JPH0799576B2 - 磁気記録媒体およびその製造法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその製造法Info
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- JPH0799576B2 JPH0799576B2 JP30383686A JP30383686A JPH0799576B2 JP H0799576 B2 JPH0799576 B2 JP H0799576B2 JP 30383686 A JP30383686 A JP 30383686A JP 30383686 A JP30383686 A JP 30383686A JP H0799576 B2 JPH0799576 B2 JP H0799576B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は強磁性金属薄膜層または塗布型の強磁性層を磁
気記録層とする磁気記録媒体に係わり,さらに詳しく
は,磁気記録層の上部に強固に結合された保護層および
潤滑層を設けた耐久性,走行特性ならびに耐腐食性が良
好で信頼性の高い磁気記録媒体およびその製造方法に関
する。
気記録層とする磁気記録媒体に係わり,さらに詳しく
は,磁気記録層の上部に強固に結合された保護層および
潤滑層を設けた耐久性,走行特性ならびに耐腐食性が良
好で信頼性の高い磁気記録媒体およびその製造方法に関
する。
従来の磁気記録媒体としては,非磁性基体上に,γFe2O
3,CoをドープしたγFe2O3およびFe3O4,CrO2,Fe,Fe−Co,
Fe−Co−Ni,Baフェライトなどの強磁性体微粒子を各種
のバインダと混合し,溶剤中に分散させた磁性塗料を塗
布し,乾燥させることにより磁気記録層を形成させた塗
布型のものが広く使用されてきている。
3,CoをドープしたγFe2O3およびFe3O4,CrO2,Fe,Fe−Co,
Fe−Co−Ni,Baフェライトなどの強磁性体微粒子を各種
のバインダと混合し,溶剤中に分散させた磁性塗料を塗
布し,乾燥させることにより磁気記録層を形成させた塗
布型のものが広く使用されてきている。
そして,近年高密度記録への要求の高まりと共に真空蒸
着,スパッタリング,イオンプレーティングなどのベー
パデポジション法あるいは電気メッキ,無電解メッキな
どのメッキ法によって形成される強磁性金属または合金
薄膜層を磁気記録層とする強磁性金属薄膜型の磁気記録
媒体が注目を浴び,実用化が進められている。
着,スパッタリング,イオンプレーティングなどのベー
パデポジション法あるいは電気メッキ,無電解メッキな
どのメッキ法によって形成される強磁性金属または合金
薄膜層を磁気記録層とする強磁性金属薄膜型の磁気記録
媒体が注目を浴び,実用化が進められている。
しかしながら,これらの強磁性金属薄膜層を磁気記録層
とする磁気記録媒体においては,高密度記録に適すると
いう優れた特性を有する反面,磁気ヘッドとの摩擦係数
が大きく摩耗や損傷を受け易く,また空気中では徐々に
酸化されて最大磁束密度などの磁気特性が大きく劣化す
るなどの問題が生ずる。
とする磁気記録媒体においては,高密度記録に適すると
いう優れた特性を有する反面,磁気ヘッドとの摩擦係数
が大きく摩耗や損傷を受け易く,また空気中では徐々に
酸化されて最大磁束密度などの磁気特性が大きく劣化す
るなどの問題が生ずる。
このため従来から磁気記録層上に,硬質金属,硬質無機
化合物,潤滑剤あるいは有機高分子などの種々の保護膜
層を設けるなどして耐久性ならびに耐腐食性を改善する
ことが試みられているが十分に満足のいく磁気記録媒体
は得られなかった。この主な理由として,硬質金属また
は硬質無機化合物の保護膜層の場合には,これらの硬質
保護層が剥離し,その小片が磁気記録媒体を損傷させた
り,また潤滑剤または有機高分子の保護膜層であって
も,磁気記録層と保護膜層との界面が結合が弱く,経時
により走行特性および耐摩耗特性の著しい劣化がみられ
るためであった。
化合物,潤滑剤あるいは有機高分子などの種々の保護膜
層を設けるなどして耐久性ならびに耐腐食性を改善する
ことが試みられているが十分に満足のいく磁気記録媒体
は得られなかった。この主な理由として,硬質金属また
は硬質無機化合物の保護膜層の場合には,これらの硬質
保護層が剥離し,その小片が磁気記録媒体を損傷させた
り,また潤滑剤または有機高分子の保護膜層であって
も,磁気記録層と保護膜層との界面が結合が弱く,経時
により走行特性および耐摩耗特性の著しい劣化がみられ
るためであった。
近年,磁気記録媒体の耐久性ならびに耐腐食性を改善す
る方法として,強磁性金属薄膜層上,あるいは金属酸化
物層を有する強磁性金属薄膜層上に,ケイ酸エスエルガ
ス雰囲気中でグロー放電プラズマ処理を行うことによっ
て,有機ケイ素化合物のプラズマ重合保護膜層を設け,
さらにこのプラズマ重合保護膜層上に,有機高分子,高
級脂肪酸,脂肪酸エステルなどの潤滑剤よりなる潤滑層
を形成させる方法が提案されている(特開昭58−220244
号公報,同58−222439号公報)。しかしこれらの方法
は,脂肪酸などの潤滑効果により,磁気記録媒体の初期
の耐摩耗性は改善されるもののプラズマ重合保護膜層に
対する潤滑層の接着性が悪く,磁気ヘッドとの摺接によ
って短時間に潤滑層が剥離し損傷され易く,磁気記録媒
体としての耐久性は十分ではなかった。
る方法として,強磁性金属薄膜層上,あるいは金属酸化
物層を有する強磁性金属薄膜層上に,ケイ酸エスエルガ
ス雰囲気中でグロー放電プラズマ処理を行うことによっ
て,有機ケイ素化合物のプラズマ重合保護膜層を設け,
さらにこのプラズマ重合保護膜層上に,有機高分子,高
級脂肪酸,脂肪酸エステルなどの潤滑剤よりなる潤滑層
を形成させる方法が提案されている(特開昭58−220244
号公報,同58−222439号公報)。しかしこれらの方法
は,脂肪酸などの潤滑効果により,磁気記録媒体の初期
の耐摩耗性は改善されるもののプラズマ重合保護膜層に
対する潤滑層の接着性が悪く,磁気ヘッドとの摺接によ
って短時間に潤滑層が剥離し損傷され易く,磁気記録媒
体としての耐久性は十分ではなかった。
また,他方磁気記録媒体の耐久性ならびに耐腐食性を改
善する方法として,例えば強磁性金属薄膜層上に,ダイ
ヤモンド構造を含むカーボン薄膜を形成し,磁気記録媒
体の保護膜層とすることが提案されている(特開昭59−
127232号公報)。しかしこの方法によって,磁気記録媒
体の耐腐食性および磁気ヘッドなどに対する摩擦係数は
多少低減させることができるものの炭素質膜の固有の摩
擦係数は未だ十分に低いとはいえず,磁気ヘッドなどと
の摺接によって摩耗され易いという欠点があった。
善する方法として,例えば強磁性金属薄膜層上に,ダイ
ヤモンド構造を含むカーボン薄膜を形成し,磁気記録媒
体の保護膜層とすることが提案されている(特開昭59−
127232号公報)。しかしこの方法によって,磁気記録媒
体の耐腐食性および磁気ヘッドなどに対する摩擦係数は
多少低減させることができるものの炭素質膜の固有の摩
擦係数は未だ十分に低いとはいえず,磁気ヘッドなどと
の摺接によって摩耗され易いという欠点があった。
上述した従来技術において,磁気記録層上に,ケイ素化
合物などの重合体からなる保護膜層を形成し,さらにそ
の上に有機高分子,高級脂肪酸,脂肪酸エステルなどの
潤滑層を設けた磁気記録媒体は,潤滑層の潤滑効果によ
り初期の耐摩耗性は改善されるものの,潤滑層の保護層
に対する接着性が悪いため,磁気ヘッドなどとの摺接に
よって比較的短時間に潤滑層が剥離,破壊されるという
問題が生ずる。また,炭素質膜の保護膜層を設ける場合
は,炭素質膜自体の摩擦形成が十分に低くなく,磁気ヘ
ッドなどとの摺接の際に摩耗されることが多く,磁気記
録媒体としての耐久性,走行特性ならびに耐腐食性に劣
るという問題があった。
合物などの重合体からなる保護膜層を形成し,さらにそ
の上に有機高分子,高級脂肪酸,脂肪酸エステルなどの
潤滑層を設けた磁気記録媒体は,潤滑層の潤滑効果によ
り初期の耐摩耗性は改善されるものの,潤滑層の保護層
に対する接着性が悪いため,磁気ヘッドなどとの摺接に
よって比較的短時間に潤滑層が剥離,破壊されるという
問題が生ずる。また,炭素質膜の保護膜層を設ける場合
は,炭素質膜自体の摩擦形成が十分に低くなく,磁気ヘ
ッドなどとの摺接の際に摩耗されることが多く,磁気記
録媒体としての耐久性,走行特性ならびに耐腐食性に劣
るという問題があった。
本発明の目的は,かかる従来技術の問題点を解消し,強
磁性金属薄膜層あるいは強磁性体微粒子とバインダなど
からなる塗布型の磁気記録層を有する磁気記録媒体にお
いて,上記磁気記録層上に有機化合物のベーパデポジシ
ョン法による有機系または無機系の重合体からなる保護
膜層を形成させるか,もしくはベーパデポジション法に
よって炭素を主成分とする保護膜層を形成させ,これら
の保護膜層の表面を,例えば水蒸気またはアンモニアの
雰囲気下でプラズマ処理を行い,水酸基,アミノ基ある
いはイミノ基などを導入し,さらに,その上に上記保護
膜層表面の導入基と重付加反応を起こす活性部分を有す
る化合物からなる潤滑層を形成させて,上記保護膜層と
潤滑層とを強固に化学結合させることによって,耐久
性,走行特性ならびに耐腐食性が良好で,信頼性の高い
磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにあ
る。
磁性金属薄膜層あるいは強磁性体微粒子とバインダなど
からなる塗布型の磁気記録層を有する磁気記録媒体にお
いて,上記磁気記録層上に有機化合物のベーパデポジシ
ョン法による有機系または無機系の重合体からなる保護
膜層を形成させるか,もしくはベーパデポジション法に
よって炭素を主成分とする保護膜層を形成させ,これら
の保護膜層の表面を,例えば水蒸気またはアンモニアの
雰囲気下でプラズマ処理を行い,水酸基,アミノ基ある
いはイミノ基などを導入し,さらに,その上に上記保護
膜層表面の導入基と重付加反応を起こす活性部分を有す
る化合物からなる潤滑層を形成させて,上記保護膜層と
潤滑層とを強固に化学結合させることによって,耐久
性,走行特性ならびに耐腐食性が良好で,信頼性の高い
磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにあ
る。
本発明は,強磁性金属薄膜からなる磁気記録層,もしく
は強磁性体微粒子とバインダなどからなる塗布型の磁気
記録層を有する磁気記録媒体において,上記磁気記録層
上に有機化合物のベーパデポジション法による有機系ま
たは無機系重合体からなる保護膜層,もしくは炭素を主
成分とする保護膜層を形成し,この保護膜層の表面に,
例えば水蒸気もしくはアンモニアの雰囲気下においてプ
ラズマ処理を行うことによって水酸基(−OH),アミノ
基(−NH2)またはイミノ基(NH)を導入することに
よって活性化処理層を形成させ,その上に,上記保護膜
層表面の導入基と重付加反応を起こす活性部分を有する
化合物であるイソシアネート(−N=C=O)やケテン
イミン に代表される累積二重結合を有する化合物,あるいは
α,β不飽和カルボニル に代表される電子吸引性基により活性化された炭素炭素
二重結合を有する化合物,あるいはアセチレン系(−C
≡C−)やニトリル(−C≡N)に代表される三重結合
を有する化合物,あるいはエポキシ やラクトン に代表されるヘテロ原子を含む環状化合物からなる潤滑
層を設けることによって,上記本発明の目的を達成する
ことができる。
は強磁性体微粒子とバインダなどからなる塗布型の磁気
記録層を有する磁気記録媒体において,上記磁気記録層
上に有機化合物のベーパデポジション法による有機系ま
たは無機系重合体からなる保護膜層,もしくは炭素を主
成分とする保護膜層を形成し,この保護膜層の表面に,
例えば水蒸気もしくはアンモニアの雰囲気下においてプ
ラズマ処理を行うことによって水酸基(−OH),アミノ
基(−NH2)またはイミノ基(NH)を導入することに
よって活性化処理層を形成させ,その上に,上記保護膜
層表面の導入基と重付加反応を起こす活性部分を有する
化合物であるイソシアネート(−N=C=O)やケテン
イミン に代表される累積二重結合を有する化合物,あるいは
α,β不飽和カルボニル に代表される電子吸引性基により活性化された炭素炭素
二重結合を有する化合物,あるいはアセチレン系(−C
≡C−)やニトリル(−C≡N)に代表される三重結合
を有する化合物,あるいはエポキシ やラクトン に代表されるヘテロ原子を含む環状化合物からなる潤滑
層を設けることによって,上記本発明の目的を達成する
ことができる。
そして,本発明の潤滑層を構成する上記活性部分を有す
る有機化合物において,より潤滑性を高めるためには,
上記保護膜層表面に導入されたOH,NH2,NH基などと重付
加反応を起こす上記活性部分を末端に有する直鎖状の有
機化合物もしくは環状ではあるが上記活性部分を環内に
有し,重付加反応を起こすことによって環が開裂して直
鎖状になる有機化合物であることがより望ましい。そし
て,上記有機化合物の直鎖は炭素原子のみによる鎖には
限定されず,酸素,窒素,硫黄原子などが鎖中に混在し
てもよい。また,水素原子の一部,または全部がフッ素
原子に置換されていてもよい。直鎖の長さは鎖を直接構
成する原子の数が10〜30個の範囲であることが望まし
く,この範囲を外れると潤滑性が多少劣化することにな
る。
る有機化合物において,より潤滑性を高めるためには,
上記保護膜層表面に導入されたOH,NH2,NH基などと重付
加反応を起こす上記活性部分を末端に有する直鎖状の有
機化合物もしくは環状ではあるが上記活性部分を環内に
有し,重付加反応を起こすことによって環が開裂して直
鎖状になる有機化合物であることがより望ましい。そし
て,上記有機化合物の直鎖は炭素原子のみによる鎖には
限定されず,酸素,窒素,硫黄原子などが鎖中に混在し
てもよい。また,水素原子の一部,または全部がフッ素
原子に置換されていてもよい。直鎖の長さは鎖を直接構
成する原子の数が10〜30個の範囲であることが望まし
く,この範囲を外れると潤滑性が多少劣化することにな
る。
本発明による潤滑層は,磁気記録層上に形成された保護
膜層の表面において,化学的に強固に結合されているの
で,磁気ヘッドなどの摺接による潤滑層の剥離および破
壊がなく,したがって磁気記録媒体の耐久性,走行特性
ならびに耐腐食性が著しく改善されるものである。
膜層の表面において,化学的に強固に結合されているの
で,磁気ヘッドなどの摺接による潤滑層の剥離および破
壊がなく,したがって磁気記録媒体の耐久性,走行特性
ならびに耐腐食性が著しく改善されるものである。
本発明における強磁性金属薄膜からなる磁気記録層上も
しくは塗布型の磁気記録層上へのベーパデポジション法
による有機系または無機系重合体(以下単に重合体とい
う)である保護膜層の形成は有機系の場合,真空処理槽
内で,炭化水素系有機化合物,フッ素系有機化合物およ
びケイ素系有機化合物などのモノマーガスを用い,プラ
ズマ重合,イオンビーム蒸着,CVD法などのベーパデポジ
ション法によって重合させ磁気記録層上に被着させる
か,あるいは合成樹脂を蒸発源として用い,真空蒸着法
によって行なわれ,また無機系の場合は,無機化合物ま
たは単体をターゲットあるいは蒸発源として用い,スパ
ッタリング法あるいは真空蒸着法により行なわれる。こ
こでは,便宜上,プラズマ重合法による場合を例に挙げ
て説明する。
しくは塗布型の磁気記録層上へのベーパデポジション法
による有機系または無機系重合体(以下単に重合体とい
う)である保護膜層の形成は有機系の場合,真空処理槽
内で,炭化水素系有機化合物,フッ素系有機化合物およ
びケイ素系有機化合物などのモノマーガスを用い,プラ
ズマ重合,イオンビーム蒸着,CVD法などのベーパデポジ
ション法によって重合させ磁気記録層上に被着させる
か,あるいは合成樹脂を蒸発源として用い,真空蒸着法
によって行なわれ,また無機系の場合は,無機化合物ま
たは単体をターゲットあるいは蒸発源として用い,スパ
ッタリング法あるいは真空蒸着法により行なわれる。こ
こでは,便宜上,プラズマ重合法による場合を例に挙げ
て説明する。
高周波によりプラズマ重合させて,磁気記録層上にプラ
ズマ重合保護膜層を形成するのに使用するモノマーガス
としては,たとえば,プロパン,エチレン,プロピレン
などの炭化水素系化合物のモノマーガス,C2F4,C3F6など
のフッ素系有機化合物のモノマーガスおよびテトラメチ
ルシラン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,ヘキ
サメチルジシラザンなどのケイ素系有機化合物のモノマ
ーガスなどが好ましく使用され,これらの有機化合物の
モノマーガスは,高周波によりラジカルが生成され,こ
の生成されたラジカルが反応し重合して被膜となる。ま
たこれらのモノマーガスをプラズマ重合する際,アルゴ
ンガス,ヘリウムガスおよび酸素ガス等のキャリアガス
を併存させるとモノマーガスを単独でプラズマ重合する
場合に比べて3〜5倍の速度で被着されるため,これら
のキャリアガスを併存させて行うのが好ましい。これら
のキャリアガスと併存させる際,その組成割合はキャリ
アガス対上記有機化合物のモノマーガスの比にして1対
1〜20対1の範囲内で併存させるのが好ましく,キャリ
アガスの少なすぎると被着速度が低下し,多すぎるとモ
ノマーガスが少なくなってプラズマ重合反応に支障をき
たす。なお,炭化水素系化合物のモノマーガスを使用す
るときは,酸素ガスをキャリアガスとして使用すると酸
化反応が生じるため,酸素ガスをキャリアガスとして使
用するのは好ましくない。
ズマ重合保護膜層を形成するのに使用するモノマーガス
としては,たとえば,プロパン,エチレン,プロピレン
などの炭化水素系化合物のモノマーガス,C2F4,C3F6など
のフッ素系有機化合物のモノマーガスおよびテトラメチ
ルシラン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,ヘキ
サメチルジシラザンなどのケイ素系有機化合物のモノマ
ーガスなどが好ましく使用され,これらの有機化合物の
モノマーガスは,高周波によりラジカルが生成され,こ
の生成されたラジカルが反応し重合して被膜となる。ま
たこれらのモノマーガスをプラズマ重合する際,アルゴ
ンガス,ヘリウムガスおよび酸素ガス等のキャリアガス
を併存させるとモノマーガスを単独でプラズマ重合する
場合に比べて3〜5倍の速度で被着されるため,これら
のキャリアガスを併存させて行うのが好ましい。これら
のキャリアガスと併存させる際,その組成割合はキャリ
アガス対上記有機化合物のモノマーガスの比にして1対
1〜20対1の範囲内で併存させるのが好ましく,キャリ
アガスの少なすぎると被着速度が低下し,多すぎるとモ
ノマーガスが少なくなってプラズマ重合反応に支障をき
たす。なお,炭化水素系化合物のモノマーガスを使用す
るときは,酸素ガスをキャリアガスとして使用すると酸
化反応が生じるため,酸素ガスをキャリアガスとして使
用するのは好ましくない。
プラズマ重合を行う場合のガス圧および高周波の電力
は,ガス圧が高くなるほど被着速度が速くなる反面モノ
マーガスが比較的架橋密度低くプラズマ重合されて硬い
保護膜層が得られず,またガス圧を低くして高周波電力
を高くすると被着速度が遅くなる反面架橋密度が比較的
高い保護膜層が得られるが,ガス圧を低くして高周波電
力を高くしすぎると,モノマーガスが粉末化してしまい
プラズマ重合保護膜層が形成されないため,ガス圧を0.
001〜5Torrの範囲内とし,平方センチあたりの高周波電
力を0.03〜5W/cm2の範囲内とするのが好ましく,ガス圧
を0.003〜1Torrとし,平方センチあたりの高周波電力を
0.05〜3W/cm2の範囲内とするのがより好ましい。このよ
うにしてプラズマ重合によって被着形成される有機化合
物のプラズマ重合保護膜層は緻密であり,この有機化合
物のプラズマ重合保護膜層が形成されることによって耐
摩耗性および耐食性が一段と向上する。このような有機
化合物のプラズマ重合保護膜層は,その膜厚が薄すぎる
と保護膜層による耐久性および耐食性の効果が充分に発
揮されず,厚すぎるとスペーシングロスが大きくなりす
ぎて電磁変換特性に悪影響を及ぼすので,膜厚は20〜10
00Åの範囲が好ましく,より好ましい膜厚範囲は50〜50
0Åである。
は,ガス圧が高くなるほど被着速度が速くなる反面モノ
マーガスが比較的架橋密度低くプラズマ重合されて硬い
保護膜層が得られず,またガス圧を低くして高周波電力
を高くすると被着速度が遅くなる反面架橋密度が比較的
高い保護膜層が得られるが,ガス圧を低くして高周波電
力を高くしすぎると,モノマーガスが粉末化してしまい
プラズマ重合保護膜層が形成されないため,ガス圧を0.
001〜5Torrの範囲内とし,平方センチあたりの高周波電
力を0.03〜5W/cm2の範囲内とするのが好ましく,ガス圧
を0.003〜1Torrとし,平方センチあたりの高周波電力を
0.05〜3W/cm2の範囲内とするのがより好ましい。このよ
うにしてプラズマ重合によって被着形成される有機化合
物のプラズマ重合保護膜層は緻密であり,この有機化合
物のプラズマ重合保護膜層が形成されることによって耐
摩耗性および耐食性が一段と向上する。このような有機
化合物のプラズマ重合保護膜層は,その膜厚が薄すぎる
と保護膜層による耐久性および耐食性の効果が充分に発
揮されず,厚すぎるとスペーシングロスが大きくなりす
ぎて電磁変換特性に悪影響を及ぼすので,膜厚は20〜10
00Åの範囲が好ましく,より好ましい膜厚範囲は50〜50
0Åである。
そして,本発明の磁気記録層上に形成する炭素を主成分
とする保護膜層の形成は,いわゆるイオンビーム蒸着,C
VD,プラズマ重合法,スパッタリングなどの手法によっ
てなされる。これらの手法によって形成された炭素質膜
は,炭素を中心の元素として骨格をなし,ところどころ
に水素原子や酸素原子などが結合した構造を有する。炭
素原子の含有量は少な過ぎると炭素骨格が形成できず膜
強度が落ちるので,30at%以上が必要である。特に炭素
質膜が炭素と水素のみからなるときは,炭素原子の含有
量は40at%以上が好適である。また,炭素質膜が炭素と
水素と酸素からなるときは,炭素の含有量は30at%以
上,酸素の含有量は20at%以下であることが好ましい。
とする保護膜層の形成は,いわゆるイオンビーム蒸着,C
VD,プラズマ重合法,スパッタリングなどの手法によっ
てなされる。これらの手法によって形成された炭素質膜
は,炭素を中心の元素として骨格をなし,ところどころ
に水素原子や酸素原子などが結合した構造を有する。炭
素原子の含有量は少な過ぎると炭素骨格が形成できず膜
強度が落ちるので,30at%以上が必要である。特に炭素
質膜が炭素と水素のみからなるときは,炭素原子の含有
量は40at%以上が好適である。また,炭素質膜が炭素と
水素と酸素からなるときは,炭素の含有量は30at%以
上,酸素の含有量は20at%以下であることが好ましい。
このような炭素質膜の膜厚は,膜厚が薄すぎるとこの保
護膜層による耐久性および耐食性の効果が充分に発揮さ
れず,厚すぎるとスペーシングロスが大きくなりすぎて
電磁変換特性に悪影響を及ぼすので,その膜厚は20〜10
00Åの範囲が好ましく,より好ましい範囲は50〜500Å
である。
護膜層による耐久性および耐食性の効果が充分に発揮さ
れず,厚すぎるとスペーシングロスが大きくなりすぎて
電磁変換特性に悪影響を及ぼすので,その膜厚は20〜10
00Åの範囲が好ましく,より好ましい範囲は50〜500Å
である。
本発明の有機系または無機系の重合体からなる保護膜層
上,もしくは炭素を主成分とす保護膜層上に水素基(−
OH)を導入するためには,例えば真空処理槽内に水蒸気
を導入し,高周波を印加して水蒸気プラズマを発生させ
て,上記保護膜層を処理する。この時に導入する水蒸気
の流量,圧力,並びに印加する高周波(RF)電力は,水
蒸気流量,圧力が大き過ぎて,RF電力が小さ過ぎると保
護膜層上に充分に水酸基が導入されず,逆に水蒸気流
量,圧力が小さ過ぎて,RF電力が大き過ぎると,保護膜
層表面がエッチングされたり,基板が熱により変形した
りするために,水蒸気の流量は1〜500sccm,圧力は0.00
1〜10Torr,RF電力は0.01〜3W/cm2の範囲にするのが好ま
しく,より好ましい条件は,水蒸気の流量が10〜200scc
m,圧力が0.01〜5Torr,RF電力密度が0.06〜1W/cm2の範囲
である。
上,もしくは炭素を主成分とす保護膜層上に水素基(−
OH)を導入するためには,例えば真空処理槽内に水蒸気
を導入し,高周波を印加して水蒸気プラズマを発生させ
て,上記保護膜層を処理する。この時に導入する水蒸気
の流量,圧力,並びに印加する高周波(RF)電力は,水
蒸気流量,圧力が大き過ぎて,RF電力が小さ過ぎると保
護膜層上に充分に水酸基が導入されず,逆に水蒸気流
量,圧力が小さ過ぎて,RF電力が大き過ぎると,保護膜
層表面がエッチングされたり,基板が熱により変形した
りするために,水蒸気の流量は1〜500sccm,圧力は0.00
1〜10Torr,RF電力は0.01〜3W/cm2の範囲にするのが好ま
しく,より好ましい条件は,水蒸気の流量が10〜200scc
m,圧力が0.01〜5Torr,RF電力密度が0.06〜1W/cm2の範囲
である。
また,本発明の重合体からなる保護膜層上,もしくは炭
素質膜の保護膜層上にアミノ基あるいはイミノ基を導入
するためには,例えば真空処理槽内にアンモニアガスを
導入し,高周波を印加してアンモニアプラズマを発生さ
せて炭素質膜を処理する。この時に導入するアンモニア
ガスの流量,圧力,並びに印加するRF電力は,アンモニ
アガス流量,圧力が大きすぎて,RF電力が小さすぎる
と,炭素質膜上に十分にアミノ基あるいはイミノ基が導
入されず,逆にアンモニアガスの流量,圧力が小さすぎ
て,RF電力が大きすぎると,炭素質膜表面がエッチング
されたり,基板が熱により変形したりするために,アン
モニアガスの流量は1〜500sccm,圧力は0.001〜10Torr,
RF電圧密度は0.01〜3W/cm2の範囲にするのが好ましく,
より好ましい条件は,アンモニアガスの流量が10〜200s
ccm,圧力が0.01〜5Torr,RF電圧密度が0.06〜1W/cm2の範
囲である。
素質膜の保護膜層上にアミノ基あるいはイミノ基を導入
するためには,例えば真空処理槽内にアンモニアガスを
導入し,高周波を印加してアンモニアプラズマを発生さ
せて炭素質膜を処理する。この時に導入するアンモニア
ガスの流量,圧力,並びに印加するRF電力は,アンモニ
アガス流量,圧力が大きすぎて,RF電力が小さすぎる
と,炭素質膜上に十分にアミノ基あるいはイミノ基が導
入されず,逆にアンモニアガスの流量,圧力が小さすぎ
て,RF電力が大きすぎると,炭素質膜表面がエッチング
されたり,基板が熱により変形したりするために,アン
モニアガスの流量は1〜500sccm,圧力は0.001〜10Torr,
RF電圧密度は0.01〜3W/cm2の範囲にするのが好ましく,
より好ましい条件は,アンモニアガスの流量が10〜200s
ccm,圧力が0.01〜5Torr,RF電圧密度が0.06〜1W/cm2の範
囲である。
本発明において,水蒸気もしくはアンモニアの雰囲気中
でプラズマ処理された保護膜層上に設ける潤滑層として
は,イソシアネート(−N=C=O)やケテンイミン に代表される累積二重結合を有する化合物,あるいは
α,β不飽和カルボニル に代表される電子吸引性基により活性化された炭素炭素
二重結合を有する化合物,あるいはアセチレン系(−C
=C−)やニトリル(−C≡N)に代表される三重結合
を有する化合物,あるいはエポキシ に代表されるヘテロ原子を含む環状化合物などの有機化
合物を用いることが好ましく,特に保護膜層上に導入し
たOH,NH,NH2基などと重付加反応を起こす活性部分が末
端にある直鎖状の有機化合物を用いることがより好まし
い。
でプラズマ処理された保護膜層上に設ける潤滑層として
は,イソシアネート(−N=C=O)やケテンイミン に代表される累積二重結合を有する化合物,あるいは
α,β不飽和カルボニル に代表される電子吸引性基により活性化された炭素炭素
二重結合を有する化合物,あるいはアセチレン系(−C
=C−)やニトリル(−C≡N)に代表される三重結合
を有する化合物,あるいはエポキシ に代表されるヘテロ原子を含む環状化合物などの有機化
合物を用いることが好ましく,特に保護膜層上に導入し
たOH,NH,NH2基などと重付加反応を起こす活性部分が末
端にある直鎖状の有機化合物を用いることがより好まし
い。
そして,本発明の潤滑層を構成する具体的な有機化合物
は,累積二重結合を有する化合物群として,イソシアネ
ート〔−N=C=O(活性部分を示す)〕,イソチオシ
アネート〔−N=C=S〕,ケテン ケテンイミン カルボジイミド〔−N=C=N−〕などがあり,例えば
オクタデシルイソシアネート,オクタデシルイソチオシ
アネート,メチル−n−オクチルケテン,n−デシルケテ
ンイミン,n−デシルカルボジイミドなどが挙げられる。
また,電子吸収性基により活性化されたC=C結合を有
する化合物群として,α,β−不飽和カルボニル などがあり,1−デセン−3−オンなどを挙げることがで
きる。そして,三重結合を有する化合物群として,アセ
チレン系〔−C≡C−〕,ニトリル〔−C≡N〕などが
あり,1−オクタデセン,オクタデシルシアニドなどが挙
げられる。また,ヘテロ原子を含む環状化合物群とし
て, などがあり,例えばペンタデシルオキシレン,N−デシル
アジリジン,γ−ステアロラクトン,γ−パルミトエノ
ールラクトン,ブチルアズラクトン,n−デシル無水コハ
ク酸,N−オクチルイソマレイミド,N−デシルイミノジオ
キソランなどを挙げることができる。
は,累積二重結合を有する化合物群として,イソシアネ
ート〔−N=C=O(活性部分を示す)〕,イソチオシ
アネート〔−N=C=S〕,ケテン ケテンイミン カルボジイミド〔−N=C=N−〕などがあり,例えば
オクタデシルイソシアネート,オクタデシルイソチオシ
アネート,メチル−n−オクチルケテン,n−デシルケテ
ンイミン,n−デシルカルボジイミドなどが挙げられる。
また,電子吸収性基により活性化されたC=C結合を有
する化合物群として,α,β−不飽和カルボニル などがあり,1−デセン−3−オンなどを挙げることがで
きる。そして,三重結合を有する化合物群として,アセ
チレン系〔−C≡C−〕,ニトリル〔−C≡N〕などが
あり,1−オクタデセン,オクタデシルシアニドなどが挙
げられる。また,ヘテロ原子を含む環状化合物群とし
て, などがあり,例えばペンタデシルオキシレン,N−デシル
アジリジン,γ−ステアロラクトン,γ−パルミトエノ
ールラクトン,ブチルアズラクトン,n−デシル無水コハ
ク酸,N−オクチルイソマレイミド,N−デシルイミノジオ
キソランなどを挙げることができる。
これらの有機化合物を,本発明の水蒸気またはアンモニ
アの雰囲気中でプラズマ処理された保護膜層上に潤滑層
として適用する手段は,真空蒸着法または上記の有機化
合物を適当な溶剤に溶解し塗布する方法によって行うこ
とができる。このように形成された潤滑層は,保護膜層
の表面に導入されたOH,NH2またはNH基と重付加反応を起
こして,例えばイソシアネート基の場合には,以下に示
すようなウレタン結合あるいは尿素結合を形成し,保護
膜層と潤滑層との間に強固な化学結合が形成される。
アの雰囲気中でプラズマ処理された保護膜層上に潤滑層
として適用する手段は,真空蒸着法または上記の有機化
合物を適当な溶剤に溶解し塗布する方法によって行うこ
とができる。このように形成された潤滑層は,保護膜層
の表面に導入されたOH,NH2またはNH基と重付加反応を起
こして,例えばイソシアネート基の場合には,以下に示
すようなウレタン結合あるいは尿素結合を形成し,保護
膜層と潤滑層との間に強固な化学結合が形成される。
(式中,R,R′,R″はアルキル基を表わす。) 本発明の磁気記録媒体の磁気記録層を構成する強磁性金
属または合金薄膜層の形成材料としては,Co,Fe,Ni,Co−
Ni合金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co−Ni−P合金などの
強磁性材料が使用され,これらの強磁性材料からなる強
磁性金属薄膜層は,真空蒸着,イオンプレーティング,
スパッタリング,メッキ等の手段によって基体上に被着
形成される。
属または合金薄膜層の形成材料としては,Co,Fe,Ni,Co−
Ni合金,Co−Cr合金,Co−P合金,Co−Ni−P合金などの
強磁性材料が使用され,これらの強磁性材料からなる強
磁性金属薄膜層は,真空蒸着,イオンプレーティング,
スパッタリング,メッキ等の手段によって基体上に被着
形成される。
なお磁気記録層としては,強磁性金属薄膜層に限らず,
γFe2O3,CoをドープしたγFe2O3およびFe3O4,CrO2,Fe,F
e−Co,Fe−Co−Ni,Baフェライトなどの強磁性体微粒子
を各種バインダーと混合し,溶剤中に分散させた磁性塗
料を非磁性基体上に塗布,乾燥させることにより形成し
た磁気記録層を含むことはいうまでもない。
γFe2O3,CoをドープしたγFe2O3およびFe3O4,CrO2,Fe,F
e−Co,Fe−Co−Ni,Baフェライトなどの強磁性体微粒子
を各種バインダーと混合し,溶剤中に分散させた磁性塗
料を非磁性基体上に塗布,乾燥させることにより形成し
た磁気記録層を含むことはいうまでもない。
さらに,本発明の磁気記録媒体としては,ポリエステム
フィルム,ポリイミドフィルムなどの合成樹脂フィルム
を基体とする磁気テープ,合成樹脂フィルム,アルミニ
ウム板およびガラス板等からなる円盤やドラムを基体と
する磁気ディスク,フロッピーディスクおよびハード磁
気ディスクや磁気ドラムなど,走行時あるいはスタート
およびストップ時に磁気ヘッドと摺接する構造の種々の
形態の磁気記録媒体を包含する。
フィルム,ポリイミドフィルムなどの合成樹脂フィルム
を基体とする磁気テープ,合成樹脂フィルム,アルミニ
ウム板およびガラス板等からなる円盤やドラムを基体と
する磁気ディスク,フロッピーディスクおよびハード磁
気ディスクや磁気ドラムなど,走行時あるいはスタート
およびストップ時に磁気ヘッドと摺接する構造の種々の
形態の磁気記録媒体を包含する。
〔実施例〕 以下に本発明の一実施例を挙げ図面に基づいてさらに詳
細に説明する。図において同一符号を付したものは同一
部品または同一機能を有する部分を示す。
細に説明する。図において同一符号を付したものは同一
部品または同一機能を有する部分を示す。
(実施例 1) 厚さ10μのポリエステルフィルムを真空蒸着装置に装填
し,1×10-5Torrの真空下でコバルトを加熱蒸発させてポ
リエステルフィルム上に厚さ1000Åのコバルトからなる
強磁性金属薄膜層を形成した。次いで,第2図に示すプ
ラズマ処理装置を使用し,強磁性金属薄膜層を形成した
ポリエステルフィルム1を処理槽2内の原反ロール3か
ら円筒状キャン4の周側面に沿って移動させ,巻き取り
ロール5に巻き取るようにセットした。次いで,ポリエ
ステルフィルム1を円筒状キャン4の周側面に沿って2m
/minの走行速度で走行させながら,処理槽6に取り付け
たガス導入管7からテトラフルオロエチレンのモノマー
ガスを50sccmの流量で導入し,ガス圧を0.3Torrとして
電極8で13.56MHzの高周波を0.5W/cm2の電力密度で印加
してプラズマ重合を行い,プラズマ重合保護膜層を形成
した。この時プラズマ重合保護膜層の膜厚は200Åであ
った。同時に,処理槽9に取り付けたガス導入管10から
水蒸気を100sccmの流量で導入し,ガス圧を0.1Torrとし
て電極11で13.56MHzの高周波を0.1W/cm2の電力密度で印
加し,既に形成したプラズマ重合保護膜層表面を処理し
た。続いて,フィルムを処理槽から取り出し,所定の幅
に裁断しオクタデシルイソシアネートを0.1wt%ベンゼ
ン溶液にしてディップ塗布し,十分乾燥して潤滑槽を形
成し,第1図に示す構造の磁気テープを得た。なお,第
2図に示す12,13,14はそれぞれ処理槽2,6,9を排気する
排気系,15,16はそれぞれ電極8,11に高周波を印加するた
めの高周波電源である。
し,1×10-5Torrの真空下でコバルトを加熱蒸発させてポ
リエステルフィルム上に厚さ1000Åのコバルトからなる
強磁性金属薄膜層を形成した。次いで,第2図に示すプ
ラズマ処理装置を使用し,強磁性金属薄膜層を形成した
ポリエステルフィルム1を処理槽2内の原反ロール3か
ら円筒状キャン4の周側面に沿って移動させ,巻き取り
ロール5に巻き取るようにセットした。次いで,ポリエ
ステルフィルム1を円筒状キャン4の周側面に沿って2m
/minの走行速度で走行させながら,処理槽6に取り付け
たガス導入管7からテトラフルオロエチレンのモノマー
ガスを50sccmの流量で導入し,ガス圧を0.3Torrとして
電極8で13.56MHzの高周波を0.5W/cm2の電力密度で印加
してプラズマ重合を行い,プラズマ重合保護膜層を形成
した。この時プラズマ重合保護膜層の膜厚は200Åであ
った。同時に,処理槽9に取り付けたガス導入管10から
水蒸気を100sccmの流量で導入し,ガス圧を0.1Torrとし
て電極11で13.56MHzの高周波を0.1W/cm2の電力密度で印
加し,既に形成したプラズマ重合保護膜層表面を処理し
た。続いて,フィルムを処理槽から取り出し,所定の幅
に裁断しオクタデシルイソシアネートを0.1wt%ベンゼ
ン溶液にしてディップ塗布し,十分乾燥して潤滑槽を形
成し,第1図に示す構造の磁気テープを得た。なお,第
2図に示す12,13,14はそれぞれ処理槽2,6,9を排気する
排気系,15,16はそれぞれ電極8,11に高周波を印加するた
めの高周波電源である。
(実施例 2) 実施例1におけるプラズマ重合保護膜層形成の際,テト
ラフルオロエチレンを50sccm導入する代りに,テトラメ
チルシランを20sccm導入した他は実施例と同様にして磁
気テープを作製した。プラズマ重合保護膜層の厚さは18
0Åであった。
ラフルオロエチレンを50sccm導入する代りに,テトラメ
チルシランを20sccm導入した他は実施例と同様にして磁
気テープを作製した。プラズマ重合保護膜層の厚さは18
0Åであった。
(実施例 3) 実施例1における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例1と同様にして磁気テープを作製した。
(実施例 4) 実施例1における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた他は実施例1と同様に
して磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた他は実施例1と同様に
して磁気テープを作製した。
(実施例 5) 実施例1における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例1と同様にして磁気テープを作製し
た。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例1と同様にして磁気テープを作製し
た。
(実施例 6) 実施例1における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他は
実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他は
実施例1と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 1) 実施例1においてプラズマ重合保護膜層上への水蒸気プ
ラズマ処理を省いた他は実施例1と同様にして磁気テー
プを作製した。
ラズマ処理を省いた他は実施例1と同様にして磁気テー
プを作製した。
(比較例 2) 実施例2において,プラズマ重合保護膜層上への水蒸気
プラズマ処理を省いた他は実施例2と同様にして磁気テ
ープを作製した。
プラズマ処理を省いた他は実施例2と同様にして磁気テ
ープを作製した。
(比較例 3) 実施例1においてプラズマ重合保護膜層上への水蒸気プ
ラズマ処理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
ラズマ処理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施例1
と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 4) 比較例3においてプラズマ重合保護膜層の形成を省いた
他は比較例3と同様にして磁気テープを作製した。
他は比較例3と同様にして磁気テープを作製した。
上記の実施例1〜6及び比較例1〜4で作製した磁気テ
ープについて,耐食性,耐久性を調べた。耐食性は,温
度が60℃でRH(関係湿度)が90%の雰囲気中に5週間放
置した時の飽和磁化の劣化率(%),耐久性は,スチル
試験を行ない,初期出力が6dB低下するまでの時間
(分)により評価した。その結果を第1表に示す。
ープについて,耐食性,耐久性を調べた。耐食性は,温
度が60℃でRH(関係湿度)が90%の雰囲気中に5週間放
置した時の飽和磁化の劣化率(%),耐久性は,スチル
試験を行ない,初期出力が6dB低下するまでの時間
(分)により評価した。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかなごとく,実施例1〜6及び比較例1
〜4によって作製したプラズマ重合保護膜層を有する磁
気テープは,プラズマ重合保護膜層を有しない比較例4
の磁気テープに比べ著しく耐腐食性が高い。さらに,実
施例1〜6の磁気テープは,潤滑層を設けていない比較
例3の磁気テープ,及び潤滑層は設けてあるものの水蒸
気プラズマ処理を施していない比較例1および2の磁気
テープに比べ,耐スチル時間が長く耐久性が一段と改善
されていることがわかる。
〜4によって作製したプラズマ重合保護膜層を有する磁
気テープは,プラズマ重合保護膜層を有しない比較例4
の磁気テープに比べ著しく耐腐食性が高い。さらに,実
施例1〜6の磁気テープは,潤滑層を設けていない比較
例3の磁気テープ,及び潤滑層は設けてあるものの水蒸
気プラズマ処理を施していない比較例1および2の磁気
テープに比べ,耐スチル時間が長く耐久性が一段と改善
されていることがわかる。
(実施例 7) 第2図に示す実施例1で用いた同じ構造のプラズマ処理
装置を用い,実施例1における水蒸気プラズマ処理に代
えて,処理槽9に取付けられたガス導入管10からアンモ
ニアガスを100sccmの流量で導入し,ガス圧を0.3Torrn
として,電極11で13.56MHzの高周波を0.15W/cm2の電力
密度で印加し,プラズマ重合保護膜層の表面をアンモニ
アプラズマ処理した以外は実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。
装置を用い,実施例1における水蒸気プラズマ処理に代
えて,処理槽9に取付けられたガス導入管10からアンモ
ニアガスを100sccmの流量で導入し,ガス圧を0.3Torrn
として,電極11で13.56MHzの高周波を0.15W/cm2の電力
密度で印加し,プラズマ重合保護膜層の表面をアンモニ
アプラズマ処理した以外は実施例1と同様にして磁気テ
ープを作製した。
(実施例 8) 実施例7におけるプラズマ重合保護膜層形成の際,テト
ラフルオロエチレンを50sccm導入する代りに,テトラメ
チルシランを20sccm導入した他は実施例7と同様にして
磁気テープを作製した。プラズマ重合保護膜層の厚さは
180Åであった。
ラフルオロエチレンを50sccm導入する代りに,テトラメ
チルシランを20sccm導入した他は実施例7と同様にして
磁気テープを作製した。プラズマ重合保護膜層の厚さは
180Åであった。
(実施例 9) 実施例7における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例7と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例7と同様にして磁気テープを作製した。
(実施例 10) 実施例7における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた他は実施例7と同様に
して磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた他は実施例7と同様に
して磁気テープを作製した。
(実施例 11) 実施例7における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例7と同様にして磁気テープを作製し
た。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例7と同様にして磁気テープを作製し
た。
(実施例 12) 実施例7における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルシオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他
は実施例7と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルシオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他
は実施例7と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 5) 実施例7においてプラズマ重合保護膜層上へのアンモニ
アプラズマ処理を省いた他は実施例7と同様にして磁気
テープを作製した。
アプラズマ処理を省いた他は実施例7と同様にして磁気
テープを作製した。
(比較例 6) 実施例8において,プラズマ重合保護膜層上へのアンモ
ニアプラズマ処理を省いた他は実施例8と同様にして磁
気テープを作製した。
ニアプラズマ処理を省いた他は実施例8と同様にして磁
気テープを作製した。
(比較例 7) 実施例7においてプラズマ重合保護膜層上へのアンモニ
アプラズマ処理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施
例7と同様にして磁気テープを作製した。
アプラズマ処理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施
例7と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 8) 実施例7においてプラズマ重合保護膜層の形成を省いた
他は比較例7と同様にして磁気テープを作製した。
他は比較例7と同様にして磁気テープを作製した。
上記の実施例7〜12及び比較例5〜8で作製した磁気テ
ープについて,実施例1〜6及び比較例1〜4の場合と
同様にして,飽和磁化の劣化率(%)および耐スチル時
間(分)を調べた結果を第2表に示す。
ープについて,実施例1〜6及び比較例1〜4の場合と
同様にして,飽和磁化の劣化率(%)および耐スチル時
間(分)を調べた結果を第2表に示す。
第2表から明らかなごとく,実施例7〜12及び比較例5
〜8によって作製したプラズマ重合保護膜層を有する磁
気テープは,プラズマ重合保護膜層を有しない比較例8
の磁気テープに比べ著しく耐腐食性が高い。さらに,実
施例7〜12の磁気テープは,潤滑層を設けていない比較
例7の磁気テープ,及び潤滑層は設けてあるもののアン
モニアプラズマ処理を施していない比較例5及び6の磁
気テープに比べ,耐スチル時間が長く耐久性が一段と改
善されていることがわかる。
〜8によって作製したプラズマ重合保護膜層を有する磁
気テープは,プラズマ重合保護膜層を有しない比較例8
の磁気テープに比べ著しく耐腐食性が高い。さらに,実
施例7〜12の磁気テープは,潤滑層を設けていない比較
例7の磁気テープ,及び潤滑層は設けてあるもののアン
モニアプラズマ処理を施していない比較例5及び6の磁
気テープに比べ,耐スチル時間が長く耐久性が一段と改
善されていることがわかる。
(実施例 13) 厚さ10μのポリエステルフィルムを真空蒸着装置に装填
し,1×10-5Torrの真空下でコバルトを加熱蒸発させてポ
リエステルフィルム上に厚さ1000Åのコバルトからなる
強磁性金属薄膜層を形成した。次いで,第4図に示すプ
ラズマ処理装置を使用し,強磁性金属薄膜層を形成した
ポリエステルフィルム1を処理槽2内の原反ロール3か
ら円筒状キャン4の周側面に沿って移動させ,巻き取り
ロール5に巻き取るようにセットした。次いで,ポリエ
ステルフィルム1を円筒状キャン4の周側面に沿って0.
2m/分の走行速度で走行させながら,処理槽6に取り付
けたガス導入管7からアルゴンと水素の1対1混合ガス
を導入し,ガス圧を0.005Torrとして電極8で13.56MHz
の高周波を5W/cm2の電力密度で印加して,電極8上に設
置したグラファイト17のスパッタリングを行ない,強磁
性金属薄膜層上に炭素質膜を形成した。この時炭素質膜
は炭素と水素からなり,組成比は原子数比で炭素対水素
で,1:0.7であった。また膜厚は120Åであった。同時
に,処理槽9に取り付けたガス導入管10から水蒸気を10
0sccmの流量で導入し,ガス圧を0.1Torrとして電極11で
13.56MHzの高周波を0.05W/cm2の電力密度で印加し,既
に形成した炭素質膜の表面をプラズマ処理した。続い
て,フィルムを処理槽から取り出し,所定の幅に裁断し
オクタデシルイソシアネートを0.1wt%ベンゼン溶液に
してディップ塗布し,十分乾燥して潤滑槽を形成し,第
3図に示す構造の磁気テープを得た。なお,第4図に示
す12,13,14はそれぞれ処理槽2,6,9を排気する排気系,1
5,16はそれぞれ電極8,11に高周波を印加するための高周
波電源である。
し,1×10-5Torrの真空下でコバルトを加熱蒸発させてポ
リエステルフィルム上に厚さ1000Åのコバルトからなる
強磁性金属薄膜層を形成した。次いで,第4図に示すプ
ラズマ処理装置を使用し,強磁性金属薄膜層を形成した
ポリエステルフィルム1を処理槽2内の原反ロール3か
ら円筒状キャン4の周側面に沿って移動させ,巻き取り
ロール5に巻き取るようにセットした。次いで,ポリエ
ステルフィルム1を円筒状キャン4の周側面に沿って0.
2m/分の走行速度で走行させながら,処理槽6に取り付
けたガス導入管7からアルゴンと水素の1対1混合ガス
を導入し,ガス圧を0.005Torrとして電極8で13.56MHz
の高周波を5W/cm2の電力密度で印加して,電極8上に設
置したグラファイト17のスパッタリングを行ない,強磁
性金属薄膜層上に炭素質膜を形成した。この時炭素質膜
は炭素と水素からなり,組成比は原子数比で炭素対水素
で,1:0.7であった。また膜厚は120Åであった。同時
に,処理槽9に取り付けたガス導入管10から水蒸気を10
0sccmの流量で導入し,ガス圧を0.1Torrとして電極11で
13.56MHzの高周波を0.05W/cm2の電力密度で印加し,既
に形成した炭素質膜の表面をプラズマ処理した。続い
て,フィルムを処理槽から取り出し,所定の幅に裁断し
オクタデシルイソシアネートを0.1wt%ベンゼン溶液に
してディップ塗布し,十分乾燥して潤滑槽を形成し,第
3図に示す構造の磁気テープを得た。なお,第4図に示
す12,13,14はそれぞれ処理槽2,6,9を排気する排気系,1
5,16はそれぞれ電極8,11に高周波を印加するための高周
波電源である。
(実施例 14) 実施例13における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例13と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例13と同様にして磁気テープを作製した。
(実施例 15) 実施例13における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた実施例13と同様にして
磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた実施例13と同様にして
磁気テープを作製した。
(実施例 16) 実施例13における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例13と同様にして磁気テープを作製し
た。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例13と同様にして磁気テープを作製し
た。
(実施例 17) 実施例13における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他は
実施例13と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他は
実施例13と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 9) 実施例13において炭素質膜上への水蒸気プラズマ処理を
省いた他は実施例13と同様にして磁気テープを作製し
た。
省いた他は実施例13と同様にして磁気テープを作製し
た。
(比較例 10) 実施例13において,炭素質膜上への水蒸気プラズマ処
理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施例13と同様に
して磁気テープを作製した。
理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施例13と同様に
して磁気テープを作製した。
(比較例 11) 強磁性金属薄膜に何ら処理を施さず,かつ炭素質膜など
を全く形成させずに磁気テープを作製した。
を全く形成させずに磁気テープを作製した。
上記の実施例13〜17及び比較例9〜10で作製した磁気テ
ープについて,上述の実施例の場合と同様な方法で,飽
和磁化の劣化率(%)および耐スチル時間(分)を求
め,耐腐食性および耐久性を評価した。その結果を第3
表に示す。
ープについて,上述の実施例の場合と同様な方法で,飽
和磁化の劣化率(%)および耐スチル時間(分)を求
め,耐腐食性および耐久性を評価した。その結果を第3
表に示す。
第3表から明らかなごとく,実施例13〜17及び比較例9
〜11によって作製した炭素質膜を有する磁気テープは,
炭素質膜を有しない比較例11の磁気テープに比べ著しく
耐腐食性が高い。さらに,実施例13〜17の磁気テープ
は,潤滑層を設けていない比較例10,11の磁気テープ,
及び潤滑層は設けてあるものの水蒸気プラズマ処理を施
していない比較例9の磁気テープに比べ,耐スチル時間
が長く,耐久性が一段と改善されていることがわかる。
〜11によって作製した炭素質膜を有する磁気テープは,
炭素質膜を有しない比較例11の磁気テープに比べ著しく
耐腐食性が高い。さらに,実施例13〜17の磁気テープ
は,潤滑層を設けていない比較例10,11の磁気テープ,
及び潤滑層は設けてあるものの水蒸気プラズマ処理を施
していない比較例9の磁気テープに比べ,耐スチル時間
が長く,耐久性が一段と改善されていることがわかる。
(実施例 18) 第4図に示す実施例13で用いた同じ構造のスパッタリン
グおよびプラズマ処理装置を用い,実施例13における水
蒸気プラズマに代えて,処理槽9に取付けられたガス導
入管10からアンモニアガスを100sccmの流量で導入し,
ガス圧を0.3Torrとして,電極11で13.56MHzの高周波を
0.05W/cm2の電力密度で印加し,炭素質膜の表面をアン
モニアプラズマ処理した以外は実施例13と同様にして磁
気テープを作製した。
グおよびプラズマ処理装置を用い,実施例13における水
蒸気プラズマに代えて,処理槽9に取付けられたガス導
入管10からアンモニアガスを100sccmの流量で導入し,
ガス圧を0.3Torrとして,電極11で13.56MHzの高周波を
0.05W/cm2の電力密度で印加し,炭素質膜の表面をアン
モニアプラズマ処理した以外は実施例13と同様にして磁
気テープを作製した。
(実施例 19) 実施例18における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例18と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,1−デセン
−3−オンの0.1wt%n−ヘキサン溶液を用いた他は実
施例18と同様にして磁気テープを作製した。
(実施例 20) 実施例18における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた他は実施例18と同様に
して磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,ホンブリ
ンZ−DISOC(モンテジソン社製,末端−N=C=O)
の0.1wt%フレオン溶液を用いた他は実施例18と同様に
して磁気テープを作製した。
(実施例 21) 実施例18における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例18と同様にして磁気テープを作製し
た。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−オクタ
デシルシアニドの0.2wt%メチルイソブチルケトン溶液
を用いた他は実施例18と同様にして磁気テープを作製し
た。
(実施例 22) 実施例18における潤滑層形成の際に,オクタデシルイソ
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他は
実施例18と同様にして磁気テープを作製した。
シアネートの0.1wt%ベンゼン溶液に代えて,n−ペンタ
デシルオキシレンの0.1wt%ベンゼン溶液を用いた他は
実施例18と同様にして磁気テープを作製した。
(比較例 12) 実施例18において炭素質膜上へのアンモニアプラズマ処
理を省いた他は実施例18と同様にして磁気テープを作製
した。
理を省いた他は実施例18と同様にして磁気テープを作製
した。
(比較例 13) 実施例18において,炭素質膜上へのアンモニアプラズマ
処理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施例18と同様
にして磁気テープを作製した。
処理,並びに潤滑層の形成を省いた他は実施例18と同様
にして磁気テープを作製した。
(比較例 14) 強磁性金属薄膜に何ら処理を施さず,かつ炭素質膜など
を全く形成させずに磁気テープを作製した。
を全く形成させずに磁気テープを作製した。
上記の実施例18〜22及び比較例12〜14で作製した磁気テ
ープについて,上述の実施例の場合と同様な方法で飽和
磁化の劣化率(%)および耐スチール時間(分)を求
め,耐腐食性ならびに耐久性を評価した。その結果を第
4表に示す。
ープについて,上述の実施例の場合と同様な方法で飽和
磁化の劣化率(%)および耐スチール時間(分)を求
め,耐腐食性ならびに耐久性を評価した。その結果を第
4表に示す。
第4表から明らかなごとく,実施例18〜22及び比較例12
〜13によって作製した炭素質膜を有する磁気テープは,
炭素質膜を有しない比較例14の磁気テープに比べ,著し
く耐腐食性が高い。さらに,実施例18〜22の磁気テープ
は,潤滑層を設けていない比較例13,14の磁気テープ,
及び潤滑層は設けてあるもののアンモニアプラズマ処理
を施していない比較例12の磁気テープに比較して耐スチ
ル時間が長く,耐久性が一段と改善されていることがわ
かる。
〜13によって作製した炭素質膜を有する磁気テープは,
炭素質膜を有しない比較例14の磁気テープに比べ,著し
く耐腐食性が高い。さらに,実施例18〜22の磁気テープ
は,潤滑層を設けていない比較例13,14の磁気テープ,
及び潤滑層は設けてあるもののアンモニアプラズマ処理
を施していない比較例12の磁気テープに比較して耐スチ
ル時間が長く,耐久性が一段と改善されていることがわ
かる。
以上の本発明の実施例において,潤滑層を構成する有機
化合物として,(1)累積二重結合を有する化合物であ
るオクタデシルイソシアネート,オクタデシルイソチオ
シアネート,(2)電子吸収性基により活性化された炭
素−炭素結合を有する化合物である1−デセン−3−オ
ン,(3)三重結合を有する化合物であるオクタデシル
シアニド,および(4)ヘテロ原子を含む環状化合物で
あるペンタデシルオキシレンを例に挙げて説明したが,
上記の有機化合物以外に,(1)の化合物として,メチ
ル−n−オクチルケテン,n−デシルケテンイミン,n−デ
シルカルボジイミドなど,(3)の化合物として,1−オ
クタデセンなど,(4)の化合物として,N−デシルアジ
リジン,γ−ステアロラクトン,γ−パルミトエノール
ラクトン,ブチルアズラクトン,n−デシル無水コハク
酸,N−オクチルイソマレイミド,N−デシルイミノジオキ
ソランなどについても,上記本発明の実施例と同様の効
果があることを確認している。
化合物として,(1)累積二重結合を有する化合物であ
るオクタデシルイソシアネート,オクタデシルイソチオ
シアネート,(2)電子吸収性基により活性化された炭
素−炭素結合を有する化合物である1−デセン−3−オ
ン,(3)三重結合を有する化合物であるオクタデシル
シアニド,および(4)ヘテロ原子を含む環状化合物で
あるペンタデシルオキシレンを例に挙げて説明したが,
上記の有機化合物以外に,(1)の化合物として,メチ
ル−n−オクチルケテン,n−デシルケテンイミン,n−デ
シルカルボジイミドなど,(3)の化合物として,1−オ
クタデセンなど,(4)の化合物として,N−デシルアジ
リジン,γ−ステアロラクトン,γ−パルミトエノール
ラクトン,ブチルアズラクトン,n−デシル無水コハク
酸,N−オクチルイソマレイミド,N−デシルイミノジオキ
ソランなどについても,上記本発明の実施例と同様の効
果があることを確認している。
さらに,上記の本発明の実施例において,磁気記録層と
して強磁性金属薄膜層を有する磁気記録媒体について述
べたが,γFe2O3,CrO2,Fe,Fe−Co,Fe−Co−Ni,Baフェラ
イトなどの強磁性体微粒子を各種バインダと混合し,溶
剤中に分散させた磁性塗料を非磁性基体上に塗布し形成
させた磁気記録層を有する磁気記録媒体においても上記
実施例と同様の効果があることを実験により確認してい
る。
して強磁性金属薄膜層を有する磁気記録媒体について述
べたが,γFe2O3,CrO2,Fe,Fe−Co,Fe−Co−Ni,Baフェラ
イトなどの強磁性体微粒子を各種バインダと混合し,溶
剤中に分散させた磁性塗料を非磁性基体上に塗布し形成
させた磁気記録層を有する磁気記録媒体においても上記
実施例と同様の効果があることを実験により確認してい
る。
以上詳細に説明したごとく,本発明の磁気記録層上に,
有機系または無機系の重合体膜からなる保護膜層,もし
くは炭素物質を主成分とする保護膜層を形成し,その表
面に水酸基,アミノ基,イミノ基などを導入し,さらに
その表面に,上記の導入基と重付加反応を起こす活性部
分である累積二重結合を有する化合物,電子吸引性基に
より活性化された炭素−炭素二重結合を有する化合物,
三重結合を有する化合物,あるいはヘテロ原子を含む環
状化合物などからなる潤滑層を設けることによって,耐
腐食性ならびに走行特性が良好で,耐久性に優れた信頼
性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
有機系または無機系の重合体膜からなる保護膜層,もし
くは炭素物質を主成分とする保護膜層を形成し,その表
面に水酸基,アミノ基,イミノ基などを導入し,さらに
その表面に,上記の導入基と重付加反応を起こす活性部
分である累積二重結合を有する化合物,電子吸引性基に
より活性化された炭素−炭素二重結合を有する化合物,
三重結合を有する化合物,あるいはヘテロ原子を含む環
状化合物などからなる潤滑層を設けることによって,耐
腐食性ならびに走行特性が良好で,耐久性に優れた信頼
性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
第1図は本発明の実施例1〜12において作製した磁気記
録媒体の構造を示す部分拡大断面図,第2図は実施例1
〜12において用いたプラズマ重合およびプラズマ処理装
置の構造を示す模式図,第3図は実施例13〜22において
作製した磁気記録媒体の構造を示す部分拡大断面図,第
4図は実施例13〜22において用いたスパッタリングおよ
びプラズマ処理装置の構造を示す模式図である。 1……ポリエステルフィルム 2……処理槽、3……原反ロール 4……円筒状キャン、5……巻き取りロール 6……処理槽、7……ガス導入管 8……電極、9……処理槽 10……ガス導入管、11……電極 12,13,14……排気系、15,16……高周波電源 17……グラファイト、18……基体 19……強磁性金属薄膜層 20……プラズマ重合保護膜層 21……プラズマ処理層、22……潤滑層 23……炭素質膜
録媒体の構造を示す部分拡大断面図,第2図は実施例1
〜12において用いたプラズマ重合およびプラズマ処理装
置の構造を示す模式図,第3図は実施例13〜22において
作製した磁気記録媒体の構造を示す部分拡大断面図,第
4図は実施例13〜22において用いたスパッタリングおよ
びプラズマ処理装置の構造を示す模式図である。 1……ポリエステルフィルム 2……処理槽、3……原反ロール 4……円筒状キャン、5……巻き取りロール 6……処理槽、7……ガス導入管 8……電極、9……処理槽 10……ガス導入管、11……電極 12,13,14……排気系、15,16……高周波電源 17……グラファイト、18……基体 19……強磁性金属薄膜層 20……プラズマ重合保護膜層 21……プラズマ処理層、22……潤滑層 23……炭素質膜
Claims (8)
- 【請求項1】強磁性金属薄膜型もしくは塗布型の磁気記
録層を有する磁気記録媒体において,上記磁気記録層上
に,ベーパデポジション法による有機系または無機系の
重合体からなる保護膜層,もしくは炭素を主成分とする
保護膜層を形成し,該保護膜層の表面に,水酸基,アミ
ノ基,イミノ基のうちより選ばれる少なくとも1種の基
を導入することによって活性化処理層を形成し,さらに
該活性化処理層上に,上記導入基と重付加反応を起こす
活性部分である累積二重結合を有する化合物,電子吸引
性基により活性化された炭素−炭素二重結合を有する化
合物,三重結合を有する化合物,ヘテロ原子を有する環
状化合物のうちより選ばれる少なくとも1種の有機化合
物からなる潤滑層を設けることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項2】ベーパデポジション法による有機系の重合
体からなる保護膜層は,炭化水素系有機化合物,フッ素
系有機化合物,ケイ素系有機化合物のうちより選ばれる
少なくとも1種の化合物のガス,もしくは蒸気をモノマ
ーガスとして用い,プラズマ重合法,イオンビーム蒸着
法,化学蒸着(CVD)法の少なくとも1種の方法によっ
て形成される重合体,もしくは合成樹脂をターゲットと
して用い,スパッタ法により形成される重合体,あるい
は合成樹脂を蒸発源として用い真空蒸着法により形成さ
れる重合体よりなることを特徴とする特許請求の範囲第
1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】ベーパデポジション法による無機系の重合
体からなる保護膜層は,無機化合物あるいは単体をター
ゲットとして用い,スパッタ法により形成される重合
体,もしくは無機化合物あるいは単体を蒸発源として用
い,真空蒸着法により形成される重合体よりなることを
特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項4】モノマーガスである炭化水素系有機化合物
が,メタン,エチレン,エタン,プロピレン,プロパン
であり,フッ素系有機化合物がC2F4,C3F6であり,ケイ
素系有機化合物がテトラメチルシラン,オクタメチルシ
クロテトラシロキサン,ヘキサメチルジシラザンであ
り,プラズマ重合法によって形成される重合体からなる
保護膜層を有することを特徴とする特許請求の範囲第2
項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】炭素を主成分とする保護膜層は,イオンビ
ーム蒸着法,CVD法,プラズマ重合法,スパッタリング法
の少なくとも1種の方法によって形成され,炭素元素が
30at%以上含有する炭素質膜であるか,または炭素質膜
が炭素と水素からなり,炭素の含有量が40at%以上含有
する炭素質膜であるか,もしくは炭素質膜が炭素と水素
と酸素からなり,炭素の含有量が30at%以上であり,か
つ酸素の含有量が20at%以下であることを特徴とする特
許請求の範囲第1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】潤滑層を構成する累積二重結合を有する化
合物群は,イソシアネート〔−N=C=O〕,イソチオ
シアネート〔−N=C=S〕,ケテン ケテンイミン カルボジイミド〔−N=C=N−〕であり,電子吸収性
基により活性化された炭素−炭素結合を有する化合物群
は,α,β−不飽和カルボニルであり,三重結合を有す
る化合物群は,アセチレン系〔−C≡C−〕,ニトリル
〔−C≡N〕であり,ヘテロ原子を含む環状化合物群
は, であり,潤滑層はこれらの化合物群に属する化合物のう
ちから選ばれる少なくとも1種以上の化合物からなるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第5項のい
ずれか1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】強磁性金属薄膜型もしくは塗布型の磁気記
録層を有する磁気記録媒体の製造方法において,上記磁
気記録層上に,有機化合物をモノマーガスとして用いベ
ーパデポジション法により有機系または無機系の重合体
からなる保護膜層を形成させるか,もしくはベーパデポ
ジション法により炭素を主成分とする保護膜層を形成さ
せた後,上記保護膜層を,水蒸気もしくはアンモニア雰
囲気中でプラズマ処理を行ない,上記保護膜層の表面
に,水酸基,アミノ基,イミノ基の少なくとも1種の基
を導入することによって活性化処理層を形成し,さらに
該活性化処理層上に,上記保護膜層の表面の導入基と重
付加反応を起こす活性部分である累積二重結合を有する
化合物,電子吸引性基により活性化された炭素−炭素二
重結合を有する化合物,三重結合を有する化合物,ヘテ
ロ原子を有する環状化合物のうちより選ばれる少なくと
も1種の化合物からなる潤滑層を,塗布法もしくは物理
蒸着法によって形成させることを特徴とする磁気記録媒
体の製造法。 - 【請求項8】保護膜層の表面の活性化処理層の形成は,
水蒸気,アンモニアガスのうちの少なくとも1種を含む
ガスを用い,該ガス流量が1〜500sccmもしくは10〜200
sccm,ガス圧力が0.001〜10Torrもしくは0.01〜5Torr高
周波電力密度が0.01〜3W/cm2もしくは0.06〜1W/cm2の条
件下でのプラズマ処理によることを特徴とする特許請求
の範囲第7項に記載の磁気記録媒体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30383686A JPH0799576B2 (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | 磁気記録媒体およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30383686A JPH0799576B2 (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | 磁気記録媒体およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63157312A JPS63157312A (ja) | 1988-06-30 |
JPH0799576B2 true JPH0799576B2 (ja) | 1995-10-25 |
Family
ID=17925893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30383686A Expired - Lifetime JPH0799576B2 (ja) | 1986-12-22 | 1986-12-22 | 磁気記録媒体およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0799576B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0833996B2 (ja) * | 1989-09-26 | 1996-03-29 | 松下電器産業株式会社 | 磁気記録媒体の製造方法 |
-
1986
- 1986-12-22 JP JP30383686A patent/JPH0799576B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63157312A (ja) | 1988-06-30 |
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