JPH079603Y2 - 木質系成形物用成形型 - Google Patents

木質系成形物用成形型

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JPH079603Y2
JPH079603Y2 JP1989085979U JP8597989U JPH079603Y2 JP H079603 Y2 JPH079603 Y2 JP H079603Y2 JP 1989085979 U JP1989085979 U JP 1989085979U JP 8597989 U JP8597989 U JP 8597989U JP H079603 Y2 JPH079603 Y2 JP H079603Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は木質系成形物用成形型に関する。
(従来技術) 木質系成形物は、木質の長繊維、短繊維、粉末等の少な
くとも1種類の木質系素材と、フェノール系熱硬化性樹
脂または熱可塑性樹脂等上記素材の結合剤とからなり、
一般にハードポートの名称で知られている。当該木質系
成形物は各種部材の内装材として使用され、またそれ自
体の表面に各種の部材が取付けられることが多い。この
場合、当該木質系成形物の所定の部位には予じめ1また
は複数の取付用小穴が形成される。当該木質系成形物の
一例である車両用のドアトリムが第5図に示されてい
る。
しかして、当該木質系成形物Aを成形するには、同成形
物Aを圧縮成形するための下型および上型として第6図
に示すように、型面1a、2aの所定の部位に環状の突起部
1b、2bを有する下型1および上型2を使用し、これら両
型1、2により圧縮成形して第7図(a)、(b)に示
すように成形物Aの所定の部位に超薄層の環状の凹所a1
を形成し、その後同凹所a1をパンチングして超薄層を除
去し、さらに必要によりバリ取り等を行って取付用小穴
a2を形成している。
(考案が解決しようとする課題) ところで、上記した取付用小穴の形成手段においては複
数の工程が必要であるとともに両型1、2の一方または
両方の環状の突起部1b、2b内に成形物Aの除去すべき部
分が嵌着することがあり、その都度型面1a、2aの清掃が
必要になる。
従って、本考案の目的は圧縮成形と同時に取付用小穴が
確実に形成できて、その後の小穴形成処理および両型の
型面の清掃頻度の極めて少ない成形型を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本考案は下型および上型を備え、これら両型の型面間に
介在する木質系の繊維、粉末等木質系素材と同素材の結
合剤との素材集合体を圧縮成形して成形物を成形する木
質系成形物用成形型において、前記両型の一方の型の所
定の部位に、錐状ロッドを上下方向に摺動可能に組付け
るとともにバネ付勢して同ロッドの先端部を同型から突
出させ、かつ前記両型の他方の型の型面における前記ロ
ッドに対向する部位に、同ロッドの先端部の最大外形寸
法より小さい開口寸法で同先端部が所定量侵入する凹所
を設けたことを特徴とするものである。
(考案の作用・効果) かかる構成の成形型においては、素材集合体の圧縮成形
時錐状ロッドは一方の型と一体に他方の型に対して相対
的に上下動し、この移動終了時錐状ロッドの先端部が他
方の型の型面の凹所に所定量侵入する。この場合、錐状
ロッドはその先端部にて素材集合体を局部的に排除しつ
つ同集合体内を侵入し、最後に上記凹所に侵入する。従
って、当該成形型によれば、錐状ロッドの先端部の径、
同先端部の凹所内への侵入量および同凹所の径等にて定
まる設定された径の穴を、圧縮成形と同時に確実に成形
物に形成することができる。また。両型の型面には成形
物の一部が嵌着される環状の突起部が存在しないから、
上記両型面の清掃頻度が極めて少なくなる。さらにま
た、当該成形型においては、錐状ロッドの先端部に対向
する凹所の開口寸法を、同ロッドの先端部おける最大外
形寸法より小さい開口寸法とし、錐状ロッドが凹所に所
定量侵入するように構成しているため、両型の離間時に
は錐状ロッドは成形物から容易に抜き出ることができ、
成形物が錐状ロッドの先端部に引掛って持ち上げられる
ようなことはない。
(実施例) 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明するに、第
1図および第2図には本考案に係る成形型が示されてい
る。当該成形型10は、下型11、上型12および複数の錐状
ロッド13(図面には1本のみ図示)を備えてなり、木質
系繊維およびフェノール系熱硬化性バインダからなる素
材集合体を圧縮成形して、第5図に示すドアトリムAを
形成するものである。なお、ドアトリムAには複数の取
付用小穴a2が所定の部位にそれぞれ形成されている。
当該成形型10において、下型11および上型12は周知のも
ので、適宜のプレス装置に組付けられ、これら両型11、
12の型面11a、12a間に介在させた第3図に示す素材集合
体Bを、上型12を設定された下死点まで下降させて両型
面11a、12aにて圧縮成形し、ドアトリムAを形成するも
のである。
しかして、錐状ロッド13は本考案の主要構成部材をなす
もので、上型12にドアトリムAの各小穴a2に対応する部
位に対応する数だけ組付けられている。錐状ロッド13は
円錐状の先端部13aとこれより小径の長尺のロッド部13b
とからなり、上型12の所定の部位に設けた段付きの組付
孔12bに上下方向へ摺動可能に嵌挿され、かつ先端部13a
の背部と組付孔12bの中径段部12b1間に介装した圧縮ス
プリング14に付勢されていて、同先端部13aが上型12の
型面12aから下方へ所定量突出している。一方、下型11
の型面11aには錐状ロッド13の先端部13aに対向する部位
に所定の径で所定の深さの円形凹所11bが形成されてい
る。同凹所11bの開口径は錐状ロッド13の先端部13aの最
大径より小径に形成されていて、同先端部13aの中間部
が凹所11bの上端開口縁部に弾撥的に当接して、当該当
接部より先端側が凹所11bに侵入し得る構成となってい
る。
かかる構成の成形型10においては、上型12が不死点まで
下降して素材集合体Bを下型11とにより圧縮成形してド
アトリムAが形成されるが、上型12の下降時錐状ロッド
13は上型12と一体的に下降するとともに、上型12の不死
点以前に同ロッド13の先端部13aの中間部が下型11の凹
所11bの上端開口縁部に弾撥的に当接し、先端部13aの中
間部より先端側が第4図に示すように凹所11bに臨む。
この場合、錐状ロッド13はその先端部13aにて素材集合
体Bを局部的に排除しつつ同集合体B内を侵入し、最後
に下型11の凹所11bに侵入する。従って、当該成形型10
によれば、錐状ロッド13の先端部13aの径、同先端部13a
の凹所11b内への侵入量および同凹所11bの径等により定
まる設定された径の取付用小穴a2を、圧縮成形と同時に
確実に成形物Aに形成することができる。また、両型1
1、12の型面11a、12aには成形物Aの一部が嵌着される
第6図に示すごとき環状の突起部1b,2bが存在しないか
ら、これら両型11、12の型面11a、12aの清掃頻度が極め
て少くない。さらにまた、当該成形型において、錐状ロ
ッド13の先端部13aに対向する凹所11bを、同ロッド13の
先端部13aにおける最大外径より小さい開口径とし、錐
状ロッド13が凹所11bに所定量侵入するように構成して
いるため、両型11,12の離間時には錐状ロッド13はドア
トリムAから容易に抜き出ることができ、ドアトリムA
が錐状ロッド13の先端部13aに引掛って持ち上げられる
ようなことはない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係る成形型における両型の
離間した状態を示す断面図、第2図は同両型の圧縮成形
状態を示す断面図、第3図は同両型の圧縮成形直前の状
態を示す部分拡大図、第4図は同圧縮成形終了時の状態
を示す部分拡大図、第5図は木質系成形物の一例である
ドアトリムの斜視図、第6図は従来の成形型を示す部分
断面図、第7図(a)はドアトリムのパンチング処理の
部分断面図、第7図(b)は同部分平面図である。 符号の説明 10……成形型、11……下型、12……上型、11a、12a……
型面、11b……凹所、13……錐状ロッド、13a……先端
部、14……圧縮スプリング、A……ドアトリム(木質系
成形物)、a2……取付用小穴、B……素材集合体。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】下型および上型を備え、これら両型の型面
    間に介在する木質系の繊維、粉末等木質系素材と同素材
    の結合剤との素材集合体を圧縮成形して成形物を成形す
    る木質系成形物用成形型において、前記両型の一方の型
    の部位に、錐状ロッドを上下方向に摺動可能に組付ける
    とともにバネ付勢して同ロッドの先端部を同型から突出
    させ、かつ前記両型の他方の型の型面における前記ロッ
    ドに対向する部位に、同ロッドの先端部の最大外形寸法
    より小さい開口寸法で同先端部が所定量侵入する凹所を
    設けたことを特徴とする木質系成形物用成形型。
JP1989085979U 1989-07-21 1989-07-21 木質系成形物用成形型 Expired - Fee Related JPH079603Y2 (ja)

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