JPH0798841A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0798841A
JPH0798841A JP24118193A JP24118193A JPH0798841A JP H0798841 A JPH0798841 A JP H0798841A JP 24118193 A JP24118193 A JP 24118193A JP 24118193 A JP24118193 A JP 24118193A JP H0798841 A JPH0798841 A JP H0798841A
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JP
Japan
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layer
magnetic recording
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Application number
JP24118193A
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English (en)
Inventor
Toshitsugu Ono
敏嗣 小野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の硬化時間及び温度条件下においても結
合剤との反応性が良好で、優れた耐久性を発揮できる磁
気記録媒体を提供することを目的とする。 【構成】 磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性塗料よ
りなる磁性層が非磁性支持体上に形成されてなる磁気記
録媒体において、上記磁性層に架橋剤としてイソシアヌ
レート化合物を含有せしめる。ここで、上記結合剤とし
ては、そのガラス転移温度が60℃以上である樹脂が好
適であり、ガラス転移温度が60℃以上のポリウレタン
樹脂であることがより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関し、
特に磁性層或いはバックコート層を構成する架橋剤の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】所謂塗布型の磁気記録媒体においては、
強磁性粉末や結合剤、分散剤、潤滑剤、架橋剤等を有機
溶剤に分散混練してなる磁性塗料をポリエステルフィル
ム等の非磁性支持体上に塗布することによって磁性層を
形成している。
【0003】上記磁性層の構成材料である結合剤は、強
磁性粉末を磁性層中に結合させておくために配されるも
のであり、該結合剤には結合剤中への磁性粉末の分散が
良好であること、磁性特性、電磁変換特性の良好な磁性
層を形成し得ること、耐久性・耐熱性の良好な磁性層を
形成し得ること等の特性が要求される。
【0004】また、上記塗布型の磁気記録媒体、特にオ
ーディオテープやビデオテープ、カートリッジ用磁気テ
ープ等においては、走行安定性、テープ間の摩擦抵抗の
低減或いは帯電性の改良等の目的から、上記非磁性支持
体の磁性層形成面の背面に主として無機顔料等の固体粒
子、結合剤及び架橋剤からなるバックコート層を設けて
いる。
【0005】上記磁性層或いはバックコート層に用いら
れる結合剤としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化
ビニル系樹脂や、ニトロセルロース、エポキシ樹脂、ア
クリル樹脂、ポリウレタン樹脂等が使用されている。
【0006】これら磁性層或いはバックコート層に用い
られる結合剤においては、必要とされる物理的特性を達
成できるように2種類以上を組み合わせて用いられるこ
とが多い。例えば、これら樹脂のうち分散性、強靭性、
耐摩耗性に優れた剛性の低い(ガラス転移点の低い)ポ
リウレタン樹脂と、形成されるバックコート層に塗膜強
度を付与する剛性の高い(ガラス転移点の高い)ニトロ
セルロースや塩化ビニル系樹脂が組み合わせて使用され
ている。
【0007】一方、上記磁性層或いはバックコート層に
使用される架橋剤は、磁性層或いはバックコート層を非
磁性支持体上に形成した後、該磁性層或いはバックコー
ト層中に配合された結合剤同士を適当な時間及び温度条
件下で架橋させるために配されるものである。
【0008】これら架橋剤には、上記磁性層或いはバッ
クコート層に使用される結合剤との反応において高い架
橋効率を示し、形成される磁性層或いはバックコート層
の耐久性、耐熱性が良好であること等の特性が要求され
る。
【0009】従来、上述のような特性に比較的優れた架
橋剤として、ポリイソシアネート化合物が広く使用され
ている。このポリイソシアネート化合物は、分子中に複
数のイソシアネート基を含有しており、これらイソシア
ネート基が上記結合剤中の水酸基と反応することにより
ウレタン結合を形成し、上記結合剤同士の架橋を行うこ
とにより磁性層或いはバックコート層に要求される耐久
性、耐熱性を満足させることを目的とする。
【0010】このようなポリイソシアネート化合物の代
表的なものとしては、ジイソシアネート化合物のアダク
ト体等が挙げられる。このジイソシアネート化合物のア
ダクト体とは、トリレンジイソシアネートやジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート等のジイソシアネート化合物をトリメチロールプロ
パンなどの三官能の水酸基含有化合物に付加させること
により1分子中に3個のイソシアネート基を含有した化
合物である。
【0011】このジイソシアネート化合物のアダクト体
は、上記結合剤中の水酸基との反応速度が適度なため、
磁性塗料中或いはバックコート用塗料中に上記架橋剤を
配合しても架橋反応は起こらず、上記磁性層或いはバッ
クコート層を非磁性支持体上に形成した後、適当な硬化
時間及び硬化温度条件下に置くことにより架橋反応が起
こり得るものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の磁気
記録媒体においては、記録密度の上昇や媒体とヘッドの
相対速度の上昇等、要求される物理特性および耐久性は
更に過酷なものとなってきている。
【0013】しかしながら、従来の架橋剤ではその反応
性に限界があり、従来の硬化温度条件下においては十分
な架橋性が得られず、結果として得られる磁気記録媒体
の耐久性が十分ではないという問題が生じている。
【0014】これに対して、十分な架橋性を得るために
硬化温度を高くすると、架橋性は上昇するものの、非磁
性支持体の流動が起こり形状が悪化し、得られる磁気記
録媒体の電磁変換特性が劣化するとともに、走行安定性
等の耐久性が十分に確保できなくなってしまう。従っ
て、従来の架橋剤を用いた場合には、得られる磁性層或
いはバックコート層に十分な耐久性を付与することはで
きない。
【0015】一方、近年の磁気記録媒体においては、ガ
ラス転移温度が硬化温度よりも高い結合剤を使用するこ
とが多くなっている。このような結合剤においては、硬
化温度においても磁性層中或いはバックコート層中での
自由度が著しく損なわれており、十分な架橋が行われな
い。この結果、得られる磁気記録媒体の走行安定性、走
行耐久性が十分ではない。
【0016】また、記録密度の上昇という面において
は、磁性層の構成材料として用いられる結合剤樹脂が分
散性においても十分な能力を発揮できるものであること
が望ましく、このような結合剤樹脂としてポリウレタン
樹脂を使用することが多くなってきている。
【0017】更に、走行安定性の向上という面において
は、バックコート層の構成材料として用いられる結合剤
樹脂が無機顔料に対する分散性においても十分な能力を
発揮できるものであることが望ましく、このような結合
剤樹脂としてポリウレタン樹脂を使用することが多くな
ってきている。
【0018】このポリウレタン樹脂は、エステル結合や
カーボネート結合を有するポリヒドロキシ化合物とグリ
コールとを二官能イソシアネートを用いて結合させ高分
子量化することによって合成される。また、このポリウ
レタン樹脂には、無機顔料粉末への樹脂の吸着性の向上
及びバックコート用塗料の分散性の向上のために適当な
割合の官能基を導入することがあり、かかる官能基とし
て、例えば特公昭58−41565号に示されるような
スルホン酸金属塩基等が挙げられる。
【0019】これらポリウレタン樹脂のガラス転移温度
が硬化温度よりも高い場合には、樹脂が含有する水酸基
濃度が一般的に低く、また硬化温度においても磁性層中
或いはバックコート層中での自由度が著しく損なわれて
いることから、十分な架橋が行われない。このために、
更に架橋密度は低く、得られる磁気記録媒体の耐久性は
満足できるものではない。
【0020】そこで、本発明はこのような実情に鑑みて
提案されたものであって、従来の硬化時間及び温度条件
下においても結合剤との反応性が良好で、優れた耐久性
を発揮できる磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、架橋剤としてイソ
シアヌレート化合物を用いることにより、良好な結果が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0022】即ち、本願の第1の発明は、磁性粉末と結
合剤とを主体とする磁性塗料よりなる磁性層が非磁性支
持体上に形成されてなる磁気記録媒体において、上記磁
性層が架橋剤としてイソシアヌレート化合物を含有して
いることを特徴とするものである。
【0023】また、本願の第2の発明は、無機顔料粉末
と結合剤とを主体とするバックコート用塗料よりなるバ
ックコート層を有する磁気記録媒体において、上記バッ
クコート層が架橋剤としてイソシアヌレート化合物を含
有していることを特徴とするものである。
【0024】本願の第1及び第2の発明が適用される磁
気記録媒体としては、図1に示すように非磁性支持体1
と該非磁性支持体1上に形成され磁性粉末と結合剤とを
主体とした磁性層2からなる、所謂塗布型の磁気記録媒
体が挙げられる。
【0025】上記磁性層は、例えば磁性粉末を結合剤中
に分散させ、適当な有機溶剤と共に混練して調整された
磁性塗料を上記非磁性支持体上に塗布することにより形
成されるものである。
【0026】この塗布型の磁気記録媒体において、上記
非磁性支持体や上記磁性層を構成する磁性粉末等の磁性
材料としては、従来公知のものがいずれも使用可能であ
り、なんら限定されるものではない。
【0027】具体的に例示するとすれば、上記非磁性支
持体としては、ポリエステル類、ポリオレフィン類、セ
ルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリア
ミド類、ポリカーボネート類等に代表される高分子支持
体や、アルミニウム合金、チタン合金等からなる金属
板、ガラス基板等が挙げられ、その形態も何等限定され
るものではなく、テープ状、シート状、ドラム状など如
何なる形態であっても良い。更に、該非磁性支持体にお
いては、その表面性をコントロールするために微細な凹
凸が形成されるような表面処理を施しても良い。
【0028】上記磁性粉末としては、例えばγ−Fe2
3 、コバルト被着γ−Fe2 3等の強磁性酸化鉄粒
子、強磁性二酸化クロム粒子、Fe、Co、Ni等の金
属やこれらを含んだ合金からなる鏡磁性合金粉末、六角
板状の六方晶フェライト微粒子、窒化鉄等が挙げられ
る。
【0029】上記結合剤としては、例えば塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸
エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エス
テル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル
−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−エチレ
ン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セ
ルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セ
ルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチ
レンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹
脂、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹
脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げ
られるが、本願の第1の発明においては、特にポリウレ
タン樹脂、中でも後述のようにガラス転移温度が60℃
以上であるポリウレタン樹脂が好適である。
【0030】上記ポリウレタン樹脂は、ポリヒドロキシ
化合物とポリイソシアネートとの反応によって得られる
ものである。上記ポリヒドロキシ化合物としては、ポリ
エステルポリオール、ポリカーボネイトポリオール、ポ
リエーテールポリオール等のポリオール化合物、および
必要に応じてエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール等のグリコール等が使用さ
れる。
【0031】上記ポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、このポリウレタン樹脂には、磁性粉末への樹脂の
吸着性の向上及び磁性塗料の分散性向上のために適当な
割合の官能基を導入することができる。かかる官能基と
しては、スルホン酸金属塩基を例示することができる
(例えば特開昭58−41565号参照。)。
【0032】本願の第1の発明において、これら結合剤
樹脂にあっては、そのガラス転移温度が60℃以上であ
ることが好ましい。結合剤樹脂のガラス転移温度が低い
と、その剛性が不十分であるために、得られる磁気記録
媒体の耐久性の向上が望めない。また、硬化温度を上記
結合剤樹脂のガラス転移温度以上に上げてしまうと、磁
性層,バックコート層や非磁性支持体が流動し始め、形
状劣化が生じることにより得られた磁気記録媒体の電磁
変換特性が著しく低下する。
【0033】上記有機溶剤は、結合剤の種類に応じて適
宜選択されれば良く、例えばエーテル類、エステル類、
ケトン類、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、塩素化炭
化水素等が挙げられる。
【0034】なお、上記磁性塗料には、上記磁性粉末や
上記結合剤の他、添加剤として分散剤、研磨剤、帯電防
止剤、潤滑剤、防錆剤等が加えられても良い。これら各
種添加剤にあっても従来公知のものがいずれも使用可能
であり、なんら限定されるものではない。
【0035】かかる本願の第1の発明の磁気記録媒体に
おいて、上記磁性層中には架橋剤としてイソシアヌレー
ト化合物が含有される。このイソシアヌレート化合物と
しては、例えば下記化1に示される構造式を有するもの
がある。
【0036】
【化1】
【0037】このイソシアヌレート化合物は、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシア
ネート化合物を原料とし適当な反応条件、反応温度下に
て適当な触媒の投入により合成することができる。
【0038】このように架橋剤としてイソシアヌレート
化合物を用いることにより、結合剤として上述のように
ガラス転移温度が60℃以上であるポリウレタン樹脂を
使用した場合でも、イソシアヌレート化合物中に導入さ
れているイソシアネート基の反応性が比較的良好なため
樹脂のガラス転移温度が硬化温度より高くても高密度な
架橋が行われる。この結果、得られる磁気記録媒体の耐
久性が向上し、近年の磁気記録媒体として要求される過
酷な物理特性を十分に確保することが可能になる。
【0039】なお、本願の第1の発明にかかる磁気記録
媒体の形状としては、上述のような構成を有するものの
他に、必要に応じて図2に示すように上記非磁性支持体
11の一方の面に磁性層12を形成し、他方の面に例え
ばカーボンブラックからなる非磁性粉末と結合剤を主体
とするバックコート層13を有するもの、あるいは図3
に示すように上記非磁性支持体21の両面に磁性層2
2,23を形成したもの等が挙げられる。
【0040】また、本願の第2の発明においては、上記
非磁性支持体の磁性層形成面の背面にバックコート層が
形成されてなる。上記バックコート層は、例えば無機顔
料等の固体粒子を結合剤中に分散させ、上記結合剤の種
類に応じて適宜選択された有機溶剤と共に混練して調整
されたバックコート層用塗料を上記非磁性支持体の磁性
層形成面の背面上に塗布することにより形成されるもの
である。
【0041】上記固体粒子としては、従来公知のものが
いずれも使用可能であり、特に限定されない。具体的に
例示するならば、グラファイト、カーボンブラック、カ
ーボンブラックグラフトポリマー、二硫化タングステ
ン、二硫化モリブデン、酸化チタン等が挙げられる。
【0042】また、上記結合剤としては、この種の磁気
記録媒体において通常使用されているものがいすれも使
用可能であり、なんら限定されるものではないが、特に
ポリウレタン樹脂、中でも後述のようにガラス転移温度
が60℃以上であるポリウレタン樹脂が好適である。こ
こで、上記ポリウレタン樹脂としては、本願の第1の発
明において磁性層の構成材料である結合剤として用いて
好適なポリウレタン樹脂と同じものが使用可能である。
【0043】このような結合剤にあっては、そのガラス
転移温度が60℃以上であることが好ましい。結合剤樹
脂のガラス転移温度が低いと、その剛性が不十分である
ために、得られる磁気記録媒体の耐久性の向上が望めな
い。また、硬化温度を上記結合剤樹脂のガラス転移温度
以上に上げてしまうと、磁性層,バックコート層や非磁
性支持体が流動し始め、形状劣化が生じることにより得
られた磁気記録媒体の電磁変換特性が著しく低下する。
【0044】かかる本願の第2の発明の磁気記録媒体に
おいて、上記バックコート層中には架橋剤としてイソシ
アヌレート化合物が含有される。このイソシアヌレート
化合物としては、例えば本願の第1の発明において架橋
剤として用いた化合物と同じものが使用可能である。
【0045】このように架橋剤としてイソシアヌレート
化合物を用いることにより、結合剤として上述のように
ガラス転移温度が60℃以上であるポリウレタン樹脂を
使用した場合でも、イソシアヌレート化合物中に導入さ
れているイソシアネート基の反応性が比較的良好なため
樹脂のガラス転移温度が硬化温度より高くても高密度な
架橋が行われる。この結果、得られる磁気記録媒体の耐
久性が向上し、近年の磁気記録媒体として要求される過
酷な物理特性を十分に確保することが可能になる。
【0046】
【作用】本願の第1の発明においては、磁性層中に架橋
剤としてイソシアヌレート化合物が含有されることによ
り、結合剤間で十分な架橋反応が起こるようになる。こ
の結果、上記磁性層の耐久性が向上する。
【0047】この時、上記磁性層を構成してなる結合剤
としてガラス転移温度が60℃以上である樹脂を用いる
ことにより、得られる磁性層の剛性が十分となり、また
上述のようなイソシアヌレート化合物との相互作用によ
り十分な架橋反応が起こる。従って、耐久性の良好な磁
性層が得られる。
【0048】また、上記結合剤としてガラス転移温度が
60℃以上のポリウレタン樹脂を使用することにより、
得られる磁性層の分散性、剛性が良好となり一層効果的
である。
【0049】本願の第2の発明においては、バックコー
ト層中に架橋剤としてイソシアヌレート化合物が含有さ
れることにより、結合剤間で十分な架橋反応が起こるよ
うになる。この結果、上記バックコート層の走行安定
性、走行耐久性が向上する。
【0050】この時、上記バックコート層を構成してな
る結合剤としてガラス転移温度が60℃以上である樹脂
を用いることにより、得られるバックコート層の剛性が
十分となり、また上述のようなイソシアヌレート化合物
との相互作用により十分な架橋反応が起こる。従って、
走行安定性、走行耐久性の良好なバックコート層が得ら
れる。
【0051】また、上記結合剤としてガラス転移温度が
60℃以上のポリウレタン樹脂を使用することにより、
得られるバックコート層の分散性、剛性が良好となり一
層効果的である。
【0052】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて説明する。実施例1 先ず、下記組成の原材料をサンドミルにて混合し磁性塗
料を調製した。
【0053】 磁性塗料組成 Feメタル粉(比表面積52m2 /g) 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 20重量部 (重量平均分子量47000、ガラス転移温度60℃、 官能基としてSO3 Na0.05%) アルミナ(平均粒径 0.3μm) 5重量部 カーボン(平均粒径 0.15μm) 2重量部 ステアリン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部
【0054】続いて、得られた磁性塗料に架橋剤として
トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物
(日本ポリウレタン工業製、商品名:コロネートC−2
030)を20重量部添加、混合した後、この磁性塗料
を厚さ7μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に乾燥後の磁性層の厚さが2.5μmになるように塗布
した。そして、磁場配向、乾燥、スーパーカレンダーの
順に処理を行い、60℃の条件下で所定の時間硬化させ
て磁性層を形成した。
【0055】次いで、上記磁性層が形成された面の反対
面に別途調整したバックコート用塗料を乾燥後のバック
コート層の厚さが1μmになるように塗布し、バックコ
ート層を形成した。そして8mm幅に裁断しサンプルテ
ープ1を得た。
【0056】実施例2 上記実施例1において使用した架橋剤に代えてジフェニ
ルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物
(日本ポリウレタン工業製、試作品名:コロネートMC
106)を用い、その他は実施例1と同様にしてテープ
化してサンプルテープ2を作製した。
【0057】実施例3 上記実施例1において使用した架橋剤に代えてヘキサメ
チレンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物(日
本ポリウレタン工業製、商品名:コロネートC−HX)
を用い、その他は実施例1と同様にしてテープ化してサ
ンプルテープ3を作製した。
【0058】実施例4 上記実施例1において使用した磁性塗料用ポリエステル
ポリウレタン樹脂に代えて、重量平均分子量4750
0、ガラス転移温度50℃、官能基としてSO3Naを
0.05%含有するポリエステルポリウレタン樹脂を用
い、さらに架橋剤としてトリレンジイソシアネートのイ
ソシアヌレート化合物(日本ポリウレタン工業製、商品
名:コロネートC−2030)を用い、その他は実施例
1と同様にしてテープ化してサンプルテープ4を作製し
た。
【0059】比較例1 上記実施例1において使用した架橋剤に代えてトリレン
ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
(日本ポリウレタン工業製、商品名:コロネートL)を
用い、その他は実施例1と同様にしてテープ化して比較
テープ1を作製した。
【0060】比較例2 上記実施例1において使用した架橋剤に代えてヘキサメ
チレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダ
クト体(日本ポリウレタン工業製、商品名:コロネート
HL)を用い、その他は実施例1と同様にしてテープ化
して比較テープ2を作製した。
【0061】比較例3 上記実施例1において使用した磁性塗料用ポリエステル
ポリウレタン樹脂に代えて、重量平均分子量4750
0、ガラス転移温度50℃、官能基としてSO3Naを
0.05%含有するポリエステルポリウレタン樹脂を用
い、さらに架橋剤としてトリレンジイソシアネートのイ
ソシアヌレート化合物(日本ポリウレタン工業製、商品
名:コロネートC−2030)を用い、その他は実施例
1と同様にしてテープ化して比較テープ3を作製した。
【0062】以上のようにして作製されたサンプルテー
プ1〜4及び比較テープ1〜3について、磁気特性、電
磁変換特性および耐久性の評価を行った。この結果を下
記表1に示す。磁気特性の評価としては、残留磁束密度
T、角形比の測定を行い、電磁変換特性の評価は、各サ
ンプルテープに7MHzの信号を記録し、その信号の再
生出力およびY−C/Nを自社標準磁気テープと比較し
て行った。
【0063】耐久性の評価としては、シャトル特性と粉
落ち量の測定を行った。シャトル特性は、120分長の
各サンプルテープに7MHzの信号を記録し、テープを
200パス走行させ、この信号の初期再生出力に対する
シャトル後の再生出力劣化で評価した。粉落ち量は、シ
ャトル走行後のヘッドドラム、ガイドピン等への粉落ち
量を目視により観察するものであり、粉落ち量の殆ど無
いものを0点、粉落ち量の非常に多いものを5点として
評価した。尚、測定結果はサンプルテープ1種類に対し
10本を評価し、その平均点で表した。
【0064】
【表1】
【0065】表1の結果を見てもわかるように、実施例
1〜3において得られたサンプルテープ1〜3について
は、比較例1,2に比べて磁気特性、電磁変換特性およ
び耐久性共に良好な結果を得た。
【0066】これは、結合剤として用いた樹脂が高分散
性ポリエステルポリウレタン樹脂であったこと、および
架橋剤として用いたイソシアヌレート化合物がポリエス
テルポリウレタン樹脂間の架橋反応に有効に働いたこと
により、結合剤間で十分な架橋反応が起こり、得られる
磁性層の耐久性が向上したためと思われる。このこと
は、上記サンプルテープ1〜3においてシャトル特性が
非常に良好なことからも確認される。
【0067】これに対して、比較テープ1,2のように
架橋剤としてジイソシアネートのトリメチロールプロパ
ンアダクト体を用いた場合では、磁気特性、電磁変換特
性は良好であるものの、磁性層の耐久性においては良好
な結果が得られなかった。
【0068】これは、結合剤として用いた樹脂は高分散
性ポリエステルポリウレタン樹脂であり磁性層の分散性
については比較的良好なものの、架橋剤として用いたジ
イソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が
ポリエステルポリウレタン樹脂間の架橋反応に有効には
働かず、結合剤間では十分な架橋反応が起きなかったた
めに、得られた磁性層の耐久性が十分でなかったことに
よると思われる。このことは、比較テープ1,2におい
てシャトル特性が悪いことからも確認される。
【0069】また、サンプルテープ4においては、比較
テープ3に比べて磁気特性、電磁変換特性および耐久性
共に良好な結果を得た。これは、結合剤として用いた樹
脂が高分散性ポリエステルポリウレタン樹脂であったこ
と、および架橋剤として用いたイソシアヌレート化合物
がポリエステルポリウレタン樹脂間の架橋反応に有効に
働いたことにより結合剤間で十分な架橋反応が起こり、
得られる磁性層の耐久性が向上したためと思われる。こ
のことは、サンプルテープ4においてシャトル特性が良
好なことからも確認される。
【0070】一方、比較テープ3のように架橋剤として
ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
を用いた場合においては、磁気特性、電磁変換特性は良
好であるものの、磁性層の耐久性においては良好な結果
を得ることができなかった。
【0071】これは、結合剤として用いた樹脂は高分散
性ポリエステルポリウレタン樹脂であり磁性層の分散性
については比較的良好なものの、架橋剤として用いたジ
イソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が
ポリエステルポリウレタン樹脂間の架橋反応に有効には
働かず、結合剤間で十分な架橋反応が起きなかったため
に、得られた磁性層の耐久性が十分でなかったことによ
ると思われる。このことは、比較テープ3においてシャ
トル特性が悪く粉落ち量が非常に多いことからも確認さ
れる。
【0072】実施例5 先ず、下記組成の原材料をボールミルにて48時間混合
しバックコート層用塗料を調製した。
【0073】 バックコート層用塗料組成 カーボンブラック 100重量部 (コロンビヤン社製RAVEN−1255) ポリエステルポリウレタン樹脂 50重量部 (重量平均分子量47000、ガラス転移温度60℃、 官能基としてSO3 Na0.05%) ニトロセルロース 50重量部 メチルエチルケトン 220重量部 トルエン 220重量部 シクロヘキサノン 220重量部
【0074】次に、下記組成の原材料をサンドミルにて
混合し磁性塗料を調製した。
【0075】 磁性塗料組成 Feメタル粉(比表面積52m2 /g) 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 20重量部 (重量平均分子量47000、ガラス転移温度60℃、 官能基としてSO3 Na0.05%) アルミナ(平均粒径 0.3μm) 5重量部 カーボン(平均粒径 0.15μm) 2重量部 ステアリン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部
【0076】続いて、上述のようにして作製したバック
コート層用塗料に架橋剤としてトリレンジイソシアネー
トのイソシアヌレート化合物(日本ポリウレタン工業
製、商品名:コロネートC−2030)を10重量部添
加、混合した後、このバックコート層用塗料を厚さ14
μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後
のバックコート層の厚さが0.7μmになるように塗布
した。
【0077】そして、上記磁性塗料に架橋剤(日本ポリ
ウレタン工業製、商品名:コロネートL)を10重量部
添加、混合した後、該磁性塗料を上記バックコート層が
形成された面と反対面上に乾燥後の磁性層の厚さが4μ
mになるように塗布し、磁場配向、乾燥、スーパーカレ
ンダーの順に処理を行い、60℃の条件下で所定の時間
硬化させてバックコート層及び磁性層を形成した。
【0078】その後、得られた磁気テープを1/2イン
チ幅に裁断しサンプルテープ5を得た。
【0079】実施例6 上記実施例5においてバックコート層用塗料作製時に使
用した架橋剤に代えてジフェニルメタンジイソシアネー
トのイソシアヌレート化合物(日本ポリウレタン工業
製、試作品名:コロネートMC106)を用い、その他
は実施例5と同様にしてテープ化してサンプルテープ6
を作製した。
【0080】実施例7 上記実施例5においてバックコート層用塗料作製時に使
用した架橋剤に代えてヘキサメチレンジイソシアネート
のイソシアヌレート化合物(日本ポリウレタン工業製、
商品名:コロネートC−HX)を用い、その他は実施例
5と同様にしてテープ化してサンプルテープ7を作製し
た。
【0081】実施例8 上記実施例5において使用したバックコート層用塗料用
ポリエステルポリウレタン樹脂に代えて、重量平均分子
量47500、ガラス転移温度50℃、官能基としてS
3 Naを0.05%含有するポリエステルポリウレタ
ン樹脂を用い、さらにバックコート層用塗料作製時に使
用した架橋剤としてトリレンジイソシアネートのイソシ
アヌレート化合物(日本ポリウレタン工業製、商品名:
コロネートC−2030)を用い、その他は実施例5と
同様にしてテープ化してサンプルテープ8を作製した。
【0082】比較例4 上記実施例5において使用したバックコート層用塗料に
添加する架橋剤に代えてトリレンジイソシアネートのト
リメチロールプロパンアダクト体(日本ポリウレタン工
業製、商品名:コロネートL)を用い、その他は実施例
5と同様にしてテープ化して比較テープ4を作製した。
【0083】比較例5 上記実施例5において使用したバックコート層用塗料に
添加する架橋剤に代えてヘキサメチレンジイソシアネー
トのトリメチロールプロパンアダクト体(日本ポリウレ
タン工業製、商品名:コロネートHL)を用い、その他
は実施例5と同様にしてテープ化して比較テープ5を作
製した。
【0084】比較例6 上記実施例5において使用したバックコート層用塗料用
ポリエステルポリウレタン樹脂に代えて、重量平均分子
量47500、ガラス転移温度50℃、官能基としてS
3 Naを0.05%含有するポリエステルポリウレタ
ン樹脂を用い、さらに架橋剤としてトリレンジイソシア
ネートのイソシアヌレート化合物(日本ポリウレタン工
業製、商品名:コロネートC−2030)を用い、その
他は実施例5と同様にしてテープ化して比較テープ6を
作製した。
【0085】以上のようにして作製されたサンプルテー
プ5〜8及び比較テープ4,5について、走行安定性及
び走行耐久性の評価を行った。この結果を下記表2に示
す。走行安定性及び走行耐久性の評価は、バックコート
層の表面粗度(Ra)、摩擦係数、バックコート層の傷
の発生、磁性層のRF出力を測定して行った。それぞれ
の測定方法は以下の通りである。
【0086】バックコート層の表面粗度(Ra) 走行安定性の評価として、バックコート層の表面粗度
(Ra)の測定を行った。測定は、小坂研究所株式会社
の表面粗度計(SE−30H)を用い、倍率50,00
0倍、測定長2mm、カットオフ0.08mmで行っ
た。なお、十分な走行安定性を得るには、表面粗度は2
0μm以下であることが望ましい。
【0087】摩擦係数 走行耐久性の評価として、摩擦係数の測定を行った。こ
の摩擦係数は、ステンレスガイドピンに対するバックコ
ート層の摩擦係数であり、テープのシャトル回数が10
パスの時と200パスの時に測定を行った。なお、十分
な走行耐久性を得るには、摩擦係数は0.18以下であ
ることが望ましい。
【0088】バックコート層の傷の発生 走行耐久性の評価として、摩擦係数測定後(テープのシ
ャトル回数:200パス)のバックコート層の傷の発生
の度合いを目視により観察した。評価は、A,B,Cの
3段階で行い、A:傷の発生が殆ど無い状態、B:若干
の傷が発生している状態、C:大きな傷が発生している
状態(使用不可)とした。
【0089】磁性層のRF出力 走行安定性、走行耐久性を総合的に評価するために、ソ
ニー社製の1/2インチビデオデッキを用い、6MHz
でのRF出力を測定した。サンプルテープ1の出力を0
dBとした場合のそれぞれのサンプルテープの相対出力
を測定した。
【0090】
【表2】
【0091】表2の結果を見てもわかるように、実施例
5〜7において得られたサンプルテープ5〜7について
は、比較例1,2に比べてバックコート層の表面粗度
(Ra)が低く、摩擦係数も0.18以下で且つテープ
シャトル回数による上昇がなく、更に摩擦係数測定後の
バックコート層の表面状態も良好であった。また、これ
らサンプルテープ5〜7では、磁性層のRF出力も高
く、走行安定性、走行耐久性がともに良好であることが
判った。
【0092】これは、架橋剤として用いたイソシアヌレ
ート化合物がポリエステルポリウレタン樹脂間の架橋反
応に有効に働いたことにより、結合剤間で十分な架橋反
応が起こり、得られるバックコート層の走行安定性、走
行耐久性が向上したためと思われる。このことは、上記
サンプルテープ5〜7においてシャトル走行後のバック
コート層に傷の発生が見られないことからも確認され
る。
【0093】これに対して、比較テープ4,5のように
架橋剤としてジイソシアネートのトリメチロールプロパ
ンアダクト体を用いた場合では、得られるバックコート
層の走行安定性、走行耐久性は良好な結果が得られなか
った。
【0094】これは、架橋剤として用いたジイソシアネ
ートのトリメチロールプロパンアダクト体がポリエステ
ルポリウレタン樹脂間の架橋反応に有効には働かず、結
合剤間では十分な架橋反応が起きなかったために、得ら
れたバックコート層の走行安定性、走行耐久性が十分で
なかったことによると思われる。このことは、比較テー
プ4,5においてシャトル走行後のバックコート層に大
きな傷の発生が見られることからも確認される。
【0095】また、サンプルテープ8においては、比較
テープ6に比べてバックコート層の表面粗度(Ra)が
低く、摩擦係数も0.18以下で且つテープシャトル回
数による上昇がなく、更に摩擦係数測定後のバックコー
ト層の表面状態も良好であった。また、このサンプルテ
ープ8では、磁性層のRF出力も高く、走行安定性、走
行耐久性がともに良好であることが判った。
【0096】これは、架橋剤として用いたイソシアヌレ
ート化合物がポリエステルポリウレタン樹脂間の架橋反
応に有効に働いたことにより結合剤間で十分な架橋反応
が起こり、得られるバックコート層の走行安定性、走行
耐久性が向上したためと思われる。このことは、サンプ
ルテープ8においてシャトル走行後のバックコート層に
傷の発生が見られないことからも確認される。
【0097】一方、比較テープ6のように架橋剤として
ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
を用いた場合においては、得られるバックコート層の走
行安定性、走行耐久性は良好な結果が得られなかった。
【0098】これは、架橋剤として用いたジイソシアネ
ートのトリメチロールプロパンアダクト体がポリエステ
ルポリウレタン樹脂間の架橋反応に有効には働かず、結
合剤間で十分な架橋反応が起きなかったために、得られ
たバックコート層の走行安定性、走行耐久性が十分でな
かったことによると思われる。このことは、比較テープ
6においてシャトル走行後のバックコート層に大きな傷
の発生が見られることからも確認される。
【0099】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本願
の第1の発明においては、磁性層中に架橋剤としてイソ
シアヌレート化合物を含有しているため、結合剤間で十
分な架橋反応が起こり耐久性の良好な磁性層を得ること
ができる。
【0100】また、上記磁性層の構成材料である結合剤
として使用する樹脂のガラス転移温度60℃以上である
ため、得られる磁性層の剛性が十分であり、更に磁性層
中に架橋剤としてイソシアヌレート化合物を含有してい
るため、結合剤間で十分な架橋反応が起こる。この結
果、得られる磁性層の耐久性が向上する。
【0101】一方、本願の第2の発明においては、バッ
クコート層中に架橋剤としてイソシアヌレート化合物を
含有しているため、結合剤間で十分な架橋反応が起こり
走行安定性、走行耐久性の良好なバックコート層を得る
ことができる。
【0102】また、上記バックコート層の構成材料であ
る結合剤として使用する樹脂のガラス転移温度60℃以
上であるため、得られるバックコート層の剛性が十分で
あり、更にバックコート層中に架橋剤としてイソシアヌ
レート化合物を含有しているため、結合剤間で十分な架
橋反応が起こる。従って、本発明によれば、走行安定
性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す断面図である。
【図2】本発明を適用した磁気記録媒体の他の構成例を
示す断面図である。
【図3】本発明を適用した磁気記録媒体の更に他の構成
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,11,21・・・非磁性支持体 2,12,22,23・・・磁性層 13・・・バックコート層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性塗
    料よりなる磁性層が非磁性支持体上に形成されてなる磁
    気記録媒体において、 上記磁性層が架橋剤としてイソシアヌレート化合物を含
    有していることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記結合剤のガラス転移温度が60℃以
    上であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記結合剤がポリウレタン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 無機顔料粉末と結合剤とを主体とするバ
    ックコート用塗料よりなるバックコート層を有する磁気
    記録媒体において、 上記バックコート層が架橋剤としてイソシアヌレート化
    合物を含有していることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記結合剤のガラス転移温度が60℃以
    上であることを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 上記結合剤がポリウレタン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。
JP24118193A 1993-09-28 1993-09-28 磁気記録媒体 Pending JPH0798841A (ja)

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Effective date: 20020305