JPH0795054B2 - 湿度センサ - Google Patents

湿度センサ

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JPH0795054B2
JPH0795054B2 JP63332348A JP33234888A JPH0795054B2 JP H0795054 B2 JPH0795054 B2 JP H0795054B2 JP 63332348 A JP63332348 A JP 63332348A JP 33234888 A JP33234888 A JP 33234888A JP H0795054 B2 JPH0795054 B2 JP H0795054B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、感湿素子構造及び湿度センサに関する。さ
らに詳しくは絶対湿度を検出する感湿素子構造及び湿度
センサに関する。
(ロ)従来の技術及び課題 従来より感湿素子あるいは湿度センサとしては多種類の
ものが開発されており、特に雰囲気中の相対湿度を検出
するセンサとしては、感湿材料の電気抵抗値あるいは電
気容量が雰囲気中の湿気あるいは水蒸気に感応して変化
することを利用し、主に次に挙げるものが知られてい
る。酸化鉄(Fe2O3,Fe3O4)、酸化錫(SnO2)などの
金属酸化物の焼結体あるいは金属酸化膜を用いたもの、
親水性高分子膜あるいは高分子電解質さらには繊維高
分子を用いたもの、塩化リチウム(LiCl)等の電解質
塩を用いたもの及び吸湿性樹脂あるいは吸湿性高分子
膜などに炭素等の導電性粒子又は繊維を分散させたもの
などである。以上のセンサは検出湿度領域、検出感度及
び精度、応答速度、信頼性、耐環境性等それぞれに長所
・短所を有するが、例えば電子レンジ内の動作時におけ
る雰囲気の様に、雰囲気温度が急激に変化する様な環境
下で微量な水蒸気の変化を検出するには温度の関数であ
る相対温度の変化が以下の様に考えられるため、上記湿
度センサを用いた湿度計測には大きな問題がある。
すなわち、検出雰囲気内の水蒸気量が一定であると仮定
し、この雰囲気の温度のみ上昇すると仮定した場合、相
対湿度は水蒸気量が一定であっても飽和水蒸気圧の関係
で低下し、さらに温度の上昇が急激であれば微量の水蒸
気の増加は相対湿度としては温度変化に相殺されるかや
はり低下してしまうことが予想され、実質的な水蒸気量
の変化を反映した結果が得られず検出に大きな問題を有
している。
従って、前述した様な環境の湿度計測には相対湿度検知
よりも直接水蒸気量を検出可能な絶対湿度検知が有利で
ある。
絶対湿度(水蒸気量)の検知手段としては、従来より水
蒸気によるマイクロ波の減衰や赤外線の吸収等を応用し
た計測装置が用いられている。これらは物理的手法によ
り直接水蒸気を検出可能であることから、前述の急激な
温度変化を伴う様な環境においても水蒸気の少量変化検
出に有利となる反面、温度補償をも含めた装置の構成は
大がかりでありコストもかなり高いものとなる。また、
第7図に示すごとき湿り空気と乾き空気の熱伝導率差を
利用し、特性のそろった2個のサーミスタ14を用いる熱
伝導式の絶対湿度センサがあり、小型で耐環境性にも優
れているが、水蒸気量の微小変化に対して良好な出力が
得られず検出感度の高感度化、高速応答性という点で問
題があった。
さらに、熱伝導式の絶対湿度センサとしては第8図に示
す様に、マイクロマシニング技術を駆使し、絶縁性の薄
膜ブリッジ3上にサーミスタ材料を用いた感応膜15を形
成し、素子の熱容量を大幅に低減した構造の絶対湿度セ
ンサが開発され、上記第7図に示すごとき2個のサーミ
スタを宙ずりにした構造の熱伝導式の絶対湿度センサに
比較して、高速応答、高感度を得ているものの、サーミ
スタ材料を用いた感応膜15では、サーミスタ薄膜の長期
信頼性、特に熱的安定性に問題を有し、作製プロセスに
おいても電極16の形成が必要である等煩雑なものとなっ
ていた。また、高感度特性という点でも熱安定性に問題
を有するため満足するものではなかった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、検出
感度の向上及び低消費電力、特性の高速応答性が図れ、
長期安定性を有しうる感湿素子構造及び湿度センサを提
供しようとするものである。
(ハ)課題を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、凹部を有する基板の該凹部
上に、抵抗温度係数の大きい金属材料が所定の抵抗値を
有する形状にパターン形成された感応膜及びこれを被覆
する耐熱性絶縁膜からなる発熱膜体が支持されてなり、 上記発熱膜体周辺雰囲気の水蒸気量の変化を、該発熱膜
体の放散熱量変化に伴う抵抗値変化として出力しうるよ
う構成されてなる感湿素子構造少なくとも2つ備え、こ
れらの素子構造の各発熱膜体はそれぞれ略同体積の空間
を有する遮蔽体により封止されてなり、このうち参照側
素子構造の封止空間内には所定量の水蒸気を含有し又は
乾燥状態とし、検出側素子構造の封止空間は外部と連通
するよう構成され、これらの素子構造間の抵抗値変化に
基づく出力により、検出側封止空間内の水蒸気量を検出
しうる湿度センサが提供される。
この発明の感湿素子構造は、空気の熱伝導率が空気中に
含有される水蒸気量に依存することを利用し、雰囲気の
熱伝導率変化に伴う自己発熱体の放散熱量の変化に伴う
素子温度の変化(すなわち自己発熱体の抵抗値変化)に
基づいて絶対湿度を検出しうるよう構成されるものであ
る。また、この発明の感湿素子構造を用いた湿度センサ
は一定温度に自己加熱される2つの感湿素子構造を設
け、そのうち一方(第1の素子)を検出雰囲気に露出
し、他方(第2の素子)は一定湿度雰囲気又は乾燥雰囲
気にて密閉することにより、検出雰囲気内の水蒸気量変
化に伴う熱伝導率変化により生じる第1、第2の素子そ
れぞれの自己発熱温度変化に伴う第1、第2素子の抵抗
値変化の差出力をもって雰囲気温度の影響を受けること
なく水蒸気量を検知しうるよう構成されるものである。
一般に高感度な出力を得るためには、同一の水蒸気量変
化に対して素子からより多くの放散熱量を得ることが重
要である。ここで、素子の放散熱量は以下の式で表され
る。
q=h(T−T0)A [q:放散熱量(kcal/h),T:素子温度(℃),A:素子表面
積(m2),h:熱伝達率(kcal/m・h・℃),T0:雰囲気温
度(℃)] このうち、水蒸気量変動によって変化するのは熱伝導率
hであり、Aは表面積であるから一定である。従って、
同一水蒸気量変化にて放散熱量qを多く取るためには、
(T−T0)を増加させる、すなわち素子温度Tを高温と
することが有益である。しかし、単に素子動作温度の高
温化を図るのでは、素子の消費電力は大幅に増大し、素
子の熱応答性ひいては水蒸気に対する感湿応答性の大幅
な低下を招く。
そこで、高速応答、低消費電力かつ高温動作を実現する
ために素子熱容量の低下、すなわち素子発熱部の十分な
熱絶縁を図れる素子構造が重要となる。
この発明の感湿素子構造において、基板は上記素子の低
熱容量化を図るため、凹部を有する構造のものが用いら
れる。
この発明の感湿素子構造の上記発熱膜体は、所定の抵抗
値を有する金属材料からなる感応膜及びこれを被覆する
絶縁膜で構成される。上記金属材料としては、温度によ
る抵抗値変化の大きいものが有利であり、例えばPt,Ni
等を挙げることができるが、特にPt材料は高温での安定
性に優れ信頼性の確保された動作温度域において従来に
ない高感度特性を有する点で好ましいものである。
上記感応膜が所定の抵抗値を有する構造としては、該膜
の一部を一定の幅及び間隔にてジグザグ(ミアンダリン
グ)形状に微細加工することが挙げられる。
この発明の感湿素子構造において、上記発熱膜体は前記
基板の凹部上に支持される。この支持構造は例えば、ブ
リッジ状、カンチレバー状、ダイヤフラム状等発熱膜体
から基板への熱伝導を抑えて該発熱膜体から周囲雰囲気
中に熱放散を効率良く行わしめる形状であればいずれの
ものであってもよい。
この発明において、上記感応膜及びこれを被覆する絶縁
膜からなる発熱膜体の形状、並びに該発熱膜体の基板へ
の支持は熱酸化法、スパッタリング法、真空蒸着法等の
成膜技術、及びリソグラフィ等の半導体プロセスにおけ
るマイクロマニシングの手法を用いることにより達成す
ることができる。詳しくは後述する実施例の記載が参照
される。
この発明はまた、上記感湿素子構造を少なくとも2つ以
上用いて、絶対湿度検出用の湿度センサを構成すること
もできる。この場合1つの感湿素子構造は、検出側とし
て機能し、他の1つは参照(リファレンス)側として機
能するよう構成される。上記リファレンス側感湿素子構
造は一定出力、すなわち一定抵抗値を有しうるよう、該
素子の発熱膜体は一定水蒸気量を有する雰囲気又は乾燥
雰囲気と定常的に接触する構造とされる。この構成とし
ては、発熱膜体を所定量の水蒸気を含有する空間内又は
乾燥状態を維持する空間内に封止する構造が挙げられ
る。一方検出側感湿素子構造は、上記リファレンス側と
同様に封止されるが、この封止は外部と連通する構成に
される。上記リファレンス側及び検出側感湿素子構造の
封止は、封止用キャップを作製し、このキャップを所定
の発熱膜体を封止しうるよう基板状に接合する等が挙げ
られる。上記キャップの作製はエッチング技術、フォト
リソグラフィ技術等のマイクロマシニング技術をそのま
ま利用することができる。またキャップの接合は、スク
リーン印刷法、塗布法、焼成法等を用いて行うことがで
きる。詳しくは後述する実施例の記載が参照される。
この発明の湿度センサにおいて、上記リファレンス側発
熱膜体及び検出側発熱膜体を、同一基板内に同様な支持
構造で構成するものが好ましい。また、このとき上記2
つの発熱膜体を抱括して封止すると共に、その封止内で
さらに個々の発熱膜体を個別に封止し、検出側の封止に
対しては細孔を設けて、外部と流通可能に構成するもの
が、両発熱体の熱放散状態を極力一致させ、感湿特性の
温度依存性も一致させうる点で好ましいものである。
この発明の湿度センサは、上記リファレンス側感湿素子
構造と検出側感湿素子構造との抵抗値変化に基づく出力
により、検出雰囲気内の水蒸気量を検出しうるよう構成
される。この構成例としては、上記リファレンス側感湿
素子と検出側感湿素子とでブリッジ回路を構成し、該ブ
リッジ回路の非平衡電位を出力として検出するもの等が
挙げられる。この具体的な構成は後述する実施例の記載
が参照させる。
(ニ)作用 この発明によれば、抵抗温度係数の大きい金属膜及びこ
れを被覆する絶縁膜からなる発熱膜体が、凹部を有して
低熱容量化された基板の凹部上に支持されているので、
所定の抵抗値により発熱された発熱膜体から放散する熱
量の基板へ伝導は抑えられるため、この熱放散のほとん
どは該発熱膜体周囲の雰囲気が含有する水蒸気量によっ
て定まる該雰囲気の伝導率に依存することとなり、この
含有水蒸気量の変化に伴う上記雰囲気の伝導率の変化
が、発熱膜体の抵抗値変化として出力され、これに基づ
いて上記雰囲気内の水蒸気量が検出されることになる。
以下実施例によりこの発明を詳細に説明するが、これに
より発明は限定されるものではない。
(ホ)実施例 第1図はこの発明の感湿素子構造の参考例の構成説明図
であり、同図(A)はその平面構成説明図、同図(B)
はそのX−X′線断面構成説明図、同図(C)はそのY
−Y′線断面構成説明図である。第1図に示すごとく、
Si基板1上にブリッジ形状の薄膜絶縁層2を形成した
後、基板1であるSiの結晶軸異方性エッチングを行うこ
とにより絶縁層ブリッジ部下のエッチングにて基板1−
絶縁層ブリッジ部(以下マイクロブリッジと称す)3間
に中空構造を有し、熱絶縁すなわち低熱容量化に優れた
素子構造とし、さらにマイクロブリッジ3上に薄膜セン
サ材料である感応膜4を所定の抵抗値となる様パターン
形成し、さらに感応膜4の上層に保護層として絶縁材料
薄膜5を積層している。
以下に第1図の素子構造形成プロセスについて詳細に述
べると、まず結晶軸の方位により化学エッチングの速度
が異なるSi基板1上に、マイクロブリッジ3の下層とな
るSiO2,Si3N4またはAl2O3等の薄膜絶縁層2を、材料に
応じて熱酸化法、スパッタ法、真空蒸着法またはCVD法
等により形成する。この実施例では後のSiエッチング時
におけるエッチピットの発生防止を考え、SiO2膜を熱酸
化法にて形成する。このとき基板の裏面及び側面にも同
時にSiO2を形成し、後のSiエッチング時のマスクとす
る。さらに、感応膜と絶縁層の良好な密着性を考慮して
SiO2膜上にAl2O3膜をスパッタ法あるいは陽極酸化法に
て積層形成し、Al2O3/SiO2の2層からなる絶縁層2を作
製する。この場合絶縁層2は感応膜材料あるいは絶縁層
膜の形成法にもよるが、SiO2,Si3N4またはAl2O3膜の単
層膜構造であっても良い。また、ブリッジの強度等を考
慮し、マイクロブリッジ部3の絶縁層下面に所定の厚み
のSiを残存させて、その下方を空洞化し絶縁層と基板材
料のSi層が重畳された2層構造からなるブリッジを形成
することも有用であり、その場合は基板のブリッジ部表
面に予めB(ボロン)等を高濃度に拡散あるいはドープ
することにより、その部分を異方性エッチング(化学エ
ッチング)時のストップ層として利用すれば結果として
絶縁層とSi(Bドープ)材料からなるブリッジが形成で
きる。
次に、絶縁層2上に抵抗温度係数の大きい材料であるP
t,Ni等の金属材料をスパッタ法、真空蒸着法にて形成
し、さらに後のSiエッチングにより絶縁層マイクロブリ
ッジ3となる部分上でホトリソグラフィー技術とドライ
エッチング法もしくは化学エッチング法にて所定の抵抗
値となる様にパターン化して感応膜4とする。この実施
例では、感応膜4に化学的・熱的安定性に優れたPtを用
いドライエッチング法によりエッチングし、第2図に示
すごときジグザグ(ミアンダリング)形状にパターン化
している。この後、感応膜4上に保護膜でかつ後のSiエ
ッチング時のマスクとなる上部絶縁層5をスパッタ法、
真空蒸着法、熱酸化法、陽極酸化法、CVD法等により形
成するが、ここではPtとの密着性に優れ、良好な耐環境
性を有するAl2O3膜をスパッタ法により形成している。
以上の工程の後、下部絶縁層2下の基板Siの一部をエッ
チングにより除き、上下絶縁層2,5と感応膜4から成る
マイクロブリッジ3を作製する。まず、上下絶縁層をホ
トリソグラフィー技術と化学エッチング技術及びドライ
エッチング技術を用いてエッチングによりブリッジ形状
にパターン化し、絶縁層下のSi基板を露出させる。ま
た、このときPt膜へのリード線接続部(パッド部)6の
上部絶縁層も同時にエッチングし、パッド部の形成を行
う。エッチングの具体的手法としてはAl2O3膜はリン酸
溶液を用いた化学エッチング、SiO2は膜厚により化学エ
ッチングとドライエッチングを使い分けて行う。また、
パッド部で上層のAl2O3膜をエッチングした後に感応膜
のPt膜が露出し、他の部分での下部絶縁層(Al2O3/Si
O2)エッチング時の影響が懸念されるが、Pt膜はAl2O3
膜、SiO2膜のどちらのエッチング手法に対してほとんど
エッチングされず安定であり良好にパッド6が形成でき
る。この様にして得られたSi基板の露出部からE.P.W溶
液(エチレンレンジアミン−ピロカテコール−水)ある
いはKOH溶液等のアルカリ溶液を用いて化学エッチング
することにより優先結晶軸方向のSiのエッチングが進行
して行き、すなわち、結晶軸異方性エッチングによりブ
リッジ形状にパターン化された絶縁層下のSiがエッチン
グ除去され感応膜4と上下絶縁層2,5からなるマイクロ
ブリッジ3が形成される。また上下絶縁層にSi3N4膜を
用いることも有効であり、Al2O3膜と同等の特性を有す
る。なお、異方性エッチングのマスクとしては上下絶縁
層を用い、(100)Si基板で(111)面が露出したところ
でエッチングはストップし、またエッチング深さは時間
によって制御している。さらに感湿素子構造の他の参考
例の構成説明図を第3図に示す。なお、同図(A)はそ
の斜視図、同図(B)はそのX−X′線断面構成説明
図、同図(C)はそのY−Y′線断面構成説明図であ
る。該図に示す様に上下絶縁層2,5及び感応膜4のパタ
ーンニング形状でカンチレバー7構造の絶縁層上にも感
応膜4を形成可能で、機械的強度には若干劣るものの、
一層熱絶縁に優れた素子を作製できる。
以上の工程で素子の基本的構造は形成され、このマイク
ロブリッジ素子、カンチレバー素子がそれぞれのPt抵抗
部(ミアンダリング形状パターン化部)(第2図4)を
一定温度に自己発熱させ、水蒸気量の変動に伴う発熱温
度の変化を抵抗値変化として水蒸気の検出が可能であ
り、用途に応じて実用上有益である。
実施例2 第4図は、感湿素子構造の他の参考例の構成説明図であ
り、同図(A)はその斜視図、同図(B)はそのX−
X′線断面構成説明図、同図(C)はそのY−Y′線断
面構成説明図である。Si基板1′上と基板裏面及び側面
に薄膜絶縁層2′を形成しかつSi基板1′裏面の薄膜絶
縁層2′はダイヤフラム形成に必要なパターンに応じ異
方性エッチングのマスクとして所定の形状、寸法にてエ
ッチングしておき、薄膜絶縁層2′の形成されていない
Si基板1′裏面中央より異方性エッチングを行うことに
より、Si基板1′の中央部が薄くなりSi基板1′の表面
に被着された薄膜絶縁層とSi基板材料の2層構造よりな
るダイヤフラム部13′が形成される。このダイヤフラム
部13′上に所定形状(第2図に示したものと同様なミア
ンダリング構造)及び寸法にパターン化されたNi薄膜よ
りなる感応膜4′を配設し、さらに感応膜上に保護膜を
形成してダイヤフラム13′構造の素子を得る。
ダイヤフラム部13′の基板材料にストップ層を形成する
手段としては、予めB等を高濃度にドープすることによ
り得ている。従ってダイヤフラムはこのBドープされた
基板材料と絶縁層の2層によって形成されている。ま
た、ダイヤフラム部13′の基板材料の厚みは必ずしもB
等をドープすることで制御する必要はなく、異方性エッ
チングの時間のみによって制御することも可能であり、
さらには、この部分の基板材料をすべてエッチングし、
絶縁層のみによりダイヤフラムを形成する構造であって
も良い。
この様にして得られるダイヤフラム型の感湿素子は、従
来の熱伝導式の感湿素子に比較して、感応膜の熱絶縁す
なわち素子の熱容量低減に関しては飛躍的な向上が得ら
れるものの、ブリッジあるいはカンチレバー型の素子と
比較すると応答特性の面で若干劣る。しかし、ダイヤフ
ラム部の機械的強度を考えるとブリッジあるいはカンチ
レバー型に比較して有利であり、従って、高感度、高速
応答、低消費電力を有し、機械的強度を要求される使用
環境への適用に有益である。
実施例3 上記参考例と同様にして形成される感湿素子構造を、さ
らにその水蒸気検知を高精度にするため、水蒸気検知特
性(感湿特性)の雰囲気温度依存性を低減させる構造を
有するこの発明の湿度センサについて説明する。
第5図は、この発明の湿度センサの一実施例の構成説明
図であり、同図(A)はその斜視図、同図(B)はその
X−X′線断面構成説明図である。
第5図の湿度センサは、同一特性のマイクロブリッジ素
子(第1図)あるいはカンチレバー素子(第3図)を同
一基板内に作製し、かつ、2つのマイクロブリッジ3,3
あるいはカンチレバー7,7を同時にSiを異方性エッチン
グして作製した遮蔽体(以降マイクロキャップと呼ぶ)
8で気密封止して一つの素子として構成されている。但
し、水蒸気検出(センサ(以下センサと呼ぶ))側には
水蒸気の出入りが可能な微小孔11を設け、参照(リファ
レンス(以下リファレンスと呼ぶ))側は前述の通りま
ったく水蒸気の出入りがない様に気密封止している。こ
うして得られたセンサ、リファレンスの2つのマイクロ
ブリッジ素子あるいはカンチレバー素子のPt低抗体及び
他の固定抵抗により例えば、第6図に示す構成のブリッ
ジを組んで出力(VOUT)を得ることにより雰囲気温度変
動等による出力に対するノイズ要因をキャンセルでき、
水蒸気変動による出力のみが高精度に得られる。すなわ
ち、感湿特性の温度依存性が参照用素子を用いて補正可
能となる。以下には本実施例素子のマイクロキャップ作
製プロセス及びセンサ素子の、リファレンス素子とマイ
クロキャップとの接合法等について詳細に述べる。
まず、センサ、リファレンス素子(本体素子(以下本体
素子と呼ぶ))の作製に関しては、前述の第1,3図の素
子作製の通りで2つのマイクロブリッジ素子あるいはカ
ンチレバー素子を1ユニット(1体)として1つの本体
素子とする。次にマイクロキャップ8の作製であるが、
熱酸化により基板全面にSiO2膜を形成したSi基板にエッ
チングによりマイクロキャップの2つの空洞(凹部)9,
10及びセンサ側の水蒸気の出入り可能な微小孔11が形成
できる様に、基板の表裏面にホトリソグラフィー技術と
化学エッチングあるいはドライエッチング技術によりSi
O2膜をエッチングしパターン化する。この後SiO2のエッ
チングにより露出したSi部を本体素子と同様、E.P.W.、
KOH等のアルカリ溶液にて異方性エッチングしてマイク
ロキャップ8を得る。最後にこうして得られたマイクロ
キャップと本体素子の接合を行い感湿素子が作製される
(第5図)。具体的な接合は低融点ガラス等の接合触媒
12を用いて行う。すなわち、マイクロキャップの接合パ
ターン部にスクリーン印刷法あるいは塗布法等により低
融点ガラス12をパターン形成し、これを本体素子と位置
合わせし極低湿雰囲気の炉内で焼成接合する。こうし
て、接合の完了した素子を通常(公知)のTOパッケージ
等に搭載し、パッド部6にワイヤーボンディングして最
終的な素子を得る。また、以上の作製プロセスの説明は
単一素子について述べて来たが、実際の素子作製では接
合プロセスまでを本体素子、マイクロキャップとも複数
個を同時形成可能なウェハ単位にて作製し、接合後2枚
のウェハを同時にダイシングにより分割して単一の素子
とする工程をとり量産性の向上、コストの低減を図って
いる。
この素子を用い、第6図のブリッジ回路を用いて水蒸気
量の変化を高精度に検出できる。以下には動作機構を述
べる。センサ側Pt抵抗体(R1(≡Rs))18とリファレン
ス側Pt低抗体(R2≡Rr))19を直列に接続し、それぞれ
のPt抵抗体が約300℃に自己発熱する様に通電する。こ
の際電流制限抵抗(RL)17を付加し、過電流の通電を防
止し、R320.R421に適当な固定抵抗を接続し、計測前のV
OUT22の初期出力を基準レベルとなる様に調整する。従
ってR421には可変抵抗を用いることが望ましい。この状
態で雰囲気の水蒸気量が変化すると、水蒸気の影響を受
けるセンサ側Pt低抗体18の発熱温度が変化し、従ってセ
ンサ側の抵抗値のみが変化することによりブリッジ回路
のバランスが崩れ、VOUT部22に水蒸気量に応じた電圧出
力が得られる。一方、雰囲気温度が変化した場合は、セ
ンサ側、リファレンス側が同一の発熱温度変動を受け、
よって共に抵抗値変動は生ずるが変動量が一致している
ためにVOUT部22の出力は基準レベルのままで出力変動は
認められず、感湿特性の温度依存性を補正により大幅に
低減し高精度な検出ができ、従来のパッケージ封止タイ
プより感湿信号のS/Nにも優れ、増幅して高出力を得る
ことにも適している。
比較例 第9図に同一湿度条件における感湿出力(感度)比較を
示す。これは、雰囲気温度40℃で絶対湿度を変化させた
際の特性を示したものである。動作回路としては第6図
に示す公知のブリッジ回路を用い、この発明によるPt薄
膜を感応膜としたマイクロブリッジタイプa、Ni薄膜を
感応膜としたマイクロブリッジタイプa′、薄膜サーミ
スタ材料15を感応膜としたマイクロブリッジタイプb
(第8図)、2個のビート型サーミスタ14を用いたタイ
プc(第7図)の4種類の素子について特性比較を実施
し、この発明a,a′タイプ素子が従来のb,cそれぞれのタ
イプの素子に比較して2倍、8倍の高感度特性を得てい
る。
また、素子の動作温度に関しては後述する信頼性の確保
された温度にてそれぞれ動作し、a,a′:約300℃、b:約
150℃、c:約200℃である。
次に、前記a,cタイプの感湿応答速度について特性比較
したものを第10図に示す。動作回路、動作温度に関して
は感度比較(第9図)と同様の条件であり、40℃におい
て雰囲気湿度を10g/m3→35g/m3へと急峻に変化させた際
の回路出力の応答特性であり、aは約5sec、cは約50se
cと本発明のaタイプ素子の従来のcタイプ素子に比較
して約10倍の応答速度を有する。また、素子の消費電力
もcタイプが数100mWであるのに対してaタイプは数10m
Wと小さく大幅な低消費電力化をも達成している。
さらに、信頼性としてPt薄膜とサーミスタ薄膜それぞれ
の高温安定性を比較する。第11図はa,bタイプの素子を
室温において通電によりそれぞれ約400℃、約200℃に自
己発熱させて放置した際の経時特性を評価温度0℃にお
ける抵抗値(R0)の初期値に対する変化率として示した
ものである。サーミスタ薄膜bタイプの素子ではR0(抵
抗値)が上昇傾向で変化が大きいのに対し、この発明の
Pt薄膜素子aタイプ素子ではR0(抵抗値)が極めて信頼
性に優れている。
以上この発明の絶縁層マイクロブリッジ、カンチレバー
あるいはダイヤフラム上にPt薄膜を形成した感湿素子は
長期信頼性に優れ、従来にない低消費電力、高速応答か
つ高感度特性を有する。
(ヘ)発明の効果 この発明に係る湿度センサは、以下に示す実用上極めて
有益な特性を有する。
(1)熱伝導式の絶対温度センサに応用でき水蒸気量を
直接検知可能であり、特に検出雰囲気の温度が急激な変
化を伴う様な場合の湿度計測に際して相対湿度検知より
有利となる。
(2)マイクロブリッジ、カンチレバーあるいはダイヤ
フラム構造を用いた素子構成であるため感応膜の熱絶縁
に優れ、すなわち、素子の熱容量を極力低減し、かつ感
応膜としてPt,Ni等の光学的・熱的に安定で抵抗温度計
数の大きい材料の薄膜を用いることで、従来にない安定
性及び水蒸気検出の高感度比、高速応答性、低消費電力
化を達成できる。
(3)物理的手法により水蒸気を検出するため、素子表
面の汚染等に対して安定であり良好な耐環境性を有する
ものとなる。
(4)素子の作製が通常の半導体プロセスあるいはその
応用プロセスにてバッチ処理(ウェハ処理)可能であり
再現性、互換性に優れており、また安価の素子とするこ
とができる。
以上詳述した如くこの発明の湿度センサは絶対湿度の検
出に有効であり、安価に作製できるとともに良好なる耐
環境性を有し、大幅な熱容量の低減を図った素子構造に
より、高感度な検出感度、高速応答性さらには低消費電
力動作等多くの優れた特性を有し、多方面への応用に適
し、湿度センサとして実用上極めて有益であり、ことに
電子レンジにおける食品仕上がりセンサ等としての応用
に適した湿度センサを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例の構成説明図、第2図は参考例のパター
ニング形状を模式的に示す斜視図、第3図、第4図は感
湿素子構造の他の参考例の構成説明図、第5図はこの発
明の湿度センサの一実施例の構成説明図、第6図はこの
発明の湿度センサの動作回路の一例を示す回路図、第7
図は従来例のビート型サーミスタを用いた感湿素子の構
成説明図、第8図は従来例の薄膜サーミスタを用いたマ
イクロブリッジ型感湿素子の構成説明図、第9図はこの
発明の感湿素子構造と従来の感湿素子構造との湿度感度
の比較説明図、第10図はこの発明の感湿素子構造と従来
の感湿素子構造の感湿応答速度の比較説明図、第11図は
この発明の感湿素子構造と従来の感湿素子構造との経時
安定性の比較説明図である。 1……基板、2……下部絶縁層、 3……マイクロブリッジ、4……感応膜、 5……上部絶縁層、6……パッド部、 7……カンチレバー、 8……マイクロキャップ、 9……センサ側空洞、 10……リファレンス側空洞、 11……センサ側細孔、 12……接合媒体、13……ダイヤフラム、 14……ビート型サーミスタ、 15……薄膜サーミスタ、16……電極、 17……電流制限抵抗、18……センサ抵抗、 19……リファレンス抵抗、 20……固定抵抗、21……可変抵抗、 22……回路出力部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 実▲吉▼ 秀治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 井波 靖彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 橋爪 信郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−293459(JP,A) 特開 昭58−147627(JP,A) 特開 昭63−263426(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹部を有する基板の該凹部上に、抵抗温度
    係数の大きい金属材料が所定の抵抗値を有する形状にパ
    ターン形成された感応膜及びこれを被覆する耐熱性絶縁
    膜からなる発熱膜体が支持されてなり、 上記発熱膜体周辺雰囲気の水蒸気量の変化を、該発熱膜
    体の放散熱量変化に伴う抵抗値変化として出力しうるよ
    う構成されてなる感湿素子構造を少なくとも2つ備え、
    これらの素子構造の各発熱膜体はそれぞれ略同体積の空
    間を有する遮蔽体により封止されてなり、このうち参照
    側素子構造の封止空間内には所定量の水蒸気を含有し又
    は乾燥状態とし、検出側素子構造の封止空間は外部と連
    通するよう構成され、これらの素子構造間の抵抗値変化
    に基づく出力により、検出側封止空間内の水蒸気量を検
    出しうる湿度センサ。
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