JP2005013905A - 化学反応用マイクロチップおよびその製造方法 - Google Patents

化学反応用マイクロチップおよびその製造方法 Download PDF

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Kazuko Yamamoto
佳津子 山本
Katsuto Yoshida
克仁 吉田
Toshinori Shimose
敏憲 下瀬
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Abstract

【課題】従来の化学反応用マイクロチップは強酸、強塩基、高温などの化学反応を調べるためには、耐食性、温度応答性が不十分であった。
【解決手段】化学反応用マイクロチップの材質として単結晶ダイヤモンドもしくは多結晶ダイヤモンドを用い、更に反応部に蓋をし、更にダイヤモンド内にBドープ部分を設けることにより局所的な加熱を可能とすることにより、高温、強腐食環境でも耐久性が高く精度の良い化学反応の分析が可能なマイクロチップを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は種々の物質を微小領域で化学反応及び分析を行うことができる化学反応用マイクロチップおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薬学・化学の分野では、プロセス時間の短縮や化学反応の高速化による物質合成の高効率化を目的として、化学反応による合成や分析システムをチップ上に集積化するマイクロチップやマイクロTAS(=Total analysis system)の開発が盛んに行われている。
【0003】
このマイクロチップは数cmから数mm程度の基板上に10〜数百μmの微小流路(マイクロチャネル)が形成されたものであり、このチップを用いることにより、数マイクロリットルあるいはそれ以下の量の反応液を用いて、溶液の合成・分析検出を行うことができる。そのため、試薬の使用量の低減に有効な手段である。従って、これまでも、数多くの化学反応用マイクロチップが提案、開発さ
れているが、その多くは、例えば、
【特許文献1】や
【特許文献2】で提示されているように、マイクロチャネルを形成する基板は、ガラス、酸化珪素、セラミ
ックス、シリコンあるいは金属、樹脂であった。また、
【特許文献3】では、ダイヤモンド基板の表面にマイクロチャネルを形成したマイクロチップが提示されているが、この場合、マイクロチャネルの上面は蓋で閉じられていない。
【0004】
【特許文献1】特開2000−298079号公報
【特許文献2】特開2002−001102号公報
【特許文献3】特開2002−292275号公報
【特許文献4】WO00/48724号公報
【特許文献5】特開平08−293573号公報
【特許文献6】特開平08−325097号公報
【特許文献7】特開平08−102511号公報
【特許文献8】特開平08−227953号公報
【非特許文献1】Diamond and Related Materials 10(2001)722−730
【非特許文献2】Sensors and Acutuators B (2001)71−77
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記
【特許文献1】、
【特許文献2】および
【特許文献3】で用いられている従来の材料は、反応物質によっては、十分な耐食性を持っていないために、限定された溶液の反応しか実施することができなかった。また、例えば、チップの表面に加熱手段を取り付けて高温での反応実験を行おうとする場合、ガラス等は熱伝導率が極めて低いために、非常に効率が悪いと言う問題点があった。
【0006】
また、
【特許文献4】では、材料としてダイヤモンドが用いられているが、マイクロチャネルの上面が蓋で閉じられていないため、溶液の反応・輸送中に環境への揮発が生じたり、チップの表面に加熱手段を取り付けて局所的に高温にした場合に溶液が突沸したりするなど、溶液の制御が困難であるという問題があった。また、マイクロチャネルが2次元的にしか配置されないため、チップの集積度
は低いという問題点があった。一方、
【特許文献5】〜
【特許文献8】では、素材としてダイヤモンドを用いてマイクロチャネルの上面を蓋で閉じた構造を開示している。これらは全て、高発熱半導体素子の実装部品に適用する冷却基板および冷却装置を用途としているため、マイクロチャネルを通過するものは一般的なクーラントでありマイクロチャネル内面に耐食性が必要とされないため、構造上、内部を通過する液体に接触する部分に金属やセラミックス等が使用されている。従ってこれらの構造を化学反応用マイクロチップに用いた場合、耐食性および不純物の混入の問題が生じる。
【0007】
【非特許文献1】および
【非特許文献2】では、半導体製造プロセスで用いられるシリコンの異方性エッチング技術を用いて基板となるシリコンを加工してこれに気相合成法によるダイヤモンドを合成し、さらに処理を施すことによって微小キャピラリーを構成し、これを用いたDNAチップや微小クロマトグラフィー
システムの試作を行っている。
【非特許文献1】の構造は、基板としてシリコンを持つことが必須であり、マイクロチップの全体としての熱応答に問題があり、また、この基板によりレーザー光を用いた分析の際に光路の選択などで大きな制
約を受ける。
【非特許文献2】の構造では基板としてのシリコンは存在しないが、製造方法の制約から複雑な3次元形状のマイクロチャネルの製造は不可能であり、また、積層構造も実現することができない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決し、化学反応物質の種類を問わず、さまざまな条件下において反応実験を行うことができる、高い集積度をもった化学反応用マイクロチップを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決するために、マイクロチャネルをダイヤモンド基板上に形成した後、その上に化学蒸着法でダイヤモンドを成長させることでマイクロチャネルの上面をダイヤモンドで閉じると同時に、さらにこの工程を繰り返すことでマイクロチャネルを3次元的に積み上げた構造のマイクロチップを提供するものである。
【0010】
本発明による化学反応用マイクロチップでは、ダイヤモンド基板上に1本もしくは複数本のマイクロチャネルが形成されており、該マイクロチャネルの少なくとも一部分の上面がダイヤモンドで閉じられていることを特徴とする。マイクロチャネルを形成する基板としては、種々の材料が提案されているが、それらの材料には耐食性や熱伝導率の点で課題がある。一方、ダイヤモンドはほとんどの化学物質に対して安定であり、ダイヤモンドを基板として使用することにより、反応物質の種類を問わず反応実験を行うことができる上、ダイヤモンドは物質中最高の熱伝導率をもつことから、基材の表面に加熱用素子を取り付けることで効率よく加熱を行うことができる。
【0011】
このように、ダイヤモンドをマイクロチップ用材料として利用することは非常に有用であるが、従来の技術では、ダイヤモンド基板上にマイクロチャネルを形成しても、マイクロチャネルの形状を維持しながらマイクロチャネルの上面をダイヤモンドで覆うことができなかった。そのため、前述のように溶液の反応・輸送中に環境への揮発が生じたり、例えば、チップの表面に加熱手段を取り付けて局所的に高温にした場合に溶液が突沸したりするなど、溶液の制御が困難であるという問題があった。本発明の方法を用いたマイクロチップでは、マイクロチャネルの上面を蓋で覆ってあるため、上記の問題は発生しない。
【0012】
本発明による化学反応用マイクロチップでは、マイクロチャネルが形成されたダイヤモンド層が、厚み方向に複数層配置された化学反応用マイクロチップであり、各層はそれぞれ少なくとも2本の垂直に形成されたマイクロチャネルで連結されており、1つ以上の原料溶液供給部と1つ以上の生成溶液排出部を有する構成にすることもできる。同構成をとる事により、各層のマイクロチャネルを並列に接続することで反応溶液の体積を増加させることができ、また、該マイクロチャネルを直列に接続することで反応経路を長くして、反応中に複雑な熱履歴を与え、多様な中間性生物を抽出することができる。この場合、局所加熱時の熱応答性は、マイクロチップの材質に大きく依存するが、ダイヤモンドは物質中最も熱伝導率が高く、同目的には最適の物質である。
【0013】
また、本発明による化学反応用マイクロチップでは、マイクロチップの表面に局所的なBドープダイヤ層と該Bドープダイヤ層への電力供給用の電極を設けることもできる。同構成をとる事により、マイクロチップ上の特定の部分を局所的に加熱することができ、化学反応の温度条件を自在に制御することが可能となる。
【0014】
本発明による化学反応用マイクロチップでは、基板として用いるダイヤモンドは、単結晶体もしくは多結晶体のいずれでも構わない。単結晶ダイヤモンドは光の透過度が高く、また、熱伝導率も高いので、レーザー光を用いた分析や高温での化学反応を用いる場合に好適に用いることができる。気相合成ダイヤモンド等の多結晶ダイヤモンドは単結晶ダイヤモンドと比較して安価に基板を得ることができ、また、大型のチップも容易に作成することができる。気相合成ダイヤモンドを製造する場合の基体材料としては、Si、SiC、AlN、酸化珪素、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンドのうち、いずれか一種を選択することができる。これらの基体材料はダイヤモンドの気相合成に好適に使用することができるからである。
【0015】
本発明による化学反応用マイクロチップでは、マイクロチップを構成するダイヤモンド基板が波長λ=230〜1100nm及びλ>6700nmの光を50%以上透過することが好ましい。高純度のダイヤモンド(IIaタイプ)はλ=2700〜6300nm付近に格子振動に起因した吸収を持つのとλ=225nmにバンドギャップに起因する吸収端が存在する以外は、λ=225nm以上の広い範囲の波長領域でほぼ透明である。そのため、マイクロチップで溶液反応を行うのと同時レーザ光で反応生成物の分析を行うことができるからである。
【0016】
本発明による化学反応用マイクロチップは、基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にダイヤモンドを化学的に除去することによりマイクロチャネルを形成する工程と、該マイクロチャネルをシリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属で埋めた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、該金属を除去する工程から製造することができる。
【0017】
また、本発明による別の化学反応用マイクロチップは、基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にダイヤモンドを化学的に除去することによりマイクロチャネルを形成する工程と、該マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、この後更にダイヤモンドを成長させる工程から製造することができる。
【0018】
さらに、本発明による単結晶ダイヤモンドを基板として用いる化学反応用マイクロチップは、単結晶ダイヤモンド基板上に化学的に除去することによりマイクロチャネルを形成する工程と、マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、更に気相合成法にてダイヤモンドを成長させる工程から製造することができる。
【0019】
上記の化学反応用マイクロチップの製造においては、ダイヤモンドを除去する方法が、レーザアブレーション、反応性イオンエッチング、イオンミリング、酸素プラズマエッチング、クラスタイオンビームエッチングのいずれかであることができる。これらの手段はダイヤモンド基板上に所期の仕様のマイクロチャネルを精度良く作成することができる。
【0020】
本発明による単結晶ダイヤモンドを用いた化学反応用マイクロチップの製造工程においては、単結晶基板上にチタン、ニッケル、鉄、クロム、酸化珪素のうちの1種もしくは2種以上からなる金属被覆膜を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、気相合成法によりダイヤモンドを合成させてマイクロチャネルを形成する工程と、該マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、その後さらにダイヤモンドを成長させる工程と、該金属及び酸化物膜を除去する工程を含むことができる。
【0021】
同じく、本発明による単結晶ダイヤモンドを用いた化学反応用マイクロチップの製造工程においては、単結晶ダイヤモンド上に、シリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、該金属を除去する工程を含むことができる。
【0022】
また、本発明による気相合成ダイヤモンドを用いた化学反応用マイクロチップの製造工程においては、基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にチタン、ニッケル、鉄、クロム、酸化珪素のうちの1種もしくは2種以上からなる金属を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、その後更にダイヤモンドを成長させる工程を含むことができる。
【0023】
同じく、本発明による気相合成ダイヤモンドを用いた化学反応用マイクロチップの製造工程においては、基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にシリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、該金属を除去する工程を含むこともできる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の化学反応用マイクロチップを作製する方法を具体的に説明する。
【0025】
マイクロチップを形成するための気相合成ダイヤモンド成長用基板としては、SiC、AlN等のセラミックスや酸化珪素、シリコン、モリブデン、タングステン、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド等を用いることができる。SiC、AlN等のセラミックスや酸化珪素、シリコン、モリブデン、タングステンをダイヤモンド成長用基板とする場合、該基板上にメタン等を原料とする気相合成法でダイヤモンドを形成した後、レーザ加工、反応性イオンエッチング、イオンミリング、酸素プラズマエッチング、クラスタイオンビームエッチング等のダイヤモンドを化学的に除去する方法でマイクロチャネルを形成できる。 次に、形成したマイクロチャネル上にダイヤモンドで蓋をする方法として、マイクロチャネルをシリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属で埋めた後、気相合成法でダイヤモンドを成長させる。その後、金属をNHF+HF混酸や王水等の溶液で溶解することにより、蓋で閉じられたマイクロチャネルをもつダイヤモンドからなるマイクロチップが形成できる。
【0026】
また、穴の形状精度を問わない場合には、化学的除去によりマイクロチャネルを形成後、ダイヤモンドと反応し炭素としてその中に固溶させる金属を、マイクロチャネルの表面にパターン成膜して、その後にさらに気相合成法によりダイヤモンドを合成することにより蓋で覆われたマイクロチャネルを持つダイヤモンドマイクロチップを形成できる。これは、上記金属で覆われた部分にはダイヤモンドが形成されず、マイクロチャネル以外の部分である基板の表面上では、ダイヤモンド結晶が基板の表面方向にも成長するためである。
【0027】
なお、単結晶ダイヤモンドを基板とする場合は、直接、単結晶ダイヤモンドに、レーザ加工、反応性イオンエッチング、イオンミリング、酸素プラズマエッチング、クラスタイオンビームエッチング等のダイヤモンドを化学的に除去する方法でマイクロチャネルを形成してもよい。
【0028】
以下、ダイヤモンド上に形成するためのダイヤモンドを化学的に除去する方法を更に詳しく説明する。
【0029】
レーザ加工では工業的に汎用されているYAGレーザは、光子エネルギーが約1.2eVと低く、ダイヤモンドの加工においては、エネルギーが効率よくダイヤモンドに吸収されない。このためQスイッチにより尖頭値を高くしたYAGレーザでエネルギー密度を高くして、ダイヤモンドのバンドギャップである5.5eV以上のエネルギーを吸収させる必要がある。YAGレーザ以外では、ダイヤモンドのバンドギャップに近い光子エネルギーを持つ、近紫外及び紫外光レーザがダイヤモンドの加工に有効である。本願発明を実施するために必要な微細加工を行うためには、発散角が小さく微細加工に適するレーザ光が好ましく、YAGレーザ3倍高調波、4倍高調波、波長が308nm(XeCl)、248nm(KrF)または126nm(ArF)のエキシマレーザなどが適する。
【0030】
反応性イオンエッチングや、酸素プラズマエッチング、クラスタイオンビームエッチング等の方法は、マイクロチャネルを形成する部分を残して、ダイヤモンド上に金属膜をレジストを用いてパターンコーティングした後、酸素等の反応性イオンに曝すことにより、金属マスクで覆われていない部分のダイヤモンドを加工していくものである。
【0031】
また、蓋で閉じられたマイクロチャネルを形成する方法として、上述の化学的に除去する方法と異なる方法もある。即ち、成長用基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成した後、スパッタリング法等でマイクロチャネルのパターン状に、シリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属を被覆する。更にその上にダイヤモンドを成長させることにより、該金属膜を覆う形でダイヤモンドを成長させることができる。その後、NHF+HF混酸や王水等の溶液で該金属膜を溶解することにより、蓋で閉じられたマイクロチャネルをもつダイヤモンドからなるマイクロチップが形成できる。
【0032】
あるいは、成長用基材上に気相合成法によりダイヤモンドを成膜したのち、スパッタリング法などでマイクロチャネルのパターン状に、チタン、ニッケル、鉄、クロム、酸化珪素などダイヤモンドのうちの1種類もしくは2種類以上からなる膜を被覆する。その上にダイヤモンドを成長させると、該金属または酸化物膜の上面にはダイヤモンド が合成されず、金属または酸化物膜の無い部分のみに選択的にダイヤモンドを成長させマイクロチャネルを形成することができる。
【0033】
該マイクロチャネルの底面及び側面に再度、チタン、ニッケル、鉄、クロム、酸化珪素などダイヤモンドのうちの1種類もしくは2種類以上からなる膜を被覆し、更に、気相合成法でダイヤモンドを合成させる。ダイヤモンド結晶は側面方向にも成長をするため、該金属または酸化物膜を内部に閉じ込めた形で成長する。ダイヤモンドを合成後に王水やHF+HNO混酸で該金属または酸化物膜を溶解除去することで、上面を蓋で閉じられたマイクロチャネルを持つダイヤモンドマイクロチップを形成することができる。
【0034】
上述の方法を複数回繰り返すことにより、マイクロチャネルを3次元的に積み上げた構造のマイクロチップを作製することができる。
【0035】
ダイヤモンドを気相合成法で成長させる方法としては、熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、DCプラズマCVD法、RFプラズマ法、およびこれらを組み合わせた方法のいずれでもよい。
【0036】
マイクロチップ上での温度を変化させて化学反応を促進するために、局所的に加熱できる機構を付加することができる。局所加熱するためには、Bをドープしたダイヤモンドを抵抗体ヒータとすればよい。このヒータはダイヤモンドであるため腐食性・熱伝導性に優れることは勿論、Bドープダイヤモンドの抵抗率の温度依存性がサーミスタ特性を示すため温度制御用の測定機構を設けなくても、印加する電圧や供給電流値により温度制御をすることが可能であり、機構を単純化できる。Bをドープしたダイヤモンドを合成する方法としては、BガスやBをB源として、CVDダイヤモンドの合成系に供給すればよい。
【0037】
局所加熱用にBドープダイヤモンド膜のついているエリアを限定するには、マイクロチャネル作成時と同様に、マスクをスパッタでパターンコーティングし、不要な部分を覆ってCVDダイヤを合成すればよい。もしくは、マイクロチップの裏面全面にBドープダイヤモンド膜を合成して、不要な部分をレーザ加工やエッチングにより除去することも可能である。Bドープ層へは抵抗発熱を避ける為に、スパッタリング法により厚膜の金属膜を成膜し、電極としてこれを通して給電する。該金属膜の構成は、最下面にダイヤモンドと反応し密着強度が高い活性金属層、また最表面には抵抗が低く腐食性が低い金属層が好ましく、最下面と最上面の間には両者の拡散を防止する反応性の低い金属層を介することが望ましく、Ti/Pt/Auなどの構成が考えられる。
【0038】
【実施例】
次に本発明の詳細を実施例により説明する。
【0039】
【実施例1】
それぞれ3×5×0.5mmの大きさのIIa型高圧合成単結晶ダイヤモンド、気相合成単結晶及び多結晶ダイヤモンドを基板として、9種類、13個の化学反応用マイクロチップを作製した。
【0040】
ダイヤモンド基板の合成後、基板の上下面を機械研磨して、平滑で透光性に優れた面を得た。機械研磨は、鋳鉄盤にダイヤ砥粒をスラリー状にして散布し高速回転させ、ダイヤモンドを研磨盤に押し当てて研磨した。外周形状はQスイッチYAGレーザを用いて出力3W、発振周波数1KHz、走査速度20mm/minの加工条件で切断した。
【0041】
気相合成多結晶基板は、Si,SiC、AlN、酸化珪素及び、気相合成多結晶膜単体を基材として、気相合成ダイヤモンドマイクロ波プラズマCVD法にて20μm合成した。合成条件を表1に示す。
【0042】
【表1】ダイヤ合成条件
Figure 2005013905
【0043】
高圧合成及び、気相合成単結晶ダイヤモンドを基材として、気相合成ダイヤモンドを上記の条件で100μm成膜したものと、気相合成ダイヤモンドを全く成膜しないものの2種類を用意し、それぞれ上下面を研磨して基板として使用した。
【0044】
上記で得られたダイヤモンド基板に、ダイヤモンド基板上に金属膜または酸化物膜をメタルマスクを用いて、複数点で互いに交差する3本のマイクロチャネルパターンをスパッタリング法により作製し、このマスクを用いて気相合成ダイヤモンドの選択成長を行い、マイクロチャネルを形成した。マスクの材質としては、チタン、ニッケル、鉄、クロム、酸化珪素から1種又は、2種類を組み合わせたもの(以下 製法 I)およびニオブ、シリコン、モリブデン、タングステンを用いた(製法II)。製法Iで用いたマスク材料は、炭素を反応により固溶するもので、合成条件に依っては表面にダイヤモンドを成膜させないため、ダイヤモンドの結晶粒のアスペクト比に依存した深さの溝を作る事ができる。製法IIで用いたマスク材料は、炭素と反応して表面に炭素化合物を作るが、固溶量は少ないため、表面にダイヤモンドを堆積させることができる。
【0045】
上記金属は、スパッタ法により厚膜合成するのは困難であった。このため、スパッタ法で幅約100μm×4.5mmのマイクロチャネルパターン3本を約5000Åコーティングした後、この表面に、Niを約50μmめっきして、マスクを完成させた。
【0046】
実験に用いたスパッタ装置はRFスパッタ型で、表2にこれらのうちCrの成膜条件を示す。酸化珪素は雰囲気ガスに酸素が含まれる点が大きく異なるが、他材質の薄膜形成もこの条件に準じたものである。
【0047】
【表2】Crマスク成膜条件
Figure 2005013905
【0048】
これより後の気相合成法によるダイヤモンド成膜工程は、製法 Iと製法IIに分けて記載する。
(製法 I)
金属又は酸化物膜がパターンコーティングされたダイヤモンド基板上にマイクロ波プラズマ気相合成法にてダイヤモンド膜を約200μm合成し、上面が開放された形状のマイクロチャネルを形成した。更に、マイクロチャネルの底面及び側面に表1の条件に従い、先ほどと同じメタルマスクを用いてスパッタ法によりCrを成膜し、再び気相合成法でダイヤモンドを300μm合成した。本製造法により製造されたマイクロチップの概念図を図1に、本製造法によるマイクロチップの製造工程を図2に示す。
(製法II)
金属マスクがパターンコーティングされたダイヤモンド基板上に熱フィラメント気相合成法にてダイヤモンド膜を約200μm合成したところ、金属マスクを内包するようにダイヤモンドが成長し、上面が蓋された形状のマイクロチャネルが形成された。表3に熱フィラメント気相合成法の合成条件を示す。
【0049】
【表3】熱フィラメント気相合成法の合成条件
Figure 2005013905
【0050】
以下の工程は、製法 IおよびIIは共通の工程とした。
【0051】
マイクロチャネルからマイクロチップ表面に通じる原料溶液供給部及び、精製溶液排出部となる穴をマイクロチップの上面及び底面に各1個づつ、レーザ加工にて作製した。レーザはKrFエキシマレーザを用いて、マイクロチップ表面より、マイクロチャネルの深さまで、直径200μmの止め穴を加工した。ダイヤモンド基板を王水で加熱洗浄して、マスクであったクロムを溶解除去し、ダイヤモンドマイクロチップを得た。
【0052】
ダイヤモンドを合成した面を再度機械研磨により平滑にし、鏡面となったところで透過率の測定を行った。殆どのサンプルにおいて透過率は良好であり、λ=225〜1100nmの範囲及び、λ<6700nmの波長域に於いて透光性を有しており50%以上の透過率を有していた。
【0053】
気相合成多結晶膜を基材としたマイクロチップのひとつであるNo.13はλ=225〜1100nmの範囲で透過率が40%と透光性が低かった。このマイクロチップ内のマイクロチャネルにアミノ酸を注入し紫外吸収スペクトルを測定したが、バックグラウンドが高く、ピークの同定が困難であった。一方、透過率50%以上を有した他のサンプルでは、同様の実験で紫外吸収ピークを同定する事ができた。
【0054】
レーザにて、作製したマイクロチップを切断し、SEMで断面観察を行った。製法 Iで作製したマイクロチップのマイクロチャネルは、側面及び上面がダイヤモンドによって覆われ、2つの底角が鋭角である5角形型をしており、最大幅220μm、最大深さ220μmであった。また、製法IIで作製したマイクロチップのマイクロチャネルも側面及び上面がダイヤモンドによって覆われ、2つの鈍角である5角形型をしており、最大幅150μm、最大深さ70μmであった。
【0055】
以上の試作結果を表4にまとめる。
【0056】
【表4】実施例1試作条件と透光性評価結果
Figure 2005013905
【0057】
上記の方法により、上面がダイヤモンドによって覆われたマイクロチャネルを有する良好なダイヤモンドマイクロチップを作製することができた。
【0058】
【実施例2】
気相合成単結晶ダイヤモンド及び気相合成ダイヤモンド多結晶体を基板として化学的除去加工方法でマイクロチャネルを作製した。表5に試作試料の説明をまとめる。
【0059】
マイクロチップは単結晶ダイヤモンド及び多結晶ダイヤモンドを基板として作製した。多結晶ダイヤモンド基板は、表5に示す6種類の基材に熱フィラメント気相合成法により、ダイヤモンドを300μm合成して、高圧合成単結晶ダイヤモンドは単体で使用した。いずれの基板も上下面を機械研磨して仕上げた。また、使用した基板はいずれも10×20mmであった。マイクロチャネルは表5に示す7種類の加工方法により作製した。マイクロチャネルの形状は深さ約50〜150μm、幅約50〜200μmであり、それぞれの基板に8mm長×10本加工した。
【0060】
【表5】試料説明
Figure 2005013905
【0061】
マイクロチャネル加工を施した部分に障害物または、マスクを施して気相合成法によりダイヤモンドを合成し、マイクロチャネルの蓋を作成した。試料1〜3はモリブデン、ニオブ、タングステンのいずれかから成る細線をマイクロチャネルのなかに挿入してこれを埋め、試料4〜7は、モリブデン、ニオブ、タングステン、シリコンをそれぞれ1種類づつマイクロチャネルの底面及び側面にスパッタ法で約5000Å成膜してマスクとして使用した。
【0062】
この後、ダイヤモンド基板上に試料1〜3は熱フィラメント気相合成法を、4〜7はマイクロ波プラズマCVD法を用いてでダイヤモンドを約200μm合成し、ダイヤ面を機械研磨して平滑な面を得た。その後、マイクロチャネルからマイクロチップ表面に通じる原料溶液供給部及び、精製溶液排出部となる穴をマイクロチップの上面に各1個づつ、レーザ加工にて作製した。レーザはKrFエキシマレーザを用いて、マイクロチップ上面より、マイクロチャネルの深さまで、直径300μmの止め穴を加工した。ダイヤモンド基板を王水で加熱洗浄して、金属細線及びマスクを溶解除去してダイヤモンドマイクロチップを得た。
【0063】
QスイッチYAGレーザによりダイヤモンドマイクロチップを切断し、断面のSEM観察を行った。試料1〜7いずれの試料もマイクロチャネルの上面がダイヤモンドによって覆われており、断面形状は5角形又は四角形であった。
【0064】
【実施例3】
実施例1で得た高圧合成単結晶ダイヤモンドを基板としたマイクロチップ及び、CVDダイヤモンドを基板としたマイクロチップを用いて、局所加熱用ヒータ内蔵型のマイクロチップを作製した。また、比較の為に、酸化珪素ガラスにレーザで実施例1と同形状のマイクロチャネル加工をしたマイクロチップを準備し、同様のヒータ内蔵型マイクロチップを作製した。
【0065】
マイクロチップの基板側に、実施例1と同様の方法で、2×2mmのエリアを残して、ダイヤモンドマイクロチップ裏面全体にTi/Niをパターンコーティングした。Ti/Niのパターンコーティング後、マイクロ波プラズマCVD法にて表6の条件でBドープダイヤモンドを約5μm成膜した。この後、CVDダイヤコーティングのマスクとしたTi/Ni膜を王水及びHFとHNOの混酸で洗浄して除去し、Bドープダイヤが局所的に合成されたダイヤモンドマイクロチップを得た。
【0066】
【表6】Bドープダイヤモンド合成条件
Figure 2005013905
【0067】
さらに、上記で作製したBドープダイヤモンドに給電する為の配線を、配線部のみに金属がコーティングされるようにパターンエッチングしたメタルマスクを用いて、Ti/Pt/Auの順でスパッタ法により作製した。
【0068】
表面温度を放射温度計にて測定しながらAu配線部に、外部電源に接続した電極端子を押し当て、Bドープダイヤ部分に電力を供給したところ、ダイヤモンドマイクロチップではいずれも200℃まで、0.5秒以内で温度が上昇した。更に200℃に達したところで、給電を止めたところ、いずれも2秒以内で50℃まで冷却され温度応答性が良好であることが確認できた。また、抵抗温度特性の再現性が良好であり、サーミスタ特性を利用して温度制御を行うことができた。
【0069】
これに対し、酸化珪素ガラスマイクロチップでは同様の実験に対し、200℃昇温に5.0秒、50℃までの冷却に25秒を要し、ダイヤモンドマイクロチップに比べ温度応答性が劣った。また、投入電力を大きくして、急速加熱を行おうとしたところガラスマイクロチップにはBドープダイヤヒーターの外周部を起点としたクラックが発生して割れた。
【0070】
ダイヤモンドマイクロチップの場合、ダイヤモンドの熱伝導率が1000W/mK以上であることに対して、酸化珪素ガラスは1〜2W/mKと低く、熱伝導率の違いが大きな性能差となって現れ、急激な加熱を試みた際には熱衝撃で破損した。
【0071】
Bドープダイヤモンドをヒータとして使用することで、温度計測機構の不要な熱応答性の高い局所化熱機構を持たせることが出来た。また、熱伝導率が1000W/mK以上を有するダイヤモンドを用いることで、熱応答性の高いマイクロチップを得ることが出来た。
【0072】
【実施例4】
実施例1に示す方法で、原料供給用及び生成排出用の穴を加工する前段階の気相合成単結晶ダイヤモンドを基板としたマイクロチップ及び、CVDダイヤモンドを基板としたマイクロチップを用いて、マイクロチャネルを含むダイヤモンド層が複数層配置されたマイクロチップを作製した。該ダイヤモンド基板に、マスクを使った気相合成ダイヤモンドの選択成長手法を用いて再度マイクロチャネルを形成した。
【0073】
まず、Ti/Niをスパッタ法により、作製するマイクロチャネルのパターンに成膜した後、マイクロ波プラズマCVD法でダイヤモンドを200μm合成しマイクロチャネルの側面を作製した。更に、マイクロチャネルの底面及び側面に、Ti/NIをスパッタ法でコーティングし、再び、マイクロ波プラズマCVD法でダイヤモンドを200μm合成した。マスクのパターンコーティングはマイクロチャネルのサイズを幅約200μm×4.5mmとし、メタルマスクを用いて、約5000Åのコーティングを行った。
【0074】
ダイヤの合成面に機械研磨を施し平滑な面を得た後、エキシマKrFレーザで原料供給用及び生成排出用の穴をマイクロチップの上面及び下面から各々1個づつ、二層のマイクロチャネルを貫通して、上面又は下面にのみ貫通する直径300μmの止め穴を作製した。最後に、王水溶液中でマイクロチップを煮沸洗浄して、Ti/Niマスクを溶解除去して、マイクロチャネルが2層に配置されたダイヤモンドマイクロチップを得た。
【0075】
この工程を繰り返すことで、繰り返した数に相当する階層構造を持ったマイクロチャネルを作製することができる。
【0076】
また、本実施例では原料供給用及び生成排出用の穴加工をエキシマレーザ加工によって行ったが、マイクロチャネルの側面にダイヤモンドを合成する際に、直上の層と貫通させたい部分にもダイヤの成長を抑制するマスクを施しておけば、マイクロチャネルの階層間を3次元的に任意の位置で垂直に連結することが可能である。
【0077】
【発明の効果】
本発明により、適用用途を強酸・強塩基を用いた高温反応にまで拡大して、迅速な合成・分析実験が行えるマイクロチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1の実施例を示す概念図
【図2】本発明の1の実施例の製造工程図
【符号の説明】
1 マイクロチップ
2 ダイヤモンド基板
3 マイクロチャネル
4 メタルマスク
5 金属または酸化物コーティング被膜
6、6’ 気相合成ダイヤモンド
7 金属被膜
8 マイクロチャネルまでの止め穴

Claims (14)

  1. ダイヤモンド基板上に1本もしくは複数本のマイクロチャネルが形成されており、該マイクロチャネルの少なくとも一部分の上面がダイヤモンドで閉じられていることを特徴とする化学反応用マイクロチップ。
  2. マイクロチャネルが形成されたダイヤモンド層が、厚み方向に複数層配置された化学反応用マイクロチップであり、各層はそれぞれ少なくとも2本の垂直に形成されたマイクロチャネルで連結されており、1つ以上の原料溶液供給部と1つ以上の生成溶液排出部を有することを特徴とする請求項1に記載の化学反応用マイクロチップ。
  3. マイクロチップの表面に局所的なBドープダイヤ層と該Bドープダイヤ層への電力供給用の電極を有することを特徴とする請求項1または2に記載の化学反応用マイクロチップ。
  4. マイクロチャネルが形成されたダイヤモンド基板が単結晶もしくは多結晶体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の化学反応用マイクロチップ。
  5. マイクロチャネルが形成されたダイヤモンド基板が、Si、SiC、AlN、酸化珪素、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンドのうち、いずれか一種を基材として気相合成法により合成されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の化学反応用マイクロチップ。
  6. マイクロチップを構成するダイヤモンド基板が波長λ=230〜1100nm及びλ>6700nmの光を50%以上透過することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の化学反応用マイクロチップ。
  7. 基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にダイヤモンドを化学的に除去することによりマイクロチャネルを形成する工程と、該マイクロチャネルをシリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属で埋めた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、該金属を除去する工程とからなることを特徴とする化学反応用マイクロチップの製造方法。
  8. 基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にダイヤモンドを化学的に除去することによりマイクロチャネルを形成する工程と、該マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、この後更にダイヤモンドを成長させる工程とからなることを特徴とする化学反応用マイクロチップの製造方法。
  9. 単結晶基板上に化学的に除去することによりマイクロチャネルを形成する工程と、マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、更に気相合成法にてダイヤモンドを成長させる工程とからなることを特徴とする化学反応用マイクロチップの製造方法。
  10. ダイヤモンドを除去する方法が、レーザアブレーション、反応性イオンエッチング、イオンミリング、酸素プラズマエッチング、クラスタイオンビームエッチングのいずれかであることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の化学反応用マイクロチップの製造方法。
  11. 単結晶基板上にチタン、ニッケル、鉄、クロム、酸化珪素のうちの1種もしくは2種以上からなる金属被覆膜を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、気相合成法によりダイヤモンドを合成させてマイクロチャネルを形成する工程と、該マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、その後さらにダイヤモンドを成長させる工程と、該金属及び酸化物膜を除去する工程とからなることを特徴とする化学反応用マイクロチップの製造方法。
  12. 基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にチタン、ニッケル、鉄、クロム、酸化珪素のうちの1種もしくは2種以上からなる金属を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、マイクロチャネルの底面及び側面上にチタン、ニッケル、鉄、酸化珪素のうちいずれか1種類または2種類以上からなる金属または酸化物膜を被覆する工程と、その後更にダイヤモンドを成長させる工程とからなることを特徴とする化学反応用マイクロチップの製造方法。
  13. 基材上に気相合成法によりダイヤモンドを合成する工程と、該ダイヤモンド層にシリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、該金属を除去する工程とからなることを特徴とする化学反応用マイクロチップの製造方法。
  14. 単結晶ダイヤモンド上に、シリコン、タングステン、モリブデン、ニオブのうちの1種もしくは2種以上からなる金属を用いてマイクロチャネルのパターンを描いた後、更にダイヤモンドを成長させる工程と、該金属を除去する工程とからなることを特徴とする化学反応用マイクロチップの製造方法。
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