JPH08100371A - フィルター基材およびその製造方法 - Google Patents

フィルター基材およびその製造方法

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JPH08100371A
JPH08100371A JP6233506A JP23350694A JPH08100371A JP H08100371 A JPH08100371 A JP H08100371A JP 6233506 A JP6233506 A JP 6233506A JP 23350694 A JP23350694 A JP 23350694A JP H08100371 A JPH08100371 A JP H08100371A
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泰義 堀口
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誠 西村
Kaori Iwasaki
かおり 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】プリーツ加工性にすぐれ、かつ、高性能である
フィルター基材およびその製造方法を提供する。 【構成】高融点ポリマーが芯成分で、低融点ポリマーが
鞘成分である芯鞘複合フィラメントで構成された不織布
層(A)と、前記低融点ポリマーからなるフィラメント
と高融点ポリマーからなるフィラメントとの混繊フィラ
メントで構成された不織布層(B)とからなる。所定の
高融点ポリマーおよび低融点ポリマー押出して得られる
芯鞘複合フィラメントおよび混繊フィラメントを、移動
する捕集ネットに積層捕集して、前記芯鞘複合フィラメ
ントからなる不織布層(A)と、前記低融点ポリマーフ
ィラメントと高融点ポリマーフィラメントとの混繊フィ
ラメントからなる不織布層(B)とからなる、少なくと
も2層の積層シートを形成させた後、エンボスロールで
熱圧着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも2層構造を
有する高目付不織布で、かつ、プリーツ加工性良好で、
シート剥離がなく、高捕集性能を有するフィルター基材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】口金から紡出した連続フィラメントをエ
アーサッカー等により高速牽引した後、鉛を主体とした
衝突板に衝突帯電させ、フィラメントを開繊した後、移
動するネットコンベアー上に捕集、加熱したエンボスロ
ールにより部分的に熱圧着し不織布とする方法、あるい
はネット上に捕集した積層ウェブをニードルパンチによ
り機械的に絡合させ不織布とする方法が一般的であり、
工業資材、土木資材など用途は広く、特にフィルター用
途においては、高性能で、かつ、耐久性、加工性に優れ
ていることからロ紙フィルター代替品として、需要は益
々旺盛である。
【0003】フィルター基材は、部分的な欠陥がフィル
ターの性能を大きく左右するため、目付斑が少なく、シ
ートの部分的剥離欠点のない高品質である不織布の要求
が強い。このため従来からシート目付が120g/m2
以上である高目付フィルター基材としては、エンボスロ
ールによる熱接着性にすぐれ、剥離欠点に有利で、かつ
高捕集性能を有する高融点成分と低融点成分との混繊方
式により製造した不織布が使用されていた。しかしなが
ら、不織布を構成するフィラメントが高融点成分と低融
点成分との混繊方式であり、かつシート目付が120g
/m2 以上の高目付であるという不織布をエンボスロー
ルで熱接着しても、厚み方向での熱圧着性が不十分とな
り易く、特に厚み中央部での層間剥離がしやすくなるた
め、該エンボスロール温度は低融点ポリマーの融点に近
い温度条件で熱圧着する方法が採用されているのが現状
であった。
【0004】このような過酷な条件では、エンボスロー
ル表面が汚れ、粘着性をおびるため圧着後の不織布シー
トのロール離れが悪く、不織布の表層が部分的に剥離す
るという欠点を惹起していた。
【0005】従ってこのような部分的に欠陥のある不織
布をフィルター用としてプリーツ加工しても、プリーツ
性が不良となるばかりか、部分剥離した箇所からの微細
粒子の洩れが発生するなどフィルター基材として満足で
きる物性を有するものを提供することができないのが実
情であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな欠点を有しない、プリーツ加工性にすぐれ、かつ、
高性能であるフィルター基材を提供せんとするものであ
り、また、その製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
達成するために、つぎのような構成を採用する。すなわ
ち、本発明のフィルター基材は、高融点ポリマーが芯成
分で、低融点ポリマーが鞘成分である芯鞘複合フィラメ
ントで構成された不織布層(A)と、前記低融点ポリマ
ーからなるフィラメントと高融点ポリマーからなるフィ
ラメントとの混繊フィラメントで構成された不織布層
(B)とからなる積層体であることを特徴とするもので
ある。
【0008】また、かかる基材の製造方法は、複数列の
エアーサッカーを配置してなるスパンボンド不織布製造
装置を用いて、1列目に芯鞘型複合口金または混繊型口
金のいずれかの口金を配置し、2列目には前記口金のう
ち1列目に使用しなかった口金を配置する方式で互いに
異種の口金を交互に配置させた後、それぞれの口金に、
所定の高融点ポリマーおよび低融点ポリマーを供給し、
押出して得られる芯鞘複合フィラメントおよび混繊フィ
ラメントを、エアーサッカーにより高速牽引して得られ
たフィラメントを、移動する捕集ネットに積層捕集し
て、前記芯鞘複合フィラメントからなる不織布層(A)
と、前記低融点ポリマーフィラメントと高融点ポリマー
フィラメントとの混繊フィラメントからなる不織布層
(B)とからなる、少なくとも2層の積層シートを形成
させた後、エンボスロールで熱圧着することを特徴とす
るものである。
【0009】
【作用】本発明における基本的思想は、不織布層(A)
を構成するフィラメントに高融点ポリマーのまわりを低
融点ポリマーが全面的におおっている芯鞘型フィラメン
トを使用することで、フィラメント同志の接着力アップ
と高密度化をはかり、不織布に発生する剥離を防止し、
かつ、不織布の剛性をアップし、さらにプリーツ加工性
と捕集したダストの離脱性向上効果をもたらしめ、一方
不織布層(B)を構成するフィラメントとして、低融点
ポリマーフィラメントと高融点ポリマーフィラメントの
2種のフィラメントを混繊したことで、ダスト捕集性と
プリーツ加工性を、接着性を維持しながら高い水準まで
引上げるという補助効果を発揮せしめ得たものであり、
これら2種の不織布層の相乗効果により、それぞれ2層
が単独で有する機能に比して著しく優れたフィルター機
能、プリーツ加工性ならびに耐久性を達成するフィルタ
ー基材を、目付に左右されることなく提供し得たもので
ある。
【0010】本発明のフィルター基材における不織布エ
ンボス圧着部の見掛密度は、好ましくは0.6g/cm
3 以上であるのがよい。すなわち、0.6g/cm3
満である場合は接着不良にとなり易く、不織布の層間剥
離が発生し易く、さらに、プリーツ加工後のシートも蛇
行し易く、仮にフィルターとして使用するにしてもフィ
ルターユニットとして組込む際の作業性やユニットに組
込む際の樹脂止め不良によるシール性不良などの欠陥が
発生し易いものができる。
【0011】一方、非圧着部の見掛密度は0.6g/c
3 未満とすることが好ましい。すなわち、この部分の
見掛密度が0.6g/cm3 以上であった場合、フィラ
メント同士の接着が強すぎて、不織布自体がフィルム状
となり易く、独立したフィラメントが存在しにくくな
り、その結果、ダストの捕集効率が低下し、フィルター
性能の満足しないものができ易くなる傾向がでてくる。
すなわち、本発明は、かかる問題を、捕集効率の面か
ら、非圧着部の見掛密度は極力低くすることで克服し、
また、不織布層(A)を構成するフィラメントを芯鞘型
フィラメントとすることにより、エンボスロールでの接
着性ならびにシート特性などの問題を克服したものであ
る。
【0012】本発明の不織布層(B)を構成するフィラ
メントは、該芯鞘フィラメントを構成する高融点ポリマ
ーと低融点ポリマーからなる、それぞれのフィラメント
の混繊フィラメントで構成することが重要である。低融
点ポリマーフィラメントを使用しない場合は、(B)層
の不織布密度を高くすることができず、接着性も不十分
であり、プリーツ加工時の層間剥離が発生し易くなり、
とてもフィルター用基材として使用できないものとな
る。
【0013】かかる不織布層(B)を構成するフィラメ
ントに使用する高融点ポリマーおよび低融点ポリマー
は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンあるいは
それらの共重合物などいずれの樹脂を使用してもよいこ
とは言うまでもない。
【0014】本発明でいう低融点成分(ポリマー)の融
点と高融点成分(ポリマー)の融点差は、30〜60℃
の範囲にあることが好ましく、融点差が30℃未満であ
った場合、フィラメントの接着力が低下する傾向とな
り、融点差が60℃を越える場合は、高融点フィラメン
トと低融点フィラメントの紡出時の不安定さからくる単
糸切れなど欠点が発生しやすくなる。
【0015】高融点成分と低融点成分の比率は、不織布
層(A)を構成する芯鞘型フィラメントの場合80:2
0から95:5であることが好ましい。高融点成分の比
率が95を越えると、低融点成分が高融点成分のまわり
を完全に被覆し得ないフィラメントが発生、紡糸性が不
安定となる上に、部分的に接着不十分な不織布が発生し
易くなる。また、不織布層(B)を構成する混繊フィラ
メントにおける高融点ポリマーフィラメントと低融点ポ
リマーフィラメントの混繊比率は70:30から90:
10であることが好ましい。すなわち、低融点ポリマー
フィラメントの比率が10以下である場合は、シートの
接着不良が発生し易く、30以上である場合はエンボス
接着時のロール汚れ発生がし易く、それに起因する不織
布の剥離が部分的に発生し易い。
【0016】本発明のフィルター基材としてのプリーツ
加工時の加工性、形態保持性、捕集性能などの性能を勘
案すると、フィルター基材を構成する不織布の目付は1
20g/m2 以上であることが好ましい。120g/m
2 未満であった場合は不織布層(A)を形成する芯鞘型
フィラメントが不織布層(B)を形成する面へ、あるい
は不織布層(B)を形成する混繊フィラメントが不織布
層(A)を形成する面に出てくる場合があり、実質的に
不織布層(A)と不織布層(B)の積層構造を形成しに
くくなる傾向がでてくる。
【0017】かかる本発明のフィルター基材の不織布を
構成するフィラメントの繊度は、フィルターの用途ある
いは要求性能によって決定されるが、1〜10デニール
であることが好ましく、繊度が10デニールを越える場
合、単位目付当りの構成繊維本数が少なく、フィルター
性能が満足しにくいものとなり、また、1デニール未満
では、紡糸速度5000m/分レベルの高速紡糸に耐え
られず、収率生産性も極めて低いものとなるため採算に
あわないものとなる可能性が高くなる。不織布層(A)
を構成するフィラメントと不織布層(B)を構成するフ
ィラメントのデニールは同一であっても異なっていても
よく、要求されるフィルター性能によって決定すればよ
い。
【0018】本発明のフィルター基材を構成する不織布
は複数列のエアーサッカーを配置してなる通常の2成分
系複合紡糸装置であれば容易に製造することができ、そ
の1列目に芯鞘型複合口金または混繊型口金のいずれか
を、2列目には前記口金の内1列目に使用しなかった口
金を配置し、それぞれのエアーサッカーで高速牽引し、
エアーとともに噴射、開繊して移動するネット上に捕
集、不織布ウェブを得る。このようにして不織布層
(A)が芯鞘、不織布層(B)が混繊であるフィラメン
トの2層構造とすることができる。引続きエンボスロー
ルにより熱圧着するに際し、芯鞘フィラメントに接する
上ロールはフィラメント表面の全てが低融点成分でおお
われているため、低融点成分の融点より10℃以上低い
温度に設定することが望ましく、これ以上ロール温度が
高い場合は、ロール汚れがしやすく長時間にわたって安
定生産することが難かしくなる。一方混繊フィラメント
が接する下ロールは低融点成分の融点以下の温度であれ
ば、製造上の問題もなく安定生産することができる。
【0019】以上のように本発明の不織布は、従来から
公知の複合紡糸装置を用いて製造することが出来、また
不織布層(A)が低融点成分を鞘成分とする芯鞘型フィ
ラメントで構成されているためフィラメント同志の接着
力が強くシート表層部での剥離欠点の発生もなく、適度
な剛性を有しているためプリーツ加工性が極めて良好で
あり、不織布層(B)は高融点成分と低融点成分との混
繊フィラメントで構成されており層剥離することなく適
度な見掛密度が維持できるためダストの捕集性能が良好
である、いわゆる高性能フィルター用基材を提供するこ
とができる。
【0020】
【実施例】本発明の実施例によって更に詳細に説明する
が、実施例の中に示す特性値の測定方法は次の通りであ
る。
【0021】融点(℃):パーキンエルマー社製DSC
−2C型の示差走査熱量計を用い、昇温速度20℃/分
で測定した。
【0022】(目付;g/m2 ):タテ1m、ヨコ1m
の不織布の重量を測定した。
【0023】(見掛密度;g/cm3 ):圧着部の厚さ
は走査型電子顕微鏡を用い拡大倍率100倍で圧着部の
断面写真を撮影、ノギスにより寸法チェックをした後、
倍率から厚みを逆算し次式により圧着部の見掛密度を算
出した。
【0024】見掛密度=目付/圧着部のシート厚さ (非圧着部の厚さ):JIS1085ダイヤルゲージ法
に準じてディスク径が10mmであるTECROC厚み
計で測定し、非圧着部の見掛密度を次式により算出し
た。
【0025】見掛密度=目付/非圧着部のシート厚さ (層間剥離):幅方向20cm、長さ方向80cmのサ
ンプルを長さ方向全体にわたって半径が10cmの円弧
状に折曲げ、剥離の状況を観察して評価した。
【0026】 評価基準: ○:剥離の全く認められないもの △:2cm未満の剥離が1個あるもの ×:剥離個数が2個以上か、2cm以上の剥離があるも
の (プリーツ加工性):幅が50cm、長さが300mで
あるシートをロータリー式プリーツ加工機で折曲げピッ
チ3cmとなるようにプリーツ加工し、プリーツ加工の
状態を観察して評価した。
【0027】評価基準: ○:プリーツが鋭角で均一で
あり、プリーツ後のシートに蛇行が見られないもの △:プリーツがやや不均一でわずかに蛇行が認められる
が、フィルターユニット組込みなど使用上問題ないもの ×:プリーツが不均一でプリーツ後の反に蛇行が見られ
フィルターユニット組込みに際して作業上問題あるもの (捕集効率):リオン社製ダストカウンター(KC−0
1B)を使用し、評価風速3m/分にて不織布上流側の
大気塵数(D1 )と下流側の0.3から0.5μの粒子
の数(D2 )を測定し、次式により算出した。
【0028】 捕集効率(%)=(1−D2 /D1 )100 実施例1 固有粘度が0.66、融点が262℃であるポリエチレ
ンテレフタレートと固有粘度が0.68、融点が228
℃であるイソフタール酸共重合ポリエステルを別々の押
出機で溶融した後、幅方向にエアサッカーの間隔が20
cmであって前後2列に配置された紡糸装置の前後に、1
口金当りのフィラメント数が220本である芯鞘口金
を、後列に口金当りのフィラメント数が同数である混繊
型口金を取付け、それぞれ吐出量250 g/分で押出し
た。引き続き紡出フィラメントを冷却した後、紡出速度
5000m/分となる様エアーサッカーを調整高速牽引
し、鉛を主体とした衝突板に衝突させフィラメントを開
繊、移動するネットコンベア上に噴射、捕集、不織布ウ
ェブとした。この際不織布層(A)を形成する芯鞘型フ
ィラメント、不織布層(B)を形成する混繊型フィラメ
ントともデニールが約2デニール、高融点成分と低融点
成分の比率が80:20であって、それぞれの目付が1
30g/m2 となる様調整、引続き芯鞘フィラメントが
接する上部エンボスロール温度を210℃、200℃、
190℃、混繊フィラメントが接する下ロールの温度を
228℃、223℃、218℃の組合せにより熱圧着し
た不織布を採取した。得られた不織布の特性を表1に示
した。
【0029】
【表1】 表1から明らかなように、得られた不織布はいずれも層
間剥離の問題もなくダスト捕集性能も良好なものであっ
た。引続きシート幅が50cmのシートをロータリー式
プリーツ加工機で加工した結果、プリーツ加工性良好で
あり、プリーツ部も均一でシャープなものであった。
【0030】比較例1 実施例1と同一の原料を用い前後2列ともに混繊型口金
を取付け、高融点成分と低融点成分の比率が85:15
であって、繊度が2デニール、不織布の目付を260g
/m2 とし、上下エンボスロールの温度を225℃とし
熱圧着した。得られた不織布のダスト捕集効率は55%
を満足されるものであったが、プリーツ加工後のプリー
ツ性が不良であり、プリーツ部に部分的にシート剥離す
るなどフィルター基材として十分なものでなかった。
【0031】実施例2 実施例1と同様の原料を用い、芯鞘型フィラメントと混
繊フィラメントの高融点成分と低融点成分の比率および
フィラメントのデニールを変更し検討した。芯鞘フィラ
メント、混繊フィラメントとも1デニール以下では紡糸
糸切れがはげしく、欠点が多発シート化困難であり、ま
た10デニール以上では紡出フィラメントの冷却不十分
により、エアーサッカーまでの間に冷却しきれず、紡糸
不可能であり、本発明の1デニールから10デニールの
紡糸性が良好であった。また高融点成分と低融点成分の
比率は、芯鞘型フィラメントの場合95:5まで紡糸性
良好であり、混繊フィラメントでは70:30、80:
20、90:10といずれも紡糸性接着性とも良好で、
フィルター基材として欠点もなく良好なものであった。
【0032】実施例3 実施例1と同様、前列に芯鞘口金を、後列に混繊口金を
取付け、いずれも繊度が2デニールとなる様吐出量とエ
アーサッカー圧力を調整、高融点成分と低融点成分の比
率が80:20であるフィラメントをネット上に捕集
し、不織布層(A)および不織布層(B)のそれぞれの
目付が80g/m2 、100g/m2 、120g/
2 、150g/m2 となるようネット速度を調整、引
続き芯鞘フィラメントが接する上部エンボスロール温度
が200℃、混繊フィラメントが接する下ロール温度が
223℃であるエンボスロールで熱圧着し不織布を採取
した。得られた不織布をロータリー式プリーツ加工機で
プリーツ加工した結果、本発明品である目付120g/
2 以上のものは、加工性、プリーツ形態保持性良好で
あり、フィルター基材として良好な特性を示した。
【0033】比較例2 実施例3において、不織布(A)および(B)をそれぞ
れ目付40g/m2 とする以外は同一条件で、エンボス
加工して熱圧着までの工程に通した。
【0034】この不織布積層ウェブシートは、薄すぎ
て、該エンボス加工中に、不織布層(A)を構成する芯
鞘フィラメントが部分的に不織布層(B)の表面に混在
する箇所がエンボスロールにくっついてとられてしま
い、安定な生産が不可能であった。
【0035】実施例4 高融点成分として、固有粘度が0.66、融点が262
℃であるポリエチレンテレフタレートを用い、低融点成
分として、イソフタール酸共重合ポリエステルのイソフ
タル酸の共重合比率を変更して、融点が、238℃、2
28℃、205℃の3水準のものを用意した。これらの
ポリマを使用して、実施例1と同様にして、前列に芯鞘
型口金を、後列に混繊型口金を配置した紡糸装置によ
り、フィラメントの繊度が2デニールとなる条件で紡糸
し、ネットコンベア上に噴射、捕集、目付220g/m
2 の不織布ウェブとし、引続き芯鞘フィラメントが接す
る上部エンボスロール温度を210℃、混繊フィラメン
トが接する下ロールの温度を220℃として熱圧着し
た。これらの熱圧着不織布シートのうち、融点が238
℃である低融点成分を使用したシートは、層間剥離がと
ころどころにみられるものであった。
【0036】実施例5 実施例1において、3列目に、さらに1列目のエアサッ
カーを配列させ、かつ、それぞれの目付を100g/m
2 とする以外は同一条件、方法で積層不織布シートを作
成した。
【0037】
【発明の効果】本発明は、片面が見掛密度と裏層の見掛
密度が異なる2層構造を有するため、プリーツ加工性良
好であり、またシートの層間剥離、表層剥離のない、ダ
スト捕集性能良好なフィルター基材の要求特性を満足で
きる優れた性質をもった高性能フィルター基材を提供す
ることができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点ポリマーが芯成分で、低融点ポリ
    マーが鞘成分である芯鞘複合フィラメントで構成された
    不織布層(A)と、低融点ポリマーからなるフィラメン
    トと高融点ポリマーからなるフィラメントとの混繊フィ
    ラメントで構成された不織布層(B)とからなる積層体
    であることを特徴とするフィルター基材。
  2. 【請求項2】 該基材の圧着部分の見掛密度が0.6g
    /cm3 以上で、非圧着部分の見掛密度が0.6g/c
    3 未満であり、かつ、該基材の厚み方向の見掛密度
    が、不織布層(A)の方が不織布層(B)より高い請求
    項1記載のフィルター基材。
  3. 【請求項3】 該基材の目付が120g/m2 以上であ
    り、かつ、該基材を構成するフィラメントの繊度が1〜
    10デニールの範囲にある請求項1記載のフィルター基
    材。
  4. 【請求項4】 低融点ポリマーの融点と高融点ポリマー
    の融点差が30〜60℃の範囲にある請求項1記載のフ
    ィルター基材。
  5. 【請求項5】 芯鞘複合フィラメントの高融点ポリマー
    成分と低融点ポリマー成分の比率が、80:20から9
    5:5の範囲にあり、また、混繊フィラメントの高融点
    ポリマーからなるフィラメント成分と低融点ポリマーか
    らなるフィラメント成分の混繊比率が70:30から9
    0:10の範囲にある請求項1記載のフィルター基材。
  6. 【請求項6】 高融点ポリマーがポリエチレンテレフタ
    レートであって、低融点ポリマーが共重合ポリエステル
    である請求項5〜6記載のフィルター基材。
  7. 【請求項7】 複数列のエアーサッカーを配置してなる
    スパンボンド不織布製造装置を用いて、1列目に芯鞘型
    複合口金または混繊型口金のいずれかの口金を配置し、
    2列目には前記口金のうち1列目に使用しなかった口金
    を配置する方式で互いに異種の口金を配置させた後、そ
    れぞれの口金に、所定の高融点ポリマーおよび低融点ポ
    リマーを供給し、押出して得られる芯鞘複合フィラメン
    トおよび混繊フィラメントを、エアーサッカーにより高
    速牽引して得られたフィラメントを、移動する捕集ネッ
    トに積層捕集して、前記芯鞘複合フィラメントからなる
    不織布層(A)と、前記低融点ポリマーフィラメントと
    高融点ポリマーフィラメントとの混繊フィラメントから
    なる不織布層(B)とからなる、少なくとも2層の積層
    シートを形成させた後、エンボスロールで熱圧着するこ
    とを特徴とするフィルター基材の製造方法。
  8. 【請求項8】該積層シートを熱圧着するに際し、あらか
    じめ表面がフラットであるカレンダーロールで厚みを調
    整することを特徴とする請求項7記載のフィルター基材
    の製造方法。
  9. 【請求項9】エンボスロールの上下ロールが、低融点ポ
    リマー成分の融点以下の温度に設定されている請求項7
    記載のフィルター基材の製造方法。
  10. 【請求項10】 該口金が、3列以上配置させたスパン
    ボンド不織布製造装置を用いることを特徴とする請求項
    7記載のフィルター基材の製造方法。
  11. 【請求項11】 該エンボスロールで熱圧着する前に、
    ニードルパンチ処理して交絡させることを特徴とする請
    求項7記載のフィルター基材の製造方法。
JP23350694A 1994-09-28 1994-09-28 フィルター基材およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3201168B2 (ja)

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