JPH08100042A - 二液型ポリウレタン用組成物 - Google Patents

二液型ポリウレタン用組成物

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JPH08100042A
JPH08100042A JP6235165A JP23516594A JPH08100042A JP H08100042 A JPH08100042 A JP H08100042A JP 6235165 A JP6235165 A JP 6235165A JP 23516594 A JP23516594 A JP 23516594A JP H08100042 A JPH08100042 A JP H08100042A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 イソシアネート化合物と、ひまし油系ポリオ
ールとの反応により形成されるイソシアネート基末端プ
レポリマーからなるポリイソシアネートと;下記一般式
(化5) 【化5】 (上記式中、Rは2価〜3価のポリオール反応残基を示
し、nは2〜3の数を示す。)で表されるアミノ安息香
酸エステルと、ポリオールとを重量比10:90〜9
0:10の範囲で含む硬化剤と;から構成される二液型
ポリウレタン用組成物。 【効果】 優れた含浸性と接着性とに基づき、溶出物量
の低下のみならず発泡の低減化が可能となるため、ポリ
ウレタン接着剤、シール材ないし結束材として好適に使
用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン接着剤、
シール材ないし結束材として好適に使用可能な二液型ポ
リウレタン用組成物に関する。本発明の二液型ポリウレ
タン用組成物は、特に、中空繊維分離膜を用いた医療
用、工業用流体分離装置を構成する中空繊維用の結束
材、該中空糸結束部とハウジングとの接着剤、並びに電
気用シール材等の用途に好適に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】接着剤、シール材ないし結束材等の用途
において、ポリウレタン用組成物(化学反応によりポリ
ウレタンを与える組成物)は、一般に、プラスチック、
金属、木材、無機材料等の極性のある材料を始めとする
広い材料に対して優れた接着性を示す。このようなポリ
ウレタン用組成物の優れた接着性は、ポリウレタン構造
を与える一方の反応性基であるNCO(イソシアネー
ト)基の高い反応性と極性とに基づき、更には、他方の
反応性原料である活性水素化合物の選択により幅広い接
着特性の設計が可能で、反応性のコントロールが容易で
あること、および、生成したポリウレタンは一般的に柔
軟性に富み、耐衝撃性、耐低温特性等に優れていること
に基づくと考えられている。
【0003】接着剤、シール材ないし結束材等の用途に
用いるポリウレタン用組成物には、末端NCO基と水分
との反応に基づいて接着力が発現する「一液型」(one-
component type)と、ポリオール成分/NCO成分の両
者の混合により接着力が発現する「二液型」(two-comp
onent type)とがある。汎用性、および安定した性能が
容易に得られる点から、「二液型」ポリウレタン用組成
物が圧倒的に多く使用されている。
【0004】近年、ポリウレタンの機械的性質、動的耐
久性ないし柔軟性に加えて、その抗血栓性が注目されて
おり、ポリウレタンの医療用途への応用が進められてい
る。例えば、中空繊維を用いた医療用流体分離装置(例
えば、人工腎臓、人工肝臓等の人工臓器)用のポリウレ
タン接着・結束剤としては、トリレンジイソシアネート
(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)等の芳香族イソシアネートと、ひまし油系ポリオー
ル、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオ
ール及びアミン系ポリオールから構成されるポリウレタ
ンが多用されている。医療用途に用いるポリウレタンに
は、特に、体液との接触により該体液中に溶出して生体
に悪影響を及ぼす虞のある溶出物を、極力抑制すること
が特に重要である。
【0005】最近では、高機能化の目的で上記した流体
分離装置用の中空糸の開孔率を高めるため、保湿剤たる
グリセリン含有量の多い中空糸が開発されている。これ
らのグリセリン含有中空糸に適用するポリウレタン接着
・結束剤として、特開平2−12413号公報には、T
DI系NCO末端プレポリマーとMDI変性体との組み
合わせを用い、保湿剤グリセリンとの反応抑制を可能と
する低溶出物システムが提案されている。
【0006】その他、人口臓器シール部の低溶出物化を
可能とするものとして、特開平2−215822号公報
には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイ
ソシアヌレート変性体を利用することが提案されてい
る。
【0007】更に、特開昭58−75556号公報で
は、シクロアリファティック(脂環族)ジイソシアネー
トとアロマティック(芳香族)ポリアミンまたはアルキ
ルポリオールとから構成される無発泡ウレタンが提案さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のポリウレタン用組成物においては、良好な作業性
および成形性を得るための低粘度・速硬化性と、中空糸
繊維膜を始めとする接着(ないし被着)部に付着するグ
リセリンないし水分との反応を抑制した低溶出物・低発
泡化を同時に満足する点では、なお不充分であった。
【0009】したがって、従来のポリウレタン用組成物
を用いた場合には、近年更に進む高機能化(高グリセリ
ン含有)中空糸繊維への対応が困難であり、良好な作業
性・成形性ないし低溶出物化の実現と、接着部に付着し
た水分等の影響を実質的に排除した低発泡性とが強く要
請されていた。
【0010】本発明の目的は、消泡性に優れ、且つ低粘
度のポリウレタン用組成物を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、良好な硬化性を有す
るポリウレタン用組成物を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、グリセリン、水分等
の第三成分との反応抑制に基づく低溶出物化を可能とし
たポリウレタン用組成物を提供することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、低粘度・良好な
硬化性を有すると同時に、低溶出物・低発泡化をも可能
としたポリウレタン用組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、イソシアネート化合物と、ひまし油系ポリオー
ルとの反応により形成されるイソシアネート基末端プレ
ポリマー(ポリイソシアネート)との組合せにおいて、
特定量比のアミノ安息香酸エステル/ポリオールからな
る硬化剤を用いることが、上記目的の達成に極めて効果
的であることを見出した。
【0015】本発明の二液型ポリウレタン用組成物は上
記知見に基づくものであり、より詳しくは、イソシアネ
ート化合物と、ひまし油系ポリオールとの反応により形
成されるイソシアネート基末端プレポリマーからなるポ
リイソシアネートと;下記一般式(化2)
【0016】
【化2】
【0017】(上記式中、Rは2価〜3価のポリオール
反応残基を示し、nは2〜3の数を示す。)で表される
アミノ安息香酸エステルと、ポリオールとを重量比1
0:90〜90:10の範囲で含む硬化剤と;から構成
されることを特徴とするものである。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】(ポリイソシアネート)本発明の二液型ポ
リウレタン用組成物を構成する一方の要素たるポリイソ
シアネートは、イソシアネート化合物と、ひまし油系ポ
リオールとの反応により形成されるイソシアネート基末
端プレポリマーからなる。
【0020】(イソシアネート化合物)本発明において
は、イソシアネート化合物として、芳香族イソシアネー
ト群、脂肪族イソシアネート群、脂環族イソシアネート
群から選ばれるイソシアネート化合物を単独で、あるい
は必要に応じて2種類以上組合せて(上記した各群内で
の組合せ、および/又は異なる群間での組合せ)使用可
能である。
【0021】このようなイソシアネート化合物として
は、より具体的には例えば、2,4−トリレンジイソシ
アネート(2,4−トルエンジイソシアネートともい
う)、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシア
ネート混合物、2,4´−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート/
4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、
p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイ
ソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネ
ート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テ
トラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−
ウンデカントリイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メ
チルシクロヘキシレンジイソシアネート等の脂肪族イソ
シアネートが挙げられる。これらのイソシアネート化合
物は、必要に応じて、その1種以上を、カルボジイミ
ド、ウレトジオン、ウレトイミン、ビューレット、イソ
シアヌレート変性体として使用してもよい。
【0022】上記した中でも、高い反応性が容易に実現
できる点からは、芳香族イソシアネート、または芳香族
イソシアネート/脂肪族イソシアネートの組合せを用い
ることが好ましい。トリレンジイソシアネート(TD
I)系ポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)系ポリイソシアネート、若しくはT
DI系ポリイソシアネート/MDI系ポリイソシアネー
トの組合せ、または、これら(TDI系ポリイソシアネ
ートおよび/又はMDI系ポリイソシアネート)と、H
DI系ポリイソシアネートとを組み合わせて用いること
が、特に好ましい。
【0023】(ひまし油系ポリオール)前記イソシアネ
ート化合物との反応によりイソシアネート基末端プレポ
リマーを与える「ひまし油系ポリオール」としては、ひ
まし油、脱水ひまし油、若しくはこれらの変性物;又
は、ひまし油脂肪酸たるリシノール酸と、低分子ポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ルとのエステル交換あるいはエステル化により生成する
ポリオールが使用可能である。
【0024】このエステル交換ないしエステル化に使用
される「低分子ポリオール」としては、分子量60〜5
00のポリオールを用いることが好ましい。このような
低分子ポリオールの具体例としては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、トリメチロールプロパン等が挙げられ
る。
【0025】上記エステル交換ないしエステル化に使用
される「ポリエーテルポリオール」としては、分子量5
00〜5,000のポリエーテルポリオールが好ましく
使用可能である。このようなポリエーテルポリオールの
具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、テトラヒドロフラン(THF)と3−アルキルテト
ラヒドロフランとが共重合したコポリエーテルポリオー
ル(以下「液状ポリテトラメチレングリコール」とい
う)、及びエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキ
シド(PO)の2種以上の重合物であるチップドエーテ
ル等が挙げられる。
【0026】上記エステル交換ないしエステル化に使用
される「ポリエステルポリオール」としては、分子量5
00〜5,000のポリエステルポリオールが好ましく
用いられる。このようなポリエステルポリオールの具体
例としては、例えば、カルボン酸とポリオールとから生
成する線状または分岐状ポリエステル系ポリオール、カ
プロラクトンの開環重合により生成するポリカプロラク
トン系ポリオール等が挙げられる。
【0027】上記したエステル交換ないしエステル化用
のポリオールとしては、上述した中でも、常温(25
℃)で液状で、且つ低粘度のポリイソシアネートを得る
ことが容易な点からは、エチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、液状ポリテトラメチレングリコー
ル、および/又はチップドエーテルを用いることが好ま
しい。
【0028】本発明の二液型ポリウレタン用組成物を構
成するポリイソシアネートたる「イソシアネート基末端
プレポリマー」は、上記ポリイソシアネートと、ひまし
油系ポリオールとの反応により生成するイソシアネート
基末端プレポリマーからなる。後述する硬化剤(活性水
素含有化合物)との反応性を有するイソシアネート基末
端プレポリマーを与える限り、このプレポリマー形成の
際の反応条件は特に制限されないが、例えば、上記イソ
シアネート化合物とひまし油系ポリオールとを、40〜
90℃で1〜5時間反応させることにより得ることが好
ましい。この際のイソシアネート基/活性水素基の当量
比は、1.5〜40.0(更には、1.8〜30)にて
反応させることが好ましい。
【0029】このようにして得られるイソシアネート
(NCO)基末端プレポリマーは、通常、低粘度で且つ
良好な流動性を保持している。このイソシアネート基末
端プレポリマーの25℃における粘度(後述する硬化剤
と反応させる直前の状態で)は、300〜9,000c
ps程度(更には400〜7,000cps程度)であ
ることが好ましい。このような粘度は、例えば、B型粘
度計を用いて、以下のような測定条件で測定することが
可能である。
【0030】<粘度測定条件> 粘度計機種名:(株)トキメック製、商品名DVL−B
II ローターNo:3 ローター回転数:60、30、12rpm また、上記イソシアネート基末端プレポリマーのイソシ
アネート(NCO)含量(isocyanate content)は、
(後述する硬化剤と反応させる直前の状態で)10〜2
3%程度(更には14〜18%程度)であることが好ま
しい。このようなイソシアネート含量は、例えば、以下
のようにJISK1603−1985に準じて測定する
ことが可能である。
【0031】<イソシアネート含量の測定法>試料に過
剰のジブチルアミンを加え充分に反応させた後、未反応
のジブチルアミンを塩酸標準溶液で逆滴定して、イソシ
アネート基含有率を求める。
【0032】(硬化剤)本発明の二液型ポリウレタン用
組成物を上記したポリイソシアネートとともに構成する
硬化剤は、下記一般式(化3)
【0033】
【化3】
【0034】(上記式中、Rは2価〜3価のポリオール
反応残基を示し、nは2〜3の数を示す。)で表される
アミノ安息香酸エステルと、ポリオールとからなる。
【0035】(アミノ安息香酸エステル)上記アミノ安
息香酸エステルを得る方法は特に制限されないが、例え
ば、2〜3価のポリオールとp−ニトロベンゾイルクロ
ライドとを脱塩酸剤の存在下で反応させて得られたニト
ロ化合物を、通常の方法で還元する方法が好ましく用い
られる。
【0036】上記アミノ安息香酸エステルを得る目的で
使用されるポリオールとしては、2価〜3価のポリオー
ルを特に制限なく用いることが可能であるが、前記ひま
し油脂肪酸たるリシノール酸とのエステル交換あるいは
エステル化に使用すべきポリオール類と同様の、低分子
ポリオール、ポリエーテルポリオール、および/又はポ
リエステルポリオールが好ましく使用可能である。高い
反応性で且つ低粘度化が容易な点からは、これらの中で
も、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましく、
2価のポリテトラメチレングリコール、および/又は液
状ポリテトラメチレングリコールを用いることが特に好
ましい。
【0037】(他のポリオール)上記アミノ安息香酸エ
ステルとともに硬化剤を構成する「他のポリオール」と
しては、前記した「ひまし油系ポリオール」;あるいは
前記ひまし油脂肪酸たるリシノール酸とのエステル交換
あるいはエステル化に使用すべきポリオール類と同様
の、低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール;アミノ化合物(例えば、エチレン
ジアミン等)に、アルキレンオキサイド(例えば、プロ
ピレンオキサイド、エチレンオキサイド等)を付加させ
たアミン系ポリオール等が使用可能である。このような
「アミン系ポリオール」の具体例としては、例えば、
N,N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロ
ピル)エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラ
キス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が挙
げられる。
【0038】上記したポリオールの中でも、ひまし油系
ポリオール、アミン系ポリオールまたは、これらの混合
ポリオールを用いることが特に好ましい。
【0039】上記アミノ安息香酸エステルのGPC(ge
l permeation chromatography )による数平均分子量
は、600〜4000程度(更には900〜3000程
度)であることが好ましい。該アミノ安息香酸エステル
のアミン価は、185〜25KOHmg/g程度(更に
は125〜35KOHmg/g程度)であることが好ま
しい。
【0040】上記数平均分子量測定に際しては、例え
ば、以下の測定条件が好適に用いられる。
【0041】 <GPC測定条件> ・装置 :東ソー HLC−8020 ・COLUMN :東ソー TSKgel G2000H (排除限界分子量 1×104 ) TSKgel G3000H (排除限界分子量 6×104 ) TSKgel G4000H (排除限界分子量 4×105 ) TSKgel G5000H (排除限界分子量 4×106 ) Guardcolumn TSKguardcolumn HXL-H ・MOBILE PHASE:THF ・FLOW RATE :1.0ml/min ・OVEN TEMP :40℃ ・サンプル濃度:0.5wt/vol% 上記アミン価は、例えば、文献(JISK7237)記
載の方法により測定することが可能である。
【0042】(アミノ安息香酸エステル/ポリオールの
重量比)本発明の二液型ポリウレタン用組成物を構成す
る「硬化剤」は、上記アミノ安息香酸エステルと「他の
ポリオール」とを重量比10:90〜90:10で含
む。アミノ安息香酸エステルがこの範囲よりも少ない場
合には、二液型ポリウレタン用組成物として低溶出物化
と低発泡化とを同時に実現することが困難となる。一
方、アミノ安息香酸エステルがこの範囲よりも多い場合
には、二液型ポリウレタン用組成物としての粘度が上昇
し、作業性と成型性が悪化する。アミノ安息香酸エステ
ルと「他のポリオール」との重量比は、20:80〜8
0:20の範囲であることが好ましい。
【0043】上記硬化剤の25℃における粘度は、4,
000cps以下であることが好ましく、500〜3,
000cps程度であることが更に好ましい。この硬化
剤の粘度は、上記した「イソシアネート基末端プレポリ
マー」の粘度と同様の条件で測定することが可能であ
る。
【0044】上記硬化剤の活性水素含有量(KOHmg
/g)は、50〜700程度(更には80〜300程
度)であることが好ましい。この活性水素含有量は、J
ISK1557−1970記載の方法によって測定する
ことが可能である。
【0045】(イソシアネート基末端プレポリマー/硬
化剤の使用方法)ポリウレタン接着剤、シール材ないし
結束材として使用する場合、本発明の二液型ポリウレタ
ン用組成物は、上記したイソシアネート基末端プレポリ
マーと硬化剤(活性水素含有化合物)とを、イソシアネ
ート基/活性水素基(当量比)=0.8〜1.3程度
(更には、0.8〜1.1程度)の範囲で配合して硬化
させることが好ましい。この際の硬化条件は、通常、樹
脂(プレポリマー)温度、硬化温度とも常温〜40℃で
あることが好ましい。硬化時間は、10〜90分である
ことが好ましい。
【0046】本発明の二液型ポリウレタン用組成物の硬
化特性は、樹脂温度25℃で、イソシアネート基末端プ
レポリマーと硬化剤とをNCO基/OH基(当量比)=
1.05で混合させた際のゲル化時間が、5〜20分程
度(更には7〜15分程度)であることが好ましい。こ
のゲル化時間は、以下に示す方法によって測定すること
が可能である。
【0047】<ゲル化時間測定法> イソシアネート末端プレポリマーと硬化剤を25℃に
調整する。
【0048】150mlポリスチレンカップ中に、イ
ソシアネート末端プレポリマーと硬化剤をNCO/OH
基(当量比)=1.05にて100g配合する。
【0049】ガラス棒にて1分間混合撹拌し25℃中
に静置する。
【0050】一定時間ごとにミクロスパチュラの先端
を上記混合物の表面に接触させ、混合物に 流動性がな
く、かつ、混合物表面からの糸引きがなくなった時間を
ゲル化時間 とする。
【0051】本発明の二液型ポリウレタン用組成物は、
樹脂温度25℃で、イソシアネート基末端プレポリマー
と硬化剤とをNCO基/OH基(当量比)=1.05で
均一に混合させた直後の粘度(25℃)が、3,000
cps以下(更には1,000〜2,200cps程
度)であることが好ましい。この粘度は、前述した「イ
ソシアネート末端プレポリマー」の粘度と同様の条件で
測定することが可能である。
【0052】本発明の二液型ポリウレタン用組成物を用
いる際には、必要に応じて、樹脂温度を30〜80℃程
度、硬化温度を40〜120℃程度の範囲とすることが
可能である。
【0053】(用途)本発明においては、上記したイソ
シアネート基末端プレポリマーと硬化剤(活性水素含有
化合物)とを選択することにより、用途(接着剤、シー
ル材、結束材等および/又は被着物の種類)に応じた適
切な作業性、硬化性、及び物性を得ることが可能であ
る。
【0054】本発明においては、上記したひまし油系ポ
リオールから生成された「イソシアネート基末端プレポ
リマー」が良好な消泡性を示すと共に、低粘度で且つ良
好な反応性を有すること;加えて、硬化剤として使用す
るアミノ安息香酸エステルが、グリセリン、水等の第三
成分より大幅に速い反応性(該第三成分に優先する反応
性)を有し、なおかつ適度な可使時間(pot life)を可
能とすることに基づき、低粘度で且つ良好な硬化性を示
す低溶出物、低発泡の二液型ポリウレタン用組成物が得
られる。このような特性を有する本発明の二液型ポリウ
レタン用組成物は、ポリウレタン接着剤、シール材ない
し結束材として特に好適に使用可能である。
【0055】本発明の二液型ポリウレタン用組成物を用
いたポリウレタン接着剤、シール材ないし結束材は、中
空繊維を用いた流体分離装置の繊維端部結束、及びシー
ル材として好適に使用可能である。このような態様にお
いて、上記した中空繊維の端部を結束密封する方法とし
ては、例えば特開昭57−58963号公報、特開昭5
7−58964号公報等に記載されているような遠心成
形法を用いることが可能である。
【0056】上記ポリウレタン接着剤、シール材ないし
結束材が適用されるべき中空繊維の材質ないし外径は特
に制限されないが、例えば、再生セルロース、セルロー
スアセテート、セルロースエステル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアクリ
ルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタアク
リレート、ポリウレタン、カゼイン、コラーゲン等の材
質からなるものが使用可能である。また、中空繊維の外
径は100〜500μm程度(更には200〜400μ
m程度)であることが好ましい。
【0057】本発明の二液型ポリウレタン用組成物(ポ
リウレタン接着剤、シール剤ないし結束剤等)を電気用
あるいは光ファイバ用のシール剤等として用いる場合に
は、該組成物に、充填剤、可塑剤、たれ防止剤等の公知
の添加剤を加えることが可能である。
【0058】以下に、実施例により本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。以下の実施例・比較例における「部」及び
「%」は、特に断らない限り全て重量基準(すなわち、
重量部、重量%)である。
【0059】
【実施例】製造例1 (イソシアネート基末端プレポリマー(A−1)製造
例)MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)56
部と、ポリプロピレングリコール/リシノール酸エステ
ル(分子量=1,000、水酸基価=112)44部と
を窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させ、NCO含量
15%、粘度1300cps(25℃)のイソシアネー
ト基末端プレポリマー(A−1)を得た。
【0060】製造例2 (イソシアネート基末端プレポリマー(A−2)製造
例)カルボジイミド変性MDI(イソシアネート含量2
9%)76部と、ポリプロピレングリコール/リシノー
ル酸エステル(分子量=2,000、水酸基価=56)
24部とを窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させ、N
CO含量21%、粘度450cps(25℃)のプレポ
リマー(A−2)を得た。
【0061】製造例3 (イソシアネート基末端プレポリマー(A−3)製造
例)トリレンジイソシアネート(TDI)20部と、ひ
まし油(分子量=950、水酸基価=160)41部と
を窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させ、NCO含量
7.9%、粘度70,000cps(25℃)のプレポ
リマーを得た。
【0062】引き続き、上記で得たプレポリマーに、カ
ルボジイミド変性MDI(イソシアネート含量29%)
39部を加え、窒素雰囲気下、50℃で4時間混合攪拌
して、NCO含量16%、粘度1,800cps(25
℃)のプレポリマー(A−3)を得た。
【0063】製造例4 (イソシアネート基末端プレポリマー(A−4)製造
例)MDI50部とトリメチロールプロパン/リシノー
ル酸エステル(分子量=630、水酸基価=270)2
5部とを窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させ、NC
O含量16%、粘度1800cps(25℃)のプレポ
リマーを得た。
【0064】引き続き、上記で得たプレポリマーに、イ
ソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート
(イソシアヌレート変性HDI)(イソシアネート含量
23%)25部を加え、窒素雰囲気下、50℃で4時間
混合攪拌し、NCO含量17%、粘度2,000cps
(25℃)のプレポリマー(A−4)を得た。
【0065】製造例5 (イソシアネート基末端プレポリマー(A−5)製造
例)TDI23部と、ひまし油(分子量=950、水酸
基価=160)50部とを窒素雰囲気下、70℃で4時
間反応させ、NCO含量7%、粘度95,000cps
(25℃)のプレポリマーを得た。
【0066】引き続き、上記で得たプレポリマーに、カ
ルボジイミド変性MDI(イソシアネート含量29%)
27部を加え、窒素雰囲気下、50℃で4時間混合攪拌
して、NCO含量13%、粘度6,500cps(25
℃)のプレポリマー(A−5)を得た。
【0067】製造例6 (イソシアネート基末端プレポリマー(A−6)製造
例)MDI56部と、ポリプロピレングリコール(分子
量=1,000、水酸基価=112)44部とを窒素雰
囲気下、70℃で4時間反応させ、NCO含量15%、
粘度950cps(25℃)のプレポリマー(A−6)
を得た。
【0068】製造例7 (アミノ安息香酸エステル合成例)1リットルの四つ口
フラスコに、数平均分子量1,000のポリテトラメチ
レングリコール200gと、トリエチルアミン48g
と、ベンゼン200mlとを入れ、ポリテトラメチレン
グリコール溶液を調製した。別に、p−ニトロベンゾイ
ルクロライド74.2gをベンゼン200mlに溶解
し、滴下反応用に調製しておいた。
【0069】上記で得たポリテトラメチレングリコール
溶液を攪拌下40〜50℃に加熱しておき、上記p−ニ
トロベンゾイルクロライド溶液を、2時間かけて該ポリ
テトラメチレングリコール溶液に滴下した。滴下終了後
昇温し、環流下1.5時間反応を行った。放冷後、反応
液を瀘過して、析出しているトリエチルアミンの塩酸塩
を除き、得られた瀘液を減圧下に濃縮して、ジニトロ中
間体を得た。
【0070】次に、2リットル四つ口フラスコに、鉄粉
122.8gと、酢酸(触媒)6gと、溶剤のトルエン
500mlと、水200mlとを入れた。別に、上記の
反応で得たジニトロ中間体をトルエン200mlに溶解
し、滴下反応用に調製しておいた。
【0071】上記で得た鉄粉および触媒を含む溶液を攪
拌しながら加熱し、環流下で該溶液に、上記ジニトロ中
間体溶液を1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、環
流下の同温度で5時間反応を行った。
【0072】得られた反応混合物に炭酸水素ナトリウム
を加えて酢酸を中和した後、熱時瀘過して鉄スラッジを
除き、更に水を分液により除去した。次いでトルエンを
留去し、アミノ安息香酸エステルたるポリテトラメチレ
ングリコール ビス(p−アミノベンゾエート)を得
た。このアミノ安息香酸エステルの数平均分子量は1,
240(GPCにより測定)、アミン価は91KOHm
g/gであった。
【0073】製造例8 (硬化剤B−1製造例)ひまし油(分子量=950、水
酸基価=160):22部と、N,N,N´,N´−テ
トラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
(分子量=295、水酸基価=760)8部と、製造例
7で得られたポリテトラメチレングリコール ビス(p
−アミノベンゾエート)(分子量1240、アミン価=
91)70部とを、窒素雰囲気下、50℃で2時間混合
攪拌し、活性水素含有量(KOHmg/g)160、粘
度2,500cps(25℃)の硬化剤(B−1)を得
た。
【0074】製造例9 (硬化剤B−2製造例)脱水ひまし油(分子量=95
0、水酸基価=118)50部と、製造例7で得られた
ポリテトラメチレングリコール ビス(2−アミノベン
ゾエート)(分子量1240、アミン価=91)50部
とを、窒素雰囲気下、50℃で2時間混合攪拌し、活性
水素含有量(KOHmg/g)104、粘度1,900
cps(25℃)の硬化剤(B−2)を得た。
【0075】製造例10 (硬化剤B−3製造例)ひまし油(分子量=950、水
酸基価=160)53部と、N,N,N´,N´−テト
ラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
(分子量=295、水酸基価=760)17部と、製造
例7で得られたポリテトラメチレングリコール ビス
(p−アミノベンゾエート)(分子量1,240、アミ
ン価=91)30部とを、窒素雰囲気下、50℃で2時
間混合攪拌し、活性水素含有量(KOHmg/g)24
0、粘度2,200cps(25℃)の硬化剤(B−
3)を得た。
【0076】製造例11 (硬化剤B−4製造例)ポリプロピレングリコール(分
子量=1,000、水酸基価=112)64部と、N,
N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)
エチレンジアミン(分子量=270、水酸基価=82
0)16部と、製造例7で得られたポリテトラメチレン
グリコール/アミノ安息香酸エステル(分子量1,24
0、アミン価=91)20部とを、窒素雰囲気下、50
℃で2時間混合攪拌し、活性水素含有量(KOHmg/
g)240、粘度2,200cps(25℃)の硬化剤
(B−4)を得た。
【0077】製造例12 (硬化剤B−5製造例)ひまし油(分子量=950、水
酸基価=160)80部と、N,N,N´,N´−テト
ラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
(分子量=295、水酸基価=760)20部とを、窒
素雰囲気下、50℃で2時間混合攪拌し、活性水素含有
量(KOHmg/g)280、粘度1,000cps
(25℃)の硬化剤(B−5)を得た。
【0078】製造例13 (硬化剤B−6製造例)脱水ひまし油(分子量=95
0、水酸基価=118)75部と、N,N,N´,N´
−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジア
ミン(分子量=295、水酸基価=760)25部と
を、窒素雰囲気下、50℃で2時間混合攪拌し、活性水
素含有量(KOHmg/g)280、粘度950cps
(25℃)の硬化剤(B−6)を得た。
【0079】実施例1〜4及び比較 例1〜4 上記製造例1〜4で製造したイソシアネート基末端プレ
ポリマー(A−1)〜(A−4)のプレポリマーと、上
記製造例8〜11で製造した硬化剤(B−1)〜(B−
4)の硬化剤とを、樹脂温度25℃、NCO/OH当量
比1.05にて下記表1に示すように組み合わせ、以下
の評価を行った。
【0080】また、上記イソシアネート基末端プレポリ
マー(A−1)、(A−3)、及び製造例5〜6で製造
した(A−5)、(A−6)のプレポリマーと、上記硬
化剤(B−1)、および製造例12〜13で製造した
(B−5)、(B−6)の硬化剤とを、上記実施例と同
様に下記表1に示すように組み合わせて用いて、同様の
評価を行った。
【0081】
【表1】
【0082】<評価方法>混合粘度 樹脂温度25℃、NCO/OH当量比1.05で100
g(合計重量)配合し、均一混合した直後の粘度を測定
した。
【0083】粘度計機種名:(株)トキメック製、商品
名DVL−BII ローターNo:3 ローター回転数:30rpm 測定雰囲気:25℃ゲル化時間 前述した「ゲル化時間測定法」に従って、樹脂温度25
℃、NCO/OH当量比1.05で100g(合計重
量)配合し、均一混合した上記組成物のゲル化時間を測
定した。
【0084】樹脂充填状態、気泡残 留状態、溶出物試験 グリセリン含有量:150重量%、水分量:5重量%の
中空糸(外径:260μm、内径:200μm、長さ:
20cm)10,000本を配置したモールド(型)中
に、上記で得たシール・結束用組成物(表1)40gを
注入した。該注入後、遠心成型法により接着し、上記中
空糸同士の結束・接着および該中空糸のハウジング(材
質:ポリカーボネート)への封止接着(シール)を行っ
た。該封止接着後、40℃で1日(24時間)放置し
て、上記組成物を硬化させた。
【0085】上記硬化後、中空糸間への樹脂充填状態、
気泡残留状態、および中空糸接着部溶出物の評価を行っ
た。
【0086】樹脂充填状態 上記した40℃、1日の硬化後、中空糸同士の接着部分
を横方向(中空糸の長手方向に対して垂直の方向)に約
2mm厚にスライスし、ポリウレタンによる中空糸接着
部における中空糸間への樹脂未充填部分の有無を、倍率
50倍のマイクロスコープ観察により評価した。
【0087】気泡残留状態 上記した40℃、1日の硬化後、中空糸同士の接着部分
を、上記と同様に横方向に約2mm厚にスライスし、ポ
リウレタンによる中空糸接着部の中空糸周辺部における
残留気泡の有無を、倍率50倍のマイクロスコープによ
り評価した。
【0088】中空糸接着部溶出物 下記の「透析型人工腎臓装置承認基準V−4」に準じ、
中空糸接着部溶出物の量を「吸光度」を用いて測定した
(溶出物は、40℃、3日(72時間)硬化後に測定し
た)。
【0089】<透析型人口腎臓装置承認基準V−4>中
空糸型透析器にあっては、透析器1本分の中空糸接着部
を切り取り、約1cm角の大きさに切断する。これに水
200mlを加え、40℃で2時間緩やかに振とう、加
温する。冷後上澄液1.0mlをとり、水を加えて正確
に50mlとする。この液を試験液とし、水を対照とし
て、層長10mmで波長280〜240nmにおける吸
光度を日局(日本薬局方)の吸光度測定法により測定す
るとき、その吸光度は0.05以下でなければならな
い。
【0090】上記したシール・結束剤としての性能試験
結果を、下記表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】上記表2に示したように、実施例1〜5の
シール・結束剤用組成物を用いた場合には、発泡による
残留気泡が無く、また混合粘度が低いことに基づき、作
業性、中空糸間への充填状態も良好で、中空糸同士、お
よび中空糸−ハウジング間の完全な接着が達成された。
更に、溶出物も低いレベルであり何等問題は無かった。
【0093】これに対して、比較例1、2のシール・結
束剤用組成物を用いた場合には、混合粘度が低いことに
基づき、作業性、中空糸間への充填状態に問題は無かっ
たが、発泡による気泡の残留が多く、しかも溶出物も基
準値をはるかに越えていたため、溶出物基準に不適であ
った。
【0094】他方、比較例3のシール・結束剤用組成物
を用いた場合には、溶出物基準の点では合格であった
が、高粘度であるため中空糸間への樹脂充填状態が悪
く、発泡が見られた。
【0095】比較例4のシール・結束剤用組成物を用い
た場合には、中空糸間への充填状態は良好で、溶出物基
準の点でも合格であったが、発泡による気泡の残留が多
く、この点で不適であった。
【0096】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、イソシ
アネート化合物と、ひまし油系ポリオールとの反応によ
り形成されるイソシアネート基末端プレポリマーからな
るポリイソシアネートと;下記一般式(化4)
【0097】
【化4】
【0098】(上記式中、Rは2価〜3価のポリオール
反応残基を示し、nは2〜3の数を示す。)で表される
アミノ安息香酸エステルと、ポリオールとを重量比1
0:90〜90:10の範囲で含む硬化剤と;から構成
される二液型ポリウレタン用組成物が提供される。
【0099】本発明の二液型ポリウレタン用組成物を用
いた場合、その優れた含浸性と接着性とに基づき、溶出
物量の低下のみならず発泡の低減化が可能となるため、
該組成物は、例えば、ポリウレタン接着剤、シール材な
いし結束材として好適に使用可能である。
【0100】したがって、本発明の二液型ポリウレタン
用組成物は、接着シール性能の向上、ならびに、溶出物
の低減化が要請される分野、例えば、中空繊維分離膜を
用いた医療用、工業用流体分離装置の中空繊維シール材
ないし結束材として特に好適に使用可能である。中で
も、本発明の二液型ポリウレタン用組成物を用いた場合
には、中空繊維接着部での溶出物を大幅に低下させるこ
とが可能であるため、血液等の体液との直接接触に基づ
き特に高い安全性が要請される医療用流体分離装置に極
めて好適に使用可能である。
【0101】本発明の二液型ポリウレタン用組成物が好
適に利用可能な、上記医療用ないし工業用流体分離装置
としては、血漿分離器、人工臓器(人口肺、人口腎臓、
人口肝臓等)、家庭用・工業用水処理装置等を例示する
ことができる。
【0102】更には、本発明の二液型ポリウレタン用組
成物は、その含浸性および接着性を活かして、電気用、
光ファイバー等のシール材および/又は結束材としても
好ましく使用可能である。
【0103】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアネート化合物と、ひまし油系ポ
    リオールとの反応により形成されるイソシアネート基末
    端プレポリマーからなるポリイソシアネートと;下記一
    般式(化1) 【化1】 (上記式中、Rは2価〜3価のポリオール反応残基を示
    し、nは2〜3の数を示す。)で表されるアミノ安息香
    酸エステルと、ポリオールとを重量比10:90〜9
    0:10の範囲で含む硬化剤と;から構成されることを
    特徴とする二液型ポリウレタン用組成物。
  2. 【請求項2】 前記イソシアネート化合物が、芳香族イ
    ソシアネート、または、芳香族イソシアネート/脂肪族
    イソシアネート混合系からなる請求項1記載の二液型ポ
    リウレタン用組成物。
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