JPH09262511A - ワーク加電塗装システム - Google Patents

ワーク加電塗装システム

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Publication number
JPH09262511A
JPH09262511A JP9763196A JP9763196A JPH09262511A JP H09262511 A JPH09262511 A JP H09262511A JP 9763196 A JP9763196 A JP 9763196A JP 9763196 A JP9763196 A JP 9763196A JP H09262511 A JPH09262511 A JP H09262511A
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JP
Japan
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high voltage
coating
conveyor
slat
explosion
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Application number
JP9763196A
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English (en)
Inventor
Shinichi Nakane
慎一 中根
Hitoshi Yano
仁士 矢野
Shigeki Fujiwara
茂樹 藤原
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Trinity Industrial Corp
Original Assignee
Trinity Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワーク加電塗装システムにおいて、稼働時、頻
繁な高電圧印加がなされても、塗装ブース内の環境の安
全を確保することができ、安全性がより改良され、ま
た、高電圧発生装置の点検・修理作業を簡便にかつ効率
良く行なうことができ、生産性の面でも優れているもの
とする。 【解決手段】被塗装物20をスラットコンベヤ1上の絶縁
碍子4a、4bに搭載しコンベヤ1の運転により搬送すると
ともに、高電圧発生装置8により生じた高電圧を被塗装
物20に印加することにより、接地された塗装機を用いて
水性塗料で静電塗装を行なう塗装システムにおいて、発
生装置8を適当数の防爆ケーシング9内に収容し、防爆
ケーシング9をコンベヤ1のチェーン27、27に着脱自在
に備え、さらに発生装置8からの配線33と電極アタッチ
メント5等に配線する外部ケーブル34とをケーシング9
の装着と一緒に接続しうる接続部材35を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク加電塗装シ
ステムと呼称されるところの、接地された塗装機および
塗装ロボット等を用い高電圧を被塗装物に印加すること
により、水性塗料で静電塗装を行なう新規な塗装システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ボディ等の静電塗装は、一
般に、−60〜−150kVの高電圧を静電塗装機に印
加することにより、絶縁性塗料を接地された被塗装物に
向けて霧化・噴霧するという方法により行なわれてき
た。しかし、この塗装法に使用される絶縁性塗料には、
シンナー等の有害な有機溶剤が多く含まれている。近
年、環境保護の運動が世界的に高まり、産業界における
有機溶剤の使用の規制が叫ばれてきており、これに呼応
して塗装業界においては、有機溶剤を少ししか含まない
塗料、即ち水性塗料(水溶性塗料および狭義の水性塗
料)で以て静電塗装を行なうことが推奨されている。
【0003】しかしながら、水性塗料は導電性を有する
ため、これを静電塗装機より霧化・噴霧する場合には、
その塗装機に印加した高電圧電流が塗料を通じてリーク
しないように、塗料の供給系全体を絶縁処理する必要が
ある。現在、自動車ボディの塗装設備にあっては、通
常、数十色の塗料を使用して多色色替え塗装が為されて
いるので、各色ごとに塗料配管および塗料タンク等をそ
れぞれ絶縁処理することは、非常に煩雑な作業であり、
また、かかる絶縁処理は、防爆チャンバ等の付設をも伴
うので、塗装設備の大変な複雑化および大型化を招くこ
とになる。
【0004】そこで、従来、塗料配管系に絶縁処理を施
すことなく、導電性塗料を用いて静電塗装を行ないうる
ようにするいくつかの塗装システムが提案されている
(実開平 3-105948 号公報、実開平 4-16796号公報等
参照)。しかし、提案されたこれらの塗装システムは、
接触子と集電レールの接触により生じたスパークの熱に
より、これらの表面が徐々に融けていき、やがて凹凸が
形成されるので、接触子および集電レールは頻繁に交換
する必要があり、また、集電レールには塗料が付着しや
すく、頻繁に洗浄処理をなす必要があるという欠点を有
する。また、高電圧印加領域において、被塗装物を通常
のコンベヤから絶縁コンベヤに乗せ換え、そして高電圧
を被塗装物に印加して静電塗装を行なうという方法も提
案されている(特開平 3-224651 号公報、同 4-225857
号公報等)。しかし、この方法では、コンベヤから他の
コンベヤヘの乗り換えの際のスパークの発生を防止する
ために、高電圧印加領域の出入口に電圧の昇降動作を行
なうゾーンを設けることが必要とされ、塗装設備が大掛
かりなものとなる。また、その電圧昇降制御も一般に面
倒である。
【0005】本発明者らは、かかる事情を考慮し、鋭意
研究を重ねた結果、被塗装物への高電圧の印加により、
水性塗料で以て静電塗装をなすことができるところの新
規な塗装システムを開発するに至った。すなわち、その
新規な塗装システムは、特願平 7-61809号等に開示され
るように、接地された塗装機を無端状スラットコンベヤ
の近くに配備するとともに、電磁誘導の一次回路となる
誘導路を該コンベヤの搬送方向に設置し、かつ、電磁誘
導の二次回路となるピックアップコイルを該誘導路と非
接触で対向するようにコンベヤの走行部材(スラット)
に取付け、また被塗装物を搭載するための電極アタッチ
メントを該スラット上に絶縁碍子を介して絶縁状態で取
付け、さらに高電圧発生器をもスラット上に備え付けて
構成され、誘導路とピックアップコイルの電磁誘導によ
り生じた起電力を昇圧し、それを電極アタッチメントに
供給することにより、所要の高電圧を搭載された被塗装
物に対して印加し、これと同時に、水性塗料を塗装機よ
り吐出または噴霧することにより、静電塗装を行なうと
いう塗装システムであり、本発明者はこれをワーク加電
塗装システムと呼称する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の塗装システム
は、これまでに提案された塗装システムとは異なり、ス
パークの発生や設備の大型化など、上述した諸欠点が生
じず、優れたシステムである。しかし、本塗装システム
の稼働中、塗装ブースの内部は高電圧が頻繁に印加され
ている環境にあり、対策が適切になされない限り危険で
あり、例えば、塗装ブース内への作業者の立ち入りは、
極力避けられるべきである。したがって、上記のワーク
加電塗装システムにあっては、稼働時、作業者が塗装ブ
ースの外から、被塗装物への高電圧印加および塗装機の
塗料噴霧などに関して監視・制御できるようにすること
が必要とされる。この場合、高電圧発生器等は稼働時コ
ンベヤ上を常に走行するので、その運転・動作に関して
有線方式の制御法が採用しずらい。
【0007】そこで、本出願人は、特願平 7-61810号、
特願平 7-99862号、特願平 7-63437号等の出願に開示さ
れるように、一方の送受信機はスラットコンベヤ上に高
電圧発生装置のコントローラと接続してまた他方の送受
信機は塗装ブース外に自動制御装置と接続して備え、そ
して、これら二組の送受信機を経由するコントローラと
自動制御装置との間の無線通信により、被塗装物への高
電圧印加および塗装機の塗料噴霧などに関する自動制御
を行なうという運転制御法を提案した。この方法によれ
ば、塗装ブース外からの制御信号の無線送信により、被
塗装物への高電圧印加オンオフを制御し、かつ、コンベ
ヤ上からの監視信号の無線受信により、高電圧の印加具
合などを監視することができ、従って、ワーク加電塗装
システムの確実安全な運転制御が可能になる。
【0008】しかし、かかる運転制御法が採用されたと
しても、本塗装システムの稼働中、塗装ブースの内部は
頻繁に高電圧印加がなされうる環境にあることには変わ
りない。従って、スラットコンベヤ上の高電圧発生装置
に対して、何らかの安全対策を採ることが必要とされ
る。高電圧発生装置に対する安全措置としては、その装
置自体を防爆ケーシングの中に収容するという方法が従
来一般的である。しかし、本ワーク加電塗装システムに
あっては、高電圧印加が稼働中頻繁になされることか
ら、システムの故障・不良は、高電圧発生装置について
最も高い頻度で発生するものと予測される。しかしなが
ら、防爆ケーシングの構造上、それを展開して該ケーシ
ングの内部を調べることは、容易でない。また、高電圧
発生装置の各部品間の接続を含め、同装置に関係するケ
ーブル配線は複雑である。従って、高電圧発生装置の故
障・不良の際、同装置の修理の過程で、それに関係する
ケーブル類を再び正確に配線し直すことは、大変面倒な
作業である。仮に配線の間違いがあると、高電圧印加が
依然として適切になされないだけでなく、高電圧発生装
置のその他の部品の不良、損傷をひき起こす場合があ
る。
【0009】本発明は、かかる事情に基づいてなされた
ものであって、稼働時、頻繁な高電圧印加がなされて
も、塗装ブース内の環境の安全を確保することができ、
安全性がより改良され、また、高電圧発生装置の点検・
修理のための作業を、簡便にそして稼働効率を大きく悪
化させずに行なうことができ、生産性の面でも優れてい
るところのワーク加電塗装システムを提供することを課
題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】より明確には、本発明に
よるワーク加電塗装システムは、高電圧を被塗装物に印
加することにより、水性塗料で静電塗装を行なうワーク
加電塗装システムにおいて、塗装ブース内に実質的に水
平に設置された無端状スラットコンベヤと、塗装ブース
内に該コンベヤの近くに配置された、接地された塗装機
と、前記コンベヤのスラット表面上に絶縁碍子を立設し
かつその上に電極アタッチメントを取付けて成り、被塗
装物またはその台車を被塗装物への通電可能に搭載でき
る支持手段と、前記コンベヤの上下のスラット列の間
に、搬送方向に沿って所定の長さで形成された誘導路
と、前記コンベヤのスラット裏面上に該誘導路と非接触
で対向するように取付けられたピックアップコイルと、
1個もしくはそれより多い個数の防爆ケーシングの中に
収容された、前記誘導路とピックアップコイルの電磁誘
導により生じた起電力を所要の高電圧電流に変換し、こ
れをコントローラの動作に基づいて前記電極アタッチメ
ントに供給する高電圧発生装置と、前記塗装ブース外に
配備された、被塗装物への高電圧印加のオンオフ動作並
びに前記塗装機の運転・動作を制御する自動制御装置よ
りなり、そして、前記防爆ケーシングを前記スラットコ
ンベヤのコンベヤチェーンにまたはスラット上に着脱自
在に備えるとともに、前記高電圧発生装置からの配線と
前記電極アタッチメント等に配線する外部ケーブルとを
前記防爆ケーシングの装着と一緒に電気的に接続しうる
ところの接続部材を設けてなることを特徴とする、ワー
ク加電塗装システムに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるワーク加電塗
装システムに使用される各要素を順に説明する。
【0012】無端状スラットコンベヤは、被塗装物を搬
送するためのコンベヤであって、塗装ブース内に実質的
に水平に設置される。その構成は、並行する2条(ある
いは3条以上)のエンドレスチェーン、その各チェーン
の両端が巻き掛けられたスプロケット、および、チェー
ン間に各々張設された多数のスラットより成る、一般的
なスラットコンベヤ構造でよい。なお、より好ましい態
様としては、スラットコンベヤの下側には、加圧水(ま
たは加圧エア)の噴射器が付設され、スラット上の絶縁
碍子に向けての加圧水等の噴射によりそれらの洗浄が可
能であるところの構成が採用される。また、スラットと
しては、通常、めくら板のスラットが用いられるが、絶
縁碍子、高電圧発生装置の各部品、並びに無線送受信機
等を支持することができるものであれば、スラットの一
部もしくは全体を、多孔板、格子板またはパンチングメ
タル板と類似した構造に仕上げてもよく、また、スラッ
トの一部を切り欠いてもよい。
【0013】塗装機は、塗装ブース内にスラットコンベ
ヤの近くに適宜配置され、接地された状態に保たれる。
この塗装機には、トップレシプロ塗装装置、サイドレシ
プロ塗装装置および塗装ロボット等に組み込まれたもの
が含まれる。本発明で使用される塗装機は、塗料とし
て、水性塗料または水溶性塗料を利用するものであり、
塗装機自体が接地された状態で使用される。塗装機とし
ては、静電塗装機および非静電の塗装機のいずれも、使
用することができる。
【0014】支持手段は、自動車ボディ等の被塗装物
(またはそれを乗せた台車)を載せて支持するととも
に、それらを被塗装物への通電が可能なように搭載する
ことができる手段であり、絶縁碍子と電極アタッチメン
トからなる。絶縁碍子は、例えば柱形状を成し、スラッ
トコンベヤのスラット表面上に、自動車ボディの場合に
は通常前後に1本ずつまたは2本ずつ、立設される。電
極アタッチメントは、絶縁碍子の上に取り付けられた導
電性(金属製)の治具であり、自動車ボディ等の被塗装
物が搭載されたとき、それへの通電が可能となるように
構成されている。よって、電極アタッチメントは絶縁状
態でスラットコンベヤ上に備え付けられているので、こ
れに高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤの表
面へリークしない。また、1つの被塗装物に対応する絶
縁碍子と電極アタッチメントの組は、被塗装物の長さや
スラットコンベヤの全長等に応じて、適当な数だけスラ
ットコンベヤのスラット表面上に備えられる。
【0015】誘導路は、電磁誘導の一次回路となるもの
で、スラットコンベヤの上下のスラット列の間に、搬送
方向に沿って所定の長さで形成される。誘導路として
は、例えば、適当数の支柱を間隔をおいて配置し、そし
てそれらの支柱の上に多芯ケーブルを搬送方向に沿って
(通常、2本並行に)支持架設した構成のものでよく、
電磁誘導によりピックアップコイルに、高電圧発生装置
の一次電源として必要な起電力が生じる程度の低電力
(自動車ボディの塗装の場合には、例えば単相交流300V
〜 600V 、10kHz )が給電源より供給される構成のも
のでよい。従って、誘導路と塗装機との間に強い静電場
が形成されないので、しかもそれら両者の間にスラット
が介在しているので、塗装機からの塗料ミストは誘導路
に静電塗着されないと考えられる。
【0016】ピックアップコイルは、電磁誘導の二次回
路となるもので、スラットコンベヤのスラット裏面上に
例えば上記の前後の絶縁碍子の間の位置に、そして前記
誘導路と非接触で対向するように、取付けられる。従っ
て、ピックアップコイルはスラットコンベヤの運転によ
りスラットとともに走行し、またこのとき、誘導路との
間で電磁誘導により起電力(自動車ボディの塗装の場合
には、例えば単相交流50V〜 100V 、10kHz )を生じ、
この電流を高電圧発生装置に出力するものである。本シ
ステムでは、誘導路とピックアップコイルが非接触で対
向する構造であるので、電磁誘導により生じた起電力
を、ピックアップコイルが誘導路と対向して走行してい
る間、常に安定して高電圧発生装置に供給することがで
きる。従って、従来なされた高電圧印加領域の出入口ゾ
ーンにおける電圧の昇降制御をなすことなく、高電圧発
生装置のオンオフ操作によって、被塗装物への高電圧の
印加およびその停止を自動的に行なうことができる。
【0017】高電圧発生装置は、前記誘導路とピックア
ップコイルの電磁誘導により生じた起電力を一次電源と
し、これを昇圧して所要の高電圧電流に変換し、そして
これを上記の電極アタッチメントに供給する装置であっ
て、スラットコンベヤに組み付けられる。この発生装置
は一般に、変電ユニット、コントローラ、高電圧発生
器、並びに接地スイッチより構成される。また通常、い
くつかの組の高電圧発生装置が一のスラットコンベヤ上
に組み付けられ、これにより、同時に連続した静電塗装
が可能なように構成される。高電圧発生装置は高電圧の
発生源であることから、本発明では、この装置の各部品
(特にコントローラ等)は一個もしくはそれより多い個
数の防爆ケーシングの中に収容される。
【0018】変電ユニットは、ピックアップコイルから
の起電力電流をコントローラへの一次電源に適合する電
流(普通、60Hzまたは50Hzの低周波電流)に調整する装
置であり、例えば、ピックアップコイルからの起電力電
流を集める端子、および、交流・直流変換部品並びにイ
ンバータ等より構成される。
【0019】コントローラは、変電ユニットと高電圧発
生器の間に接続された、高電圧印加のオン・オフ制御等
を行なう制御装置であって、所定の制御信号(例えば 1
2Vまたは 24V直流信号)を高電圧発生器に送るととも
に、印加される電圧・電流のモニター並びにリーク電流
等のモニターを行なう。従って、コントローラは、一般
に高電圧印加のオン・オフ制御回路、印加電圧・電流の
モニター回路等を備えている。特に、コントローラは、
スラットコンベヤ上の無線送受信機とも接続されてお
り、高電圧印加オン信号が自動制御装置より無線送受信
機を介して入力されたときには、その印加オン信号を高
電圧発生器に送り、所定の高電圧を被塗装物に印加せし
め、これと同時に、被塗装物への高電圧印加が為された
ことを表わす信号を、無線送受信機を介して自動制御装
置に送り、これに続いて、印加された電圧・電流値に関
するモニター信号を無線送受信機を介して自動制御装置
に送るという制御を為すように、また、高電圧印加オフ
信号が自動制御装置より無線送受信機を介して入力され
たときには、その印加オフ信号を高電圧発生器に送り、
被塗装物への高電圧印加を停止せしめ、これと同時に、
高電圧印加が停止されたことを表わす信号を、無線送受
信機を介して自動制御装置に送るという制御を為すよう
に、構成されている。
【0020】高電圧発生器は、高周波パルス発振器、変
圧器および倍電圧整流回路(コッククロフト回路)等を
含み、コントローラからの電圧信号を受けて所要の高電
圧電流(自動車ボディの塗装の場合には、例えば、−6
0 kV 〜−150 kV (あるいは、+60 kV 〜+15
0 kV )、400μA )を発生させる装置である。な
お、自動車ボディ等の被塗装物に正の高電圧を印加する
かまたは負の高電圧を印加するかについては、被塗装物
の形状、塗装装置等の設置状況などに応じて適宜選択す
ることができる。
【0021】接地スイッチ(高電圧遮断スイッチとも呼
称される)は、電極アタッチメントからスラット上への
リーク電流が増大した場合または接地された塗装機等が
高電圧印加された被塗装物に異常に接近した場合等によ
り異常な電圧が生じているとき、あるいは何らかの原因
で所要の高電圧が印加されないときにおいて、高電圧発
生器を短絡させて印加電圧を接地電圧にまで降下せしめ
る装置であって、システムの安全確保のために、通常、
高電圧発生器と併せて設けられる。接地スイッチとして
は、ソレノイド等よりなる機械式接地スイッチ、または
最近の電子スイッチ、あるいはこれらの組合せが使用さ
れる。
【0022】自動制御装置は、塗装ブース外に配備され
た、コンピュータ内蔵の制御装置であって、本システム
の運転制御全般に関して、例えばスラットコンベヤの運
転および誘導路への給電の他、被塗装物への高電圧印加
のオンオフ動作、並びに、塗料噴霧に関する各塗装機の
運転動作などに関して自動制御を行なう装置であり、ス
プレーコントローラおよび各種の検知手段と各々接続さ
れるとともに、無線送受信機を介してスラットコンベヤ
上のコントローラとも通信可能となっている。そして、
特に高電圧印加に関しては、有利な制御方式として、二
組の送受信機を経由した双方向無線通信による自動制御
方式が採用される。すなわち、自動制御装置は、高電圧
印加を指令する制御信号をスラットコンベヤ上の高電圧
発生装置に向けて無線送信し、同時に、印加された高電
圧を表わすモニター信号をスラットコンベヤ上の高電圧
発生装置から無線受信し、そして、それが正常値である
とき、塗料噴霧を指令する信号をスプレーコントローラ
に送ることにより、水性塗料を塗装機より噴霧せしめ
て、これにより静電塗装を為すという制御を行なう。ス
プレーコントローラは、自動制御装置からの指令信号に
従って、塗装ブース内のいくつかの(トップ、サイド)
レシプロ塗装装置並びに塗装ロボット等の運転、およ
び、これらに組み込まれたベル型等の各塗装機からの塗
料噴霧(吐出)動作に関する制御を行なう装置であっ
て、通常、塗装ブース外に配備される。なお、制御用電
線・ケーブルは塗装装置等より、塗装ブースの側壁また
はその下側の空間を通り抜けてスプレーコントローラに
接続されている。
【0023】また、二組の無線送受信機のうち一方は、
スラットコンベヤのスラット上に取付けられるかあるい
は防爆ケーシングの中に高電圧発生装置とともに収容さ
れ、高電圧発生装置のコントローラと接続されている。
他方の無線送受信機は、塗装ブース外の自動制御装置と
接続して備えられる。これにより、本塗装システムは、
これら二組の無線送受信機を経由して、スラットコンベ
ヤ上のコントローラと塗装ブース外の自動制御装置との
間で双方向通信が可能なように構成されている。すなわ
ち、塗装ブース外の自動制御装置からは、高電圧印加の
オン・オフ信号(あるいは接地スイッチのオン信号)等
が送信され、スラットコンベヤ上のコントローラがこれ
らの信号を受信し、一方、スラットコンベヤ上のコント
ローラからは、実際に印加されている電圧・電流値(並
びにリーク電流値)等の各モニター信号が送信され、塗
装ブース外の自動制御装置がこれらの信号を受信し、従
って、かかる双方向無線通信により、高電圧印加に関す
る自動制御がなされ得るようになっている。
【0024】無線送受信機としては、一の装置で同時に
(デジタルまたはアナログ)送受信可能な(複信方式)
無線機でもよいが、送信専用の無線機と受信専用の無線
機とを組み合わせて利用してもよい。また、通信手段と
しては、電波(周波数3000GHz以下、より好まし
くは30kHz〜30MHzの電磁波)通信のほか、マ
イクロ波通信、光通信(例えば、可視光線もしくは赤外
線を用いたもの)、または音波通信(例えば超音波を用
いたもの)でもよい。光通信は、電波通信と比べて、電
磁波障害をあまり受けない点で、また防爆構造がより容
易である点で、より好ましい。電波通信の場合には、ア
ンテナおよび無線通信用電気回路を備えた一般的な無線
機が利用され、マイクロ波通信の場合には、送受信回路
に導波管または空胴共振器を備えた無線機が利用され、
さらに光通信の場合には、発光器(ビーム発射器)およ
び受光器(ビーム受光器)の組合せを備えた無線機が利
用される。
【0025】したがって、本ワーク加電塗装システムに
おいては、自動車ボディ等の被塗装物をスラット上の電
極アタッチメントに搭載し、スラットコンベヤを運転さ
せると、スラットの走行とともに被塗装物が搬送され、
このとき、ピックアップコイルと誘導路との間で電磁誘
導により生じた起電力がコンベヤ上の高電圧発生装置に
より所要の高電圧電流に変換され、そして、コントロー
ラの動作に基づいて高電圧を電極アタッチメントを介し
て被塗装物に適時印加される。これと同時に、自動制御
装置からの指令に従うスプレーコントローラの制御に基
づいて、接地された塗装機より水性塗料が被塗装物に向
けて霧化・噴霧され、同塗料が被塗装物の表面に被覆さ
れる。このようにして、本塗装システムでは、水性塗料
を用いた被塗装物への高電圧印加による静電塗装が可能
である。
【0026】そして、本発明のワーク加電塗装システム
は、特徴的なことに、防爆ケーシングおよび接続部材を
備えてなる。防爆ケーシングは、高電圧発生装置の全体
またはその一部の部品を収容する函体である。各防爆ケ
ーシングは、スラットコンベヤのコンベヤチェーンにま
たはスラット上に、ボルト締着等により、着脱自在に備
えられる。接続部材は、高電圧発生装置からの配線と電
極アタッチメント等に配線する外部ケーブルとを、防爆
ケーシングの装着と一緒に電気的に接続しうるように構
成された部材であり、例えば、防爆ケーシングのコンベ
ヤへの装着部位に備えられた、高電圧発生装置からの配
線が接続する一方の端子と、外部ケーブルの先端に取付
けられた、防爆ケーシングの装着と一緒に前記一方の端
子と係合しうる他方の端子より構成される。
【0027】本塗装システムでは、高電圧発生装置が防
爆ケーシングの中に収容されているので、稼働時、頻繁
に高電圧印加がなされたとしても、塗装ブース内の環境
の安全を確保することができる。しかも、防爆ケーシン
グは着脱自在に備えられるので、収容される高電圧発生
装置について点検の必要があるときあるいは故障・不良
が発生したとき、その防爆ケーシングそれ自体をスラッ
トコンベヤより取り外しそして別の防爆ケーシング(高
電圧発生装置が収容されている。)をスラットコンベヤ
に取付けることにより、本塗装システムを、正常な稼働
が可能な状態に容易に復帰させることができる。その
上、接続部材を設けたことにより、新たな防爆ケーシン
グの装着と一緒に、その中の高電圧発生装置と電極アタ
ッチメント等への外部ケーブルとを電気的に接続するこ
とができるので、その場合の配線を正確にかつ迅速に行
なうことができる。一方、取り外された防爆ケーシング
については、高電圧発生装置の点検・修理をその後慎重
に行なうことができる。したがって、高電圧発生装置の
点検・修理作業を、システムの稼働効率を大きく悪化さ
せずにかつ簡便に進めることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1ないし図6は、本実施例のワーク加電塗装シス
テムを示す。図1および図2は該塗装システムの全体を
示し、図3および図4はその主要部を示す。また、図5
および図6は本実施例に特徴的な防爆ケーシングの構造
を示すものである。
【0029】本ワーク加電塗装システムは、自動車ボデ
ィの静電塗装システムであり、図1および図2に示すよ
うに、塗装ブース10内に、自動車ボディ搬送用の無端
状スラットコンベヤ1を実質的に水平に設置するととも
に、該コンベヤ1の近くにその搬送方向(図中、矢印A
の方向)に沿って、塗装ロボット22、サイドレシプロ
塗装装置23およびトップレシプロ塗装装置24を配備
して成る。これらの塗装装置は各々、ベル型等の塗装機
(図示せず)を組み込んでおり、各塗装機は接地された
状態に保たれている。いずれの塗装機も、塗料として、
水性塗料または水溶性塗料を利用するものである。な
お、これらの図中、26は自動車ボディを塗装ブース内
に搬入するためのターンテーブルを示す。
【0030】スラットコンベヤ1は、並行する2条の無
端状コンベヤチェーン27、27の両端をそれぞれスプ
ロケット25、25に巻き掛け、2条の該コンベヤチェ
ーン27、27の間に多数のスラット2・・を張設して
なり、従って、上下に二つのスラット列3、3が形成さ
れている。また、スラットコンベヤ1のスラット2の表
面上には、支持手段として、絶縁碍子4a、4bが立設
され、かつ、その上には、電極アタッチメント5が夫々
取付けられている。これらの部材は、自動車ボディ20
の乗った台車21を載せて支持することができ、かつそ
の際、電極アタッチメント5から自動車ボディ20への
通電を可能にする手段である。絶縁碍子4a、4bと電
極アタッチメント5との組は、塗装対象の自動車ボディ
20ごとにそれぞれ対応するように、適当な数、備えら
れる。
【0031】図3および図4に詳細に示すように、絶縁
碍子4a、4bは、柱形状を成し、スラットコンベヤ1
のスラット2・・の表面上に、前後に1基ずつ、適当な
間隔を開けて立設されている。また、電極アタッチメン
ト5は、絶縁碍子4a、4bの上に取り付けられた電極
部材(金属製)であり、自動車ボディ20の乗った台車
21がその上に搭載されたとき、それへの通電が可能と
なっている。従って、電極アタッチメント5は絶縁状態
でスラットコンベヤ1上に備え付けられているので、こ
れに高電圧を印加しても、電流がスラットコンベヤ1表
面へリークしない構造となっている。
【0032】また、図1、図3および図4に示すよう
に、スラットコンベヤ1の上下二つのスラット列3、3
の間には、電磁誘導の一次回路となる誘導路6が、搬送
方向に沿って所定の長さで形成されている。この誘導路
6には、給電源より、高周波用複合多芯ケーブルを介し
て、例えば単相交流 600V 、10kHz という低い電力(高
電圧発生装置の一次電源として必要な起電力が電磁誘導
によりピックアップコイルに生じる程度の電力)が供給
される。従って、誘導路6と塗装機との間に強い静電場
が形成されずしかもスラット2・・で遮蔽されているの
で、塗料ミストは誘導路6に静電塗着されにくい構成と
なっている。
【0033】またスラットコンベヤ1のスラット2裏面
上には、図4に明確に示すように、電磁誘導の二次回路
となるピックアップコイル7が、誘導路6と非接触で対
向するように取付けられている。ピックアップコイル7
は、図3に示すように、前の絶縁碍子4aと後の絶縁碍
子4bとの間に設けられている。従って、ピックアップ
コイル7は、スラットコンベヤ1の運転によりスラット
2とともに走行するが、このとき、誘導路6と非接触で
対向しているので、電磁誘導による例えば単相交流 100
V 、10kHz という起電力電流を生じ、これを下記の高電
圧発生装置8に出力することができる。したがって、本
塗装システムでは、電磁誘導の一次回路と二次回路が非
接触で対向する構造であるので、生じた起電力は、ピッ
クアップコイル7が誘導路6と対向して走行している
間、常に安定して出力され、従って、高電圧発生装置8
のオンオフ操作により、自動車ボディ20への高電圧の
印加およびその停止を自動的に行なうことができる。
【0034】また本実施例では、図3に示すように、ス
ラットコンベヤ1は絶縁碍子4a、4b間の部位におい
て、3個の防爆ケーシング9・・がそれぞれ、左右のコ
ンベヤチェーン27、27に取り付けられている。防爆
ケーシング9は、図6に示すように、左右の側面部に鍔
部29、29を有し、かつ各鍔部29およびチェーン2
7の対応する個所にそれぞれ螺子孔30、31を有し、
そして、図5に示すように、ボルト32を螺子孔30、
31に締着することにより、スラットコンベヤ1のチェ
ーン27、27に装着されるようになっている。すなわ
ち、各防爆ケーシング9・・は、スラットコンベヤ1の
チェーン27、27に着脱自在に備えられている。そし
て、防爆ケーシング9の中には、図6に示すように、高
電圧発生装置8が収容され、並びに、下記の無線送信機
11と無線受信機12の組も収容されている。3個の防
爆ケーシング9がそれぞれ、同装置8等の一部の部品を
収容し、全体として高電圧発生装置8および無線送受信
機11、12がスラットコンベヤ1のスラット列3上に
組み付けられるようにしてもよい。
【0035】高電圧発生装置8は、変電ユニット13
(端子台、受電ボックス、インバータ等が含まれ
る。)、コントローラ14および高電圧発生器15より
なる。また、変電ユニット13の中の図示しない端子台
は、ピックアップコイル7と接続され、これからの起電
力を集める部品である。受電ボックスは、端子台と接続
され、集められた起電力(交流)を直流に変換する部品
であり、さらにインバータは、受電ボックスと接続さ
れ、変換された直流電流を再び交流に変換しかつ変調す
る部品である。従って、ピックアップコイル7からの起
電力電流は、かかる変電ユニット13の機能により、例
えば 60 Hzの低周波電流という、コントローラ14への
一次電源に適合する電流に調整される。
【0036】コントローラ14は、変電ユニット13と
高電圧発生器15の間に接続された高電圧印加のオンオ
フ制御等のための制御装置であって、所定の制御信号
(例えば 12 V または 24 V 直流信号)を高電圧発生器
15に送るとともに、印加されている高電圧値、印加時
の電流値およびリーク電流値等のモニターを行なう。
【0037】また、高電圧発生器15は、上記の電極ア
タッチメント5と接続された、高周波パルス発振器、変
圧器および倍電圧整流回路等を含む装置であって、コン
トローラ14からの制御信号を受けて、自動車ボディ2
0の塗装に必要とされる -60kV 〜 -150 kV(あるいは
+60 kV 〜 +150 kV)、例えば 400μA という高電圧電
流を発生させ、そしてこれを電極アタッチメント5に出
力する。
【0038】従って、高電圧発生装置8は、誘導路6と
ピックアップコイル7の電磁誘導により生じた起電力
を、所要の高電圧電流( -90 kV (あるいは +90 kV
)、 400μA )に昇圧し、これをコントローラ14の
制御に基づいて電極アタッチメント5に供給しうる装置
である。なお、高電圧発生器15は、安全の確保のた
め、接地スイッチ(図示せず)を併設してなるが、この
接地スイッチも、コントローラ14からの制御信号を受
けてオン作動し、高電圧発生器15の回路を短絡し印加
電圧を降下せしめる。
【0039】本実施例においては、図5および図6に示
すように、上記の高電圧発生装置8からの配線33と電
極アタッチメント5等に配線する外部ケーブル34と
を、防爆ケーシング9の装着と一緒に電気的に接続しう
る接続部材35、即ち、係合しうる二つの接続端子3
6、37が設けられている。防爆ケーシング9の内部は
通路38を経て鍔部29の下面と連連しているが、一方
の端子36は、その連通口に装着されている。端子36
は、下方に突出するいくつかの導電ピン39・・を備え
た部材であり、高電圧発生装置8からの各配線33が通
路38を通って各導電ピン39に接続されている。コン
ベヤチェーン27は、接続端子36に対応する部位に貫
通孔40を有している。外部ケーブル34は、電極アタ
ッチメント5に接続するケーブルあるいは防爆ケーシン
グ9間を結線するケーブルであるが、このケーブルの先
端には、接続端子37が取り付けられている。端子37
は、導電ピン39・・と係合するいくつかの孔を有する
部材である。従って、防爆ケーシング9をコンベヤチェ
ーン27、27に装着したとき、同時に、鍔部29の接
続端子36はチェーン27の貫通孔40の中に進入す
る。そこで、外部ケーブル34先端の接続端子37を貫
通孔40内に収め入れて、両端子36、37を結合する
ことにより、高電圧発生装置8から電極アタッチメント
5等への配線が完了することができる。
【0040】なお、本塗装システムでは、図3に示すよ
うに、高電圧発生器15の出力端子より導かれ電極アタ
ッチメント5に接続するための外部ケーブル16は、ス
ラット2の裏面側を経由して絶縁碍子4aの内部を通っ
て碍子4a上側の電極アタッチメント5に接続されてい
るが、絶縁碍子4aの内部においては、絶縁性樹脂でモ
ールド充填されている。従って、高電圧ケーブル16へ
の塗料ミスト等の付着が軽減されてスパークの発生が防
止されるとともに、ケーブル16表面への水分付着が抑
えられリーク電流の発生も減少する。
【0041】また、本塗装システムは、図2に示すよう
に、塗装ブース10外に、コンピュータ内蔵の自動制御
装置17を配備して成る。この自動制御装置17は、塗
装ブース10内のスラットコンベヤ1の運転走行および
誘導路6への給電の他、自動車ボディ20への高電圧の
印加などに関する自動制御を行ない、本システムの運転
全般を統御する。塗装ロボット22、サイドレシプロ塗
装装置23並びにトップレシプロ塗装装置24の夫々の
運転、および、これらに組み込まれたベル型等の各塗装
機の塗料噴霧動作については、スプレーコントローラ2
8が自動制御装置17からの支持信号に従ってそれらの
制御を為す。これら制御に用いる電線・ケーブルは、塗
装ブース10内の各塗装装置より、ブース側壁を通り抜
けてまたはブース10の下側に配線して、自動制御装置
17およびスプレーコントローラ28に接続されてい
る。
【0042】さらに、本塗装システムは、高電圧発生装
置8の運転制御、即ち自動車ボディ20への高電圧の印
加制御のために、図6に示すように無線送信機11およ
び無線受信機12を防爆ケーシング9の中にコントロー
ラ14と接続して収容するとともに、図2、図3に示す
ようにこれら無線機と通信可能な他の無線送信機18お
よび無線受信機19を自動制御装置17と接続して備え
て成る。送信機11および受信機12は、図6に示すよ
うに防爆ケーシング9の側面より突出するアンテナ部
(アンテナ線41がエポキシ樹脂等の樹脂モールディン
グ42の中に埋設されてなる。)のコネクタ43と接続
されている。また、送信機18および受信機19は、本
実施例では、自動制御装置17の中に組み入れられてい
るが、塗装ブース10内に防爆ケースの中に設けてもよ
い。上記の無線機は、いずれも、アンテナおよび無線通
信回路等を備えた、周波数30kHz〜 30MHzの電波の通信
デバイスである。防爆ケーシング9内の送信機11およ
び受信機12はともに変電ユニット13より電力を供給
されて作動し、送信機11はコントローラ14からの出
力信号を自動制御装置17内の受信機19に向けて無線
送信する一方、受信機12は自動制御装置17内の送信
機18からの受信信号をコントローラ14に送る。
【0043】本塗装システムでは、次のような方法によ
り自動車ボディ20への高電圧の印加制御がなされる。
すなわち、塗装ブース10外の自動制御装置17から
は、送信機18を介して、高電圧の印加オン・オフ信
号、設定電圧値の変更信号あるいは接地スイッチのオン
信号が無線送信され、そしてこれらの制御信号は、スラ
ットコンベヤ1に装着された防爆ケーシング9内の受信
機12を介して高電圧発生装置8のコントローラ14に
受信される。一方、該防爆ケーシング9内のコントロー
ラ14からは、送信機11を介して、実際に印加されて
いる電圧値、印加時の電流値並びにリーク電流値等のモ
ニター信号が無線送信され、そしてこれらのモニター信
号は、受信機19を介して塗装ブース10外の自動制御
装置17に受信される。よって、かような双方向の無線
通信により、高電圧印加に関する自動制御がなされ得る
ようになっている。なお、一の自動制御装置17とスラ
ットコンベヤ1上のいくつかのコントローラ14・・と
の間で各々同時に送受信でき得るように、双方向多重通
信方式が通常採用される。
【0044】したがって、本塗装システムによる塗装方
法は、次のとおりである。スラットコンベヤ1の運転
時、スラット2・・を走行させるとともに、自動車ボデ
ィ20を順次スラット2上の電極アタッチメント5に搭
載していく。自動車ボディ20は連続して矢印A方向に
搬送される。このとき、スラット2裏側のピックアップ
コイル7と誘導路6との電磁誘導により起電力が生じ、
次いで、これは防爆ケーシング9中の高電圧発生装置8
(高電圧発生器15)により所要の高電圧電流に変換さ
れ、そしてコントローラ14の制御に基づいて、その高
電圧が電極アタッチメント5を介して自動車ボディ20
に印加される。この高電圧の印加により、接地された各
塗装機から吐出された水性塗料が、自動車ボディ20に
向けて霧化・噴霧され、これにより、水性塗料の静電塗
装が、各自動車ボディ20ごとに行なわれる。この場
合、自動制御装置17は、コントローラ14から無線通
信された印加電圧値等の各種モニター信号を作業者に表
示するととともに、これら信号に基づいて高電圧印加の
オンオフ等の各制御を進行させ、そして、モニター信号
よりリーク電流の発生等、異常な事態が検知されたとき
には、接地スイッチのオン信号をコントローラ14に無
線送信し、高電圧発生器15を短絡させて印加電圧を接
地電圧にまで降下せしめる。
【0045】そして、本塗装システムでは、防爆ケーシ
ング9が上記したように着脱自在に備えられているの
で、ケーシング9内に収容される高電圧発生装置8につ
いて点検の必要があるときあるいは故障・不良が発生し
たとき、その防爆ケーシング9自体をスラットコンベヤ
1より取り外しそして別の防爆ケーシング(高電圧発生
装置が収容されている。)を図5に示すようにスラット
コンベヤ1に装着することにより、本塗装システムを、
正常な稼働が可能な状態にただちに復帰させることがで
きる。その上、新たな防爆ケーシングの装着と一緒に、
接続部材35の両端子36、37を結合することによ
り、高電圧発生装置8から電極アタッチメント5までの
配線を正確にかつ迅速に行なうことができる。一方、取
り外された防爆ケーシング9については、収容される高
電圧発生装置8の点検・修理を、多くの時間をかけて慎
重に行なうことができる。このように、本塗装システム
では、高電圧発生装置8の点検・修理作業を簡便にかつ
効率よく進めることができる。
【0046】また、上記の実施例では、高電圧発生装置
8を収容する防爆ケーシング9は、スラットコンベヤ1
のコンベヤチェーン27、27に対して着脱自在に取り
付けられているが、図7に示すように、スラット2上
に、ボルト32と螺合する螺子孔、並びに上記貫通孔4
0と同様の貫通孔44をそれぞれ形成して、防爆ケーシ
ング9(高電圧発生装置8が収容されている。)をスラ
ットコンベヤ1のスラット2上に着脱自在に備えるとい
う構成に変更することも可能である。そして、この場合
も、高電圧発生装置8の点検・修理作業を簡便にかつ効
率よく進めることができるという上記と同様の効果が得
られる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
稼働時、頻繁な高電圧印加がなされても、塗装ブース内
の環境の安全を確保することができ、安全性に関してよ
り改良され、また、高電圧発生装置の点検・修理の作業
を簡便にかつ稼働効率を大きく悪化させずに行なうこと
ができ、生産性の面でも優れているワーク加電塗装シス
テムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のワーク加電塗装システムの
全体を示す図である。
【図2】図1に示すワーク加電塗装システムの全体を上
方より見た図である。
【図3】図1に示すワーク加電塗装システムの主要部を
示す正面図である。
【図4】図1に示すワーク加電塗装システムの主要部を
側方より見た図である。
【図5】一実施例のワーク加電塗装システムにおいて、
防爆ケーシングをスラットコンベヤのコンベヤチェーン
に装着する過程を示す図である。
【図6】一実施例のワーク加電塗装システムにおいて、
コンベヤチェーンに装着された防爆ケーシングを示す部
分断面図である。
【図7】他の実施例のワーク加電塗装システムにおい
て、スラット上に装着された防爆ケーシングを示す部分
断面図である。
【符号の説明】
1 スラットコンベヤ 2 スラット 3 スラット列 4a 4b 絶縁碍子 5 電極アタッチメント 6 誘導路 7 ピックアップコイル 8 高電圧発生装置 9 防爆ケーシング 10 塗装ブース 13 変電ユニット 14 コントローラ 15 高電圧発生器 16 外部ケーブル 17 自動制御装置 20 自動車ボディ(被塗装物) 21 台車 22 塗装ロボット 23 サイドレシプロ塗装装置 24 トップレシプロ塗装装置 30 螺子孔 31 螺子孔 32 ボルト 33 高電圧発生装置からの配線 34 外部ケーブル 35 接続部材 36 一方の接続端子 37 他方の接続端子 A 搬送方向

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧を被塗装物に印加することによ
    り、水性塗料で静電塗装を行なうワーク加電塗装システ
    ムにおいて、 塗装ブース内に実質的に水平に設置された無端状スラッ
    トコンベヤと、 塗装ブース内に該コンベヤの近くに配置された、接地さ
    れた塗装機と、 前記コンベヤのスラット表面上に絶縁碍子を立設しかつ
    その上に電極アタッチメントを取付けて成り、被塗装物
    またはその台車を被塗装物への通電可能に搭載できる支
    持手段と、 前記コンベヤの上下のスラット列の間に、搬送方向に沿
    って所定の長さで形成された誘導路と、 前記コンベヤのスラット裏面上に該誘導路と非接触で対
    向するように取付けられたピックアップコイルと、 1個もしくはそれより多い個数の防爆ケーシングの中に
    収容された、前記誘導路とピックアップコイルの電磁誘
    導により生じた起電力を所要の高電圧電流に変換し、こ
    れをコントローラの動作に基づいて前記電極アタッチメ
    ントに供給する高電圧発生装置と、 前記塗装ブース外に配備された、被塗装物への高電圧印
    加のオンオフ動作並びに前記塗装機の運転・動作を制御
    する自動制御装置よりなり、そして、 前記防爆ケーシングを前記スラットコンベヤのコンベヤ
    チェーンにまたはスラット上に着脱自在に備えるととも
    に、前記高電圧発生装置からの配線と前記電極アタッチ
    メント等に配線する外部ケーブルとを前記防爆ケーシン
    グの装着と一緒に電気的に接続しうるところの接続部材
    を設けてなることを特徴とする、ワーク加電塗装システ
    ム。
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