JP4493706B2 - 熱電装置および熱素子 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば集積回路チップ(chip)などの物質を冷却するための熱電装置および熱素子に関するものである。
コンピュータの速度が増し続けるにつれ、コンピュータ内の回路によって発生する熱の量も増大し続ける。多くの回路および適用例では、熱が増大するとコンピュータの性能が低下する。このような回路は、最も効率的に動作するよう冷却する必要がある。パーソナル・コンピュータなどの多くのローエンド・コンピュータでは、対流冷却を行うためにファンおよびフィンを使用することによりコンピュータを冷却することができるだけである。しかし、より速い速度で動作し、より多くの熱を発生させるメイン・フレームなどの大型コンピュータの場合、これらの解決策は現実的ではない。
現在のところ、多くのメイン・フレームは、コンピュータを冷却するために蒸気圧縮冷却器を利用する。このような蒸気圧縮冷却器は、本質的に多くの家庭で使用されている中央空調ユニットと同様に動作する。しかし蒸気圧縮冷却器は、機械的に実に複雑であり、過熱によって性能が最も低下し易くなる特定の領域を冷却するためにメイン・フレームの様々な部分にまで通さなければならない絶縁材およびホースを必要とする。
非常に単純で安いタイプの冷却器は熱電冷却器である。熱電冷却器はペルチェ効果と呼ばれる物理的原理を利用し、すなわち2つの異なる材料を横切るように電源からDC電流を流し、この2つの異なる材料の接合部で熱を吸収させるのである。したがって熱が高温の物質から除去され、ヒート・シンクに移送されてそこで放散させ、それによって熱い物質を冷却することができる。熱電冷却器は集積回路チップ内に製作することができ、また蒸気圧縮冷却器で必要とされるような複雑な機械システムを必要とすることなく、特定の高温スポットを直接冷却することができる。
しかし現行の熱電冷却器は、蒸気圧縮冷却器ほど効率的ではなく、同量の冷却を実現するにはより多くの電力を消費する必要がある。さらに現行の熱電冷却器は、蒸気圧縮冷却器ほど十分に物質を冷却することができない。したがって、例えばメイン・フレーム・コンピュータや高温チップの熱管理、RF通信回路、磁気読取り/書込みヘッド、光学およびレーザ装置、自動車冷却システムなどの小型冷却適用例から複雑な蒸気圧縮冷却器を無くすことができるように、効率および冷却容量が改善された熱電素子および熱要素が望まれている。
本発明は上記課題を解決するために、加熱されたプレートに熱的に接続された熱素子の第1の部分と、冷却されたプレートに熱的に接続された熱素子の第2の部分とを備える熱電装置を提供する。熱電装置は、熱素子の2つの部分のうちの一方が複数の先端部を備え、熱素子の2つの部分の他方は、平坦面を備えていて、複数の先端部および平坦面が近接配置されて電気的接続を与えている。
また、複数の先端部の少なくとも1つは、平坦面から物理的に離間することができる。さらに、複数の先端部のうちの少なくとも1つは、平坦面に物理的に接触することができる。また、複数の先端部は、平坦面から100nm以内に配置されることが好ましい。さらに、複数の先端部の熱電材料と平坦面の熱電材料との間は、格子不整合が存在することが好ましい。また、第1の部分と第2の部分との間のギャップは、真空とすることができ、また熱電装置は、ハーメチックシールされ、第1の部分と第2の部分との間のギャップは、窒素を含むことができる。窒素は、乾燥窒素であることが好ましい。
さらに、熱素子の平坦面は、2つの熱電材料の超格子を含み、熱電要素の他の部分は、2つの熱電要素材料の前記超格子の最近接層の熱電材料と同タイプとすることができる。また、複数の先端部は、それぞれ円錐形とされることが好ましい。さらに、先端部は、丸められた端部を備えていてもよい。上記の熱電装置には電源が接続され、前記熱電装置が冷却モードで動作することが好ましい。他の態様では、加熱されたプレートと冷却されたプレートとの間には温度勾配が保持され、熱電装置が発電モードで動作することもできる。
本発明ではさらに、熱電装置に使用される熱素子であって、
平坦面を備える熱電材料の第1の部分と、
複数の先端部を備える熱電材料の第2の部分とを備え、
前記複数の先端部は、前記平坦面に近接し、前記熱電材料の前記第1の部分と前記第2の部分との間には導電経路が形成される、熱素子が提供される。
熱電材料の第1の部分は、熱電材料の2つのタイプの超格子を含むことができる。複数の先端部は、それぞれ円錐形状とされることが好ましい。また、複数の先端部は、それぞれ丸められた端部を備えることができる。さらに、複数の先端部は、それぞれ前記平坦面から100nm以内に配置することが好ましい。また、複数の先端部の少なくとも1つは、平坦面に物理的に接触することができる。さらに、複数の先端部のうち少なくとも1つは、平坦面から物理的に離間することができる。
本発明の特徴と考えられる新規な特徴は、首記の特許請求の範囲に記載した。しかし、本発明自体、ならびに好ましい使用形態、その他の目的、およびその利点は、例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を、添付図面と併せて読みながら参照することによって、最も良く理解されよう。
従来技術による熱電冷却(TEC)装置のハイレベル・ブロック図を、図1に示す。原理がよく知られている熱電冷却はペルチェ効果に基づくものであり、異なる2種の材料を横切るようにDC電流を流し、これら2種の異なる材料の接合部で熱を吸収させる。
一般に知られている熱電冷却装置100は、熱伝導性が良好で導電性が不十分な導電体108および導電体110と導電体114との間に挟まれた、p型半導体104およびn型半導体106を利用する。N型半導体106は過剰な電子を有し、一方p型半導体104は電子が不足している。2つの導電体114の間にはDC電源102が接続されている。
電子が導電体110からn型半導体106に移動するとき、熱源112から熱エネルギーが吸収されるので、電子のエネルギー状態は上昇する。このプロセスは、熱源112から電子流を介して熱エネルギーをn型半導体106および導電体114に伝え、さらにヒート・シンク116に伝える効果がある。電子は、より低いエネルギー状態に遷移し、熱エネルギーを導電体114に放出する。
熱電冷却器100などの冷却冷蔵器の性能係数ηは、冷蔵器の冷却容量を冷蔵器の全消費電力で割って得られた比である。したがって性能係数は、以下の方程式で表され、
Figure 0004493706
ただし項αITcは熱電冷却に起因し、項1/2・IRはジュール加熱の逆流(Joule heating backflow)に起因し、項KΔTは熱伝導に起因し、項IRはジュール損失に起因し、項αIΔTはペルチェ電圧に対して行われた仕事に起因し、αは材料のゼーベック係数であり、Kはペルチェ装置の熱伝導率であり、Tは熱源の温度であり、ΔTは熱源の温度とヒート・シンクの温度Tの差である。
最大性能係数は、電流Iを最適化することによって導かれ、以下の関係式によって得られる。
Figure 0004493706
上式で、パラメータγは
Figure 0004493706
で表され、ただしσは導電率であり、λは熱伝導率である。
冷蔵器εの効率因子は以下の方程式によって得られる。
Figure 0004493706
フィギュア・オブ・メリット(figure of merit)ZTは以下の方程式で与えられ、
Figure 0004493706
ただし熱伝導率λは2つの成分、すなわち電子に起因する成分λeと格子に起因する成分λLからなり、Tは温度Tと温度Tの平均である。したがって最大効率εは、フィギュア・オブ・メリットZTが無限大に近付くときに実現される。蒸気圧縮冷蔵器の効率は約0.3である。図1の熱電冷却器100のような従来の熱電冷却器の効率は、一般に0.1未満である。したがって、熱電冷却器の効率を蒸気圧縮冷蔵器に匹敵する範囲まで高めるには、フィギュア・オブ・メリットZTを2よりも大きい値に増大させなければならない。フィギュア・オブ・メリットZTの値が2よりも大きくなると、熱電冷却器は、蒸気圧縮冷蔵器と同じ効率および冷却容量を実現するよう動作することができる。
図2を参照すると、強化型構造化インターフェースを備えた本発明の熱電装置および熱素子の実施形態を、熱電冷却器200として構成する場合の、熱電冷却器200の断面が示されている。熱電冷却器200は熱源226を含み、図示するように電流Iが流れる状態で、熱が熱源226から抽出されてヒート・シンク202へと送出される。熱源226は、冷却することが望まれる物質に、熱を介して結合している。ヒート・シンク202は、熱源226またはその他の冷熱源226あるいはその両方から取り出された熱を放散させるため、例えばヒート・パイプやフィン、または凝縮ユニット、あるいはこれら全ての装置に、熱を介して結合することができる。
熱源226は、p型ドープ・シリコンからなる。熱源226は、チップ250のn+型ドープ・シリコン領域224および222に熱を介して結合している。N+型領域224および222は、導電性であると共に良好な熱伝導体である。N+型領域224および222のそれぞれは、熱源226と共に逆ダイオードを形成し、その結果、熱源226とn+領域224および222との間には電流が流れなくなり、したがって熱源226は、導電体218および220から電気的に絶縁される。
ヒート・シンク202は、p型ドープ・シリコンからなる。ヒート・シンク202は、n+型ドープ・シリコン領域204および206に熱を介して結合している。N+型領域204および206は、導電性であり良好な熱伝導体である。N+型領域204および206とヒート・シンク202のそれぞれは逆ダイオードを形成し、その結果、N+型領域204および206とヒート・シンク202の間には電流が流れなくなり、したがってヒート・シンク202は、導電体208から電気的に絶縁される。熱電冷却器の電気絶縁に関するさらなる情報は、米国特許第6,222,113 B1号に見出すことができ、その内容を、あらゆる目的で本明細書に組み込む。
ヒート・シンク202および熱源226の全体が非ドープ型の非導電性シリコンで構成されている場合、導体208とヒート・シンク202を電気的に絶縁しかつ導体218および220と熱源226を電気的に絶縁するためにn+およびp−領域を用いて逆ダイオードを形成することは、必ずしも必要ではない。しかし、シリコン全体を確実に非ドープ状態にすることは非常に困難である。したがって、n+およびp−領域により得られる逆ダイオードを存在させることによって、ヒート・シンク202および熱源226と導体208、218、および220とを電気的に確実に絶縁する。また、逆ダイオードを使用した同様の電気絶縁は、他の方法、例えば図示されるp−およびn+型ではなくp+型ドープ・シリコンおよびn−型ドープ・シリコンを使用することによって作り出すことができることにも留意すべきである。本明細書で使用するn+およびp+という用語は、n型不純物が大量にドープされた半導体材料およびp型不純物が大量にドープされた半導体材料をそれぞれ指す。本明細書で使用するn−およびp−という用語は、少量のn型不純物がドープされた半導体材料および少量のp型不純物がドープされた半導体材料をそれぞれ意味する。
熱電冷却器200の構造は、図1の熱電冷却器100と同様である。しかしN型106およびP型104の半導体構造化インターフェースを、導電体208によって電気的に結合された超格子熱電素子構造210および212に置き換えた。導電体208は、白金(Pt)から形成することができ、あるいは、例えばタングステン(W)やニッケル(Ni)、チタン銅ニッケル(Ti/Cu/Ni)金属被膜などのその他の導電性材料から形成することができる。
超格子は、厚さがそれぞれ数ナノメートルである2種の異なる半導体材料層が、交互に配置されてなる構造である。熱電素子210は、交互に配されたN型半導体材料層から構成され、熱電素子212の超格子は、交互に配されたP型半導体材料層から構成される。熱電素子210および212のそれぞれで交互に配された各材料層は、厚さが10ナノメートル(nm)である。2種の半導体材料の超格子は、同様の2種の半導体材料を含む合金よりも熱伝導率λが低く、導電率σは同じである。
一実施形態で、超格子熱電素子212は、交互に配されたp型ビスマス・カルコゲナイド材料層を含み、例えばBiTe/SbTe層とBi0.5Sb1.5Te層が交互に配されており、また熱電素子210の超格子は、交互に配されたn型ビスマス・カルコゲナイド材料層を含み、例えばBiTe層とBiSe層が交互に配されている。熱電素子210および212用の超格子には、その他のタイプの半導体材料も同様に使用することができる。熱電素子210および212の超格子は、例えばビスマス・カルコゲナイド材料ではなくてコバルト・アンチモン・スクッテルド鉱(skutteridite)材料から構成することができる。
熱電冷却器200はチップ250も含み、その内部を電流Iが通って熱電素子212に入り、次いで熱電素子210から導体218に入る。チップ250は、先の尖った円錐構造に形成されたn+型半導体222および224を含み、例えば白金(Pt)などの導電性材料でできた薄いオーバーコート層218および220が設けられている。白金の代わりに使用することができるその他の導電性材料には、例えばタングステン(W)、ニッケル(Ni)、およびチタン銅ニッケル(Ti/Cu/Ni)金属被膜が含まれる。チップ250と熱電材料210および212との間およびその周りの領域からは気体を排出し、または例えば乾燥窒素などの気体で密封すべきである。
チップ250の端部では、導電層218および220を、半導体材料の薄層214および216が覆っている。層214は、チップ250に最も近接している熱電素子212の超格子層と同じゼーベック係数αを有するP型材料から形成される。層216は、チップ250に最も近接している熱電素子210の層と同じゼーベック係数αを有するN型材料から形成される。冷却は、電子および正孔が発生する金属付近の領域で行われるので、熱電冷却器200を機能させるにはP型熱電オーバーコート層214が必要である。最大限の冷却は、ゼーベック係数の勾配(変化)が最大の場所で行われるので、n型熱電オーバーコート層216が有用である。P型領域の熱電オーバーコート214は、その厚さが約60nmである。n型熱電オーバーコート216固有の厚さは未だ完全に改良されていないが、熱電オーバーコート214の厚さと同様の厚さの範囲内にあるべきと考えられる。
図1の導体110などの導電体を、平面的なインターフェースではなく先の尖ったチップ250状に作製することによって、冷却効率を高めることができる。チップ250の先端での格子熱伝導率λは、格子不整合のために非常に小さい。例えばビスマス・カルコゲナイドの熱伝導率λは、通常、約1ワット/メートル・ケルビンである。しかし、チップ250のように先の尖ったチップ構造では、先端での格子不整合のために、熱伝導率が約0.2ワット/メートル・ケルビンに低下する。しかし熱電材料の導電率は、比較的変化しないままである。したがって、この種の材料のフィギュア・オブ・メリットZTを2.5よりも大きくすることができる。熱電素子210および212の超格子に可能な別のタイプの材料は、コバルト・アンチモン・スクッテルド鉱である。このようなタイプの材料は、一般にその熱伝導率λが非常に高く、通常は望ましくない。しかし、先の尖ったチップ250を使用することによって熱伝導率を最小限に低下させ、これらの材料のフィギュア・オブ・メリットZTを4よりも大きくすることができ、そのため、これらの材料の熱電素子210および212への使用を非常に魅力あるものにする。したがって、先の尖ったチップ250を使用することにより、熱電冷却器200の効率が蒸気圧縮冷蔵器に匹敵するようさらに高められる。
冷点構造の別の利点は、電子が波長よりも小さい寸法に限定されることである(その運動エネルギーに応じて)。このように限定されることにより、輸送可能な局所状態密度が増大し、ゼーベック係数が効果的に増大する。このため、導電率を増加させ熱伝導率を減少させることによって、フィギュア・オブ・メリットZTを増大させる。
図1に示すような従来の熱電冷却器の通常の冷却容量では、熱源とヒート・シンクとの間に絶対温度60度程度の温度差ΔTを生み出すことができる。しかし熱電冷却器200は、絶対温度150度程度の温度差を生み出すことができる。したがって、互いに結合された2つの熱電冷却器により、液体窒素の温度範囲(絶対温度100度未満)まで冷却することが可能である。しかし、熱電素子210および212には異なる材料を使用する必要がある場合もある。例えばビスマス・テルル化物は、低温(すなわち摂氏−100度未満)で非常に低いαを有する。しかし、ビスマス・アンチモン合金は、低温で十分に機能する。
ビスマス・カルコゲナイド材料よりも優れたコバルト・アンチモン・スクッテルド鉱材料の別の利点であって、温度に関係しない利点とは、コバルト・アンチモン・スクッテルド鉱材料が構造的により安定であることであり、ビスマス・カルコゲナイド材料は構造的に弱い。
当業者なら、図2の熱電冷却器の構造を、その実装状態に応じて変えることができることを理解するであろう。例えば、図1に示されるよりも多くの、または少ないチップ250の配列を含めることができる。示される例は、本発明に関してその構造を限定しようとするものではない。
次に図3を参照すると、本発明による図2の熱電冷却器200の平面図が示されている。熱電冷却器300は、n型熱電材料セクション302とp型熱電材料セクション304を含む。n型セクション302とp型セクション304は共に、シリコン本体を覆う導電性材料306の薄層を含む。
セクション302は、複数の円錐形チップ310からなるアレイを含み、そのそれぞれは、最も近接している熱電素子210の超格子層と同じタイプのn型材料308の薄層で覆われている。セクション304は、複数の円錐形チップ312からなるアレイを含み、そのそれぞれは、最も近接している熱電素子210の超格子層と同じタイプのp型材料314の薄層で覆われている。
次に図4および図5を参照すると、図2のチップ250の1つとして実装することができる本発明によるチップの断面が示されている。チップ400は、円錐角約35度で形成されたシリコン・コーンを含む。シリコン402の表面は、白金(Pt)などの導電性材料の薄層404で被覆されている。チップ400のまさしく先端は、熱電材料406の薄層で覆われている。全ての層を付着させた後の円錐角は、約45度である。チップ400の有効チップ半径は約50ナノメートルである。
チップ408は、チップ250の1つのような、チップの代替の実施形態である。チップ408は、導電層412と先端を覆う熱電材料層410を備えたシリコン・コーン414を含む。しかしチップ408は、チップ400よりもさらに鋭い円錐角を有する。チップ408の有効チップ半径は、約10ナノメートルである。この時点で、チップのより広い円錐角が好ましいのかより狭い円錐角が好ましいのかはわかっていない。この実施形態では、図4に示すように円錐角45度のチップを選択したが、そのような角度は円錐角の可能な範囲の中間にあり、またそのような構成は、表面が白金で被覆されたシリコンによって容易に形成されるからである。これは、シリコンの100面に沿ってKOHでエッチングすることにより、54度の円錐角が自然に形成されることによる。したがって、導電性および熱電オーバーコートを付加した後の円錐角は約45度である。
次に図6を参照すると、本発明による超格子に近接したチップの温度場(temperaturefield)を示す断面図が示されている。チップ504は、図2のチップ250の1つとして実装することができる。チップ504の有効チップ半径aは、30〜50ナノメートルである。したがって温度場は、2a、すなわち60〜100ナノメートルにほぼ等しい非常に短い距離rで、局所的に存在する。したがって超格子502は、厚さd、すなわち100ナノメートル程度のほんの数層の厚さしか必要としない。したがって先の尖ったチップを使用すると、超格子層がわずかに5〜10層の熱電冷却器で十分である。
このため、時間が非常にかかる可能性がある多数の層を形成するのではなくわずか数層の超格子層を形成すればよいので、例えば熱電冷却器200などの熱電冷却器を製作することは、それほど時間のかかるものではない。したがって熱電冷却器200は、厚さが3ミリメートル程度かそれよりも厚い従来技術の熱電冷却器とは対照的に、非常に薄く(100ナノメートル程度の厚さ)製作することができる。
先の尖ったチップのインターフェースを備えた本発明による熱電冷却器のその他の利点には、チップ・インターフェースにおいて、図2の熱電素子210や212のような熱電素子の熱伝導率が最小限に抑えられることが含まれる。また、温度/電位の低下もチップ付近の領域に局所的に存在し、100ナノメートルよりも短い長さへのスケーリングが効果的に実現される。さらに、先の尖ったチップを使用すると、熱電素子の長さを有効に減少させることによって、超格子を成長させるための層の数が最小限に抑えられる。本発明によれば、薄膜構造の電着が可能になり、フリップチップ結合が回避される。寸法がより小さいのでn型およびp型熱電素子のモノリシック集積が可能である。
本発明の熱電冷却器は、例えばメイン・フレーム・コンピュータ内の特定の場所や、レーザ、光学電子部品、光検出器、遺伝学におけるPCRなど、物品を冷却するのに利用することができる。
次に図7を参照すると、本発明による全金属チップを備えた強化型構造化インターフェースを有する熱電冷却器の断面図が示されている。これまで本発明について、n+半導体領域224および222で構成されたシリコン・コーンで構成されたチップ250を有するものとして述べてきたが、図2のチップ250は、図7に示すようなチップ650に代えることができる。チップ650は、全金属コーン618および620を有する。図示される実施形態で、コーン618および620は銅で構成され、ニッケル・オーバーコート層660および662を有する。熱電冷却器600は、チップ650上に熱電オーバーコート216および214を有することを含めて他の全ての点で熱電冷却器200と同一である。また熱電冷却器600は、熱電冷却器200と同じ利益ももたらす。しかし、導電性材料で覆われたシリコン・コーンではなく全金属コーンを使用することによって、コーン内の寄生抵抗が非常に低くなり、そのため熱電冷却器600の効率が、既に増大した熱電冷却器200の効率よりもさらに高まる。チップ650の周囲の領域と、チップ650と熱電材料210および212との間の領域は、真空にすべきであり、または例えば乾燥窒素などの気体で密封すべきである。
また、図2と同様に、熱源226はp型ドープ・シリコンからなる。しかし図2とは対照的に、熱源226は、図2で領域224および222がそうであるようにチップ構造の一部を形成する領域ではなく、チップ構造650の一部を形成しないn+型ドープ・シリコン領域624および622に、熱を介して結合される。N+型ドープ・シリコン624および622は、図2の領域224および222によって行われる電気絶縁機能を依然として発揮する。
図7に示す全金属コーンを形成するにはいくつかの方法を利用することができる。例えば、次に図8を参照すると、本発明による全金属チップを形成するために使用することができる犠牲シリコン・テンプレートの断面図が示されている。円錐形のピットを有する犠牲シリコン・テンプレート702を構成した後、テンプレート702の表面に金属層を付着させて、全金属コーン704を生成する。次いで全金属コーン704を熱電冷却器600で使用することができる。
次に図9を参照すると、シリコン犠牲テンプレートを使用して全金属コーンを生成する、本発明による例示的な方法を示すフローチャートが示されている。初めに、型を生成するためにシリコンを異方性エッチングすることによって、円錐形のピットを製作する(ステップ802)。これは、KOHエッチング、酸化、または集束イオンビーム・エッチング、あるいはこれら全ての組合せによって行うことができる。シリコン・コーンを製作するこのような技法は、当技術分野で周知である。
次いでシリコン犠牲テンプレートを、例えばチタンや白金などシード金属(seedmetal)の薄いスパッタ層で被覆する(ステップ804)。白金はチタンよりもわずかに丸みをおびたチップを形成するのでチタンが好ましく、円錐形ピットに非常によく一致する。次に、銅を電気化学的に付着させて、犠牲シリコン・テンプレートの谷の部分を埋める(ステップ806)。次いで銅の最上面を平坦化する(ステップ808)。金属層を平坦化する方法は、当技術分野では周知である。次いで当技術分野で周知の選択的エッチング法により、シリコン基板を除去する(ステップ810)。次いでこのように生成された全金属コーンは、例えばニッケルやチタンなどの別の金属の被覆で覆い、次いで熱電材料の超薄層で覆うことができる。ニッケルまたはチタンのオーバーコートは、熱電材料オーバーコートの電着を助ける。
[全金属コーンを生成するこの方法の1つの利点は、生成された型を再使用することができることである。型は、その型が劣化して再使用できなくなる前に、約10回まで再使用することができる。]シリコン・エッチングは非常に予測可能なものであり、わずか数ナノメートルに生成されたピットの傾斜角およびコーンの稜角を計算することができるので、このようなテンプレートの形成は非常にうまく制御され、非常に均一な全金属円錐チップが生成される。
全金属コーンを形成するその他の方法も同様に使用することができる。例えば、次に図10を参照すると、パターニングされたフォトレジストを使用して形成された本発明による全金属コーン902の断面図が示されている。この方法で、金属層は、一部が製作された熱電冷却器の底部を覆うように形成される。次いでパターニングされたフォトレジスト904〜908を使用して、直接電気化学エッチング法により全金属コーン902を形成する。
次に図11を参照すると、本発明による、フォトレジストを使用して全金属コーンを形成する例示的な方法を示すフローチャートが示されている。初めに、図7の熱電冷却器600のような部分的に製作された熱電冷却器の、銅などの金属層上に、フォトレジストの小さいセクションをパターニングする(ステップ1002)。フォトレジストは、フォトレジストを有するセクションのアレイにパターニングすることができるが、アレイ内のフォトレジストの各領域は、全金属コーンのチップが形成されることが望まれる領域に対応するものである。次いで金属を電気化学的に直接エッチングして(ステップ1004)、図10に示されるコーン902を生成する。次いでフォトレジストを除去し、次いで全金属コーンのチップを、例えばニッケルなどの別の金属で被覆することができる(ステップ1006)。次いで全金属コーンを被覆する第2の金属を、熱電材料の超薄層で被覆することができる(ステップ1008)。したがって、チップ表面に熱電層を有する全金属コーンであって、例えば熱電冷却器600のような熱電装置で使用することができる全金属コーンを形成することができる。このように生成された全金属円錐の先端は、図9で示した方法を使用して生成されたものほど均一ではない。しかしこの方法は現在のところ安く、したがってコストが重要な要素である場合は、より望ましい方法であると考えられる。
全金属コーンを製作する示された方法は、単なる例である。熱電冷却器に使用される全金属コーンを製作するには、その他の方法も同様に使用することができる。さらに、全金属コーンには、銅以外のその他のタイプの金属を使用することができる。
次に図12を参照すると、金属導電層ではなく熱電材料がインターフェースでチップに形成されている強化型構造インターフェースを備えた、本発明による熱電冷却器の断面図が示されている。熱電冷却器1100は、冷却板1116と加熱板1102を含み、冷却板は、冷却される物質に熱を介して接触している。熱伝導体1114および1118は、導電プレート1112および1120との間にそれぞれ熱電対を提供する。熱伝導体1114および1118は、n型不純物が多量にドープされた(n+)半導体材料で構成され、そのため冷却板1116のp−材料で逆バイアス・ダイオードを形成することによって、冷却板1116と導体1112および1120とを電気的に絶縁することができる。したがって熱は、冷却板1116から導体1112および1120を通って最終的には加熱板1102に伝達され、熱電冷却器1100と冷却される物質とを熱を介して結合させることなく加熱板1102から熱を放散させることができる。同様に熱伝導体1104は、導電プレート1108と加熱板1102とを熱を介して接続するが、上述のように加熱板1102のp−ドープ半導体材料で逆バイアス・ダイオードを形成することによって、加熱板と導電プレート1108との電気絶縁状態が維持される。熱伝導体1104もn+型ドープ半導体材料である。導電プレート1108、1112、および1120は、この実施形態では白金(Pt)で構成される。しかし、導電性であると共に熱伝導性であるその他の材料も同様に利用することができる。また、チップ1130〜1140の周囲の領域と、チップ1130〜1140と熱電材料1112および1110との間の領域は、真空になるよう排気されるべきであり、または例えば乾燥窒素などの気体で密封されるべきあることにも触れておく。
この実施形態では、図2および7に示すような金属電極の点の配列を介して熱電素子と熱源(コールド・エンド)金属電極(導体)とを接触させるのではなく、熱電素子と金属電極とを接触させる点の配列は、熱電素子1124および1126の点1130〜1140の配列によってもたらされる。図2および7に関して既に述べた実施形態で、コールド・エンドでの金属電極はシリコン・チップの表面に形成され、あるいは金属パターンを直接エッチングすることによって全金属チップを形成した。しかしこれらの方法では、電気化学的な方法によって、低温電極および高温電極の表面に熱電材料を付着させる必要があった。電着させた材料は多結晶性になる傾向があり、超平面状態にならない。また、表面熱電特性は、単結晶性熱電材料より優れていても優れていなくてもよい。アニーリングによって多結晶性材料の熱電特性が改善されるが、その平坦性は100nmの粗さレベルよりも低いことが依然として問題である。本実施形態のチップ1130〜1140は、電気化学的なエッチングによって、単結晶または多結晶熱電材料から形成することができる。
一実施形態で、熱電素子1124は、単結晶性のBiTe/SbTeおよびBi0.5Sb1.5Teの超格子からなり、熱電素子1126は、単結晶性のBiTe/BiSeおよびBiTe2.0Se0.1の超格子で形成される。導電プレート1120は、この薄層1120に最も近いチップ1130〜1134の材料と同じ熱電材料でできた薄層1122で被覆される。導電プレート1112は、この薄層1112に最も近いチップ1136〜1140の材料と同じ熱電材料でできた薄層1110で被覆される。
次に図13を参照すると、例えば図12の熱電冷却器1100のような熱電冷却器を製作する本発明による例示的な方法を示すフローチャートが示されている。まず、最適化した単結晶材料を従来の手段によって金属電極に結合し、または単結晶材料に金属電極を付着させて、電極接続パターンを形成する(ステップ1202)。次いで図14に示すフォトレジスト1302〜1306によって、熱電材料1314の他方の面をパターニングし(ステップ1204)、金属電極を電気化学浴中でアノードとして使用して、表面を電気化学的にエッチングする(ステップ1206)。適切な時間でエッチング・プロセスを制御し停止させることによって、図14に示すチップ1308〜1312を形成する。
化学的機械研磨によって第2の単結晶基板を薄くし、次いでその基板全体を電気化学的にエッチングしてナノメートルの被膜にする(ステップ1210)。超薄層基板を備えた第2の基板は、コールド・エンドを形成し、これら2つの基板(一方は超薄層熱電材料を備え、他方は熱電チップを備える)を一緒に圧力で締め付ける(ステップ1212)。この構造は、チップのインターフェースを除く全ての領域で、高い結晶化度を保つ。また、単結晶構造ではなく多結晶構造を製作するのに同じ方法を使用することができる。
次に図15を参照すると、本発明による熱電冷却器に使用される表面上方の冷点チップであって、表面に対してそのチップを位置決めした状態を示す図が示されている。チップはこれまで、全金属チップまたは金属被覆チップとして生成されようとあるいは熱電チップとして生成されようと、チップに対向する面に接触する状態が示されてきた。しかし、チップは対向する面に接触させることができるが、チップは図15に示すように、表面に接触することなく対向する面に近付いていることが好ましい。図15のチップ1402は、対向する面1404付近に位置しているが、その対向する面に物理的に接触していない。チップ1402は、対向する面1404から5ナノメートル程度またはそれ以下の距離dを隔てて配置すべきことが好ましい。実際には、何千ものチップを含む熱電冷却器の場合、対向する面の完全平面からのずれが原因で、それらチップの一部は対向する面に接触する可能性があり、一方その他のチップは接触しない。
対向する面にチップが接触しないようにすることによって、熱電冷却器の冷却板と加熱板との間の熱伝導率の量を低下させることができる。しかし導電率は、チップと対向する面との間の電子のトンネリングによって、維持される。
本発明のチップは、主に完全に先が尖ったチップとしても記述さ図示されてきた。しかし図15に示すように、実際のチップは一般に、チップ1402の場合のようにわずかに丸みを帯びたチップを有する。しかし、完全に先が尖ったチップに近付くほど、チップの低温と加熱板の高温との間の温度勾配を実現するのに必要な超格子の数がより少なくなる。
チップ1402の湾曲した端部の曲率半径rは、数十ナノメートル程度であることが好ましい。表面1404の下の熱電材料の隣接領域間の温度差は、チップ1402端部の曲率半径rの2〜3倍の距離にわたってゼロに近付く。したがって、ほんのわずかな数の超格子層1406〜1414しか必要としない。このため、チップに対向する超格子材料は、本発明のチップを使用して加熱板と冷却板とを電気接触させる場合に適している。これは、チップなしの超格子構造を使用して、温度勾配をゼロに近付けることができるよう十分な厚さを持たせるのに10000層以上の超格子が必要である従来技術とは対照的である。そのような数の層は非現実的なものであったが、本発明のように5層または6層のみ使用することは、非常に現実的である。
本発明を、主に冷却用チップ付きインターフェースを備えた熱電冷却装置(またはペルチェ装置)に関して述べてきたが、当業者なら、本発明を発電にも同様に利用できることが理解されよう。当業者なら、この熱電装置を、冷蔵を行うためのペルチェ方式(上述のような)または発電を行うためのゼーベック方式で使用できることが、十分理解されよう。次に図16を参照すると、熱電式発電器の概略図が示されている。熱電式発電の理解および説明を簡単にするために、本発明の冷点チップを利用する熱電式発電器ではなく、従来技術による熱電式発電器を示す。しかし本発明による熱電式発電器の一実施形態では、熱電素子1506および1504の代わりに、例えばこれまで非常に詳細に述べてきた冷点チップの実施形態のいずれかのような冷点チップを使用することに、留意すべきである。
熱電式発電器1500では、図1に示すように電源102から熱電装置に電流を流すのではなく、熱電装置1500全体を通して温度差T−Tを生成する。そのような温度差T−Tが生じると、図16に示すように、負荷抵抗要素1502によって電流フローIが生じる。これは、図1で述べた動作モードとは反対の動作モードである。
したがって、電源102を抵抗器1502に代え、かつ発熱素子1512および1516をそれぞれ熱源QおよびQで一定の温度TおよびTにそれぞれ維持する他は、熱電装置1500は図1の熱電装置102の構成要素と同一である。したがって熱電冷却装置1500は、熱伝導性が良好で導電性が不十分な導体1508の間に挟まれたp型半導体1504およびn型半導体1506を利用する。要素1504、1506、および1508のそれぞれは、図1の要素104、106、および108にそれぞれ対応する。熱電装置1500は、図1の導電体110および114に対応する導電体1510および1514も含む。熱電式発電に関するさらなる情報は、D.M.Rowe, Ph.D., D.Sc.により編集されたCRC Handbook of Thermoelectrics、CRCPress、New York、(1995) pp.479〜488と、Adiran BejanによるAdvanced EngineeringThermodynamics、第2版、John Wiley & Sons, Inc.、New York (1997)、pp.675〜682に見出すことができ、その両方を、全ての目的で本明細書に組み込む。
本発明を、主に円錐形状のチップに関して述べてきたが、例えばプラミッド形状のチップなど、その他の形状のチップを利用することもできる。実際に、チップの形状は、十分に先が尖ったチップが離散的に集合した組であって、それによって熱電冷却器の2つの端部間に電気伝導をもたらすことができるものである限り、必ずしも対称的または均一である必要はない。本発明は、例えばメイン・フレーム・コンピュータの冷却や、高温チップおよびRF通信回路の熱管理、ディスク・ドライブ用磁気ヘッドの冷却、自動車用冷却、光学およびレーザ装置の却など、任意の小型冷蔵の適用例において利用される。
本発明は、図示および記述を目的として述べてきたが、これは本発明を完全に述べたものではなく、また開示された形態に本発明を限定するものでもない。多くの修正例および変形例が、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理、および実用的な適用例を最も良く説明するために、また、企図された特定の用途に適するように様々な変更が加えられた様々な実施形態に関して本発明を当業者が理解できるようにするために、選択し、かつ述べてきた。
従来技術による熱電冷却(TEC)装置のハイレベル・ブロック図である。 本発明による強化型構造化インターフェースを備えた熱電冷却器の断面図である。 本発明による図2の熱電冷却器200の平面図である。 本発明による図2のチップ250の1つとして実装することができるチップの断面図である。 本発明による図2のチップ250の1つとして実装することができるチップの断面図である。 本発明による超格子に近接したチップの温度場を示す断面図である。 本発明による全金属チップを有する強化型構造化インターフェースを備えた熱電冷却器の断面図である。 本発明による全金属チップを形成するための犠牲シリコン・テンプレートの断面図である。 本発明による、シリコン犠牲テンプレートを使用して全金属コーンを生成する例示的な方法を示すフローチャートである。 本発明による、パターニングしたフォトレジストを使用して形成された全金属コーンの断面図である。 本発明による、フォトレジストを使用して全金属コーンを形成する例示的な方法を示すフローチャートである。 金属導電層ではなく熱電材料をインターフェースでチップに形成する、本発明による強化型構造化インターフェースを備えた熱電冷却器の断面図である。 本発明による熱電冷却器を製作する例示的な方法を示すフローチャートである。 熱電材料中にチップを生成するのに必要なフォトレジストの位置決めを示す断面図である。 本発明による、熱電冷却器に使用される表面上の冷点チップであって、表面に対するそのチップの位置決めを示す図である。 熱電発電器の概略図である。

Claims (19)

  1. 加熱されたプレートに熱的に接続された熱素子の第1の部分と、
    冷却されたプレートに熱的に接続された熱素子の第2の部分とを備え、
    前記熱素子の2つの前記部分のうちの一方は、複数の先端部を備え、前記熱素子の2つの前記部分の他方は、種類の異なる半導体材料である2つの熱電材料層が交互に配された超格子によって与えられる平坦面を備えており、
    前記複数の先端部および前記平坦面は、近接配置されて、前記先端部と前記平坦面との間におけるトンネリングを含む電気的接続を与える、熱電装置。
  2. 前記複数の先端部の少なくとも1つは、前記平坦面から物理的に離間する、請求項1に記載の熱電装置。
  3. 前記複数の先端部のうちの少なくとも1つは、前記平坦面に物理的に接触する、請求項1に記載の熱電装置。
  4. 前記複数の先端部は、前記平坦面から100nm以内に配置される、請求項1に記載の熱電装置。
  5. 前記複数の先端部の熱電材料と前記平坦面の前記熱電材料との間は、格子不整合である、請求項1に記載の熱電装置。
  6. 前記第1の部分と前記第2の部分との間のギャップは、真空とされる、請求項1に記載の熱電装置。
  7. 熱電装置は、ハーメチックシールされ、前記第1の部分と前記第2の部分との間のギャップは、窒素を含む、請求項1に記載の熱電装置。
  8. 前記窒素は乾燥窒素である、請求項7に記載の熱電装置。
  9. 前記熱素子の他の前記部分は、前記2つの熱電材料の前記超格子の最近接層の熱電材料と同タイプである、請求項1に記載の熱電装置。
  10. 前記複数の先端部は、それぞれ円錐形である、請求項1に記載の熱電装置。
  11. 前記先端部は、丸められた端部を備える、請求項1に記載の熱電装置。
  12. 前記熱電装置には電源が接続され、前記熱電装置が冷却モードで動作する、請求項1に記載の熱電装置。
  13. 前記加熱されたプレートと前記冷却されたプレートとの間には温度勾配が保持され、前記熱電装置が発電モードで動作する、請求項1に記載の熱電装置。
  14. 熱電装置に使用される熱素子であって、
    種類の異なる半導体材料である熱電材料の2つのタイプの層が交互に配された超格子からなり、前記超格子によって与えられる平坦面を備える熱電材料の第1の部分と、
    複数の先端部を備える熱電材料の第2の部分とを備え、
    前記複数の先端部は、前記平坦面に近接し、前記熱電材料の前記第1の部分と前記第2の部分との間には、前記先端部と前記平坦面との間におけるトンネリングを含む導電経路が形成される、熱素子。
  15. 前記複数の先端部は、それぞれ円錐形状とされる、請求項14に記載の熱素子。
  16. 前記複数の先端部は、それぞれ丸められた端部を備える、請求項14に記載の熱素子。
  17. 前記複数の先端部は、それぞれ前記平坦面から100nm以内に配置される、請求項14に記載の熱素子。
  18. 前記複数の先端部の少なくとも1つは、前記平坦面に物理的に接触する、請求項14に記載の熱素子。
  19. 前記複数の先端部のうち少なくとも1つは、前記平坦面から物理的に離間する、請求項14に記載の熱素子。
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