以下、図1〜図6、図9、図10を参照して、本発明に係る物理量検出装置の第一の実施例について説明する。本実施例では濃度検出素子として熱式の湿度検出素子(熱式湿度センサ)を備えた物理量検出装置を例にして説明する。
図1に、本実施例における物理量検出装置である熱式湿度センサのセンサチップ1aの平面図を示す。図2に、図1のセンサチップ1aのX−X線断面図を示す。
本実施例のセンサチップ1aは、単結晶シリコンで形成された基板2を有している。基板2には、空洞部3が形成されており、この空洞部3は絶縁膜4a、4b、4cから成る支持膜5で覆われ、支持膜5上に湿度検出素子としての発熱体6、7が形成されている。発熱体6、7は空洞部3上の支持膜5上に形成される。支持膜5上には圧力検出素子としてのゲージ抵抗体8、9、圧力検出における参照抵抗体としての参照抵抗体10、11が形成されている。ゲージ抵抗体8、9は空洞部3内の支持膜5上に形成される。参照抵抗体10、11は空洞部3外すなわち基板2上の支持膜5上に形成される。これらの抵抗体を保護するためにセンサチップ1aの表面は保護膜12で覆われる。発熱体6、7に電圧、電流の供給、取り出しなどのための電極13a〜13dが形成される。また、ゲージ抵抗体体に電圧、電流の供給、取り出しなどのための電極14a〜14fが形成される。これらの電極13a〜13d、電極14a〜14fは駆動回路装置(図示なし)に金線ボンディングワイヤーやリードフレームなどにより電気的に接続される。
発熱体6、7としては、抵抗温度係数が高い材料として、例えば、白金(Pt)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、不純物をドープした多結晶シリコン(Si)等が選定される。熱式湿度センサとしての発熱体は、湿度の検出感度を得るために、400℃以上の耐熱性と、1000ppm/℃以上の抵抗温度係数を備える材料であることが望ましい。ゲージ抵抗体8、9及び参照抵抗体10、11としては、発熱体6、7と同様な材料で構成できる。ゲージ抵抗体8,9及び参照抵抗体10,11としては、ゲージ率が検出感度を確保するために1以上であることが望ましい。湿度センサとしての発熱体と圧力検出素子としてのゲージ抵抗体を同一材料で形成する場合、これらの物性値を満足することが必要である。特に厳しいのは耐熱性であるが、耐熱性に優れる材料としてはMo膜が好適である。Mo膜のゲージ率は0.4〜1.5であり、圧力検出素子としては比較的小さい。しかしながら、圧力検出素子の形状や構造により感度を高めることができる。本実施例では、Si基板を完全に除去することで、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜からなる絶縁膜を支持膜としている。支持膜の厚みとしては数10μm以下の薄膜としている。Si基板を除去した薄膜であるため圧力による支持膜の撓みが大きくなり、圧力検出感度を向上することが可能である。また、発熱体とゲージ抵抗体に不純物をドープした多結晶シリコンなどを用いることの可能であるが、耐熱性が200℃程度であり湿度センサとしては長期信頼性に課題がある。しかしながら、多結晶シリコンのゲージ率は3〜14程度であり圧力検出感度が高い。したがって、長期使用を必要としないシステムに限定すれば利用可能である。自動車用のセンサとして利用する場合、長期信頼性が求められるためMo膜などの高耐熱材を用いることが望ましい。
絶縁層4a、4c、4cおよび保護膜12としては酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si3N4)などが単層あるいは積層構成にて選定される。また、電極13a〜13d、電極14a〜14fとしては、アルミニウム(Al)等が選定される。
上記のような構造を備えたセンサチップ1aは、フォトリソグラフィーを利用した半導体微細加工技術、異方性エッチング技術を用いて形成される。
本実施例では、湿度検出素子としての発熱体6を形成した支持膜5に圧力検出素子としてのゲージ抵抗体8、9を形成している。すなわち、ゲージ抵抗体8、9を支持膜5と同一層の絶縁膜を含んだ支持膜上に形成している。これにより、空洞部3を形成するためのSi基板エッチングが一回の工程で済む。本実施例では空洞部3を形成するために、裏面からのKOHによるエッチングが利用できる。Siと絶縁膜4a(酸化ケイ素)のエッチング速度の差によりエッチングをストップさせることができ簡易に空洞部3を形成でき、濃度検出素子と圧力検出素子部を同時に製造することが可能である。また、エッチングをストップさせる膜としては、絶縁膜4b(窒化ケイ素)を用いることも可能でありエッチング速度の違いがあれば安定したエッチングが可能である。本実施例では、空洞部3を一つ形成すれば濃度検出素子と圧力検出素子部を同時に製造でき小型化が可能である。
また、発熱体6と同一の材料を用いてゲージ抵抗体8、9を形成すれば工程の追加なく圧力検出素子8、9を形成でき、濃度検出機能と圧力検出機能を備えた物理量検出装置が製造できる。
以下、本実施例における熱式湿度センサの測定原理を説明する。発熱体6は、400℃〜500℃程度に加熱制御される。また、発熱体7は補助的な発熱素子であり200℃から300℃に加熱制御される。空気の湿度が変化すると空気の熱伝導率が変化し、発熱体6から空気へ放熱される放熱量が変化する。この放熱量の変化を検出することにより絶対湿度の測定ができる。発熱体7は、発熱体6の周囲を一定温度に保持するための補助的な発熱体である。発熱体7により、センサチップ1aが設置される環境温度が変化しても発熱体6の近傍は一定温度に保持することができ、湿度計測における温度特性を向上することができる。本実施例では発熱体7を設ける構成としたが、発熱体6のみでも湿度計測は可能である。発熱体6のみで構成する場合、必要に応じて温度センサなどを用いて空気の温度変化による計測誤差を補償することが必要である。
本実施例における熱式湿度センサの特徴としては、基板2を除去した空洞部3を形成し薄膜部上に発熱体6を設けていることから熱容量が小さく、湿度による空気の熱伝導率の変化に対して高感度、高速に応答することができる。
以下、本実施例における圧力の測定原理を説明する。
図2に示したようにゲージ抵抗体8および9は空洞部3上の支持膜5上に配置されている。空洞部3の内部空間は基準圧力で保持されるようにセンサチップ1aの裏面側に台座22を密着させている。例えば陽極接合を用いることにより基板2をガラスなどの基材22上に接合し、空洞部3を密封することが可能である。測定対象となる空気の圧力が増加すると空洞部3上の支持膜5に撓みが発生し、この撓みによりゲージ抵抗体8、9の抵抗値が変化する。参照抵抗体10、11は空洞部3外の支持膜5上に形成されているため撓みよる抵抗変化がほぼ発生しない。このことから、ゲージ抵抗体8、9と参照抵抗体10、11の抵抗値を比較することにより圧力に応じた信号を得ることができる。
本実施例における湿度センサの誤差要因の一つについて説明する。本実施例における湿度センサは、図2に示したように、基板2の空洞部が密封されている。外部の圧力が変動すると、空洞部3上の支持膜5に撓みが生じ、湿度検出素子である発熱体6に抵抗変化が生じる。発熱体6に抵抗変化が生じると湿度計測に誤差が生じる。本発明では、このような支持膜5の撓みによって生じる湿度計測誤差を良好に補正することが可能である。
本実施例における圧力検出素子を用いた湿度検出の補正について説明する。湿度検出素子は発熱体6と発熱体7から成る。湿度は発熱体6の放熱量に応じた電圧信号から検出している。発熱体6の加熱温度をTh、発熱体7の加熱温度をTsとすると、発熱体6の消費電力Phは
Ph=λ(Th-Ts)
である。λは発熱体6から周囲の空気への熱伝達係数であり湿度によって変化する。このことからTh-Tsを一定に保持すれば湿度に応じた消費電力Phとなる。ここで、発熱体6の抵抗値をRhとすると、発熱体6の印加電圧をVhは、
Vh=√(Rh λ(Th-Ts))
である。抵抗Rhは温度特性の他に、応力によって抵抗が変化するひずみ抵抗変化が同時に発生する。そのため、温度による抵抗変化であるか、ひずみ抵抗変化によるものであるが判別ができない。このため、発熱体6が形成された支持膜5の撓みによって発熱体6の抵抗値Rhが変化し、湿度計測における誤差となる。そこで、支持膜5の撓みによるRhの変化を検出し補正することが必要になる。
支持膜5の撓みによる発熱体6のひずみ抵抗変化はゲージ抵抗体8、9のひずみ抵抗変化を検出し高精度に推定することができる。図9に空洞部3上の支持膜5に配置した発熱体6とゲージ抵抗体8,9のひずみを示すモデル図を示す。図中支持膜5にはゲージ抵抗体8、9と、発熱体6が配置される。また図中の<A>はゲージ抵抗体8の拡大断面図、<B>は発熱体6の拡大断面図を示す。上記のような支持膜5に等分布荷重wが加わると、ゲージ抵抗体8、9の抵抗変化率ΔRg/Rgと、発熱体6の抵抗変化率ΔRh/Rhは以下のようになる。
上式において、Kgはゲージ抵抗体8のひずみ抵抗変化の係数(ゲージ率)、Khは発熱体6のゲージ率である。ygは図9の<A>に示すように応力中心軸からのゲージ抵抗体8までの距離、yhは図9の<B>に示すように応力中心軸からの発熱体6までの距離である。Lは空洞部の大きさ、Eは支持膜5のヤング率、Izは支持膜5の慣性モーメントである。Xgは空洞部端部からゲージ抵抗体8の距離、Xhは空洞部端部から発熱体6の距離である。
本実施形態では、発熱体6とゲージ抵抗体8,9を同一の支持膜上に形成しているため、yg=yhである。また発熱体6とゲージ抵抗体8、9を同一材料で形成すれば、Kg=Khである。したがって、(1)(2)式からwを削除すると、
となる。上式において、Xg、Xh、Lは固定値であるため、ゲージ抵抗体8,9の抵抗変化率ΔRg/Rgに係数を掛けることによって簡易に発熱体の抵抗変化ΔRh/Rhを求めることができる。
本実施形態の特徴としては、発熱体6とゲージ抵抗体8、9を同一の支持膜上に形成しているため、量産時の製造バラツキによって支持膜の膜厚が変化してもyg=yhを維持することができる。また、支持膜のヤング率Eについても同様に変化するため膜質変化の影響を受けない。さらに、発熱体6とゲージ抵抗体8、9を同一材料で形成すればゲージ率Kg=Khであり、膜厚や膜質のバラツキの影響をうけずより効果的である。すなわち(3)式はXg、Xh、Lの平面方向の配置である製造バラツキの小さいパラメータで決まる。支持膜5を構成する絶縁膜の膜厚、膜質や、発熱体5の膜厚、膜質などの製造バラツキの影響を受けやすいパラメータyg、yh、E、Kg、Khの影響を受けない。その結果、支持膜5の撓みよる発熱体6の抵抗変化を高精度に推定し湿度検出誤差を補正することが可能である。
従来技術の一つとして、別部材で形成した圧力検出素子の圧力信号によって補正する方法があるが以下のような問題が生じる。圧力信号は、式(2)におけるwに相当する。wを検出することによって発熱体6の抵抗値Rhの変化量を推定することが可能であるが、製造ばらつきによってKh,yh,Eがばらつくため推定精度が悪い。また、推定精度を上げるためにはKh,yh,Eについて素子ごとに測定する必要があり,これらのデータを取得する工数は膨大となる。
本実施例では、湿度検出素子としての発熱体を空洞部3上の支持膜5上に形成し、圧力検出素子としてのゲージ抵抗体を湿度検出素子が搭載される支持膜5と同一層の絶縁膜を含んだ支持膜上に形成した。特に本実施例では、圧力検出素子と湿度検出素子とが同一の空洞部3上の支持膜5上に配置されているため、発熱体6が受ける圧力変動影響を高精度に検出することが可能である。
また湿度センサの誤差要因の一つとして、高速な圧力変動が発生した場合の熱式湿度センサに誤差がある。圧力変化と熱伝導率が高速に変化し、これにより発熱体6の抵抗値がほぼ同時に変化する。ゲージ抵抗体8、9による圧力検出においても、気体の高速な圧力変動に対して高速に応答する。熱式湿度センサと圧力検出素子は機械的な変化を用いた検出原理であるため、両センサともに圧力に対して高速に反応し、且つほぼ同時に反応することができる特徴がある。また、本実施例では、同一の空洞部上の支持膜に湿度センサ素子である発熱体6、7と圧力検出素子であるゲージ抵抗体8、9が配置されているため圧力によるこれらの抵抗の変化は同時に変化する。したがって、高速な圧力変動条件(過渡条件)においても正確な圧力補正を行うことが可能である。さらに、環境温度が変化すると支持膜5の機械的物性値が変化するが同一基板かつ同一支持膜に湿度検出素子である発熱体6、7と圧力検出素子であるゲージ抵抗体8、9が配置されているため両者の環境温度が常に同一となり高速な温度変化の状況下におても湿度検出と圧力検出への影響度を一致することが可能である。したがって、複数のセンサの応答速度の違いや温度変化による補正誤差が小さく、または応答速度の差を補正する応答補償や温度による補正値の補償が不要または簡易な構成で済む。
他の湿度センサの構造として静電容量式のものがある。静電容量式は感湿膜の水分濃度が変化することによる静電容量の変化を検出するもので、高速な湿度変化や圧力変化に対して1〜10秒程度の遅れが発生する。また、固体電解質を用いた濃度検出素子においても1秒程度の遅れがあるものが一般的である。固体電解質を用いた濃度検出素子においては数10ミリ秒の応答速度を備えたものもあるが、圧力検出素子と応答速度は一致しない。また、固体電解質や感湿膜の応答速度は、構造的な寸法や温度によって変化する。さらに固体電解質や感湿膜は圧力か急上昇する場合と急下降する場合とで応答性がわずかに異なる。したがって製造バラツキや様々な環境条件における応答補償が必要であり補償のための調整工程が過大かつ複雑な処理を要する。
本実施例における圧力検出部の特徴について詳述する。本実施例では、図2に示したようにゲージ抵抗体8、9は空洞部3内の支持膜5上に配置されている。これに対し参照抵抗体10、11は空洞部3外の支持膜5上に形成されている。これらの、ゲージ抵抗体と参照抵抗体の抵抗変化の差を検出する構成である。さらに本実施例では、Si基板を除去することにより薄膜化している。そのため、従来Si基板で形成した支持膜を用いた圧力検出構造に対してゲージ抵抗体のひずみの特性が異なる。図10は図1に示すX−X線に沿った空洞部3上の支持膜5のひずみεを示す図である。図10のε1は従来の圧力センサ素子構造であるSi基板の表面に拡散抵抗を形成することによってゲージ抵抗体を設けた場合のひずみを示す。従来構造は、比較的厚い支持膜であるとともに、ゲージ抵抗体が支持膜の表面に形成されているため、図17に示したような曲げ応力が支配的となる。したがって、空洞部端部では、ゲージ抵抗体が伸びる正のひずみとなり、空洞部中心部ではゲージ抵抗体が圧縮される負のひずみとなる。したがって、空洞部の端部側と空洞部の中心側にゲージ抵抗体を設けこれらのひずみの差Δ1を検出することにより圧力に応じた信号が得られる。本実施例では、Si基板を除去しシリコン酸化膜とシリコン窒化膜を主とする薄い支持膜であるため、特に大圧力が加わった場合、上記のような曲げ応力に加えて支持膜全体が伸びる応力が働く。この結果、空洞部端部と空洞部中心のひずみは両方とも正のひずみとなる。このため、空洞部端部と空洞部中心のひずみの差Δ2を検出するよりも、空洞部内の端部と空洞部の外部(Si基板上)のひずみの差Δ3を検出する方がより高感度にひずみを検出することが可能である。したがって、ゲージ抵抗体8、9は空洞部内の端部側の曲げ応力が正となる場所(曲げ応力により伸びる場所)に配置し、参照抵抗体は空洞部の外側のSi基板上に配置することで高感度化が可能である。
本実施例のように発熱体を用いた熱式湿度センサの支持膜は、湿度検出における高感度化および低消費電力化を図るために熱絶縁性が必須であり、このため支持膜を薄くすることが望ましい。したがって、本実施例におけるゲージ抵抗体8、9の配置の特徴は、発熱体を用いた湿度センサの薄い支持膜を用いて圧力検出構造を製造する上で圧力検出の高感度化が可能にする特徴的な構成である。
本実施例におけるセンサ装置の駆動回路の実施例を説明する。以下、図3を用いて、本実施例におけるセンサ装置の駆動回路について説明する。
熱式湿度センサの駆動回路は、発熱体6と発熱体7に対して加熱電流を供給し、発熱体6を第一の温度T1に制御し、且つ発熱体7を第一の温度よりも低温である第二の温度T2に制御する。T1、T2としては、たとえばT1=500℃、T2=300℃が選ばれる。
熱式湿度センサの駆動回路は、第一のブリッジ回路15と第二のブリッジ回路16と、差動増幅器17a、17bを有している。
第一のブリッジ回路15は、発熱体6と固定抵抗19a、19b、19cから構成されており、発熱体6と固定抵抗19cが直列接続された直列回路と、固定抵抗19aと19bが直列接続された直列回路とを並列に接続して構成される。第二のブリッジ回路16も同様に、発熱体7と固定抵抗20a、20b、20cから構成されており、発熱体7と固定抵抗20cが直列接続された直列回路と、固定抵抗20aと20bが直列接続された直列回路とを並列に接続して構成される。
このとき、第一のブリッジ回路15における発熱体6と固定抵抗19cの接続端電位と、固定抵抗19aと19bの接続端の電位とが差動増幅器17aに入力される。差動増幅器17aの出力は第一のブリッジ回路15に接続され、入力電圧の差に応じた電圧及び電流をフィードバックする。固定抵抗19aの抵抗値は発熱体6の抵抗値の10倍以上に設定する。これにより差動増幅器17aによって制御される電流のほとんどは発熱体6側の直列回路へ流れ、発熱体6が加熱される。この構成により、発熱体6の温度が500℃程度の一定温度である第一の温度T1になるようにフィードバック制御される。
発熱体6の温度設定は、既知である発熱体6の抵抗温度係数から第一の温度T1における発熱体6の抵抗値と固定抵抗19cの比と、固定抵抗19aと固定抵抗19bの比が一致するように設定され、発熱体6の温度が第一の温度T1より低い(発熱体6の放熱量が増加する)と、差動増幅器によって流れる電流が増加する。湿度変化により発熱体6の放熱量が変化することから差動増幅器17aの出力電圧VHをモニターすることによって湿度計測が行われる。
第二のブリッジ回路16でも同じように、発熱体7と固定抵抗20cの接続端の電位と、固定抵抗20aと20bの接続端の電位とが差動増幅器17bに入力される。差動増幅器17aの出力は第一のブリッジ回路15に接続され、入力電圧の差に応じた電圧及び電流をフィードバックする。固定抵抗20aの抵抗値は発熱体7の抵抗値の10倍以上に設定する。これにより差動増幅器17bによって制御される電流のほとんどは発熱体7側の直列回路へ流れ、発熱体7が加熱される。この構成により、発熱体7の温度が300℃程度の一定温度である第二の温度T2になるようにフィードバック制御される。湿度計測において、発熱体7は発熱体6の周囲温度を一定温度に保持する働きをする。これにより、空気の温度変化により発熱体6の放熱が変化することを低減している。
気体の圧力検出する駆動回路は、図3の第三のブリッジ回路21を有している。
第三のブリッジ回路21は、ゲージ抵抗体8、9と参照抵抗体10、11が含まれる。ゲージ抵抗体8と参照抵抗体10が直列接続された直列回路と、参照抵抗体11とゲージ抵抗体9が直列接続された直列回路とを並列に接続して構成される。空気の圧力変化により空洞部3上の支持膜5が撓み、ゲージ抵抗体8、9に変形が生じる。ゲージ抵抗体8、9は変形によりひずみ抵抗変化が発生し、参照抵抗体10、11は空洞部の外側の基板2上に形成されているため抵抗変化が生じない。したがって、ブリッジ回路21の抵抗バランスが変化し空洞部3上の支持膜5の撓みに応じた電圧VPが得られる。
図3のREFは基準電源であり、ブリッジ回路21に電圧または電流を供給するためのものである。ゲージ抵抗体8、9は、空洞部上の厚さ数ミクロンの支持膜5及び保護膜12に覆われ形成されているため熱絶縁効果が高い。そのため、基準電源REFから流れる電流によりゲージ抵抗体8、9が自己発熱し温度上昇が発生しやすい。温度上昇するゲージ抵抗体8,9の抵抗温度変化により抵抗値が変動する。さらに、環境温度によってブリッジ回路全体の抵抗値が変化し自己発熱量も変動するため圧力検出における温度特性が悪化する。このような自己発熱による圧力検出誤差が発生するため、ブリッジ回路21の基準電源をREFを個別を設け自己発熱を抑えた電流値及び電圧値に適宜調整することができる。
また、基準電源REFを電流源とし、ブリッジ回路の電圧VTを取り出すことにより、環境温度を検出する温度センサとしても構成することが可能である。ゲージ抵抗体8、9及び参照抵抗体10、11を抵抗温度係数の高い同一材料で形成すれば環境温度によってこれらの抵抗体の抵抗値が同時に変動する。したがってブリッジ回路全体の電圧VTはVT=(R8+R10)//(R11+R9)×Iとなり、R8からR11が環境温度によって同率で変化するためVTも環境温度によって変化させることができる。
図4に、本実施例におけるセンサチップ1aから得られる湿度検出信号VH、圧力検出信号VPを用いたセンサ信号の処理形態を示す。
信号処理装置においては、湿度センサからのアナログ信号VHを入力しデジタル値に変換するA/D変換器AD1と、圧力検出電圧VPのアナログ信号を入力しデジタル値に変換するA/D変換器AD2が備わる。AD1においてデジタル値に変換された湿度信号は信号処理部FLT1により、高周波ノイズが除去され演算器PUに入力される。AD2においてデジタル値に変換された圧力信号は信号処理部FLT2により、高周波ノイズが除去され演算器PUに入力される。FLT1及びFLT2は湿度検出の動作速度、圧力検出の動作速度を超える高周波ノイズをカットするものである。本実施例のFLT1及びFLT2はデジタル値に変換した後のソフトフィルターで構成しているが、AD1及びAD2の入力前にアナログフィルターとして構成することも可能である。PUでは、湿度信号に対して補正演算が行われる。補正演算では、圧力信号値とあらかじめ記憶装置MMRに保存された定数を基に補正量が決定され、湿度信号に補正量を加える。その後、演算器PUで補正された湿度信号SVHが出力される。また、圧力信号SVPとして圧力検出信号を出力することができる。
本実施例では、湿度センサ内で上記の補正処理を行っているが、このような湿度センサを搭載するシステム所でも補正処理をすること可能である。たとえば、自動車エンジンの制御に用いる場合、エンジン制御を行うマイコンなどのコントローラ(ECU)に本実施例における湿度信号SVHと圧力信号SVPを伝送し、ECU内で補正処理をする構成とすることもできる。
図5に、本実施例における物理量検出装置のモジュール構造を、断面図で示す。センサモジュール23は、内燃機関の吸気通路24内に取り付けられている。センサモジュール23のハウジング25の内部には、センサチップ1aが設置される。また、ハウジング25の内部には吸気通路24を流れる吸気26の流れを抑制する計測室27が設けられている。計測室27には、計測室27の室内を吸気通路24と連通し吸気通路24を流れる吸気26を取り込む連通路28が形成されている。センサチップ1aは、計測室27の内部に設置される。また、計測室27および連通路28により、センサチップ1aに吸気通路24を流れる吸気26が直接流入することを低減している。すなわち、計測室27は吸気通路24を流れる吸気26の流れ(空気流)から隔離されており、この計測室27にセンサチップ1aを配置することにより、センサチップ1aが吸気通路24を流れる吸気26の流れに晒されるのを防止している。これにより、センサチップ1aの周辺の空気流動が低減され、安定した気体中において湿度及び圧力を高精度に計測することができる。
図5に図示されるように、センサチップ1aは、支持部材としてのセンサパッケージ29に搭載されている。センサパッケージ29は、射出成形技術によりセンサチップ1aを封止樹脂により封止してパッケージ化したものである。センサチップ1aの検出部は、封止樹脂から露出してパッケージ化されている。これにより、センサパッケージ29に一体化されたセンサチップ1aがハウジング25の計測室27内に設置された状態で、センサチップ1aの検出部が計測室27内に露出し、計測室27内の空気の湿度を計測することが可能となっている。
図6に、センサパッケージ29の内部構造を示す。センサパッケージ29はセンサチップ1aと共に、リードフレーム30a〜30f、半導体チップ31、封止樹脂32により封止されて、センサパッケージ29として一体化されている。センサチップ1aは、リードフレーム30f上に接着され固定されている。
センサチップ1aの電極(図示せず)は、ワイヤボンディング法を用いて、リードフレーム30a、30bおよび半導体チップ31接続されている。リードフレーム30a、30bは、ワイヤボンディングにより半導体チップ31の入力電極(図示せず)に電気的に接続されている。 リードフレーム30dは、ワイヤボンディングにより半導体チップ31の出力電極に接続されている。半導体チップ31のグランド電極は、リードフレーム30eに接続されている。
半導体チップ31は半導体プロセスにより製造された半導体集積チップであり、センサチップ1aの駆動回路や信号処理回路を構成する。この半導体チップ(処理回路部)31は、湿度センサ素子の駆動回路、湿度を計測するための検出回路を備えている。また半導体チップ31は、圧力センサの駆動回路、圧力を計測するための検出回路を備えている。半導体チップ31はセンサチップ1aを接着した同一のリードフレーム30f上に接着により固定される。半導体チップ31の電源線及び検出した信号(出力信号線)はワイヤを介してリードフレーム30dに接続されている。リードフレーム30d、30eの端部は、外部接続用の端子としてセンサパッケージ29の外部に引き出されている。
本実施例では、リードフレーム30e接地端子とするとともに、センサチップ1a及び半導体チップ31を搭載する部材としても用いている。上述した如く、センサチップ1aの検出部、リードフレーム30d、30eの端部が部分的に露出するように、封止樹脂32により封止されてパッケージ化されている。
本実施例では、湿度センサとしての発熱体6、7と圧力センサとしてのゲージ抵抗体8、9が同一の空洞部3上の支持膜5に形成している。そのため、発熱体6、7による熱がゲージ抵抗体8、9に伝わり、圧力検出時の誤差を発生する。さらに高精度な圧力検出が必要な場合においては、圧力検出時に発熱体6、7の加熱を停止することが有効である。本実施例におけるセンサチップ1aの支持膜5及び保護膜12は、Siシリコン基板が除去された数ミクロンの薄膜であるため熱容量が小さい特徴がある。したがって圧力検出と湿度検出を時分割で行っても高速に切り替えることができ応答性を維持することができる。
以下、図7、図8、図11を参照して、本発明に係る物理量検出装置の第二の実施例について説明する。
図7に、本実施例における物理量検出装置のセンサチップ1bの構造を平面図で示す。図8に、図7のセンサチップ1bのX−X線断面図を示す。
本実施例のセンサチップ1bは、単結晶シリコンで形成された基板2を有している。基板2には、空洞部3aと空洞部3bが形成されており、この空洞部3a、3bは絶縁膜4a、4b、4cから成る支持膜5で覆われ、支持膜5上に湿度検出素子としての発熱体6、7が形成されている。発熱体6、7は空洞部3a内の支持膜5上に形成される。空洞部3bの支持膜5上には圧力検出素子としてのゲージ抵抗体8、9を形成する。また、圧力検出における参照抵抗体としての参照抵抗体10、11が形成されている。ゲージ抵抗体8、9は空洞部3b内の支持膜5上に形成される。参照抵抗体10、11は空洞部3b外すなわち基板2上の支持膜5上に形成される。これらの抵抗体を保護するためにセンサチップ1bの表面は保護膜12で覆われる。発熱体6、7に電圧、電流の供給、取り出しなどのための電極13a〜13dが形成される。また、ゲージ抵抗体8,9に電圧、電流の供給、取り出しなどのための電極14a〜14fが形成される。さらに、電極13a〜13d、電極14a〜14fは駆動回路装置(図示なし)に金線ボンディングワイヤーやリードフレームなどにより電気的に接続される。
発熱体6、7としては、第1実施例と同様に選定される。またゲージ抵抗体8、9及び参照抵抗体10、11についても第1実施例と同様に選定される。絶縁層4a、4b、4c、および保護膜12についても第1実施例と同様に選定される。
本実施例においては空洞部を複数形成しているが、湿度検出素子としての発熱体6と圧力検出素子としてのゲージ抵抗体8、9は同一の支持膜5に形成している。このため、複数の空洞部3a、3bを形成しても第1実施例と同様に一度のSi基板エッチング工程で製造できる。
また、発熱体6とゲージ抵抗体8、9を同一材料、同一層で形成すれば工程の追加なく圧力検出素子8、9を形成でき、湿度検出素子と圧力検出素子を備えた物理量検出装置が簡易に製造できる。
本実施例においても、湿度検出素子としての発熱体6を空洞部3a上の支持膜5上に形成し、圧力検出素子としてのゲージ抵抗体8、9を湿度検出素子が搭載される支持膜5と同一層の絶縁膜を含んだ支持膜上に形成した。本実施例では、湿度検出素子としての発熱体6、7と圧力検出素子としてのゲージ抵抗体8、9が別々の空洞部に形成している。
また、本実施例では、図8に示すように、基板2をガラスなどの基材22上に形成して空洞部3a、3bを密封している。たとえば陽極接合を用いることにより空洞部3a、3bを密封することが可能である。空洞部3bの内部が基準圧力で保持された場合、空洞部3b上の支持膜5が気体の圧力によって撓みが生じゲージ抵抗体8、9の抵抗変化を検出できる。
第一実施例では、発熱体6、7による熱がゲージ抵抗体8、9に伝わることによる誤差要因があったため、高精度な圧力検出が必要な場合は圧力検出と湿度検出を時分割で切り替える必要があった。本実施例では、空洞部3aと空洞部3bが形成され発熱体6、7とゲージ抵抗体8、9が熱的に分離しているため湿度検出素子の熱影響を低減した高精度な圧力検出が可能であるとともに、時分割検出を行う必要がなくスイッチング回路などの部品を省き簡易な構成で実現できる効果も得られる。また、湿度と圧力を同時に計測でき検出速度や相互の補正精度を向上することができる。
さらに、本実施例におけるさらなる効果として空洞部3bの長さLaを狭めることによって熱伝導性が向上し、空洞部3b上の支持膜5に形成されたゲージ抵抗体8、9の自己発熱を基板2に放熱しゲージ抵抗体8、9の温度上昇を低減する効果が得られる。ゲージ抵抗体8、9は、空洞部3b上の厚さ数ミクロンの支持膜5上に形成されているため熱絶縁効果が高い。そのため、ゲージ抵抗体8、9に流れる電流によりゲージ抵抗体8、9が自己発熱し温度上昇が発生しやすい。温度上昇するゲージ抵抗体の抵抗温度変化が発生し抵抗値が変動する。さらに、環境温度によってブリッジ回路全体の抵抗値が変化し自己発熱量も変動するため圧力検出における温度特性が悪化する。本実施例では、空洞部3bの長さLaが狭められているため、ゲージ抵抗体8、9の自己発熱により発生した熱を基板2へ放熱する効果が向上する。
また、図7に示すように空洞部3bの幅Waを大きく形成している。空洞部3bが長方形または長方形に近似した形状とした場合、基板2への放熱効果は長方形の短辺の長さLaが支配的である。したがって、短辺となるLaを狭くすれば、長辺となるWaを広げても放熱効果を向上sることができる。この形状によりゲージ抵抗体8、9を形成できる領域が長辺方向(Wb方向)に広がり、ゲージ抵抗体8、9の形成領域が広がり高抵抗化することが可能である。すなわち、空洞部3bを細長い長方形にすることにより、圧力に対する強度を確保するとともにゲージ抵抗体7,8の自己発熱量を低減、さらに放熱効果を向上することが可能であり、高精度化が可能である。また、空洞部3bのLa(短辺)を短くすると圧力による支持膜5の撓みが小さくなり圧力検出感度が低下することが考えられる、自己発熱による圧力検出の誤差要因を低減することによりS/N比が維持されるため圧力検出精度を確保することが可能である。
本実施例においても第1実施例と同様に熱式湿度センサの誤差要因を低減することが可能である。本実施例におけるセンサチップ1b、図8に示したように、基板2の空洞部3a、3bが密封されている。外部の圧力が変動すると、空洞部3a、3b上の支持膜5に撓みが生じ、発熱体6に抵抗変化が生じる。したがって第1実施例と同様に発熱体6に抵抗変化が生じると、湿度計測に誤差が生じる。本発明では、このような支持膜5の撓みによって生じる発熱体6の抵抗変化を推定し湿度計測誤差を良好に補正することが可能である。
支持膜5の撓みによる発熱体6のひずみ抵抗変化ΔRh/Rhはゲージ抵抗体8、9のひずみ抵抗変化ΔRg/Rgを検出し高精度に推定することができる。図9に空洞部3上の支持膜5に配置した発熱体6とゲージ抵抗体8,9のひずみを示すモデル図を示す。図中支持膜5にはゲージ抵抗体8、9と、発熱体6が配置される。また図中の<A>はゲージ抵抗体8の拡大断面図、<B>は発熱体6の拡大断面図を示す。上記のような支持膜5に等分布荷重wが加わると、ゲージ抵抗体8、9の抵抗変化率ΔRg/Rgと、発熱体6の抵抗変化率ΔRh/Rhは以下のようになる。
上式において、Kgはゲージ抵抗体8のひずみ抵抗変化の係数(ゲージ率)、Khは発熱体6のゲージ率である。ygは図10の<A>に示すように応力中心軸からのゲージ抵抗体8までの距離、yhは図10の<B>に示すように応力中心軸からの発熱体6までの距離である。LAは空洞部3bの大きさ、LBは空洞部3aの大きさ、Eは支持膜5のヤング率、Izは支持膜5の慣性モーメントである。Xgは空洞部3b端部からゲージ抵抗体8の距離、Xhは空洞部3a端部から発熱体6の距離である。
本実施形態では、発熱体6とゲージ抵抗体8,9を同一の支持膜上に形成しているため、yg=yhである。また発熱体6とゲージ抵抗体8、9を同一材料で形成すれば、Kg=Khである。したがって、(1)(2)式からwを削除すると、
上式において、Xg、Xh、LA、LBは固定値であるため、ゲージ抵抗体8,9の抵抗変化率ΔRg/Rgに係数を掛けることによって簡易に発熱体の抵抗変化ΔRh/Rhを求めることができる。
本実施形態の特徴としては、発熱体6とゲージ抵抗体8、9を同一の支持膜上に形成しているため、量産時の製造バラツキによって支持膜の膜厚が変化してもyg=yhを維持することができる。また、支持膜のヤング率Eについても同様に変化するため膜質変化の影響を受けない。さらに、発熱体6とゲージ抵抗体8、9を同一材料で形成すればゲージ率Kg=Khであり、膜厚や膜質のバラツキの影響をうけずより効果的である。すなわち(3)式はXg、Xh、LA、LBの平面方向の配置である製造バラツキの小さいパラメータで決まる。支持膜5を構成する絶縁膜の膜厚、膜質や、発熱体5の膜厚、膜質などの製造バラツキの影響を受けやすいパラメータyg、yh、E、Kg、Khの影響を受けない。その結果、支持膜5の撓みよる発熱体6の抵抗変化を高精度に推定し湿度検出誤差を補正することが可能である。
本実施例においても、濃度検出素子としての発熱体6と圧力検出素子としてのゲージ抵抗体8、9は同一層の絶縁膜を含んだ支持膜上に形成したため、発熱体6が受ける圧力変動をゲージ抵抗体8、9により高精度に検出することが可能である。
また湿度センサの誤差要因の一つとして、高速な圧力変動が発生した場合の熱式湿度センサに誤差があるが、第1実施例と同様に高速な圧力変動条件(過渡条件)においても正確な圧力補正を行うことが可能である。また、環境温度が変化すると支持膜5の機械的物性値が変化するが同一基板かつ同一支持膜に湿度検出素子である発熱体6、7と圧力検出素子であるゲージ抵抗体8、9が配置されているため両者の環境温度が常に同一となり高速な温度変化の状況下におても湿度検出と圧力検出への影響度を一致することが可能である。したがって、複数のセンサの応答速度の違いや温度変化による補正誤差が小さく、または応答速度の差を補正する応答補償や温度による補正値の補償が不要または簡易な構成で済む。
本実施例における圧力検出部の特徴についても、ゲージ抵抗体8、9は空洞部内の端部側の曲げ応力が正となる場所(曲げ応力により伸びる場所)に配置し、参照抵抗体は空洞部の外側のSi基板上に配置することで高感度化が可能である。
本実施形態では、湿度検出素子としての発熱体6が設置される空洞部3aを密封した構成について説明したが、空洞部3aは外部空気と連通させ外部の圧力と同等の圧力となるように構成することも可能である。その場合、空洞部3a上の支持膜5の圧力による撓みが低減される。高速な圧力、温度変化条件下での補正精度や、製造ばらつきに起因する補正精度悪化を低減できる。