JPH0798123A - 調理装置 - Google Patents

調理装置

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JPH0798123A
JPH0798123A JP24453793A JP24453793A JPH0798123A JP H0798123 A JPH0798123 A JP H0798123A JP 24453793 A JP24453793 A JP 24453793A JP 24453793 A JP24453793 A JP 24453793A JP H0798123 A JPH0798123 A JP H0798123A
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拓生 嶋田
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俊一 長本
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昌弘 新田
Hideki Terasawa
秀樹 寺沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は食品の表面温度を非接触で測定する
調理装置に関するもので、食品の種類や形状、個数、置
きかたなどに左右されることなく食品そのものの温度を
正確に測定することによって、出来映えにバラツキのな
い自動調理ができることを目的とする。 【構成】 フレネルレンズ8eが食品2から放射される
輻射熱を効率よく集光するので狭い感温視野を持つ温度
検出手段8が形成される。特にサーモパイル8bの構成
として放射状で100対の熱電対素子を配列しこの熱電
対素子の温接点85がフレネルレンズ8eの光軸上に近
接しているので、フレネルレンズ8eの光軸を中心に感
度が集中する。すなわちサーモパイルの出力はフレネル
レンズ8eの光軸上にある食品2の特定部分にのみ急峻
な指向特性を持つことになる。よって食品2の平均的な
温度でなく食品2の各部分の温度を個別に測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジなどの食品の
自動調理に関し、特に食品の表面温度を非接触で測定す
る赤外線検出手段を備えた調理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来この種の調理装置例えば電子レンジ
は、実開昭58−158202号公報に記載されてい
る。図5で示すように、調理室1内に食品2や皿3を載
せるための調理台4があり、さらにこの食品2を調理す
る加熱手段5、非接触で調理台4上に載せられた食品2
の温度を検出する温度検出手段6、この温度検出手段6
の出力が所定値に達した場合、加熱手段5による食品2
への加熱を停止する制御手段7とを備えている。
【0003】調理台4は食品2の加熱ムラを低減するた
め、加熱手段5によって食品2を電波加熱する場合常時
食品2を回転させる(例えば10秒間で1周させる)タ
ーンテーブルである。
【0004】加熱手段5は、マグネトロンからなり所定
のパワー出力で食品2をマイクロ波加熱する。
【0005】温度検出手段6は例えば1素子のサーモパ
イル型の赤外線センサで構成され、調理室1の天井面に
固定され、開口窓を介して調理台4の中央付近に置かれ
た食品2から放射される熱エネルギーを非接触で検出し
温度に換算する。温度検出手段6の一例を図6示す。温
度検出手段6はケース6aに収納され、サーモパイル6
b、センサ窓6c及びケース6aに設けられた小孔6d
は同心的に位置している。センサ窓6cによってサーモ
パイル6bの感温視野角はαに規制されている。この感
温視野角αは感度向上を考慮して70゜〜120゜と大
きくしている。しかしながら電子レンジなどの調理装置
ではこの温度検出手段6の取付位置が測定対象の食品2
から離れているために、ケース6aに例えば直径1cm
程度の小孔6dを設け、感温視野角をβ(20゜〜30
゜程度)に絞っている。電子レンジの場合、開口部を小
孔6dにするのは電波漏洩を防止する意味もある。
【0006】図7に示すように、温度検出手段6と測温
対象である食品2との距離Lが30cm、感温視野角β
が20゜であるとすると、感温視野は D = 2*L*tan(β/2) = 2*30*tan10゜ (1) により直径Dが約10.6cmなる広い円形(斜線で示
す領域)となる。
【0007】サーモパイル6bは食品2から放射される
輻射熱(赤外線)を受光し熱電変換する熱電対素子を多
対設けている。熱電対素子は食品2から放射される輻射
熱によって温接点と冷接点との間に生じたわずかな温度
差を起電力として取り出し増幅後、さらに冷接点温度補
償によって食品2の温度に換算出力する。温度換算の構
成は広く知られているものである。(例えば「トランジ
スタ技術増刊、温度・湿度センサ活用ハンドブック」;
トランジスタ技術編集部編、CQ出版社、1988
年。)
【0008】温度検出手段6としてサーモパイルを用い
る場合、焦電型素子などと比べチョッパが不要なので安
価に構成できる反面、感度は大きくないという課題があ
る。
【0009】サーモパイル6bの構成は例えば特開平2
−196933号公報に示されている。図8はサーモパ
イル6b要部を裏側からみた平面図(表側から赤外線が
入射する場合)であるが、有機膜61の表側に赤外線を
吸収するための正方形の板状の金ブラック62が配置さ
れ、有機膜61の裏側で金ブラック62に対応する位置
に熱電対素子63が設けられている。熱電対素子63は
電極64、64間を接続する導電性材料で構成されてい
て、金ブラック62の各辺に対応した4箇所の折り畳み
部を有している。すなわち、金ブラック62の1つの辺
に沿って、内側と外側との間を交互に往復するように折
り畳まれ、各折り畳み部毎に2つの異種金属(例えばビ
スマスとアンチモン)が交互に直列に接続されている。
この異種金属の接合部65、66は一方が金ブラック6
2の内部に位置していて、赤外線により温度上昇した金
ブラック62つまり赤外線の光量を検知する温接点65
になっている。また他方は金ブラック62の外側に位置
していて、基準温度となる冷接点66となっている。6
7は冷接点66の温度を補償するサーミスタである。し
たがって異種金属の接合部である温接点65と冷接点6
6とに生じる電位差を集積してなる電圧値が両端の電極
64、64間に生じ、その電圧値から温接点65の温度
を検出するようになっている。このようにして、感度が
大きくないという課題を解決している。
【0010】またサーモパイル6bからの出力電圧は図
9に示すような指向特性を持つ。図9において横軸は感
温視野角であり金ブラック62の正方形の対角方向に対
応している。縦軸はサーモパイルからの出力電圧をパー
セント表示化したものである。このように感温視野角β
の内側でも中心軸0゜からの角度に応じて感度が大きく
異なることがわかる。最も感度の高いのは中心軸0゜上
ではなく、温接点65が配列されている位置に対応した
外周部(図9では±5゜近辺)である。これは熱電対素
子63の配列に大きく依存している。図8からもわかる
ように温接点65が金ブラック62の中心点から離れて
いるために、中心軸0゜上の感度はかなり小さい(図9
では最大感度の60%程度)。またこの指向特性は熱電
対素子63の配列が四角なので中心軸0゜を中心とする
同心円状の感度分布にはならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、温度検出手段は赤外線センサの感温視野に
入っている調理台の中央付近に置かれた食品の平均的な
表面温度しか測定できないので、赤外線センサの感温視
野に対し食品の形状が小さい場合や食品が調理台の端の
方に置かれた場合、食品以外の皿や容器、調理台が視野
に入るため食品の温度を正確に検出できない。また調理
台の回転によって食品の占める比率も変化するので、食
品の温度を正確に検出できない。
【0012】さらに加熱手段による食品の加熱によって
食品の一部が飛散したり、蒸気が発生することで温度検
出手段が汚れ、結果として温度検出の精度が低下してい
くという課題があった。
【0013】一方、サーモパイルを応用した産業用放射
温度計の一部には熱電対の配列を放射状多対にして指向
特性を向上させたものはあるが、全体の構成が複雑かつ
高価である。調理装置に搭載するには重量が大きく駆動
しにくい、漏洩する電波を防止できない、耐熱性に欠け
るなど様々な課題があった。
【0014】本発明は上記課題を解決するもので、食品
の種類や形状、個数、置きかたなどに左右されることな
く食品そのものの温度を正確に測定することによって、
出来映えにバラツキのない自動調理ができる調理装置を
提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の調理装置は、食品を加熱する加熱手段と、こ
の食品から放射される輻射熱を集光する集光レンズと、
この集光レンズで集めた食品からの輻射熱を熱電変換す
るために放射状多対の熱電対素子を配列したサーモパイ
ルと、このサーモパイルの出力に応じ前記加熱手段を制
御する制御手段とを備えサーモパイルの温接点を前記集
光レンズの光軸上に略一致する場所に配置したものであ
る。
【0016】またこの集光レンズはフレネルレンズから
なることを特徴とするものである。また加熱手段による
食品への非加熱時に前記食品から前記集光レンズに放射
される輻射熱を遮断する遮断手段を備えたものである。
【0017】さらに集光レンズ及びサーモパイルを一体
化して駆動する駆動手段と、この駆動手段によって移動
したサーモパイルからの複数の出力に基づき食品の複数
の温度分布を測定する温度分布測定手段と、この温度分
布測定手段の出力に応じ加熱手段を制御する制御手段を
備えたものである。
【0018】また、制御式が 加熱制御量(W)=K1(T−食品の平均温度)−K
2(食品の温度格差) T:設定温度(℃)、K1、K2:定数 にしたがい制御手段が加熱手段を制御する構成とした。
【0019】
【作用】本発明は上記した構成によって、集光レンズが
食品から放射される輻射熱を集光するために、感度を損
なわないで狭い感温視野を持つ温度検出手段が形成され
る。特にサーモパイルの構成として放射状多対の熱電対
素子を配列しこの熱電対素子の温接点が集光レンズの光
軸上に略一致するので、集光レンズの光軸を中心に感度
が集中する。すなわちサーモパイルの出力は集光レンズ
の光軸上にある食品の特定部分にのみ急峻な指向特性を
持つことになる。
【0020】またこの集光レンズはフレネルレンズから
なるために、シリコンなど赤外線を透過する無機材料を
研磨するレンズと比べ成形が容易で、薄く、軽く、また
安価に構成できる。
【0021】また食品への非加熱時に食品から集光レン
ズに放射される輻射熱を遮断する遮断手段を備えること
で、食品から飛散する汚れや蒸気が集光レンズに付着し
ない。また加熱手段あるいは食品からの熱によって集光
レンズが変形することもなくなる。
【0022】また、集光レンズ及びサーモパイルを一体
化して駆動する駆動手段と、この駆動手段によって移動
したサーモパイルからの複数の出力に基づき食品の複数
の温度分布を測定する温度分布測定手段を備えることで
加熱に伴う食品の温度分布変化を2次元熱画像の形で把
握することになる。
【0023】さらにこの温度分布測定手段の出力や設定
温度との差に応じ加熱手段を制御する制御手段を備える
ことで、食品の温度ムラ、食品の最高温度、最低温度な
どに応じたきめ細かい加熱制御(加熱制御量や加熱時
間、加熱パターンの調節など)が実現される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図4を用いて
説明する。尚、従来例と同じ構成のものは同一符号を用
いる。
【0025】図1に示すように、調理室1内に食品2や
皿3を載せるための調理台4があり、さらにこの食品2
を調理する加熱手段5、非接触で調理台4上に載せられ
た食品2の温度を検出する温度検出手段8、この温度検
出手段8を調理室1の近傍で40゜連続的に往復回転さ
せる駆動手段9を備えている。またこの駆動手段9によ
って感温視野が順次切り替えられた温度検出手段8から
の多数の出力に基づいて食品2の多数の温度分布を測定
する温度分布測定手段10と、この温度分布測定手段1
0に応じ加熱手段5を制御する制御手段11を備え、さ
らに加熱手段5による食品2への非加熱時に食品2から
温度検出手段8に放射される輻射熱を遮断する遮断手段
12を備えている。
【0026】調理台4は食品2の加熱ムラを低減するた
め、加熱手段5によって食品2を電波加熱する場合常時
食品2を回転させるターンテーブルであり、10秒間で
1周する。
【0027】加熱手段5は、マグネトロンからなり所定
のパワー出力で食品2をマイクロ波加熱する。
【0028】温度検出手段8は例えば1素子のサーモパ
イル型の赤外線センサで構成され、調理室1の天井面に
設けられた開口窓を介して調理台4の中央付近に置かれ
た食品2から放射される熱エネルギーを非接触で検出し
温度に換算する。温度検出手段8は例えば図2のように
示される。温度検出手段8は断熱性の高い樹脂ケース8
aに収納されている。サーモパイル8bは通常TO−5
あるいはTO−18と呼ばれる熱伝導性の高いアルミニ
ウム性のキャン8cに内蔵され、赤外線を透過するセン
サ窓8dを介して測温対象から放射される輻射熱を検出
する。ここでサーモパイル8dの冷接点温度はキャン8
cに熱結合されている。
【0029】センサ窓8dの外側には赤外線を透過する
ポリエチレンからなる薄型(0.3mm厚程度)のフレ
ネルレンズ8eが設けられ、フレネルレンズ8eは、ア
ルミニウムなどの熱伝導率の高い材質(例えばアルミニ
ウム)からなるレンズホルダー8fによって保持される
とともに、キャン8cと熱結合されている。レンズホル
ダー8fは赤外線の反射を防ぐため(つまり輻射率を高
めるため)黒色塗装されており、常に均一な温度となる
ような構成である。またサーモパイル8dの冷接点は、
キャン8c、レンズホルダーさらにフレネルレンズ8e
と熱結合されていることで、熱容量を大きくし温度変動
を抑えるとともに、測温対象からの輻射熱によりフレネ
ルレンズ8eが受熱した場合この温度変化を速やかに冷
接点温度に伝える効果を持っている。もちろんフレネル
レンズ8eは薄型化することでできるだけ受熱しにくい
構成にもなっている。
【0030】またレンズホルダーは樹脂ケース8a及び
空気層によって断熱され、温度検出手段8外部の雰囲気
温度変動の影響をあまり受けない構成としている。樹脂
ケース8aの開口部には階段状の遮光ネジを設け、迷光
などによる測温対象以外からの輻射熱がフレネルレンズ
8eに入射することを防止している。この樹脂ケースの
8a内側は輻射率を高くするため黒体塗装されているの
に対し、外側は輻射率が低くなるよう白色となってい
る。これは測温対象である食品2から放射された輻射熱
によって樹脂ケース8aが暖められにくくするためであ
る。
【0031】感温視野角βはフレネルレンズ8eによっ
て3゜に絞っている。小孔を設けることで感温視野角β
を絞る従来の実施例では、せいぜい20゜程度が限界で
あるのに対し、非常に狭い感温視野を持つ温度検出手段
8が形成される。今、温度検出手段8と測温対象である
食品2との距離Lが30cm、感温視野角βが3゜であ
るとすると、感温視野は D = 2*L*tan(β/2) = 2*30*tan1.5゜ (2) により直径Dが約1.6cmなる狭い円形(斜線で示す
領域)となる。これは感温視野角βが20゜であった時
と比べ直径Dで約0.15倍、感温視野面積Sで約0.
022倍となる値であるが、これは食品2の各部分の温
度を測定する空間分解能として適切な値である。
【0032】サーモパイル8b要部を裏側からみた平面
図(表側から赤外線が入射する場合)を図3に示す。有
機膜81の表側に赤外線を吸収するための円形の板状の
金ブラック82が配置され、有機膜81の裏側で金ブラ
ック82に対応する位置に熱電対素子83が設けられて
いる。熱電対素子83は電極84、84間を接続する導
電性材料で構成されていて、金ブラック82の中心点を
囲むように100対の折り畳み部(図3では15対のみ
図示)を有している。各折り畳み部では2つの異種金属
(例えばビスマスとアンチモン)が内側と外側との間を
交互に往復するように放射状に100対直列に接続され
ている。この異種金属の接合部85、86は一方が金ブ
ラック82の内部で金ブラック82の中心点近傍に位置
していて、赤外線により温度上昇した金ブラック82つ
まり赤外線の光量を検知する温接点85になっている。
また他方は金ブラック82の外側に位置していて、基準
温度となる冷接点86となっている。87は冷接点86
の温度を補償するサーミスタである。したがって異種金
属の接合部である温接点85と冷接点86とに生じる電
位差を集積してなる電圧値が両端の電極84、84間に
生じ、その電圧値から温接点85の温度を検出するよう
になっている。金ブラック82の直径はフレネルレンズ
8eの焦点距離f及び感温視野角β(3゜)を元に測温
対象がフレネルレンズ8eを介して金ブラック82上に
結像する像高を元に定められている。金ブラック82及
び温接点85の熱容量を小さく、基準温度となる冷接点
86の熱容量を大きくなるように構成され、温接点85
と冷接点86との熱の授受は出来るだけ2つの異種金属
を伝わる伝導熱のみによって行うよう有機膜81は断熱
材料で構成されている。
【0033】またサーモパイル8bからの出力電圧は図
4に示すような指向特性を持つ。図4において横軸は感
温視野角であり、縦軸はサーモパイルからの出力電圧を
パーセント表示化したものである。実線で示したのはフ
レネルレンズ8eを設けなかった場合で、放射状に10
0対直列に熱電対素子を接続したサーモパイル8b自身
の有する指向特性を示し、点線はフレネルレンズ8eを
設け測温視野を絞った場合の総合的な指向特性を示して
いる。これは温接点85が金ブラック82の中心点に近
接しているために、中心軸上の感度が最大となってい
る。またこの指向特性は熱電対素子83の配列が円形な
ので中心軸0゜を中心とする同心円状の感度分布になっ
ている。ここでフレネルレンズ8eの光軸とサーモパイ
ル8b中の金ブラック82の中心点は一致させるものと
する。
【0034】フレネルレンズ8eを設けた場合、感温視
野角βが小さいだけでなく、両端で急峻に感温しにくく
なっている。つまり感温する領域と感温しない領域が明
確に分離される。
【0035】フレネルレンズ8eを用いることで測温対
象からの輻射熱(赤外線)を効率よく集光するので、サ
ーモパイル8bの出力感度を向上しつつ温視野角βを3
゜に絞ることが出来る。またシリコン、ゲルマニウム、
フッ化バリウム、フッ化カルシウムなどの無機材料で赤
外線を透過するレンズを構成するのでなくポリエチレン
樹脂を用いたので成形が容易で薄く、軽く、また安価に
できる。研磨なども不要で量産しやすい。フレネルレン
ズを用いる場合の注意点として、入射光線の画角が大き
くなるにつれてフレネルレンズの立ち上がり面による光
線のけられが増大し、その結果周辺光量(入射光線の画
角が大きい位置からの光量)が低下することが知られて
いるが、サーモパイル8bの構成として放射状で多対の
熱電対素子83を配列しこの熱電対素子83の温接点8
5がフレネルレンズ8e光軸上に略一致するので、フレ
ネルレンズ8e光軸上の感度が最大となり測温対象の温
度に対応する出力電圧を効率よく得ることができる。つ
まりフレネルレンズ8eも光軸(中心軸)近傍を通過す
る赤外線ほど光量が大きくなるので、サーモパイル8b
の有する指向特性と組み合わせることで、測温対象から
の輻射熱を効率よく集められる。
【0036】図1において9は加熱手段5による食品2
の加熱開始から完了までの間、温度検出手段8を調理室
1の近傍で連続的に往復回転させる駆動手段である。駆
動手段9は温度検出手段8が周波数2Hzで(つまり5
00msで1往復するように)調理台4の回転軸を中心
に20゜ずつ首を振るようモーター、プーリーを備え、
タイミングベルトを介して温度検出手段8に接続されて
いる。温度検出手段8は常時測温対象となる食品2の温
度を電圧信号として温度分布手段10に伝えている。温
度検出手段8の回転軸を調理室1の近傍に設けたこと
で、調理室1の天井部に設ける開口部は小さく抑えられ
る。
【0037】温度分布手段10では温度検出手段8から
伝えられる電圧信号を50msごとにサンプリングし、
200点の温度データを1画面として温度分布を測定す
る。なぜなら500msで1往復する1次元方向の走査
を20回繰り返すとちょうど調理台4も1周する(=1
0秒経過する)ので、収集された200点の温度データ
は2次元熱画像の各画素に対応づけられるからである。
温度分布検出手段10は収集されたこの200点の温度
データから、食品2の最高温度と最低温度を抽出し、制
御手段11に出力する。200点の温度データは500
msごとに更新され、その都度食品2の最高温度と最低
温度を出力するものとする。つまり10秒間で新しい1
画面の2次元熱画像が得られる構成で、最初の1画面分
の2次元熱画像を収集後(=最初の10秒以降)は50
0msごとに(=10点の温度データごとに)最新デー
タと置換していくものである。これにより制御手段11
における動作が10秒(=調理台4が1周する度)に1
回といった遅い判定でなく迅速に行えるので食品2の出
来映え精度が向上するという効果がある。
【0038】ところでここで温度検出手段8の構成とし
て1素子のサーモパイルを用いこれを回転走査させ、さ
らに調理台4が回転することを利用して2次元熱画像を
得るものとしたが、多素子のサーモパイルを1次元状に
並べ多数の温度データを同時に検出するものでも構わな
い。駆動手段9による温度検出手段8の駆動方式も回転
に限らない。例えば調理室1の天井面に複数の孔を1列
に設け、温度検出手段8を水平移動させつつ複数の孔か
ら食品の多数の温度を検出してもよい。
【0039】また駆動手段9と遮断手段12を兼用し、
食品2の温度を測定しない場合、温度検出手段8を90
゜回転させることで調理室1から断熱するものでもよ
い。
【0040】制御手段11は500msごとに温度分布
検出手段10から伝えられる食品2の最低温度が所定値
を越えかつ最高温度が他の所定値を越えた場合に食品2
への加熱を完了させる。また食品2の温度格差(最高温
度−最低温度)に応じて加熱手段5から出力する加熱制
御量を調節することで、均質な加熱を達成している。
【0041】例えば食品2を60℃一定で長時間連続加
熱(保温)したい場合、加熱手段5から出力する加熱制
御量P[W]を 加熱制御量P[W]=K1(60[℃]−食品2の平均
温度)−K2(食品2の温度格差[℃]) (K1、K2は定数) とすればよい。これにより食品2全体が60℃からかけ
離れて低い時は強力に加熱する一方、食品2の温度格差
が大きくなってくると、加熱を抑制するような動作が実
現できる。もちろん時間の項を含めたPID制御などを
かけることで、食品2の温度ムラ、出来映えのばらつき
をさらに小さく抑えてもよい。ここでK1、k2は実験に
よって定めることができる。
【0042】12は、加熱手段5による食品2への非加
熱時には食品2から温度検出手段8に放射される輻射熱
を遮断する遮断手段であり、食品2から飛散する汚れや
蒸気がフレネルレンズに付着しないように構成されてい
る。また遮断手段は、加熱手段5あるいは食品2からの
熱によって温度検出手段8に設けられているフレネルレ
ンズ8eや樹脂ケース8aが変形することを防いでい
る。
【0043】ポリエチレンの熱変形温度は80℃程度で
あるが温度検出手段8によって食品2の温度が所定温度
以上検出された場合に遮断手段12が食品2から温度検
出手段8に放射される輻射熱を遮断させる構成でもよ
い。
【0044】上記構成において、フレネルレンズ8eが
食品2から放射される輻射熱を効率よく集光するので狭
い感温視野を持つ温度検出手段8が形成される。特にサ
ーモパイル8bの構成として放射状で100対の熱電対
素子を配列しこの熱電対素子の温接点85がフレネルレ
ンズ8eの光軸上に近接しているので、フレネルレンズ
8eの光軸を中心に感度が集中する。すなわちサーモパ
イルの出力はフレネルレンズ8eの光軸上にある食品2
の特定部分にのみ急峻な指向特性を持つことになる。よ
って食品2の平均的な温度でなく食品2各部分の温度を
個別に測定できる。
【0045】特に集光レンズがポリエチレンのフレネル
レンズ8eからなるために、シリコン、ゲルマニウム、
フッ化バリウム、フッ化カルシウムなど赤外線を透過す
る無機材料を研磨するレンズと比べ成形が容易で、薄
く、軽く、また安価に構成できる。
【0046】また食品2への非加熱時に食品2からフレ
ネルレンズ8eに放射される輻射熱を遮断する遮断手段
12を備えることで、食品2から飛散する汚れや蒸気が
フレネルレンズ8eに付着しない。また加熱手段5ある
いは食品2からの熱によってフレネルレンズ8eが変形
することもなくなる。よって温度検出手段8で測定され
る食品2の温度を常に精度よく測定することができる。
【0047】さらに温度分布測定手段10は、駆動手段
9によって回転移動する温度測定手段8からの複数の出
力に基づき食品2を2次元熱画像の形で把握し、加熱に
伴う食品2の最高温度、最低温度の変化を即時に制御手
段11に出力し、この温度分布測定手段手段10の出力
に応じ加熱手段5を制御する制御手段11を備えること
で、食品2の温度ムラ、最高温度、最低温度に応じたき
め細かい加熱制御が実現される。結果として食品2の種
類や形状、個数、置きかたなどに左右されることなく、
更に食品2の温度ムラなどに応じたきめ細かい加熱制御
により出来映えにバラツキのない自動調理ができる効果
がある。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
の効果がある。
【0049】(1)集光レンズの光軸を中心にサーモパ
イルの感度が集中することで食品各部分の温度を個別に
測定できるので、食品の種類や形状、個数、置きかたな
どに左右されることなく食品各部分の温度に応じた加熱
によって出来映えにバラツキのない自動調理ができる。
【0050】(2)集光レンズがフレネルレンズからな
るために、シリコンなど赤外線を透過する無機材料を研
磨するレンズと比べ成形が容易で、薄く、軽く、また安
価に構成できる。
【0051】(3)食品から飛散する汚れや蒸気が集光
レンズに付着せず、また集光レンズが熱によって変形す
ることもないので食品の温度を精度よく測定できる。
【0052】(4)加熱に伴う食品の温度分布変化を2
次元熱画像の形で検出できるので、食品の最高温度、最
低温度、温度ムラなどに応じたきめ細かい加熱制御によ
り出来映えにバラツキのない自動調理ができる効果があ
る。
【0053】(5)食品の温度と設定温度との差および
加熱中の食品の温度差を考慮して、加熱手段と制御手段
が制御するので、迅速にかつきめ細かい自動調整ができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における調理装置の構成
を示すブロック図
【図2】同実施例における温度検出手段の構成を示す断
面図
【図3】同実施例におけるサーモパイル要部を示す平面
【図4】同実施例における温度検出手段の指向特性を示
す図
【図5】従来の調理装置の構成を示すブロック図
【図6】同実施例における温度検出手段の構成を示す断
面図
【図7】同実施例における温度検出手段の感温視野を示
す図
【図8】同実施例におけるサーモパイル要部を示す平面
【図9】同実施例における温度検出手段の指向特性を示
す図
【符号の説明】
2 食品 5 加熱手段 8 温度検出手段 8b サーモパイル 8e 集光レンズ(フレネルレンズ) 9 駆動手段 10 温度分布測定手段 11 制御手段 12 遮断手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺沢 秀樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品を加熱する加熱手段と、前記食品から
    放射される輻射熱を集光する集光レンズと、前記集光レ
    ンズで集めた前記食品からの輻射熱を熱電変換するため
    に放射状多対の熱電対素子を配列したサーモパイルと、
    前記サーモパイルの出力に応じ前記加熱手段を制御する
    制御手段とを備え、前記サーモパイルはその温接点が前
    記集光レンズの光軸に略一致するように配設された調理
    装置。
  2. 【請求項2】前記集光レンズはフレネルレンズからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の調理装置。
  3. 【請求項3】前記加熱手段による前記食品への非加熱時
    に前記食品から前記集光レンズに放射される輻射熱を遮
    断する遮断手段を備えた請求項1記載の調理装置。
  4. 【請求項4】前記集光レンズ及び前記サーモパイルを一
    体化して駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって移
    動した前記サーモパイルからの複数の出力に基づき前記
    食品の複数箇所の温度分布を測定する温度分布測定手段
    と、前記温度分布測定手段の出力に応じ前記加熱手段を
    制御する制御手段を備えた請求項1記載の調理装置。
  5. 【請求項5】制御式が 加熱制御量(W)=K1(T−食品の平均温度)−K
    2(食品の温度格差) T:設定温度(℃)、K1、K2:定数 にしたがい制御手段が加熱手段を制御する請求項1ない
    し請求項4記載の調理装置。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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