JPH08229449A - ワーク加電塗装システム - Google Patents
ワーク加電塗装システムInfo
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- JPH08229449A JPH08229449A JP6180995A JP6180995A JPH08229449A JP H08229449 A JPH08229449 A JP H08229449A JP 6180995 A JP6180995 A JP 6180995A JP 6180995 A JP6180995 A JP 6180995A JP H08229449 A JPH08229449 A JP H08229449A
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- high voltage
- conveyor
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Abstract
(57)【要約】
【構成】スラットコンベヤ1および接地された塗装機を
塗装ブース10内に配置し、支持・通電手段として絶縁碍
子4a、4bおよび電極アタッチメント5をスラット表面上
に立設し、誘導路6を上下のスラット列間に形成し、ピ
ックアップコイル7をスラット裏面上に誘導路と非接触
で対向するように取付けた塗装システムであって、高電
圧発生装置8をスラット上に組み付けてなり、更に、高
電圧発生器15からの出力ケーブル16を絶縁碍子の内部を
通って電極アタッチメント5に接続してなる。 【効果】スパーク発生が無く、設備の大型化を招かず、
煩雑な電圧昇降制御を要することなく、被塗装物への高
電圧の印加により水性塗料で静電塗装をなすことがで
き、しかも、塗料ミスト等の高電圧ケーブルへの付着を
軽減でき、また、スラット上の絶縁碍子に向けての加圧
水等の洗浄を問題なく行ない得る。
塗装ブース10内に配置し、支持・通電手段として絶縁碍
子4a、4bおよび電極アタッチメント5をスラット表面上
に立設し、誘導路6を上下のスラット列間に形成し、ピ
ックアップコイル7をスラット裏面上に誘導路と非接触
で対向するように取付けた塗装システムであって、高電
圧発生装置8をスラット上に組み付けてなり、更に、高
電圧発生器15からの出力ケーブル16を絶縁碍子の内部を
通って電極アタッチメント5に接続してなる。 【効果】スパーク発生が無く、設備の大型化を招かず、
煩雑な電圧昇降制御を要することなく、被塗装物への高
電圧の印加により水性塗料で静電塗装をなすことがで
き、しかも、塗料ミスト等の高電圧ケーブルへの付着を
軽減でき、また、スラット上の絶縁碍子に向けての加圧
水等の洗浄を問題なく行ない得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接地された塗装機、塗
装ロボット等を用い、高電圧を被塗装物に印加すること
により、水性塗料で静電塗装を行なうワーク加電塗装シ
ステムに関する。
装ロボット等を用い、高電圧を被塗装物に印加すること
により、水性塗料で静電塗装を行なうワーク加電塗装シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ボディ等の静電塗装は、一
般に、−60〜−150kVの高電圧を静電塗装機に印
加することにより、絶縁性塗料を接地された被塗装物に
向けて霧化・噴霧するという方法により行なわれてき
た。
般に、−60〜−150kVの高電圧を静電塗装機に印
加することにより、絶縁性塗料を接地された被塗装物に
向けて霧化・噴霧するという方法により行なわれてき
た。
【0003】しかし、この塗装法に使用される絶縁性塗
料には、シンナー等の有害な有機溶剤が多く含まれてい
る。近年、環境保護の運動が世界的に高まり、産業界に
おける有機溶剤の使用の規制が叫ばれてきており、これ
に呼応して塗装業界においては、有機溶剤を少ししか含
まない塗料、即ち水性塗料(水溶性塗料および狭義の水
性塗料)で以て静電塗装を行なうことが推奨されてい
る。
料には、シンナー等の有害な有機溶剤が多く含まれてい
る。近年、環境保護の運動が世界的に高まり、産業界に
おける有機溶剤の使用の規制が叫ばれてきており、これ
に呼応して塗装業界においては、有機溶剤を少ししか含
まない塗料、即ち水性塗料(水溶性塗料および狭義の水
性塗料)で以て静電塗装を行なうことが推奨されてい
る。
【0004】しかしながら、水性塗料は導電性を有する
ため、これを静電塗装機より霧化・噴霧する場合には、
その塗装機に印加した高電圧電流が塗料を通じてリーク
しないように、塗料の供給系全体を絶縁処理する必要が
ある。現在、自動車ボディの塗装設備にあっては、通
常、数十色の塗料を使用して多色色替え塗装が為されて
いるので、各色ごとに塗料配管および塗料タンク等をそ
れぞれ絶縁処理することは、非常に煩雑な作業であり、
また、かかる絶縁処理は、防爆チャンバ等の付設をも伴
うので、塗装設備の大変な複雑化および大型化を招くこ
とになる。
ため、これを静電塗装機より霧化・噴霧する場合には、
その塗装機に印加した高電圧電流が塗料を通じてリーク
しないように、塗料の供給系全体を絶縁処理する必要が
ある。現在、自動車ボディの塗装設備にあっては、通
常、数十色の塗料を使用して多色色替え塗装が為されて
いるので、各色ごとに塗料配管および塗料タンク等をそ
れぞれ絶縁処理することは、非常に煩雑な作業であり、
また、かかる絶縁処理は、防爆チャンバ等の付設をも伴
うので、塗装設備の大変な複雑化および大型化を招くこ
とになる。
【0005】そこで、従来、塗料配管系に絶縁処理を施
すことなく、導電性塗料を用いて静電塗装を行なうこと
ができるいくつかの塗装システムが提案されている(実
開平3-105948 号公報、実開平 4-16796号公報等 参
照)。この塗装システムは、一般に、電極アタッチメン
トをコンベヤ装置の台車の上に絶縁碍子を介して取付け
るとともに、高電圧電流が供給される集電レールをコン
ベヤ装置の近くに台車の搬送方向に沿って設け、コンベ
ヤ装置の運転により、自動車ボディ等の被塗装物を電極
アタッチメントの上に載せて台車を搬送するとき、電極
アタッチメントの接触子が集電レールに摺接して、高電
圧が被塗装物に印加されることにより、塗装機等より、
水性塗料が被塗装物に向けて霧化・噴霧するという構成
のシステムである。
すことなく、導電性塗料を用いて静電塗装を行なうこと
ができるいくつかの塗装システムが提案されている(実
開平3-105948 号公報、実開平 4-16796号公報等 参
照)。この塗装システムは、一般に、電極アタッチメン
トをコンベヤ装置の台車の上に絶縁碍子を介して取付け
るとともに、高電圧電流が供給される集電レールをコン
ベヤ装置の近くに台車の搬送方向に沿って設け、コンベ
ヤ装置の運転により、自動車ボディ等の被塗装物を電極
アタッチメントの上に載せて台車を搬送するとき、電極
アタッチメントの接触子が集電レールに摺接して、高電
圧が被塗装物に印加されることにより、塗装機等より、
水性塗料が被塗装物に向けて霧化・噴霧するという構成
のシステムである。
【0006】しかし、上記の塗装システムは、接触子と
集電レールの接触により生じたスパークの熱により、こ
れらの表面が徐々に融けていき、やがて凹凸が形成され
るので、接触子および集電レールは頻繁に交換する必要
があり、また、集電レールには塗料が付着しやすく、頻
繁に洗浄処理をなす必要があるという欠点を有する。こ
の欠点を解消するための提案(特開平 4-61944号公報)
も、為されているが、未だ十分ではない。
集電レールの接触により生じたスパークの熱により、こ
れらの表面が徐々に融けていき、やがて凹凸が形成され
るので、接触子および集電レールは頻繁に交換する必要
があり、また、集電レールには塗料が付着しやすく、頻
繁に洗浄処理をなす必要があるという欠点を有する。こ
の欠点を解消するための提案(特開平 4-61944号公報)
も、為されているが、未だ十分ではない。
【0007】また、被塗装物を高電圧印加領域の入口に
移送されてきたとき、被塗装物を通常のコンベヤから絶
縁コンベヤに乗せ換え、次いで、高電圧を被塗装物に印
加して静電塗装を行ない、その後、高電圧印加領域の出
口において被塗装物を絶縁コンベヤから通常のコンベヤ
に乗せ換えるという方法も、従来提案されている(特開
平 3-224651 号公報、同 4-225857 号公報等)。しか
し、この方法では、コンベヤから他のコンベヤヘの乗り
換えの際のスパークの発生を防止するために、高電圧印
加領域の出入口にそれぞれ電圧制御のためのゾーンを設
けることが必要とされ、塗装設備が大掛かりなものとな
る。また、その電圧制御も一般に面倒である。
移送されてきたとき、被塗装物を通常のコンベヤから絶
縁コンベヤに乗せ換え、次いで、高電圧を被塗装物に印
加して静電塗装を行ない、その後、高電圧印加領域の出
口において被塗装物を絶縁コンベヤから通常のコンベヤ
に乗せ換えるという方法も、従来提案されている(特開
平 3-224651 号公報、同 4-225857 号公報等)。しか
し、この方法では、コンベヤから他のコンベヤヘの乗り
換えの際のスパークの発生を防止するために、高電圧印
加領域の出入口にそれぞれ電圧制御のためのゾーンを設
けることが必要とされ、塗装設備が大掛かりなものとな
る。また、その電圧制御も一般に面倒である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主た
る技術的課題は、スパークの発生や設備の大型化等の、
上述した諸欠点が生じず、かつ、確実に、被塗装物への
高電圧の印加により水性塗料で静電塗装をなすことがで
きる全く新規な塗装システムを提供することにある。
る技術的課題は、スパークの発生や設備の大型化等の、
上述した諸欠点が生じず、かつ、確実に、被塗装物への
高電圧の印加により水性塗料で静電塗装をなすことがで
きる全く新規な塗装システムを提供することにある。
【0009】本発明者は、研究を重ね、その結果、この
課題を解決することができる新規な塗装システムを提案
できる段階に至った。その塗装システムは、電磁誘導の
一次回路となる誘導路をコンベヤ装置の搬送方向に設置
するとともにその二次回路となるピックアップコイルを
該誘導路と非接触で対向するようにコンベヤ装置の走行
部材(例えばスラット)に取付け、また、該走行部材の
上に、電極アタッチメントを絶縁状態で取付け、さらに
高電圧発生器を備え付けて成り、誘導路とピックアップ
コイルの電磁誘導により生じた電流を昇圧して所要の高
電圧電流を被塗装物が搭載された電極アタッチメントに
供給するというものである。
課題を解決することができる新規な塗装システムを提案
できる段階に至った。その塗装システムは、電磁誘導の
一次回路となる誘導路をコンベヤ装置の搬送方向に設置
するとともにその二次回路となるピックアップコイルを
該誘導路と非接触で対向するようにコンベヤ装置の走行
部材(例えばスラット)に取付け、また、該走行部材の
上に、電極アタッチメントを絶縁状態で取付け、さらに
高電圧発生器を備え付けて成り、誘導路とピックアップ
コイルの電磁誘導により生じた電流を昇圧して所要の高
電圧電流を被塗装物が搭載された電極アタッチメントに
供給するというものである。
【0010】しかしながら、この塗装システムにおいて
は、高電圧印加のための配線、とりわけ高電圧発生器か
ら電極アタッチメントに接続されるところの高電圧ケー
ブルをコンベヤの走行部材の表面上に露出した状態のま
ま配設すると、その高電圧ケーブルに塗料ミストや塵埃
等が付着しやすく、よって、スパークが発生する虞れが
あり、危険である。また、露出した高電圧ケーブルを放
置していたのでは、加圧水の噴射によって走行部材上の
部品等を洗浄して塗料ミスト等を除去することも困難に
なる。
は、高電圧印加のための配線、とりわけ高電圧発生器か
ら電極アタッチメントに接続されるところの高電圧ケー
ブルをコンベヤの走行部材の表面上に露出した状態のま
ま配設すると、その高電圧ケーブルに塗料ミストや塵埃
等が付着しやすく、よって、スパークが発生する虞れが
あり、危険である。また、露出した高電圧ケーブルを放
置していたのでは、加圧水の噴射によって走行部材上の
部品等を洗浄して塗料ミスト等を除去することも困難に
なる。
【0011】従って、本発明は、他の側面において、塗
料ミスト等の高電圧ケーブルへの付着を軽減してスパー
ク発生等を防止することができ、かつ、コンベヤ表面へ
の加圧水(エア)の噴射による洗浄を問題なく可能にす
ることをも技術的課題とするものである。
料ミスト等の高電圧ケーブルへの付着を軽減してスパー
ク発生等を防止することができ、かつ、コンベヤ表面へ
の加圧水(エア)の噴射による洗浄を問題なく可能にす
ることをも技術的課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、高電圧を被塗
装物に印加することにより、水性塗料で静電塗装を行な
うところの新規な塗装システムを提案するものであり、
本発明者はこれをワーク加電塗装システムと呼ぶ。より
明確には、本発明によるワーク加電塗装システムは、塗
装ブース内に実質的に水平に設置された無端状スラット
コンベヤと、塗装ブース内に該コンベヤの近くに配置さ
れた、接地された塗装機と、前記コンベヤのスラット表
面上に絶縁碍子を立設しかつその上に電極アタッチメン
トを取付けて成り、被塗装物またはその台車を被塗装物
への通電可能に搭載できる支持手段と、前記コンベヤの
上下のスラット列の間に、搬送方向に所定の長さで形成
された誘導路と、前記コンベヤのスラット裏面上に、該
誘導路と非接触で対向するように取付けられたピックア
ップコイルと、前記コンベヤのスラット上に組み付けた
変電ユニット、コントローラおよび高電圧発生器より成
る、前記誘導路とピックアップコイルの電磁誘導により
生じた電流を所要の高電圧電流に変換する高電圧発生装
置とを備えて成り、該発生装置の高電圧発生器からの出
力ケーブルを前記絶縁碍子の内部を通って前記電極アタ
ッチメントに接続して成ることを特徴とするものであ
る。本発明のより好ましい態様は、上記のワーク加電塗
装システムにおいて、前記高電圧発生装置、特にコント
ローラおよび変電ユニットが、防爆ケーシングの中に収
容されているものである。
装物に印加することにより、水性塗料で静電塗装を行な
うところの新規な塗装システムを提案するものであり、
本発明者はこれをワーク加電塗装システムと呼ぶ。より
明確には、本発明によるワーク加電塗装システムは、塗
装ブース内に実質的に水平に設置された無端状スラット
コンベヤと、塗装ブース内に該コンベヤの近くに配置さ
れた、接地された塗装機と、前記コンベヤのスラット表
面上に絶縁碍子を立設しかつその上に電極アタッチメン
トを取付けて成り、被塗装物またはその台車を被塗装物
への通電可能に搭載できる支持手段と、前記コンベヤの
上下のスラット列の間に、搬送方向に所定の長さで形成
された誘導路と、前記コンベヤのスラット裏面上に、該
誘導路と非接触で対向するように取付けられたピックア
ップコイルと、前記コンベヤのスラット上に組み付けた
変電ユニット、コントローラおよび高電圧発生器より成
る、前記誘導路とピックアップコイルの電磁誘導により
生じた電流を所要の高電圧電流に変換する高電圧発生装
置とを備えて成り、該発生装置の高電圧発生器からの出
力ケーブルを前記絶縁碍子の内部を通って前記電極アタ
ッチメントに接続して成ることを特徴とするものであ
る。本発明のより好ましい態様は、上記のワーク加電塗
装システムにおいて、前記高電圧発生装置、特にコント
ローラおよび変電ユニットが、防爆ケーシングの中に収
容されているものである。
【0013】無端状スラットコンベヤは、被塗装物を搬
送するためのコンベヤであって、塗装ブース内に実質的
に水平に設置される。その構成は、並行する2条(ある
いは3条以上)のエンドレスチェーン、その各チェーン
の両端が巻き掛けられたスプロケット、および、チェー
ン間に各々張設された多数のスラットより成る、一般的
なスラットコンベヤ構造でよい。なお、より好ましい態
様としては、スラットコンベヤの下側には、加圧水の噴
射器が付設され、スラット上の絶縁碍子に向けての加圧
水の噴射によりそれらの洗浄が可能である構成が採用さ
れる。塗装機は、塗装ブース内にスラットコンベヤの近
くに適宜配置され、接地された状態に保たれる。この塗
装機には、トップレシプロ塗装装置、サイドレシプロ塗
装装置および塗装ロボット等に組み込まれたものが含ま
れる。本発明で使用される塗装機は、塗料として、水性
塗料または水溶性塗料を利用するものであり、塗装機自
体が接地された状態で使用される。塗装機としては、静
電塗装機および非静電の塗装機のいずれも使用すること
ができる。
送するためのコンベヤであって、塗装ブース内に実質的
に水平に設置される。その構成は、並行する2条(ある
いは3条以上)のエンドレスチェーン、その各チェーン
の両端が巻き掛けられたスプロケット、および、チェー
ン間に各々張設された多数のスラットより成る、一般的
なスラットコンベヤ構造でよい。なお、より好ましい態
様としては、スラットコンベヤの下側には、加圧水の噴
射器が付設され、スラット上の絶縁碍子に向けての加圧
水の噴射によりそれらの洗浄が可能である構成が採用さ
れる。塗装機は、塗装ブース内にスラットコンベヤの近
くに適宜配置され、接地された状態に保たれる。この塗
装機には、トップレシプロ塗装装置、サイドレシプロ塗
装装置および塗装ロボット等に組み込まれたものが含ま
れる。本発明で使用される塗装機は、塗料として、水性
塗料または水溶性塗料を利用するものであり、塗装機自
体が接地された状態で使用される。塗装機としては、静
電塗装機および非静電の塗装機のいずれも使用すること
ができる。
【0014】支持手段は、自動車ボディ等の被塗装物
(またはそれを乗せた台車)を載せて支持するととも
に、それらを被塗装物への通電が可能なように搭載する
ことができる手段であり、絶縁碍子と電極アタッチメン
トからなる。絶縁碍子は、例えば柱形状を成し、スラッ
トコンベヤのスラット表面上に、自動車ボディの場合に
は通常前後に1本ずつまたは2本ずつ、立設される。電
極アタッチメントは、絶縁碍子の上に取り付けられた導
電性(金属製)の治具であり、自動車ボディ等の被塗装
物が搭載されたとき、それへの通電が可能となるように
構成されている。よって、電極アタッチメントは絶縁状
態でスラットコンベヤ上に備え付けられているので、こ
れに高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤの表
面へリークしない。また、1つの被塗装物に対応する絶
縁碍子と電極アタッチメントの組は、被塗装物の長さや
スラットコンベヤの全長等に応じて、適当な数だけスラ
ットコンベヤのスラット表面上に備えられる。
(またはそれを乗せた台車)を載せて支持するととも
に、それらを被塗装物への通電が可能なように搭載する
ことができる手段であり、絶縁碍子と電極アタッチメン
トからなる。絶縁碍子は、例えば柱形状を成し、スラッ
トコンベヤのスラット表面上に、自動車ボディの場合に
は通常前後に1本ずつまたは2本ずつ、立設される。電
極アタッチメントは、絶縁碍子の上に取り付けられた導
電性(金属製)の治具であり、自動車ボディ等の被塗装
物が搭載されたとき、それへの通電が可能となるように
構成されている。よって、電極アタッチメントは絶縁状
態でスラットコンベヤ上に備え付けられているので、こ
れに高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤの表
面へリークしない。また、1つの被塗装物に対応する絶
縁碍子と電極アタッチメントの組は、被塗装物の長さや
スラットコンベヤの全長等に応じて、適当な数だけスラ
ットコンベヤのスラット表面上に備えられる。
【0015】誘導路は、電磁誘導の一次回路となるもの
で、スラットコンベヤの上下のスラット列の間に、搬送
方向に沿って所定の長さで形成される。誘導路として
は、例えば、適当数の支柱を間隔を置いて配置し、そし
てそれらの支柱の上に多芯ケーブルを搬送方向に沿って
(通常、2本並行に)支持架設した構成のものでよく、
電磁誘導によりピックアップコイルに、高電圧発生装置
の一次電源として必要な起電力が生じる程度の低電力
(自動車ボディの塗装の場合には、例えば単相交流300V
〜 600V 、10kHz )が給電源より供給される構成のも
のでよい。従って、誘導路と塗装機との間に強い静電場
が形成されないので、しかもそれら両者の間にスラット
が介在しているので、塗装機からの塗料ミストは誘導路
に静電塗着されないと考えられる。ピックアップコイル
は、電磁誘導の二次回路となるもので、スラットコンベ
ヤのスラット裏面上に例えば上記の前後の絶縁碍子の間
の位置に、そして前記誘導路と非接触で対向するよう
に、取付けられる。従って、ピックアップコイルは、ス
ラットコンベヤの運転によりスラットとともに走行し、
そして、誘導路との間で電磁誘導により起電力(自動車
ボディの塗装の場合には、例えば単相交流 50V〜 100V
、10kHz )を生じ、この電流を高電圧発生装置に出力
するものである。本システムでは、誘導路とピックアッ
プコイルが非接触で対向する構造であるので、電磁誘導
により生じた起電力を、ピックアップコイルが誘導路と
対向して走行している間、常に安定して高電圧発生装置
に供給することができる。従って、従来なされた高電圧
印加領域の出入口ゾーンにおける電圧の昇降制御をなす
ことなく、高電圧発生装置のオンオフ操作によって、被
塗装物への高電圧の印加およびその停止を自動的に行な
うことができる。
で、スラットコンベヤの上下のスラット列の間に、搬送
方向に沿って所定の長さで形成される。誘導路として
は、例えば、適当数の支柱を間隔を置いて配置し、そし
てそれらの支柱の上に多芯ケーブルを搬送方向に沿って
(通常、2本並行に)支持架設した構成のものでよく、
電磁誘導によりピックアップコイルに、高電圧発生装置
の一次電源として必要な起電力が生じる程度の低電力
(自動車ボディの塗装の場合には、例えば単相交流300V
〜 600V 、10kHz )が給電源より供給される構成のも
のでよい。従って、誘導路と塗装機との間に強い静電場
が形成されないので、しかもそれら両者の間にスラット
が介在しているので、塗装機からの塗料ミストは誘導路
に静電塗着されないと考えられる。ピックアップコイル
は、電磁誘導の二次回路となるもので、スラットコンベ
ヤのスラット裏面上に例えば上記の前後の絶縁碍子の間
の位置に、そして前記誘導路と非接触で対向するよう
に、取付けられる。従って、ピックアップコイルは、ス
ラットコンベヤの運転によりスラットとともに走行し、
そして、誘導路との間で電磁誘導により起電力(自動車
ボディの塗装の場合には、例えば単相交流 50V〜 100V
、10kHz )を生じ、この電流を高電圧発生装置に出力
するものである。本システムでは、誘導路とピックアッ
プコイルが非接触で対向する構造であるので、電磁誘導
により生じた起電力を、ピックアップコイルが誘導路と
対向して走行している間、常に安定して高電圧発生装置
に供給することができる。従って、従来なされた高電圧
印加領域の出入口ゾーンにおける電圧の昇降制御をなす
ことなく、高電圧発生装置のオンオフ操作によって、被
塗装物への高電圧の印加およびその停止を自動的に行な
うことができる。
【0016】高電圧発生装置は、前記誘導路とピックア
ップコイルの電磁誘導により生じた起電力を一次電源と
し、これを昇圧して所要の高電圧電流に変換し、そして
これを上記の電極アタッチメントに供給する装置であっ
て、スラットコンベヤのスラット表面上にまたはスラッ
ト裏面上に組み付けられる。この発生装置は一般に、変
電ユニット、コントローラおよび高電圧発生器より構成
される。変電ユニットは、ピックアップコイルからの起
電力電流を高電圧発生器への一次電源に適合する電流
(普通、60Hzまたは50Hzの低周波電流)に調整する装置
であり、例えば、ピックアップコイルからの起電力電流
を集める端子台、および、交流・直流変換を行なう受電
ボックス並びにインバータ等より構成される。コントロ
ーラは、変電ユニットと高電圧発生器の間に接続され
た、高電圧印加のオン・オフ制御を行なう制御装置であ
って、所定の電圧信号(例えば 24 V または 12 V 直流
信号)を高電圧発生器に送るとともに、印加される高電
圧電流並びにリーク電流等のモニターを行なう。高電圧
発生器は、高周波発振器、変圧器および倍電圧整流回路
(コッククロフト回路)等を含み、コントローラからの
電圧信号を受けて所要の高電圧電流(自動車ボディの塗
装の場合には、例えば、 -60 kV 〜 -150 kV(あるいは
+60 kV〜 +150 kV)、 400μA )を発生させる装置で
ある。なお、自動車ボディ等の被塗装物に正の高電圧を
印加するかまたは負の高電圧を印加するかについては、
被塗装物の形状、塗装装置等の設置状況などに応じて適
宜選択することができる。また、高電圧発生装置は、安
全確保のため、接地スイッチ(高電圧遮断スイッチとも
呼称される)等を備えるのがより好ましい。また、高電
圧発生装置は高電圧の発生源であることから、これに防
爆措置を施すことがより好ましい。従って、本発明のよ
り好ましい態様のワーク加電塗装システムは、高電圧発
生装置、特にコントローラおよび変電ユニット(インバ
ータ等)が防爆ケーシングの中に収容されている構成の
ものである。
ップコイルの電磁誘導により生じた起電力を一次電源と
し、これを昇圧して所要の高電圧電流に変換し、そして
これを上記の電極アタッチメントに供給する装置であっ
て、スラットコンベヤのスラット表面上にまたはスラッ
ト裏面上に組み付けられる。この発生装置は一般に、変
電ユニット、コントローラおよび高電圧発生器より構成
される。変電ユニットは、ピックアップコイルからの起
電力電流を高電圧発生器への一次電源に適合する電流
(普通、60Hzまたは50Hzの低周波電流)に調整する装置
であり、例えば、ピックアップコイルからの起電力電流
を集める端子台、および、交流・直流変換を行なう受電
ボックス並びにインバータ等より構成される。コントロ
ーラは、変電ユニットと高電圧発生器の間に接続され
た、高電圧印加のオン・オフ制御を行なう制御装置であ
って、所定の電圧信号(例えば 24 V または 12 V 直流
信号)を高電圧発生器に送るとともに、印加される高電
圧電流並びにリーク電流等のモニターを行なう。高電圧
発生器は、高周波発振器、変圧器および倍電圧整流回路
(コッククロフト回路)等を含み、コントローラからの
電圧信号を受けて所要の高電圧電流(自動車ボディの塗
装の場合には、例えば、 -60 kV 〜 -150 kV(あるいは
+60 kV〜 +150 kV)、 400μA )を発生させる装置で
ある。なお、自動車ボディ等の被塗装物に正の高電圧を
印加するかまたは負の高電圧を印加するかについては、
被塗装物の形状、塗装装置等の設置状況などに応じて適
宜選択することができる。また、高電圧発生装置は、安
全確保のため、接地スイッチ(高電圧遮断スイッチとも
呼称される)等を備えるのがより好ましい。また、高電
圧発生装置は高電圧の発生源であることから、これに防
爆措置を施すことがより好ましい。従って、本発明のよ
り好ましい態様のワーク加電塗装システムは、高電圧発
生装置、特にコントローラおよび変電ユニット(インバ
ータ等)が防爆ケーシングの中に収容されている構成の
ものである。
【0017】そして、本発明の塗装システムでは、高電
圧発生装置の高電圧発生器からの出力ケーブルは、前記
絶縁碍子の内部を通って電極アタッチメントに接続され
ている。例えば高電圧発生装置がスラット表面上に組付
けられている場合には、高電圧発生器の出力端子より導
かれる高電圧ケーブルは、スラットの表面側から、例え
ばスラットを貫通して、スラットの裏面側に延び、そし
て上下のスラット列間の空間を通って絶縁碍子の直下方
の位置まで延び、その後再びスラットを貫通して絶縁碍
子の内部に進入し、その内部を通って、碍子上側の電極
アタッチメントに接続されている。より好ましくは、上
記の高電圧ケーブルは、絶縁碍子の内部において、絶縁
性の樹脂によりモールド充填される。
圧発生装置の高電圧発生器からの出力ケーブルは、前記
絶縁碍子の内部を通って電極アタッチメントに接続され
ている。例えば高電圧発生装置がスラット表面上に組付
けられている場合には、高電圧発生器の出力端子より導
かれる高電圧ケーブルは、スラットの表面側から、例え
ばスラットを貫通して、スラットの裏面側に延び、そし
て上下のスラット列間の空間を通って絶縁碍子の直下方
の位置まで延び、その後再びスラットを貫通して絶縁碍
子の内部に進入し、その内部を通って、碍子上側の電極
アタッチメントに接続されている。より好ましくは、上
記の高電圧ケーブルは、絶縁碍子の内部において、絶縁
性の樹脂によりモールド充填される。
【0018】
【作用】本発明では、塗装ブース内のスラットコンベヤ
を運転させると、スラット裏側のピックアップコイルが
誘導路と非接触で対向しながら走行することにより、電
磁誘導による起電力が生じ、これがスラット上の高電圧
発生装置により所要の高電圧電流に変換される。よっ
て、自動車ボディ等の被塗装物をスラット上の電極アタ
ッチメントに搭載してスラットコンベヤを走行させると
ともに、高電圧発生装置のコントローラの制御に基づい
て、高電圧を電極アタッチメントを介して被塗装物に適
時印加することができる。この高電圧の印加により、接
地された塗装機より、水性塗料が被塗装物に向けて霧化
・噴霧される。従って、水性塗料を用いた、被塗装物へ
の高電圧印加による静電塗装が可能である。
を運転させると、スラット裏側のピックアップコイルが
誘導路と非接触で対向しながら走行することにより、電
磁誘導による起電力が生じ、これがスラット上の高電圧
発生装置により所要の高電圧電流に変換される。よっ
て、自動車ボディ等の被塗装物をスラット上の電極アタ
ッチメントに搭載してスラットコンベヤを走行させると
ともに、高電圧発生装置のコントローラの制御に基づい
て、高電圧を電極アタッチメントを介して被塗装物に適
時印加することができる。この高電圧の印加により、接
地された塗装機より、水性塗料が被塗装物に向けて霧化
・噴霧される。従って、水性塗料を用いた、被塗装物へ
の高電圧印加による静電塗装が可能である。
【0019】本塗装システムでは、静電塗装が被塗装物
の周囲で、スラットコンベヤより上方の電極アタッチメ
ント付近でもなされ、そして、被塗装物に付着しなかっ
た塗料ミストは、空気中を徐々に沈降し、スラットコン
ベヤ上に落下する。また、静電塗装には塵埃の除去され
た清澄な空気が使用されているが、その中に僅かに含ま
れた塵埃も、経時的にはスラットコンベヤ上に積もって
くる。ここで、本発明では、高電圧発生器の出力端子か
らの高電圧ケーブルが(より好ましくはスラットコンベ
ヤの上下のスラット列間の空間を経由し)絶縁碍子の内
部を通って電極アタッチメントに接続されているので、
沈降してきた塗料ミストおよび塵埃が高電圧ケーブルの
外表面に付着することが少ない。従って、それらの付着
によるスパークの発生を防止することができる。また、
高電圧ケーブルがスラット上から直接電極アタッチメン
トに接続されていないので、スラット上の絶縁碍子に向
けての加圧水(エア)の噴射による洗浄を問題なく行な
うことができる。
の周囲で、スラットコンベヤより上方の電極アタッチメ
ント付近でもなされ、そして、被塗装物に付着しなかっ
た塗料ミストは、空気中を徐々に沈降し、スラットコン
ベヤ上に落下する。また、静電塗装には塵埃の除去され
た清澄な空気が使用されているが、その中に僅かに含ま
れた塵埃も、経時的にはスラットコンベヤ上に積もって
くる。ここで、本発明では、高電圧発生器の出力端子か
らの高電圧ケーブルが(より好ましくはスラットコンベ
ヤの上下のスラット列間の空間を経由し)絶縁碍子の内
部を通って電極アタッチメントに接続されているので、
沈降してきた塗料ミストおよび塵埃が高電圧ケーブルの
外表面に付着することが少ない。従って、それらの付着
によるスパークの発生を防止することができる。また、
高電圧ケーブルがスラット上から直接電極アタッチメン
トに接続されていないので、スラット上の絶縁碍子に向
けての加圧水(エア)の噴射による洗浄を問題なく行な
うことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1ないし図5は、本実施例のワーク加電塗装シス
テムを示す。図4および図5は該塗装システムの全体を
示し、図1ないし図3はその特徴的な部分を示す。
る。図1ないし図5は、本実施例のワーク加電塗装シス
テムを示す。図4および図5は該塗装システムの全体を
示し、図1ないし図3はその特徴的な部分を示す。
【0021】本ワーク加電塗装システムは、自動車ボデ
ィの静電塗装システムであり、図4および図5に示すよ
うに、塗装ブース10内に、自動車ボディ搬送用の無端
状スラットコンベヤ1を実質的に水平に設置するととも
に、該コンベヤ1の近くにその搬送方向(図中、矢印A
の方向)に沿って、塗装ロボット22、サイドレシプロ
塗装装置23およびトップレシプロ塗装装置24を配備
して成る。これらの塗装装置は各々、ベル型等の塗装機
(図示せず)を組み込んでおり、各塗装機は接地された
状態に保たれている。いずれの塗装機も、塗料として、
水性塗料または水溶性塗料を利用するものである。な
お、これらの図中、26は自動車ボディを塗装ブース内
に搬入するためのターンテーブルを示す。
ィの静電塗装システムであり、図4および図5に示すよ
うに、塗装ブース10内に、自動車ボディ搬送用の無端
状スラットコンベヤ1を実質的に水平に設置するととも
に、該コンベヤ1の近くにその搬送方向(図中、矢印A
の方向)に沿って、塗装ロボット22、サイドレシプロ
塗装装置23およびトップレシプロ塗装装置24を配備
して成る。これらの塗装装置は各々、ベル型等の塗装機
(図示せず)を組み込んでおり、各塗装機は接地された
状態に保たれている。いずれの塗装機も、塗料として、
水性塗料または水溶性塗料を利用するものである。な
お、これらの図中、26は自動車ボディを塗装ブース内
に搬入するためのターンテーブルを示す。
【0022】スラットコンベヤ1は、並行する2条のエ
ンドレスチェーン27、27の両端をそれぞれスプロケ
ット25、25に巻き掛け、2条の該チェーン27、2
7の間に多数のスラット2・・を張設してなり、従っ
て、上下にスラット列3、3が形成されている。なお、
スラットコンベヤ1の下側には、洗浄器30が付設され
ており、これより、加圧水(または加圧エア)をスラッ
ト2の表面(外側の面)に向けて、特に下記の絶縁碍子
4a、4bに向けて噴射することができるようになって
いる。
ンドレスチェーン27、27の両端をそれぞれスプロケ
ット25、25に巻き掛け、2条の該チェーン27、2
7の間に多数のスラット2・・を張設してなり、従っ
て、上下にスラット列3、3が形成されている。なお、
スラットコンベヤ1の下側には、洗浄器30が付設され
ており、これより、加圧水(または加圧エア)をスラッ
ト2の表面(外側の面)に向けて、特に下記の絶縁碍子
4a、4bに向けて噴射することができるようになって
いる。
【0023】また、スラットコンベヤ1のスラット2の
表面上には、支持手段として、絶縁碍子4a、4bが立
設され、かつ、その上には、電極アタッチメント5が夫
々取付けられている。これらの部材は、自動車ボディ2
0の乗った台車21を載せて支持するとともに、それら
を自動車ボディ20への通電が可能なように搭載するこ
とができる手段である。絶縁碍子4a、4bと電極アタ
ッチメント5の組は、塗装対象の自動車ボディ20ごと
にそれぞれ対応するように、適当な数、備えられる。
表面上には、支持手段として、絶縁碍子4a、4bが立
設され、かつ、その上には、電極アタッチメント5が夫
々取付けられている。これらの部材は、自動車ボディ2
0の乗った台車21を載せて支持するとともに、それら
を自動車ボディ20への通電が可能なように搭載するこ
とができる手段である。絶縁碍子4a、4bと電極アタ
ッチメント5の組は、塗装対象の自動車ボディ20ごと
にそれぞれ対応するように、適当な数、備えられる。
【0024】図1ないし図3に詳細に示すように、絶縁
碍子4a、4bは、柱形状を成し、スラットコンベヤ1
のスラット2・・の表面上に、前後に2本ずつ、適当な
間隔を開けて立設されている。また、電極アタッチメン
ト5は、絶縁碍子4a、4bの上に取り付けられた電極
部材(金属製)であり、自動車ボディ20の乗った台車
21がその上に搭載されたとき、それへの通電が可能と
なっている。従って、電極アタッチメント5は絶縁状態
でスラットコンベヤ1上に備え付けられているので、こ
れに高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤ1表
面へリークしない。
碍子4a、4bは、柱形状を成し、スラットコンベヤ1
のスラット2・・の表面上に、前後に2本ずつ、適当な
間隔を開けて立設されている。また、電極アタッチメン
ト5は、絶縁碍子4a、4bの上に取り付けられた電極
部材(金属製)であり、自動車ボディ20の乗った台車
21がその上に搭載されたとき、それへの通電が可能と
なっている。従って、電極アタッチメント5は絶縁状態
でスラットコンベヤ1上に備え付けられているので、こ
れに高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤ1表
面へリークしない。
【0025】また、図4および図5に示すように、スラ
ットコンベヤ1の上下のスラット列3、3の間には、電
磁誘導の一次回路となる誘導路6が、搬送方向に沿って
所定の長さで形成されている。この誘導路6には、給電
源より、高周波用複合多芯ケーブルを介して、例えば単
相交流 600V 、10kHz という低い電力(高電圧発生装置
の一次電源として必要な起電力が電磁誘導によりピック
アップコイルに生じる程度の電力)が供給される。従っ
て、誘導路6と塗装機との間に、強い静電場が形成され
ずしかもスラット2・・で遮蔽されているので、塗料ミ
ストは誘導路6に静電塗着されにくい構成となってい
る。
ットコンベヤ1の上下のスラット列3、3の間には、電
磁誘導の一次回路となる誘導路6が、搬送方向に沿って
所定の長さで形成されている。この誘導路6には、給電
源より、高周波用複合多芯ケーブルを介して、例えば単
相交流 600V 、10kHz という低い電力(高電圧発生装置
の一次電源として必要な起電力が電磁誘導によりピック
アップコイルに生じる程度の電力)が供給される。従っ
て、誘導路6と塗装機との間に、強い静電場が形成され
ずしかもスラット2・・で遮蔽されているので、塗料ミ
ストは誘導路6に静電塗着されにくい構成となってい
る。
【0026】またスラットコンベヤ1のスラット2裏面
上には、図3に明確に示すように、電磁誘導の二次回路
となるピックアップコイル7が、誘導路6と非接触で対
向するように取付けられている。ピックアップコイル7
は、図1および図2に示すように、前2本の絶縁碍子4
a、4aと後2本の絶縁碍子4b,4bの間に、後の碍
子4b寄りの位置に、前後に並んで2個、設けられてい
る。従って、ピックアップコイル7,7は、スラットコ
ンベヤ1の運転によりスラット2とともに走行するが、
このとき、誘導路6と非接触で対向しているので、電磁
誘導による例えば単相交流 100V 、10kHz という起電力
電流を生じ、これを下記の高電圧発生装置8に出力する
ことができる。
上には、図3に明確に示すように、電磁誘導の二次回路
となるピックアップコイル7が、誘導路6と非接触で対
向するように取付けられている。ピックアップコイル7
は、図1および図2に示すように、前2本の絶縁碍子4
a、4aと後2本の絶縁碍子4b,4bの間に、後の碍
子4b寄りの位置に、前後に並んで2個、設けられてい
る。従って、ピックアップコイル7,7は、スラットコ
ンベヤ1の運転によりスラット2とともに走行するが、
このとき、誘導路6と非接触で対向しているので、電磁
誘導による例えば単相交流 100V 、10kHz という起電力
電流を生じ、これを下記の高電圧発生装置8に出力する
ことができる。
【0027】本塗装システムでは、電磁誘導の一次回路
と二次回路が非接触で対向する構造であるので、生じた
起電力は、ピックアップコイル7が誘導路6と対向して
走行している間、常に安定して出力され、従って、高電
圧発生装置のオンオフ操作により、自動車ボディ20へ
の高電圧の印加およびその停止を自動的に行なうことが
できる。
と二次回路が非接触で対向する構造であるので、生じた
起電力は、ピックアップコイル7が誘導路6と対向して
走行している間、常に安定して出力され、従って、高電
圧発生装置のオンオフ操作により、自動車ボディ20へ
の高電圧の印加およびその停止を自動的に行なうことが
できる。
【0028】また、スラットコンベヤ1のスラット2表
面上には、高電圧発生装置8が組み付けられている。図
5中、9は、この発生装置の取付範囲を示す。高電圧発
生装置8は、図1および図2に明確に示すように、変電
ユニットとして端子台11、受電ボックス12並びにイ
ンバータ13を備え、さらに、コントローラ14および
高電圧発生器15を備えて成る。
面上には、高電圧発生装置8が組み付けられている。図
5中、9は、この発生装置の取付範囲を示す。高電圧発
生装置8は、図1および図2に明確に示すように、変電
ユニットとして端子台11、受電ボックス12並びにイ
ンバータ13を備え、さらに、コントローラ14および
高電圧発生器15を備えて成る。
【0029】端子台11は、2個のピックアップコイル
7、7と接続され、これらからの起電力を集める部品で
ある。受電ボックス12は、端子台11と接続され、集
められた起電力(交流)を直流に変換する部品であり、
さらに、インバータ13は、受電ボックス12と接続さ
れ、変換された直流電流を再び交流に変換しかつ変調す
る部品である。こうして、ピックアップコイル7、7か
らの起電力電流は、例えば60Hzの低周波電流という、コ
ントローラ14への一次電源に適合する電流に調整され
る。
7、7と接続され、これらからの起電力を集める部品で
ある。受電ボックス12は、端子台11と接続され、集
められた起電力(交流)を直流に変換する部品であり、
さらに、インバータ13は、受電ボックス12と接続さ
れ、変換された直流電流を再び交流に変換しかつ変調す
る部品である。こうして、ピックアップコイル7、7か
らの起電力電流は、例えば60Hzの低周波電流という、コ
ントローラ14への一次電源に適合する電流に調整され
る。
【0030】コントローラ14は、前記インバータ13
と高電圧発生器15の間に接続された高電圧印加のオン
・オフ制御のための制御装置であって、所定の電圧信号
(例えば 12 V または 24 V の直流信号)を高電圧発生
器15に送るとともに、印加される高電圧電流およびリ
ーク電流等のモニターを行なう。また、高電圧発生器1
5は、上記の電極アタッチメント5と接続された、高周
波パルス発振器、変圧器および倍電圧整流回路等を含む
装置であって、コントローラ14からの電圧信号を受け
て、自動車ボディ20の塗装に必要とされる -60kV 〜
-150 kV(あるいは +60 kV 〜 +150 kV)、例えば 400
μA という高電圧電流を発生させる。さらに、高電圧発
生装置は図示しないが接地スイッチ等を備えている。な
お、上記に説明した受電ボックス12、インバータ13
およびコントローラ14は、高電圧の発生源に対する防
爆措置として、総て防爆ケーシングの中に収容されてい
る。
と高電圧発生器15の間に接続された高電圧印加のオン
・オフ制御のための制御装置であって、所定の電圧信号
(例えば 12 V または 24 V の直流信号)を高電圧発生
器15に送るとともに、印加される高電圧電流およびリ
ーク電流等のモニターを行なう。また、高電圧発生器1
5は、上記の電極アタッチメント5と接続された、高周
波パルス発振器、変圧器および倍電圧整流回路等を含む
装置であって、コントローラ14からの電圧信号を受け
て、自動車ボディ20の塗装に必要とされる -60kV 〜
-150 kV(あるいは +60 kV 〜 +150 kV)、例えば 400
μA という高電圧電流を発生させる。さらに、高電圧発
生装置は図示しないが接地スイッチ等を備えている。な
お、上記に説明した受電ボックス12、インバータ13
およびコントローラ14は、高電圧の発生源に対する防
爆措置として、総て防爆ケーシングの中に収容されてい
る。
【0031】従って、以上の部品よりなる高電圧発生装
置の運転により、誘導路6とピックアップコイル7の電
磁誘導により生じた起電力電流は、昇圧されて所要の高
電圧電流( -90 kV (あるいは +90 kV )、 400μA )
に変換され、そして電極アタッチメント5に供給される
ようになっている。
置の運転により、誘導路6とピックアップコイル7の電
磁誘導により生じた起電力電流は、昇圧されて所要の高
電圧電流( -90 kV (あるいは +90 kV )、 400μA )
に変換され、そして電極アタッチメント5に供給される
ようになっている。
【0032】この場合、本実施例の塗装システムでは、
図1に明確に示すように、高電圧発生器15の出力端子
17より導かれた高電圧ケーブル16は、スラット2の
表面側から、スラット2を貫通してその裏面側に延び、
そして上下のスラット列3、3間の空間を通って絶縁碍
子4aの直下方の位置まで延び、その後再びスラット2
を貫通して絶縁碍子4aの内部に進入し、そして、その
内部を通って碍子4a上側の電極アタッチメント5に接
続されている。この高電圧ケーブル16は、スラット2
を貫通する部位において、ボルト・ナット18を用いて
スラット2に締着固定されるとともに、絶縁碍子4aの
内部においては、絶縁性樹脂によりモールド充填されて
いる。なお、図2中、28は、絶縁碍子の直下方におけ
るケーブル16の貫通孔を示す。
図1に明確に示すように、高電圧発生器15の出力端子
17より導かれた高電圧ケーブル16は、スラット2の
表面側から、スラット2を貫通してその裏面側に延び、
そして上下のスラット列3、3間の空間を通って絶縁碍
子4aの直下方の位置まで延び、その後再びスラット2
を貫通して絶縁碍子4aの内部に進入し、そして、その
内部を通って碍子4a上側の電極アタッチメント5に接
続されている。この高電圧ケーブル16は、スラット2
を貫通する部位において、ボルト・ナット18を用いて
スラット2に締着固定されるとともに、絶縁碍子4aの
内部においては、絶縁性樹脂によりモールド充填されて
いる。なお、図2中、28は、絶縁碍子の直下方におけ
るケーブル16の貫通孔を示す。
【0033】次に、本塗装システムによる塗装方法を述
べると、スラットコンベヤ1の運転時、スラット2・・
を走行させるとともに自動車ボディ20を順次スラット
2上の電極アタッチメント5に搭載していく。自動車ボ
ディ20は連続して矢印A方向に搬送される。このと
き、スラット2裏側のピックアップコイル7と誘導路6
との電磁誘導により起電力が生じ、次いで、これはスラ
ット2上の高電圧発生装置8(高電圧発生器15)によ
り所要の高電圧電流に変換され、そしてコントローラ1
4の制御に基づいて高電圧ケーブル16および電極アタ
ッチメント5を介して自動車ボディ20に印加される。
この高電圧の印加により、接地された塗装機より、水性
塗料が自動車ボディ20に向けて霧化・噴霧され、これ
により水性塗料の静電塗装が各自動車ボディ20ごとに
行なわれる。
べると、スラットコンベヤ1の運転時、スラット2・・
を走行させるとともに自動車ボディ20を順次スラット
2上の電極アタッチメント5に搭載していく。自動車ボ
ディ20は連続して矢印A方向に搬送される。このと
き、スラット2裏側のピックアップコイル7と誘導路6
との電磁誘導により起電力が生じ、次いで、これはスラ
ット2上の高電圧発生装置8(高電圧発生器15)によ
り所要の高電圧電流に変換され、そしてコントローラ1
4の制御に基づいて高電圧ケーブル16および電極アタ
ッチメント5を介して自動車ボディ20に印加される。
この高電圧の印加により、接地された塗装機より、水性
塗料が自動車ボディ20に向けて霧化・噴霧され、これ
により水性塗料の静電塗装が各自動車ボディ20ごとに
行なわれる。
【0034】その上、本塗装システムでは、高電圧ケー
ブル16がスラット2上から直接電極アタッチメント5
に接続されていないので、塗装時、沈降してきた塗料ミ
ストおよび塵埃が高電圧ケーブル16の外表面に付着す
ることが少なく、よって、それらの付着によるスパーク
の発生を有効に防止することができた。
ブル16がスラット2上から直接電極アタッチメント5
に接続されていないので、塗装時、沈降してきた塗料ミ
ストおよび塵埃が高電圧ケーブル16の外表面に付着す
ることが少なく、よって、それらの付着によるスパーク
の発生を有効に防止することができた。
【0035】またスラットコンベヤ1の走行時、付着物
の除去のために適時、洗浄器30より、加圧水(または
加圧エア)がスラット表面上の絶縁碍子4a、4bに向
けて噴射されるが、本塗装システムでは、高電圧ケーブ
ル16が絶縁碍子4aの内部に配設されているので、加
圧水等の噴射、即ちスラット2表面の洗浄を問題なく行
なうことができた。
の除去のために適時、洗浄器30より、加圧水(または
加圧エア)がスラット表面上の絶縁碍子4a、4bに向
けて噴射されるが、本塗装システムでは、高電圧ケーブ
ル16が絶縁碍子4aの内部に配設されているので、加
圧水等の噴射、即ちスラット2表面の洗浄を問題なく行
なうことができた。
【0036】さらに、高電圧ケーブル16が絶縁碍子4
a内にてモールド充填され、その外表面がブース内雰囲
気に露出していないため、本塗装システムの運転時、塗
装ブースの内部が大変高い湿度の環境となっても、高電
圧ケーブル16の、特に電極アタッチメント5寄りの外
表面に水分付着(結露)が生じないので、電極アタッチ
メント5からコンベヤ1のスラット2へのリーク電流の
発生が減少する。
a内にてモールド充填され、その外表面がブース内雰囲
気に露出していないため、本塗装システムの運転時、塗
装ブースの内部が大変高い湿度の環境となっても、高電
圧ケーブル16の、特に電極アタッチメント5寄りの外
表面に水分付着(結露)が生じないので、電極アタッチ
メント5からコンベヤ1のスラット2へのリーク電流の
発生が減少する。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高電圧の印加によるスパークの発生が無く、かつ設備の
複雑大型化等を招かずに、また、高電圧印加領域の出入
口での煩雑な電圧昇降制御をなすこともなく、確実に、
被塗装物への高電圧の印加により水性塗料で静電塗装を
なすことができるところの新規な塗装システムが提供さ
れる。
高電圧の印加によるスパークの発生が無く、かつ設備の
複雑大型化等を招かずに、また、高電圧印加領域の出入
口での煩雑な電圧昇降制御をなすこともなく、確実に、
被塗装物への高電圧の印加により水性塗料で静電塗装を
なすことができるところの新規な塗装システムが提供さ
れる。
【0038】その上、本発明によれば、塗料ミスト等の
高電圧ケーブルへの付着を軽減してスパーク発生を有効
に防止することができ、かつ、スラットコンベヤの表面
に向けての噴射洗浄を問題なく行なうことができるとい
う効果もまた得られる。
高電圧ケーブルへの付着を軽減してスパーク発生を有効
に防止することができ、かつ、スラットコンベヤの表面
に向けての噴射洗浄を問題なく行なうことができるとい
う効果もまた得られる。
【図1】本発明の実施例のワーク加電塗装システムの要
部を示す正面図である。
部を示す正面図である。
【図2】実施例のワーク加電塗装システムの要部を示す
平面図である。
平面図である。
【図3】図1、図2に示すワーク加電塗装システムの要
部を側方より見た図である。
部を側方より見た図である。
【図4】実施例のワーク加電塗装システムの全体を示す
図である。
図である。
【図5】図4に示すワーク加電塗装システムの全体を上
方より見た図である。
方より見た図である。
1 スラットコンベヤ 2 スラット 3 スラット列 4a 4b 絶縁碍子 5 電極アタッチメント 6 誘導路 7 ピックアップコイル 8 高電圧発生装置 10 塗装ブース 11 端子台 12 受電ボックス 13 インバータ 14 コントローラ 15 高電圧発生器 16 高電圧ケーブル 17 出力端子 20 自動車ボディ(被塗装物) 21 台車 22 塗装ロボット 23 サイドレシプロ塗装装置 24 トップレシプロ塗装装置 28 貫通孔 A 搬送方向
Claims (2)
- 【請求項1】 高電圧を被塗装物に印加することによ
り、水性塗料で静電塗装を行なうワーク加電塗装システ
ムにおいて、 塗装ブース内に実質的に水平に設置された無端状スラッ
トコンベヤと、 塗装ブース内に該コンベヤの近くに配置された、接地さ
れた塗装機と、 前記コンベヤのスラット表面上に絶縁碍子を立設しかつ
その上に電極アタッチメントを取付けて成り、被塗装物
またはその台車を被塗装物への通電可能に搭載できる支
持手段と、 前記コンベヤの上下のスラット列の間に、搬送方向に沿
って所定の長さで形成された誘導路と、 前記コンベヤのスラット裏面上に、該誘導路と非接触で
対向するように取付けられたピックアップコイルと、 前記コンベヤのスラット上に組み付けた変電ユニット、
コントローラおよび高電圧発生器より成る、前記誘導路
とピックアップコイルの電磁誘導により生じた電流を所
要の高電圧電流に変換する高電圧発生装置とを備えて成
り、 該発生装置の高電圧発生器からの出力ケーブルを前記絶
縁碍子の内部を通って前記電極アタッチメントに接続し
て成ることを特徴とする、ワーク加電塗装システム。 - 【請求項2】 前記高電圧発生装置、特にコントローラ
および変電ユニットは、防爆ケーシングの中に収容され
ていることを特徴とする、請求項1記載のワーク加電塗
装システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6180995A JPH08229449A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ワーク加電塗装システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6180995A JPH08229449A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ワーク加電塗装システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08229449A true JPH08229449A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=13181796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6180995A Pending JPH08229449A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ワーク加電塗装システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08229449A (ja) |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP6180995A patent/JPH08229449A/ja active Pending
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