JPH08229453A - ワーク加電塗装システム - Google Patents

ワーク加電塗装システム

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JPH08229453A
JPH08229453A JP6344095A JP6344095A JPH08229453A JP H08229453 A JPH08229453 A JP H08229453A JP 6344095 A JP6344095 A JP 6344095A JP 6344095 A JP6344095 A JP 6344095A JP H08229453 A JPH08229453 A JP H08229453A
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JP
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high voltage
slat
conveyor
coating
circuit
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JP6344095A
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English (en)
Inventor
Tokuyuki Achinami
徳幸 阿知波
Shinichi Nakane
慎一 中根
Shigeki Fujiwara
茂樹 藤原
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Trinity Industrial Corp
Original Assignee
Trinity Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】スラットコンベヤ1と塗装機を塗装ブース10内
に配置し、絶縁碍子4a、4bおよび電極アタッチメント5
をスラット表面上に立設し、ピックアップコイル7をス
ラット裏面上に誘導路6と非接触で対向するように取付
け、高電圧発生装置8をスラット2上に組み付けたワー
ク加電塗装システムであって、接地スイッチ17を高電圧
発生器15と組合せて設けるとともに、コントローラ14に
印加電圧・電流モニター回路41と、回路41で検知された
異常電流信号に基づいて接地スイッチをオン動作させる
短絡制御回路42とを組み込ませて成る、塗装システム。 【効果】被塗装物への高電圧印加により静電塗装をなす
ことができ、かつ塗装ブース外の自動制御装置18とコン
ベヤ上のコントローラ14との無線通信により高電圧印加
制御を為す場合にあっても、接地スイッチ17の制御は、
制御装置18からの信号を待たずに、より迅速なオン動作
が可能となり高い安全性が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接地された塗装機、塗
装ロボット等を用い、高電圧を被塗装物に印加すること
により、水性塗料で静電塗装を行なうところの全く新規
な塗装システム(本発明者はこれをワーク加電塗装シス
テムと呼称する。)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ボディ等の静電塗装は、一
般に、−60〜−150kVの高電圧を静電塗装機に印
加することにより、絶縁性塗料を接地された被塗装物に
向けて霧化・噴霧するという方法により行なわれてき
た。
【0003】しかし、この塗装法に使用される絶縁性塗
料には、シンナー等の有害な有機溶剤が多く含まれてい
る。近年、環境保護の運動が世界的に高まり、産業界に
おける有機溶剤の使用の規制が叫ばれてきており、これ
に呼応して塗装業界においては、有機溶剤を少ししか含
まない塗料、即ち水性塗料(水溶性塗料および狭義の水
性塗料)で以て静電塗装を行なうことが推奨されてい
る。
【0004】しかしながら、水性塗料は導電性を有する
ため、これを静電塗装機より霧化・噴霧する場合には、
その塗装機に印加した高電圧電流が塗料を通じてリーク
しないように、塗料の供給系全体を絶縁処理する必要が
ある。現在、自動車ボディの塗装設備にあっては、通
常、数十色の塗料を使用して多色色替え塗装が為されて
いるので、各色ごとに塗料配管および塗料タンク等をそ
れぞれ絶縁処理することは、非常に煩雑な作業であり、
また、かかる絶縁処理は、防爆チャンバ等の付設をも伴
うので、塗装設備の大変な複雑化および大型化を招くこ
とになる。
【0005】そこで、従来、塗料配管系に絶縁処理を施
すことなく、導電性塗料を用いて静電塗装を行なうこと
ができるいくつかの塗装システムが提案されている(実
開平3-105948 号公報、実開平 4-16796号公報等 参
照)。この塗装システムは、一般に、電極アタッチメン
トをコンベヤ装置の台車の上に絶縁碍子を介して取付け
るとともに、高電圧電流が供給される集電レールをコン
ベヤ装置の近くに台車の搬送方向に沿って設け、コンベ
ヤ装置の運転により、自動車ボディ等の被塗装物を電極
アタッチメントの上に載せて台車を搬送するとき、電極
アタッチメントの接触子が集電レールに摺接して、高電
圧が被塗装物に印加されることにより、塗装機等より、
水性塗料が被塗装物に向けて霧化・噴霧するという構成
のシステムである。
【0006】しかし、上記の塗装システムは、接触子と
集電レールの接触により生じたスパークの熱により、こ
れらの表面が徐々に融けていき、やがて凹凸が形成され
るので、接触子および集電レールは頻繁に交換する必要
があり、また、集電レールには塗料が付着しやすく、頻
繁に洗浄処理をなす必要があるという欠点を有する。こ
の欠点を解消するための提案(特開平 4-61944号公報)
も、為されているが、未だ十分ではない。
【0007】また、被塗装物を高電圧印加領域の入口に
移送されてきたとき、被塗装物を通常のコンベヤから絶
縁コンベヤに乗せ換え、次いで、高電圧を被塗装物に印
加して静電塗装を行ない、その後、高電圧印加領域の出
口において被塗装物を絶縁コンベヤから通常のコンベヤ
に乗せ換えるという方法も、従来提案されている(特開
平 3-224651 号公報、同 4-225857 号公報等)。しか
し、この方法では、コンベヤから他のコンベヤヘの乗り
換えの際のスパークの発生を防止するために、高電圧印
加領域の出入口にそれぞれ電圧の昇降制御のためのゾー
ンを設けることが必要とされ、塗装設備が大掛かりなも
のとなる。また、その電圧昇降制御も一般に面倒であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の基本
的な技術的課題は、スパークの発生および設備の大型化
等の、上述した諸欠点が生じず、かつ、確実に、被塗装
物への高電圧の印加により水性塗料で静電塗装をなすこ
とができる全く新規な塗装システムを提供することにあ
る。
【0009】本発明者は、研究を重ね、その結果、この
課題を解決することができる新規な塗装システム、即ち
ワーク加電塗装システムを提案できる段階に至った。そ
の塗装システムは、電磁誘導の一次回路となる誘導路を
コンベヤ装置の搬送方向に設置するとともに、電磁誘導
の二次回路となるピックアップコイルを該誘導路と非接
触で対向するようにコンベヤ装置の走行部材(例えばス
ラット)に取付け、また、該走行部材の上に、電極アタ
ッチメントを絶縁状態で取付け、さらに高電圧発生器を
も走行部材上に備え付けて成り、誘導路とピックアップ
コイルの電磁誘導により生じた起電力を昇圧して所要の
高電圧電流を被塗装物が搭載された電極アタッチメント
に供給し高電圧印加を為すというものである。
【0010】ここで、上記の塗装システムの制御方法を
検討すると、該システムの稼働時、作業者が実際に塗装
ブース内に立ち入って監視または制御操作を為すことは
極力避けられなければならない。作業者の立入りにより
塗装ブース内部を流れる清澄空気の整流が乱れ、塗装不
良をひき起こす場合があるからであり、また、より重要
な理由として、稼働時、塗装ブースの内部は高電圧が頻
繁に印加されている環境にあり、作業者にとって大変危
険だからである。上記システムの制御対象のうち、塗装
機の操作、コンベヤの運転および誘導路への給電等につ
いては、制御用の電線・ケーブルを塗装機等より、塗装
ブースの側壁または下側空間を通って塗装ブース外の制
御装置に配線することにより、ブース外からの自動制御
が可能である。しかし、個々の被塗装物への高電圧印加
に関する制御については、コンベヤの運転時、コンベヤ
上のいくつかの高電圧発生器が同時に走行しているの
で、上記のような有線方式の制御法を採用することが難
しい。
【0011】そこで、本発明者は、この要求を満たす有
利な方法として、送受信機をコンベヤの走行部材上に取
付けて高電圧発生器の制御系統と接続するとともに、他
の送受信機を塗装ブース外に配置された自動制御装置と
接続して備え、これら送受信機を経由してコンベヤ上の
高電圧発生器の制御系統と塗装ブース外の自動制御装置
との間で双方向無線通信することにより、高電圧印加に
関する自動制御を可能にする方法を案出した。従って、
この方法によれば、塗装ブース外の自動制御装置から制
御信号をコンベヤ上の高電圧発生器に無線送信すること
により、被塗装物への高電圧の印加オン・オフを制御す
ることができ、また同時に、コンベヤ上の高電圧発生器
から印加電圧・電流のモニター信号等を塗装ブース外の
自動制御装置に無線送信することにより、高電圧の印加
具合などを監視することができる。つまり、作業者は塗
装ブースの外から、被塗装物への高電圧印加に関する監
視と制御を為すことができる。
【0012】しかしながら、異常に高い電圧の放電を防
止し火災の発生を抑えるという観点から、本塗装システ
ムでは、さらに、高電圧印加に関する制御のうち、とり
わけ異常事態の発生に対する措置については、自動制御
の迅速性を考慮する必要がある。一般に、本塗装システ
ムのような高電圧印加設備では、異常な電流が流れたと
き、直ちに印加電圧を降下せしめるために、接地スイッ
チが装備される。しかし、無線送受信で高電圧印加の制
御をなす上記の塗装システムの場合、もしコンベヤ上で
異常な電流が流れたときにも、そのモニター信号をコン
ベヤ上の送信機より無線送信し、受信機がこれを受信し
て自動制御装置に送り、そして自動制御装置はその信号
に基づいて接地スイッチのオン動作を指示する制御信号
を送信機に送り、さらにコンベヤ上の受信機がその制御
信号を受信して接地スイッチに送るというルートを経
て、はじめて接地スイッチのオン動作がなされる。すな
わち、異常な電流の検知から接地スイッチのオン動作ま
でに相対的に長い時間がかかり、迅速な措置を取ること
ができない。従って、リーク電流の発生等、異常な事態
が起きたときには、無線通信を経由せずとも、接地スイ
ッチをオン動作せしめることができる他の制御手段また
は方法を設けることが必要とされる。
【0013】本発明は、かかる事情の下なされたもので
あり、塗装ブース外の自動制御装置とコンベヤ上の制御
系統との間の無線通信により高電圧印加に関する自動制
御をなす塗装システムであって、さらに、接地スイッチ
の動作制御については、ブース外の自動制御装置からの
制御信号を待たずとも、より迅速なオン動作が可能なよ
うに改良されたワーク加電塗装システムを提供すること
を別の技術的課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】より明確には、本発明
は、高電圧を被塗装物に印加することにより、水性塗料
で静電塗装を行なうワーク加電塗装システムにおいて、
塗装ブース内に実質的に水平に設置された無端状スラッ
トコンベヤと、塗装ブース内に該コンベヤの近くに配置
された、接地された塗装機と、前記コンベヤのスラット
表面上に絶縁碍子を立設しかつその上に電極アタッチメ
ントを取付けて成り、被塗装物またはその台車を被塗装
物への通電可能に搭載できる支持手段と、前記コンベヤ
の上下のスラット列の間に、搬送方向に沿って所定の長
さで形成された誘導路と、前記コンベヤのスラット裏面
上に該誘導路と非接触で対向するように取付けられたピ
ックアップコイルと、前記コンベヤのスラット上に組み
付けた高電圧発生器等より成る、前記誘導路とピックア
ップコイルの電磁誘導により生じた起電力を所要の高電
圧電流に変換し、これをコントローラの動作に基づいて
前記電極アタッチメントに供給する高電圧発生装置とを
備えて成り、さらに印加電圧降下のための接地スイッチ
を前記高電圧発生器と組み合わせて設けるとともに、前
記コントローラに、電流モニター回路と、該回路で検知
された異常電流信号に基づいて前記接地スイッチをオン
動作させる短絡制御回路とを組み込ませて成ることを特
徴とする、ワーク加電塗装システムに関する。
【0015】以下、本発明の塗装システムに使用される
各要素を順次説明する。無端状スラットコンベヤは、被
塗装物を搬送するためのコンベヤであって、塗装ブース
内に実質的に水平に設置される。その構成は、並行する
2条(あるいは3条以上)のエンドレスチェーン、その
各チェーンの両端が巻き掛けられたスプロケット、およ
び、チェーン間に各々張設された多数のスラットより成
る、一般的なスラットコンベヤ構造でよい。なお、より
好ましい態様としては、スラットコンベヤの下側には、
加圧水(または加圧エア)の噴射器が付設され、スラッ
ト上の絶縁碍子に向けての加圧水等の噴射によりそれら
の洗浄が可能であるところの構成が採用される。また、
スラットとしては、通常、めくら板のスラットが用いら
れるが、絶縁碍子、高電圧発生装置の各部品、並びに無
線送受信機などを支持することができるものであれば、
スラットの一部もしくは全体を、多孔板、格子板または
パンチングメタル板と類似した構造に仕上げてもよく、
また、スラットの一部を切り欠いてもよい。塗装機は、
塗装ブース内にスラットコンベヤの近くに適宜配置さ
れ、接地された状態に保たれる。この塗装機には、トッ
プレシプロ塗装装置、サイドレシプロ塗装装置および塗
装ロボット等に組み込まれたものが含まれる。本発明で
使用される塗装機は、塗料として、水性塗料または水溶
性塗料を利用するものであり、塗装機自体が接地された
状態で使用される。塗装機としては、静電塗装機および
非静電の塗装機のいずれも使用することができる。
【0016】支持手段は、自動車ボディ等の被塗装物
(またはそれを乗せた台車)を載せて支持するととも
に、それらを被塗装物への通電が可能なように搭載する
ことができる手段であり、絶縁碍子と電極アタッチメン
トからなる。絶縁碍子は、例えば柱形状を成し、スラッ
トコンベヤのスラット表面上に、自動車ボディの場合に
は通常前後に1本ずつまたは2本ずつ、立設される。電
極アタッチメントは、絶縁碍子の上に取り付けられた導
電性(金属製)の治具であり、自動車ボディ等の被塗装
物が搭載されたとき、それへの通電が可能となるように
構成されている。よって、電極アタッチメントは絶縁状
態でスラットコンベヤ上に備え付けられているので、こ
れに高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤの表
面へリークしない。また、1つの被塗装物に対応する絶
縁碍子と電極アタッチメントの組は、被塗装物の長さや
スラットコンベヤの全長等に応じて、適当な数だけスラ
ットコンベヤのスラット表面上に備えられる。
【0017】誘導路は、電磁誘導の一次回路となるもの
で、スラットコンベヤの上下のスラット列の間に、搬送
方向に沿って所定の長さで形成される。誘導路として
は、例えば、適当数の支柱を間隔を置いて配置し、そし
てそれらの支柱の上に多芯ケーブルを搬送方向に沿って
(通常、2本並行に)支持架設した構成のものでよく、
電磁誘導によりピックアップコイルに、高電圧発生装置
の一次電源として必要な起電力が生じる程度の低電力
(自動車ボディの塗装の場合には、例えば単相交流300V
〜 600V 、10kHz )が給電源より供給される構成のも
のであればいずれでもよい。従って、誘導路と塗装機と
の間に強い静電場が形成されないので、しかもそれら両
者の間にスラットが介在しているので、塗装機からの塗
料ミストは誘導路に静電塗着されないと考えられる。
【0018】ピックアップコイルは、電磁誘導の二次回
路となるもので、スラットコンベヤのスラット裏面上に
例えば上記の前後の絶縁碍子の間の位置に、そして前記
誘導路と非接触で対向するように、取付けられる。従っ
て、ピックアップコイルはスラットコンベヤの運転によ
りスラットとともに走行し、またこのとき、誘導路との
間で電磁誘導により起電力(自動車ボディの塗装の場合
には、例えば単相交流50V〜 100V 、10kHz )を生じ、
この電流を高電圧発生装置に出力するものである。本シ
ステムでは、誘導路とピックアップコイルが非接触で対
向する構造であるので、電磁誘導により生じた起電力
を、ピックアップコイルが誘導路と対向して走行してい
る間、常に安定して高電圧発生装置に供給することがで
きる。従って、従来なされた高電圧印加領域の出入口ゾ
ーンにおける電圧の昇降制御をなすことなく、高電圧発
生装置のオンオフ操作によって、被塗装物への高電圧の
印加およびその停止を自動的に行なうことができる。
【0019】高電圧発生装置は、前記誘導路とピックア
ップコイルの電磁誘導により生じた起電力を一次電源と
し、これを昇圧して所要の高電圧電流に変換し、そして
これを上記の電極アタッチメントに供給する装置であっ
て、スラットコンベヤのスラット表面上にまたはスラッ
ト裏面上に組み付けられる。この発生装置は一般に、変
電ユニット、コントローラおよび高電圧発生器より構成
される。また通常、いくつかの組の高電圧発生装置が一
のスラットコンベヤ上に組み付けられ、これにより、同
時に連続した静電塗装が可能なように構成される。
【0020】変電ユニットは、ピックアップコイルから
の起電力電流をコントローラへの一次電源に適合する電
流(普通、60Hzまたは50Hzの低周波電流)に調整する装
置であり、例えば、ピックアップコイルからの起電力電
流を集める端子台、および、交流・直流変換を行なう受
電ボックス並びにインバータ等より構成される。
【0021】コントローラは、変電ユニットと高電圧発
生器の間に接続された、高電圧印加のオン・オフ制御等
を行なう制御装置であって、所定の制御電圧信号(例え
ば、12Vまたは 24V直流信号)を高電圧発生器に送ると
ともに、印加される高電圧の電圧・電流値、並びにリー
ク電流の発生等のモニターを行なう。したがって、コン
トローラは、高電圧印加のオン・オフ制御回路および電
流モニター回路を組み込んで成る。さらに特徴的なこと
には、本発明のコントローラは、電流モニター回路と下
記の接地スイッチとに各々接続される短絡制御回路を組
み込んでおり、この短絡制御回路は、電流モニター回路
で検知された異常電流信号に基づいて、接地スイッチ・
オンを指示する制御信号を接地スイッチに送り、該スイ
ッチを動作せしめるようになっている。ここでの電流モ
ニター回路は、高電圧発生器の倍電圧整流回路に流れる
電流をモニターする回路であり、通常、高電圧発生器の
アース側に流れ込む電流をモニターする構成が採られ
る。電流モニター回路は、さらに、印加電圧をもモニタ
ーすることができるものであってもよい。
【0022】高電圧発生器は、高周波パルス発振器、変
圧器および倍電圧整流回路(コッククロフト回路)等を
含み、コントローラからの制御電圧信号を受けて所要の
高電圧電流(自動車ボディ等の塗装の場合には、例え
ば、 -60 kV 〜 -150 kV(あるいは +60 kV 〜 +150 k
V)、 400μA )を発生させる装置である。なお、自動
車ボディ等の被塗装物に正の高電圧を印加するかまたは
負の高電圧を印加するかについては、被塗装物の形状、
塗装装置等の設置状況などに応じて適宜選択することが
できる。
【0023】上述の高電圧発生装置は、高電圧の発生源
であることから、これに適当な防爆措置を施すことがよ
り好ましい。したがって、本発明のより好ましい態様の
ワーク加電塗装システムは、高電圧発生装置、特に、コ
ントローラおよび変電ユニット(インバータ等)が防爆
ケーシングの中に収容されているところの構成のもので
ある。また、好ましくは、高電圧発生器からの出力ケー
ブルは、前記絶縁碍子の内部を通って電極アタッチメン
トに接続される。例えば、高電圧発生装置がスラット表
面上に組付けられている場合には、高電圧発生器の出力
端子より導かれる高電圧ケーブルは、スラットの表面側
から、例えばスラットを貫通して、スラットの裏面側に
延び、そして上下のスラット列間の空間を通って絶縁碍
子の直下方の位置まで延び、その後再びスラットを貫通
して絶縁碍子の内部に進入し、その内部を通って、碍子
上側の電極アタッチメントに接続される。
【0024】さらに、本塗装システムは、印加電圧降下
のための接地スイッチを、上記の高電圧発生器と組み合
わせて設けて成る。接地スイッチは、電極アタッチメン
トからスラット上へのリーク電流が増大した場合または
接地された塗装機等が高電圧の印加されている被塗装物
に異常に接近した場合等により異常な電流が生じている
とき、あるいは何らかの原因で所要の高電圧が印加され
ないときにおいて、高電圧発生器の回路を短絡させて印
加電圧を接地電圧にまで降下せしめる装置であって、シ
ステムの安全確保のために、通常、高電圧発生器と併設
される。接地スイッチとしては、ソレノイド等よりなる
機械式接地スイッチ、または最近の電子スイッチ、ある
いはこれらの組合せが使用される。また、本発明で用い
る接地スイッチは、高電圧遮断スイッチと呼称されるこ
ともある。
【0025】また、本塗装システムは、通常、塗装ブー
ス外に、コンピュータ内蔵の自動制御装置を配備してな
る。この自動制御装置は、一般に、塗装ブース内のいく
つかの(トップ、サイド)レシプロ塗装装置並びに塗装
ロボットの運転、これらに組み込まれたベル型等の各塗
装機の塗装操作、スラットコンベヤの運転、および、誘
導路への給電などに関する自動制御を行なう。これらの
制御用電線・ケーブルは塗装装置等より、塗装ブースの
側壁またはその下側の空間を通り抜けて自動制御装置に
接続される。
【0026】また、スラットとともに走行する高電圧発
生装置の運転制御については、有線方式を採用しずらい
ので、より有利な手段としては、無線送受信機をスラッ
トコンベヤのスラット上に取付けて高電圧発生装置のコ
ントローラと接続するとともに、他の無線送受信機を塗
装ブース外の自動制御装置と接続して備え、これら2種
の無線送受信機を経由してスラット上のコントローラと
塗装ブース外の自動制御装置との間で双方向通信が可能
なように構成される。かかる構成により、塗装ブース外
の自動制御装置からは、所定の高電圧の印加オン・オフ
信号等の制御信号が送信機を介して無線送信され、そし
てコンベヤ上の受信機を介してコントローラがこの制御
信号を受信し、高電圧印加のオンオフ制御回路の働きに
従ってその制御が為され、一方、反対に、スラットコン
ベヤ上のコントローラからは、コントローラの電流モニ
ター回路の働きに従って得られた実際に印加されている
電圧値・電流値等のモニター信号がコンベヤ上の送信機
を介して無線送信され、自動制御装置がこれらのモニタ
ー信号を受信機を介して受信することにより、高電圧印
加に関する自動制御がなされ得る。したがって、この塗
装システムでは、接地スイッチの動作についても、双方
向無線通信によりその制御を為すことができる。すなわ
ち、リーク電流の発生等が電流モニター回路により検知
され、そのとき、該モニター回路は異常電流信号を無線
で自動制御装置に送り、自動制御装置はその信号に基づ
いて接地スイッチのオンを指示する制御信号を無線でコ
ントローラに送り、よってコントローラが接地スイッチ
をオン動作せしめるという制御を為すことができる。
【0027】かかる制御に用いる無線送受信機として
は、一の装置で同時に(デジタルまたはアナログ)送受
信可能な無線機でもよいが、送信専用の無線機と受信専
用の無線機とを組み合わせて利用してもよい。また、通
信手段としては、電波(周波数3000GHz以下、よ
り好ましくは30kHz〜30MHzの電磁波)通信の
ほか、マイクロ波通信、光通信(例えば可視光線もしく
は赤外線を用いたもの)または音波通信(例えば超音波
を用いたもの)でもよい。光通信は、電波通信と比べ
て、電磁波障害をあまり受けない点で、また防爆構造が
より容易である点で有利であり、より好ましい。電波通
信の場合には、アンテナおよび無線通信用電気回路を備
えた一般的な無線機が利用され、マイクロ波通信の場合
には、送受信回路に導波管または空胴共振器を備えた無
線機が利用され、さらに光通信の場合には、発光器(ビ
ーム発射器)および受光器(ビーム受光器)の組合せを
備えた無線機が利用される。
【0028】
【作用】本発明では、自動車ボディ等の被塗装物をスラ
ット上の電極アタッチメントに搭載し、スラットコンベ
ヤを運転させると、スラットの走行とともに、被塗装物
が搬送され、このとき、ピックアップコイルと誘導路と
の間で電磁誘導により生じた起電力がスラット上の高電
圧発生装置により所要の高電圧電流に変換され、そし
て、コントローラの制御に基づいて高電圧を電極アタッ
チメントを介して被塗装物に適時印加される。この高電
圧印加により、接地された塗装機より、水性塗料が被塗
装物に向けて霧化・噴霧される。従って、水性塗料を用
いた、被塗装物への高電圧印加による静電塗装が可能で
ある。
【0029】また本発明では、リーク電流の発生等、異
常な事態が起きたとき、コントローラ内の電流モニター
回路がそれを検知し、そのモニター信号を短絡制御回路
に送り、短絡制御回路はこれを受けて接地スイッチのオ
ン動作を指示する制御信号を接地スイッチに送り、これ
により、接地スイッチがオン動作して短絡する。従っ
て、異常事態の発生に対する措置として、双方向無線通
信により高電圧印加に関する自動制御をなす構成の塗装
システムにあっても、塗装ブース外の自動制御装置から
のより遅い制御信号を待つことなく、より迅速に、印加
電圧の強制的降下を為すことができ、制御の迅速性が確
保される。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1ないし図5は、本実施例のワーク加電塗装シス
テムを示す。図1ないし図3は該ワーク加電塗装システ
ムの特徴的な部分を示し、図4および図5は該塗装シス
テム全体を示す。また、図6は、本実施例の塗装システ
ムにおける制御方法を説明する図である。
【0031】本ワーク加電塗装システムは、自動車ボデ
ィの静電塗装システムであり、図4および図5に示すよ
うに、塗装ブース10内に、自動車ボディ搬送用の無端
状スラットコンベヤ1を実質的に水平に設置するととも
に、該コンベヤ1の近くにその搬送方向(図中、矢印A
の方向)に沿って、塗装ロボット22、サイドレシプロ
塗装装置23およびトップレシプロ塗装装置24を配備
して成る。これらの塗装装置は各々、ベル型等の塗装機
(図示せず)を組み込んでおり、各塗装機は接地された
状態に保たれている。いずれの塗装機も、塗料として、
水性塗料または水溶性塗料を利用するものである。な
お、これらの図中、26は自動車ボディを塗装ブース内
に搬入するためのターンテーブルを示す。
【0032】スラットコンベヤ1は、並行する2条のエ
ンドレスチェーン27、27の両端をそれぞれスプロケ
ット25、25に巻き掛け、2条の該チェーン27、2
7の間に多数のスラット2・・を張設してなり、従っ
て、上下にスラット列3、3が形成されている。なお、
スラットコンベヤ1の下側には、洗浄器30が付設され
ており、これより、加圧水(または加圧エア)をスラッ
ト2の表面(外側の面)に向けて、特に下記の絶縁碍子
4a、4bに向けて噴射することができるようになって
いる。
【0033】また、スラットコンベヤ1のスラット2の
表面上には、支持手段として、絶縁碍子4a、4bが立
設され、かつ、その上には、電極アタッチメント5が夫
々取付けられている。これらの部材は、自動車ボディ2
0の乗った台車21を載せて支持することができ、かつ
その際、電極アタッチメント5から自動車ボディ20へ
の通電を可能にする手段である。絶縁碍子4a、4bと
電極アタッチメント5の組は、塗装対象の自動車ボディ
20ごとにそれぞれ対応するように、適当な数備えられ
る。図1ないし図3に詳細に示すように、絶縁碍子4
a、4bは、柱形状を成し、スラットコンベヤ1のスラ
ット2・・の表面上に、前後に2本ずつ、適当な間隔を
開けて立設されている。また、電極アタッチメント5
は、絶縁碍子4a、4bの上に取り付けられた電極部材
(金属製)であり、自動車ボディ20の乗った台車21
がその上に搭載されたとき、それへの通電が可能となっ
ている。従って、電極アタッチメント5は絶縁状態でス
ラットコンベヤ1上に備え付けられているので、これに
高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤ1表面へ
リークしない構造となっている。
【0034】また、図4および図5に示すように、スラ
ットコンベヤ1の上下のスラット列3、3の間には、電
磁誘導の一次回路となる誘導路6が、搬送方向に沿って
所定の長さで形成されている。この誘導路6には、給電
源より、高周波用複合多芯ケーブルを介して、例えば単
相交流 600V 、10kHz という低い電力(高電圧発生装置
の一次電源として必要な起電力が電磁誘導によりピック
アップコイルに生じる程度の電力)が供給される。従っ
て、誘導路6と塗装機との間に、強い静電場が形成され
ずしかもスラット2・・で遮蔽されているので、塗料ミ
ストは誘導路6に静電塗着されにくい構成となってい
る。
【0035】またスラットコンベヤ1のスラット2裏面
上には、図3に明確に示すように、電磁誘導の二次回路
となるピックアップコイル7が、誘導路6と非接触で対
向するように取付けられている。ピックアップコイル7
は、図1および図2に示すように、前2本の絶縁碍子4
a、4aと後2本の絶縁碍子4b,4bの間に、後の碍
子4b寄りの位置に、前後に並んで2個、設けられてい
る。従って、ピックアップコイル7,7は、スラットコ
ンベヤ1の運転によりスラット2とともに走行するが、
このとき、誘導路6と非接触で対向しているので、電磁
誘導による例えば単相交流 100V 、10kHz という起電力
電流を生じ、これを下記の高電圧発生装置8に出力する
ことができる。
【0036】本塗装システムでは、電磁誘導の一次回路
と二次回路が非接触で対向する構造であるので、生じた
起電力は、ピックアップコイル7が誘導路6と対向して
走行している間、常に安定して出力され、従って、高電
圧発生装置8のオンオフ操作により、自動車ボディ20
への高電圧の印加およびその停止を自動的に行なうこと
ができる。
【0037】また、スラットコンベヤ1のスラット2表
面上には、高電圧発生装置8が組み付けられている。図
5中、9は、この発生装置の取付範囲を示す。高電圧発
生装置8は、図1および図2に明確に示すように、変電
ユニットとして端子台11、受電ボックス12並びにイ
ンバータ13を備え、さらに、コントローラ14および
高電圧発生器15を備えて成る。かかる構成の発生装置
8は、スラットコンベヤ1上にいくつか組み付けられて
おり、同時に連続した静電塗装が可能となっている。
【0038】端子台11は、2個のピックアップコイル
7、7と接続され、これらからの起電力を集める部品で
ある。受電ボックス12は、端子台11と接続され、集
められた起電力(交流)を直流に変換する部品であり、
さらに、インバータ13は、受電ボックス12と接続さ
れ、変換された直流電流を再び交流に変換しかつ変調す
る部品である。こうして、ピックアップコイル7、7か
らの起電力電流は、例えば 60 Hzの低周波電流という、
コントローラ14への一次電源に適合する電流に調整さ
れる。
【0039】コントローラ14は、インバータ13と高
電圧発生器15の間に接続された高電圧印加のオン・オ
フ制御等のための制御装置であって、所定の制御信号
(例えば 12 V または 24 V 直流信号)を高電圧発生器
15に送るとともに、印加されている高電圧値・電流値
およびリーク電流値等のモニターを行なう。より詳しく
説明すると、コントローラ14は図6に示すように、高
電圧印加オンオフ制御回路40、印加電圧・電流モニタ
ー回路41および短絡制御回路42等を有する。高電圧
印加オンオフ制御回路40および短絡制御回路42はそ
れぞれ下記の無線受信機31と接続され、一方、印加電
圧・電流モニター回路41は下記の無線送信機30と接
続されている。
【0040】また、高電圧発生器15は、上記の電極ア
タッチメント5と接続された、高周波パルス発振器、変
圧器および倍電圧整流回路等を含む装置であって、コン
トローラ14の高電圧印加オンオフ制御回路40からの
制御信号を受けて、自動車ボディ20の塗装に必要とさ
れる -60 kV 〜 -150 kV(あるいは +60 kV 〜 +150k
V)、例えば 400μA という高電圧電流を発生させ、そ
してこれを電極アタッチメント5に出力する。
【0041】従って、高電圧発生装置8は、誘導路6と
ピックアップコイル7の電磁誘導により生じた起電力
を、所要の高電圧電流( -90 kV (あるいは +90 kV
)、400μA )に昇圧し、これをコントローラ14の制
御に基づいて電極アタッチメント5に供給する。なお、
上記に説明した受電ボックス12、インバータ13およ
びコントローラ14は、高電圧の発生源に対する防爆措
置として、総て防爆ケーシングの中に収容されている。
【0042】また、本塗装システムは、図1および図2
に示すように、接地スイッチ17を高電圧発生器15と
組み合わせて設けて成る。この接地スイッチ17は、ソ
レノイド等を含む機械式接地スイッチと電子スイッチの
組合せより成り、コントローラ14の短絡制御回路42
からの制御信号bを受けてオン動作し、高電圧発生器1
5の回路を短絡し印加電圧を接地電圧にまで降下せしめ
る。
【0043】なお、本塗装システムでは、図1に示すよ
うに、高電圧発生器15の出力端子より導かれた高電圧
ケーブル16は、スラット2の表面側から、スラット2
を貫通してスラット2の裏面側に延び、さらに絶縁碍子
4aの直下方の位置まで延設され、その後再びスラット
2を貫通し絶縁碍子4aの内部を通って碍子4a上側の
電極アタッチメント5に接続されている。ケーブル16
は絶縁碍子4aの内部にて絶縁性樹脂でモールド充填さ
れている。従って、高電圧ケーブル16への塗料ミスト
等の付着が軽減されてスパークの発生が防止されるとと
もに、ケーブル16表面への水分付着が抑えられリーク
電流の発生も減少する。なお、図2中、28は、絶縁碍
子の直下方におけるケーブル16の貫通孔を示す。
【0044】また、本塗装システムは、図4に示すよう
に、塗装ブース10の外に、コンピュータ内蔵の自動制
御装置18を配備して成る。この制御装置18は、塗装
ブース10内の塗装ロボット22、サイドレシプロ塗装
装置23並びにトップレシプロ塗装装置24の夫々の運
転、これらに組み込まれたベル型等の各塗装機の塗装操
作、スラットコンベヤ1の運転走行、および、誘導路6
への給電などに関する自動制御を行なう。これら制御に
用いる電線・ケーブルは、塗装ブース10内の各装置よ
り、ブース側壁を通り抜けてまたはブース10の下側に
配線して、自動制御装置18に接続されている。
【0045】さらに、自動制御装置18は、高電圧発生
装置8の運転制御、即ち、自動車ボディ20への高電圧
の印加制御のために、無線送信機32および無線受信機
33を組み入れ、そして図6に示すように、これらを高
電圧印加制御回路43と接続して成る。この制御回路4
3は、高電圧印加オン・オフ、接地スイッチオン等につ
いて制御信号を出力する。送信機32および受信機33
は、本実施例では自動制御装置18の中に組み入れられ
ているが、塗装ブース10内に防爆ケースの中に設け
て、自動制御装置18と接続される構成としてもよい。
これとともに、本塗装システムは、図1および図2に示
すように、無線送信機30および無線受信機31をスラ
ットコンベヤ1のスラット2・・上に、一の高電圧発生
装置8当り送受信機一組ずつ、取付けてなり、従って、
図6に示すように、コントローラ14と接続された送信
機30は、自動制御装置18内の受信機33と、また、
同じくコントローラ14と接続された受信機31は、自
動制御装置18内の送信機32とそれぞれ双方向無線通
信可能となっている。これら無線機30〜33はいずれ
も、アンテナおよび無線通信回路等を備えた周波数 30k
Hz〜 30MHzの電波の通信デバイスである。スラット2上
の送信機30および受信機31はともにインバータ13
より電力を供給されて作動する。要するに、本塗装シス
テムでは、一の自動制御装置18とスラットコンベヤ1
上のいくつかのコントローラ14・・・との間で各々同
時に送受信でき得るように、双方向多重通信方式が採用
されている。
【0046】次に、本塗装システムにおける塗装方法を
述べると、スラットコンベヤ1の運転時、スラット2・
・を走行させるとともに自動車ボディ20を順次スラッ
ト2上の電極アタッチメント5に搭載していく。自動車
ボディ20は連続して矢印A方向に搬送される。このと
き、スラット2裏側のピックアップコイル7と誘導路6
との電磁誘導により起電力が生じ、次いで、これはスラ
ット2上の高電圧発生装置8(高電圧発生器15)によ
り所要の高電圧電流に変換され、そしてコントローラ1
4の制御に基づいて電極アタッチメント5を介して自動
車ボディ20に印加される。この高電圧の印加により、
接地された塗装機より、水性塗料が自動車ボディ20に
向けて霧化・噴霧され、これにより、水性塗料の静電塗
装が各自動車ボディ20ごとに行なわれる。
【0047】この場合、自動制御装置18は、スラット
コンベヤ1の運転、給電路6への給電、各塗装機の操作
などに関してその制御信号を有線方式でそれぞれの装置
に送る。これに対して、高電圧印加に関しては、コンベ
ヤ1の走行するスラット2上の送信機30、受信機31
と制御装置18内の送信機32、受信機33とを経由し
た双方向無線通信により、その自動制御がなされる。よ
り具体的に説明すると、本塗装システムの稼動時には、
スラットコンベヤ1上の各コントローラ14は、印加電
圧・電流モニター回路41からの、実際に印加されてい
る電圧値、電流値のモニター信号pを送信機30に送
り、送信機30はそのモニター信号を自動制御装置18
に向けて無線送信する。自動制御装置18内の受信機3
3は、送信されたモニター信号を受信し、そしてこれを
高電圧印加制御回路43に送る。制御回路43は、提供
されたモニター信号に基づいて、所定の制御プログラム
に従い、高電圧印加のオン・オフ、あるいは接地スイッ
チのオン動作等を決定し、その決定された制御信号を送
信機32に送り、送信機32はスラットコンベヤ1上の
高電圧発生装置8に向けて無線送信する。なお、これら
モニター信号の内容は外部にも表示され、作業者はその
状況を把握できるようになっている。スラットコンベヤ
1上の受信機31は、送信された制御信号aを受信し、
そしてこれをコントローラ14の高電圧印加オンオフ制
御回路40に送る。制御回路40は、制御信号aに基づ
いて高電圧発生器15を動作せしめ、これにより自動車
ボディ20への高電圧印加とその解除がなされる。
【0048】また、リーク電流の発生等、異常な事態が
起きたときも、上記と同様の送受信機30〜33を経由
した自動制御がなされる。すなわち、図6に示すよう
に、モニター回路41がその事態を検知し、その後、自
動制御装置18からの、接地スイッチのオン動作を指示
する制御信号cがコントローラ14の短絡制御回路42
に送られ、そして回路42の作用により接地スイッチ1
7がオン動作する。しかし、本実施例では、さらに、印
加電圧・電流モニター回路41がその事態を検知したモ
ニター信号qを直接、短絡制御回路42に送り、制御回
路42はこれを受けて接地スイッチのオン動作を指示す
る制御信号bを接地スイッチ17に送り、これにより接
地スイッチ17がオン動作して短絡する。したがって、
塗装ブース外の自動制御装置18からの、到達のより遅
い制御信号cの到来を待つことなく、より迅速に、印加
電圧の強制的な降下を為すことができ、よって、より迅
速な制御により、より高い安全性が確保される。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高電圧の印加によるスパークの発生が無く、かつ設備の
複雑大型化等を招かずに、また、高電圧印加領域の出入
口での煩雑な電圧昇降制御をなすこともなく、確実に、
被塗装物への高電圧の印加により水性塗料で静電塗装を
なすことができるところの新規な塗装システムが提供さ
れる。
【0050】その上、本発明によれば、塗装ブース外の
自動制御装置とスラットコンベヤ上のコントローラとの
間の無線通信により高電圧印加に関する自動制御を為す
構成の塗装システムにあっても、接地スイッチの動作制
御については、自動制御装置からのより遅い制御信号を
待たずとも、より迅速なオン動作が可能となり、よって
より高い安全性が確保されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のワーク加電塗装システムの要
部を示す正面図である。
【図2】実施例のワーク加電塗装システムの要部を示す
平面図である。
【図3】図1、図2に示すワーク加電塗装システムの要
部を側方より見た図である。
【図4】実施例のワーク加電塗装システムの全体を示す
図である。
【図5】図2に示すワーク加電塗装システムの全体を上
方より見た図である。
【図6】図1に示すワーク加電塗装システムの高電圧印
加に関して、実施例の制御方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 スラットコンベヤ 2 スラット 3 スラット列 4a 4b 絶縁碍子 5 電極アタッチメント 6 誘導路 7 ピックアップコイル 8 高電圧発生装置 10 塗装ブース 11 端子台 12 受電ボックス 13 インバータ 14 コントローラ 15 高電圧発生器 17 接地スイッチ 18 自動制御装置 20 自動車ボディ(被塗装物) 21 台車 22 塗装ロボット 23 サイドレシプロ塗装装置 24 トップレシプロ塗装装置 30 無線送信機 31 無線受信機 32 無線送信機 33 無線受信機 40 高電圧印加オンオフ制御回路 41 印加電圧・電流モニター回路 42 短絡制御回路 43 高電圧印加制御回路 A 搬送方向 a 制御信号 b 制御信号 c 制御信号 p モニター信号 q モニター信号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧を被塗装物に印加することによ
    り、水性塗料で静電塗装を行なうワーク加電塗装システ
    ムにおいて、 塗装ブース内に実質的に水平に設置された無端状スラッ
    トコンベヤと、 塗装ブース内に該コンベヤの近くに配置された、接地さ
    れた塗装機と、 前記コンベヤのスラット表面上に絶縁碍子を立設しかつ
    その上に電極アタッチメントを取付けて成り、被塗装物
    またはその台車を被塗装物への通電可能に搭載できる支
    持手段と、 前記コンベヤの上下のスラット列の間に、搬送方向に沿
    って所定の長さで形成された誘導路と、 前記コンベヤのスラット裏面上に該誘導路と非接触で対
    向するように取付けられたピックアップコイルと、 前記コンベヤのスラット上に組み付けた高電圧発生器等
    より成る、前記誘導路とピックアップコイルの電磁誘導
    により生じた起電力を所要の高電圧電流に変換し、これ
    をコントローラの動作に基づいて前記電極アタッチメン
    トに供給する高電圧発生装置とを備えて成り、さらに印
    加電圧降下のための接地スイッチを前記高電圧発生器と
    組み合わせて設けるとともに、前記コントローラに、電
    流モニター回路と、該回路で検知された異常電流信号に
    基づいて前記接地スイッチをオン動作させる短絡制御回
    路とを組み込ませて成ることを特徴とする、ワーク加電
    塗装システム。
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