JPH0810289A - 床ずれ予防用マットレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の横臥する人に発生し易い床ずれを
予防することを可能とする床ずれ予防用マットレスを提
供する。 【構成】 多数の鋼線製コイルスプリングと多数の形
状記憶合金製コイルスプリングとから成るマットレスに
おいて、該多数の形状記憶合金製コイルスプリングに周
期的に通電する電源が電気的に接続されていることを特
徴とする床ずれ予防用マットレス。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は長期間の横臥する人に発
生し易い床ずれを予防することが可能な床ずれ用マット
レスに関する。

【０００２】

【従来の技術】病人、老人、身体障害者など長期間にわ
たっての横臥を余儀無くされる人にとって、背中など寝
具と接触する部分に発生し易い床ずれは苦痛であり、看
護する人にとっても床ずれを予防することは難しく、そ
の世話には大きな苦労が伴っているのが現状である。

【０００３】従来、ベッドをモーターなどにより折り曲
げるようにして身体の特定の部所のみに体重がかかるこ
とを防止する工夫が見られるが、装置が大掛かりになり
価格も高くなり、操作も複雑であるなどの欠点があっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
間の横臥する人に発生し易い床ずれを予防することを可
能とする床ずれ予防用マットレスを提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、マットレスに用いられるコイルスプリングに
鋼線製コイルスプリングと形状記憶合金製コイルスプリ
ングとを併用し、かつ、該形状記憶合金製コイルスプリ
ングに周期的に通電することにより形状記憶合金製コイ
ルスプリングを伸長・萎縮させ、横臥する人に対して身
体の同一部位に圧迫を与えないようにすることにより上
記目的が達成されることを見出だし本発明に至った。

【０００６】即ち、本発明は、 （１）多数の鋼線製コイルスプリングと多数の形状記憶
合金製コイルスプリングとから成るマットレスにおい
て、、該多数の形状記憶合金製コイルスプリングに周期
的に通電する電源が電気的に接続されていることを特徴
とする床ずれ防止用マットレス。

【０００７】（２）上記多数の鋼線製コイルスプリング
と多数の形状記憶合金製コイルスプリングが前後左右に
交互に独立して配置されていることを特徴とする（１）
記載の床ずれ防止用マットレス。

【０００８】（３）上記多数の形状記憶合金製コイルス
プリングにはバイアス用のばねが用いられていないこと
を特徴とする（１）または（２）記載の床ずれ防止用マ
ットレスである。

【０００９】形状記憶合金は一方向性であり、加熱して
元の形状、例えばコイルスプリングの伸長状態にするこ
とは可能なるも、逆の方向、萎縮させることは、冷却す
るだけでは不可能で、他のバネ力、即ちバイアス力を利
用するしかない。従って、通常の鋼線材によるコイルス
プリングと当該形状記憶合金製のコイルスプリングと
は、常に対として使用しなければならない。

【００１０】もし、このような単に形状記憶合金製のコ
イルスプリングをマットレスのスプリングとする方法を
採れば、材料は重複して必要となり、製造費用も高くな
る。又、互いに隣合ったコイルスプリング同志を脱落し
てよいように固着し合っているので、その中の一つが伸
長しても隣のばねも引張られて伸長し、個々の伸長性が
明確に発効されない。

【００１１】そこで本発明では、形状記憶合金製コイル
スプリングと他の材料を重複して使用せず、従来のコイ
ルバネの配装をそのまま利用し、かつ、互いに隣り合っ
たコイルスプリングが独立して伸長し、個々のバネの伸
長効果を明確に発効し得るようにしたものである。

【００１２】本発明のマットレスにおいては、ある１個
の鋼線製コイルスプリング（従来使用されているバネ）
に隣り合った前後左右の４本の位置に独立して形状記憶
合金製コイルスプリングを配設し、逆に形状記憶合金製
コイルスプリングからみればその隣り合った前後左右に
鋼線製コイルバネが独立して配設されている。

【００１３】形状記憶合金製コイルスプリング群を一斉
に加熱し、鋼線製コイルスプリングより高い位置にまで
伸長させると、伸長した形状記憶合金製コイルバネの上
端部が横臥している人の身体部分を圧迫し、体重が支え
られることになる。

【００１４】次に、一定時間後に形状記憶合金製コイル
スプリングの加熱を中断すると、当該バネの力が減少
し、横臥している人の体重により伸長していたバネが萎
縮し、横臥している人の身体は鋼線製コイルスプリング
に当接する。この時、形状記憶合金製コイルスプリング
は横臥している人の身体に接触をしているが、その体重
を支える力は全くなくなり、かわって鋼線製コイルスプ
リングが体重の大部分を支える。

【００１５】この操作を一定間隔毎に繰返すことによっ
て、横臥している人の身体圧迫箇所を一定時間毎に変え
ることが可能となる。

【００１６】本発明に用いる電源は形状記憶合金を加熱
するためのものであり、直流でも交流でもよいが、通電
時間と遮電時間の繰返しを調節するためのタイマー、温
度センサー等が連動しているのがよい。

【００１７】

【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。

【００１８】図１は、本発明になるマットレスの一実施
例の断面図である。形状記憶合金製コイルスプリング１
は、従来作られている鋼線製コイルスプリング２と交互
に配列設置されている。

【００１９】図２は、その平面図で、配列設置を模式化
して示した。

【００２０】各ばね１、２は通気性ある強靭な織布又は
不織布３にクリップ４等で固定してある。又、各ばね
１、２は通気性のある織布又は不織布製の間隔壁５によ
り位置を固定してある。上側にはやはり通気性ある強靭
な布材又は網材６を設け、これに鋼線製コイルスプリン
グ１をクリップ７で固着してある。

【００２１】形状記憶合金製の各コイルバネ１の上端及
び下端に夫々電線８、９が接続されており、上端への接
続電線８と下端への接続電線９は別途に纏められてタイ
マー付電源１０に接続されている。

【００２２】次に本願発明のマットレスの機能について
説明をする。

【００２３】図３は形状記憶合金製コイルスプリング１
に通電加熱して伸長させた場合を示し、上方の身体１１
の各当接部１２を圧迫している。この状態である時間
後、例えば２時間後に遮電をすると、図４のようにバネ
１は力が減少しており、身体１１は別の当接部１３で身
体を圧迫する。当初の当接部位１２はバネ１に接触はし
ているが、バネ１の力が既に弱まっているから、身体を
もはや圧迫しない。このような通電と遮電を繰り返すこ
とによって、身体の特定部分のみを圧迫することを避け
ることができる。

【００２４】

【発明の効果】以上に説明したごとく、本発明のマット
レスを用いると、設定された時間毎に横臥している人の
体重を支える箇所が変わるので、身体の同一部位を長時
間圧迫することがなく、その結果として、床ずれが起き
にくくなる。

【００２５】又、通気性を良くしたことによって、更に
床ずれを起きにくくしている。形状記憶合金と通常の鋼
線製のスプリングとは互いに独立させてあるので、形状
記憶合金が伸長・萎縮の作動を行って身体の当接部位に
当る、当らないの区別が明確にできるので、この点でも
床ずれ予防に効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になるマットレスの部分的な断面図。

【図２】その平面図で、布又は鋼材６を取外して見た
図。

【図３】作動図で通電を停めた状態。

【図４】作動図で通電した状態。

【符号の説明】

１ 形状記憶合金製スプリング ２ 鋼線製スプリング ３ 布 ４ クリップ ５ 障壁 ６ 布又は網 ７ クリップ ８ 電線 ９ 電線 １０ タイマー付電源

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の鋼線製コイルスプリングと多数の
   形状記憶合金製コイルスプリングとから成るマットレス
   において、、該多数の形状記憶合金製コイルスプリング
   に周期的に通電する電源が電気的に接続されていること
   を特徴とする床ずれ予防用マットレス。
2. 【請求項２】 上記多数の鋼線製コイルスプリングと多
   数の形状記憶合金製コイルスプリングが前後左右に交互
   に独立して配置されていることを特徴とする請求項１記
   載の床ずれ予防用マットレス。
3. 【請求項３】 上記多数の形状記憶合金製コイルスプリ
   ングにはバイアス用のばねが用いられていないことを特
   徴とする請求項１または２記載の床ずれ予防用マットレ
   ス。