JPH08100790A - 冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立てが容易で、薄形化，低騒音化，低振動
化を達成する。 【構成】 ケーシング１８内に、芯板１２の外周側に複
数の翼１１が一体となった遠心ファン１０が収納され、
このケーシング１８に固定された後方支持具２１内にフ
ァンモータ１９が収納されている。芯板１２は、その中
央部が前方にベル形状にへこんでおり、そのへこみ部に
続いてボス部１２ａが形成されている。また、ケーシン
グ１８の背面板１８ｂｂの中央部に、芯板１２のへこみ
部と同型状のへこみ部が設けられ、このへこみ部にファ
ンモータ１９のブラケット１９ｃが入り込んで固定さ
れ、また、このへこみ部を貫通してファンモータ１９の
回転軸１９ａが芯板１２のボス部１２ａに差し込まれて
いる。ケーシング１８の前面板１８ａａに設けられた開
口の辺部にベルマウス１８ａｂが形成され、これが、翼
１１の先端に設けられた後方へこみ部１５に一部入り込
んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷凍冷蔵庫に係り、特
に、冷気を庫内で循環させる冷凍冷蔵庫用冷気循環ファ
ン装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置
の例としては、特開平４−９５６５号公報に記載のよう
に、箱体の奥部に装備されたものであるが、ファンでの
ボスのある側の心板及びケーシング側板は、通常、平板
であり、ファン及びケーシングそのものに関して組込作
業性及び修理作業性，食品収納有効内容積の向上，ファ
ン性能の向上などの改善に対する配慮が充分ではなかっ
た。

【０００３】また、特公平６−１３８８０号公報には、
送風機として説明されている例であるが、これを冷凍冷
蔵庫に用いた場合には、ファンモータの回転軸にファン
を取り付ける場合、ファンによって回転軸が見えなくな
り、しかも、回転軸が細く、このため、この回転軸が嵌
め込まれる軸用穴が小さいため、ファンの回転軸への取
付けが難しく、手間がかかるものであった。また、ファ
ンモータの発熱がそのまま庫内に入り、冷却性能を低下
させるなどの問題もあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記特開平４−９５６
５号公報に記載の技術では、遠心ファンの心板がその回
転軸方向に沿って流入する空気の流れを遠心方向に急激
に転向させるために、ファンの性能を低下させるし、ま
た、心板やファン用のケーシングの背面が平板なため、
ファンモータをファンに近付けて取り付けることができ
ないなどの問題点があった。

【０００５】また、上記特公平６−１３８８０号公報に
記載の技術では、遠心ファンのケーシング背面に直接モ
ータ胴体部を支持する構造がとられているため、モータ
の熱を直接吸い込んで庫内温度上昇を招くし、モータ部
が閉鎖されていないので、故障時に火災が発生するなど
の恐れもある。また、組込時には、モータ軸にファン軸
用穴を合わせるのに模索作業を要したり、遠心ファンの
吸込側、即ち、開口部側の翼先端面と前面板のベルマウ
スとの間では、吐出流が弱くて吸込み流が強いために生
じるショートサーキットや、風の翼部流入時の風切り音
が発生しやすい問題点があったが、これを防止するため
の改善策については充分でなかった。

【０００６】さらに、上記従来技術にかかわらず、ファ
ンがケーシングの内部で回転させるので、冷凍冷蔵庫の
箱本体の変形や寸法のバラツキ，ファン周辺への露付き
などを考えると、ファンとケーシングとの間の距離を大
きくとって接触や性能低下の防止を図っているために、
距離管理の作業が必要であることのほかに、ファン装置
を薄形に仕上げることが強く望まれるものであった。

【０００７】本発明の第１の目的は、かかる問題を解消
し、ファンの取付け作業を目で見なくても行なうことが
でき、組立作業を容易にすることができるようにした冷
凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置を提供することにある。

【０００８】本発明の第２の目的は、薄形化し、冷凍冷
蔵庫本体を大にすることなくその収納有効内容積をアッ
プすることができるようにした冷凍冷蔵庫用冷気循環フ
ァン装置を提供することにある。

【０００９】本発明の第３の目的は、ファンの風量アッ
プや低騒音化などの性能向上を実現可能とした冷凍冷蔵
庫用冷気循環ファン装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的を達成す
るために、本発明は、遠心ファンの心板の背面の中心部
に滑らかな面でへこみ該心板の前面から突出するへこみ
部を設け、該へこみ部の先端が段差なく滑らかな面でボ
ス部の軸用穴に連結するようにする。

【００１１】上記第２の目的を達成するために、本発明
は、上記遠心ファンを収納するケーシングの背面板の背
面に、上記遠心ファンの心板でのへこみ部に沿うよう
に、該背面板の前面から突出するように、へこみ部を設
けて、該背面板のへこみ部を上記遠心ファンの心板での
へこみ部に対向させ、該背面板のへこみ部内でファンモ
ータの一端を支持する。また、遠心ファンの翼の軸方向
先端面の中間に後方へこみ部を設け、該ケーシングの前
面板の空気吸い込み用の開口周辺のベルマウスの先端を
該後方へこみ部に対向させる。

【００１２】上記第３の目的を達成するために、本発明
は、遠心ファンの心板の前面（翼側の面）も、その背面
のへこみ部にあわせて、中心部が先細に突出するように
してその先端に上記ボス部が続き、また、翼の軸方向先
端の内周側には、冷気を取り入れる側に向く先細形状部
が形成されて、翼の上記後方へこみ部にベルマウスの先
端が近づくようにして、ベルマウスの先端での開口の口
径がファン内径よりも大になるようにする。さらに、各
翼の外周先端部を単一のリング状の回転シュラウドに固
定し、上記ケーシングの前面板の内面に、上記ベルマウ
スとこの回転シュラウドを挾むように、リング状の内フ
ランジを設ける。

【００１３】上記第３の目的を達成するために、本発明
は、上記翼の断面形状を、内周から外周にいくにつれて
肉厚となるようにし、上記翼の外周端面の周方向の幅を
大きくする。

【００１４】

【作用】遠心ファンの心板の背面に設けられたへこみ部
からファンモータの回転軸を挿入すると、滑らかな面の
このへこみ部によって回転軸がボス部の軸用穴にガイド
され、遠心ファンをこの回転軸に取り付けるときに、こ
の遠心ファンによって回転軸が軸が見えなくても、回転
軸が自然にボス部の軸用穴にガイドされて嵌め込まれ
る。

【００１５】遠心ファンの心板とケーシングの背面板と
に互いに対向して前方に突出したへこみ部を設けるもの
であるから、ケーシングに対する遠心ファンの軸心の位
置が規定されるとともに、遠心ファンとファンモータと
の距離が小さくなる。また、ケーシングの前面板におい
ても、各翼の軸方向先端面の後方へこみ部に前面板のベ
ルマウスの先端を対向させているので、遠心ファンとケ
ーシング前面板の間のスペースを小さくできる。以上の
ことから、冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置を薄形にで
き、この分冷凍冷蔵庫の食品収納内容積を拡大できる。

【００１６】遠心ファンの心板の前面が前方に滑らかな
面で先細に突出しているので、遠心ファンの正面から侵
入した冷気の流れがスムーズに遠心ファンの遠心方向に
変更されるし、また、翼の軸方向先端面の中間部に後方
へこみ部が形成され、この後方へこみ部にベルマウスの
先端が対向し、かつ、翼の軸方向先端面の内径側に先細
形状部が形成されて、ベルマウスの先端での開口の口径
を翼の内周側の口径よりも大きくしたことにより、ケー
シングへの冷気の流入に無理がなく、実質的に吐出作用
する軸方向翼有効幅が大になって効率的な送風が得られ
るし、圧力漏れ（ショートサーキット）も防止すること
ができる。

【００１７】また、翼が出口側（外周側）にいくにつれ
て肉厚となっているので、翼間の冷気の拡大流に伴う流
れの乱れの発生を抑圧できる。翼の周方向の幅が大きく
なるので、翼と回転シュラウトとの連結強度が大とな
る。

【００１８】さらに、ケーシングの前面板の内面側に設
けた内フランジあるいは断面が円弧状のベルマウスは、
翼の軸方向先端側で生じやすい吸込口側へ向おうとする
逆流を防止する。また、遠心ファンの心板のへこみ部や
翼の外周の周方向幅吹出し部は、羽根車強度を向上させ
る。また、後ケーシングの背面板のへこみ部や防振ゴム
支持用リブ，前ケーシングの内フランジ，ベルマウスは
ケーシングの強度を向上させる。また、ケーシングの背
面板でファンモータを支持することにより、遠心ファン
とケーシングの心合わせ精度が高まる。

【００１９】さらにまた、ケーシングの背面板はファン
モータ収納部の閉鎖板として兼用しているので、ファン
モータで発生した熱が庫内に侵入を少なくするととも
に、安全性を向上させる。また、背面板のへこみ部内に
ファンモータの一端部を支持するようにしているので、
ファンモータの回転軸を短かくすることができるし、遠
心ファンの重心がファンモータ側に近づくことになり、
低振動化と同時に、ファンモータを含めたファン装置を
薄形化できる。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図１は本発明による冷凍冷蔵庫用冷気循環ファンの
一実施例を組み込んだ冷凍冷蔵庫を示す要部縦断面図で
あって、１は冷凍冷蔵庫の箱本体、２は冷凍室、３は冷
蔵室、４は仕切断熱壁、５は天井断熱壁、６は背面断熱
壁、７は左側面壁、８は冷却器、９は除霜水受け皿、１
０は遠心ファン、１１は翼、１２は心板、１２ａはボス
部、１３は回転シュラウンド、１４は軸用穴、１５は後
方へこみ部、１６は先細部、１７はガード、１８はケー
シング、１８ａは前ケーシング、１８ａａは前面板、１
８ａｂはベルマウス、１８ａｃは渦巻部、１８ａｄは内
フランジ、１８ｂは後ケーシング、１８ｂｂは背面板、
１８ｂｃは渦巻部、１８ｂｄはリング状リブ、１８ｂｅ
はピン、１８ｂｆは突起部、１９はファンモータ、１９
ａは回転軸、１９ｂはブラケット、２０は防振ゴム、２
１は後方支持具、２２は取付部材、２３は風路仕切り
板、２４，２５は冷気戻り風路である。

【００２１】図１において、図面上左側に冷凍冷蔵庫の
扉（図示せず）があり、この方向を、以下、前方または
手前側などといい、図面上右側を後方または奥方，後側
などという。また、各部材の手前側の面を前面という、
後側の面を後面または背面という。

【００２２】冷凍冷蔵庫は、天井断熱壁５，背面断熱壁
６，左側面壁７，右側面壁（図示せず），それに上記の
扉によって箱本体１が構成されており、この箱本体１内
の最上部に冷凍室２が、その下に冷蔵室３が形成されて
いる。これら冷凍室２と冷蔵室３とは仕切断熱壁４によ
って仕切られている。

【００２３】冷凍室２の奥方は、風路仕切板２３やガイ
ド１７によって仕切られて空気の吐出流領域が形成され
ており、この領域内に、ケーシング１８や後方支持具２
１に内蔵されて、ファンモータ１９とこれに直結された
遠心ファン１０とからなる冷気循環ファンが設置されて
いる。また、この空気の吐出流領域内には、ケーシング
１８の下方に冷却器８が設置され、この冷却器８の下方
の仕切断熱壁９に、吐出流領域と連結して、除霜水受け
皿９が形成されている。そして、仕切断熱壁９に設けら
れた冷気戻り風路２４を介して冷凍室２が除霜水受け皿
９と冷却器８との間に、また、仕切断熱壁９に設けられ
た冷気戻り風路２５を介して冷蔵室３が除霜水受け皿９
と冷却器８との間に夫々連通している。

【００２４】ケーシング１８は前ケーシング１８ａと後
ケーシング１８ｂとが組み合わされてなり、これによっ
て形成される内部スペースに遠心ファン１０が収納さ
れ、また、この後ケーシング１８ｂの背面に取り付けら
れた後方支持具２１内のスペースにファンモータ１９が
収納される。ここで、ケーシング１８は背面断熱壁６の
表面に固定され、この背面断熱壁６の一部に形成された
くぼみ内に後方支持具２１が収納される。

【００２５】前ケーシング１８ａは、中央に円状の開口
を有し、外面が平坦な前面板１８ａａとその背面の縁に
沿って一体となった渦巻状側板１８ａｃとからなってい
る。即ち、この側板１８ａｃは渦巻の一部に沿うような
形状の枠を形成しており、この枠が前面板１８ａａの背
面の縁と一体になっている。従って、前面板１８ａａの
外径もこの渦巻状側板１８ａｃに沿った形状をなしてい
る。前面板１８ａａの開口の辺部は内側に曲線状に曲げ
られることにより、ベルマウス１８ａｂが形成されてい
る。また、前面板１８ａａの内面には、この開口と同心
状に内フランジ１８ａｄが形成されている。この前面板
１８ａａの開口よりも上部に、風路仕切板２３が結合さ
れている。

【００２６】後ケーシング１８ｂも、中央にへこみを有
するが、平坦な背面板１８ｂｂとこれと一体となった渦
巻状側板１８ｂｃとからなっている。この側板１８ｂｃ
も前ケーシング１８ａの渦巻状側板１８ａｃと同じ形状
の渦巻状をなしているが、渦巻状側板１８ａｃよりも若
干小さく、渦巻状側板１８ａｃに嵌め込まれる。このよ
うな嵌め込んだ状態では、渦巻状側板１８ｂｃの外面に
設けられた突起部１８ｂｆが渦巻状側板ａｃに設けられ
ている穴部に係合し、これによって前ケーシング１８ａ
と後ケーシング１８ｂとが堅固に結合している。背面板
１８ｂｂは渦巻状側板１８ｂｃよりも広く、この側板１
８ｂｃよりも外側の部分で背面断熱壁６に固定される。
また、背面板１８ｂｂの中央部のへこみは、ラッパ状あ
るいはベル状のように、その周囲の面が滑らかな曲線状
となるようにへこまされたものであり、このへこみの奥
は平坦となって開口が設けられている。

【００２７】背面板１８ｂｂの外面には、ピン１８ｂｅ
が設けられ、このピン１８ｂｅに有底のほぼ円筒状の後
方支持具２１が係合することにより取り付けられてい
る。この後方支持具２１内にファンモータ１９が設けら
れ、これに直結して、ケーシング１８内に遠心ファン１
０が設けられている。

【００２８】ほぼ有底円筒状をなす後方支持具２１の内
部の底部中央にリング状リブ２１ａが形成されており、
ファンモータ１９の背面側に取り付けられた取付部材２
２がリング状の防振ゴム２０を介してこのリング状リブ
２１ａに嵌め込まれている。また、ケーシング１８にお
ける背面板１８ｂｂの中央部のへこみの中央平坦部にも
リング状リブ１８ｂｄが形成されており、このリング状
リブ１８ｂｄに、リング状の防振ゴム２０ａを介し、フ
ァンモータ１９のブラケット１９ｂが嵌め込まれてい
る。このようにして、ファンモータ１９が背面板１８ｂ
ｂと後方支持具２１とに取り付けられている。ファンモ
ータ１９の回転軸１９ａは、ケーシング１８における背
面板１８ｂｂの中央部のへこみの中央平坦部に設けられ
た開口を通って、ケーシング１８の内部に突出してい
る。

【００２９】遠心ファン１０は、背面がケーシング１８
の背面板１８ｂｂに対向して平坦をなし、かつ中央部が
滑らかな面でラッパ状あるいはベル状にへこんだへこみ
部を有し、このへこみ部によって前面が前方に突出し、
ボス部１２ａに連結した芯板１２と、この芯板１２の周
辺部に、これと垂直に取り付けられた複数の翼１１とで
構成されている。このボス部１２ａに設けられた軸用穴
１４は心板１２のへこみ部と滑らかな面で連結されてお
り、この軸用穴１４にファンモータ１９の回転軸１９ａ
が嵌入固定されている。ファンモータ１９の回転軸１９
ａはケーシング１８の前面板１８ａａに設けられた冷気
吸込み口となる開口の中心軸に一致し、また、この開口
の直径（従って、ベルマウス１８ａｂの先端での直径）
は遠心ファン１０の直径よりも若干小さい。

【００３０】なお、この芯板１２のへこみ部はケーシン
グ１８の背面板１８ｂｂの中央部のへこみ部とほぼ平行
であり、この背面板１８ｂｂの中央部のへこみ部が芯板
１２のへこみ部に対向して一部入り込んでいる。

【００３１】図２は図１における遠心ファン１０の一具
体例のボス部周辺を示す拡大断面図であって、１２ｂは
割れ溝、１４ａは軸用穴１４の入口、１４ｂは小口径
部、１９ｃは小径部、１９ｄは切込部、２６はコイルバ
ネであり、図１に対応する部分には同一符号をつけてい
る。

【００３２】同図において、心板１２とボス部１２ａと
翼１１（図１）は樹脂で一体成形されたものである。心
板１２の内面は、その任意の縦断面形状が半径Ｒ₂の円
弧を描きながら、ベル状に滑らかな曲面でボス部１２ａ
による軸用穴１４の入口１４ａに至っており、少なくと
も軸用穴１４の近くには平坦部もなく、心板１２のくぼ
み部は、段差なく、滑らかな面で軸用穴１４に連なって
いる。しかし、芯板１２の内面は、必ずしもこのように
円弧をなさなくともよく、例えばラッパ状など滑らかな
曲面をなしていればよい。この軸用穴１４は、その終端
の口径が入口１４ａの口径よりわずかに小さく、先細と
なっている。しかも、軸用穴１４の口径は、入口１４ａ
部分でファンモータの軸１９ａの口径と等しく、終端部
分でファンモータの軸１９ａの径よりわずかに小さく、
これら入口１４ａと終端との間の中間部に終端部分より
も口径が小さい小口径部１４ｂが設けられている。

【００３３】また、芯板１２の外面も内面と平行な形状
をなしており、ボス部１２ａも、その先端の外径ｄ₁が
芯板１２との結合部での外径ｄ₂よりも小さく、先細と
なっている。そして、ボス部１２ａの先端から軸方向に
ほぼボス部１２ａの長さの幅Ｓの割れ溝１２ｂが設けら
れ、これによって、ボス部１２ａの先端が２つに割れて
いる。

【００３４】一方、ファンモータ１９の回転軸１９ａは
口径が一定であるが、その先端側に一部口径が小さくな
って、軸方向にボス部１２ａの小口径部１４ｂの長さに
等しい長さの小径部１９ｂが設けられている。

【００３５】回転軸１９ａを遠心ファン１０に取り付け
る場合には、回転軸１９ａを、心板１２のへこみ部の内
面をガイドに、ボス部１２ａの軸用穴１４に入口１４ａ
から挿入する。この場合、軸用穴１４は、上記のよう
に、わずかに先細で一部に小口径部１４ｂが設けられて
いるが、回転軸１９ａがこの軸用穴１４に差し込まれる
につれて、ボス部１２ａの割れ溝１２ｂによって分割さ
れた２つの部分が外側に押され、割れ溝１２ｂが広がっ
ていく。そして、回転軸１９ａの小径部１９ｃが軸用穴
１４の小口径部１４ｂに嵌まり込み、回転軸１９ａがボ
ス部１２ａに固定されて位置決めされることになる。こ
の場合、ボス部１２ａの先端の割り溝１２ｂによる２つ
の分割部は広げられており、その復帰力でもって回転軸
１９ａを挾持する。また、かかる状態でも、ボス部１２
ａは、心板１２側から見て、若干先細となっており、ボ
ス部１２ａの先端からコイルバネ２６を嵌め込み、軸用
穴１４の小口径部１４ｂの部分まで押し込むことによ
り、ボス部１２ａの割れ溝１２ｂによって分割された２
つの部分が締め付けられて回転軸１９ａの芯板１２への
固定強度を増加させる。

【００３６】以上の構成により、図１において、遠心フ
ァン１０とファンモータ１９とが直結されている。

【００３７】図３は図１における遠心ファン１０の外周
部分とこれに対向する前面板１８ａａの部分とを示す部
分拡大断面図であって、図１に対応する部分には同一符
号をつけている。

【００３８】同図において、各翼１１の先端の辺には、
ほぼ半円状の後方へこみ部１５が設けられており、この
中心がほぼ翼１１の弦長Ｃの中間を通る線上（あるい
は、遠心ファン１０の外径Ｄ２と内径Ｄ１との平均径Ｄ
ｃ上）にある。前面板１８ａａに設けられたベルマウス
１８ａｂのカーリング先端は、この後方へこみ部１５に
対向しており、ベルマウス１８ａｂのカーリング先端の
口径Ｄｍは平均径Ｄｃにほぼ一致している。なお、Ｄｂ
は芯板１２の外径である。

【００３９】翼１１の先端の辺での後方へこみ部１５の
下側には、ベルマウス１８ａｂのカーリング先端と回転
軸に垂直なほぼ同一面上に、より具体的には、やや前方
（空気の吸い込み側）に突出して、先細部１６が形成さ
れ、これが風の取込みの最先端部となっている。また、
翼１１の先端の辺での後方へこみ部１５の上側も、同様
にして、ベルマウス１８ａｂのカーリング先端と回転軸
に垂直なほぼ同一面上に、より具体的には、やや前方に
突出している。

【００４０】各翼１１の先端の外周が、同じリング状の
回転シュラウド１３の内面に固定されている（図４を参
照）。これにより、各翼１１が一体となっている。前面
板１８ａａの内フランジ１８ａｄはこの回転シュラウド
１３よりも外側にリング上に形成されており、この内フ
ランジ１８ａｄの高さは回転シュラウド１３を覆う程度
の高さとし、この内フランジ１８ａｄとベルマウス１８
ａｂとの間に回転シュラウド１３が位置付けられてい
る。

【００４１】図５は図１における遠心ファン１０の翼１
１の断面形状及び配置関係を示す図であって、前出図面
に対応する部分には同一符号をつけている。

【００４２】同図において、遠心ファン１０の回転方向
を矢印Ｎの方向とすると、翼１１の断面形状は回転方向
Ｎとは反対方向にへこむ圧力面をなしており、遠心ファ
ン１０の中心からの放射線に対して角度θだけ回転方向
Ｎとは反対側に傾いて取り付けられている。翼１１の外
周端の向きは、ほぼ放射方向にしたラジアル翼形にして
ある。

【００４３】かかる構成により、遠心ファン１０が矢印
Ｎ方向に回転すると、図面上、中心から外側に向かって
空気が流れるが、隣りあう翼１１間の間隔は一様でな
く、空気の流入側Ｗ１よりも流出側Ｗ２の方が大となっ
ているので、高静圧形，高速形及び低騒音として冷凍冷
蔵庫に適するものとなっている。

【００４４】また、従来一般的な翼前傾形のファンで
は、流入側の厚みを大にし、流出側を細くした流線形に
されるが、この実施例では、翼１１の厚み分布を内周側
から外周方向に行くにつれて大となし、内周側の風の流
入端丸み寸法ｔ１よりも外周の流出端のファン周方向に
沿うフラットな面（厳密には、各翼１１のこの面は、同
一円筒面の一部をなす）の幅寸法ｔ２を大きくしてい
る。これにより、図４からでも明らかなように、翼１１
を先端で一体に連結する回転シュラウド１３との接触面
を大きくしている。

【００４５】図６は図１での分断線Ａ−Ａに沿う断面図
であって、２７は吐出ダクト、２８は冷蔵庫用連通ダク
トであり、図１に対応する部分には同一符号をつけてい
る。同図において、遠心ファン１０が収納されたケーシ
ング１８は吐出ダクト２７に連結されている。この吐出
ダクト２７のガイド１７（図１）に対向する側面には開
口が設けられており、また、この吐出ダクト２７は、冷
蔵庫用連通ダクト２８，図１の仕切断熱壁４に設けられ
た図示しない風路を通して、図１の冷蔵室３に通じてい
る。

【００４６】この実施例は以上の構成をなしているが、
ファンモータ１９の駆動によって遠心ファン１０が矢印
Ｎ方向（図５）に回転すると、冷凍室２の空気が冷気戻
り風路２４を、冷蔵室３の空気が冷気戻り風路２５を夫
々通り、冷却器８で冷された後、風路仕切板２３で仕切
られる風路を通って、ベルマウス１８ａｂで形成される
開口からケーシング１８内に吸い込まれ、遠心ファン１
０によってケーシング１８から、図６において、吐出ダ
クト２７に吐出される。吐出ダクト２７に吐出された低
温の空気の一部は、矢印ａとして示すように、吐出ダク
ト２７の側面の図示しない開口から図１のガイド１７を
介して、冷凍室２に送り込まれ、また、図６での吐出ダ
クト２７に吐出された低温空気の残りは、矢印ｂとして
示すように、図１の冷蔵室に送り込まれる。

【００４７】このようにして、冷凍室２の空気と冷蔵室
３の空気は循環し、循環する毎に冷凍器８で冷され、冷
されて低温となった空気が冷凍室２と冷蔵室３とに送り
込まれる。

【００４８】以上説明したこの実施例では、冷気循環経
路は従来の冷凍冷蔵庫とほぼ同じであるが、次のような
効果が得られる。

【００４９】まず、第１に、遠心ファン１０の心板１２
の背面を、翼１１が形成された外周側から中心部の軸用
穴１４に至り、ラッパ状あるいはベル状に次第に前方に
へこんだへこみ部を設けたことにより、回転軸１９ａを
軸用穴１４に合わせようとしなくとも、回転軸１９ａの
先端がこのへこみ部の内面を滑って自然に軸用穴１４に
一致するようになり、遠心ファン１０によって回転軸１
９ａが隠れて見えなくとも、遠心ファン１０のファンモ
ータ１９への取付け作業が非常に容易となる。

【００５０】また、遠心ファン１０を回転軸１９ａに取
り付ける際には、軸用穴１４の先端径が回転軸１９ａの
外径よりわずかに小となるように、軸用穴１４の内面は
テーパ状をなし、しかも、ボス部１２ａに割れ溝１２ｂ
があることにより、軸用穴１４の先端部が強制的に開
き、その復帰力によって回転軸１９ａが締めつけられた
状態なるし、さらに、軸用穴１４の中間部にある小口径
部１４ｂと回転軸１９ａの小径部１９ｃとが嵌合して、
所定量の挿入寸法，位置に管理される。

【００５１】さらに、ボス部１２ａの外周にコイルバネ
２６を嵌め込むことにより、遠心ファン１０を回転軸１
９ａに容易にかつ充分に固定することができる。

【００５２】第２に、ファン装置の薄形化を達成でき
る。即ち、後ケーシング１８ｂの背面板１８ｂｂについ
ても、ほぼ心板１２の背面のへこみ部の形状に合わせて
へこみ部を形成し、このへこみ部がファン心板１２の背
面のへこみ部の内部に入り込むようにしており、この背
面板１８ｂｂのへこみ部にファンモータ１９のブラケッ
ト１９ｂが入り込むようにして、ファンモータ１９が取
り付けられているので、遠心ファン１０の後方端とファ
ンモータのブラケット１９ｂの前方端とが回転軸に垂直
な同一平面上まで、あるいはこれを越えて接近させるこ
とができている。これにより、遠心ファン１０とファン
モータ１９とは非常に接近して配置されることになり、
ファン装置の薄形かが達成できる。

【００５３】また、遠心ファン１０の翼１１の軸方向先
端側には、先端面の中間部に後方へこみ部１５を設け、
この後方へこみ部１５に前ケーシング１８ａのベルマウ
ス１８ａｂの先端が入り込むようにしており、これによ
り、遠心ファン１０と前ケーシング１８ａの前面板１８
ａａとの距離を小にすることができる。これによって
も、ファン装置全体として薄形化することになる。

【００５４】以上のようにファン装置を薄形化すること
ができるが、この結果、冷凍室２の有効内容積を大にす
ることができる。因みに、この実施例において、例え
ば、冷凍室内の高さを５００ｍｍ、横幅を６００ｍｍの
ものでは、ケーシング１８の幅を１０ｍｍ薄くすること
ができたが、これは３リットルの内容積の向上となり、
省資源にもつながる。

【００５５】さらに、ファン装置を組み立てる場合に、
ファンモータ１９の回転軸１９ａの位置は、後ケーシン
グ１８ｂに支持用防振ゴム２０を挿入することによって
規定され、回転軸１９ａに対する遠心ファン１０の位置
は、ボス部１２ａの小口径部１２ｂと回転軸１９ａの小
径部１９ｂの位置設計によって容易に規定できる。

【００５６】さらにまた、前ケーシング１８ａは、遠心
ファン１０が回転軸１９ａに固定された後、後ケーシン
グ１８ｂの外周に蓋状に前方から被せ、後ケーシング１
８ｂの渦巻部１８ｂｃの側方端を前ケーシング１８ａの
前面板１８ａａに当て、同時に、前ケーシング１８ａの
渦巻部１８ａｃに後ケーシング１８ｂの渦巻部ピン１８
ｂｆを係合すればよく、作業が非常に簡単であって、し
かも、遠心ファン１０に対するベルマウス１８ａｂの位
置が正確に規定されるので、薄形なファン装置として容
易に組み上げることができる。

【００５７】第３に、まず、遠心ファン１０の心板１２
の前面、即ち、ファン内方面は、ボス部１２ａを頂点に
して緩やかな曲面を描いて翼１１の付け根近傍まで広が
る形状をなしているので、空気の流れを回転軸に沿う方
向から吸い込んで、スムーズにファンの半径（遠心）方
向に流出させることができ、曲がり損失を小さくでき
る。

【００５８】また、翼１１の軸方向先端の周囲では、翼
１１の後方へこみ部１５に対向してベルマウス１８ａｂ
の先端を位置付けているので、この後方へこみ部１５の
上端も吸い込み作用をなすことになり、前ケーシング１
８ａの前面板１８ａａ近辺では、従来のような吐出流の
一部が吸込口まで逆流するという現象（ショートサーキ
ット）はなくなり、図３で流線ｇとして示すような小さ
な循環渦が発生じてケーシング１８内の圧力洩れの損失
を小にするばかりか、この循環渦の領域が小になること
により、遠心ファン１０の翼１１の有効に働く実質流出
幅Ｂｕが大きくなる。この場合、前ケーシング１８ａの
前面板１８ａａの内フランジ１８ａｄが回転シュラウド
１３よりも遠心ファン１０の外周側に設置されているこ
とにより、回転シュラウド１３の周りが略コの字空間と
なり、逆流の防止効果が向上する。

【００５９】さらに、吸込側においても、ベルマウス１
８ａｂの口径Ｄｍより内周側に開放される翼１１の部分
が、空気を取り入れる側に突状の先細部１６となってい
るために、少しずつ流入が開始されることになり、従来
のような急激な風切りによる乱れが発生することなく、
滑らかに空気が流入することになる。しかも、翼１１へ
の流入速度も、ベルマウスＤｍを翼１１の内径Ｄ₁より
大にしたことにより、風速が小となり、入口損失が少な
くなる。従って、高風圧となって風量が多く得られるこ
とになる。

【００６０】以上のように、この実施例では、冷却力の
向上に貢献でき、省電力化に役立てることもできる。ま
た、空気の流れがスムーズになるので、低騒音にもな
る。

【００６１】強度に関しても、遠心ファン１０の心板１
２及びケーシング１８の背面板１８ｂｂでのへこみ部、
防振ゴム２０ａを支持するリング状リブ１８ｂｄ、及び
内フランジ１８ａｄとベルマウス１８ａｂとによる略コ
の字空間の形成はケーシング１８の強度を高め、また、
上記ケーシング１８は、空気の洩れ防止のために風路仕
切板２３によって強く押さえつけても、変形を少なくす
ることができる。

【００６２】さらに、図５で説明したように、翼１１の
流出側の周方向幅ｔ₂を大きくしたことにより、図４に
示したように、回転シュラウド１３との接続面積が増大
するので、羽根車全体としてのファン強度を高めること
ができるし、逆に、この強度の向上分を翼１１の薄肉化
が可能なり、省資源化として活かすことができる。

【００６３】さらにまた、ケーシング１８の背面板１８
ｂｂは、後方支持具２１とともに、ファンモータ１９の
収納室の閉鎖板としても兼用しているので、ファンモー
タ１９から発生した熱が庫内に侵入することも少なくな
るとともに、安全性を向上できる。

【００６４】さらにまた、背面板１８ｂｂの前方へこみ
部内でファンモータ１９の一端を支持するので、ファン
モータ１９の回転軸１９ａを短かくすることができる。
これに加えて、遠心ファン１０の重心がファンモータ側
に近づくので、振動を小さくできるし、ファンモータ１
０を含めたファン装置を薄形化できる。

【００６５】さらにまた、ケーシング１８の背面板１８
ｂｂとこの背面板１８ｂｂに取付ける後方支持具２１に
よるファンモータ１９の設置は、遠心ファン１０とケー
シング１８の心合わせ精度を高める。

【００６６】図７は図１における遠心ファン１０の他の
具体例のボス部周辺を示す拡大断面図であって、１２ｃ
はストッパ用平面端であり、図２に対応する部分には同
一符号をつけている。

【００６７】同図において、ボス部１２ａの終端には、
回転軸１９ａの挿入代を決めるストッパー用平面端１２
ｃが設けられている。このストッパー用平面端１２ｃに
よってボス部１２ａと回転軸１９ａとの位置関係が設定
される。このため、図２に示した具体例のように、軸用
穴１４に小口径部１４ｂを、また、回転軸１９ａに小径
部１９ｃを夫々設ける必要がなく、これらのための加工
作業が不要となる。また、ストッパー用平面端１２ｃの
中心に割れ溝１２ｂの幅Ｓよりも大きい直径ｄｓの覗き
穴を設けて、この覗き穴から回転軸１９ａがストッパー
平面端１２ｃに届くことを確認することができるように
し、目視作業を容易にしている。これ以外の構成は、図
２に示した具体例と同様である。

【００６８】図８は図１の前ケーシング１８ａの他の具
体例を翼１１の軸方向先端部分とともに示した断面図で
あって、図３に対応する部分には同一符号をつけてい
る。

【００６９】同図において、図３の実施例と異なるの
は、ベルマウス１８ａｂは断面形状が半丸であり、遠心
ファン１０の翼１１の後方へこみ部１５近くから回転シ
ュラウド１３を包囲する形状をなしている。これによ
り、図３に示した具体例と同様の効果が得られるし、ベ
ルマウス３２以外では、ケーシング１８の厚み（奥行寸
法）が薄くなるほか、丸み部が多いので、回転シュラウ
ド１３の周りの略コの字状空間における渦循環作用がス
ムーズとなり、圧力の洩れを効率良く防止することがで
きる。

【００７０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遠心ファンのファンモータ軸への取付け作業が容易とな
るし、ファン装置を薄形化できて、その分食品収納有効
内容積を大きくすることができるし、ファン装置の組立
てや組込性に優れ、高風圧多風量，低騒音，低振動とす
ることができるし、ファン装置も強度の高いものが得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置
の一実施例を組み込んだ冷凍冷蔵庫の要部縦断面図であ
る。

【図２】図１における遠心ファンの一具体例のボス部周
辺を示す拡大断面図である。

【図３】図１における遠心ファンの外周部分とこれに対
向するケーシングの前面板の部分とを示す部分拡大断面
図である。

【図４】図１の遠心ファンの翼とケーシングのベルマウ
スの位置関係を示す部分拡大断面図である。

【図５】図１における遠心ファンの翼と回転シュラウン
ドとを示す部分斜視図である。

【図６】図１での分断線Ａ−Ａに沿う断面図である。

【図７】図１における遠心ファンの他の具体例のボス部
周辺を示す拡大断面図である。

【図８】図１の前ケーシングの他の具体例を翼の軸方向
先端部分とともに示した断面図である。

【符号の説明】

２ 冷凍室 ３ 冷蔵室 ４ 仕切り断熱壁 ５ 天井断熱壁 ６ 背面断熱壁 ７ 側面壁 ８ 冷却器 １０ 遠心ファン １１ 翼 １２ 心板 １２ａ ボス部 １２ｂ 割れ溝 １３ 回転シュラウド １４ 軸用穴 １４ａ 入口 １４ｂ 小口径部 １５ 後方へこみ部 １６ 先細部 １７ ガード １８ ケーシング １８ａ 前ケーシング １８ａａ 前面板 １８ａｂ ベルマウス １８ａｃ 渦巻部 １８ａｄ 内フランジ １８ｂ 後ケーシング １８ｂｂ 背面板 １８ｂｃ 渦巻部 １８ｂｄ リング状リブ １８ｂｅ ピン １９ ファンモータ １９ａ 回転軸 １９ｂ ブラケット １９ｃ 小径部 ２０ａ，２０ｂ 防振ゴム ２１ 後方支持具 ２１ａ リング状リブ ２２ 取付部材 ２３ 風路仕切板 ２４，２５ 冷気戻り風路 ２６ コイルバネ ２７ 吐出ダクト ２８ 冷蔵庫用連結ダクト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 康夫 栃木県下都賀郡大平町大字富田709番地の ２ 株式会社日立栃木エレクトロニクス内

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遠心ファンを回転駆動して冷気を冷凍冷
   蔵庫内で循環させる冷凍冷蔵庫用冷気循環ファンにおい
   て、 該遠心ファンは、 背面がその中心部でへこむへこみ部を有し、前面が該へ
   こみ部にともなって前方へ突出した突出部をなす心板
   と、 該心板の前面外周側に設けられた複数の翼と、 該心板の突出部に連結し、軸用穴が形成されたボス部と
   からなり、前記へこみ部の表面が段差のない滑らかな面
   であることを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記心板の背面でのへこみ部は、段差なく、連続した面
   で前記ボス部の軸用穴に連なることを特徴とする冷凍冷
   蔵庫用冷気循環ファン装置。
3. 【請求項３】 請求項１において、 前記遠心ファンを前記冷凍冷蔵庫の奥部固定壁側に配置
   したことを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装
   置。
4. 【請求項４】 請求項１において、 前記遠心ファンの前記翼と前記心板と前記ボス部とは樹
   脂による一体構造となし、 前記心板の前面が、前記心板の前記くぼみ部の表面を含
   む前記背面に沿う表面をなすことを特徴とする冷凍冷蔵
   庫用冷気循環ファン装置。
5. 【請求項５】 請求項１，２または３において、 前記ボス部は、その外面が前記心板の突出部に等しい外
   径から先端に向かって次第に細くなるテーパ状をなし
   て、その先端部が前記ボス部の長手方向に形成された割
   り溝によって２分割され、かつ前記軸用穴の中間部に小
   口径部とを有し、 前記ファンモータの回転軸には、前記ボス部での前記軸
   用穴の該小口径部に対応する位置に小径部を有し、 前記ボス部の前記軸用穴に挿入された該回転軸は、前記
   軸用穴の該小口径部に該回転軸の該小径部が係合し、前
   記ボス部の先端から嵌め込まれたバネ部材により、前記
   ボス部の前記割り溝による２分割部分が該バネ部材によ
   り前記ボス部に前記ファンモータの回転軸を固定したこ
   とを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置。
6. 【請求項６】 請求項１，２または３において、 前記遠心ファンは、前記冷凍冷蔵庫の奥部固定壁に背面
   板が固定されたケーシング内に収納され、 前記ファンモータは、該背面板の外面に取り付けられた
   後方支持具と前記背面板とで形成される空間内に収納さ
   れていることを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン
   装置。
7. 【請求項７】 請求項６において、 前記心板の背面の前記へこみ部の形状に略合わせて、前
   記ケーシングの背面板の背面にくぼみ部が、前面に該く
   ぼみ部に伴う突出部が夫々設けられ、かつ、前記ケーシ
   ングの背面板の該くぼみ部による該突出部が前記心板の
   背面の前記へこみ部に対向するように、前記心板の背面
   の前記へこみ部に対する前記ケーシングの背面板の該く
   ぼみ部が位置設定され、 前記ケーシングの背面板の該くぼみ部の最奥部に、前記
   ファンモータの回転軸を通す開口を設けるとともに、前
   記ファンモータを支持する防振ゴム支持部を設けたこと
   を特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置。
8. 【請求項８】 請求項１〜７のいずれか１つにおいて、 前記翼は、その軸方向先端面の中間に後方へこみ部を有
   したことを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装
   置。
9. 【請求項９】 請求項１〜８のいずれか１つにおいて、 前記翼の内周側先端が吸込み側へ向いた先細形状である
   ことを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置。
10. 【請求項１０】 請求項８または９において、 前記遠心ファンに対向して前記ケーシングの前面板に冷
    気吸込み口をなす開口が設けられ、 前記翼の前記後方へこみ部に対向して、前記ケーシング
    の前面板に設けられた該開口の縁部から前記翼側に突出
    した空気吸込みのためのベルマウスを設けたことを特徴
    とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置。
11. 【請求項１１】 請求項１０において、 前記ベルマウスは、前記ケーシングの前面板に設けられ
    た前記開口の中心軸に平行な断面形状が円弧状をなし、 前記ケーシングの前面板に設けられた前記開口が、前記
    ケーシングの前面板での前記ベルマウスの根元から先端
    に至って次第に小径となることを特徴とする冷凍冷蔵庫
    用冷気循環ファン装置。
12. 【請求項１２】 請求項１０または１１において、 前記翼夫々の外周先端部が単一のリング状の回転シュラ
    ウドと一体化され、 かつ、前記ケーシングの前面板の前記翼側の面に、前記
    ベルマウスとで該回転シュラウドを挾むように、リング
    状内フランジを一体に設けたことを特徴とする冷凍冷蔵
    庫用冷気循環ファン装置。
13. 【請求項１３】 請求項１２において、 前記翼は夫々、前記遠心ファンの内周から外周にいくに
    つれて肉厚となり、前記翼の夫々の外端面は、同一円筒
    面の一部をなして、前記回転シュラウドの内面と一体化
    されていることを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファ
    ン装置。
14. 【請求項１４】 請求項１２または１３において、 前記回転シュラウドは、前記翼と樹脂で一体成形された
    ことを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置。
15. 【請求項１５】 請求項８〜１３のいすれか１つにおい
    て、 前記翼は夫々回転方向とは反対方向にへこんだ断面形状
    をなして、前記遠心ファンの回転中心からの放射線に対
    して内周から外周にいくにつれて回転方向とは反対方向
    に傾いて配置され、 かつ、前記翼間の間隔が、内周から外周にいくにつれて
    大となることを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン
    装置。
16. 【請求項１６】 冷凍冷蔵庫の奥部固定壁側に冷気吸込
    みの開口部を有して遠心ファンを収納したケーシング
    と、該ケーシングに固定されてファンモータが収納され
    た後方支持具とが設けられ、 該ケーシングは、周囲にベルマウスが形成された前記開
    口を有する前面板と断面形状が渦巻の一部をなす側板と
    が一体となった前ケーシングと、背面板と断面形状が渦
    巻の一部をなす側板とが一体となった後ケーシングとか
    らなって、該後ケーシングの該側板が外前ケーシングの
    該側板の内面に接しながら該前ケーシングに該後ケーシ
    ングが嵌め込まれてなり、 該遠心ファンは、外周側に複数の翼が一体に設けられた
    心板の背面中央部に、前面側に突出するように、滑らか
    な面でへこみ部が形成され、該へこみ部の先端が段差な
    くボス部に設けられたボス部の軸用穴に連なり、 該後ケーシングの背面板の外面に、該遠心ファンの心板
    のへこみ部に略合わせて、該背面板の内面側に突出部が
    生ずるように、へこみ部が設けられて、該背面板の該へ
    こみ部による該突出部の先端部が該遠心ファンの心板の
    へこみ部に対向し、 該背面板のへこみ部の先端部にリング状リブ部を設け
    て、該ファンモータの一端を該背面板の該へこみ部内で
    のリング状リブ部で防振ゴムを介して支持し、 該後方支持具の内面にリブ部を設けて、該ファンモータ
    の他端を該リブ部で防振ゴムを介して支持することを特
    徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置。
17. 【請求項１７】 請求項１６において、 前記翼の軸方向先端面の中間に後方へこみ部を設けると
    ともに、前記翼の内周側先端に吸込み側に向けた先細形
    状部を設け、 前記ベルマウスの先端を該後方へこみ部に対向させたこ
    とを特徴とする冷凍冷蔵庫用冷気循環ファン装置。