JPH08103697A

JPH08103697A - コンベア装置

Info

Publication number: JPH08103697A
Application number: JP6238299A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Nakane; 根慎一中; Tokuyuki Achinami; 徳幸阿知波; Shinji Toshimitsu; 光伸二年
Original assignee: Trinity Industrial Corp
Current assignee: Trinity Industrial Corp
Priority date: 1994-10-03
Filing date: 1994-10-03
Publication date: 1996-04-23

Abstract

(57)【要約】【目的】スパークを起こすことなく被塗物に高電圧を
印加することができると同時に、塗装ブース内で塗装機
から塗料がオーバースプレーされても、これが絶縁支柱
に付着するのを未然に防止することを目的とする。【構成】走行ベース３に、非接触で電力の供給を受け
る電源装置10と、高電圧発生器11とコンプレッサ12が搭
載され、被塗物を載置するアタッチメント６の左右両側
には、コンプレッサ12から供給される圧縮空気を下方に
吹き出して前記絶縁支柱７の左右両側を覆うようにエア
カーテンを形成するエア吹出口14が設けられたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、塗装機に高電圧を印加
することなく、被塗物に高電圧を印加して静電塗装する
際に使用するコンベア装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば自動車ボディ等の被塗物を静電塗
装する場合に、塗料を噴霧する静電塗装機に−８０〜１
２０ｋＶの高電圧を印加しようとすると、その静電塗装
機に絶縁対策を施さなければならず、塗装機自体が大型
化する。また、水性塗料等の導電性塗料で静電塗装する
場合には、塗装機に印加した高電圧がリークしないよう
に、塗料供給系に絶縁対策を施す必要があるから（特公
昭５５−１１４３６６号，同５６−１４１８６９号公報
参照）、数十色もの塗料を色替して多色塗装を行う自動
車ボディの塗装設備にあっては、各色ごとに夫々の塗料
供給配管や塗料タンク等を絶縁しなければならなず非常
に面倒であった。さらに、高電圧が印加された塗料供給
系には塗料供給配管や塗料タンク等の周囲を防護チャン
バで囲うなどの安全対策を施す必要もあって、絶縁対策
費や安全対策費が著しく嵩み、設備全体も大型化すると
いう問題があった。

【０００３】このため、本出願人は、塗装機に高電圧を
印加したり、塗料供給系に絶縁対策を施すことなく水性
塗料を用いて静電塗装を行うことができるように、被塗
物に高電圧を印加するコンベア装置を提案した（実開平
３−１０５９４８号，同４−１６７９６号公報参照）。
これは、塗装ゾーンを走行するスラット等に、被塗物を
載置する電極アタッチメントが絶縁支柱を介して取り付
けられ、被塗物が塗装ゾーン内の所定の高電圧印加領域
内を通過している間のみ、例えば電極アタッチメントに
形成された接触子が集電レールに摺接して被塗物に高電
圧が印加されるので、アースされた塗装機との間に静電
場が形成されることとなり、塗装機に高電圧を印加しな
くても静電塗装を行なうことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、集電レ
ールには常時高電圧が供給されているので、アタッチメ
ントが集電レールに接触する瞬間及び離れる瞬間だけで
なく、摺接している間もスバークが発生し易く、その熱
により集電レールやアタッチメントの表面が溶けて凹凸
が形成されるので、これらを頻繁に交換しなければなら
ずメンテナンスコストが嵩むという問題があった。

【０００５】また、塗装ゾーンにおいては、塗装機から
噴霧された水性塗料が被塗物に塗着されるだけでなく、
特に左右両側に配設された塗装機からオーバースプレー
された塗料が被塗物を載せているアタッチメントやこれ
を支持する絶縁支柱に付着して汚れてしまい、絶縁支柱
が塗料で濡れたままの状態で再び塗装ゾーン内に移送さ
れると、被塗物に印加する高電圧が絶縁支柱に付着した
水性塗料を介してアース体であるスラット等にリークす
るおそれがあった。

【０００６】さらに、絶縁支柱に付着した塗料が乾燥し
た場合は洗い落とすのが非常に面倒になり、その塗料に
メタリック粉などの導電性物質が含まれている場合は、
塗料が乾燥して塗料中の水分がなくなっても高電圧がリ
ークするおそれがある。そこで、本発明は、スパークを
起こすことなく高電圧を印加することができると同時
に、塗装ブース内で塗装機から塗料がオーバースプレー
されても、これが絶縁支柱に付着するのを未然に防止し
て絶縁支柱のメンテナンスに係る労力及びコストを軽減
させることを技術的課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、塗装ブース内を所定の軌道に沿って走行
される走行ベースに、被塗物を載せて高電圧を印加する
アタッチメントが絶縁支柱を介して絶縁状態に取り付け
られて成るコンベア装置において、前記走行ベースに
は、塗装ブース内に配設された電磁波送信手段から送信
される電磁波を非接触で受信して低電圧を出力する電源
装置と、当該電源装置から出力された電圧を所定電圧ま
で昇圧し前記アタッチメントを介して被塗物に高電圧を
印加する高電圧発生器と、前記電源装置により駆動され
るコンプレッサが搭載され、前記アタッチメントの左右
両側には、前記コンプレッサから供給される圧縮空気を
下方に吹き出して前記絶縁支柱の左右両側を覆うように
エアカーテンを形成するエア吹出口が設けられたことを
特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明によれば、被塗物を載せた走行ベースが
塗装ブース内に搬入されると、塗装ブース内の電磁波送
信手段から送信される電磁波を非接触で受信して得られ
る低電圧が高電圧発生器で所定電圧まで昇圧されるの
で、アタッチメントを介して被塗物に高電圧が印加され
る。したがって、アースされた塗装機と被塗物の間に静
電場が形成されることとなり、塗装機に高電圧を印加す
ることなく静電塗装され、しかも、電力は非接触で供給
されるので、スパークを起こすことがない。

【０００９】また、走行ベースにコンプレッサが搭載さ
れているので、移動する走行ベースに対して極めて簡単
に定常的にエアを供給することができるだけでなく、そ
のエア配管を自由に設置することができる。この場合
に、エアカーテンは絶縁支柱の左右両側を覆うように必
要なところにだけ形成することができるので、エア供給
量が少ない小型のコンプレッサを搭載すれば足りる。そ
して、塗装機からオーバースプレーされた塗料ミストは
エアカーテンに阻まれ、そのほとんどが絶縁支柱に付着
することなくそのまま床下に排出されるので、絶縁支柱
が汚れ難く洗浄に要する労力及びコストが軽減される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
具体的に説明する。図１は本発明に係るコンベア装置を
示す側面図、図２はその正面図、図３は全体を示す側面
図である。

【００１１】図中１は、塗装ブース２内を搬送されるワ
ークＷに高電圧を印加するコンベア装置であって、コン
ベア装置本体が、エンドレスに連結した多数のスラット
（走行ベース）３をエンドレスチェーン４により牽引走
行させて塗装ゾーンＴよりも手前で床上側に進出させ焼
付乾燥炉Ｆよりも手前で床下側に退出させるように配設
したスラットコンベア５から成り、前記スラット３に
は、被塗物Ｗを載置して高電圧を印加するアタッチメン
ト６が、絶縁支柱７を介して絶縁状態に取り付けられて
いる。

【００１２】また、前記スラット３には、塗装ブース２
内に配設された誘電レール（電磁波送信手段）８から送
信される電磁波により誘導起電力を生じさせるピックア
ップコイル９と、当該ピックアップコイル９から出力さ
れた電圧を所定の電圧に変換して出力する電源装置１０
と、当該電源装置１０から出力された電圧を所定電圧ま
で昇圧する高電圧発生器１１が搭載され、当該高電圧発
生器１１から出力された高電圧をアタッチメント６を介
して被塗物Ｗに印加するように成されている。

【００１３】また、スラット３には、前記電源装置１０
により駆動されるコンプレッサ１２が搭載されて、その
コンプレッサ１２により得られる圧縮空気が、前記アタ
ッチメント６の左右両側に配設されたエア吹出ダクト１
３，１３に供給される。そして、各ダクト１３，１３に
は、下方に向かってエアをカーテン状に吹き出すスリッ
トノズル１４が形成され、絶縁支柱７の左右両側を覆う
ようにエアカーテンが形成されるように成されている。

【００１４】この場合において、スラット３にコンプレ
ッサ１２が搭載されているので、移動するスラット３に
対して極めて簡単に定常的にエアを供給することができ
るだけでなく、そのエア配管を自由に設置することがで
きる。また、エアカーテンは絶縁支柱の左右両側を覆う
ように必要なところにだけ形成することができるので、
コンプレッサ１２はエア供給量が少ない小型のものでた
りる。

【００１５】なお、前記ピックアップコイル９，電源装
置１０，高電圧発生器１１，コンプレッサ１２は、いず
れもスラットコンベア５の洗浄性を考慮してスラット３
の裏面側に配設されている。

【００１６】以上が本発明の一例構成であって、次にそ
の作用について説明する。まず、被塗物Ｗは塗装ブース
２の手前でスラットコンベア５のアタッチメント６に載
せられて塗装ブース２内に搬入される。このとき、スラ
ット３に取り付けられたピックアップコイル９が誘電レ
ール８に対向するので誘導起電力が生じ、電源装置１０
から定電圧が出力される。

【００１７】次いで、この電源電圧が高電圧発生器１１
で昇圧されアタッチメント６を介して被塗物Ｗに高電圧
が印加されるので、塗装機に高電圧を印加するまでもな
く、塗装機から噴霧された塗料は被塗物Ｗに静電塗着さ
れ、しかも非接触で電力が供給されるので高電圧を印加
する際にスパークを生ずることもない。また、このとき
電源装置１０の電源によりコンプレッサ１２が駆動さ
れ、圧縮空気がエア吹出ダクト１４に供給され、絶縁支
柱７の左右両側を覆うようにエアカーテンが形成され
る。

【００１８】したがって、例えばスラットコンベア５の
左右両側に配設された塗装機から塗料がオーバースプレ
ーされても、そのオーバースプレー塗料は、絶縁支柱７
に付着する前にエアカーテンに阻まれてそのほとんどが
床下側に排出されるので、絶縁支柱７が塗料で汚れるの
を未然に防止することができる。また、塗料ミストがエ
アカーテンを通り抜けて絶縁支柱７に付着しても、エア
カーテンを通り抜けて来る塗料ミストは極めて微量なの
で、簡単に洗浄できるだけでなく、洗浄回数も軽減する
ことができ、コンベアのメンテナンスに係る労力とコス
トを軽減することができる。

【００１９】なお、実施例の説明では、スラットコンベ
ア５に適用した場合について説明したが、本発明はこれ
に限らず、レールに沿って走行される台車を走行ベース
とするコンベアに適用することもできる。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、走
行ベースに電源装置及び高電圧発生器が搭載され、電源
装置に対して非接触で電力が供給されると共に、この電
源装置から出力される電圧を高電圧発生器で昇圧するよ
うに成されているので、集電レールや接触子が不要とな
り、スパークを生ずることなく、被塗物に高電圧を印加
することができるという効果を有する。

【００２１】また、走行ベースには、前記電源装置で駆
動されるコンプレッサが搭載されているので、移動する
走行ベースに対して極めて簡単に定常的にエアを供給す
ることができるだけでなく、そのエア配管を自由に設置
することができ、この場合に、エアカーテンは絶縁支柱
の左右両側を覆うように必要なところにだけ形成するこ
とができるので、そのコンプレッサはエア供給量が少な
い小型のもので足りる。

【００２２】さらに、絶縁支柱の左右両側を覆うように
エアカーテンが形成されるので、オーバースプレーされ
た塗料ミストのほとんどがエアカーテンに阻まれて床下
側に排出され、絶縁支柱に付着するのを未然に防止する
ことができるという大変優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るコンベア装置の一例を示す側面
図。

【図２】その正面図。

【図３】その全体を示す側面図。

【符号の説明】

Ｗ・・・被塗物１・・・コンベア装置２・・・塗装ブース３・・・スラット（走行ベース）４・・・エンドレスチェーン５・・・スラットコンベア６・・・アタッチメント７・・・絶縁支柱８・・・誘電レール（電磁波送信手段）１０・・・電源装置１１・・・高電圧発生器１２・・・コンプレッサ１３・・・エア吹出ダクト（エア吹出口）１４・・・スリットノズル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】塗装ブース（２）内を所定の軌道に沿っ
て走行される走行ベース（３）に、被塗物（Ｗ）を載せ
て高電圧を印加するアタッチメント（６）が絶縁支柱
（７）を介して絶縁状態に取り付けられて成るコンベア
装置において、前記走行ベース（３）には、塗装ブース（２）内に配設
された電磁波送信手段（８）から送信される電磁波を非
接触で受信して低電圧を出力する電源装置（10）と、当
該電源装置（10）から出力された電圧を所定電圧まで昇
圧し前記アタッチメント（６）を介して被塗物（Ｗ）に
高電圧を印加する高電圧発生器（11）と、前記電源装置
（10）により駆動されるコンプレッサ（12）が搭載さ
れ、前記アタッチメント（６）の左右両側には、前記コンプ
レッサ（12）から供給される圧縮空気を下方に吹き出し
て前記絶縁支柱（７）の左右両側を覆うようにエアカー
テンを形成するエア吹出口（14）が設けられたことを特
徴とするコンベア装置。