JPH08100749A - スタータ装置 - Google Patents

スタータ装置

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JPH08100749A
JPH08100749A JP6262112A JP26211294A JPH08100749A JP H08100749 A JPH08100749 A JP H08100749A JP 6262112 A JP6262112 A JP 6262112A JP 26211294 A JP26211294 A JP 26211294A JP H08100749 A JPH08100749 A JP H08100749A
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敬策 善明
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロントノーズ形スタータ装置において、出
力軸径の小径化を可能にしてピニオンの歯数減を図ると
ともに、小径化しても出力軸のスラスト荷重を十分受け
ることができるようにする。 【構成】 出力軸３ａの一部に形成したヘリカルスプラ
イン３１部にピニオンの移動を規制するストッパ機構３
０を設けることで出力軸径の小径化を可能とするととも
に、出力軸のスラスト荷重をフロント軸受１６の先端面
３ｄで受けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、フロントノーズ型ス
タータ装置のストッパ並びに出力軸のスラスト荷重受け
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図４は例えば特開平１−１９０９６７号
に示された従来のスタータ装置を示す断面図であり、図
５はそのうちのストッパ周りの拡大断面を示している。
図において、１はスタータ装置、２は電機子、３は電機
子回転軸、３ａは出力軸、４はオーバランニングクラッ
チ、５はフロントブラケット、６はスイッチコイル、７
は可動鉄心、８は可動接点、９は固定接点、１０は復帰
バネ、１１はシフトレバー、１２は上記出力軸３ａ上に
形成されたヘリカルスプラインを介して軸方向に移動す
る機関駆動用ピニオン、１３はリングギヤ、１４はスト
ッパ、１５は回転軸３の先端の出力軸３ａに設けられた
溝３ｂに装着されたストッパ固定用リング、１６はフロ
ント軸受、１７はキャップ、１８はワッシャである。
【０００３】次に動作について説明する。スイッチコイ
ル６に電流が流れると、可動鉄心７が吸引され、シフト
レバー１１を介してオーバランニングクラッチ４及びピ
ニオン１２が前方に押し出され、ピニオン１２がリング
ギヤ１３に噛合う。これと同時に可動接点８と固定接点
９が閉じ、大電流がモータ部へ流れ、トルクを発生して
エンジンを始動する。この時、オーバランニングクラッ
チ４は、ピニオン１２とストッパ１４が当接すること
で、その移動が規制されている。次に、スイッチの電流
が断たれると、復帰バネ１０の働きで可動鉄心７が戻さ
れ、シフトレバー１１を介してクラッチが戻り、動作を
完了する。
【０００４】ところでこの従来装置は、オーバランニン
グクラッチ４の移動を規制するためのストッパ１４と、
このストッパ１４を固定するためのリング１５及びその
嵌め込み用リング溝３ｂとがフロント軸受１６の後方に
配置されている。このため、ピニオン１２とリングギヤ
１３の噛合時の衝撃力がリング溝３ｂに集中するように
なるので、その強度上、出力軸径は寸法制約を受け、ピ
ニオン歯数は、モジュール２.５４（ＤＰ１０）で８
枚、モジュール２.１１７（ＤＰ１２）で９枚が最小レ
ベルとされていた。またこの構造では、フロント軸受１
６の後方に圧入されたワッシャ１８に出力軸の段付部３
ｃが当接してスラスト荷重を受けており、またフロント
ブラケット５の先端には、防塵のためにキャップ１７が
かしめられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】一般にモータ部の大き
さはエンジンのリングギヤとピニオンとのギヤ比に反比
例するので、モータ部の小型化を目的として、ピニオン
歯数を減じようとした場合、例えばモジュール２.５４
では７枚、モジュール２.１１７では８枚とした場合、
従来の構造では、リング溝の強度面より、これ以上、軸
径を小さく設定することはできないので、ピニオン歯底
の肉厚が薄くなり、ピニオン側の強度が確保できないこ
とになり、よって従来の構造では、ピニオン歯数減は成
立しないという問題点があった。また軸径を小にしたと
して、フロント軸受部径は強度上これ以上小にすること
はできないので、ピニオン下軸径とフロント軸受部径の
段差が小さくなり、あるいはまた該段差が無くなると、
フロント軸受後方ワッシャではスラスト荷重の受けが困
難となる問題がある。またスラストワッシャの圧入にお
いて、軸受圧入後該ワッシャを圧入する場合、比較的ワ
ッシャ外径が大きくなるので図５のように圧入部のフロ
ントブラケットの肉厚ｔ ２が薄くなり、さらにまたワッ
シャ圧入時にはフロントブラケットに軸受の圧入圧がか
かった状態なのでフロントブラケットに割れが生じるお
それがある。
【０００６】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、出力軸径を小さくして、ピニオ
ンの枚数を減らし、例えばピニオン歯数をモジュール
２.５４では７枚に、モジュール２.１１７では８枚にす
ることが可能となり、エンジンリングギヤとピニオンの
ギヤ比を大きくとることによって、モータ部を小型軽量
化し、一方、出力軸径を小さくしても十分スラスト荷重
を受けとめることのできる信頼性の高いスタータ装置を
得ることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この発明に係るスタータ
装置は、出力軸のヘリカルスプライン部にピニオン移動
係止部を有するストッパ構造を採用することで、ピニオ
ン周辺部にリングギヤとピニオンの噛合衝撃により応力
が集中する出力軸のストッパ固定用リング溝部を無くす
るとともに、フロント軸受の前方にワッシャを圧入する
ことで、出力軸先端面でスラスト荷重を受けるようにし
たものである。
【０００８】
【作用】この発明におけるスタータ装置においては、ヘ
リカルスプライン部にピニオン移動係止部を有するスト
ッパ機構を設けることで、出力軸径を小さくし得るとと
もに、フロント軸受前方に出力軸のスラスト荷重を受け
とめるワッシャを配置するようにしたので、軸径を小さ
くしても十分スラスト荷重を受けることが可能となる。
【０００９】
【実施例】
実施例１．以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図１は本発明に係るスタータ装置の断面図で、図
のピニオン部は上半部が前方に移動した状態を示してい
る。図２、図３はそのうちの出力軸先端部及びストッパ
部周りの拡大断面を示している。図において、４はオー
バランニングクラッチ、５はフロントブラケット、１２
はピニオン、１６はフロント軸受であり、これらはモー
タ部や電磁スイッチ部を含めて上記従来装置と同様であ
る。次に２１は上記フロント軸受１６の前方のフロント
ブラケット５の内周溝５ａに圧入された円板状のワッシ
ャであり、上記出力軸３ａの端面３ｄと対向して配置さ
れており、上記ピニオンの移動飛び出し時、上記端面３
ｄと当接してスラスト荷重を受ける。なお図３の３０
は、出力軸３ａの段部のヘリカルスプライン３１部に形
成された周知（実公昭５５−５３７２７記載）のストッ
パ機構部を示すもので、図において、３１ａは溝３２を
挟んで軸方向に貫通する第１の溝、３１ｂは上記溝３２
の後方部に切られた第２の溝であり、溝３２の壁面３２
ａがストッパとなる。即ち、このヘリカルスプライン
は、一条飛びに閉そくされていて一条飛びにヘリカルス
プラインを設けたスラストスプラインを前方部より挿入
し一条ひねって組立てるものである。
【００１０】以上のように図３のストッパ構造を採用す
ることによって、出力軸にはストッパ溝を設ける必要が
なく、強度的に有利となるので、出力軸径を小さくし
て、ピニオン枚数Ｍ＝２.５４では７枚化、Ｍ＝２.１１
７では８枚化が可能となる。一方、フロント軸受部径は
強度上ダウンできないので、加工合理化の面から出力軸
は段差をなくして、そのスラスト荷重は出力軸先端面で
受けるようにしている。このようにスラスト荷重を出力
軸先端面で受けるようにしたことで、たとえ軸径が小に
なっても十分スラスト荷重を受けることが可能となる。
また、従来の図５のワッシャ１８の位置では、ワッシャ
径が大きくなり、フロントブラケット５のハウジングの
肉厚がとりにくいため、あるいはフロント軸受１６の圧
入後、ワッシャ圧入となるので、軸受の圧入圧がハウジ
ングにかかった状態で更にワッシャを圧入することとな
り、ハウジングが割れる心配が出てくる。この点本構造
では図２のようにワッシャを圧入するフロントブラケッ
トハウジングの肉厚ｔ １を上記ｔ ２より大きくとれるこ
とによって、上記問題点は解消されるとともに、ワッシ
ャはドーナツ形状とする必要がないので、加工も容易と
なり、フタの役割もするので従来の先端キャップ１７も
廃止できる。
【００１１】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、出力軸
のヘリカルスプライン部の一部にピニオン移動係止部を
設けてなるストッパ機構を採用し、出力軸径の小径化を
図るとともに、上記小径化の分、スラスト荷重を受け止
める機能を十分とるため、スラストワッシャをフロント
軸受の前方に対向し配置したものであり、次のような多
くの効果を奏する。 (a) 出力軸の軸径を小さくできるので、ピニオンの枚数
を減らし、エンジンとスタータの減速比が大きくとれ、
スタータの小形軽量化が図れる。 (b) スラスト受けが軸先端面なので、スラスト荷重を十
分受けとめることができ、かつワッシャはドーナツ形状
とする必要がなく、プレス型が容易になる。 (c) 出力軸の先端段付部が無くせるので、加工が容易に
なる。 (d) ワッシャはフロント軸受の前方に配置するので、従
来の先端キャップが廃止できる。 (e) フロントブラケットのハウジングの肉厚も十分確保
できるので、圧入時、割れの心配がなく、また、ワッシ
ャの締代についても管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の一実施例を示す断面図である。
【図２】 図１の出力軸先端部を示す拡大断面図であ
る。
【図３】 図１のストッパ部周りの拡大断面図である。
【図４】 従来のスタータ装置の一例を示す断面図であ
る。
【図５】 図４の出力軸先端部を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
１ スタータ装置、２ 電機子、３ 電機子回転軸、３
ａ 出力軸、４ オーバランニングクラッチ、５ フロ
ントブラケット、１２ ピニオン、１６ フロント軸
受、２１ ワッシャ、３０ ストッパ機構部、３１ ヘ
リカルスプライン。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 スタータの出力軸上に形成したヘリカル
    スプラインを介して機関駆動用ピニオンが軸方向に移動
    し、かつ上記出力軸の先端を、上記ピニオンの前方に配
    置されフロントブラケットの内周に嵌装されたフロント
    軸受にて支承するようにしたフロントノーズ形のスター
    タ装置において、上記出力軸のヘリカルスプライン部に
    ピニオン移動係止部を有するストッパ機構を形成すると
    ともに、上記ピニオンの移動飛び出し時のスラスト荷重
    を上記出力軸の先端面で受けるようにしたことを特徴と
    するスタータ装置。
  2. 【請求項２】 出力軸の先端面と対向する如く円板状の
    スラストワッシャをフロント軸受の前方においてフロン
    トブラケットに圧入したことを特徴とする請求項１記載
    のスタータ装置。
  3. 【請求項３】 上記ピニオンはモジュール２.５４で７
    枚としたことを特徴とする請求項１記載のスタータ装
    置。
  4. 【請求項４】 上記ピニオンはモジュール２.１１７で
    ８枚としたことを特徴とする請求項１記載のスタータ装
    置。
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