JPH08102615A - 衛星受信用アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、放送衛星(BS)や通信衛星(CS)等から
の衛星電波を受信する際に、仰角調整に伴なう複雑な回
転機構を有することなく、容易に仰角調整を行なうこと
が可能な低コストの衛星受信用アンテナを提供すること
を目的とする。 【構成】パラボラ反射鏡11の前面側で該反射鏡11により
反射収束される衛星電波が入射される一次放射器15をそ
の一端に取付けた放射器支持アーム16の他端側を、アン
テナ取付け金具17の底面板17a にパラボラ反射鏡11の上
下方向の中心線に沿って矢印Ｘで示す離間間隔で形成し
た低仰角用ねじ固定孔あるいは高仰角用ねじ固定孔に対
し、アーム１６他端側のねじ挿通孔を介したアーム固定
ねじ18を螺合して締付け固定し、該アンテナの組立て設
置に際し、前記一次放射器15及び放射器支持アーム16が
範囲Ｘの上方あるいは下方に移動された状態で固定さ
れ、受信衛星の仰角方向が低仰角Ａ2 あるいは高仰角Ａ
1 に設定される構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、放送衛星（ＢＳ）や通
信衛星（ＣＳ）等からの衛星電波を受信するのに使用さ
れる衛星受信用アンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、放送衛星（ＢＳ）や通信衛星
（ＣＳ）等からの衛星電波を受信するには、パラボラア
ンテナが使用されるが、このパラボラアンテナは、該ア
ンテナが設置される地域によって衛星電波の入射方向が
異なるため、その方位角方向及び仰角方向の２軸での方
向調整が必要になる。

【０００３】図５は従来のパラボラアンテナの取付け固
定構造を示す外観斜視図である。図５において、１０は
アンテナ支柱、１１はパラボラ反射鏡、１２は該アンテ
ナ支柱１０に対しパラボラ反射鏡を取付け固定する反射
鏡取付け金具である。

【０００４】この反射鏡取付け金具１２は、パラボラ反
射鏡１１の裏面に対し固定された可動側取付け金具１２
ａと、支柱１０に対し取付け固定された固定側取付け金
具１２ｂとからなり、可動側取付け金具１２ａには、放
射器支持アーム１２ｃが一体的に固定され、図示しない
一次放射器がパラボラ反射鏡１１の前面における所定の
反射焦点位置に固定配置される。

【０００５】そして、このパラボラアンテナの仰角方向
Ａは、前記可動側取付け金具１２ａの側面板１２a1と固
定側取付け金具１２ｂとの結合ねじ１３を中心軸とし
て、仰角固定ねじ１４を挿通した角度調整孔１２a2の円
弧範囲で調整されるもので、前記結合ねじ１３及び仰角
固定ねじ１４を緩め、パラボラ反射鏡１１を衛星軌道の
の仰角度に対応させて回動調整した後に、前記仰角固定
ねじ１４及び結合ねじ１３を締付けることにより、仰角
調整が行なわれる。

【０００６】一方、前記パラボラアンテナの方位方向Ｂ
は、アンテナ支柱１０を中心軸として、該アンテナ支柱
１０に対する前記固定側取付け金具１２ｂの回転範囲で
調整されるもので、この方位方向Ｂの調整は、アンテナ
支柱１０に対する固定側取付け金具１２ｂの取付けに伴
なって行なわれる。

【０００７】なお、一般に、前記図示しない一次放射器
には、該一次放射器で入射したマイクロ波信号を中間周
波数に変換し増幅するためのコンバータが一体化され内
蔵されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のパラボラアンテナの取付け固定構造では、特に、仰
角方向Ａの角度調整のため、固定側１２ｂと可動側１２
ａとで分離した反射鏡取付け金具１２や結合ねじ１３，
仰角固定ねじ１４，角度調整孔１２a2等からなるパラボ
ラ反射鏡１１の回転機構が必要になるため、部品点数が
多く複雑な構造となり、コスト高を招く問題がある。

【０００９】本発明は前記の問題に鑑みなされたもの
で、仰角調整に伴なう複雑な回転機構を有することな
く、容易に仰角調整を行なうことが可能になる低コスト
の衛星受信用アンテナを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係わ
る衛星受信用アンテナは、パラボラ反射鏡と、このパラ
ボラ反射鏡の前面側に配置され、該パラボラ反射鏡によ
り反射収束された衛星電波が入射される一次放射器と、
この一次放射器を前記パラボラ反射鏡の前面側におい
て、該パラボラ反射鏡の上下方向に対応する中心線に沿
った任意の位置に移動自在に固定する放射器固定手段と
備えて構成したものである。

【００１１】

【作用】つまり、前記衛星受信用アンテナでは、前記一
次放射器が前記パラボラ反射鏡の前面側において、該パ
ラボラ反射鏡の上下方向に対応する中心線に沿った任意
の位置に移動自在に固定されるので、該一次放射器に入
射される衛星電波の前記パラボラ反射鏡に対する入射仰
角は任意の仰角度に設定し得ることになる。

【００１２】

【実施例】以下図面により本発明の実施例について説明
する。図１は本発明の衛星受信用アンテナを実施したパ
ラボラアンテナの外観構成を示す側面図である。

【００１３】図１において、１０はアンテナ支柱、１１
はパラボラ反射鏡、１５は一次放射器（コンバータ内
蔵）、１６は放射器支持アーム、１７はアンテナ取付け
金具、１８はアーム固定ねじである。

【００１４】前記アンテナ取付け金具１７は、パラボラ
反射鏡１１の裏面側に対し一体的に固定され、このアン
テナ取付け金具１７を介し前記パラボラ反射鏡１１は前
記アンテナ支柱１０に取付け固定されるもので、このア
ンテナ取付け金具１７のアンテナ支柱１０に対する取付
けに際しては、衛星からの到来電波に対するパラボラ反
射鏡１１の方位角調整を行なう。

【００１５】一方、前記一次放射器１５は前記放射器支
持アーム１６の一端に取付けられ、パラボラ反射鏡１１
の前面側に配置されるもので、この一次放射器１５に対
し、前記パラボラ反射鏡１１により反射収束された衛星
電波が入射される。

【００１６】そして、前記放射器支持アーム１６は、そ
の他端が、前記パラボラ反射鏡１１の裏面中央部に対面
したアンテナ取付け金具１７の底面板１７ａに対し、ア
ーム固定ねじ１８により取付け固定される。

【００１７】ここで、前記放射器支持アーム１６の他端
は、前記パラボラ反射鏡１１の上下方向の中心線に沿っ
た状態で前記アンテナ取付け金具１７の底面板１７ａに
対して取付けられるもので、この場合、前記放射器支持
アーム１６は、一対のアーム固定ねじ１８，１８による
固定操作に応じて、前記パラボラ反射鏡１１の上下方向
の中心線に沿った矢印Ｘの範囲内で上下移動自在にした
位置で固定される。

【００１８】ここで、前記放射器支持アーム１６が前記
範囲Ｘの上限位置に移動されて固定された場合には、パ
ラボラ反射鏡１１に反射されて一次放射器１５に入射さ
れる衛星電波の仰角度は矢印Ａ2 で示す低仰角に設定さ
れ、また、放射器支持アーム１６が前記範囲Ｘの下限位
置に移動されて固定された場合には、パラボラ反射鏡１
１に反射されて一次放射器１５に入射される衛星電波の
仰角度は矢印Ａ1 で示す高仰角に設定される。

【００１９】図２は前記パラボラアンテナのアンテナ取
付け金具１７に対する放射器支持アーム１６の取付け固
定構造を示す側断面図である。すなわち、放射器支持ア
ーム１６は、断面長方形にした中空部１６ａを有するパ
イプ状のアームとして構成され、その他端側において、
予め設定された間隔をおいて形成された一対のねじ挿通
孔１６a1，１６a1のそれぞれに対しアーム固定ねじ１
８，１８を挿通させ、該アーム固定ねじ１８，１８の各
先端をアンテナ取付け金具１７の底面板１７ａに形成し
た一対のねじ固定孔１７a1，１７a1又は１７b1，１７b1
に螺合することで固定されるもので、この場合、前記各
一対のねじ固定孔１７a1，１７a1又は１７b1，１７b1そ
れぞれの形成間隔は、前記放射器支持アーム１６に形成
した一対のねじ挿通孔１６a1，１６a1の形成間隔と同一
の間隔である。

【００２０】また、前記一方のねじ固定孔１７a1，１７
a1と他方のねじ固定孔１７b1，１７b1との上下離間間隔
を前記範囲Ｘとし、上部側に形成された一対のねじ孔１
７a1，１７a1を低仰角用、下部側に形成された一対のね
じ固定孔１７b1，１７b1を高仰角用とする。

【００２１】すなわち、前記構成によるパラボラアンテ
ナにおいて、例えば東北地方を受信地点とするには、ア
ンテナの取付け設置に際し、アンテナ支柱１０にアンテ
ナ取付け金具１７を介しパラボラ反射鏡１１を取付け固
定すると共に、一端に一次放射器１５の取付けられた放
射器支持アーム１６の他端側を、一対のアーム固定ねじ
１８，１８を該アーム１６他端側のねじ挿通孔１６a1，
１６a1を介し、前記アンテナ取付け金具１７の底面板１
７ａに形成した低仰角用のねじ固定孔１７a1，１７a1に
螺合して締付け固定することにより、放射器支持アーム
１６及び一次放射器１５は、パラボラ反射鏡１１の上下
方向に対応する中心線に沿って、その上下移動範囲Ｘの
上限位置に固定されるので、パラボラ反射鏡１１に反射
されて一次放射器１５に入射される衛星電波の仰角度は
矢印Ａ2 で示す低仰角に設定され、東北地方における衛
星の仰角方向に合わされる。

【００２２】また、例えば関西地方を受信地点とするに
は、アンテナの取付け設置に際し、アンテナ支柱１０に
アンテナ取付け金具１７を介しパラボラ反射鏡１１を取
付け固定すると共に、一端に一次放射器１５の取付けら
れた放射器支持アーム１６の他端側を、一対のアーム固
定ねじ１８，１８を該アーム１６他端側のねじ挿通孔１
６a1，１６a1を介し、前記アンテナ取付け金具１７の底
面板１７ａに形成した高仰角用のねじ固定孔１７b1，１
７b1に螺合して締付け固定することにより、放射器支持
アーム１６及び一次放射器１５は、パラボラ反射鏡１１
の上下方向に対応する中心線に沿って、その上下移動範
囲Ｘの下限位置に固定されるので、パラボラ反射鏡１１
に反射されて一次放射器１５に入射される衛星電波の仰
角度は矢印Ａ1 で示す高仰角に設定され、関西地方にお
ける衛星の仰角方向に合わされる。

【００２３】この場合、前記低仰角の衛星受信あるいは
高仰角の衛星受信の何れにあっても、パラボラアンテナ
の組立て設置後に、従来の複雑な回転機構等を使用した
仰角調整を行なう必要はなく、アンテナ支柱１０の回転
による方位角調整のみで良好な衛星受信が行なえるよう
になる。

【００２４】したがって、前記構成のパラボラアンテナ
によれば、パラボラ反射鏡１１の前面側で該パラボラ反
射鏡１１により反射収束される衛星電波が入射される一
次放射器１５をその一端に取付けた放射器支持アーム１
６の他端側を、アンテナ取付け金具１７の底面板１７ａ
にパラボラ反射鏡１１の上下方向の中心線に沿って矢印
Ｘで示す離間間隔で形成した上側の低仰角用ねじ固定孔
１７a1あるいは下側の高仰角用ねじ固定孔１７b1に対
し、アーム１６他端側のねじ挿通孔１６a1を介したアー
ム固定ねじ１８を螺合して締付け固定し、該アンテナの
組立て設置に際し、前記一次放射器１５及び放射器支持
アーム１６が範囲Ｘの上方あるいは下方に移動された状
態で固定され、受信衛星の仰角方向が低仰角Ａ2 あるい
は高仰角Ａ1 に設定されるので、複雑な仰角調整機構を
要することなく、アンテナ支柱１０の回転による方位各
調整のみで良好な衛星受信を行なうことができ、部品点
数の低減簡素化により低コスト化も実現できる。

【００２５】なお、前記実施例では、放射器支持アーム
１６を、パラボラ反射鏡１１の上下方向中心線に沿った
範囲Ｘの上限位置あるいは下限位置の何れかの位置に任
意に移動固定する手段として、放射器支持アーム１６の
他端側をアーム固定ねじ１８を用いて取付ける際に、ア
ンテナ取付け金具１７の底面板１７ａに範囲Ｘの離間間
隔で形成した低仰角用ねじ固定孔１７a1あるいは高仰角
用ねじ固定孔１７b1を選択的に利用する構成としたが、
例えば次に説明する図３に示すような構成としてもよ
い。

【００２６】図３は前記パラボラアンテナのアンテナ取
付け金具１７に対する放射器支持アーム１６の取付け固
定構造の他の実施例を示す側断面図である。すなわち、
アンテナ取付け金具１７の底面板１７ａには一対のねじ
固定孔１７c1，１７c1のみを形成し、放射器支持アーム
１６の他端側に、前記パラボラ反射鏡１１の上下方向中
心線に沿った範囲Ｘのねじ長孔１６b1，１６b1を形成す
ることにより、アーム固定ねじ１８，１８を該ねじ長孔
１６b1，１６b1を介して前記ねじ固定孔１７c1，１７c1
に締付け固定する際に、放射器支持アーム１６を範囲Ｘ
に対応して上下方向にスライドさせ、一次放射器１５を
低仰角設定位置Ａ2 あるいは高仰角設定位置Ａ1 に任意
に固定できる構成とする。

【００２７】なお、前記図３で示したアンテナ取付け金
具１７に対する放射器支持アーム１６の取付け固定構造
の他の実施例において、そのねじ長孔１６b1，１６b1に
応じたスライド範囲Ｘに対応して仰角設定値を確認でき
る目盛りを設けて構成してもよい。

【００２８】図４は仰角設定値の目盛りを設けた放射器
支持アーム１６の取付け固定構造を示す外観斜視図であ
る。すなわち、アンテナ取付け金具１７の底面板１７ａ
に形成したねじ固定孔１７c1を中心としてその上下方向
に範囲Ｘの仰角設定値を示す目盛り板２０を、該底面板
１７ａにおける放射器支持アーム１６の取付け位置に沿
って貼着けて設けると共に、放射器支持アーム１６のね
じ長孔１６b1の中心位置に対応するアーム側面に、前記
目盛り板２０を指示する指示針１９を貼着けて設ける。

【００２９】これにより、前記ねじ長孔１６b1の範囲Ｘ
に応じた放射器支持アーム１６の上下スライド位置に対
応する仰角設定値を、前記アンテナ取付け金具１７の底
面板１７ａに設けた目盛り板２０及び放射器指示アーム
１６の他端側面に設けた指示針１９により容易に確認す
ることができ、パラボラ反射鏡１１に対する放射器支持
アーム１６の取付けに伴ない、簡単に衛星電波の入射仰
角を設定することができる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、一次放射
器がパラボラ反射鏡の前面側において、該パラボラ反射
鏡の上下方向に対応する中心線に沿った任意の位置に移
動自在に固定されるので、該一次放射器に入射される衛
星電波の前記パラボラ反射鏡に対する入射仰角は任意の
仰角度に設定し得るようになる。よって、仰角調整に伴
なう複雑な回転機構を有することなく、容易に仰角調整
を行なうことが可能な低コストの衛星受信用アンテナを
提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の衛星受信用アンテナの実施例に係わる
パラボラアンテナの外観構成を示す側面図。

【図２】前記パラボラアンテナのアンテナ取付け金具に
対する放射器支持アームの取付け固定構造を示す側断面
図。

【図３】前記パラボラアンテナのアンテナ取付け金具に
対する放射器支持アームの取付け固定構造の他の実施例
を示す側断面図。

【図４】仰角設定値の目盛りを設けた放射器支持アーム
の取付け固定構造を示す外観斜視図。

【図５】従来のパラボラアンテナの取付け固定構造を示
す外観斜視図。

【符号の説明】

１０…アンテナ支柱、１１…パラボラ反射鏡、１５…一
次放射器（コンバータ内蔵）、１６…放射器支持アー
ム、１６ａ…中空部、１６a1…ねじ挿通孔、１６b1…ね
じ長孔、１７…アンテナ取付け金具、１７ａ…取付け金
具底面板、１７a1…低仰角用ねじ固定孔、１７b1…高仰
角用ねじ固定孔、１７c1…ねじ固定孔、１８…アーム固
定ねじ、１９…仰角指示針、２０…仰角目盛り板、Ｘ…
仰角調整範囲、Ａ1 ，Ａ2 …入射仰角。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パラボラ反射鏡と、 このパラボラ反射鏡の前面側に配置され、該パラボラ反
   射鏡により反射収束された衛星電波が入射される一次放
   射器と、 この一次放射器を前記パラボラ反射鏡の前面側におい
   て、該パラボラ反射鏡の上下方向に対応する中心線に沿
   った任意の位置に移動自在に固定する放射器固定手段と
   を具備し、 前記一次放射器に入射される衛星電波の前記パラボラ反
   射鏡に対する入射仰角を任意の仰角度に設定することを
   特徴とする衛星受信用アンテナ。
2. 【請求項２】 前記放射器固定手段は、前記一次放射器
   がその一端に固定され、他端が前記パラボラ反射鏡の裏
   面側における反射鏡固定金具に対し該パラボラ反射鏡の
   上下方向に対応する中心線に沿った任意の位置に移動自
   在に固定される放射器支持アームからなることを特徴と
   する請求項１記載の衛星受信用アンテナ。