JPH07315988A - ダイヤモンド素子及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド素子及びその製造方法

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JPH07315988A
JPH07315988A JP10532594A JP10532594A JPH07315988A JP H07315988 A JPH07315988 A JP H07315988A JP 10532594 A JP10532594 A JP 10532594A JP 10532594 A JP10532594 A JP 10532594A JP H07315988 A JPH07315988 A JP H07315988A
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JP
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diamond
diamond layer
layer
electrode
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JP10532594A
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Masahiro Deguchi
正洋 出口
Makoto Kitahata
真 北畠
Takashi Hirao
孝 平尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大面積でかつ表面平滑性の高いダイヤモンド
層の上に電極が配置されたダイヤモンド素子を容易に再
現性良く作製する。 【構成】 板状のSiからなる基板素材3を準備する。
Siからなる基板素材3の上に、マイクロ波プラズマC
VD法を用いて多結晶ダイヤモンド層4を形成する。S
iからなる基板素材3の上に形成されたダイヤモンド層
4の全体を弗硝酸水溶液に浸すことにより、Siからな
る基板素材3の除去を行う。この工程により、基板素材
3と接していたダイヤモンド層4の第2の表面(基板素
材3の表面と同程度の平滑度を有する表面)4bが露出
する。この露出した第2の表面4bを基体表面とするこ
とにより、凹凸がほとんどなく表面平滑性に優れたダイ
ヤモンド層4を得る。ダイヤモンド層4の第2の表面4
bの上に、Tiからなるオーミック電極5aとWからな
るショットキー電極5bとを平行に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド素子及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイドバンドギャップ半導体の性質を有
するダイヤモンドは、高温動作が可能な電子デバイス材
料として注目されている。また、表面弾性波(SAW)
の伝搬速度が大きい等の性質を有するため、表面弾性波
(SAW)素子の材料としても期待されている。このよ
うな用途に対して、人工的にダイヤモンドを形成するた
めの手法としては、比較的大面積でかつ様々な基板素材
上に形成可能な化学気相合成法(CVD法)が主に用い
られている。CVD法は原料となる気体を低圧下で分解
・反応させて膜を堆積するものであり、原料ガスに不純
物元素を含むガスを添加することにより、ドーピングも
可能である。この方法によると、基板素材として単結晶
ダイヤモンドや窒化ホウ素(c−BN)を用いた場合、
成長表面が平滑な単結晶ダイヤモンド膜がホモ・エピタ
キシャル成長するが、それ以外の基板素材を用いた場合
には、成長表面に凹凸を有する多結晶膜しか得られてい
ないのが現状である。
【0003】CVD法によって得られた膜を用いてダイ
ヤモンド素子を作製した例としては、単結晶ダイヤモン
ドやシリコン等の基板素材上にp形の単結晶/多結晶ダ
イヤモンド膜を形成し、その成長表面上に電極を配置し
たショットキー・ダイオードや電界効果トランジスタ
(FET)などがある。また、シリコン基板上に形成さ
れた多結晶ダイヤモンド膜と圧電性の薄膜を組み合わせ
たSAWフィルターも試作されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したようにCVD
法によって形成されたダイヤモンド膜を用いて素子を作
製した例はあるが、いずれも膜の成長面側に電極が配置
された構造のものである。膜が単結晶膜の場合には、表
面が平滑であるために界面形成、電極形成は比較的容易
になされるが、基板素材として用いる単結晶ダイヤモン
ドやc−BNは非常に高価であると共に、小さな面積の
ものしか形成することはできない。すなわち、工業的に
広く活用することは非常に困難であった。また、それ以
外の基板素材を用いた場合、CVD法で得られるダイヤ
モンド膜は多結晶状であるが、その成長表面には個々の
結晶粒による凹凸が存在し、その制御も困難であった。
従って、多結晶ダイヤモンド膜を用いて素子を作製した
場合には、界面形成や電極形成が困難であったり、作製
した素子の特性にばらつきがあったりといった問題点が
あった。そのため、良好な特性を有するダイヤモンド素
子を形成するには、多結晶ダイヤモンド膜を形成した後
に、その成長表面を研磨処理して平滑化を行う必要があ
った。
【0005】しかし、一般的にダイヤモンドは非常に硬
いため、機械的な研磨処理は困難である。また、ダイヤ
モンドは化学的にも安定な物質であるため、エッチング
などによる化学的な処理も困難である。従って、従来の
方法では、表面が平滑なダイヤモンド層の上に界面を形
成したり、電極を配置したダイヤモンド素子を大面積で
作製することは困難であった。
【0006】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、大面積でかつ表面平滑性の高いダイヤモン
ド層の上に電極が配置されたダイヤモンド素子及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るダイヤモンド素子の構成は、基板素材
の上に形成したダイヤモンド層と電極とを備えたダイヤ
モンド素子であって、前記ダイヤモンド層の面のうち前
記基板素材と接していた側の面上に前記電極を配置した
ことを特徴とする。
【0008】また、前記本発明の構成においては、基板
素材が導電性を有し、電極が基板素材からなるのが好ま
しい。また、本発明に係るダイヤモンド素子の第1の製
造方法は、所定の平滑度を有する基板素材の表面上にダ
イヤモンド層を形成し、次いで、前記基板素材の所定の
領域を除去した後に、前記ダイヤモンド層の面のうち前
記基板素材と接していた側の面上に電極を形成するもの
である。
【0009】また、本発明に係るダイヤモンド素子の第
2の製造方法は、所定の平滑度を有する導電性の基板素
材の表面上にダイヤモンド層を形成し、次いで、前記基
板素材に電極パターンを形成した後に、前記電極パター
ンを残して前記基板素材の所定の領域を除去するもので
ある。
【0010】また、前記本発明方法の第2の構成におい
ては、基板素材が金属からなるのが好ましい。また、前
記本発明方法の第1又は第2の構成においては、基板素
材の所定の領域を除去する前に、ダイヤモンド層の上に
支持体層を形成するのが好ましく、この場合にはさら
に、支持体層がダイヤモンドを主成分とする層であるの
が好ましい。
【0011】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成においては、支持体層を形成する前に、ダイヤモンド
層の上に薄膜を形成するのが好ましく、この場合にはさ
らに、支持体層がダイヤモンドを主成分とする層である
のが好ましい。また、この場合には、薄膜が絶縁性の薄
膜であるのが好ましい。
【0012】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成においては、基板素材の所定の領域を除去する際に、
同時に前記基板素材とダイヤモンド層との界面領域をも
除去するのが好ましい。
【0013】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成においては、基板素材の所定の領域を除去した後に、
ダイヤモンド層のうち基板素材と接していた側の面の表
層領域を除去するのが好ましい。
【0014】
【作用】基板素材の表面上に形成される多結晶ダイヤモ
ンド層の表面(成長面:以下「第1の表面」という)に
は、凹凸が存在する。一方、基板素材と接する面(以下
「第2の表面」という)は、用いられた基板素材の表面
と同程度の平滑度を有している。このため、CVD法な
どの方法によって基板素材の表面上にダイヤモンド層を
形成した後に、基板素材の所定の領域を除去することに
より、表面平滑性の高い第2の表面を得ることができ
る。従って、前記本発明の構成によれば、ダイヤモンド
層の面のうち基板素材と接していた側の面(第2の表
面)の上に電極を配置するようにしたので、良好な特性
を有するダイヤモンド素子を実現することができる。
【0015】また、前記本発明の構成において、基板素
材が導電性を有し、電極が基板素材からなるという好ま
しい構成によれば、新たに電極を形成する必要がないの
で、良好な特性を有するダイヤモンド素子を容易に実現
することができる。
【0016】また、前記本発明方法の第1の構成によれ
ば、所定の平滑度を有する基板素材の表面上にダイヤモ
ンド層を形成し、次いで、前記基板素材の所定の領域を
除去した後に、前記ダイヤモンド層の面のうち前記基板
素材と接していた側の面上に電極を形成するようにした
ので、基板素材の表面と同程度の平滑度を有するダイヤ
モンドの表面上に電極を備えたダイヤモンド素子を容易
に再現性良く作製することができる。
【0017】また、前記本発明方法の第2の構成によれ
ば、所定の平滑度を有する導電性の基板素材の表面上に
ダイヤモンド層を形成し、次いで、前記基板素材に電極
パターンを形成した後に、前記電極パターンを残して前
記基板素材の所定の領域を除去するようにしたので、新
たに電極を形成する工程を導入することなく、平滑性の
高いダイヤモンドの表面上に電極を配置することができ
る。
【0018】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、基板素材の所定の領域を除去する前に、ダ
イヤモンド層の上に支持体層を形成するという好ましい
構成によれば、基板強度の大きなダイヤモンド素子を作
製することができる。この場合、さらに、支持体層がダ
イヤモンドを主成分とする層であるという好ましい構成
によれば、ダイヤモンドのみあるいは大部分がダイヤモ
ンドで構成された高品質なダイヤモンド素子を実現する
ことができる。
【0019】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、支持体層を形成する前に、ダイヤモンド層
の上に薄膜を形成するという好ましい構成によれば、ダ
イヤモンド層と支持体層との接着強度を高めることがで
きる。この場合、さらに、支持体層がダイヤモンドを主
成分とする層であるという好ましい構成によれば、ダイ
ヤモンドのみあるいは大部分がダイヤモンドで構成され
た高品質なダイヤモンド素子を実現することができる。
また、この場合、薄膜が絶縁性の薄膜であるという好ま
しい構成によれば、ダイヤモンド層と支持体層とを電気
的に分離することができるので、使用できる支持体層の
選択性を広めることが可能となる。
【0020】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、基板素材の所定の領域を除去する際に、同
時に前記基板素材とダイヤモンド層との界面領域をも除
去するという好ましい構成によれば、基板素材とダイヤ
モンド層との間に界面層が存在した場合においても、そ
の影響を除外することができる。
【0021】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、基板素材の所定の領域を除去した後に、ダ
イヤモンド層のうち基板素材と接していた側の面の表層
領域を除去するという好ましい構成によれば、基板素材
とダイヤモンド層との間に界面層が存在した場合におい
ても、その影響を除外することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。図1は本発明に係るダイヤモンド素子の一
実施例を示す模式図である。ここでは、代表例として3
つの電極パターン(a)、(b)、(c)を挙げてい
る。
【0023】図1(a)の構造は、CVD法等の方法に
よって形成されたダイヤモンド層1の第2の表面1bの
上に2つの平行な電極2を配置したものである。また、
図1(b)の構造は、同心円状の2つの電極2を配置し
たものであり、図1(c)の構造は、櫛形のインターデ
ィジタルトランスデュサー(IDT)電極2を配置した
ものである。
【0024】尚、図1においては、ダイヤモンド層1の
形成時に用いた基板素材を全て除去したものとなってい
るが、電極を形成する領域以外の部分は残しておいても
よい。
【0025】ダイヤモンド層1の第2の表面1bの上に
形成される電極2の材質は特に限定されるものではない
が、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン
(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)などが主
に用いられる。また、複数個の電極を形成する場合に
は、全て同じ材質のものを用いてもよいし、異なる材質
のものが混在していてもよい。
【0026】また、導電性の基板素材を用いてダイヤモ
ンド層1を形成すれば、所定の電極構造の形状が残るよ
うに基板素材を除去することにより、電極を形成する工
程を新たに導入する必要がなくなる。
【0027】また、図1においては、電極2の全てが直
接ダイヤモンド層1に接して配置されているが、必ずし
もこの構成に限定されるものではなく、一部の電極はダ
イヤモンド層1の第2の表面1bの上に堆積された膜を
介して配置してもよい。
【0028】また、ダイヤモンド層1の構造は単層でも
よいし、タイプの異なるダイヤモンドを積層してもよ
い。言い換えれば、絶縁性のダイヤモンド層1や不純物
を添加した伝導性のダイヤモンド層1のみで構成しても
よいし、それらを積層したものであってもよい。
【0029】以上のように電極2の形状として3つのパ
ターンを示したが、パターン形状やサイズ、数などは作
製する素子に合わせて任意に決定することができる。い
ずれの場合にも、電極の材質等については上記したもの
と同様である。また、ダイヤモンド素子の構造として
は、図1に示したようなダイヤモンド層1の第2の表面
1bの上に電極2を配置するだけでよいものもあるが、
配置された電極2の上に保護膜や圧電性の膜を形成して
素子を作製してもよい。また、使用する基板素材の材質
によっては、基板素材とダイヤモンド層1との間に界面
層が存在し、基板素材の除去のみではダイヤモンド層1
の第2の表面1bの上に残留する場合が起こり得るが、
その場合には基板素材を除去する際に、同時に基板素材
とダイヤモンド層1との界面領域を除去するか、あるい
は基板素材の所定の領域を除去した後に、ダイヤモンド
層のうち基板素材と接していた側の面の表層領域を除去
することにより、界面層の影響を取り除くことができ
る。尚、除去領域の厚さの上限は1μm程度である。
【0030】以下、上記のような構成を有するダイヤモ
ンド素子の製造方法について説明する。 <第1の実施例>図2は本発明に係るダイヤモンド素子
の製造方法の第1の実施例を示す工程図である。
【0031】まず、工程(a)において、ダイヤモンド
層4を形成させるための所定の平滑度を有する基板素材
3を準備する。基板素材3としては、ダイヤモンド層4
を形成可能なものであれば、いかなるものを用いてもよ
い。しかし、後工程で基板素材3の所定の領域を除去す
ることを考慮すると、シリコン又は金属であるのが好ま
しい。また、ダイヤモンド層4を容易に堆積させるため
に、基板素材3の前処理として、超音波処理(ダイヤモ
ンド砥粒を含んだ溶液中に基板素材3を浸し、超音波を
印加する処理)を行ってもよい。
【0032】次いで、工程(b)において、基板素材3
の表面上に、所定の膜厚のダイヤモンド層4を形成す
る。ダイヤモンド層4の形成方法としては、いかなる方
法であってもよいが、容易に大面積化を図ることができ
る点でマイクロ波プラズマCVD法などの気相合成法で
あるのが好ましい。また、形成されるべきダイヤモンド
層4の膜厚は、応用される用途によって異なるが、数十
μm〜数百μm程度である。また、ダイヤモンド層4と
しては、絶縁性のものでもよいし、形成時に不純物元素
を添加してp形あるいはn形にした導電性のものでもよ
い。また、それらを積層したものでもよい。
【0033】次いで、工程(c)において、基板素材3
の所定の領域を除去する。これにより、基板素材3に接
していたダイヤモンド層4の平滑性の高い第2の表面4
bが露出する。図2においては、基板素材3の全体を除
去した場合を示しているが、電極5a、5bを形成する
部分のみを除去してもよい。基板素材3を除去する方法
としては、酸などの薬品によるエッチングや機械的な研
磨処理等を挙げることができる。
【0034】次いで、工程(d)において、この露出し
たダイヤモンド層4の第2の表面4bを基体表面とする
ことにより、平滑性の高い表面を得ることができる。
尚、基体表面に界面層が存在し、悪影響を及ぼす虞れが
ある場合には、前記したような除去工程を導入してもよ
い。
【0035】最後に、工程(e)において、第2の表面
4bの上に、所定の形状及びサイズを有する電極5a、
5bを所定の位置に形成することにより、ダイヤモンド
素子11を作製する。このようにダイヤモンド層4の面
のうち基板素材3と接していた側の第2の表面(基板素
材3の表面と同程度の平滑度を有する表面)4bの上に
電極5a、5bを配置するようにしたので、良好な特性
を有するダイヤモンド素子11を実現することができ
る。また、この場合、電極5a、5bに用いる材料を選
択することにより、オーミック電極あるいはショットキ
ー電極のいずれをも形成することができる。
【0036】以下に、上記第1の実施例の工程に基づい
て行った具体的な実験例を示す。 (実験例1)まず、工程(a)において、20mm×2
0mm×0.5mmの板状のシリコン(Si)からなる
基板素材3を準備した。ダイヤモンド層4の形成を容易
にするために、Siからなる基板素材3は超音波処理に
よる前処理を施したものを用いた。
【0037】次いで、工程(b)において、Siからな
る基板素材3の上に多結晶ダイヤモンド層4を形成し
た。多結晶ダイヤモンド層4を形成する方法としては、
マイクロ波プラズマCVD法を用いた。この方法は、原
料ガスにマイクロ波を印加することによってプラズマを
生成させることにより、ダイヤモンドを形成するもので
ある。原料ガスとしては、水素で2〜10%程度に希釈
された一酸化炭素ガスにジボランを添加したものを用い
た。形成されたダイヤモンド層4はp形であり、その膜
厚は200μmであった。得られたダイヤモンド層4の
第1の表面(成長面)4aを観察したところ、数μm程
度の凹凸が存在していた。
【0038】次いで、工程(c)において、Siからな
る基板素材3の上に形成されたダイヤモンド層4の全体
を弗硝酸水溶液に浸すことにより、Siからなる基板素
材3の除去を行った。この工程により、基板素材3と接
していたダイヤモンド層4の第2の表面(基板素材3の
表面と同程度の平滑度を有する表面)4bが露出した。
【0039】次いで、工程(d)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、凹凸が
ほとんどなく表面平滑性に優れたダイヤモンド層4を得
ることができた。
【0040】最後に、工程(e)において、ダイヤモン
ド層4の第2の表面4bの上に、チタン(Ti)からな
るオーミック電極5aとタングステン(W)からなるシ
ョットキー電極5bとを平行に形成した。その結果、良
好なショットキー特性を有するショットーキーダイオー
ドを作製することができた。
【0041】尚、本実験例1においては、Siからなる
基板素材3を用いているが、必ずしもこれに限定される
ものではなく、他の材料からなる基板素材を用いても同
様の結果を得ることができた。
【0042】また、本実験例1においては、マイクロ波
プラズマCVD法を用いてダイヤモンド層4を形成して
いるが、他のCVD法でダイヤモンド層4を形成した場
合であっても同様の結果を得ることができた。
【0043】<第2の実施例>図3は本発明に係るダイ
ヤモンド素子の製造方法の第2の実施例を示す工程図で
ある。
【0044】まず、工程(a)において、ダイヤモンド
層4を形成させるための所定の平滑度を有する基板素材
3を準備する。次いで、工程(b)において、基板素材
3の上に、所定の膜厚を有するダイヤモンド層4を形成
する。
【0045】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aの上に支持体層6を
形成する。ダイヤモンド層4の上に形成される支持体層
6は、ダイヤモンド層4の強度を確保する観点から、硬
質のものであるのが望ましい。また、実際上ある程度の
厚さが必要であることから、堆積レートが大きい形成方
法及び材質を選択する必要がある。このため、支持体層
6は、ダイヤモンド膜を燃焼炎法によって形成したもの
であるのが好ましい。また、支持体層6の形成方法とし
ては、上記のような堆積の代わりに、接着剤を介して支
持体を接着する方法を用いてもよい。
【0046】次いで、工程(d)において、基板素材3
の所定の領域を除去する。これにより、基板素材3に接
していたダイヤモンド層4の平滑性の高い第2の表面4
bが露出する。
【0047】次いで、工程(e)において、この露出し
たダイヤモンド層4の第2の表面4bを基体表面とする
ことにより、平滑性の高い表面を得ることができる。最
後に、工程(f)において、第2の表面4bの上に、所
定の形状及びサイズを有する電極5a、5bを所定の位
置に形成することにより、ダイヤモンド素子12を作製
する。また、前記工程(c)において、ダイヤモンド層
4の第1の表面4aの上に支持体層6を形成したので、
基板強度の大きなダイヤモンド素子を作製することがで
きる。
【0048】尚、この第2の実施例において用いられる
基板素材3の材質及び除去方法、ダイヤモンド層4の構
成及び形成方法、電極5a、5bの材質等は、前記第1
の実施例の場合と同様であるので、その説明は省略す
る。
【0049】以下に、上記第2の実施例の工程に基づい
て行った具体的な実験例を示す。 (実験例2−1)まず、工程(a)において、20mm
×20mm×0.5mmのシリコン(Si)からなる基
板素材3を準備した。
【0050】次いで、工程(b)において、Siからな
る基板素材3の上に絶縁性の多結晶ダイヤモンド層4を
形成した。ダイヤモンド層4の形成方法としては、上記
実験例1の場合と同様にマイクロ波プラズマCVD法を
用いた。原料ガスとしては、水素で2〜10%程度に希
釈された一酸化炭素ガスにジボランを添加しないものを
用いた。形成されたダイヤモンド層4の膜厚は50μm
であった。
【0051】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aに、ダイヤモンド膜
を燃焼炎法によって形成することにより、支持体層6と
なるダイヤモンド層を形成した。燃焼炎法は、マイクロ
波プラズマCVD法と比較して、形成される膜質が若干
劣ることやドーピングが困難であるなどの欠点を有する
が、大気圧中でダイヤモンドを合成することができ、堆
積速度が早いという点で有用である。本実験例2におい
ては、酸素とアセチレンがほぼ1:1の混合比の反応ガ
スを用いて500μmの厚さの支持体層6を形成した。
【0052】次いで、工程(d)において、基板素材3
の上に形成されたダイヤモンド層4及び支持体層6の全
体を弗硝酸水溶液に浸すことにより、Siからなる基板
素材3の除去を行った。この工程により、Siからなる
基板素材3と接していたダイヤモンド層4の第2の表面
(基板素材3の表面と同程度の平滑度を有する表面)4
bが露出した。
【0053】次いで、工程(e)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、基体強
度が大きく、かつ、凹凸がほとんどなく表面平滑性に優
れたダイヤモンド層4を得ることができた。
【0054】最後に、工程(f)において、ダイヤモン
ド層4の第2の表面4bの上に、アルミニウム(Al)
からなるIDT電極パターン5a、5bを形成した後、
その上に圧電性の膜を堆積することにより、良好な特性
を有する表面弾性波(SAW)フィルターを作製するこ
とができた。
【0055】尚、本実験例2−1においては、Siから
なる基板素材3を用いているが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、他の材料からなる基板素材を用いて
も同様の結果を得ることができた。
【0056】また、本実験例2−1においては、マイク
ロ波プラズマCVD法を用いてダイヤモンド層4を形成
しているが、他のCVD法でダイヤモンド層4を形成し
た場合であっても同様の結果を得ることができた。
【0057】(実験例2−2)まず、工程(a)におい
て、20mm×20mm×0.5mmのシリコン(S
i)からなる基板素材3を準備した。
【0058】次いで、工程(b)において、Siからな
る基板素材3の上にp形の多結晶ダイヤモンド層4を形
成した。ダイヤモンド層4の形成方法としては、上記実
験例1の場合と同様にマイクロ波プラズマCVD法を用
いた。原料ガスとしては、上記実験例1の場合と同様に
水素で2〜10%程度に希釈された一酸化炭素ガスにジ
ボランを添加したものを用いた。形成されたダイヤモン
ド層4の膜厚は50μmであった。
【0059】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aに支持体層を堆積す
る代わりに、アルミナからなる支持体6を接着した。接
着剤としては、セラミック系の接着剤を用いた。
【0060】次いで、工程(d)において、基板素材3
の上に形成されたダイヤモンド層4及び支持体6の全体
を弗硝酸水溶液に浸すことにより、Siからなる基板素
材3の除去を行った。この工程により、Siからなる基
板素材3と接していたダイヤモンド層4の第2の表面
(基板素材3の表面と同程度の平滑度を有する表面4
b)が露出した。
【0061】次いで、工程(e)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、基体強
度が大きく、かつ、凹凸がほとんどなく表面平滑性に優
れたダイヤモンド層4を得ることができた。
【0062】最後に、工程(f)において、ダイヤモン
ド層4の第2の表面4bの上に、チタン(Ti)からな
るオーミック電極5aとタングステン(W)からなるシ
ョットキー電極5bとを平行に形成した。その結果、良
好なショットキー特性を有するショットーキーダイオー
ドを作製することができた。
【0063】<第3の実施例>図4は本発明に係るダイ
ヤモンド素子の製造方法の第3の実施例を示す工程図で
ある。
【0064】まず、工程(a)において、ダイヤモンド
層4を形成させるための所定の平滑度を有する基板素材
3を準備する。次いで、工程(b)において、基板素材
3の上に、所定の膜厚を有するダイヤモンド層4を形成
する。
【0065】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aの上に薄膜7を形成
する。次いで、工程(d)において、薄膜7の成長表面
上に支持体層6を形成する。このようにダイヤモンド層
4の第1の表面4aに支持体層6を形成する前に、前記
工程(c)において第1の表面4aの上に薄膜7を形成
したので、ダイヤモンド層4と支持体層6との接着強度
を高めることができる。
【0066】次いで、工程(e)において、基板素材3
の所定の領域を除去する。これにより、基板素材3に接
していたダイヤモンド層4の平滑性の高い第2の表面4
bが露出する。
【0067】次いで、工程(f)において、この露出し
たダイヤモンド層4の第2の表面4bを基体表面とする
ことにより、平滑性の高い表面を得ることができる。最
後に、工程(g)において、第2の表面4bの上に、所
定の形状及びサイズを有する電極5a、5bを所定の位
置に形成することにより、ダイヤモンド素子13を得る
ことができる。また、前記工程(c)において、ダイヤ
モンド層4の第1の表面4aの上に薄膜7を介して支持
体6を接着したので、基板強度の大きなダイヤモンド素
子13を作製することができる。
【0068】尚、ダイヤモンド層4の上に堆積される薄
膜7は、支持体層6とダイヤモンド層4の接着強度を高
める目的だけでなく、支持体層6が導電性の物質の場合
のダイヤモンド層4と支持体層6との電気的な分離のた
めにも用いられる。従って、薄膜7としては、酸化珪素
膜や窒化珪素膜等の絶縁性の高い膜を用いるのが好まし
い。
【0069】また、この第3の実施例において用いられ
る基板素材3の材質及び除去方法、支持体6の材質、ダ
イヤモンド層4の構成及び形成方法、電極5a、5bの
材質等は、前記第1及び第2の実施例の場合と同様であ
るので、その説明は省略する。
【0070】以下に、上記第3の実施例の工程に基づい
て行った具体的な実験例を示す。 (実験例3)まず、工程(a)において、20mm×2
0mm×0.5mmのシリコン(Si)からなる基板素
材3を準備した。
【0071】次いで、工程(b)において、Siからな
る基板素材3の上にp形の多結晶ダイヤモンド層4を形
成した。ダイヤモンド層4の形成方法としては、上記実
験例1の場合と同様にマイクロ波プラズマCVD法を用
いた。原料ガスとしては、上記実験例1の場合と同様に
水素で2〜10%程度に希釈された一酸化炭素ガスにジ
ボランを添加したものを用いた。形成されたダイヤモン
ド層4の膜厚は100μmであった。
【0072】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4を形成した後に、続けて膜厚10μm程度の酸化
珪素からなる薄膜7を堆積させ、ダイヤモンド層4と支
持体層6との間を電気的に絶縁した。この工程(c)を
導入することにより、使用できる支持体層6の選択性を
広めることが可能となった。
【0073】次いで、工程(d)において、接着剤を用
いて酸化珪素からなる薄膜7の成長表面にモリブデン
(Mo)からなる支持体6を接着した。次いで、工程
(e)において、Siからなる基板素材3の除去を行っ
た。この工程により、基板素材3と接していたダイヤモ
ンド層4の第2の表面(基板素材3の表面と同程度の平
滑度を有する表面)4bが露出した。
【0074】次いで、工程(f)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、支持体
層6との電気絶縁性が保たれ、かつ、凹凸がほとんどな
く表面平滑性に優れたダイヤモンド層4を得ることがで
きた最後に、工程(g)において、ダイヤモンド層4の
第2の表面4bの上に、チタン(Ti)からなるオーミ
ック電極5aとタングステン(W)からなるショットキ
ー電極5bとを平行に形成した。その結果、良好なショ
ットキー特性を有するショットーキーダイオードを作製
することができた。
【0075】尚、薄膜7として窒化珪素膜を用いた場合
やダイヤモンド層4としてn形の特性を有するものを形
成した場合でも、同様の結果を得ることができた。 <第4の実施例>図5は本発明に係るダイヤモンド素子
の製造方法の第4の実施例を示す工程図である。
【0076】まず、工程(a)において、ダイヤモンド
層4を形成させるための所定の平滑度を有する導電性の
基板素材8を準備する。導電性の基板素材8としては、
主に金属や低抵抗のシリコンなどが好ましい。
【0077】次いで、工程(b)において、導電性の基
板素材8の上に、所定の膜厚を有するダイヤモンド層4
を形成する。次いで、工程(c)において、導電性の基
板素材8の所定の領域を除去して、電極となる領域のみ
を残す。これにより、電極となる部分以外においては、
導電性の基板素材8に接していたダイヤモンド層4の平
滑性の高い第2の表面4bが露出する。導電性の基板素
材8に電極パターンを形成する方法としては、リソグラ
フィー技術等を用いて選択的なエッチング処理を行えば
よい。
【0078】最後に、工程(d)において、この露出し
たダイヤモンド層4の第2の表面4bを表面とすること
により、平滑性の高い表面を得ることができると共に、
所定の形状及びサイズの電極9a、9bを所定の位置に
備えたダイヤモンド素子14を得ることができる。この
ように、所定の平滑度を有する導電性の基板素材8の表
面上にダイヤモンド層4を形成し、次いで、基板素材8
に電極パターンを形成した後に、電極パターンを残して
基板素材8の所定の領域を除去するようにしたので、新
たに電極を形成する工程を導入することなく、平滑性の
高いダイヤモンド層4の表面上に電極を配置することが
できる。そして、使用する基板素材8の材料を選択する
ことにより、オーミック電極あるいはショットキー電極
のいずれも形成することができる。また、このような工
程によって形成した電極9a、9bに加えて、露出した
ダイヤモンド層4の第2の表面4bの上に新たに電極等
を形成することによって様々なタイプのダイヤモンド素
子を作製することができる。
【0079】以下に、上記第4の実施例の工程に基づい
て行った具体的な実験例を示す。 (実験例4)まず、工程(a)において、20mm×2
0mm×0.5mmのチタン(Ti)からなる基板素材
8を準備した。ダイヤモンド層の形成を容易にするため
に、Tiからなる基板素材8は超音波処理による前処理
を施したものを用いた。
【0080】次いで、工程(b)において、Tiからな
る基板素材8の上にp形の多結晶ダイヤモンド層4を形
成した。ダイヤモンド層4の形成方法としては、上記実
験例1の場合と同様にマイクロ波プラズマCVD法を用
いた。原料ガスとしては、上記実験例1の場合と同様に
水素で2〜10%程度に希釈された一酸化炭素ガスにジ
ボランを添加したものを用いた。形成されたダイヤモン
ド層の膜厚は200μmであった。
【0081】次いで、工程(c)において、Tiからな
る基板素材8の裏面に電極パターンを形成し、選択的に
エッチング処理を施すことによって電極部分となる領域
以外のTiからなる基板素材8を除去した。この工程に
より、電極部分以外の箇所においては、Tiからなる基
板素材8と接していたダイヤモンド層4の第2の表面
(基板素材8の表面と同程度の平滑度を有する表面)4
bが露出した。
【0082】次いで、工程(d)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、所望の
Ti電極9a、9bを有し、かつ、電極部以外では凹凸
がほとんどなく表面平滑性に優れたダイヤモンド素子1
4を作製することができた。
【0083】尚、本実験例5においては、基板素材8と
してチタン(Ti)からなるものを用いているが、必ず
しもこれに限定されるものではなく、例えば、低抵抗シ
リコンなどからなる基板素材を用いても同様の結果を得
ることができた。
【0084】また、本実験例5においては、ダイヤモン
ド層4の形成方法としてマイクロ波プラズマCVD法を
用いているが、必ずしもこの方法に限定されるものでは
なく、他のCVD法を用いてダイヤモンド層4を形成し
た場合であっても同様の結果を得ることができた。
【0085】<第5の実施例>図6は本発明に係るダイ
ヤモンド素子の製造方法の第5の実施例を示す工程図で
ある。
【0086】まず、工程(a)において、ダイヤモンド
層4を形成させるための所定の平滑度を有する導電性の
基板素材8を準備する。次いで、工程(b)において、
導電性の基板素材8の上に、所定の膜厚を有するダイヤ
モンド層4を形成する。
【0087】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aの上に支持体層6を
形成する。次いで、工程(d)において、導電性の基板
素材8の所定の領域を除去して、電極となる領域のみを
残す。これにより、電極となる部分以外においては、導
電性の基板素材8に接していたダイヤモンド層4の平滑
性の高い第2の表面4bが露出する。
【0088】最後に、工程(e)において、この露出し
たダイヤモンド層4の第2の表面4bを表面とすること
により、平滑性の高い表面を得ることができると共に、
所定の形状及びサイズの電極9a、9bを所定の位置に
備えたダイヤモンド素子15を得ることができる。
【0089】尚、この第5の実施例において用いられる
導電性の基板素材8の材質及び除去方法、ダイヤモンド
層4の構成及び形成方法等は、前記第1の実施例及び第
4の実施例の場合と同様であるので、その説明は省略す
る。
【0090】以下に、上記第5の実施例の工程に基づい
て行った具体的な実験例を示す。 (実験例5−1)まず、工程(a)において、20mm
×20mm×0.5mmのチタン(Ti)からなる基板
素材8を準備した。
【0091】次いで、工程(b)において、Tiからな
る基板素材8の上に多結晶ダイヤモンド層4を形成し
た。ダイヤモンド層4の形成方法としては、有磁場マイ
クロ波プラズマCVD法を用いた。この方法は、原料ガ
スに磁場とマイクロ波を印加することによって高密度な
プラズマを生成させることにより、ダイヤモンドを形成
するものである。原料ガスとしては、水素で2〜10%
程度に希釈されたアルコールを用いた。形成されたダイ
ヤモンド層4の膜厚は50μmであった。
【0092】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aに、ダイヤモンド膜
を燃焼炎法によって形成することにより、500μm程
度の厚さの支持体層6となるダイヤモンド層を形成し
た。
【0093】次いで、工程(d)において、Tiからな
る基板素材8の裏面にIDT電極パターンを形成し、電
極部分となる領域以外のTiからなる基板素材8を除去
した。この工程により、電極部分以外の箇所ではTiか
らなる基板素材8と接していたダイヤモンド層4の第2
の表面(基板素材8の表面と同程度の平滑度を有する表
面)4bが露出した。
【0094】最後に、工程(e)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、所望の
Ti電極9a、9bを有し、かつ、電極部分以外では凹
凸がほとんどなく表面平滑性に優れたダイヤモンド素子
15を作製することができた。
【0095】(実験例5−2)まず、工程(a)におい
て、20mm×20mm×0.5mmのアルミニウム
(Al)からなる基板素材8を準備した。
【0096】次いで、工程(b)において、Alからな
る基板素材8の上に多結晶ダイヤモンド層4を形成し
た。ダイヤモンド層4の形成方法としては、実験例5−
1の場合と同様に有磁場マイクロ波プラズマCVD法を
用いた。形成されたダイヤモンド層4の膜厚は50μm
であった。
【0097】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aにアルミナからなる
支持体6を接着した。接着剤としては、セラミック系の
接着剤を用いた。
【0098】次いで、工程(d)において、Alからな
る基板素材8の裏面にIDT電極パターンを形成し、電
極部分となる領域以外のAlを除去した。この工程によ
り、電極部分以外の箇所においては、Alからなる基板
素材8と接していたダイヤモンド層4の第2の表面(基
板素材8の表面と同程度の平滑度を有する表面)4bが
露出した。
【0099】最後に、工程(e)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、所望の
Al電極9a、9bを有し、かつ電極部以外では凹凸が
ほとんどなく表面平滑性に優れたダイヤモンド素子15
を作製することができた。
【0100】<第6の実施例>図7は本発明に係るダイ
ヤモンド素子の製造方法の第6の実施例を示す工程図で
ある。
【0101】まず、工程(a)において、ダイヤモンド
層4を形成させるための所定の平滑度を有する導電性の
基板素材8を準備する。次いで、工程(b)において、
導電性の基板素材8の上に、所定の膜厚を有するダイヤ
モンド層4を形成する。
【0102】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4の第1の表面(成長面)4aの上に薄膜7を形成
する。次いで、工程(d)において、薄膜7の成長表面
上に支持体層6を形成する。
【0103】次いで、工程(e)において、導電性の基
板素材8の所定の領域を除去して、電極となる領域のみ
を残す。これにより、電極となる部分以外においては、
導電性の基板素材8に接していたダイヤモンド層4の平
滑性の高い第2の表面4bが露出する。
【0104】最後に、工程(f)において、この露出し
たダイヤモンド層4の第2の表面4bを基体表面とする
ことにより、平滑性の高い表面を得ることができると共
に、所定の形状及びサイズの電極9a、9bを所定の位
置に備えたダイヤモンド素子16を得ることができる。
尚、この第6の実施例において用いられる導電性の基板
素材8の材質及び除去方法、ダイヤモンド層4の構成及
び形成方法等は、前記第1の実施例及び第5の実施例の
場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0105】以下に、上記第6の実施例の工程に基づい
て行った具体的な実験例を示す。 (実験例6)まず、工程(a)において、20mm×2
0mm×0.5mmのアルミニウム(Al)からなる基
板素材8を準備した。
【0106】次いで、工程(b)において、Alからな
る基板素材8の上にp形の多結晶ダイヤモンド層4を形
成した。ダイヤモンド層4の形成方法としては、実験例
5−1の場合と同様に有磁場マイクロ波プラズマCVD
法を用いた。形成されたダイヤモンド層4の膜厚は10
0μmであった。
【0107】次いで、工程(c)において、ダイヤモン
ド層4を形成した後に、続けて膜厚10μm程度の酸化
珪素からなる薄膜7を堆積させ、ダイヤモンド層4と支
持体層6との間を電気的に絶縁した。この工程(c)を
導入することにより、使用することのできる支持体層6
の選択性を広めることが可能となった。
【0108】次いで、工程(d)において、接着剤を用
いて酸化珪素からなる薄膜7の成長表面にモリブデン
(Mo)の支持体6を接着した。次いで、工程(e)と
して、Alからなる基板素材8の裏面に電極パターンを
形成し、電極部分となる領域以外のAlを除去した。こ
の工程により、電極部分以外の箇所においては、Alか
らなる基板素材8と接していたダイヤモンド層4の第2
の表面(基板素材8の表面と同程度の平滑度を有する表
面)4bが露出した。
【0109】最後に、工程(f)において、この露出し
た第2の表面4bを基体表面とすることにより、所望の
Al電極9a、9bを有し、かつ電極部以外では凹凸が
ほとんどなく平滑性に優れたダイヤモンド素子16を作
製することができた。
【0110】尚、薄膜として窒化珪素膜を用いた場合や
ダイヤモンド層としてn形の特性を有するものを形成さ
せた場合であっても、同様の結果が得られた。
【0111】
【発明の効果】基板素材の表面上に形成される多結晶ダ
イヤモンド層の表面(成長面:以下「第1の表面」とい
う)には、凹凸が存在する。一方、基板素材と接する面
(以下「第2の表面」という)は、用いられた基板素材
の表面と同程度の平滑度を有している。このため、CV
D法などの方法によって基板素材の表面上にダイヤモン
ド層を形成した後に、基板素材の所定の領域を除去する
ことにより、表面平滑性の高い第2の表面を得ることが
できる。従って、本発明に係るダイヤモンド素子によれ
ば、ダイヤモンド層の面のうち基板素材と接していた側
の面(第2の表面)の上に電極を配置するようにしたの
で、良好な特性を有するダイヤモンド素子を実現するこ
とができる。
【0112】また、前記本発明の構成において、基板素
材が導電性を有し、電極が基板素材からなるという好ま
しい構成によれば、新たに電極を形成する必要がないの
で、良好な特性を有するダイヤモンド素子を容易に実現
することができる。
【0113】また、本発明に係るダイヤモンド素子の第
1の製造方法によれば、所定の平滑度を有する基板素材
の表面上にダイヤモンド層を形成し、次いで、前記基板
素材の所定の領域を除去した後に、前記ダイヤモンド層
の面のうち前記基板素材と接していた側の面上に電極を
形成するようにしたので、基板素材の表面と同程度の平
滑度を有するダイヤモンドの表面上に電極を備えたダイ
ヤモンド素子を容易に再現性良く作製することができ
る。
【0114】また、本発明に係るダイヤモンド素子の第
2の製造方法によれば、所定の平滑度を有する導電性の
基板素材の表面上にダイヤモンド層を形成し、次いで、
前記基板素材に電極パターンを形成した後に、前記電極
パターンを残して前記基板素材の所定の領域を除去する
ようにしたので、新たに電極を形成する工程を導入する
ことなく、平滑性の高いダイヤモンドの表面上に電極を
配置することができる。
【0115】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、基板素材の所定の領域を除去する前に、ダ
イヤモンド層の上に支持体層を形成するという好ましい
構成によれば、基板強度の大きなダイヤモンド素子を作
製することができる。この場合、さらに、支持体層がダ
イヤモンドを主成分とする層であるという好ましい構成
によれば、ダイヤモンドのみあるいは大部分がダイヤモ
ンドで構成された高品質なダイヤモンド素子を実現する
ことができる。
【0116】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、支持体層を形成する前に、ダイヤモンド層
の上に薄膜を形成するという好ましい構成によれば、ダ
イヤモンド層と支持体層との接着強度を高めることがで
きる。この場合、さらに、支持体層がダイヤモンドを主
成分とする層であるという好ましい構成によれば、ダイ
ヤモンドのみあるいは大部分がダイヤモンドで構成され
た高品質なダイヤモンド素子を実現することができる。
また、この場合、薄膜が絶縁性の薄膜であるという好ま
しい構成によれば、ダイヤモンド層と支持体層とを電気
的に分離することができるので、使用できる支持体層の
選択性を広めることが可能となる。
【0117】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、基板素材の所定の領域を除去する際に、同
時に前記基板素材とダイヤモンド層との界面領域をも除
去するという好ましい構成によれば、基板素材とダイヤ
モンド層との間に界面層が存在した場合においても、そ
の影響を除外することができる。
【0118】また、前記本発明方法の第1又は第2の構
成において、基板素材の所定の領域を除去した後に、ダ
イヤモンド層のうち基板素材と接していた側の面の表層
領域を除去するという好ましい構成によれば、基板素材
とダイヤモンド層との間に界面層が存在した場合におい
ても、その影響を除外することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤモンド素子の一実施例を示
す模式図である。
【図2】本発明に係るダイヤモンド素子の製造方法の第
1の実施例を示す工程図である。
【図3】本発明に係るダイヤモンド素子の製造方法の第
2の実施例を示す工程図である。
【図4】本発明に係るダイヤモンド素子の製造方法の第
3の実施例を示す工程図である。
【図5】本発明に係るダイヤモンド素子の製造方法の第
4の実施例を示す工程図である。
【図6】本発明に係るダイヤモンド素子の製造方法の第
5の実施例を示す工程図である。
【図7】本発明に係るダイヤモンド素子の製造方法の第
6の実施例を示す工程図である。
【符号の説明】
1、4 ダイヤモンド層 1a、4a 第1の表面(成長面) 1b、4b 第2の表面 2、5a、5b 電極 3 基板素材 6 支持体層 7 薄膜 8 導電性の基板素材 9a、9b 基板素材からなる電極 11、12、13、14、15、16 ダイヤモンド素

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板素材の上に形成したダイヤモンド層
    と電極とを備えたダイヤモンド素子であって、前記ダイ
    ヤモンド層の面のうち前記基板素材と接していた側の面
    上に前記電極を配置したことを特徴とするダイヤモンド
    素子。
  2. 【請求項2】 基板素材が導電性を有し、電極が基板素
    材からなる請求項1に記載のダイヤモンド素子。
  3. 【請求項3】 所定の平滑度を有する基板素材の表面上
    にダイヤモンド層を形成し、次いで、前記基板素材の所
    定の領域を除去した後に、前記ダイヤモンド層の面のう
    ち前記基板素材と接していた側の面上に電極を形成する
    ダイヤモンド素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 所定の平滑度を有する導電性の基板素材
    の表面上にダイヤモンド層を形成し、次いで、前記基板
    素材に電極パターンを形成した後に、前記電極パターン
    を残して前記基板素材の所定の領域を除去するダイヤモ
    ンド素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板素材が金属からなる請求項4に記載
    のダイヤモンド素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板素材の所定の領域を除去する前に、
    ダイヤモンド層の上に支持体層を形成する請求項3又は
    4に記載のダイヤモンド素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 支持体層を形成する前に、ダイヤモンド
    層の上に薄膜を形成する請求項3又は4に記載のダイヤ
    モンド素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板素材の所定の領域を除去する際に、
    同時に前記基板素材とダイヤモンド層との界面領域をも
    除去する請求項3又は4に記載のダイヤモンド素子の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 基板素材の所定の領域を除去した後に、
    ダイヤモンド層のうち基板素材と接していた側の面の表
    層領域を除去する請求項3又は4に記載のダイヤモンド
    素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 ダイヤモンド層の上あるいは薄膜の上
    に形成する支持体層が、ダイヤモンドを主成分とする層
    である請求項6又は7に記載のダイヤモンド素子の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 ダイヤモンド層の上に形成される薄膜
    が、絶縁性の薄膜である請求項7に記載のダイヤモンド
    素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08102511A (ja) * 1994-08-03 1996-04-16 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド・ヒートシンクおよびその製造方法
CN104638026A (zh) * 2015-02-05 2015-05-20 西南科技大学 一种金刚石肖特基势垒二极管及其制备方法

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