JPH08102511A - ダイヤモンド・ヒートシンクおよびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド・ヒートシンクおよびその製造方法

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JPH08102511A
JPH08102511A JP7198426A JP19842695A JPH08102511A JP H08102511 A JPH08102511 A JP H08102511A JP 7198426 A JP7198426 A JP 7198426A JP 19842695 A JP19842695 A JP 19842695A JP H08102511 A JPH08102511 A JP H08102511A
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heat sink
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弘 塩見
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Yoshiki Nishibayashi
良樹 西林
Shinichi Shikada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高機能で高効率のダイヤモンド・ヒートシン
クを安価に提供する。 【構成】 Si基板1上に、ノンドープの気相合成ダイ
ヤモンドからなる絶縁膜2、半導電性の気相合成ダイヤ
モンドからなる感熱膜3およびノンドープの気相合成ダ
イヤモンドからなる支持膜4を順次形成する。次に、S
i基板1を除去して裏返し、絶縁膜2の平坦な表面を上
面に位置する。次に、この絶縁膜2をパターニングし、
露出した感熱膜3上に電極5a,bを形成する。次に、
支持膜4に銅の支持台6を銀ろうはんだ7で固着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い熱応答性を持
つサーミスタ又は冷却用素子を内蔵する、高い放熱機能
を有したダイヤモンド・ヒートシンク及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは2,000[W/m・
K]という高い熱伝導度を持つため、ヒートシンク材料
として優れている。また、ダイヤモンドは、不純物をド
ーピングすることで半導体としての性質を呈するため、
高温まで使用可能な熱応答速度の速いサーミスタ材料と
して用いることもできる。
【0003】特開昭63−184304号公報には、こ
のようなダイヤモンドを材料に用いたサーミスタが示さ
れている。このサーミスタにおいては、基板上に気相合
成法によって半導電性のダイヤモンド膜が形成され、こ
の半導電性ダイヤモンド膜が感熱膜として用いられてい
る。さらに、この感熱膜にオーミック電極が形成されて
おり、このオーミック電極を介して感熱膜の抵抗測定が
行われ、温度が計測される。感熱膜が形成される上記の
基板には、単結晶ダイヤモンド基板や、融点が高く熱伝
導率の良い金属,半導体もしくはそれらの化合物からな
る基板が用いられている。
【0004】また、特開平5−67711号公報には、
ダイヤモンドからなるヒートシンクにダイヤモンドから
なるサーミスタを一体化する試みが示されており、上述
したダイヤモンドの優れた特徴が活かされている。つま
り、ヒートシンク素材上の所定領域に気相合成法によっ
て半導電性のダイヤモンド膜が感熱膜として形成されて
おり、この感熱膜上に金属電極が形成されてサーミスタ
が構成されている。さらに、このサーミスタに並んだヒ
ートシンク素材の表面に金属化膜が形成されている。こ
の金属化膜に載置される素子の発熱はヒートシンク素材
を介してサーミスタに伝えられ、素子の温度が計測され
る。また、同公報にはこれとは別のサーミスタ一体型ヒ
ートシンクも示されている。このヒートシンクでは、ヒ
ートシンク素材の表面全面に半導電性ダイヤモンド膜が
感熱膜として形成され、この感熱膜上に金属電極が形成
されてヒートシンクが形成されている。この金属電極間
の感熱膜表面に発熱素子が載置される金属化膜が形成さ
れている。同公報に示されるこれらいずれのサーミスタ
一体型ヒートシンクにおいても、ヒートシンク素材の材
料には、前述した公報に示される基板と同様、単結晶ダ
イヤモンド、または、融点が高く熱伝導率の良い金属,
半導体もしくはそれらの化合物が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来の特
開昭63−184304号公報に示されるサーミスタを
構成する基板や、特開平5−67711号公報に示され
るサーミスタ一体型ヒートシンクを構成するヒートシン
ク素材に、前述した優れた特性を有するダイヤモンドを
用いる場合にはいずれも単結晶ダイヤモンドが使用され
ている。この単結晶ダイヤモンドは、超高圧下での人工
合成法によって品質の揃ったものが得られるが、高価で
あるという欠点を有している。
【0006】一方、このダイヤモンドを安価な気相合成
法によって得ようとすると、基板やヒートシンクには厚
いダイヤモンドが必要とされ、また、気相合成ダイヤモ
ンドは多結晶であるため、ダイヤモンドの表面が荒れて
しまう。このため、気相合成ダイヤモンドのこの荒れた
表面に素子を実装するには、表面を研磨して平坦化する
必要が生じる。ところが、ダイヤモンドは非常に硬いた
め、この表面の研磨加工は困難なものになった。
【0007】また、特開平5−67711号公報に示さ
れるような、サーミスタと発熱素子とをヒートシンク素
材上に並列に並べるヒートシンク構造においては、発熱
素子の発熱がヒートシンク素材を介してサーミスタに伝
えられる。このため、発熱素子の発熱がサーミスタで検
知されるタイミングは若干遅れてしまい、また、この熱
は伝達途中のヒートシンク素材において幾分かが吸収さ
れてしまう。このため、このサーミスタ一体型ヒートシ
ンクの構造は、サーミスタ信号を用いて実装素子の温度
を正確に制御するのには十分ではなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解消するためになされたもので、ノンドープの気相合
成ダイヤモンドからなる支持膜と、この支持膜の表面に
形成された半導電性の気相合成ダイヤモンドからなる感
熱膜と、この感熱膜上の所定領域に形成されたノンドー
プの気相合成ダイヤモンドからなる絶縁膜と、感熱膜上
に形成された電極とを備え、ダイヤモンド・ヒートシン
クを形成した。
【0009】また、上記ダイヤモンド・ヒートシンクに
おいて、高濃度に不純物を含む気相合成ダイヤモンドか
らなるオーミック用高ドープ膜を電極と感熱膜との間に
形成した。
【0010】また、上記の各ダイヤモンド・ヒートシン
クにおいて、支持膜の裏面に冷却装置を形成した。
【0011】また、上記冷却装置を、支持膜の裏面に形
成された第1の金属膜と、この第1の金属膜に一端が接
触して形成されたp型半導体層と、この第1の金属膜に
一端が接触して形成されたn型半導体層と、p型半導体
層の他端に接触して形成された第2の金属膜と、n型半
導体層の他端に接触して形成された第3の金属膜とから
なる1つ以上のΠ字形のサブモジュールを、直列に接続
したペルティエ(ペルチェ)素子とした。
【0012】また、上記冷却装置を、支持膜の裏面に形
成された第1の金属膜と、この第1の金属膜に一端が接
触して形成されたp型半導体ダイヤモンド層と、この第
1の金属膜に一端が接触して形成されたn型半導体ダイ
ヤモンド層と、p型半導体ダイヤモンド層の他端に接触
して形成された第2の金属膜と、n型半導体ダイヤモン
ド層の他端に接触して形成された第3の金属膜とからな
る1つ以上のΠ字形のサブモジュールを直列に接続した
ペルティエ素子とした。
【0013】また、冷却装置が、支持膜の裏面に配置さ
れた、媒体を流通させるためのマイクロチャネルとし
た。
【0014】また、このマイクロチャネルを画成する壁
面の一部を支持膜の裏面に形成されたダイヤモンド層と
した。
【0015】また、上記の各ダイヤモンド・ヒートシン
クにおいて、絶縁膜の表面を実装素子の形状に合わせて
加工し、絶縁膜と実装素子との接触面積を増やした。
【0016】また、基板上にノンドープのダイヤモンド
を気相合成法により形成して絶縁膜を得る第1の工程
と、この絶縁膜上に半導電性のダイヤモンドを気相合成
法により形成して感熱膜を得る第2の工程と、この感熱
膜上にノンドープのダイヤモンドを気相合成法により形
成して支持膜を得る第3の工程と、基板を除去して絶縁
膜を露出させる第4の工程と、露出した絶縁膜を選択的
に除去して感熱膜を部分的に露出させる第5の工程と、
露出した感熱膜の表面に電極を形成する第6の工程とを
備え、ダイヤモンド・ヒートシンクを製造する。
【0017】また、上記第3の工程の後に、支持膜上に
冷却装置を形成する第7の工程を備え、この第7の工程
の後に上記第4の工程およびこれに引き続く各工程を行
い、ダイヤモンド・ヒートシンクを製造する。
【0018】また、この第7の工程において、支持膜上
に第1の金属膜を選択的に形成する第8の工程と、この
第1の金属膜に各一端が接触したp型半導体層およびn
型半導体層をそれぞれ選択的に形成する第9の工程と、
p型半導体層およびn型半導体層の各他端にそれぞれ接
触した第2の金属膜および第3の金属膜を選択的に形成
する第10の工程とを備え、ペルティエ素子を形成す
る。
【0019】また、この第9の工程が、気相合成法によ
りp型半導体ダイヤモンド及びn型半導体ダイヤモンド
を選択的に形成する。
【0020】また、第7の工程が、支持膜上に金属膜を
選択的に形成する別の第8の工程と、金属膜上にノンド
ープダイヤモンド層を気相合成法により形成する別の第
9の工程と、第8の工程で形成されたノンドープダイヤ
モンド層の表面に所定のパターンを形成した後エッチン
グを行い、ノンドープダイヤモンド層の内部に溝を形成
する別の第10の工程と、ノンドープダイヤモンド層と
溝との上に金属板を配置する第11の工程を備え、支持
膜の裏側にマイクロチャネルを形成する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のダイヤモンドヒートシン
クは、レーザー発振素子、特に発熱量が大きいレーザー
アレイ、あるいは面発光レーザー等、発熱を生ずるあら
ゆる実装素子に対して有用なヒートシンクとして用いら
れる。
【0022】本発明のダイヤモンドヒートシンクは以下
に説明するように、その構造に起因した様々な利点を有
する。
【0023】絶縁膜上に載置された素子の発熱は、絶縁
膜を介してこの絶縁膜直下にある感熱膜に伝えられ、さ
らにこの感熱膜直下にある支持膜に伝えられて放熱す
る。これら絶縁膜,感熱膜および支持膜のそれぞれは熱
伝導度が非常に良好なダイヤモンドからなるため、絶縁
膜上に載置された素子の発熱は直ちに支持膜まで伝えら
れる。また、ダイヤモンドからなる感熱膜で形成された
サーミスタの熱応答速度は高いため、電極間の感熱膜の
抵抗は速やかに絶縁膜上に載置された素子の温度に対応
する値になる。さらに、絶縁膜の熱容量は小さいため、
この絶縁膜上に載置された素子で発生した熱のほとんど
が感熱膜に伝えられる。
【0024】また、電極と感熱膜との間に高ドープ膜が
形成されている場合には、電極と感熱膜との間の接触抵
抗は減少する。
【0025】また、絶縁膜の表面が実装素子の形状に合
わせて加工され、絶縁膜と実装素子との接触面積が増え
ている場合には、実装素子の発熱はより効率的に絶縁膜
に伝えられる。また、絶縁膜表面が実装素子の形状に合
わせて加工されることにより、素子を絶縁膜へ実装する
際のアライメントが容易になる。
【0026】また、感熱膜上に支持膜を形成した後、基
板を除去して絶縁膜を露出させることにより、基板と絶
縁膜との界面であった絶縁膜の平坦な表面が現れる。従
って、裏返すことにより、素子を実装する面として、多
結晶ダイヤモンドからなる荒れた支持膜の表面の代わり
に平坦な絶縁膜の表面を用いることができる。
【0027】また、感熱膜上に支持膜を形成し、さら
に、この支持膜上に冷却装置を形成した後、基板を除去
して絶縁膜を露出させることにより、サーミスタおよび
冷却装置を内蔵したヒートシンクが気相合成ダイヤモン
ドによって形成される。
【0028】
【実施例】以下、添付した図面を参照して、本発明の実
施例を詳細に説明する。尚、図面にいては、同一の要素
には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】(実施例1)図1は、本発明の第1実施例
によるダイヤモンド・ヒートシンクおよびその製造方法
を示す工程断面図である。
【0030】まず、シリコン(Si)基板1上にノンド
ープのダイヤモンドが気相合成法によって成長され、絶
縁膜2が形成された(図1(a)を見よ)。この気相合
成法には2.45GHzのマイクロ波を用いたマイクロ
波プラズマCVD(microwaveplasma chemical vapor de
position)装置が用いられ、以下の表1に示される合成
条件に従い、ダイヤモンドの気相合成が行われる。な
お、同表におけるダイヤモンド合成条件,は、後述
する製造工程に用いられる条件である。
【0031】
【表1】
【0032】この合成条件においては、流量200s
ccmの水素と流量1sccmのメタンとの混合ガスが
40Torrの圧力に設定されたCVD容器内に流され
た。この混合ガスは400Wのマイクロ波パワーによっ
てプラズマ化され、温度930℃に設定されたSi基板
1の表面にノンドープのダイヤモンドが気相成長して絶
縁膜2が形成された。この気相合成によって得られる絶
縁膜2の厚さは5μmであり、また、不純物密度は約1
14cm-3以下である。
【0033】次に、絶縁膜2上に半導電性のダイヤモン
ドが気相合成法によって成長し、感熱膜3が形成された
(図1(b))。この気相合成は表1の合成条件に従
って行われ、不純物としてボロンがドープされた。つま
り、流量200sccmの水素と流量1sccmのメタ
ンに加え、流量0.02〜1sccmの1000ppm
のジボランが混合されたガスが、圧力40TorrのC
VD容器内に流された。この混合ガスは400Wのマイ
クロ波パワーによってプラズマ化され、温度930℃に
設定された基板上に半導電性のダイヤモンドが気相成長
して間熱膜3が形成された。この気相合成によって得ら
れる感熱膜3の厚さは2μmであり、また、不純物密度
は約1016〜1019cm-3である。
【0034】次に、感熱膜3上にノンドープのダイヤモ
ンドが気相合成法によって成長し、支持膜4が形成され
た(図1(c))。この気相合成は上述した表1の合成
条件に従って行われる。支持膜4の膜厚は100μm
と厚く形成され、気相合成成長したダイヤモンド膜は多
結晶であるため、その表面は荒れている。また、その不
純物密度は約1014cm-3以下のノンドープである。
【0035】次に、フッ酸と硝酸との1:1の混合液に
よってSi基板1がエッチング除去され、絶縁膜2が露
出させられる(図1(d))。この際、今まで上面にあ
った支持膜4が下面に位置するよう裏返され、絶縁膜2
が上面に位置された。
【0036】次に、絶縁膜2の表面中央部にアルミニウ
ム等の材料からなるマスクが形成され、このマスクで被
覆されていない絶縁膜2部分がエッチングによって除去
された。このダイヤモンドエッチングは表2の条件に従
って行われる。
【0037】
【表2】
【0038】つまり、1%の酸素と99%のアルゴンと
の混合ガスが全体として100sccmの流量で流さ
れ、この混合ガスが1.356MHzで100WのRF
パワーによってプラズマ化された。このプラズマガスに
より、ノンドープ・ダイヤモンドからなる絶縁膜2は、
15nm/minのエッチレイトで選択的に除去され
た。このエッチングにより、絶縁膜2を中央部に残して
感熱膜3の周辺部が露出する(図1(e))。
【0039】次に、露出したこの感熱膜3にオーミック
接触して一対の電極5a,bが形成された(図1
(f))。この電極材料にはTi/Mo/Au金属が用
いられ、電極5a,bと感熱膜3との接触抵抗が低く保
たれる。また、この接触抵抗は高温でも安定に低抵抗に
維持された。
【0040】最後に、支持膜4の荒れた表面に銅の支持
台6が銀ろうはんだ7で固着された(図1(g))。
【0041】このようなヒートシンクの構造内には、感
熱膜3および電極5a,bから成るサーミスタが内蔵さ
れている。このサーミスタの測定対象とする発熱素子、
例えば半導体レーザダイオード等、は絶縁膜2上に置か
れる。絶縁膜2上に置かれた素子の発熱は、絶縁膜2を
介して、この絶縁膜2の直下にある感熱膜3に伝導さ
れ、更にこの感熱膜3の直下にある支持膜4および銅の
支持台6に伝えられる。これら絶縁膜2,感熱膜3およ
び支持膜4のそれぞれは熱伝導度が非常に良好なダイヤ
モンドからなるため、絶縁膜2上に置かれた素子の発熱
は直ちに支持膜4に伝えられ、そしてこの支持膜4およ
び銅の支持台6から成るヒートシンク部において速やか
に放熱された。また、ダイヤモンドからなる感熱膜3で
形成されたサーミスタの熱応答速度は高いため、電極5
a,b間の感熱膜3の抵抗は速やかに絶縁膜2上に載置
された素子の温度に対応する値になる。さらに、絶縁膜
2の熱容量は小さいため、絶縁膜2上に載置された素子
で発生した熱のほとんどが感熱膜3に伝えられる。この
ため、電極5a,b間に電流を流して感熱膜3の抵抗値
を計測することにより、絶縁膜2上に載置された素子の
温度はサーミスタによって極めて正確にかつ迅速に測定
された。また、これと共に、素子の発熱は支持膜4およ
び銅の支持台6に伝えられて速やかに放熱される。
【0042】また、本実施例によるダイヤモンド・ヒー
トシンクの製造方法においては、感熱膜3上に支持膜4
を形成した後、Si基板1を除去して絶縁膜2が露出さ
れ、Si基板1と絶縁膜2との界面であった絶縁膜2の
平坦な表面が現れる。従って、上述した図1(d)に示
す工程における裏返しの操作により、素子を実装する面
として、多結晶ダイヤモンドからなる荒れた支持膜4の
表面の代わりに平坦な絶縁膜2の表面を用いることがで
きる。つまり、実装素子は、Si基板1と絶縁膜2との
界面であった平坦な絶縁膜2の表面に装着される。この
ため、気相合成ダイヤモンドからなる荒れた支持膜4の
表面を研磨する加工を行う必要はない。また、ヒートシ
ンク基板に、従来の高価な単結晶ダイヤモンドの代わり
に安価な気相合成ダイヤモンドを用いることが可能とな
る。従って、製品コストは大幅に低減される。
【0043】また、上記本実施例において、サーミスタ
を構成する感熱膜3にドープするボロンの濃度を変え、
各ボロン濃度におけるサーミスタ特性を測定した。この
測定結果を以下の表3に示す。なお、このボロン濃度の
調整は、表1のダイヤモンド合成条件において、水素
とメタンとの混合ガスに加えるジボランの濃度を変化さ
せて行った。
【0044】
【表3】
【0045】サーミスタ特性は20ppmのジボラ
ン、サーミスタ特性は100ppmのジボラン、サー
ミスタ特性は1000ppmのジボランを用いた各ボ
ロン濃度における各特性を示している。
【0046】サーミスタ特性は上記実施例によるサー
ミスタの特性であり、室温でのサーミスタの基準抵抗値
は720Ωと低くなっている。また、サーミスタおよび
ヒートシンクはダイヤモンドで形成されているため、サ
ーミスタの使用可能温度範囲は0〜800℃になってお
り、高い温度でも使用することが可能になっている。ま
た、サーミスタ定数Bは2550K,活性化エネルギー
は0.22eVと小さく、室温におけるサーミスタ抵抗
の抵抗変化率は20.4Ω/℃と小さくなっている。
【0047】室温での基準抵抗値はボロン濃度が低くに
なるに連れて高くなる。つまり、100ppmジボラン
を用いた特性では240KΩ、20ppmジボランを
用いた特性では7.2MΩと高くなる。また、使用可
能温度範囲はボロン濃度にかかわらず0〜800℃で一
定である。また、サーミスタ定数Bはボロン濃度が低く
なるに連れて大きくなる。つまり、100ppmジボラ
ンを用いた特性ではB定数は3940K,活性化エネ
ルギーは0.34eVであり、20ppmジボランを用
いた特性ではB定数は4990K,活性化エネルギー
は0.43eVと大きくなる。従って、室温での抵抗変
化率もボロン濃度が低くなるに連れて大きくなる。つま
り、100ppmジボランを用いた特性では10.5
KΩ/℃、20ppmジボランを用いた特性では39
9KΩ/℃と大きくなる。
【0048】従って、サーミスタの使用目的に応じ、こ
れら各サーミスタ特性〜の中から最も適したものを
選択することができる。
【0049】なお、100ppmジボランを用いた混合
ガスで感熱膜3を形成したサーミスタの熱応答速度(時
定数)を測定した結果、0.05秒という速い速度が得
られた。すなわち、本実施例によって感熱膜3を半導電
性ダイヤモンド膜で形成することにより、サーミスタに
加えられる急変温度差の63.2%の変化をサーミスタ
がするのに要する時間は0.05秒という極めて短い時
間で行われる。
【0050】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
によるダイヤモンド・ヒートシンクについて説明する。
図2はこの第2実施例によるダイヤモンド・ヒートシン
クを示す断面図であり、同図において図1と同一または
相当する部分には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0051】この第2実施例によるダイヤモンド・ヒー
トシンクと上記の第1実施例によるダイヤモンド・ヒー
トシンクとの相違点は、感熱膜3と電極5a,bとの間
にオーミック用高ドープ膜8が形成されている点であ
る。この高ドープ膜8は、高濃度に不純物を含む気相合
成ダイヤモンドからなり、表1のダイヤモンド合成条件
に従う気相合成法により形成された。
【0052】つまり、図1(e)に示す絶縁膜2のパタ
ーニング後、まず、基板全面にSiO2 膜が形成され、
このSiO2 膜のうちの電極形成部分が選択除去され、
電極形成部分の感熱膜3が露出させられる。次に、表1
の合成条件に従い、流量200sccmの水素と流量
1sccmのメタンとの混合ガスにさらに流量10sc
cmの1000ppmジボランが加えられたガスが、4
0Torrの圧力に設定されたCVD容器内に流され
た。この混合ガスは2.45GHzで400Wのマイク
ロ波パワーによってプラズマ化され、温度930℃に設
定された基板表面に半導電性のダイヤモンドが気相成長
する。この気相成長は電極形成部に露出した半導電性ダ
イヤモンド膜からなる感熱膜3の表面でのみ行われ、S
iO2 膜上ではダイヤモンド膜の気相成長は起きない。
従って、ボロンを高濃度に含むダイヤモンド膜は選択的
に形成され、図2に示すように電極形成部分にだけオー
ミック用高ドープ膜8が形成された。引き続いて、この
オーミック用高ドープ膜8上に前述の電極5a,bが形
成された後、マスクに用いられたSiO2 膜が除去され
た。その後、支持膜4に銅の支持台6が固着されてサー
ミスタ内蔵ヒートシンクが完成する。
【0053】この第2実施例によるヒートシンクにおい
ては、電極5a,bと感熱膜3との間に高ドープ膜8が
形成されているため、電極5a,bと感熱膜3との間の
接触抵抗は減少する。このため、サーミスタの基準抵抗
は次の表4に示すように低減された。
【0054】
【表4】
【0055】この表4も、ボロン濃度を表3と同様に変
化させた場合における、各ボロン濃度についてのサーミ
スタ特性を示している。表4のサーミスタ特性は上記
の第2実施例による特性を示しており、室温での基準抵
抗値は700Ωと低くなっている。また、100ppm
のジボランを用いたサーミスタ特性における基準抵抗
値は200KΩ、20ppmのジボランを用いたサーミ
スタ特性における基準抵抗値は6.0MΩと低くなっ
ている。いずれのボロン濃度においても、室温での基準
抵抗値は表3に示される基準抵抗値よりも低くなってい
る。
【0056】なお、使用可能温度範囲,B定数および室
温での抵抗変化率は表3に示される値と同じ値になって
いる。
【0057】(実施例3)次に、本発明の第3の実施例
によるダイヤモンド・ヒートシンクについて説明する。
本実施例によるヒートシンクはサーミスタに加えてペル
ティエ素子を内蔵しており、図3はこのサーミスタおよ
びペルティエ素子内蔵ヒートシンクの製造方法を示す工
程断面図の一部である。図9には、ペルティエ素子の原
理が示される。
【0058】図9に示されるように、半導体と金属との
接合部におけるペルティエ効果を利用して、図9の矢印
に示されるような熱の流れを作り出す。ちなみに、ペル
ティエ素子に関する技術が特願平4−178106に記
載されている。
【0059】まず、第1実施例のヒートシンクと同様
に、Si基板1上にノンドープの気相合成ダイヤモンド
からなる絶縁膜2、半導電性の気相合成ダイヤモンドか
らなる感熱膜3およびノンドープの気相合成ダイヤモン
ドからなる支持膜4が順次形成された(図1(a),
(b),(c)参照)。
【0060】次に、支持膜4の荒れた表面に金属膜が蒸
着されてこの金属膜がパターニングされ、支持膜4上に
第1の金属膜11が選択的に形成された(図3(h)参
照)。次に、この第1の金属膜11に各一端が接触した
p型半導体層12およびn型半導体層13がそれぞれ選
択CVD法によって選択成長された(同図(i)参
照)。これら各半導体層12,13の材料にはII−VI化
合物、例えばビスマス・テルル系の半導体材料が用いら
れる。また、p型半導体層12およびn型半導体層13
の間隙には絶縁膜16が埋め込まれ、各半導体層12,
13が絶縁分離された。次に、再び基板全面に金属膜が
蒸着された後、この金属膜がパターニングされた。この
パターニングにより、p型半導体層12およびn型半導
体層13の各他端にそれぞれ接触した第2の金属膜14
および第3の金属膜15が選択形成された (同図
(j)参照)。この結果、第1の金属膜11,p型半導
体層12,n型半導体層13,第2の金属膜14および
第3の金属膜15によって形成されたП字形のサブモジ
ュールを単位とするペルティエ素子が完成する。このペ
ルティエ素子では各サブモジュールが直列に接続され、
直列接続された各サブモジュールによってペルティエ素
子のモジュールが構成されている。次に、Si基板1が
フッ酸と硝酸との1:1の混合液で除去された。その
後、裏返され、基板1と絶縁膜2との界面であった絶縁
膜2の平坦な表面が上面に位置された(同図(k)参
照)。
【0061】次に、第1実施例と同様に絶縁膜2がパタ
ーニングされ、露出した感熱膜3に接触して電極5a,
bが形成された(図1(e),(f)参照)。この結
果、図4に示す、サーミスタおよびペルティエ素子を内
蔵した高機能なダイヤモンド・ヒートシンクが完成す
る。
【0062】このようなダイヤモンド・ヒートシンク構
造において、測定対象とされる発熱素子21は絶縁膜2
上に載置された。また、ペルティエ素子の端子間にバッ
テリ22が接続され、直列接続された各サブモジュール
に所定の電流が流された。この通電によって、ペルティ
エ素子の上面、つまり、p型半導体層12と第1の金属
膜11との接合部およびn型半導体層13と第1の金属
膜11との接合部において吸熱作用が生じ、また、ペル
ティエ素子の下面、つまり、p型半導体層12と第2の
金属膜14との接合部およびn型半導体層13と第3の
金属膜15との接合部において発熱作用が生じて熱電冷
却が行われる。すなわち、本実施例によるダイヤモンド
・ヒートシンクにおいては、支持膜4の裏面に冷却素子
としてペルティエ素子が形成されているため、支持膜4
に速やかに伝わった熱はこのペルティエ素子によって速
やかに放熱された。
【0063】つまり、絶縁膜2上に載置された発熱素子
21で生じた熱は、前述した第1の実施例と同様に、絶
縁膜2,感熱膜3を介して支持膜4に速やかに伝わる。
支持膜4に伝わった熱は、ペルティエ素子の上面で速や
かに吸熱され、ペルティエ素子の下面で速やかに発熱し
て放熱された。第1の実施例で前述したように、発熱素
子21の温度は、感熱膜3および電極5a,bによって
構成されるサーミスタで極めて正確に直ちに検知され
た。このため、検知したこの素子温度に基づいてペルテ
ィエ素子へ通電する電流量を調整することにより、ペル
ティエ素子による吸熱量および発熱量は迅速にかつ正確
に制御された。このため、絶縁膜2上に載置された素子
21の温度は、迅速にかつ正確に所望の温度に設定され
た。
【0064】発熱素子21が例えば半導体レーザーダイ
オード(LD)である場合には、絶縁膜2上に実装され
たこのLDの素子温度はサーミスタによって速い熱応答
速度で瞬時に測定され、さらに、ペルティエ素子によっ
てLDの素子温度が一定になるよう速やかに冷却され
た。この結果、LDは極めて安定したレーザー発振をす
るようになる。
【0065】また、上記の第3実施例によるダイヤモン
ド・ヒートシンクの製造方法においては、感熱膜3上に
支持膜4を形成し、さらに、この支持膜4上にペルティ
エ素子を形成した後、Si基板1を除去して絶縁膜2を
露出させている。従って、本実施例の製造方法によって
も、第1実施例の製造方法と同様に絶縁膜2の平坦な表
面に素子を実装することが可能となり、安価な気相合成
ダイヤモンドをヒートシンク素材に用いることができ、
荒れた気相合成ダイヤモンドの表面を研磨する加工を行
う必要もない。従って、サーミスタおよびペルティエ素
子を内蔵した高機能で高効率のヒートシンクが安価に得
られる。
【0066】なお、上記の第3の実施例の説明において
は電極5a,bが感熱膜3の表面に直接接触する構造に
ついて説明したが、第2実施例のように感熱膜3と電極
5a,bとの間にオーミック用高ドープ膜を形成しても
よい。この場合においては第2の実施例と同様に電極5
a,bの接触抵抗を低く保つことが可能となる。
【0067】(実施例4)次に、本発明の第4の実施例
によるダイヤモンド・ヒートシンクについて説明する。
図5はこの第4実施例によるダイヤモンド・ヒートシン
クを示す断面図である。なお、同図において図1と同一
または相当する部分には同一符号を用いてその説明は省
略する。図5(a)に示すヒートシンクは第1実施例に
よって得られたサーミスタ内蔵ヒートシンクである。本
実施例ではこのヒートシンクが同図(b)に示すよう
に、つまり、絶縁膜2の表面が実装素子31の形状に合
わせて加工された。素子31は同図(c)に示すように
加工された絶縁膜2aに実装され、絶縁膜2aと実装素
子31との接触面積が可能な限り大きくとられている。
この第4実施例では、上記のように絶縁膜2aの表面が
実装素子31の形状に合わせて加工され、絶縁膜2aと
実装素子31との接触面積が最大化されている。従っ
て、実装素子31の発熱はより効率的に絶縁膜2aに伝
えられる。このため、実装素子31の発熱はより短時間
に支持膜4に伝えられ、ヒートシンクの放熱効果はより
高まる。
【0068】実装素子31が例えばLDである場合に
は、活性層から熱が集中的に発生する。この発熱は以下
の文献の442〜447ページに示されるように点熱源
と等価なものとすることができる。Journal of LIGHTWA
VE TECHNOLOGY vol.11 No.3 MARCH 1993。
【0069】従って、LDを点熱源として放熱の理論計
算をコンピュータを使ってしたところ、実装素子31と
絶縁膜2aとの接触面積を大きくし、さらに、LDの活
性層と絶縁膜2aとの距離を可能な限り近付けることで
放熱効果が極めて高くなることが確認された。また、実
際にLDを発熱素子31として実験を実施したところ、
LDが熱暴走するしきい値電流は、絶縁膜2の表面が平
坦なままで実装素子31との接触面積が最大化されてい
ない場合に比較し、50%大きくなった。
【0070】また、この第4実施例によれば、絶縁膜2
の表面が実装素子31の形状に合わせて加工されること
により、素子31を絶縁膜2aへ実装する際のアライメ
ントは容易になる。例えば、素子31がLDである場合
には、このLDと共に、このLDに接続された光ファイ
バがV字状に削られた溝によって容易に位置決め固定さ
れた。すなわち、図6に示すように、絶縁膜2の表面に
V字形状の断面を有する複数の溝32を設けることによ
って、接触面がV字形状に加工されたLDチップ33お
よび光ファイバ34を整列、位置決め固定することがで
きる。このため、本実施例によれば、素子の実装がし易
くなって組み立て性が向上する。
【0071】なお、本実施例においてはダイヤモンド・
ヒートシンクにサーミスタだけを内蔵した場合について
説明したが、第3実施例のようにサーミスタに加えてペ
ルティエ素子を内蔵したヒートシンクとしてもよい。こ
の場合には上記の第4実施例と同様な効果に加え、第3
の実施例と同様な効果も奏された。また、本実施例にお
いては電極5a,bを感熱膜3に直接接触させた構造と
したが、第2実施例のように、電極5a,bと感熱膜3
との間にオーミック用高ドープ膜を形成してもよい。こ
の場合には上記の第4実施例と同様な効果に加え、第2
実施例と同様に電極5a,bの接触抵抗が低減された。
【0072】図7(a)〜図7(c)は、本実施例の第
2の変形例であるヒートシンクを例示する。図7(b)
に示されるように、本発明に従ったヒートシンクは、絶
縁層2aの上に形成される金属膜(メタライズ層)を更
に有し、実装素子がこの金属膜上に配置される構成であ
ってもよい。
【0073】図7(a)に示されるヒートシンクは、図
5(a)に示されるヒートシンクと全く同一である。こ
の変形例では、図7(a)に示されるように、絶縁膜2
a表面がまず実装素子の形状に加工された後、Ti/P
t/Moから成る金属膜が、V字状に加工済みの絶縁膜
2a表面上に形成された。そして、図7(c)に示され
るように、発熱素子31がV字状の金属膜表面上に実装
された。この金属膜の材質は、Ti/Pt/Moの他に
も、Ti/Pt/Auや金−錫であってもよい。図7
(c)に示されるように、発熱素子31はV字状の表面
形状を有する金属膜上にフィットし、本実施例の他の例
と同様に、熱移動及びアライメントが改善された。
【0074】図5(c)に示すものは、ダイヤモンドを
パターニングしたレーザーアレイの1つの例である。本
発明のヒートシンクは更に、アレイを二次元に拡張した
面発光レーザーにも利用できる。
【0075】(実施例5)本発明の第5実施例では、発
熱素子が配置される面とは反対側にサーミスタを有する
ヒートシンクが作製された。第5実施例では、Ti/P
t/Auの金属膜の形成と金錫の金属膜の形成の順に行
われる以外は、実施例4と同様の操作によって、ヒート
シンクが形成された。図8(a)〜図8(g)に、本実
施例における製造工程が例示される。
【0076】まず、ノンドープダイヤモンドから成る絶
縁膜2の上に、ドープダイヤモンドの感熱膜3が形成さ
れた(図8(a))。そして、基板を反転し、絶縁膜2
の上面及び側面に、Ti/Pt/Auから成る第1の金
属膜20を形成した(図8(b))。このTi/Pt/
Au膜は、その後形成される金錫膜とダイヤモンドとの
間に充分な接着性を確保するための中間層的な役割を果
たす。そして、基板は再び反転されて当初の配置に戻
り、感熱膜3の表面上に電極5が形成された(図8
(c))。更に電極5の上にはエッチングのマスク用の
アルミニウム膜22が形成され(図8(d))、次い
で、絶縁膜3のマスクされていない部分が、反応性イオ
ンエッチングにより除去された(図8(e))。そし
て、露出された感熱膜3の上面にTi/Pt/Au膜が
形成された後、全てのTi/Pt/Au膜20の上に金
錫膜24が形成された(図8(f))。
【0077】ここに、絶縁膜2と、感熱膜3と、電極5
とから成るサーミスタを有するヒートシンクが形成され
た(図8(f))。そして、図8(g)に示されるよう
に、このヒートシンクにおいてサーミスタが形成されて
いる面とは反対の面の金属膜24(金錫膜)上に、素子
21が実装された。
【0078】ダイヤモンドと金錫膜24との間の金属膜
20は、Ti/Pt/Auの他にも、Ti/Mo/Au
であってもよい。
【0079】(実施例6)本実施例では、ペルティエ素
子内蔵型であるが、このペルティエ素子を、ダイヤモン
ドのpn接合で形成したヒートシンクを作製した。実施
例3においても説明したように、ペルティエ素子は図9
の矢印に示されるような熱の流れを作り出す。このよう
なサーミスタとペルティエ素子を内蔵したヒートシンク
を作製することにより、実装素子の迅速な温度測定に基
づいた冷却の制御を実現できる。また、本実施例では、
ペルティエ素子にp型及びn型のダイヤモンドを用いて
いるため、レスポンスの迅速なヒートシンクを実現す
る。
【0080】図10は、本実施例におけるペルティエ素
子作製の工程の前半部分を示す。まず、Si基板1上に
ノンドープのダイヤモンドが気相合成法により成長さ
れ、絶縁膜2が形成された(図10(a))。次に、ノ
ンドープダイヤモンドの絶縁層2の上に、ボロンドープ
ダイヤモンドの感熱膜3が形成された(図10
(b))。次いで、ノンドープダイヤモンドの支持膜4
が、約100μmの厚さをもって形成された(図10
(c))。支持膜4の表面が研磨され(図10(d))
た後、研磨された支持膜4表面全体を覆うように、金属
膜5が蒸着により形成された(図5(e))。以上まで
のダイヤモンドの形成は、ノンドープダイヤモンド、ド
ープダイヤモンド共に、実施例1と同様の方法及び条件
で行われた。
【0081】図11は、本実施例におけるペルティエ素
子作製の工程の後半部分を示す。金属膜5の形成(図1
0(e))に続いて、金属膜5をフォトリソグラフィー
によりパターニングした後、金属膜5を覆うように、金
属膜5の上面からの厚さが3μmのノンドープダイヤモ
ンド層40が形成された(図11(a))。このダイヤ
モンド層40に対して、以下に述べるようなドーピング
処理をおこなうことにより、ペルティエ素子が形成され
る。
【0082】まず、ノンドープダイヤモンド層40の上
に、アルミニウムのn型層形成用マスク42が形成され
た。このn型用マスク42は、フォトリソグラフィーに
より、所定のパターンをもって形成された。n型用マス
ク42に覆われていないノンドープダイヤモンド層40
部分に対して、イオン注入法によってn型イオンが注入
された。その結果、ノンドープダイヤモンド層40の一
部分がn型半導体ダイヤモンド層44となり、残りの部
分は絶縁性ノンドープダイヤモンド層40のままとなっ
た(図11(b))。
【0083】次に、n型用マスク42がエッチングによ
り除去された後、新たにアルミニウムのp型半導体形成
用マスク46が、n型用マスクとは別の位置に形成され
た。このp型マスク46も、フォトリソグラフィーによ
り所定のパターンに形成される。そして、イオン注入法
により、p型イオンがノンドープダイヤモンド層40の
p型用マスクで覆われていない部分に注入され、ノンド
ープダイヤモンド層40の一部がp型半導体ダイヤモン
ド層48となった(図11(c))。即ち、図11
(c)の如く、n型ダイヤモンド44とp型ダイヤモン
ド48とが、ノンドープダイヤモンド40を挟んで配列
される構造が形成された。
【0084】そして、p型用マスク46がエッチングに
より除去された後、ペルティエ素子を形成する金属膜5
0が、フォトリソグラフィーによって形成された。金属
膜50は、n型ダイヤモンド44の1つと接触し且つ1
つのp型ダイヤモンド48と接触するようなパターンを
もって形成された(図11(d))。ここに、金属膜
5、n型半導体ダイヤモンド44、金属膜50、p型半
導体ダイヤモンド48及び金属膜5によって形成される
サブモジュールを単位とするペルティエ素子が完成し
た。このサブモジュールは直列に接続されてペルティエ
素子を形成している。また、ノンドープダイヤモンド層
40が、各サブモジュールを絶縁している。
【0085】最後に基板1がエッチングにより除去さ
れ、絶縁膜2が露出された。レーザーアレイ等の実装素
子31は、絶縁膜2の表面上に載置される(図11
(e))。ペルティエ素子の端子間に電源が接続され
て、直列に接続された各サブモジュールに所定の電流が
流されれば、この通電により、図11(e)に示される
ペルティエ素子の上面、即ち金属膜5とn型半導体ダイ
ヤモンド44との接合部、並びに、金属膜5とp型半導
体ダイヤモンド48との接合部において吸熱作用が生じ
る。同時に、ペルティエ素子の下面、即ち、即ち金属膜
50とn型半導体ダイヤモンド44との接合部、並び
に、金属膜50とp型半導体ダイヤモンド48との接合
部においては発熱作用が生じる。このように、支持膜4
の裏側に形成されたペルティエ素子において熱電冷却が
行われるため、実装素子31からの発熱は熱伝導率の高
いダイヤモンド層2、3及び4にすみやかに伝導した
後、ペルティエ素子によって迅速に放熱される。
【0086】このように、本実施例のヒートシンクはサ
ーミスタとペルティエ素子とを内蔵しているので、サー
ミスタの速い熱応答速度で、瞬時に半導体レーザー等の
実装素子の温度を測定することができる。従って、実装
素子の温度が一定となるようにペルティエ素子への通電
を制御して冷却能力を制御することが可能となるため、
実装素子の動作の安定が著しく向上される。尚、実装素
子の配置される絶縁膜2aの表面は、実装素子の形状に
応じて、例えばV字形の溝等に加工されていてもよい。
【0087】(実施例7)本実施例では、ダイヤモンド
ヒートシンクの内部にマイクロチャネルを形成して冷却
に用いる構成の、ダイヤモンドヒートシンクを作製し
た。
【0088】マイクロチャネルをヒートシンクの冷却に
用いることは、既にSiにおいて行われており、これ
は、Missaggiaら(Missaggia,L.J., et.al.,"
Microchannel heat sink for two-dimensional high-po
wer-density diode laser arrays", pp. 1988,IEEE J.
Quantum Electronics, Vol.25(1989) )、Mundin
gerら(Mundinger,D., et.al., "Demonstration of
high-performance silicon microchennel heat exchang
ers for laser diode array", pp.1030, Appl. Phys. L
ett., Vol.53(1988))、並びに、Tuckermanら
(High-performance heat sinking for VLSI", pp.126,
IEEE Electron Device Lett., Vol.EDL-2(1981))に記
載されている。
【0089】また、ダイヤモンドのマイクロチャンネル
に関しては、特願平6−319964、特願平6−31
9969、特願平6−319975、特願平6−319
978、特願平6−319982、特願平6−2963
51並びに特願平6−296353に記載されている。
【0090】本実施例では、先ず図10(a)〜(e)
の順に、実施例6と同様の操作を同様の条件で行い、S
i基板1の上にノンドープダイヤモンド絶縁膜2、ドー
プダイヤモンド感熱膜3、ノンドープダイヤモンド支持
膜4、金属膜5を形成した(図10(e))。
【0091】図12(a)〜(d)は、本実施例のマイ
クロチャネル内蔵ダイヤモンドヒートシンクの作製工程
の後半部分を表す。金属膜5の上に、厚さ50μmのノ
ンドープダイヤモンド層60を形成した。次いで、フォ
トリソグラフィーにより、ノンドープ層の上にアルミニ
ウムのマスク62を形成した後、反応性イオンエッチン
グによって、マスク62に保護されていないノンドープ
ダイヤモンド層をエッチングした(図12(b))。更
に、アルミニウムのマスクをエッチングし(図12
(c))、Si基板をエッチングした後、ノンドープダ
イヤモンド層6aの露出した表面にMo板を金錫で鑞付
けした。ここに、ノンドープダイヤモンド層64の間に
マイクロチャネル66が形成されたダイヤモンドヒート
シンクが完成した。
【0092】図12(d)に示されるように、ノンドー
プダイヤモンド層60aの間にマイクロチャネル66に
は、水等の冷却用媒体が流通可能である。この構成で
は、支持膜の裏側に形成されたダイヤモンド60aによ
ってマイクロチャネルが画成されているため、絶縁膜2
からの熱は支持膜4にすみやかに達した後、更に、熱伝
導率の高いダイヤモンド層60aを介してマイクロチャ
ネル66を流通する冷却用媒体へと迅速に移動する。ま
た、前出の全ての実施例と同様に、ドープダイヤモンド
の感熱膜3により構成されるサーミスタを内蔵してい
る。従って、内蔵サーミスタで実装素子の温度をモニタ
ーしながら、冷却用媒体の量を制御することにより、実
装素子の温度を一定に制御できるため、実装素子の動作
の安定が著しく向上される。尚、実装素子の配置される
絶縁膜2の表面は、実装素子の形状に応じて、例えばV
字形の溝等に加工されていてもよい。
【0093】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のダ
イヤモンドヒートシンクの製造方法においては、絶縁膜
上に載置された素子の発熱は、絶縁膜を介してこの絶縁
膜直下にある感熱膜に伝えられ、さらにこの感熱膜直下
にある支持膜に伝えられて放熱する。これら絶縁膜,感
熱膜および支持膜のそれぞれは熱伝導度が非常に良好な
ダイヤモンドから成るため、絶縁膜上に載置された素子
の発熱は直ちに支持膜まで伝えられる。また、ダイヤモ
ンドからなる感熱膜で形成されたサーミスタの熱応答速
度は高いため、電極間の感熱膜の抵抗は速やかに絶縁膜
上に載置された素子の温度に対応する値になる。さら
に、絶縁膜の熱容量は小さいため、この絶縁膜上に載置
された素子で発生した熱のほとんどが感熱膜に伝えられ
る。このため、絶縁膜上に載置された素子の温度がサー
ミスタによって極めて正確にかつ迅速に測定されると共
に、素子の発熱は速やかに支持膜に伝えられて放熱され
る。
【0094】また、電極と感熱膜との間に高ドープ膜が
形成されている場合には、電極と感熱膜との間の接触抵
抗は減少する。このため、サーミスタの基準抵抗は低減
される。
【0095】また、絶縁膜の表面が実装素子の形状に合
わせて加工され、絶縁膜と実装素子との接触面積が増え
ている場合には、実装素子の発熱はより効率的に絶縁膜
に伝えられる。このため、実装素子の発熱はより短時間
に支持膜に伝えられ、ヒートシンクの放熱効果はより高
まる。また、絶縁膜表面が実装素子の形状に合わせて加
工されることにより、素子を絶縁膜へ実装する際のアラ
イメントが容易になる。このため、素子の実装がし易く
なって組み立て性が向上する。
【0096】また、感熱膜上に支持膜を形成した後、基
板を除去して絶縁膜を露出させることにより、基板と絶
縁膜との界面であった絶縁膜の平坦な表面が現れる。従
って、裏返すことにより、素子を実装する面として、多
結晶ダイヤモンドからなる荒れた支持膜の表面の代わり
に平坦な絶縁膜の表面を用いることができる。このた
め、支持膜の荒れた表面を研磨する従来の困難な加工を
行う必要はない。また、ヒートシンク基板に、高価な単
結晶ダイヤモンドの代わりに安価な気相合成ダイヤモン
ドを用いることが可能となる。従って、製品コストは低
減される。
【0097】また、感熱膜上に支持膜を形成し、さら
に、この支持膜上に冷却装置を形成した後、基板を除去
して絶縁膜を露出させることにより、サーミスタおよび
冷却装置を内蔵したヒートシンクが気相合成ダイヤモン
ドによって形成される。このため、サーミスタおよび冷
却装置を内蔵した高機能で高効率のヒートシンクが安価
に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるサーミスタ内蔵ダ
イヤモンド・ヒートシンクの製造工程断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例によるサーミスタ内蔵ダ
イヤモンド・ヒートシンクの断面図である。
【図3】本発明の第3の実施例によるサーミスタおよび
ペルティエ素子内蔵ダイヤモンド・ヒートシンクの製造
工程断面図である。
【図4】第3の実施例によるサーミスタおよびペルティ
エ素子内蔵ダイヤモンド・ヒートシンクの断面図であ
る。
【図5】本発明の第4の実施例によるサーミスタ内蔵ダ
イヤモンド・ヒートシンクを示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例の変形例を示す斜視図で
ある。
【図7】本発明の第4の実施例の第2変形例によるサー
ミスタ内蔵ダイヤモンド・ヒートシンクの断面図であ
る。
【図8】本発明の第5の実施例によるサーミスタ内蔵ダ
イヤモンド・ヒートシンクの断面図である。
【図9】ペルティエ素子の原理を表す断面図である。
【図10】本発明の第6及び第7の実施例によるダイヤ
モンドヒートシンクの作製工程における前半部分を表す
断面図である。
【図11】本発明の第6の実施例によるサーミスタ及び
ペルティエ素子内蔵ダイヤモンド・ヒートシンクの断面
図である。
【図12】本発明の第7の実施例によるサーミスタ及び
マイクロチャネル内蔵ダイヤモンド・ヒートシンクの断
面図である。
【符号の説明】
1…Si基板、2…ノンドープの気相合成ダイヤモンド
からなる絶縁膜、3…半導電性の気相合成ダイヤモンド
からなる感熱膜、4…ノンドープの気相合成ダイヤモン
ドからなる支持膜、5a,b…電極、6…銅の支持台、
7…銀ろうはんだ、8…オーミック用高ドープ膜、11
…第1の金属膜、12…p型半導体層、13…n型半導
体層、14…第2の金属膜、15…第3の金属膜、16
…絶縁膜、20,24…金属膜、21,31…実装素
子、32…溝、33…LDチップ、34…光ファイバ、
40…ノンドープダイヤモンド層、42,46…マス
ク、44…n型半導体ダイヤモンド層、48…p型半導
体ダイヤモンド層、50…金属膜、60,60a…ノン
ドープダイヤモンド層、62…マスク、64…Mo板、
66…マイクロチャネル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿田 真一 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノンドープの気相合成ダイヤモンドから
    なる支持膜と、この支持膜の表面に形成された半導電性
    の気相合成ダイヤモンドからなる感熱膜と、この感熱膜
    上の所定領域に形成されたノンドープの気相合成ダイヤ
    モンドからなる絶縁膜と、前記感熱膜上に形成された電
    極とを備えて形成されたことを特徴とするダイヤモンド
    ・ヒートシンク。
  2. 【請求項2】 高濃度に不純物を含む気相合成ダイヤモ
    ンドからなるオーミック用高ドープ膜が前記電極と前記
    感熱膜との間に形成されていることを特徴とする請求項
    1記載のダイヤモンド・ヒートシンク。
  3. 【請求項3】 前記支持膜の裏面に冷却装置が形成され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    ダイヤモンド・ヒートシンク。
  4. 【請求項4】 前記冷却装置が、前記支持膜の裏面に形
    成された第1の金属膜と、前記第1の金属膜に一端が接
    触して配置されたp型半導体層と、前記第1の金属膜に
    一端が接触して配置されたn型半導体層と、前記p型半
    導体層の他端に接触して配置された第2の金属膜と、前
    記n型半導体層の他端に接触して配置された第3の金属
    膜とから成る1つ以上のΠ字形のサブモジュールが、直
    列に接続されて構成されたペルティエ素子であることを
    特徴とする請求項3記載のダイヤモンド・ヒートシン
    ク。
  5. 【請求項5】 前記冷却装置が、前記支持膜の裏面に形
    成された第1の金属膜と、前記第1の金属膜に一端が接
    触して配置されたp型半導体ダイヤモンド層と、前記第
    1の金属膜に一端が接触して配置されたn型半導体ダイ
    ヤモンド層と、前記p型半導体ダイヤモンド層の他端に
    接触して配置された第2の金属膜と、前記n型半導体ダ
    イヤモンド層の他端に接触して配置された第3の金属膜
    とから成る1つ以上のΠ字形のサブモジュールが、直列
    に接続されて構成されたペルティエ素子であることを特
    徴とする請求項3記載のダイヤモンド・ヒートシンク。
  6. 【請求項6】 前記冷却装置が、前記支持膜の裏面に配
    置された、媒体を流通させるためのマイクロチャネルで
    あることを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンドヒ
    ートシンク。
  7. 【請求項7】 前記マイクロチャネルを画成する壁面の
    一部が、前記支持膜の裏面に形成されたダイヤモンド層
    であることを特徴とする請求項6に記載のダイヤモンド
    ヒートシンク。
  8. 【請求項8】 前記絶縁膜の表面が実装素子の形状に応
    じて加工されて、前記絶縁膜と該実装素子との接触面積
    が増加していることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か記載のダイヤモンド・ヒートシンク。
  9. 【請求項9】 基板上にノンドープのダイヤモンドを気
    相合成法により形成して絶縁膜を得る第1の工程と前記
    絶縁膜上に半導電性のダイヤモンドを気相合成法により
    形成して感熱膜を得る第2の工程と、前記感熱膜上にノ
    ンドープのダイヤモンドを気相合成法により形成して支
    持膜を得る第3の工程と、前記基板を除去して前記絶縁
    膜を露出させる第4の工程と、露出した前記絶縁膜を選
    択的に除去して前記感熱膜を部分的に露出させる第5の
    工程と、露出した前記感熱膜の表面に電極を形成する第
    6の工程とを備えることを特徴とするダイヤモンド・ヒ
    ートシンクの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第3の工程の後に、前記支持膜上
    に冷却装置を形成する第7の工程を備え、前記第7の工
    程の後に前記第4の工程を行うことを特徴とする請求項
    9記載のダイヤモンド・ヒートシンクの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第7の工程が、前記支持膜上に第
    1の金属膜を選択的に形成する第8の工程と、前記第1
    の金属膜に各一端が接触したp型半導体層およびn型半
    導体層をそれぞれ選択的に形成する第9の工程と、前記
    p型半導体層およびn型半導体層の各他端にそれぞれ接
    触した第2の金属膜および第3の金属膜を選択的に形成
    する第10の工程とを備えることを特徴とする請求項1
    0記載のダイヤモンド・ヒートシンクの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第9の工程が、気相合成法により
    p型半導体ダイヤモンド及びn型半導体ダイヤモンドを
    選択的に形成することを特徴とする請求項11に記載の
    ダイヤモンドヒートシンクの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第7の工程が、前記支持膜上に金
    属膜を選択的に形成する第8の工程と、前記金属膜上に
    ノンドープダイヤモンド層を気相合成法により形成する
    第9の工程と、前記第8の工程で形成された前記ノンド
    ープダイヤモンド層の表面に所定のパターンを形成した
    後エッチングを行い、前記ノンドープダイヤモンド層の
    内部に溝を形成する第10の工程と、前記ノンドープダ
    イヤモンド層と前記溝との上に金属板を配置して、前記
    支持膜の裏側にマイクロチャネルを形成する第11の工
    程とを備えることを特徴とする請求項10に記載のダイ
    ヤモンド・ヒートシンクの製造方法。
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