例えば図7中に一点鎖
線で示すように他側ロッド19が撓みを生じることによ
り早期に変形または破損し、張力調整シリンダ15の適
正な作動が妨げられてしまうという問題がある。
【0024】また、上述の如く他側ロッド19の突出端
側に曲げ応力が作用する場合に、他側ロッド19の雄ね
じ部19Aのうち他側ばね受20とナット21との締結
部分には大きな曲げ応力が作用するから、当該曲げ応力
により雄ねじ部19Aのねじ山等が破損してしまい、他
側ばね受20を他側ロッド19に対して確実に抜止めす
ることができなくなり、張力調整シリンダ15の適正な
作動が妨げられてしまう虞れがある。
【0025】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、張力調整シリンダのロッドが変形や破損
を生じるのを確実に防止でき、張力調整シリンダの安定
した作動を長期に亘って補償することにより、信頼性を
大幅に向上できる履帯張り調整装置を提供することを目
的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】上述した問題を解決する
ために、本発明による履帯張り調整装置は、トラックフ
レームのサイドフレームに設けられ前後方向に摺動可能
なヨークと、該ヨークに回転可能に支持され駆動輪との
間に履帯が巻回される遊動輪と、前記ヨークから一定寸
法離間して前記サイドフレーム内に固着された支持板部
と、前記履帯の張力を調整すべく該支持板部と前記ヨー
クとの間に伸縮可能に設けられ、一端側が前記ヨークに
当接し他端側が前記支持板部に当接する張力調整シリン
ダとからなる。
【0027】そして、請求項1に記載した発明が採用す
る構成の特徴は、前記支持板部に当接する張力調整シリ
ンダの他端側当接面と前記支持板部の当接面のうち、一
方の当接面は凸湾曲面として形成し、他方の当接面は該
凸湾曲面に対応する凹湾曲面として形成したことにあ
る。
【0028】この場合、請求項2に記載した発明のよう
に、前記張力調整シリンダは、一側ばね受が設けられた
シリンダ本体と、該シリンダ本体の一端側から前記ヨー
クに向けて突出する一側ロッドと、前記シリンダ本体の
他端側から前記支持板部に向けて突出し突出端側が該支
持板部に挿通された他側ロッドと、該他側ロッドの突出
端側が挿通され、端面が前記支持板部に当接する他側ば
ね受と、該他側ばね受と前記一側ばね受との間に配設さ
れ、前記履帯に張力を付与する圧縮ばねとから構成し、
前記支持板部に当接する前記他側ばね受の当接面と前記
支持板部の当接面のうち、一方の当接面は凸湾曲面とし
て形成し、他方の当接面は該凸湾曲面に対応する凹湾曲
面として形成するのが望ましい。
【0029】さらに、請求項3に記載した発明のよう
に、前記他側ロッドの突出端側には、前記他側ばね受を
該他側ロッドに対して抜止めするストッパを設けるのが
よい。
【0030】
【作用】請求項1に記載した発明によれば、遊動輪に荷
重が作用すると該遊動輪を支持するヨークがサイドフレ
ームの前後方向に摺動し、サイドフレーム内の支持部と
ヨークとの間に介在した張力調整シリンダが伸縮するこ
とにより、遊動輪と駆動輪との間に巻回された履帯の張
力が調整される。このとき、張力調整シリンダの一端側
に上下方向の力が作用した場合には、サイドフレーム内
に固着された支持板部に当接する張力調整シリンダの他
端側当接面が、支持板部の当接面との間で形成する湾曲
面に沿って上下方向に摺動することにより、張力調整シ
リンダが、その一端側に作用する上下方向の力に応じて
傾くことができ、張力調整シリンダの他端側に作用する
曲げ応力を低減できる。
【0031】また、請求項2に記載した発明によれば、
遊動輪に荷重が作用することにより、張力調整シリンダ
の一側ロッドに上下方向の力が作用した場合には、他側
ロッドに設けられ支持板部に当接する他側ばね受の当接
面が、支持板部の当接面との間で形成する湾曲面に沿っ
て上下方向に摺動することにより、張力調整シリンダの
他側ロッドが、一側ロッドに作用する上下方向の力に応
じて他側ばね受と共に傾くことができ、他側ロッドに作
用する曲げ応力を低減できる。
【0032】さらに、請求項3に記載した発明によれ
ば、張力調整シリンダの一側ロッドに上下方向の力が作
用した場合には、他側ロッドに設けられ支持板部に当接
する他側ばね受の当接面が、支持板部の当接面との間で
形成する湾曲面に沿って上下方向に摺動することによ
り、張力調整シリンダの他側ロッドが、他側ばね受およ
びストッパを伴って傾くことができ、他側ロッドにおけ
る他側ばね受とストッパとの締結部分に作用する大きな
曲げ応力を著しく低減できる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図3に基
づき説明する。なお、実施例では前述した従来技術と同
一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0034】図中、31は本実施例による張力調整シリ
ンダを示し、該張力調整シリンダ31は従来技術で述べ
た張力調整シリンダ15とほぼ同様に、シリンダ本体1
6、ロッドカバー17、一側ロッド18、他側ロッド1
9、圧縮ばね22、カバー23およびストッパ24等か
ら大略構成されているものの、他側ロッド19の突出端
側に配設され、シリンダ本体16の一側ばね受部16A
と共に圧縮ばね22を保持する後述の他側ばね受32の
構成が従来技術とは異なっている。
【0035】32は張力調整シリンダ31の他端側に位
置して他側ロッド19の突出端側に配設された他側ばね
受を示し、該他側ばね受32は図2に示すように、段付
きの円板状に形成され、中心部にはロッド挿通穴32A
が穿設されている。そして、該他側ばね受32は、他側
ロッド19の突出端側にロッド挿通穴32Aを介して取
付けられ、雄ねじ部19Aに螺入されたナット21によ
り締結されている。そして、他側ばね受32とシリンダ
本体16の一側ばね受部16Aとの間には圧縮ばね22
が配設され、該圧縮ばね22は他側ばね受32を後述の
支持板部33に押付けることによって他側ロッド19を
常時伸長方向に付勢している。
【0036】ここで、他側ばね受32は、圧縮ばね22
により支持板部33に常時押付けられた状態で当接する
面が、例えば図1に示すように、張力調整シリンダ31
の一側ロッド18先端を中心とする曲率半径Rをもって
凸状に形成された凸湾曲面32Bとなっている。また、
他側ばね受32の凸湾曲面32B側中央には、ナット2
1が着座するための座ぐり部32Cが形成されている。
【0037】33はサイドフレーム内に固定された支持
板部を示し、該支持板部33は従来技術による支持板部
25と略同様に、サイドフレーム5の内面形状に対応す
る角形状に形成され、その中央部にはナット21や他側
ロッド19が挿通するための挿通穴33Aが穿設されて
いるものの、他側ばね受32の凸湾曲面32Bが当接す
る面が、上述した曲率半径Rをもって凹状に形成された
凹湾曲面33Bとなっている点で従来技術とは異なって
いる。
【0038】そして、張力調整シリンダ31のシリンダ
本体16および他側ロッド19は、サイドフレーム5内
に位置して支持板部33に基端側が溶接されたカバー2
3内に、他側ばね受32、圧縮ばね22およびストッパ
24等と共に収納されている。ここで、他側ばね受32
は、その凸湾曲面32Bを支持板部33の凹湾曲面33
Bに嵌合させた状態で、圧縮ばね22のばね力により支
持板部33に常時押付けられている。これにより、他側
ロッド19は常時伸長方向に付勢されてアイドラ10を
ヨーク8等と共に矢示A方向に押圧し、履帯12の張力
を調整するようになっている。
【0039】本実施例による履帯張り調整装置は上述の
如き構成を有するもので、その基本的作動については従
来技術によるものと格別差異はない。
【0040】然るに、本実施例においては、他側ロッド
19の突出端側に設けた他側ばね受32に凸湾曲面32
Bを形成すると共に、サイドフレーム5内に固着された
支持板部33に凸湾曲面32Bと等しい曲率半径Rをも
って凹湾曲面33Bを形成することにより、他側ばね受
32が、凸湾曲面32Bを支持板部33の凹湾曲面33
Bに嵌合させた状態で、圧縮ばね22のばね力により支
持板部33に常時押付けられるように構成したから、以
下の如き作用効果が得られる。
【0041】即ち、油圧ショベルが岩石を乗越える場合
等において、アイドラ10に水平方向(前後方向)の力
と垂直方向(上下方向)の力との合力となる荷重Fが作
用し、ヨーク8の連結部8Dが上下方向に移動すること
により、張力調整シリンダ31の一側ロッド18に上下
方向の力が作用した場合には、他側ロッド19の突出端
側に設けられた他側ばね受32の凸湾曲面32Bが、図
3に示すように支持板部33の凹湾曲面33Bに沿って
矢印G方向に摺動する。これにより、張力調整シリンダ
31の中心軸線Oが角度θだけ傾いた中心軸線O′に変
位し、これにより、他側ロッド19、ナット21および
他側ばね受32等が、一側ロッド18に作用する上下方
向の力に応じてサイドフレーム5内で傾くことができ
る。従って、他側ロッド19の突出端側における、他側
ばね受32のロッド挿通穴32Aとの当接部分に作用す
る曲げ応力、さらに、他側ロッド19の雄ねじ部19A
における他側ばね受32とナット21との締結部分に作
用する大きな曲げ応力を確実に低減できる。
【0042】上述した如く本実施例によれば、他側ばね
受32に凸湾曲面32Bを形成すると共に、支持板部3
3に凸湾曲面32Bの形状に対応する凹湾曲面33Bを
形成するだけの比較的簡単な構成のもとで、他側ロッド
19の突出端側に作用する曲げ応力を低減し、他側ロッ
ド19が変形または破損するのを確実に防止でき、張力
調整シリンダ31の適正な作動を長期に亘って補償でき
る。
【0043】さらに、他側ばね受32の凸湾曲面32B
および支持板部33の凹湾曲面33Bの表面粗さを低減
し、また凸湾曲面32Bと凹湾曲面33Bとの間に潤滑
油等を塗布して凸湾曲面32Bと凹湾曲面33Bとの間
の摩擦を低減した場合には、支持板部33に対する他側
ばね受32の摺動が促進されるから、他側ロッド19の
突出端側に作用する曲げ応力を一層効果的に低減でき、
張力調整シリンダ31の適正な作動を一層長期に亘って
補償できる。
【0044】なお、前記実施例では、他側ばね受32に
凸湾曲面32Bを形成すると共に、支持板部33に凹湾
曲面33Bを形成した場合を例に挙げて説明したが、本
発明はこれに限るものではなく、例えば、他側ばね受3
2に凹湾曲面を形成すると共に、支持板部33に凸湾曲
面を形成するように構成してもよい。
【0045】また、前記実施例では、装軌式車両として
油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに
限るものではなく、例えば油圧クレーン、ブルドーザ
等、他の装軌式車両に用いても同様の作用効果を発揮し
得るものである。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、張力調整シリンダの他端側とサイドフレーム内に
固着された支持板部との当接面を、凸湾曲面とこれに対
応する凹湾曲面を持って形成することにより、遊動輪に
作用する荷重により張力調整シリンダの一端側に上下方
向の力が作用しても、張力調整シリンダの他端側が支持
板部との湾曲面状の当接面に沿って摺動できるように構
成したから、張力調整シリンダがサイドフレーム内で傾
くのを許容することにより、張力調整シリンダの他端側
に作用する曲げ応力を低減できる。このため、張力調整
シリンダの他端側が早期に変形または破損するのを確実
に防止でき、張力調整シリンダの適正な作動を長期に亘
って補償でき、信頼性や安全性を高めることができる。
【0047】また、請求項2の発明によれば、張力調整
シリンダの他側ロッドに設けられた他側ばね受とサイド
フレーム内に固着された支持板部との当接面を、凸湾曲
面とこれに対応する凹湾曲面を持って形成することによ
り、張力調整シリンダの一側ロッドに上下方向の力が作
用しても、他側ばね受の当接面が支持板部の当接面との
間で形成する湾曲面に沿って上下方向に摺動できるよう
に構成したから、張力調整シリンダの他側ロッドが、一
側ロッドに作用する上下方向の力に応じて他側ばね受と
共に傾くことにより他側ロッドに作用する曲げ応力を低
減できる。このため、他側ロッドが早期に変形または破
損するのを確実に防止でき、張力調整シリンダの適正な
作動を長期に亘って補償でき、信頼性や安全性を高める
ことができる。
【0048】さらに、請求項3の発明によれば、張力調
整シリンダの一側ロッドに上下方向の力が作用しても、
他側ロッドに設けられ支持板部に当接する他側ばね受の
当接面が、支持板部の当接面との間で形成する湾曲面に
沿って上下方向に摺動することにより、張力調整シリン
ダの他側ロッドが、他側ばね受およびストッパを伴って
傾くことができるから、他側ロッドにおける他側ばね受
とストッパとの締結部分に作用する大きな曲げ応力をも
確実に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による履帯張り調整装置を示す
縦断面図である。
【図2】図1に示す他側ロッド、他側ばね受および支持
板部等を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2に示す他側ばね受が、支持板部に対して摺
動した状態を示す図2と略同様の縦断面図である。
【図4】従来技術による油圧ショベルを示す全体図であ
る。
【図5】図4に示す油圧ショベルの履帯張り調整装置等
を示す縦断面図である。
【図6】図5中の矢示VI−VI方向断面図である。
【図7】図5に示す他側ロッド、他側ばね受および支持
板部等を拡大して示す縦断面図である。
【図8】図5に示す履帯張り調整装置の動作を説明する
縦断面図である。
【符号の説明】
3 トラックフレーム 5 サイドフレーム 8 ヨーク 10 アイドラ(遊動輪) 11 駆動輪 12 履帯 31 張力調整シリンダ 16 シリンダ本体 16A 一側ばね受部(一側ばね受) 18 一側ロッド 19 他側ロッド 22 圧縮ばね 32 他側ばね受 32B 凸湾曲面(当接面) 33 支持板部 33B 凹湾曲面(当接面)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラックフレームのサイドフレームに設
    けられ前後方向に摺動可能なヨークと、該ヨークに回転
    可能に支持され駆動輪との間に履帯が巻回される遊動輪
    と、前記ヨークから一定寸法離間して前記サイドフレー
    ム内に固着された支持板部と、前記履帯の張力を調整す
    べく該支持板部と前記ヨークとの間に伸縮可能に設けら
    れ、一端側が前記ヨークに当接し他端側が前記支持板部
    に当接する張力調整シリンダとからなる履帯張り調整装
    置において、前記支持板部に当接する張力調整シリンダ
    の他端側当接面と前記支持板部の当接面のうち、一方の
    当接面は凸湾曲面として形成し、他方の当接面は該凸湾
    曲面に対応する凹湾曲面として形成したことを特徴とす
    る履帯張り調整装置。
  2. 【請求項2】 前記張力調整シリンダは、一側ばね受が
    設けられたシリンダ本体と、該シリンダ本体の一端側か
    ら前記ヨークに向けて突出する一側ロッドと、前記シリ
    ンダ本体の他端側から前記支持板部に向けて突出し突出
    端側が該支持板部に挿通された他側ロッドと、該他側ロ
    ッドの突出端側が挿通され、端面が前記支持板部に当接
    する他側ばね受と、該他側ばね受と前記一側ばね受との
    間に配設され、前記履帯に張力を付与する圧縮ばねとか
    ら構成し、前記支持板部に当接する前記他側ばね受の当
    接面と前記支持板部の当接面のうち、一方の当接面は凸
    湾曲面として形成し、他方の当接面は該凸湾曲面に対応
    する凹湾曲面として形成してなる請求項1に記載の履帯
    張り調整装置。
  3. 【請求項3】 前記他側ロッドの突出端側には、前記他
    側ばね受を該他側ロッドに対して抜止めするストッパを
    設けてなる請求項2に記載の履帯張り調整装置。
JP26318394A 1994-10-03 1994-10-03 履帯張り調整装置 Pending JPH08104263A (ja)

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