JPH0799596B2 - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
光記録媒体及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0799596B2 JPH0799596B2 JP63313751A JP31375188A JPH0799596B2 JP H0799596 B2 JPH0799596 B2 JP H0799596B2 JP 63313751 A JP63313751 A JP 63313751A JP 31375188 A JP31375188 A JP 31375188A JP H0799596 B2 JPH0799596 B2 JP H0799596B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nitrogen
- optical recording
- recording medium
- layer
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、レーザー光等を用いて情報の記録又は/及び
再生を行なう光記録媒体に関し、更に詳しくはその保護
層及び/又はエンハンス層として透明電解体層を有する
光記録媒体に関する。
再生を行なう光記録媒体に関し、更に詳しくはその保護
層及び/又はエンハンス層として透明電解体層を有する
光記録媒体に関する。
<従来の技術> 光記録媒体は、高密度,大容量記録が可能な媒体として
近年注目をあびている。
近年注目をあびている。
例えば光磁気記録媒体もその一つである。光磁気記録媒
体の記録層に用いられる磁性材料には、GdFe,TbFe,TbFe
Co,CdTbFe,TbCo,NdDyFeCo,TbNdDyFeCo,NdFeGdCo等、希
土類金属と遷移金属の非晶質磁性合金膜が有望視されて
いる。しかしTb等の希土類金属は耐蝕性に劣る為、記録
層製膜後の酸化を防止する必要がある。この酸化防止法
としては記録層の上下にAIN,SiO2,Si2N4,TiN等の透明な
誘電体保護層を設けたり、記録層に窒化,炭化,水素
化,フッ化処理を施したり、あるいはPt,Ti,Al等を添加
した磁性材料を用いることが有効であることが報告され
ている。
体の記録層に用いられる磁性材料には、GdFe,TbFe,TbFe
Co,CdTbFe,TbCo,NdDyFeCo,TbNdDyFeCo,NdFeGdCo等、希
土類金属と遷移金属の非晶質磁性合金膜が有望視されて
いる。しかしTb等の希土類金属は耐蝕性に劣る為、記録
層製膜後の酸化を防止する必要がある。この酸化防止法
としては記録層の上下にAIN,SiO2,Si2N4,TiN等の透明な
誘電体保護層を設けたり、記録層に窒化,炭化,水素
化,フッ化処理を施したり、あるいはPt,Ti,Al等を添加
した磁性材料を用いることが有効であることが報告され
ている。
上記の内、記録層に各種処理を施したり、各種金属を添
加したりする方法は、成膜初期の段階でカー回転角等の
低下が見られ、今後更に検討の余地がある。
加したりする方法は、成膜初期の段階でカー回転角等の
低下が見られ、今後更に検討の余地がある。
一方保護層を設ける方法は耐食性が良く、膜厚,屈折率
の最適化を図ることによってエンハンス層としてのカー
回転角のエンハンスメント効果もあり、成膜後の記録層
の劣化防止法としては有力な手段である。
の最適化を図ることによってエンハンス層としてのカー
回転角のエンハンスメント効果もあり、成膜後の記録層
の劣化防止法としては有力な手段である。
<発明が解決しようとする問題点> そこで本発明者らは保護層に透明誘電体層を用いる構成
に着目し、種々検討の結果、In又/及びSnの酸化物から
なる透明誘電体層が高分子樹脂基板との接着性が良く靱
性に富んでいる為、耐候試験においても亀裂、剥離が生
じないことが見出し、その検討を進めてきた。
に着目し、種々検討の結果、In又/及びSnの酸化物から
なる透明誘電体層が高分子樹脂基板との接着性が良く靱
性に富んでいる為、耐候試験においても亀裂、剥離が生
じないことが見出し、その検討を進めてきた。
ところがこれらの酸化物具体的にはITO(Indium−Tin−
Oxide),In2O3膜等をスパッタリング法で形成し、光磁
気記録媒体の誘電体としたディスクはノイズレベルが高
いことが確認された。特にスパッタガス圧が低いほどノ
イズレベルが高くて膜応力も大きく、基板に反りが生
じ、膜に亀裂が発生し易いことが確認された。
Oxide),In2O3膜等をスパッタリング法で形成し、光磁
気記録媒体の誘電体としたディスクはノイズレベルが高
いことが確認された。特にスパッタガス圧が低いほどノ
イズレベルが高くて膜応力も大きく、基板に反りが生
じ、膜に亀裂が発生し易いことが確認された。
これらの原因を調べる為、上記酸化膜のX線分析を行な
った結果、低ガス圧で成膜したものほど結晶化が進んで
いることが分かった。従ってこの膜の結晶化と膜の内部
応力の増加及びノズルレベルの上昇の間に相関があるも
のと推察される。
った結果、低ガス圧で成膜したものほど結晶化が進んで
いることが分かった。従ってこの膜の結晶化と膜の内部
応力の増加及びノズルレベルの上昇の間に相関があるも
のと推察される。
そこで、スパッタガス圧を高くし、膜の内部応力を低下
させることを検討したが、膜の緻密さが低下し、保護機
能と共に光学特性具体的には屈折率が低下し、エンハン
ス層としてのカー回転角のエンハンスメント効果も小さ
くなることが分かった。
させることを検討したが、膜の緻密さが低下し、保護機
能と共に光学特性具体的には屈折率が低下し、エンハン
ス層としてのカー回転角のエンハンスメント効果も小さ
くなることが分かった。
従って、本発明は、保護層又は/及びエンハンス層に用
いられる透明誘電体層として優れた特性を有するIn又は
/及びSnの酸化物の上述の欠陥を改良し、その特徴を保
持しつつその欠点のないすなわち内部応力により反りが
なく、大きなエンハンスメント効果も得られる光記録媒
体を第1の目的とし、該光記録媒体の生産性の良い製造
方法を第2の目的とするものである。
いられる透明誘電体層として優れた特性を有するIn又は
/及びSnの酸化物の上述の欠陥を改良し、その特徴を保
持しつつその欠点のないすなわち内部応力により反りが
なく、大きなエンハンスメント効果も得られる光記録媒
体を第1の目的とし、該光記録媒体の生産性の良い製造
方法を第2の目的とするものである。
<問題点を解決するための手段及びその作用> 上記の目的は以下の本発明により達成される。すなわち
本発明は、前述の保護層又は/及びエンハンス層として
透明誘電体層を有する光記録媒体において、前記透明誘
電体層がインジウム(In)及び錫(Sn)の窒素含有酸化
物からなることを特徴とする光記録媒体を第1の発明と
し、第1の発明の光記録媒体の製造方法において、前記
窒素含有酸化物層を、インジウム及び錫の酸化物をター
ゲットとして、不活性ガスに窒素を含有させた反応性ガ
スよりなる窒素雰囲気下のスパッタリングにより形成す
ることを特徴とする光記録媒体の製造方法を第2の発明
とするものである。
本発明は、前述の保護層又は/及びエンハンス層として
透明誘電体層を有する光記録媒体において、前記透明誘
電体層がインジウム(In)及び錫(Sn)の窒素含有酸化
物からなることを特徴とする光記録媒体を第1の発明と
し、第1の発明の光記録媒体の製造方法において、前記
窒素含有酸化物層を、インジウム及び錫の酸化物をター
ゲットとして、不活性ガスに窒素を含有させた反応性ガ
スよりなる窒素雰囲気下のスパッタリングにより形成す
ることを特徴とする光記録媒体の製造方法を第2の発明
とするものである。
上述の通り、本発明の透明誘電体層は、In及びSnの酸化
物に窒素含有せしめたものてであり、驚くべきことに、
この窒素含有により透明誘電体層として従来より公知の
酸化物,窒化物の単独膜に対して、実施例に示す通り、
媒体の反りを左右する内部応力が数分の1以下と大巾に
低下する。又エンハンスメント効果に直結する屈折率も
ITO(Indium−Tin−Oxide)膜等の酸化物膜より増加
し、更に水蒸気等に対するガスバリヤ性も向上する。一
方接着性もITO膜と同様良好で、AlSiN等の窒素膜よりは
るかに優れている。そして上記内部応力は膜形成時のガ
ス圧の広範囲において得られており、安定生産面でも有
利である。
物に窒素含有せしめたものてであり、驚くべきことに、
この窒素含有により透明誘電体層として従来より公知の
酸化物,窒化物の単独膜に対して、実施例に示す通り、
媒体の反りを左右する内部応力が数分の1以下と大巾に
低下する。又エンハンスメント効果に直結する屈折率も
ITO(Indium−Tin−Oxide)膜等の酸化物膜より増加
し、更に水蒸気等に対するガスバリヤ性も向上する。一
方接着性もITO膜と同様良好で、AlSiN等の窒素膜よりは
るかに優れている。そして上記内部応力は膜形成時のガ
ス圧の広範囲において得られており、安定生産面でも有
利である。
また本発明のIn及びSnの窒素含有酸化物は1部微結晶を
含む場合もあるがアモルファスが主体であり、耐久性面
及び光学特性の均一化従ってノイズレベルの低下面でも
一層有利である。特にこの点で全アモルファスのものが
好ましい。
含む場合もあるがアモルファスが主体であり、耐久性面
及び光学特性の均一化従ってノイズレベルの低下面でも
一層有利である。特にこの点で全アモルファスのものが
好ましい。
かかる作用は、1at%以下という微量の窒素含有量にお
いても確認されており、従って本発明の窒素含有のIn及
びSnの酸化物の窒素含有量は基本的には特に制限はな
い。但し、窒素含有量の増加に伴なって高分子樹脂との
接着性が低下する傾向があり、かかる面から、窒素含有
量は、40at%以下が好ましい。又、内部応力,屈折率の
面からは、窒素含有量は、1at%以上が好ましい。
いても確認されており、従って本発明の窒素含有のIn及
びSnの酸化物の窒素含有量は基本的には特に制限はな
い。但し、窒素含有量の増加に伴なって高分子樹脂との
接着性が低下する傾向があり、かかる面から、窒素含有
量は、40at%以下が好ましい。又、内部応力,屈折率の
面からは、窒素含有量は、1at%以上が好ましい。
なお、上記窒素含有量は、膜中に含まれる全窒素を含む
もので、窒化物等あらゆる形態で含まれる窒素を包含す
るものである。
もので、窒化物等あらゆる形態で含まれる窒素を包含す
るものである。
又上記本発明の窒素含有のIn及びSnの酸化物のIn,Snの
含有量はこの双方を同時に含むもの全てを包含するが、
Snが増すと若干着色傾向があり、透明性面からSnの含有
量はInとSnの合計に対して50at%以下が好ましい。
含有量はこの双方を同時に含むもの全てを包含するが、
Snが増すと若干着色傾向があり、透明性面からSnの含有
量はInとSnの合計に対して50at%以下が好ましい。
更に屈折率を高くするという面からは、高屈折率の透明
誘電体を添加することが好ましい。かかる透明誘電体と
しては、ZnS,Ta2O5,TiO2,ZrO2,Al2O3等を挙げることが
できる。なお、添加量は必要な屈折率に応じて選定す
る。
誘電体を添加することが好ましい。かかる透明誘電体と
しては、ZnS,Ta2O5,TiO2,ZrO2,Al2O3等を挙げることが
できる。なお、添加量は必要な屈折率に応じて選定す
る。
以上の本発明の窒素含有酸化物の透明誘電体の形成法
は、スパッタリング法に代表される気相中から基板上に
薄膜を堆積させる気相薄膜形成法であれば特に限定され
ず、、スパッタリング法の他に真空蒸着法,イオンプレ
ーティング法,ECR法等のPVD法,更にはCVD法,等の公知
の気相薄膜形成法も適用出来、これらの膜形成方法を用
い必要に応じて同時スパッタあるいは蒸着等あるいは単
元スパッタあるいは蒸着等を行なう。
は、スパッタリング法に代表される気相中から基板上に
薄膜を堆積させる気相薄膜形成法であれば特に限定され
ず、、スパッタリング法の他に真空蒸着法,イオンプレ
ーティング法,ECR法等のPVD法,更にはCVD法,等の公知
の気相薄膜形成法も適用出来、これらの膜形成方法を用
い必要に応じて同時スパッタあるいは蒸着等あるいは単
元スパッタあるいは蒸着等を行なう。
又、そのスパッタまたは真空蒸着等の蒸発源はIn金属及
びSn金属、又はこれらの合金,あるいはITO等の酸化物
であってもよい。そして反応性の薄膜形成法で成膜する
場合の膜形成に用いる反応性ガスは所定の含有量の窒素
ガスあるいは窒素/酸素混合ガスを有するものであれば
よい。なお、蒸発源にNを含む混合物を用いる場合は、
Ar100%の不活性ガス雰囲気下でもよい。又上述の高屈
折率誘電体を添加する場合はこれら誘電体を所定量添加
した混合物を蒸発源として用いれば良い。
びSn金属、又はこれらの合金,あるいはITO等の酸化物
であってもよい。そして反応性の薄膜形成法で成膜する
場合の膜形成に用いる反応性ガスは所定の含有量の窒素
ガスあるいは窒素/酸素混合ガスを有するものであれば
よい。なお、蒸発源にNを含む混合物を用いる場合は、
Ar100%の不活性ガス雰囲気下でもよい。又上述の高屈
折率誘電体を添加する場合はこれら誘電体を所定量添加
した混合物を蒸発源として用いれば良い。
ところで上述の形成法の中でも、In及びSnの酸化物から
なるターゲットを用い、不活性ガスに窒素を所定量含有
せしめた反応性ガス雰囲気下でのスパッタリングにより
形成する反応性スパッタリング法が、高速製膜が可能で
生産性に優れ、膜質に対するスパッタ条件も広く安定生
産ができ、更に酸化雰囲気とならないので、次段の記録
形成に際し、連続化等の面で有利であり、本発明の光記
録媒体の製造には特に好ましい。更にこの不活性ガス中
への窒素の添加により、DCの反応性スパッタで問題とな
る異常放電がなくなり、スパッタが安定となり生産性が
向上する効果がある。
なるターゲットを用い、不活性ガスに窒素を所定量含有
せしめた反応性ガス雰囲気下でのスパッタリングにより
形成する反応性スパッタリング法が、高速製膜が可能で
生産性に優れ、膜質に対するスパッタ条件も広く安定生
産ができ、更に酸化雰囲気とならないので、次段の記録
形成に際し、連続化等の面で有利であり、本発明の光記
録媒体の製造には特に好ましい。更にこの不活性ガス中
への窒素の添加により、DCの反応性スパッタで問題とな
る異常放電がなくなり、スパッタが安定となり生産性が
向上する効果がある。
なお、上述の反応性スパッタリング法の反応性ガスのN2
含有量は、目的とする膜質によって異なり特に制限され
ない。前述の通り本発明の窒素含有酸化物は非常に微量
の窒素が含まれるのみで充分効果が得られるものであ
り、従って反応ガスの下限は、窒素が含まれれば良く、
特に限定されない。なお、その上限は特になく、100%N
2ガス雰囲気でも良いが、得られる透明誘電体の接着性
等の低下より通常50Vol%以下が好ましい。
含有量は、目的とする膜質によって異なり特に制限され
ない。前述の通り本発明の窒素含有酸化物は非常に微量
の窒素が含まれるのみで充分効果が得られるものであ
り、従って反応ガスの下限は、窒素が含まれれば良く、
特に限定されない。なお、その上限は特になく、100%N
2ガス雰囲気でも良いが、得られる透明誘電体の接着性
等の低下より通常50Vol%以下が好ましい。
ところで、本発明が適用される光記録媒体は基板上に誘
電体層,記録層を形成したものであればよく、更にその
上に金属層,保護層,更に保護平板等必要に応じて設け
てもよいことは云うまでもない。
電体層,記録層を形成したものであればよく、更にその
上に金属層,保護層,更に保護平板等必要に応じて設け
てもよいことは云うまでもない。
ここで記録層にはレーザを照射することによって相変化
するもの、バルブを形成するもの、磁化反転するもの等
が挙げられるが、特に前述の希土類一遷移金属の非結晶
合金より成る光磁気記録層はノイズレベルの改善が特性
向上の重要なポイントであり、本発明が極めて有効であ
る。そしてその基板には、PMMA,ポリカーボネート,エ
ポキシ系等の高分子樹脂基板及びガラス基板等があげら
れるが、特に安価で温度特性,寸法安定性のよりポリカ
ーボネートが好んで用いられる。
するもの、バルブを形成するもの、磁化反転するもの等
が挙げられるが、特に前述の希土類一遷移金属の非結晶
合金より成る光磁気記録層はノイズレベルの改善が特性
向上の重要なポイントであり、本発明が極めて有効であ
る。そしてその基板には、PMMA,ポリカーボネート,エ
ポキシ系等の高分子樹脂基板及びガラス基板等があげら
れるが、特に安価で温度特性,寸法安定性のよりポリカ
ーボネートが好んで用いられる。
また、本発明の窒素含有酸化物層を用いた光記録媒体を
形成するに際し、記録層特に前述の光磁気記録層と接す
る界面にTi金属、またはこのTiとCr及び/またはReとの
合金からなる50Å以下、好ましくは20Å以下の金属薄膜
を設けることは、H2O,O2などのガスバリヤ性を改善する
上で、また界面を安定化する上で好ましい。特に、この
層として少なくともTiとReを含む合金,特に5at%以上
のReを含むTiReまたはTiCrRe合金が好ましい。
形成するに際し、記録層特に前述の光磁気記録層と接す
る界面にTi金属、またはこのTiとCr及び/またはReとの
合金からなる50Å以下、好ましくは20Å以下の金属薄膜
を設けることは、H2O,O2などのガスバリヤ性を改善する
上で、また界面を安定化する上で好ましい。特に、この
層として少なくともTiとReを含む合金,特に5at%以上
のReを含むTiReまたはTiCrRe合金が好ましい。
以上のIn及びSnの窒素含有酸化物を透明誘電体層とした
本発明により、長時間の耐候試験に於いても亀裂剥離の
生じない、しかも記録層の酸化による特性の低下がない
高信頼性の光記録媒体を得ることができる。
本発明により、長時間の耐候試験に於いても亀裂剥離の
生じない、しかも記録層の酸化による特性の低下がない
高信頼性の光記録媒体を得ることができる。
以下、本発明を光磁気記録媒体に適用した実施例につい
て図を参照しながら説明する。
て図を参照しながら説明する。
<実施例1,比較例1,2> 本実施例の透明誘電体層に用いるIn,Snの窒素含有酸化
物膜として窒素含有ITO(インジウム,錫酸化物)膜(I
TON)(実施例1)をRfマグネトロンスパッタ装置によ
り、ITO(SnO2含有量10mol%)をターゲットとして、窒
素を含有したアルゴンガスを導入した窒素雰囲気下の反
応性スパッタリングにより、ポリカーボネート基板上に
成膜して評価した。なおスパッタ条件はスパッタガス組
成がAr/N2=90/10(Vol%),スパッタガス圧が2mmTor
r,スパッタパワーが4W/cm2であった。
物膜として窒素含有ITO(インジウム,錫酸化物)膜(I
TON)(実施例1)をRfマグネトロンスパッタ装置によ
り、ITO(SnO2含有量10mol%)をターゲットとして、窒
素を含有したアルゴンガスを導入した窒素雰囲気下の反
応性スパッタリングにより、ポリカーボネート基板上に
成膜して評価した。なおスパッタ条件はスパッタガス組
成がAr/N2=90/10(Vol%),スパッタガス圧が2mmTor
r,スパッタパワーが4W/cm2であった。
得られたITON膜の窒素含有量は反応炉の入口部温度を90
0℃に設定したドーマン法により分析した結果より8at%
であった。そしてこのITON膜を2000Å膜厚に形成してX
線解析した結果アモルファスであることが確認された。
更にその内部応力を、薄膜を顕微鏡用カバーガラス上に
形成し、反りの程度を測定し、その反り量から計測する
方法により測定した。その結果を第1表に示す。
0℃に設定したドーマン法により分析した結果より8at%
であった。そしてこのITON膜を2000Å膜厚に形成してX
線解析した結果アモルファスであることが確認された。
更にその内部応力を、薄膜を顕微鏡用カバーガラス上に
形成し、反りの程度を測定し、その反り量から計測する
方法により測定した。その結果を第1表に示す。
次に上記ITON膜を透明誘電体層とした5.25″のディスク
状の光磁気記録媒体(実施例1)を作成し、評価した。
状の光磁気記録媒体(実施例1)を作成し、評価した。
第1図は、実施例1の光磁気記録媒体の構成を示す断面
図である。第1図において、(11)はポリカーボネート
基板、(12)は上述のようにして形成したITON膜(膜厚
は800Å)よりなる透明誘電体層、(13)は同じスパッ
タリング法によりAr100%ガスを用いて形成したTi膜
(膜厚20Å)からなる金属保護層,(14)は同じスパッ
タリング法によりAr100%ガスを用いて形成したTb23Fe
66Co11非晶質合金膜(膜厚400Å)からる記録層、(1
5)は同じスパッタリング法によりAr100%ガスを用いて
形成したTi膜(膜厚1000Å)からなる背面保護層であ
る。
図である。第1図において、(11)はポリカーボネート
基板、(12)は上述のようにして形成したITON膜(膜厚
は800Å)よりなる透明誘電体層、(13)は同じスパッ
タリング法によりAr100%ガスを用いて形成したTi膜
(膜厚20Å)からなる金属保護層,(14)は同じスパッ
タリング法によりAr100%ガスを用いて形成したTb23Fe
66Co11非晶質合金膜(膜厚400Å)からる記録層、(1
5)は同じスパッタリング法によりAr100%ガスを用いて
形成したTi膜(膜厚1000Å)からなる背面保護層であ
る。
上記実施例1の光磁気記録媒体について70℃90%RHの耐
候試験を行なった。通常記録層(14)の材料が酸化した
場合、保持力,カー回転角が低下するが、実施例1の光
磁気記録媒体は1000時間以上亀裂,剥離および保持力,
カー回転角の劣化は認められなかった。又本実施例1の
ノイズレベルを測定したところ第1表の結果を得た。
候試験を行なった。通常記録層(14)の材料が酸化した
場合、保持力,カー回転角が低下するが、実施例1の光
磁気記録媒体は1000時間以上亀裂,剥離および保持力,
カー回転角の劣化は認められなかった。又本実施例1の
ノイズレベルを測定したところ第1表の結果を得た。
比較の為にITOターゲットをAr100%及びAr/O2=90/10
(Vol%)の雰囲気中でスパッタリングして形成した各I
TO膜(比較例1,2)の評価を行なった。成膜条件はスパ
ッタガス以外全て実施例と等しくした。
(Vol%)の雰囲気中でスパッタリングして形成した各I
TO膜(比較例1,2)の評価を行なった。成膜条件はスパ
ッタガス以外全て実施例と等しくした。
形成したITO膜(膜厚2000Å)をX線解析した結果、比
較例1のAr100%、比較例2のAr/O2=90/10の各雰囲気
中で形成した各ITO膜は両者とも膜が結晶化しているこ
とが確認された。
較例1のAr100%、比較例2のAr/O2=90/10の各雰囲気
中で形成した各ITO膜は両者とも膜が結晶化しているこ
とが確認された。
更に第1表に上記条件で成膜した比較例1,2の各誘電体
膜の内部応力及び実施例1のITONに替えてこれを用いた
同構成の光磁気記録媒体のノイズレベル測定結果を示し
た。なお、表のノイズレベルは1mWをOdBの基準にとった
場合のdBmで示してある。また、ノイズレベルはディス
ク回転1800rpm,記録周波数2MHz,ディスク位置30mmR,ま
たスペクトルアナライザー入力インピーダンスは50Ωの
条件で得た値である。
膜の内部応力及び実施例1のITONに替えてこれを用いた
同構成の光磁気記録媒体のノイズレベル測定結果を示し
た。なお、表のノイズレベルは1mWをOdBの基準にとった
場合のdBmで示してある。また、ノイズレベルはディス
ク回転1800rpm,記録周波数2MHz,ディスク位置30mmR,ま
たスペクトルアナライザー入力インピーダンスは50Ωの
条件で得た値である。
これによれば比較例の従来のITO膜は本発明の実施例のI
TON膜に比べ内部応力,ノイズレベル何れも大きく本発
明によってこれらが改善されることが確認された。ま
た、トンネル顕微鏡により実施例及び比較例で作成した
誘電体膜の表面を観察したところ、ITON膜は極めてなめ
らか、一方ITO膜は荒れが大きく構造の違いが示され
た。
TON膜に比べ内部応力,ノイズレベル何れも大きく本発
明によってこれらが改善されることが確認された。ま
た、トンネル顕微鏡により実施例及び比較例で作成した
誘電体膜の表面を観察したところ、ITON膜は極めてなめ
らか、一方ITO膜は荒れが大きく構造の違いが示され
た。
(実施例2) 5.25″のディスク状ポリカーボネート基板(11)上に、
ITOターゲット(SnO2含有量20mol%)を用い、RFマグネ
トロンスパッタリング法により下記条件下で700Åの窒
素含有酸化物の透明誘電体層(12)を形成した。形成条
件はスパッタガス圧10mmTorr,スパッタパワー3W/cm2,ス
パッタガスはAr/N2=70/30であった。次に金属薄膜層
(13)及び記録層(14)として同じくRFマグネトロンス
パッタリング法によりTi60Cr30Re10合金ターゲット(添
字at%)及びNd5Dy15Tb8Fe60Co12合金ターゲット(添字
at%)より、スパッタガス圧10mmTorr,スパッタパワー3
W/cm2,スパッタガスAr100%の条件で、それぞれ膜厚15
ÅのTiCrRe合金膜及び膜厚200ÅのNdDyTbFeCo合金膜を
順次形成した。
ITOターゲット(SnO2含有量20mol%)を用い、RFマグネ
トロンスパッタリング法により下記条件下で700Åの窒
素含有酸化物の透明誘電体層(12)を形成した。形成条
件はスパッタガス圧10mmTorr,スパッタパワー3W/cm2,ス
パッタガスはAr/N2=70/30であった。次に金属薄膜層
(13)及び記録層(14)として同じくRFマグネトロンス
パッタリング法によりTi60Cr30Re10合金ターゲット(添
字at%)及びNd5Dy15Tb8Fe60Co12合金ターゲット(添字
at%)より、スパッタガス圧10mmTorr,スパッタパワー3
W/cm2,スパッタガスAr100%の条件で、それぞれ膜厚15
ÅのTiCrRe合金膜及び膜厚200ÅのNdDyTbFeCo合金膜を
順次形成した。
次に第1図の背面保護層(15)を兼ねて再びITOターゲ
ット(SnO2含有量20mol%)を用い前記透明誘電体層(1
2)と同一条件で300Åの膜厚の第2の透明誘電体層を形
成した後、最後に再びTi60Cr30Re10合金ターゲットを用
い金属薄膜層(13)のTiCrRe合金膜と同一条件で500Å
の膜厚の金属反射膜層を形式しファラディー効果も利用
できる第1図の背面保護層部が2層構成になったディス
ク媒体を形成した。ディスクの反射率は12%でノイズレ
ベルが−59dBmのノイズの低いディスクが形成できた。
ット(SnO2含有量20mol%)を用い前記透明誘電体層(1
2)と同一条件で300Åの膜厚の第2の透明誘電体層を形
成した後、最後に再びTi60Cr30Re10合金ターゲットを用
い金属薄膜層(13)のTiCrRe合金膜と同一条件で500Å
の膜厚の金属反射膜層を形式しファラディー効果も利用
できる第1図の背面保護層部が2層構成になったディス
ク媒体を形成した。ディスクの反射率は12%でノイズレ
ベルが−59dBmのノイズの低いディスクが形成できた。
<発明の効果> 以上の様に本発明によれば亀裂,剥離が生じない、また
ガスバリア性の良好なため記録層の劣化のない、しかも
膜の内部応力に起因するディスクの反りが少なく光学特
性に優れた光記録媒体が得られる。このように本発明は
光記録媒体の実用化に大きな寄与をなすものである。
ガスバリア性の良好なため記録層の劣化のない、しかも
膜の内部応力に起因するディスクの反りが少なく光学特
性に優れた光記録媒体が得られる。このように本発明は
光記録媒体の実用化に大きな寄与をなすものである。
第1図は実施例の光磁気記録媒体の積層構成の1例を示
す側断面図である。 11:ポリカーボネート基板 12:透明誘電体層 13:金属保護層 14:記録層 15:背面保護層
す側断面図である。 11:ポリカーボネート基板 12:透明誘電体層 13:金属保護層 14:記録層 15:背面保護層
Claims (5)
- 【請求項1】保護層又は/及びエンハンス層として透明
誘電体層を有する光記録媒体において、前記透明誘電体
層がインジウム及び錫の窒素含有酸化物からなることを
特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】前記窒素含有酸化物がアモルファスである
請求項第1項記載の光記録媒体。 - 【請求項3】前記窒素含有酸化物の窒素含有量が40at%
以下である請求項第1項記載の光記録媒体。 - 【請求項4】透明高分子基板上に前記窒素含有酸化物
層,Ti単独,またはCr,Reの一方若しくは双方とTiとの合
金からなる金属薄膜層,光磁気記録層,保護層を順次積
層した請求項第1項記載の光記録媒体。 - 【請求項5】請求項第1項〜第4項記載のいずれかの光
記録媒体の製造方法において、前記窒素含有酸化物層
を、インジウム及び錫の酸化物をターゲットとし、不活
性ガスに窒素を含有させた反応性ガスよりなる窒素雰囲
気下のスパッタリングより形成することを特徴とする光
記録媒体の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63313751A JPH0799596B2 (ja) | 1988-12-14 | 1988-12-14 | 光記録媒体及びその製造方法 |
CA002004936A CA2004936C (en) | 1988-12-14 | 1989-12-08 | Optical recording medium |
EP89122732A EP0373539B1 (en) | 1988-12-14 | 1989-12-09 | Optical recording medium |
DE68921308T DE68921308T2 (de) | 1988-12-14 | 1989-12-09 | Optisches Aufzeichnungsmedium. |
KR1019890018547A KR900010687A (ko) | 1988-12-14 | 1989-12-14 | 광기록 매체 |
US07/715,024 US5192626A (en) | 1988-12-14 | 1991-06-13 | Optical recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63313751A JPH0799596B2 (ja) | 1988-12-14 | 1988-12-14 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02161629A JPH02161629A (ja) | 1990-06-21 |
JPH0799596B2 true JPH0799596B2 (ja) | 1995-10-25 |
Family
ID=18045096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63313751A Expired - Lifetime JPH0799596B2 (ja) | 1988-12-14 | 1988-12-14 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0799596B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62298954A (ja) * | 1986-06-18 | 1987-12-26 | Fujitsu Ltd | 光磁気デイスク |
JPS63166046A (ja) * | 1986-12-26 | 1988-07-09 | Toshiba Corp | 光デイスク |
-
1988
- 1988-12-14 JP JP63313751A patent/JPH0799596B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02161629A (ja) | 1990-06-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5192626A (en) | Optical recording medium | |
EP0245833B1 (en) | Magneto-optical recording medium | |
JPH0325737A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH0799596B2 (ja) | 光記録媒体及びその製造方法 | |
EP0373539B1 (en) | Optical recording medium | |
JP2593206B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JPH0524572B2 (ja) | ||
JPH01173455A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2527762B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2523180B2 (ja) | 光記録媒体及びその製造方法 | |
JPH0673197B2 (ja) | 光磁気記録媒体とその製造方法 | |
JP2507592B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2528188B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2528173B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JPH01173454A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH03156753A (ja) | 光記録媒体 | |
JPH0792935B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2974510B2 (ja) | 光磁気記録素子及びその製造方法 | |
KR100214027B1 (ko) | 광자기 기록 매체 | |
JPH01204243A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2559432B2 (ja) | 光磁気デイスク | |
JP2550118B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2564387B2 (ja) | 積層体 | |
JPH04263143A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2754658B2 (ja) | 光磁気記録媒体 |