JPH0795972B2 - 炊飯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭で日常的に使用される炊飯器に関する
ものである。

従来の技術 従来の炊飯器では炊飯時発生する蒸気が蓋体内面につゆ
として付着し、上枠面に滴下する。このつゆの貯留構成
として例えば実公昭58-56584号公報の第５図および第６
図に示されるように本体の一側面に装着される別パーツ
としてつゆ受容器51を具備しこの容器内につゆを集め使
用者が都度排出処理する構造のものであった。

発明が解決しようとする課題 しかしながらこの構成ではつゆ受容器51がボデー52（本
体）より突出し近年のデザイン要点の清楚感が損なわれ
る上に排出処理を忘れると溢ふれ本体を汚すことは勿論
貫通穴53が米粒等で閉塞されると逆に内方の保護枠54側
へ流入し器内の構成部品に滴下して品質悪化と耐久寿命
劣化を促進し感電や火災の恐れなど安全性に課題があっ
た。

本発明は、上記従来の課題点を解決するものでデザイン
的にも清楚な形状とし器内の結露水などの浸入を未然に
防止して安全性の向上をはかることを目的としたもので
ある。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、内側に投入口を有
し本体上面に載置されるほぼ環状の上枠と、この上枠の
投入口より大径のフランジ部を有して着脱自在に装着さ
れる鍋と、本体上面の一側に軸支され他端開閉自在な蓋
体とを備え、前記上枠は、その外縁部と前記投入口側の
縁部とを立上げた断面凹形とし、かつ、その上面を外縁
部の少なくとも１箇所に向けて低くなるように傾斜さ
せ、その傾斜終端部に略対応する位置の外縁部に、その
端面より一段低くした切欠き段部を配設する構成とした
ものである。

作用 上記構成とすることにより別途操作するつゆ受容器を必
要とすることなく後処理清掃が容易で本体外観がつゆ受
容器が突出することなく清楚なデザインフォルムを提供
でき、上枠につゆを受けた量を容易に目視確認できると
ともに、器内への流水を防止して安全性を高め得ること
となる。

実施例 以下、本発明の一実施例について添付図面を参照して説
明する。

第１図および第２図は炊飯器の一部を破断した側面図お
よび正面図であり第３図は上枠部品図である。

上部開放の本体１の一側にヒンジ軸２を介して他端回動
の蓋体３を設け、この蓋体３開時上方より本体１内底部
に備えた加熱体４に載置するフランジ付の鍋５が着脱自
在にある。

前記本体１の上面開口部には鍋５を内包する鍋フランジ
径より小径の投入口６を有する上枠７が外縁部８を本体
１に嵌合して組込まれている。本体１組込時、鍋５はフ
ランジ上面を上枠７より上方に位置し、その上縁部には
蓋体３の鍋パッキン９が蓋体３の閉成時に圧接する。10
は蓋体３下方に着脱自在に組込まれた内蓋で前記蓋パッ
キン９より内方で前記鍋５の押え蓋の機能を成し通常前
記鍋フランジ内方に設けた段部11に当接するもので蓋体
３閉成時鍋５内と器外に通じる蓋蒸気口（図示せず）と
を連通する開口穴を設けている。ここで前記上枠７は外
縁部８と投入口６側の縁部とが立上る断面凹形を成し、
ヒンジ側の後部一側の外縁部８には、上面を一段下げた
切欠き段部12を設けている。

上記構成についてその作用を説明する。

炊飯保温の調理を行った時発生する蒸気は、調理後、蓋
体３下面につゆとして付着する。蓋体３をヒンジ軸２を
支軸として開くとつゆは一部鍋５内への滴下を含め蓋体
３の開時動作により蓋体３にそって流れヒンジ軸２側の
上枠７上面に滴下する。上枠７上面は、断面凹形をなし
ているのでつゆの受皿として機能する。使用者はそのつ
ゆをふきんなどで軽く処理すれば良い。また、つゆの量
が多い場合、あるいはふきこぼれや誤注水などの異常溢
水の場合、上枠７上面に滴下貯留した水は切欠き段部12
より器外へ流水し器内への流入を未然に防止するので、
器体の溢水路として機能し、本体１内部に浸水して内部
構成部品をぬらすことなくまたその手入れをすることも
なくなる。ここで上枠７形状は従来の別途配置するつゆ
受容器より大形でありわずかな皿形状の深さでもより多
くのつゆ貯留を可能とするため、通常浅いなめらかな形
状で十分に機能する。従ってたまったつゆ処理も上枠７
上面を軽くふきんなどでふきとれてその処理も簡単にな
る。このことは清潔にしないとする使用者の思いが従来
つゆの流路である蓋体３内面と上枠７とつゆ受容器の３
つを結果としてふきとることが２箇所に限定されて便利
になることでも効果を発揮する。又、別途小さなつゆ受
容器を本体側面に設けておらずその容器による本体１か
らの突出部分が不要なうえ、取付けにともなう本体１の
金型構成を不要とし本体１の凹突縁がなくなって商品外
観がスッキリと構成でき清楚なデザインセンスを提供で
きる。また、別部品不要は、その取付構成上の簡素化と
共に製造、組立コストの廉化を実現できる。

その上、上枠７自体をつゆ受面とすることで滴下したつ
ゆ量の確認が使用時の蓋体３の開動作時に十分に目視確
認できる為、従来の如く別容器をあらためて見直す必要
もなく誤って処理忘れで器体を汚すことなくまた貯った
水を放置して異臭を発する頻度を極力解費する効果をも
有する。また、切欠き段部12の配置は外観センスを損な
うことなく異常時でも器内に浸水することを防止できる
もので浸水した時の部品品質零化や感電火災を誘発する
ことがなく安全性の向上を果すと共に本体１内の煩しい
ふきとりも不要となる。またこの切欠き形状は閉塞され
ることがなく従来のように貫通穴53が米粒などで閉塞さ
れるとその機能が半減して溢水し易くなる不安全性も解
消される。

第４図は上枠のつゆ受皿機能を大巾に向上し得る本発明
の別の実施例である。

31は上枠で投入口32を有し、断面凹形とし外縁部34の一
部に切欠き段部35を設け、かつ上枠31の上面はこの切欠
き段部35に向って低くなる傾斜した案内面36としてい
る。また、この案内面の傾斜終端部に略対応する位置の
外縁部34に切欠き段部35を配設し、これに近接して更に
一段落ちた凹部溝37を設けている。

この構成においては上枠31面に滴下したつゆは傾斜した
案内面36により導かれ凹部溝37に集め得るものである。

従って、案内面が傾斜してない場合、少いつゆ量滴下の
場合表面張力を含めて分散しておりつゆの滴下状況が確
認しずらくついふき取りを忘れて不衛生にする可能性が
あるが、本実施例では切欠き段部35側を確認するだけで
少い量でも容易に目視確認できふき取りを忘れることが
少くなる。また上枠31面に落下した固形物なども傾斜し
た傾斜面に沿ってつゆ流出と共にこの凹部溝37に集めら
れるのでその処理も簡単になる。

また、切欠き段部35が一段低くなっており溢水時の器外
流出としてもその機能を効果的に発揮することができる
ようになっている。

尚、上記凹部溝37は本実施例の機能をより助長するもの
で他ともより深い傾斜面で構成してよいのは勿論採用せ
ずとも本効果の主旨を十分に果し得るものである。

また、上記各実施例の採用は近年のつゆ受レス化への取
組み技術の中で蓋体に組込んだヒータによりつゆを蒸発
させたり新吸着部材採用での構成でつゆの発生も防止し
た構成のものに採用すればつゆ受容器不要の中で誤注水
やふきこぼれなどの異常時の溢水機能としてより簡単に
してより高い効果を発揮するものである。

発明の効果 上記説明から明らかなように本発明は、蓋体を有した上
部開放の本体上面に載置される上枠形状において鍋のは
いる内方の投入口側の縁部と外縁部とが立上る形の断面
凹形としかつ外縁部の一部に前記外縁部の端面より一段
低くした切欠き段部を配設し上枠をつゆ受面として構成
させているので別途つゆ受容器を不要としその為に本体
が突出したり凹凸が生じたりして本体外観イメージを損
なうことなく清楚なデザインフォルムを提供できるう
え、簡単なふきとり操作は勿論異常時の溢水路として前
記切欠き段部を設けているので器内浸水を防止して清掃
性が容易で品質と安全性を高めるという効果を得るもの
である。

また本発明は上枠上面を切欠き段部に向って低くなる傾
斜した案内面としているのでつゆの滴下量が目視容易と
したうえでふきとり処理を簡単にしている。また最下位
面に切欠き段部があり異常時切欠き段部からの溢水をよ
り確実に機能し得るようにしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す炊飯器の一部破断側面
図、第２図は同正面図、第３図は同上枠部品の平面図、
第４図は同上枠の部品図、第５図および第６図は従来例
を示す炊飯器の断面図とその要部分解斜視図である。 １……本体、３……蓋体、５……鍋、６……投入口、７
……上枠、８……外縁部、12……切欠き段部、31……上
枠、32……投入口、34……外縁部、35……切欠き段部、
36……案内面。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−45964（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−145124（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−44615（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内側に投入口を有し本体上面に載置される
   ほぼ環状の上枠と、この上枠の投入口より大径のフラン
   ジ部を有して着脱自在に装着される鍋と、本体上面の一
   側に軸支され他端開閉自在な蓋体とを備え、前記上枠
   は、その外縁部と前記投入口側の縁部とを立上げた断面
   凹形とし、かつ、その上面を外縁部の少なくとも１箇所
   に向けて低くなるように傾斜させ、その傾斜終端部に略
   対応する位置の外縁部に、その端面より一段低くした切
   欠き段部を配設する構成とした炊飯器。