JPH08100243A - 高耐熱性鉄基合金 - Google Patents

高耐熱性鉄基合金

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JPH08100243A
JPH08100243A JP20507895A JP20507895A JPH08100243A JP H08100243 A JPH08100243 A JP H08100243A JP 20507895 A JP20507895 A JP 20507895A JP 20507895 A JP20507895 A JP 20507895A JP H08100243 A JPH08100243 A JP H08100243A
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JP
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atomic
alloy
high heat
based alloy
resistant iron
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JP20507895A
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English (en)
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Hiroyuki Shamoto
裕幸 社本
Takashi Morikawa
隆 森川
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C37/00Cast-iron alloys
    • C22C37/10Cast-iron alloys containing aluminium or silicon

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  • Metallurgy (AREA)
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はFe−Al−C系合金に関し、特に
高温にて使用される高耐熱性に優れた鉄基合金を提供す
る。 【解決手段】 一般式:Fex Aly z によって表さ
れ、式中x、y、zは原子%で、1%≦y(at%)≦
28%、0%<z(at%)≦24%、xは残部であ
り、図1の点A、B、CおよびDで囲まれた範囲の組成
を有することを特徴とする高耐熱性鉄基合金。また、一
般式:Fex Aly z によって表され、式中x、y、
zは原子%で、図2の点A、E、F、G、H、I、Cお
よびDで囲まれた範囲の組成を有することを特徴とする
高耐熱性鉄基合金。さらに、一般式:Fex Aly z
によって表され、式中x、y、zは原子%で、1%≦y
(at%)≦28%、0%<z(at%)≦12%、x
は残部である組成を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はFe−Al−C系合
金に関し、特に高温にて使用される高耐熱性に優れた鉄
基合金に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車の排気系統等に使用される
耐熱材料は、使用条件の厳しさとともに、より高温での
環境下における高温変形および引張強度の低下を抑止す
ることが要求されている。さらに、これらの耐熱材料が
具備すべき特性として、高温強度が大きいこと、クリー
プ伸びが小さいこと、および耐熱的疲労および耐衝撃に
優れていることが必要となる。このため、従来CrやN
i等の高価な合金元素が使用されてきた。例えば、この
高耐熱性の鉄基材料としては、SCH系の耐熱鋼鋳鋼材
やFCDA系の球状黒鉛系オーステナイト鋳鉄品等が知
られている。一般にその耐熱特性から分類すると、まず
高珪素球状黒鉛鋳鉄があげられるが、この材料では変態
温度が低いため、800℃以上のより高温域での使用は
困難である。これより高温用の材料としては、フェライ
ト鋳鋼が使用されているが、この材料においては高価な
Crが15%以上含有されている。さらに高温用材料と
しては、オーステナイト鋳鉄があるが、この材料にも、
コスト的に高価な合金種のCrやNiが使用されてい
る。
【0003】一方、最近ではFeAl金属間化合物が軽
量で高融点である点に注目して、この合金系の開発が進
められている。例えば、本出願人は出願した特開平3−
226547号公報に、高靱性材用として36.8〜4
9.4at%Alを含有するFe−Al系金属間化合物
材料を開示しているが、これは従来の高耐熱材と同様に
Crを含有せしめ靱性を改善したものである。
【0004】この分野の公知技術として、特開昭56−
58950号公報には耐ピックアップ性を改善した熱処
理用ローラ用として0.72〜18.7at%Alから
なる合金が開示されている。また、特開昭57−126
949号公報には規則・不規則変態を起こしめる防振合
金用として17〜32.7at%Alからなる合金が開
示されている。その他、特開昭57−203750号公
報には非磁性材料との複合材料の磁性材用として0.2
〜7.4at%Al、1.83〜8.3at%Cからな
る合金が開示され、特開昭62−270452号公報に
は鉄筋を埋設した炭素繊維強化コンクリート構造体用と
して13.5〜37.3at%Al、0.004〜3.
2at%Cからなる合金が開示され、特開平6−258
00号公報には炭化物を分散せしめた高強度および耐摩
耗材用として25〜50at%Alからなる合金等が開
示されている。しかし、前記いずれの公知技術も、少な
くとも耐熱材料としてのFe−Al−C三元系合金に関
する開示をしているものは存在しない。
【0005】一般に、合金状態図的にはFe−Al系合
金においては、Alが約54at%以下の範囲では、フ
ェライトを形成し、Fe−Al−C三元系においてはA
l含有量の増加とともに黒鉛化率が、Al約5at%ま
では徐々に増大し、その後はAlの増加とともに減少
し、その後硬度の比較的高い炭化物相とフェライト相に
なることが報告されている。また、Al鋳鉄の耐熱性に
ついては含有するAlによって、表面に生ずる強固なA
2 3 皮膜によって、酸素の通過を抑止し高温での耐
酸化性に優れ、かつ炭化物の成長も小さく、耐熱性に優
れることが知られている。(例えば“特殊鋳鉄”第3
版、日刊工業新聞社発行、 1960 ) しかし、前記従来の材料では、より高温での耐熱性にお
いて満足されるものではなく、また製造上の問題を有し
ていた。このため、高価なCr、Ni等の合金種を含有
することなく、より安価にして高耐熱性に優れた鉄基材
料の開発が要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Fe
−Al系の前記問題点を解決するために、三元系である
Fe−Al−C系を検討し、平均線膨張率を低減し、変
態温度を高め、かつ引張強さに優れた高耐熱性鉄基合金
を提供することである。本発明の別の目的は、機械的性
質の向上を従来のCr、Ni等のコスト的に高価な合金
元素を使用することなく、安価にして、かつ同等以上の
機械的特性の向上を達成するFe、AlおよびCを主体
とする高耐熱性鉄基合金を提供することである。
【0007】本発明の他の目的は、Fe−Al系の従来
の製造上の問題、特にその鋳造性を改善する成分系の検
討によって高耐熱性鉄基合金を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、一般式:
Fex Aly z によって表され、式中x、y、zは原
子%で、1原子%≦y≦28原子%、0原子%<z≦2
4原子%、xは残部であり、図1の点A、B、Cおよび
Dで囲まれた範囲の組成を有することを特徴とする高耐
熱性鉄基合金によって達成される。また、前記の目的
は、一般式:Fex Aly z によって表され、式中
x、y、zは原子%で、図2の点A、E、F、G、H、
I、CおよびDで囲まれた、ただしC:0%の線上は含
まない範囲の組成を有することを特徴とする高耐熱性鉄
基合金によっても達成される。。
【0009】さらに、上記の目的は、一般式:Fex
y z によって表され、式中x、y、zは原子%で、
1原子%≦y≦28原子%、0原子%<z≦12原子
%、xは残部であり、図3の点J、B、CおよびKで囲
まれた範囲の組成を有することを特徴とする高耐熱性鉄
基合金によっても達成される。
【0010】また、上記の目的は、一般式:Fex Al
y Siz1z2によって表され、式中x、y、z1 、z2
は原子%で、ztotal =z2 +0.75z1 、0.2原
子%≦z1 ≦10原子%として、図4の点A、J、L、
M、B、CおよびDで囲まれた範囲の組成を有すること
を特徴とする高耐熱性鉄基合金によっても達成される。
【0011】さらに、黒鉛化促進元素として、Ti、
V、Cr、Ta、W、Nb、Mnから選択される1種ま
たは2種以上の元素が、0.2原子%〜2.0原子%添
加されているか、もしくはB、Zrから選択される1種
または2種の元素が、0.2原子%〜2.0原子%添加
されているか、またはPが0.01原子%〜2.0原子
%添加されているか、もしくはNi、Cuから選択され
る1種または2種の元素が、0.2原子%〜5.0原子
%添加されていることを特徴とする高耐熱性鉄基合金に
よっても達成される。
【0012】また、さらに微細化促進元素または化合物
として、Ti、V、Cr、Ta、B、Mo、Sm、S
n、FeB、TaB2 、TiB2 、HfC、TiC、A
g、Ca、Co、Ge、Hf、P、Yb、B4 C、Nb
2 、Mo2 C、VC、Cr2N、Fe3 N、Fe
4 N、TiN、VNから選択される1種または2種以上
の元素または化合物が、0.1原子%以上添加されてい
るか、もしくは延性改善元素または化合物として、C
e、Er、Gd、Nd、Dy、La、Pr、Y、BaA
4 、Fe4 Nから選択される1種または2種以上の元
素または化合物が、0.1原子%以上添加されているこ
とを特徴とする高耐熱性鉄基合金によっても達成され
る。
【0013】本発明の第1発明では、熱膨張係数が小さ
く、高温環境下でも、大きな歪みや応力を発生すること
がないため、耐熱材料として優れる。また、第2発明で
は、変態温度が高く、高温環境下でも、大きな膨張収縮
を発生することがないため、耐熱材料として優れる。さ
らに、第3発明では、熱膨張係数が小さいことに加え、
さらに引張強度が高く、耐熱材料として優れる。また、
第4発明では、Siを添加することにより、変態温度が
変化し、使用限界温度が上昇する。さらに、第5ないし
9発明では、黒鉛化促進元素の添加により、黒鉛化が促
進され、マトリックスの強度延性を向上させると共に、
鋳造性と加工性も向上する。第6発明では炭化物の生成
により、また第7発明では鉄化合物の生成により合金の
強度が向上する。
【0014】第10および11発明では微細化促進元素の添
加により組織の微細化が図れ、鋳造割れや偏析などの鋳
造欠陥が防止できると共に、強度が向上する。また、第
12および13発明では、延性改善元素等の添加により、組
織が軟化して伸びが増加すると共に、熱疲労強度が向上
する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の成分の限定理由について
説明する。本発明の第1発明では、Alが1at%未満
の場合には耐酸化性が不十分となり、一方、Alが28
at%超では熱膨張係数が大きくなり、耐熱材料として
の使用が難しくなる。Cは24at%超の場合には、融
点が高くなり溶解が非常に困難となる。なお、Cの下限
値は0at%超とし、図1のC:0at%の線上を除外
する。
【0016】本発明の第2発明は、前記第1発明の範囲
および下記不等式の両方を満足する範囲とするものであ
って、図2の点E、F、G、HおよびIは各2領域のそ
れぞれが交差する境界点である。 5Al−8C≧25 (C<5原子%) (1) 5Al−2C≧55 (5原子%≦C<10原子%) (2) Al≧15 (10原子%≦C<15原子%) (3) Al+3C≧60 (15原子%≦C) (4) ここで、Al、Cは各々原子%Al、原子%Cの値、
( )内は各式の適用組成域を示す。また、Cの下限値
は0原子%超とし、図2のC:0原子%の線上を除外す
る。
【0017】上記の限定は、室温から高温まで材料を加
熱した場合に、変態が発生する材料においては、その変
態点で大きな膨張収縮をおこすことによる。そのため、
変態が発生した温度が、その場合の使用温度の上限とな
る。上記限定範囲は変態温度800℃以上であり、すな
わち耐熱材料として800℃以上まで使用可能となり、
車両の排気系等の高温環境下の使用に適する。本発明の
第3発明は、前記第1発明の範囲および下記条件を満足
する図3の範囲とするものである。
【0018】 C≦12原子% (5) この限定は、Cが12原子%超の場合には引張強さが得
られず強度が不十分となるためである。また、耐熱材料
には、高温での強度、延性、疲労強度の他に、耐酸化
性、変態温度等の特性も重要である。そのため、本発明
の第4発明は、Fe−Al−Si−C系の場合で、図4
の点A、J、L、M、B、CおよびDで囲まれた範囲で
あって、下記の関係を満足するものである。
【0019】 Ztotal =C+0.75Si (6) 0.2原子%≦Si≦10原子% (7) すなわち、Al、C、Siの成分が、上記の3条件を満
足する範囲である。この範囲では、Siが変態温度を変
化させる効果があり、材料の耐熱使用限界温度を上昇さ
せ、耐熱性を向上させる。また、Siは耐酸化性を向上
させ、このため材料の耐熱性は改善される。さらに、機
械的特性の面では、Siは黒鉛の生成組成域では黒鉛化
を促進して、鋳造性および加工性を向上する。また、黒
鉛生成の有無を問わず強度延性を向上させるが、前記範
囲であるSi:10原子%を超えて添加すると伸びが低
下し脆化する。
【0020】次に、本発明のその他の添加元素について
説明する。まず、黒鉛化元素としてのTi、V、Cr、
Ta、W、NbおよびMnは、黒鉛の生成組成域では、
0.2原子%以上添加することによって黒鉛化を促進
し、マトリックスの強度延性を向上させると共に、鋳造
性と加工性を向上させる。また、生成した炭化物を分散
して強度を向上させる。一方、2原子%超添加すると、
炭化物が過剰となり硬化して加工性を劣化すると共に延
性も低下してしまう。このため、本発明では、0.2〜
2.0原子%に限定した。
【0021】また、黒鉛の生成組成域では、B、Zrを
0.2原子%以上、またはPを0.01原子%以上を添
加することによって黒鉛化を促進し、マトリックスの強
度延性を向上させると共に、鋳造性と加工性を向上させ
る。また、生成した鉄化合物を分散して強度を向上させ
る。一方、2原子%超添加すると、鉄化合物が過剰とな
り硬化して加工性を劣化すると共に延性も低下してしま
う。このため、本発明では、B、Zrは0.2〜2.0
原子%、Pは0.01〜2.0原子%に限定した。
【0022】さらに、Ni、Cuは、黒鉛の生成組成域
では、0.2原子%以上添加することによって黒鉛化を
促進し、マトリックスの強度延性を向上させると共に、
鋳造性と加工性を向上させる。一方、5原子%超添加す
ると、オーステナイト化傾向が強まり、変態温度を低下
させる。このため、本発明では、0.2〜5.0原子%
に限定した。
【0023】次に、微細化元素としてのTi、V、C
r、Ta、B、Mo、Sm、Sn、FeB、TaB2
TiB2 、HfC、TiC、Ag、Ca、Co、Ge、
Hf、P、Yb、B4 C、NbB2 、Mo2 C、VC、
Cr2 N、Fe3 N、Fe4 N、TiN、VNは、0.
1原子%以上添加することにより組織を微細化すること
ができ、鋳造割れや偏析などの鋳造欠陥を防止すると共
に強度を向上する。一方、2原子%超添加しても、その
効果は飽和してしまう。また、軟化および延性改善元素
としての、Ti、Zr、Ce、Er、Gd、Nd、D
y、La、Pr、Y、BaAl4 、Fe4 Nは、0.1
原子%以上添加することにより組織を軟化して伸びが増
加し、熱疲労強度が向上し、さらに加工性も改善する。
一方、2原子%超添加しても、その効果は飽和してしま
う。なお、軟化および延性改善化合物として、ミッシュ
メタルの形で添加することもできる。さらに、本発明に
おいては、Mgの添加により伸びが増加し、材料の熱疲
労を向上させることが可能である。以下に、本発明の実
施態様例および比較例によってさらに詳述する。
【0024】
【実施例】
実施例1 本発明の第1発明の実施例および比較例として、表1に
示す組成の合金を作製した。この表で本発明例No.1〜
14は図1の請求範囲(1)の組成のものであり、比較
例No.15〜18はその範囲外の組成のものである。こ
れらについて、40〜800℃における線熱膨張率を測
定し、表1に平均線熱膨張率として求め、その結果をあ
わせて示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1のごとく、本発明例No.1〜14で
は、平均線熱膨張係数は14.3〜17.0であるのに
対して、比較例No.15〜18では平均線熱膨張係数は
18.3〜23.1であり、本発明例は比較例に比して
良好な値を示している。すなわち、Al量が28at%
を越えると、平均線熱膨張係数が大きくなり、耐熱材料
であるオーステナイト鋳鉄の平均線熱膨張係数と同等以
上となり、耐熱材料として好ましくない。このような高
温で使用する材料の熱膨張係数が大きい場合、低温と高
温の間で大きな膨張収縮を発生する。この膨張収縮によ
り、高温部材と接合した周囲の部品に大きな歪みと応力
が発生する。また、材料自身も周囲の部品からの拘束に
より、大きな歪みと応力が発生し、破壊する場合もあ
る。そのため耐熱材料の熱膨張は小さい方が好ましい。
【0027】実施例2 本発明の第2発明の実施例および比較例として、表2に
示す組成の合金を作製した。この表で本発明例No.19
〜28は図2の請求範囲(2)の組成のものであり、比
較例No.29〜33はその範囲外の組成のものである。
これらについて、変態温度を測定し、その結果を表2に
あわせて示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2のごとく、本発明例No.19〜28で
は、冷却時の変態温度は835℃以上であるのに対し
て、比較例No.29〜33では変態温度は693〜74
8℃であり、本発明例は比較例に比して変態温度が高い
良好な値を示している。すなわち、図2の請求範囲
(2)の組成のものでは、変態温度が800℃以上であ
り、高珪素耐熱鋳鉄の変態温度を上まわる。また実施例
1で示したごとく熱膨張特性も小さく優れており、耐熱
材料として、良好な特性が得られた。
【0030】実施例3 本発明の第3発明の実施例および比較例として、表3に
示す組成の合金を作製した。この表で本発明例No.34
〜41は図3の請求範囲(3)の組成のものであり、比
較例No.42〜44はその範囲外の組成のものである。
これらについて、室温での引張強さを測定し、その結果
を表3にあわせて示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3のごとく、本発明例No.34〜41で
は、室温での引張強さは489〜959MPaであるの
に対して、比較例No.42〜44では室温での引張強さ
は96〜195MPaであり、本発明例は比較例に比し
て良好な値を示している。すなわち、C量が12at%
を越えると、室温での引張強さが低下する。耐熱材料と
して高温での引張強さは室温の値の約1/3程度になる
が、この値は室温値に比例することからも、また実施例
1で示したごとく熱膨張特性も小さく優れており、耐熱
材料として良好な特性が得られた。
【0033】実施例4 本発明の第4発明の実施例および比較例として、表4に
示す組成の合金を作製した。この表で本発明例No.45
〜50は図4の請求範囲(4)の組成のものであり、比
較例No.51および52はその範囲外の組成のものであ
る。これらについて、冷却時および加熱時の変態温度を
測定し、その結果を表4にあわせて示す。
【0034】
【表4】
【0035】表4のごとく、本発明例No.45〜50で
は、変態温度は冷却時で808℃以上、加熱時で837
℃以上であるのに対して、比較例No.51および52で
は変態温度は、それぞれ730℃以下、820℃以下で
あり、本発明例は比較例に比して変態温度が高い良好な
値を示している。このため、前述のように材料の耐熱使
用限界温度が上昇し、耐熱性が向上し、かつ黒鉛化を促
進する。
【0036】実施例5 本発明のその他成分の添加による特性の改善の実施例に
ついて説明する。まず、黒鉛化促進の実施例として、黒
鉛化促進元素の添加材および比較例として、表5に示す
組成の合金を作成した。これらについて、鋳造後の黒鉛
量を測定した。その結果を表5にあわせて示す。
【0037】
【表5】
【0038】この表より、本発明の添加材は、黒鉛量が
3.1〜7.5%であるに対して、無添加材は2.6%
であった。すなわち、本発明の黒鉛化促進効果は、本発
明の範囲において顕著に認められた。次に、微細化元素
の添加の実施例として、TiB2 を添加した例を図5
(a)〜(c)に示す。図5(a)は微細化元素の無添
加材のFe−10原子%Al−2原子%C、図5(b)は
0.8 原子%TiB2 添加材、図5(c)は1.9 原子%T
iB2 添加材の鋳造後における金属組織写真(倍率:×
3)である。これらの図より、前記微細化効果は本発明
の範囲において顕著に認められた。
【0039】また、軟化および延性改善元素の実施例と
して、軟化および延性改善元素の添加材および無添加材
として、表6に示す組成の合金を作成した。これらにつ
いて、鋳造後の硬さを測定した。その結果を表6にあわ
せて示す。
【0040】
【表6】
【0041】この表より、本発明の添加材は、硬さがH
v 221〜306であるに対して、無添加材はHv 33
4であった。すなわち、本発明の軟化および延性改善効
果は、本発明の範囲において顕著に認められた。さら
に、Mgの添加の実施例として、表7に示す組成のMg
の添加材および無添加材を作成した。これらについて、
鋳造後の引張強さおよび伸びを測定した。その結果を表
7に合わせて示す。この表より、本発明の添加材は、伸
びが3.9〜8.1%であるに対して、無添加材は0.
4〜2.7%であった。すなわち、本発明材でのMgに
よる伸び改善効果は、顕著に認められた。
【0042】
【表7】
【0043】
【発明の効果】本発明は高価な合金元素であるCr、N
i等を使用することなく、Fe−Al−C系を主体とす
る三元系合金でありながら、高温での耐熱特性として、
線熱膨張係数が低く、かつ変態温度を高めもしくは引張
強さが優れ、より高温用部材への適用を可能とする。特
に、本発明材の変態温度は800℃以上であるため、車
両の排気系等の高温環境下の使用に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1発明の範囲を、C量とAl量
の関係によって示す図である。
【図2】本発明に係る第2発明の範囲を、C量とAl量
の関係によって示す図である。
【図3】本発明に係る第3発明の範囲を、C量とAl量
の関係によって示す図である。
【図4】本発明に係る第4発明の範囲を、C+0.75Si
量とAl量の関係によって示す図である。
【図5】本発明の第10および11発明に係る微細化元素の
効果を示し、(a)Fe−10原子%Al−2 原子%Cの
無添加材、(b)0.8 原子%TiB2 添加材、(c)は
1.9 原子%TiB2 添加材の金属組織写真である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:Fex Aly z によって表さ
    れ、式中x、y、zは原子%で、1原子%≦y≦28原
    子%、0原子%<z≦24原子%、xは残部であり、図
    1の点A、B、CおよびDで囲まれた範囲の組成を有す
    ることを特徴とする高耐熱性鉄基合金。
  2. 【請求項2】 一般式:Fex Aly z によって表さ
    れ、式中x、y、zは原子%で、図2の点A、E、F、
    G、H、I、CおよびDで囲まれた、ただしC:0%の
    線上は含まれない範囲の組成を有することを特徴とする
    高耐熱性鉄基合金。
  3. 【請求項3】 一般式:Fex Aly z によって表さ
    れ、式中x、y、zは原子%で、1原子%≦y≦28原
    子%、0原子%<z≦12原子%、xは残部であり、図
    3の点J、B、CおよびKで囲まれた範囲の組成を有す
    ることを特徴とする高耐熱性鉄基合金。
  4. 【請求項4】 一般式:Fex Aly Siz1z2によっ
    て表され、式中x、y、z1 、z2 は原子%で、z
    total =z2 +0.75z1 、0.2原子%≦z1 ≦1
    0原子%として、図4の点A、J、L、M、B、Cおよ
    びDで囲まれた範囲の組成を有することを特徴とする高
    耐熱性鉄基合金。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の合金
    に、さらに黒鉛化促進元素が添加されていることを特徴
    とする高耐熱性鉄基合金。
  6. 【請求項6】 請求項5の黒鉛化促進元素として、T
    i、V、Cr、Ta、W、Nb、Mnから選択される1
    種または2種以上の元素が、0.2原子%〜2.0原子
    %添加されていることを特徴とする高耐熱性鉄基合金。
  7. 【請求項7】 請求項5の黒鉛化促進元素として、B、
    Zrから選択される1種または2種の元素が、0.2原
    子%〜2.0原子%添加されていることを特徴とする高
    耐熱性鉄基合金。
  8. 【請求項8】 請求項5の黒鉛化促進元素として、Pが
    0.01原子%〜2.0原子%添加されていることを特
    徴とする高耐熱性鉄基合金。
  9. 【請求項9】 請求項5の黒鉛化促進元素として、N
    i、Cuから選択される1種または2種の元素が、0.
    2原子%〜5.0原子%添加されていることを特徴とす
    る高耐熱性鉄基合金。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の合
    金に、さらに微細化促進元素または化合物が添加されて
    いることを特徴とする高耐熱性鉄基合金。
  11. 【請求項11】 請求項10の微細化促進元素または化合
    物として、Ti、V、Cr、Ta、B、Mo、Sm、S
    n、FeB、TaB2 、TiB2 、HfC、TiC、A
    g、Ca、Co、Ge、Hf、P、Yb、B4 C、Nb
    2 、Mo2C、VC、Cr2 N、Fe3 N、Fe
    4 N、TiN、VNから選択される1種または2種以上
    の元素または化合物が、0.1原子%以上添加されてい
    ることを特徴とする高耐熱性鉄基合金。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれかに記載の合
    金に、さらに延性改善元素または化合物が添加されてい
    ることを特徴とする高耐熱性鉄基合金。
  13. 【請求項13】 請求項12の延性改善元素または化合物
    として、Ce、Er、Gd、Nd、Dy、La、Pr、
    Y、BaAl4 、Fe4 Nから選択される1種または2
    種以上の元素または化合物が、0.1原子%以上添加さ
    れていることを特徴とする高耐熱性鉄基合金。
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