JPH0796790B2 - レベル調整可能な柱脚 - Google Patents

レベル調整可能な柱脚

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JPH0796790B2
JPH0796790B2 JP13259689A JP13259689A JPH0796790B2 JP H0796790 B2 JPH0796790 B2 JP H0796790B2 JP 13259689 A JP13259689 A JP 13259689A JP 13259689 A JP13259689 A JP 13259689A JP H0796790 B2 JPH0796790 B2 JP H0796790B2
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JP13259689A
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博昭 田渕
佳広 藤田
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Obayashi Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明の不同沈下した建物の不陸修正手段に関し、特に
大きな沈下を生じやすい基礎形式の建物に有効であり、
建物の不同沈下による不陸の修正を可能とするレベル調
整可能な柱脚に関する。
《従来の技術》 従来、埋立て地等と軟弱地盤に建物を構築する場合、基
盤支持として杭を打設することが行われていた。
このような支持杭を用いる場合、ネガティブフリクショ
ンを考慮する必要があり、支持層が深いときには建設費
の中で杭工事の占める比率が高くなり、また杭のある建
物については周辺の地盤沈下によって、建物の周辺地盤
のレベル調節が必要になっていた。
そこで、軟弱地盤に建物を構築する場合の別工法として
建物重量と土の排土重量をバランスさせる基礎工法(フ
ローティング工法)があった。
この工法は杭がないため、コスト低減にはなるが、地盤
の不同沈下により周辺地盤や建物に不陸が生じやすい。
その場合、建物の基礎梁や底盤等に十分な剛性を持た
せ、地盤沈下に抵抗させるが、大きな沈下に対しては追
随が不可能になり、その沈下を修正する必要がある。
従来、その調整手法に鉄骨柱をギャッキアップする方法
がある。これは鉄骨柱を上下方向に案内するために案内
軸(アンカーボルト又は支柱)を予め基礎の上に設け、
不同沈下に対してそれを軸にして柱のジャッキアップを
行ない、その下にモルタルを充填していた。そして、そ
の案内軸で水平力を支持していたのである。
《発明が解決しようとする課題》 しかし、このような案内軸によって水平力に対抗し、ジ
ャッキアップ後モルタルを充填するものにおいては、モ
ルタルの充填とその硬化に手間を要しており、また現場
据付けのジャッキアップの場合は、鉄骨柱にブラケット
溶接する等ジャッキアップのための大掛りな装置も必要
になるため、工費も高くつき、工期も長き必要であっ
た。
本発明は上記事情に鑑みてなされたのであって、その目
的はフローティング工法の利点である建築費の低減を十
分生かし、不同沈下した建物の不陸を底コストで、かつ
短期間に容易に補修できるレベル調整可能な柱脚を提供
するにある。
《課題を解決するための手段》 上記の目的を達成するために本発明は、基礎に設置さ
れ、該基礎中に上下方向スライド空間を区画形成するた
めの内部中空の筒体と、柱の基端部に一体的に取り付け
られ、上記スライド空間に上下スライド自在に挿入され
る架台と、上記基礎にアンカーボルトで固設され、上記
柱をその径方向外方から囲撓しつつその上下スライドを
許容する環体状の吊り枠と、上記架台に下端が結合され
て上記柱の高さ方向に立設され、上端が上記吊り枠をス
ライド自在に貫通してその上方へ突出された吊りボルト
と、該吊りボルトの上端側に螺合され、上記吊り枠に係
止されて上記柱を上記基礎に支持させる係止手段と、を
備えたことを特徴とする。
《作 用》 本発明の作用について述べると、基礎に設置した内部中
空の筒体は、この基礎中に上下方向のスライド空間を区
画形成するもので、柱の基端部に一体的に取り付けた架
台はこの筒体内に挿入されて、スライド空間内で上下ス
ライドできるようになっている。他方、基礎上に設けた
吊り枠は、柱の外周を取り囲むように、柱をその径方向
外方から囲撓する環体状に形成され、柱はこの吊り枠に
対して上下スライドできるようになっている。さらに、
架台に下端を結合して柱の高さ方向、すなわち上方向に
立設した吊りボルトは、その上端が吊り枠をスライド自
在に貫通して、その上方へと突出している。そしてこの
吊りボルトの上端側に螺合した係止手段が吊り枠に係止
し、この係止によって、柱が架台および吊りボルトを介
して、基礎側に吊り枠でもって支持されるようになって
いる。
そして特に、架台が筒体内で上下スライド自在であり、
かつ架台に結合した吊りボルトも吊り枠に対して上下ス
ライド自在であるから、柱は、基礎側の筒体や吊り枠に
対して上下スライドが可能であり、かつ係止手段を吊り
枠に係止させることで、柱を基礎側に支持させることが
できるから、柱を単に上下動させるのみで、短期間に容
易に柱脚のレベル調整を行うことができる。
また、柱を囲撓する吊り枠をアンカーボルトで基礎に固
設するようにしたので、柱に作用する水平力をこの吊り
枠で十分に支持させることができる。
《実施例》 以下、本発明の好適な実施例について図面を参照にして
詳細に説明する。本実施例は基本的には、基礎3に設置
され、基礎3中に上下方向スライド空間を区画形成する
ための内部中空の筒体4と、鉄骨柱1の基端部に一体的
に取り付けられ、スライド空間に上下スライド自在に挿
入される架台9と、基礎3にアンカーボルト5で固設さ
れ、鉄骨柱1をその径方向外方から囲撓しつつその上下
スライドを許容する環体状の吊り枠6と、架台9に下端
が結合されて鉄骨柱の高さ方向に立設され、上端が吊り
枠6をスライド自在に貫通してその上方へ突出された吊
りボルト7と、吊りボルト7の上端側に螺合され、吊り
枠6に係止されて鉄骨柱1を基礎3に支持させる係止手
段としての係止ナット13とを備えて構成される。
第1図に平面を示し、円柱形の鉄骨柱1の基部には縦横
に床梁2が固定してある。この鉄骨柱1は後述するよう
に、その基端部に取り付けた架台9を介して、基礎3に
埋め込んだ筒体4を固定しているアンカーボルト5に結
合された吊り枠6に、吊りボルト7により吊り下げ支持
されている。その構造的な詳細を、第1図中のIII−III
矢視線で示す方向から見た、以下の第2図および第3図
を用いて説明する。
基礎3に有底筒体4を埋設する。この筒体4の上端縁に
は水平な鍔8が形成してあって、アンカーボルト5は、
基礎3からこの鍔8を貫通して上に突出しており、この
突出頂部で吊り枠6を基礎3に固定する。
鉄骨柱1の基端部には上記筒体4に嵌入する架台9がボ
ルト止めしてある。架台9は、鉄骨柱1の直径よりも大
きく、すなわちその外端部が鉄骨柱1の外方へ水平に突
出する大きさであって、有底筒体4の方は、この架台9
の上下方向への摺動移動が可能な程度の直径を有する。
そして、この架台9の外端部には吊りボルト7を通し、
ナット10で上下から架台9を挟むようにして垂直に固定
している。吊りボルト7は基部を架台9にナット10で固
定し、垂直方向へ立設した状態になっていて、その頂部
が真直ぐ上に延出されている。一方で、吊り枠6の上部
はリング状になっていて、このリング状の部分を鉄骨柱
1に外嵌しながら下に降ろしていくと、吊りボルト7の
頂部が吊り枠6をスライド自在に貫通して上方へ突出す
る。そして、そのまま鉄骨柱1及び吊り枠6を下の方へ
降ろしていくと、架台9が筒体4の中に嵌入して収ま
る。また、吊り枠6の下の方は筒体4の内径と同じ内径
の円筒状になっており、下端部が外周方向へ水平に広が
ってフランジ12を成し、ここにリブ11を溶接し、基礎3
の方の筒体4上端縁にある鍔8と位置合わせするように
して、フランジ12の孔にアンカーボルト5の頭頂部を通
し、それからアンカーボルト5の最頂部にナットを螺入
して、筒体4と吊り枠6とを、アンカーボルト5で一体
的に、かつ基礎3に対して強固に固定定着している。
しかる後、吊りボルト7頂部に係止ナット13,13を螺着
する。そうすると、第3図のようになる。図の如く、筒
体4と吊り枠6とで架台9が上下方向へ摺動自在な、案
内シリンダーを構成したような形になっている。すなわ
ち、筒体4と吊り枠6とで構成するシリンダーの中に架
台9というピストンが配置され、この架台9を鉄骨柱1
というピストンロッドに固定してあるような形になり、
柱脚のレベル調整に際しては床梁2と基礎3との間にジ
ャッキ14を介設し、ジャッキ14で床梁2をリフトアップ
すると、床梁2と一体的に鉄骨柱1は上昇し、これに伴
い吊りボルト7が吊り枠6の上端面から伸び上がるよう
に上昇する。
そうすると、吊りボルト7と一緒になって係止ナット1
3,13が垂直に上がるので、この係止ナット13を吊り枠6
の上端に当接するように螺入してからジャッキ14を元に
戻し、取り外せばよい。
従って、ジャッキ14にてフロアー面が水平になるように
適宜な高さまで鉄骨柱1をリフトアップすればよい。逆
にフロアー面を下の方へ下げるときには、係止ナット1
3,13を緩める方向に回せばよい。
要するに、柱脚のレベルを調整するに際しては、まず床
梁2と基礎3との間にジャッキ14を設置し、このジャッ
キ14によって鉄骨柱1をリフトアップする。そうする
と、鉄骨柱1の基端部に設けた架台9が基礎3中に埋め
込んだ筒体4の内部を上の方に摺動移動する。従って吊
りボルト7は吊り枠6に対して上昇する。次に、吊りボ
ルト7を吊り枠6に係止するために係止ナット13を調整
して固定し直してから、ジャッキ14を外す。
吊り枠6は鉄骨柱1の基部に外嵌してあって、アンカー
ボルト5を介し、基礎3中の筒体4に嵌入してある架台
9と相俟って水平力に対抗するとともに、他方吊り枠6
と吊りボルト7とで架台9を支持し、鉄骨柱1の鉛直荷
重を受け止める。
以上詳細に説明したように本実施例のレベル調整可能な
柱脚は、アンカーボルト5を介して基礎3に固定され、
柱脚の高さレベルにかかわらず鉄骨柱1に外嵌する吊り
枠6を具備しているので、鉄骨柱1の基部が受ける水平
力に対し、この吊り枠6の鉄骨柱1に接する部分が当該
鉄骨柱1の外周囲を押さえるので、確実な水平抵抗力を
確保することができる。
また、柱脚のレベル調整に際しては、ジャッキ14の使用
によって鉄骨柱1をジャッキアップしたならば係止ナッ
ト13を吊り枠6方向へ締め回すことによってジャッキア
ップ作業を終了することができ、したがってモルタル等
の充填を伴わないので、軟弱地盤上での不同沈下に対し
て簡易に、かつ迅速にレベル調整作業を完了することが
できる。
さらにまた、柱脚が吊り枠6による吊り構造で支持され
るため、水平力の処理メカニズムと組合せることによ
り、一般的な地盤上での柱脚吊り構造としてのみなら
ず、免震等の特殊工法にも利用できる。すなわち、筒体
4に体して、鉄骨柱1の横方向への挙動を若干許容する
ように架台9の寸法を設定した上で、基礎3と建物との
間を、水平力に対抗できる免震支承やダンパー等で接続
すれば、ダンパーや免震支承に建物の鉛直荷重を直に負
担させなくても済むような免震構造を得ることができ
る。
《効 果》 以上要するに本発明によれば、架台が筒体内で上下スラ
イド自在であり、かつ架台に結合した吊りボルトも吊り
枠に対して上下スライド自在であるから、柱は、基礎側
の筒体や吊り枠に対して上下スライドが可能であり、か
つ係止手段を吊り枠に係止させることで、柱を基礎側に
支持させることができるから、柱を単に上下動させるの
みで、短期間に容易に柱脚のレベル調整を行うことがで
きる。
また、柱を囲撓する吊り枠をアンカーボルトで基礎に固
設するようにしたので、柱に作用する水平力をこの吊り
枠で十分に支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による柱脚基部の平面図、第2図は第1
図中のIII−III矢視方向から見た、分解状態の断面図、
第3図は第1図中のIII−III矢視断面図である。 1……鉄骨柱、2……床梁 3……基礎、4……筒体 5……アンカーボルト、6……吊り枠 7……吊りボルト、8……鍔 9……架台、10……ナット 11……リブ、12……フランジ 13……係止ナット、14……ジャッキ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎に設置され、該基礎中に上下方向スラ
    イド空間を区画形成するための内部中空の筒体と、 柱の基端部に一体的に取り付けられ、上記スライド空間
    に上下スライド自在に挿入される架台と、 上記基礎にアンカーボルトで固設され、上記柱をその径
    方向外方から囲撓しつつその上下スライドを許容する環
    体状の吊り枠と、 上記架台に下端が結合されて上記柱の高さ方向に立設さ
    れ、上端が上記吊り枠をスライド自在に貫通してその上
    方へ突設された吊りボルトと、 該吊りボルトの上端側に螺合され、上記吊り枠に係止さ
    れて上記柱を上記基礎に支持させる係止手段と、 を備えたことを特徴とするレベル調整可能な柱脚。
JP13259689A 1989-05-29 1989-05-29 レベル調整可能な柱脚 Expired - Lifetime JPH0796790B2 (ja)

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JPH032418A JPH032418A (ja) 1991-01-08
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