JPH0799017B2 - 連続地下壁用先行エレメントの掘削方法 - Google Patents

連続地下壁用先行エレメントの掘削方法

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JPH0799017B2
JPH0799017B2 JP26352787A JP26352787A JPH0799017B2 JP H0799017 B2 JPH0799017 B2 JP H0799017B2 JP 26352787 A JP26352787 A JP 26352787A JP 26352787 A JP26352787 A JP 26352787A JP H0799017 B2 JPH0799017 B2 JP H0799017B2
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栄治 川井
真次 松岡
博 原
馨 弘瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、連続地下壁を構築するにあたって、その先行
エレメントを掘削する連続地下壁用先行エレメントの掘
削方法に関する。
〈従来の技術〉 従来の先行エレメントの掘削方法としては、次のような
工程によるものであった。
(i)第1工程 第4図の(a)に示すような、所定幅の先行エレメント
用掘削部分A1,A1と余掘部分A2とから成る一先行エレメ
ント分の掘削溝Eを掘削するのに、第4図の(b)に示
すように、クラムシェルや多軸型オーガ等の掘削具Bに
より、構築すべき連続地下壁に沿った水平方向、即ち、
ガイドトレンチの長手方向で一先行エレメント分の掘削
溝Eに対応する箇所の一端側から1/3を越え、かつ、1/2
よりも短い長さの第1の掘削溝e1を掘削する。
(ii)第2工程 第4図の(c)に示すように、掘削具Bにより、ガイド
トレンチの長手方向で一先行エレメント分の掘削溝Eに
対応する箇所の他端側から1/3を越え、かつ、1/2よりも
短い長さの第2の掘削溝e2を掘削する。
(iii)第3工程 第4図の(d)に示すように、上述の第1の掘削溝e1と
第2の掘削溝e2との間の残余部分e3を、掘削具Bの左右
の外力をバランスさせた状態で掘削し、ガイドトレンチ
の長手方向で傾斜させることなく、一先行エレメント分
の掘削溝Eを掘削する。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、従来では、掘削具Bの左右の外力をバラ
ンスするために、一先行エレメント分の掘削溝Eに対し
て、掘削具Bを少なくとも3回下降して掘削しなければ
ならず、先行エレメントの掘削に時間がかかり、工期が
増大する欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであっ
て、連続地下壁の構築に際しての先行エレメントの掘削
を工程少なく短時間で行うことができるようにして、連
続地下壁の施工工期を短縮できるようにすることを目的
とする。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明は、このような目的を達成するために、構築すべ
き連続地下壁に沿った水平方向で一先行エレメントの過
半部にわたる長さの掘削溝を掘削具によって掘削した
後、前記掘削溝内の所定位置に、その最深部またはその
近くにまでわたる長さの反力材を挿入し、作用面を鉛直
姿勢にした状態で立設固定し、前記掘削具を、その水平
方向での変位を前記反力材により阻止した状態で下降し
て前記先行エレメントの残余部分を掘削するという構成
を採用する。
〈作用〉 上記構成によれば、掘削具で掘削した掘削溝に立設固定
された反力材により、掘削抵抗の違いに起因して掘削具
が先に掘削した掘削溝側に変位しようとすることを阻止
し、反力材をガイドにした状態で、鉛直方向に真っ直ぐ
に掘削溝を掘削することができる。
〈実施例〉 以下、本発明方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
先ず、掘削機について説明すれば、第3図に示すよう
に、クローラ式走行装置1を備えた走行車体2にガイド
リーダ3が立設され、そのガイドリーダ3に,掘削具と
してのクラムシェルBが昇降自在に設けられるととも
に、クラムシェルBと巻上ドラム4aとが連動連結され、
巻上ドラム4aによる巻き取りと巻き戻しとによってクラ
ムシェルBを駆動しながら昇降させ、所定深さの掘削溝
を掘削するように掘削機が構成されている。4bは、クラ
ムシェルBのバケットを駆動するための油圧ホースのリ
ールである。
図中5,5は、走行車体2を接地固定するアウトリガーで
ある。
上述のクラムシェルBによって先行エレメントの掘削溝
Eを掘削するとともに、そこに鉄筋籠6を挿入し、最終
的にコンクリートを打設して先行エレメントを構築する
ようになっており、次に、それらの施工形態につき、工
程順に説明する。
第1工程 第3図に示すように、ガイドトレンチ7を構築した後
に、その所定箇所に掘削機を固定設置し、しかる後に、
第1図の(a)に示すように、安定液を注入して満たし
ながら、クラムシェルBにより、構築すべき連続壁に沿
った水平方向、即ち、ガイドトレンチ7の長手方向で一
先行エレメントの一端側から過半部を越える長さの掘削
溝E1を掘削する。
第2工程 次いで、第1図の(b)に示すように、反力材としての
ロッキングボックス8を掘削溝E1内の所定箇所に挿入す
るとともに、第1図の(c)に示すように、その下端部
を支持地盤中に貫入して立設し、超音波式溝壁測定器9
によりロッキングボックス8の鉛直状態を確認して、上
端側を、それに取り付けたジャッキによってガイドトレ
ンチ7に固定する。
第3工程 ロッキングボックス8を鉛直状態で固定した後、第1図
の(d)に示すように、ロッキングボックス8の背面
(H鋼付き鉄筋籠のH鋼のフランジに対する嵌入溝を設
けていない側の面)に沿わせてクラムシェルBを下降し
ながら、先行エレメントの残余部分E2を掘削し、一先行
エレメント分の掘削溝Eの掘削を完了する。
第4工程 しかる後、第1図の(e)に示すように、ロッキングボ
ックス8のガイドトレンチ7に対する固定を解除すると
ともに、そのロッキングボックス8をクレーン(図示せ
ず)によって引き抜き、そのロッキングボックス8を、
掘削溝E内で、ガイドトレンチ7の長手方向両端の内の
残余部分E2側の端部に移動し、第1図の(f)に示すよ
うに、前述同様に、超音波式溝壁測定器によりロッキン
グボックス8の鉛直状態を確認して立設固定し、一方、
ガイドトレンチ7の長手方向他端側の所定位置に位置決
め治具10をセットし、第1図の(f)の平面図〔第2図
の(a)〕に示すように、ロッキングボックス8のフラ
ンジ嵌入溝11にH鋼付き鉄筋籠6の一方側H鋼12のフラ
ンジ12aを嵌入するとともに、他方側H鋼12のフランジ1
2aの外面を位置決め治具10に摺接し、ロッキングボック
ス8と位置決め治具10とをガイドにして掘削溝内にH鋼
付き鉄筋籠6を鉛直姿勢で挿入する。
第5工程 鉄筋籠6を挿入した後に、第1図の(g)、および、そ
の平面図〔第2図の(b)〕に示すように、位置決め治
具10を撤去し、そこに、他方側H鋼12のフランジ12aに
フランジ嵌入溝11aを外嵌する状態で別のロッキングボ
ックス8aを挿入して立設固定する。
第6工程 掘削溝内にトレミー管(図示せず)をセットし、安定液
と置換しながらコンクリートを打設する。このようにし
て、先行エレメントを所定間隔おきに構築した後、第1
図の(h)に示すように、隣合う先行エレメント間を、
ロッキングボックス8,8aをガイドにしながらクラムシェ
ルBを下降して掘削する。
第7工程 ロッキングボックス8,8aを撤去してから、隣合う先行エ
レメントの打ち継ぎ部を清掃するとともに、溝底のスラ
イムを処理し、その後に、第1図の(i)に示すよう
に、掘削溝内に鉄筋籠6aを挿入し、トレミー管(図示せ
ず)をセットし、安定液と置換しながらコンクリートを
打設し、これにより後行エレメントを構築して連続地下
壁を構築する。
次に、上述のようにして、一先行エレメントの掘削を行
った場合と、従来の三回掘削によって先行エレメントの
掘削を行った場合とを比較したところ、次表に示す結果
を得た。なお、従来例としては、掘削幅がそれぞれ1500
mm、2000mmのものを用い、本発明の実施例としては、掘
削幅が2500mmのものを用い、それぞれ、溝幅が1000mm、
長手方向長さが4300mm、深さが50mの掘削溝を掘削し
た。
従来例との比較実験結果を示す表 上記結果から、本発明の実施例によれば、掘削幅が1500
mmの従来例による場合に比べ、約1/3の時間で掘削で
き、また、掘削幅が2000mmの従来例による場合と比べて
も、約30%の時間短縮を図ることができ、先行エレメン
トの掘削時間を大幅に短縮できることが明らかであり、
かつ、それに伴って、連続地下壁の施工工期を大幅に短
縮できることが明らかであった。
上記実施例では、リーダー付きバケットタイプのクラム
シェルBを用いて先行エレメントを掘削しているが、本
発明としては、例えば、ロープ式バケットタイプやリバ
ースタイプであるとか、多軸型オーガなど、各種の掘削
具によって掘削する場合に適用できる。
上記実施例では、反力材としてロッキングボックス8を
利用し、残余部分E2の掘削後において、そのロッキング
ボックス8を移動することにより、鉄筋籠6の挿入ガイ
ドに利用して、鉄筋籠6を鉛直方向に真っ直ぐに挿入で
き、位置決め治具10のみによって鉄筋籠6を挿入する場
合のような挿入姿勢の傾斜を発生せず、鉄筋籠6の挿入
後において鉄筋を切断するなどといった各種の修正作業
が不要になるうえに、ロッキングボックス8の建込み時
間を短縮できるため、連続地下壁を構築するうえでより
一層工期を短縮できる利点を有しているが、本発明とし
ては、ロッキングボックス8に代えて、プレートやロッ
ドなどを反力材として用いても良い。
〈発明の効果〉 本発明によれば、掘削した掘削溝に反力材を挿入して立
設固定するという工程を付加するだけでありながら、掘
削具を2回下降して掘削するだけで、傾斜を生じること
なく先行エレメントを掘削でき、従来のように、掘削具
を3回下降して掘削を行う場合に比べ、その工期を大幅
に短縮できるようになった。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明に係る連続地下壁用先行エレメントの掘
削方法の実施例を示し、第1図の(a)ないし(i)
は、それぞれ各工程の施工状態を示す概略縦断面図、第
2図の(a)は、第1図の(f)の平面図、第2図の
(b)は、第1図の(g)の平面図、第3図は、掘削機
の設置状態を示す側面図、第4図の(a)ないし(d)
は、それぞれ従来例における各工程の施工状態を示す概
略縦断面図である。 8…反力材としてのロッキングボックス B…掘削具としてのクラムシェル E1…掘削溝 E2…残余部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 博 大阪府大阪市東区本町4丁目27番地 株式 会社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 弘瀬 馨 高知県高知市塩田町1番6号 大容基功工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭47−24013(JP,A) 実開 昭49−142904(JP,U) 特公 昭47−42286(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構築すべき連続地下壁に沿った水平方向で
    一先行エレメントの過半部にわたる長さの掘削溝を掘削
    具によって掘削した後、前記掘削溝内の所定位置に、そ
    の最深部またはその近くにまでわたる長さの反力材を挿
    入し、作用面を鉛直姿勢にした状態で立設固定し、前記
    掘削具を、その水平方向での変位を前記反力材により阻
    止した状態で下降して前記先行エレメントの残余部分を
    掘削することを特徴とする連続地下壁用先行エレメント
    の掘削方法。
JP26352787A 1987-10-19 1987-10-19 連続地下壁用先行エレメントの掘削方法 Expired - Fee Related JPH0799017B2 (ja)

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