JPH079525A - 射出成形機の製品良否判別装置 - Google Patents

射出成形機の製品良否判別装置

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JPH079525A
JPH079525A JP17742093A JP17742093A JPH079525A JP H079525 A JPH079525 A JP H079525A JP 17742093 A JP17742093 A JP 17742093A JP 17742093 A JP17742093 A JP 17742093A JP H079525 A JPH079525 A JP H079525A
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JP17742093A
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Inventor
Masao Kamiguchi
賢男 上口
Tetsuaki Neko
哲明 根子
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Fanuc Corp
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Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品の選別作業を適確に行わせることので
きる製品良否判別装置を提供すること。 【構成】 最新N回の成形サイクルにおける良否判別結
果を判別データ記憶ファイルに記憶させて不良判別発生
の回数Sを検出し、不良率A=S/Nを求める。現時点
における不良率Aに対応する見込み不良回数Kの値を見
込み不良回数記憶用ファイルから求め、サンプリングデ
ータの常態復帰から成形品の常態復帰までに必要とされ
るショット数Kとして設定する。不良判別が生じた場
合、サンプリングデータが常態復帰してからK回の成形
サイクルが完了するまで良否判別結果に関わりなく良品
信号の出力を禁止し、不良の可能性のある成形品が良品
として取り扱われることを防止する。同時に、最新N回
の成形サイクルにおける良否判別結果に基いて見込み不
良回数Kの値を適正化することにより、良品が不良品と
して選別されることを防止し、材料の歩留まりを向上さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の製品良否
判別装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の製品良否判別装置として
は、特開平4−168021号公報に示されるように射
出時間や計量時間を監視項目として良否判別を行うも
の、また、特開平4−135727号公報に示されるよ
うにピーク射出圧や保圧切替え時のスクリュー位置を監
視項目として良否判別を行うもの等、既に各種のものが
公知である。一般にこの種の良否判別技術では、監視項
目となるサンプリングデータの変動のみに基いて製品の
良否を適確に判別するというのは非常に困難であり、例
えば、一旦不良ショットが生じた後、次のショットでサ
ンプリングデータが適性値に回復したとしても、前回の
不良ショットの悪影響で成形品に微小なヒケやバリ等が
残留するといったことがよくある。
【0003】そこで、このような事情によって不良品が
良品として判別されるのを防止するため、サンプリング
データに基く判別結果に関わりなく、不良発生直後の所
定数のショットを無条件に不良品として取り扱うように
した良否判別方法が提案されている。
【0004】図8は不良発生直後の2ショット分を無条
件に不良品として取り扱う場合を例にとって示す作用説
明図で、この例では、射出成形機が安定的な連続運転に
入った後、第x+2回目のショットまで良品成形が行わ
れ、第x+3回目のショットのサンプリングデータに異
常が生じて不良信号が出力されている。そして、第x+
4回目以降のショットに関してはサンプリングデータに
基く判別結果は全て良品であるが、実際の成形状態が前
回の不良ショットの悪影響から立ち直るに必要とされる
見込みのショット数を考慮して、前述のように2ショッ
ト分、即ち、第x+4回目と第x+5回目のショットに
対して無条件に不良信号が出力され、選別装置等により
これらのショットが不良品として取り除かれることにな
る。
【0005】また、図9に示されるように、射出成形機
が安定的な連続運転に入ってから第x+1回目のショッ
トまで良品成形が行われ、第x+2回目のショットのサ
ンプリングデータに異常が生じて不良信号が出力された
後、第x+3回目のショットのサンプリングデータに基
く判別結果が良品、第x+4回目のショットのサンプリ
ングデータに基く判別結果が不良品となり、第x+5回
目以降のショットに関してはサンプリングデータに基く
判別結果が全て良品であったとする。この場合、第x+
3回目のショットは第x+2回目のショットの判別結果
により無条件に不良品扱いされ、また、第x+5回目の
ショットと第x+6回目のショットは第x+4回目のシ
ョットの判別結果により無条件に不良品扱いされること
になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際には、サ
ンプリングデータの回復から成形状態の立ち直りに必要
とされるショット回数は、樹脂および金型の特性や各種
成形条件の設定状況、更に、射出成形機の連続運転時間
(通算ショット数)の相違等により様々に変動するた
め、成形状態の立ち直りに必要とされる見込みのショッ
ト回数を一概に決めることは必ずしも容易でない。従来
の見込み不良判別では、サンプリングデータの常態復帰
から成形異常の解消に必要とされる見込みのショット数
を固定的に設定して不良信号を出力するようにしていた
ため、確実に良品のみを得ようとして見込みの不良発生
回数を大きめに設定すると、良品の範疇に属する成形品
の多数が不良品として退けられるために歩留まりが悪化
し、また、成形材料を節約しようとして見込みの不良発
生回数を小さめに設定すると、不良品が良品の中に不用
意に紛れ込むといった問題が生じる。
【0007】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の
欠点を解消し、より適確に成形品の選別作業を行うこと
のできる射出成形機の製品良否判別装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の製品良否判別装
置は、良否判別結果を1成形サイクル毎積算的に記憶す
る判別結果記憶手段と、前記判別結果記憶手段に記憶さ
れた最新の情報に基いて見込み不良回数を特定する不良
回数特定手段と、不良判別後の連続良品判別回数が前記
見込み不良回数に達するまでの間、良否判別結果に関わ
りなく良品信号の出力を禁止する良品信号規制手段とを
備えたことを特徴とする構成により前記目的を達成し
た。
【0009】一実施態様としての不良回数特定手段は、
判別結果記憶手段に記憶された最新の情報に基いて所定
周期毎に不良率もしくは良品率の現在値を算出し、更
に、該不良率もしくは良品率の現在値に基いて見込み不
良回数を特定するようにした。
【0010】不良率もしくは良品率の現在値に基いて見
込み不良回数を特定するため、前記一実施態様としての
不良回数特定手段は、不良率もしくは良品率と見込み不
良回数とを対応させて設定記憶した記憶手段、もしく
は、不良率もしくは良品率の現在値に基いて見込み不良
回数を算出するための演算機能を備える。
【0011】
【作用】製品良否判別装置は、1成形サイクル毎のサン
プリングデータに基いて当該成形サイクルの成形品の良
否を自動的に判別し、その良否判別結果を判別結果記憶
手段により積算的に記憶する。不良回数特定手段は、所
定周期毎、例えば、1成形サイクル毎に、前記判別結果
記憶手段における最新の情報に基いて不良率もしくは良
品率の現在値を算出すると共に、不良率もしくは良品率
と見込み不良回数とを対応して記憶した記憶手段を検索
して前記現在値に対応する見込み不良回数を検出する。
または、前記不良率もしくは良品率の現在値を算出した
後、更に、見込み不良回数を特定するための演算処理を
実施し、現時点における見込み不良回数を算出する。
【0012】サンプリングデータに基いて行われる成形
品の良否判別の結果が不良となった場合、良品信号規制
手段は、不良判別後の連続良品判別回数が前記見込み不
良回数に達するまでの間、つまり、成形品が正常な成形
状態に復帰するまでの間、良否判別結果に関わりなく良
品信号の出力を禁止し、不良の可能性のある成形品が良
品として取り扱われることを防止する。
【0013】サンプリングデータが常態に復帰してから
成形品の状態が立ち直るまでのショット数である見込み
不良回数の値が、判別結果記憶手段に記憶された最新の
情報に基いて特定されるため、樹脂および金型の特性や
各種成形条件の設定状況ならびに射出成形機の連続運転
時間の相違等に応じて見込み不良回数が自動的に適正化
され、不良品が良品として取り扱われるといった選別ミ
スが防止されると共に成形材料の歩留まりも向上する。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用した一実施例の射出成形機の
要部を示すブロック図で、符号1は射出成形機の射出シ
リンダ、符号2はスクリューである。スクリュー2は、
駆動源の軸回転を射出軸方向の直線運動に変換するため
の駆動変換機5を介して射出用サーボモータM1により
射出軸方向に駆動され、また、歯車機構3を介してスク
リュー回転用サーボモータM2により計量回転されるよ
うになっている。スクリュー2の基部には圧力検出器4
が設けられ、スクリュー2の軸方向に作用する樹脂圧
力、即ち、射出保圧工程における射出保圧圧力や計量混
練り工程におけるスクリュー背圧が検出される。射出用
サーボモータM1にはスクリュー2の位置や移動速度を
検出するためのパルスコーダP1が配備され、また、ス
クリュー回転用サーボモータM2には、スクリュー2の
回転速度を検出するための速度検出器P2が配備されて
いる。
【0015】射出成形機の製品良否判別装置を兼ねる制
御装置10は、数値制御用のマイクロプロセッサである
CNC用CPU25、プログラマブルマシンコントロー
ラ用のマイクロプロセッサであるPMC用CPU18、
サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU
20、および、A/D変換器16を介して射出保圧圧力
やスクリュー背圧のサンプリング処理を行うための圧力
モニタ用CPU17を有し、バス22を介して相互の入
出力を選択することにより各マイクロプロセッサ間での
情報伝達が行えるようになっている。
【0016】PMC用CPU18には射出成形機のシー
ケンス動作を制御するシーケンスプログラムや製品の良
否判別を行うための制御プログラム等を記憶したROM
13および演算データの一時記憶等に用いられるRAM
14が接続されている。一方、CNC用CPU25には
射出成形機を全体的に制御するプログラム等を記憶した
ROM27および演算データの一時記憶等に用いられる
RAM28が接続されている。
【0017】また、サーボCPU20および圧力モニタ
用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログ
ラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いら
れるRAM19、および、良否判別のためのデータを得
るサンプリング処理等に関する制御プログラムを格納し
たROM11やデータの一時記憶に用いられるRAM1
2が接続されている。更に、サーボCPU20には、該
CPU20からの指令に基いて型締め用,エジェクタ用
(図示せず)および射出用,スクリュー回転用等の各軸
のサーボモータを駆動するサーボアンプ15が接続さ
れ、射出用サーボモータM1に配備したパルスコーダP
1およびスクリュー回転用サーボモータM2に配備した
パルスコーダP2からの出力の各々がサーボCPU20
に帰還され、パルスコーダP1からのフィードバックパ
ルスに基いてサーボCPU20により算出されたスクリ
ュー2の現在位置や、速度検出器P2で検出されるスク
リュー2の回転速度が、メモリ19の現在位置記憶レジ
スタおよび現在速度記憶レジスタの各々に記憶される。
【0018】インターフェイス23は射出成形機の各部
に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を受信
したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達した
りするための入出力インターフェイスである。ディスプ
レイ付手動データ入力装置29はCRT表示回路26を
介してバス22に接続され、モニタ表示画面や機能メニ
ューの選択および各種データの入力操作等が行えるよう
になっており、数値データ入力用のテンキーおよび各種
のファンクションキー等が設けられている。
【0019】不揮発性メモリ24は射出成形作業に関す
る成形条件(射出保圧条件,計量混練り条件等)と各種
設定値,パラメータ,マクロ変数および良否判別のため
の設定データ等を記憶する成形データ保存用のメモリで
ある。
【0020】以上の構成により、CNC用CPU25が
ROM27の制御プログラムに基いて各軸のサーボモー
タに対してパルス分配を行い、サーボCPU20は各軸
に対してパルス分配された移動指令とパルスコーダP
1,速度検出器P2等の検出器で検出された位置のフィ
ードバック信号および速度のフィードバック信号に基い
て、従来と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さら
には電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるデ
ィジタルサーボ処理を実行する。
【0021】図4は、各成形サイクルにおける良否判別
結果を積算して記憶するために不揮発性メモリ24に設
けられた判別データ記憶ファイルの構成を示す概念図で
あり、この判別データ記憶ファイルには、PMC用CP
U18からのアドレス指定により、その時点の成形サイ
クルにおける良否判別結果が良品=0(フラグOFFの
状態)、また、不良品=1(フラグONの状態)として
記憶される。良否判別結果を積算記憶するためのビット
数の値Nに関してはハードウェア上の制限はなく、判別
結果を記憶するための記憶領域の数Nの設定は任意であ
る。
【0022】また、図5は、不良率と見込み不良回数と
を対応して記憶させるために不揮発性メモリ24に設け
られた見込み不良回数記憶ファイルの構成を示す概念図
である。本実施例でいう不良率とは、不良として判別さ
れたショット数が全体のショット数に対して占める割合
のことである。サンプリングデータが常態に回復してか
ら成形品の状態が完全に立ち直るまでに必要と予想され
るショット数、即ち、見込み不良回数と不良率との対応
関係は、図5に示す通りであり、例えば、不良率がA0
以上A1 未満(但し、単位は100%)の範囲にある場
合には見込み不良回数K1 (但し、単位は1回)が良品
信号規制条件として適用され、また、不良率がA1 以上
A2 未満の範囲にある場合には見込み不良回数K2 が良
品信号規制条件として適用される。不良率の設定条件は
A0 <A1 <A2 <・・・<Am-1 <Am であり、一般
にA0 =0,Am =1と設定して、不良率0%から不良
率100%にまで対応する。分割数m および分割された
不良率の範囲Ak-1 〜Ak(但し、k =1〜m )の刻み
幅に関しては設定上の制限事項はない。また、各不良率
の範囲Ak-1 〜Ak に対応する見込み不良回数の設定値
Kk の値は、不良率の増加に応じて単純増加的に設定す
るようにする。
【0023】本実施例においては、圧力モニタ用CPU
17が射出保圧工程および計量混練り工程毎にサンプリ
ング処理を繰り返し実行し、所定のサンプリング周期毎
に、圧力検出器4およびA/D変換器16を介し、スク
リュー2に作用する射出保圧圧力またはスクリュー背圧
を検出すると共に、メモリ19の現在位置記憶レジスタ
からスクリュー2の現在位置を読み込んで前周期のサン
プリング時におけるスクリュー位置と今周期のサンプリ
ング時におけるスクリュー位置とに基いて現在の射出速
度またはスクリュー後退速度を求める。また、射出保圧
圧力またはスクリュー背圧の現在値,スクリュー2の現
在位置,射出速度またはスクリュー後退速度の現在値、
更に、計量混練り工程においては、スクリュー回転用サ
ーボモータM2の駆動電流に対応する駆動トルクをもサ
ンプリング周期に対応させて、一射出保圧工程および計
量混練り工程毎RAM12に更新記憶するようになって
いる。
【0024】サンプリングデータに基く製品の良否判別
は、前述した射出保圧圧力,スクリュー移動速度,スク
リュー背圧,スクリュー位置,スクリュー回転用サーボ
モータM2の駆動トルク等を監視項目として良品成形時
の基準値と比較することによって行われるが、各成形サ
イクル毎の良否判別に関する処理については、特開平4
−168021号公報や特開平4−135727号公報
等を初め、本出願人らによって提案されたものが既に多
数公知となっているので、ここでは特に説明しない。ま
た、本発明に関わる製品選別方法は、製品の良否判別の
方式によって何等の拘束を受けるものではなく、1成形
サイクル毎に製品の良否に関する判別結果が得られるも
のである限り、その適用範囲に限界はない。
【0025】以下、図2および図3に示すフローチャー
トを参照して本実施例における製品良否判別装置の処理
動作について説明する。図2は、各成形サイクルにおけ
る良否判別結果と見込み不良回数の現在値とに基いて製
品選別のための最終的な判別信号を出力するための製品
良否判別処理の概略を示すフローチャートであり、各成
形サイクルに対する良否判別と共にPMC用CPU18
により実行される。また、図3は、各成形サイクルにお
ける製品の良否判別の結果を積算的に記憶すると共に、
その最新の情報に基いて見込み不良回数を特定するため
の判別データ更新記憶処理の概略を示すフローチャート
であり、PMC用CPU18により1成形サイクル終了
毎に実行される。
【0026】1成形サイクルの成形作業が終了すると、
PMC用CPU18は、まず、アドレス指定指標iの値
をインクリメントし(ステップA1)、該指標iの値が
判別データ記憶ファイルの記憶領域数Nを越えているか
否かを判別する(ステップA2)。そして、指標iの現
在値がNを越えていなければ指標iの現在値をそのまま
維持し、また、指標iの現在値がNを越えていれば、該
指標iに1を再設定する(ステップA3)。
【0027】次いで、PMC用CPU18は、従来と同
様の処理によって当該成形サイクルのサンプリングデー
タに基く良否判別を実行し(ステップA4)、その結果
が不良品であれば判別データ記憶ファイル(図4参照)
の第iアドレスに1を更新記憶し(ステップA5)、ま
た、良品であれば判別データ記憶ファイルの第iアドレ
スに0を更新記憶する(ステップA9)。前述のステッ
プA1〜ステップA3の処理により指標iの値は1成形
サイクル毎にNを最大値として循環的にインクリメント
されるので、判別データ記憶ファイルには常に最新N回
の成形サイクルに関する判別結果が記憶されることとな
り、後述する判別データ更新記憶処理では、判別データ
記憶ファイルにおける最新のデータ内容に基いて1成形
サイクル毎に見込み不良回数の現在値が特定され、見込
み不良回数記憶レジスタKに更新記憶される。
【0028】ここで、1成形サイクル終了毎に実行され
る判別データ更新記憶処理について説明する。
【0029】判別データ更新記憶処理は、判別データ記
憶ファイルに記憶された最新の判別結果のデータに基い
て最新Nショット分の不良率を算出し、図5に示される
ようなファイルを参照して見込み不良回数の値を特定す
るための処理である。判別データ更新記憶処理を開始し
たPMC用CPU18は、まず、不良判別回数積算カウ
ンタSの値を0に初期化し(ステップB1)、以下、ア
ドレス検索指標jの値が判別データ記憶ファイルの記憶
領域数Nを越えるまでの間、該指標jの値を初期値1か
ら順次インクリメントして、その都度、指標jの現在値
に対応する判別データ記憶ファイルの記憶領域にアクセ
スし、1がセットされている記憶領域、即ち、直前のN
回に実行された成形サイクルの内サンプリングデータに
基いて不良の発生が検出された成形サイクルを検出し、
その総数を不良判別回数積算カウンタSに積算する(ス
テップB2〜ステップB6)。
【0030】そして、不良判別の発生回数Sを総サンプ
ル数Nで除して最新のNショット分に対応する不良率A
を算出した後(ステップB7)、アドレス検索指標kの
値を初期値1から順次インクリメントし、その都度、見
込み不良回数記憶用ファイルから不良率Ak-1 とAk と
を読み込み、ステップB7で算出された不良率Aを含む
不良率の範囲Ak-1 〜Ak を検出して、この不良率の範
囲Ak-1 〜Ak に対応して設定された見込み不良回数の
値Kk を求め、この値を現時点で適用すべき見込み不良
回数として見込み不良回数記憶レジスタKに更新記憶す
る(ステップB8〜ステップB11)。既に述べたよう
に、見込み不良回数記憶用ファイルにおける不良率A0
の値は0、また、不良率Am の値は1として設定されて
いるから、ステップB7で算出された不良率Aに対応す
る見込み不良回数の値は必ずこの処理により検出され
る。
【0031】図2に示す製品良否判別処理において当該
成形サイクルにおける良否判別の結果が良品であった場
合、ステップA9の処理を終了したPMC用CPU18
は、次いで、不良判別発生記憶フラグF1がセットされ
ているか否かを判別するが(ステップA10)、フラグ
F1がセットされていなければ、更に、良品信号規制フ
ラグF2がセットされているか否かを判別する(ステッ
プA14)。不良判別発生記憶フラグF1および良品信
号規制フラグF2は共にサンプリングデータに基く良否
判別の結果が不良となった時にセットされるフラグであ
り、少なくとも、最新N回の成形サイクルが正常に行わ
れていれば、そのリセット状態が維持されている。そこ
で、ステップA10およびステップA14の判別結果が
共に偽となった場合、PMC用CPU18は当該成形サ
イクルで成形された製品を良品と見做し、製品選別のた
めの最終的な判別信号として良品信号を出力する(ステ
ップA17)。
【0032】以下、ステップA4の判別結果が真となっ
てサンプリングデータの異常が検出されるまでの間、P
MC用CPU18は、1成形サイクルの成形作業が終了
する度に、前記と同様にして、ステップA1〜ステップ
A4およびステップA9,ステップA10,ステップA
14,ステップA17の処理を繰り返し実行し、良品信
号を出力する(但し、ステップA3に関しては実行され
る場合とされない場合とがある)。
【0033】そして、成形サイクルを繰り返し実行する
間にステップA4の判別処理でサンプリングデータの異
常が検出されて良否判定の結果が不良品となると、PM
C用CPU18は、判別データ記憶ファイルの第iアド
レスに1を更新記憶した後(ステップA5)、不良判別
発生記憶フラグF1および良品信号規制フラグF2を共
にセットし(ステップA6,ステップA7)、当該成形
サイクルで成形された製品を不良品と見做して不良信号
を出力し(ステップA8)、製品選別装置等を作動させ
てこの不良品を排除する。
【0034】サンプリングデータが常態に復帰してステ
ップA4の判別結果が偽となるまでの間、PMC用CP
U18は、1成形サイクルの成形作業が終了する度に、
前記と同様にして、ステップA1〜ステップA8の処理
を繰り返し実行し、不良信号を出力する(但し、ステッ
プA3に関しては実行される場合とされない場合とがあ
る)。
【0035】そして、サンプリングデータが常態に復帰
してステップA4の判別結果が偽となると、PMC用C
PU18は、判別データ記憶ファイルの第iアドレスに
0を更新記憶した後(ステップA9)、不良判別発生記
憶フラグF1がセットされているか否かを判別する(ス
テップA10)。この場合、ステップA10の判別結果
は真となり、これは、今回の良品判別が不良判別発生後
の第1回目のものであること、つまり、前回の不良ショ
ットの悪影響で成形品に微小なヒケやバリ等が残留して
いる可能性があることを意味する。従って、これ以降、
ステップA4における良否判別結果が良品であったとし
ても、成形品の成形状態が立ち直るまでの間は良品信号
の出力を禁止する必要がある。
【0036】そこで、PMC用CPU18は、見込み不
良回数記憶レジスタKに記憶されている見込み不良回数
の現在値を減算カウンタCにセットし(ステップA1
1)、不良判別発生記憶フラグF1をリセットして(ス
テップA12)、該カウンタCの値が0まで減算されて
いるか否かを判別する(ステップA13)。カウンタC
の値が0まで減算されていなければ、サンプリングデー
タが常態に復帰していても成形品の成形状態に異常があ
るものと見做し、PMC用CPU18は当該成形サイク
ルで成形された製品に対する不良信号を出力する(ステ
ップA8)。
【0037】次の成形サイクル終了時におけるステップ
A4の判別結果が再び良品となれば、PMC用CPU1
8は、前記と同様にして、判別データ記憶ファイルの第
iアドレスに0を更新記憶し(ステップA9)、不良判
別発生記憶フラグF1がセットされているか否かを判別
する(ステップA10)。フラグF1は前回の成形サイ
クル終了時におけるステップA12の処理によって既に
リセットされているので、ステップA10の判別結果は
偽となる。次いで、PMC用CPU18は良品信号規制
フラグF2がセットされているか否かを判別するが(ス
テップA14)、この段階ではフラグF2のセット状態
が維持されているので、PMC用CPU18は、カウン
タCの値をディクリメントし(ステップA15)、該カ
ウンタCの値が0まで減算されているか否かを判別する
(ステップA13)。カウンタCの値が0まで減算され
ていなければ、サンプリングデータが常態に復帰してい
ても成形品の成形状態に異常があるものと見做し、前記
と同様、当該成形サイクルで成形された製品に対する不
良信号を出力する(ステップA8)。
【0038】以下、各成形サイクルで検出されるサンプ
リングデータの値が正常であってステップA4の判別結
果が偽に保持される限り、PMC用CPU18は、カウ
ンタCの値が0に減算されてステップA13の判別結果
が真となるまでの間、1成形サイクルの成形作業が終了
する度に、前記と同様にして、ステップA1〜ステップ
A4およびステップA9,ステップA10,ステップA
14,ステップA15,ステップA13,ステップA8
の処理を繰り返し実行し、不良信号を出力する(但し、
ステップA3に関しては実行される場合とされない場合
とがある)。
【0039】このようにして成形サイクルが繰り返し実
行される間、各成形サイクルで検出されるサンプリング
データの値に異常がなく、ステップA4の判別結果が偽
に保持され続ければ、PMC用CPU18はステップA
13の判別結果が真となった時点、即ち、サンプリング
データが常態に復帰してからサンプリングデータに異常
のない成形サイクルが見込み不良回数Kに対応する回数
だけ繰り返し実行された時点で、前回の不良ショットの
悪影響によるヒケやバリ等が解消されたものと見做し、
良品信号規制フラグF2をリセットして(ステップA1
6)、良品信号を出力する(ステップA17)。以下、
各成形サイクルで検出されるサンプリングデータの値に
異常が検出されるまでの間、PMC用CPU18は、1
成形サイクルの成形作業が終了する度に、ステップA1
〜ステップA4およびステップA9,ステップA10,
ステップA14,ステップA17の処理を繰り返し実行
して良品信号を出力することとなる(但し、ステップA
3に関しては実行される場合とされない場合とがあ
る)。
【0040】また、サンプリングデータが常態に復帰し
た後、サンプリングデータに異常のない成形サイクルが
見込み不良回数Kに対応する回数だけ連続して実行され
ず、途中でサンプリングデータの異常が検出されてステ
ップA4の判別結果が真となった場合には、フラグF1
およびフラグF2の各々が強制的にセットされるので、
ステップA4の判別結果が再び偽となった時点からステ
ップA11以降の処理が前記と同様にして行われること
となる。
【0041】一例として、連続的に射出成形作業を行っ
ている時に第x+3回目の成形サイクルで不良判別が生
じ、第x+4回目の成形サイクルでサンプリングデータ
が常態復帰した場合の判別結果と最終的な判別信号の出
力との関係を、見込み不良回数Kの現在値が1となって
いるとき、および、3となっているときを例に取って図
6および図7に示す。
【0042】本実施例では、不良の発生確率の高いもの
は成形状態の立ち直りに時間がかかり、また、不良の発
生確率の低いものは成形状態の立ち直りが早いとの前提
に基き、最新Nショット分に対する不良率の大小に応じ
て見込み不良回数の値を選択するようにしたので、最新
Nショット分の不良率に応じて見込み不良回数が自動的
に適正化され、射出成形機の連続運転時間の変化や気温
の変動を始めとする外部環境の変化にも対応して適格な
製品選別作業を行わせることができ、不良品が良品とし
て取り扱われるといった選別ミスが防止され、しかも、
成形材料の歩留まりが向上する。
【0043】なお、ステップA4の処理はサンプリング
データのみに基づいた良否判別の結果を記憶して見込み
不良回数Kの値を特定するために必要とされる処理であ
り、ステップA4における良否判別の結果は、ステップ
A8およびステップA17の処理で出力される製品選別
のための最終的な判別信号とは一致しない。最終的に良
品として取り扱われる成形品の数および最終的に不良品
として取り扱われる成形品の数は、ステップA8および
ステップA17の処理で出力される最終的な判別信号に
よって決まるので、生産数管理等のための良品ショット
数カウンタおよび不良品ショット数カウンタの更新処理
は、ステップA8およびステップA17の処理で出力さ
れる最終的な判別信号に基づいて行われなければならな
い。従って、良品ショット数カウンタおよび不良品ショ
ット数カウンタ(もしくは、そのいずれか一方)を用い
て生産数の管理を行う場合には、ステップA8の処理で
不良品ショット数カウンタの値をインクリメントし、ま
た、ステップA17の処理で良品ショット数カウンタの
値をインクリメントするようにする。
【0044】以上、一実施例として、最新Nショット分
の不良判別回数Sを総ショット数Nで除した値を不良率
Aとして見込み不良回数記憶用ファイルを検索すること
により見込み不良回数の値を特定するようにしたものに
ついて説明したが、不良判別回数Sを良品ショット回数
(N−S)で除して不良率を算出して同様の処理を行っ
たり、また、良品率に応じた見込み不良回数記憶用ファ
イルを作成して、良品率(N−S)/Nや(N−S)/
Sで見込み不良回数を特定するようにしてもよい。ま
た、見込み不良回数記憶用ファイルを用いて見込み不良
回数を特定する代わりに、不良率Aに係数を乗じ、この
値を越えない最大の整数値を取る等の演算処理を行うこ
とにより見込み不良回数Kを算出するようにしてもよ
い。
【0045】上述の実施例では1成形サイクル終了毎に
判別データ更新記憶処理を実施して見込み不良回数Kの
値を更新するようにしたが、不良の発生確率の変動が少
ないような場合には、必ずしも、1成形サイクル終了毎
に判別データ更新記憶処理を実施する必要はなく、任意
の所定周期、例えば、任意の時間間隔や任意回数の成形
サイクル実行毎に判別データ更新記憶処理を実施するよ
うにしても何ら問題はない。
【0046】
【発明の効果】本発明の製品良否判別装置は、1成形サ
イクル毎のサンプリングデータに基く良否判別結果を判
別結果記憶手段に積算的に記憶し、常に、判別結果記憶
手段に記憶された最新の情報に基いて得られる不良発生
率または良品発生率に従ってサンプリングデータの常態
復帰から成形品の常態復帰までに必要とされるショット
数である見込み不良回数の値を求めるようにしたので、
樹脂および金型の特性や各種成形条件の設定状況ならび
に射出成形機の連続運転時間の相違等に応じて見込み不
良回数を自動的に適正化することができ、不良品が良品
として取り扱われるといった選別ミスが防止され、しか
も、成形材料の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製品良否判別装置を適用した一実施例
の射出成形機の要部を示すブロック図である。
【図2】同実施例における製品良否判別処理の概略を示
すフローチャートである。
【図3】同実施例における判別データ更新記憶処理の概
略を示すフローチャートである。
【図4】同実施例における判別データ記憶ファイルの構
成を示す概念図である。
【図5】同実施例における見込み不良回数記憶ファイル
の構成を示す概念図である。
【図6】サンプリングデータに基く判別結果と最終的な
判別信号の出力との関係を例示する実施例の説明図であ
る。
【図7】サンプリングデータに基く判別結果と最終的な
判別信号の出力との関係を例示する実施例の説明図であ
る。
【図8】サンプリングデータに基く判別結果と最終的な
判別信号の出力との関係を例示する従来例の説明図であ
る。
【図9】サンプリングデータに基く判別結果と最終的な
判別信号の出力との関係を例示する従来例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 射出シリンダ 2 スクリュー 4 圧力検出器 10 制御装置(製品良否判別装置) 17 圧力モニタ用CPU 18 PMC用CPU 20 サーボCPU 22 バス 24 不揮発性メモリ 29 ディスプレイ付手動データ入力装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1成形サイクル毎のサンプリングデータ
    に基いて当該成形サイクルの成形品の良否を自動的に判
    別するようにした射出成形機の製品良否判別装置におい
    て、良否判別結果を1成形サイクル毎積算的に記憶する
    判別結果記憶手段と、前記判別結果記憶手段に記憶され
    た最新の情報に基いて見込み不良回数を特定する不良回
    数特定手段と、不良判別後の連続良品判別回数が前記見
    込み不良回数に達するまでの間、良否判別結果に関わり
    なく良品信号の出力を禁止する良品信号規制手段とを備
    えた射出成形機の製品良否判別装置。
  2. 【請求項2】 前記不良回数特定手段は、判別結果記憶
    手段に記憶された最新の情報に基いて所定周期毎に不良
    率もしくは良品率の現在値を算出し、該不良率もしくは
    良品率の現在値に基いて見込み不良回数を特定するもの
    である請求項1記載の射出成形機の製品良否判別装置。
  3. 【請求項3】 前記不良回数特定手段は、不良率もしく
    は良品率と見込み不良回数とを対応させて設定記憶した
    記憶手段を有し、前記算出された不良率もしくは良品率
    の現在値に基いて前記記憶手段を検索することにより見
    込み不良回数を特定するものである請求項2記載の射出
    成形機の製品良否判別装置。
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