JP6815910B2 - 圧力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、圧力センサに関する。
従来、圧力変動を検出する圧力センサとして、例えば、透孔又は凹部を有する基板と、通気孔を有する収納容器と、収納容器内に配設され、透孔又は凹部内で振動可能に基板に片持ち支持された圧電素子と、を具備した圧力センサが知られている(特許文献1参照)。
この圧力センサによれば、通気孔を介して収納容器内に伝わる圧力変動と、この圧力変動に遅れて追従する透孔又は凹部内部の圧力との差圧の大きさに応じて圧電素子が振動する。そのため、圧電素子の電圧変化に基づいて、収納容器に伝わる圧力変動を検出することが可能とされる。
特開平4−208827号公報
ところで、上記従来技術に係る圧力センサの検出感度は、圧電素子の形状や、透孔又は凹部の容積や、透孔又は凹部と収納容器内部との間を出入りする圧力伝達媒体の流量等に応じて変化する。しかしながら、圧電素子は、圧電体の両面に電極膜などを具備する両面電極構造を有するので、厚みを小さくすることに限界があり、大きな変形量を確保することが難しいという問題が生じる。このため、感度を増大させることが困難であった。
また、圧電素子の変形によって透孔の形状が変形することから、凹部と収納容器内との差圧と透孔又は凹部と収納容器内との間を出入りする圧力伝達媒体の流量とが正比例ではなくなる。このため、大きな圧力変化が生じた場合に、検出感度の線形性が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、圧力変動の検出を精度よく行うことができるとともに、検出感度の線形性向上することができる圧力センサを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための、本発明の圧力センサの第一の特徴は、測定対象圧力を伝達する圧力伝達媒体が流入するキャビティと、前記圧力伝達媒体を前記キャビティの内部と外部に流通させる連通開口と、が形成されたセンサ本体と、前記センサ本体の一部に設置され、前記キャビティの内部圧力と前記外部の圧力との差圧を測定する差圧センサと、前記センサ本体の一側面に設置され、かつ前記差圧センサの出力に基づいて前記キャビティの内部の圧力を可変する圧力制御部と、前記圧力制御部からの信号を処理する演算処理部と、を備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、キャビティ内部の圧力を制御することで、圧力変動の検出を精度よく行うことができるとともに、検出感度の線形性向上することができる。
また、本発明の圧力センサの第二の特徴は、前記差圧センサは、基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状であり、かつ、前記基端部が前記センサ本体に片持ち状に支持され、前記先端部が前記連通開口に沿って配設された構造を有し、前記キャビティの内部と外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーと、前記カンチレバーの撓み変形を測定する変位測定部と、を備えることを要旨とする。
また、本発明の圧力センサの第三の特徴は、前記圧力制御部は、前記キャビティと前記外部との差圧がゼロに近づくよう制御されることを要旨とする。
また、本発明の圧力センサの第四の特徴は、前記圧力制御部は、屈曲変形する駆動機構を有し、前記屈曲変形することにより前記キャビティの容積を可変することを要旨とする。
また、本発明の圧力センサの第五の特徴は、前記圧力制御部は、キャビティ内部の圧力伝達媒体の温度を可変する制御機構を有し、前記キャビティ内部の前記圧力伝達媒体の膨張もしくは収縮させることにより前記キャビティ内の圧力を可変することを要旨とする。
また、本発明の圧力センサの第六の特徴は、
前記演算処理部に接続された絶対圧センサを備え、前記絶対圧センサからの出力信号に基づいて取得された初期圧力に対する圧力変動を算出することを要旨とする。
また、本発明の圧力センサの第七の特徴は、前記演算処理部は、所定の圧力変動における圧力制御部からの出力信号により算出された補正値に基づいて、演算した結果を出力することを要旨とする。
本発明に係る圧力センサによれば、圧力変動の検出を精度よく行うことができるとともに、検出感度の線形性向上することができる圧力センサを提供することができる。
本発明の第一の実施形態に係る圧力センサの平面図である。 図1に示すA−A線に沿った圧力センサの断面図である。 図1に示す圧力センサの変位測定部の出力の一例を示す図である。 図1に示す圧力センサの動作の一例を示す図である。 図1に示す圧力センサの圧力制御部の出力の一例を示す図である。 図1に示す圧力センサの動作の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の変形例1に係る圧力センサの断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例1に係る圧力センサの断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例2に係る圧力センサの断面図である。 本発明の第2の実施形態に示す補正値測定装置の構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る圧力センサの構成図である。
以下、本発明に係る圧力センサの実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(全体構成)
図1は本発明の圧力センサ1の構成を示す平面図である。図2は、図1中に示すA−A線での断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の圧力センサ1は、所定の周波数帯域の圧力変動を検出するセンサである。圧力センサ1は、センサ本体3とカンチレバー4、変位測定部5、演算処理部6、圧力制御部7を備えている。
センサ本体3は、上方に開口する凹形状に形成された構造であり、例えば樹脂やセラミック、金属等で形成される。
カンチレバー4は、例えば、シリコン支持層2a、シリコン酸化膜等の酸化層2b、およびシリコン活性層2cを熱的に張り合わせたSOI基板2を利用して形成されている。カンチレバー4は、SOI基板2におけるシリコン活性層2cからなり、シリコン活性層2cを、平面視コ字状に形成されたギャップ13で切り出すことで形成されている。これにより、基端部4aを固定端とし、先端部4bを自由端とした片持ち梁構造を形成している。
変位測定部5は、カンチレバー4に設けられたピエゾ抵抗20、ピエゾ抵抗20に接続された配線部21および検出回路22から構成される。
演算処理部6は、圧力制御部7と変位測定部5の各々に接続された集積処理回路と、必要なプログラムや計算に必要な数値を記憶するメモリとから構成される。
圧力制御部7は、センサ本体3に設けられた駆動機構71と駆動回路72とから構成される。ここでは、例えば、駆動機構71はバイモルフ型圧電アクチュエータ、駆動回路72は、圧電アクチュエータに接続された可変電圧回路で構成する。
ここで、上記カンチレバー4を形成したSOI基板2と、センサ本体3とを一体的に固定する。このとき、カンチレバー4をセンサ本体3に形成された凹内部に囲うよう配置する。カンチレバー4は凹部開口を略閉塞するため、センサ本体3の凹内部は、キャビティ(空気室)10として機能する。また、カンチレバー4周囲に設けられたギャップ13により、圧力伝達媒体はキャビティ10の内部と外部とを移動することが可能となる。このため、ギャップ13は連通開口として機能する。
さらに、カンチレバー4は、基端部4aを介してセンサ本体3における周壁部3aの一部の上面に一体的に固定されることで、片持ち支持される。これにより、カンチレバー4は、基端部4aを中心としてキャビティ10の内部と外部との圧力差に応じて撓み変形可能とされる。
カンチレバー4の基端部4aには、平面視コ字状の貫通孔15が形成されており、該カンチレバー4が撓み変形しやすい設計としている。ただし、この貫通孔15の形状は、上記形状に限定されるものではない。
さらに、カンチレバー4の基端部4aには、該カンチレバー4の撓み量(変位量)に応じて電気抵抗値が変化するピエゾ抵抗20が、貫通孔15を挟み込むように形成されている。これらピエゾ抵抗20には、導電性材料からなる配線部21が接続されており、この配線部21およびピエゾ抵抗20を含む全体的な形状が平面視U字状とされている。また、ピエゾ抵抗20には、該ピエゾ抵抗20の電気抵抗値変化に基づいてカンチレバー4の変位を測定する検出回路22が接続されている。
上記構成により、検出回路22を通じてピエゾ抵抗20に所定電圧が印加されると、この電圧印加に起因する電流は、貫通孔15を回り込むようにして、一方のピエゾ抵抗20から配線部21を経由して他方のピエゾ抵抗20に流れる。そのため、検出回路22は、カンチレバー4の変位(撓み変形)に応じて変化するピエゾ抵抗20の電気抵抗値変化を電気的な出力信号として取り出すことが可能である。したがって、この出力信号(センサ出力)に基づいて、カンチレバー4の変位を測定でき、キャビティ内部と外部との差圧を検出することが可能となる。このため、カンチレバー4と変位測定部5は差圧センサとして機能する。
なお、上記ピエゾ抵抗20は、例えばリン等のドープ剤(不純物)をイオン注入法や拡散法等の各種の方法によりドーピングされることで形成されている。また、双方のピエゾ抵抗20は配線部21のみで電気的導通するよう形成している。そのため、図示していないが、配線部21以外でピエゾ抵抗20双方が導通しないよう、カンチレバー4周囲のシリコン活性層2cをエッチングしている。
また、上記ピエゾ抵抗20は、圧電薄膜であってもよい。この場合、カンチレバー4の基端部4bに加わる応力に応じて、起電力が発生する。この起電力を検出することで、カンチレバー4の変位を検出することが可能である。
さらに、圧力制御部7の駆動機構71は、その外周部をセンサ本体3に固定されており、駆動回路72からの信号により、駆動機構71はキャビティ10内部に向かって凸状もしくは凹状に変形する。このため、駆動機構71の変形によってキャビティ10の容積および圧力を変化させることが可能である。
また、演算処理部6は、圧力制御部7からの出力信号に基づいて所定の演算処理を行い、最終的に圧力センサ1の出力信号を生成し、出力する機能を有する。
(圧力センサの動作)
まず、圧力制御部7を駆動しない場合の圧力センサ1の動作について、図3及び図4を用いて説明する。
初めに、図3に示す期間Aのように、キャビティ10の外部の圧力(以下、外圧Pout)と、キャビティ10内部の圧力(以下、内圧Pin)との圧力差がゼロである場合には、図4(A)に示すように、カンチレバー4は撓み変形しない。
ここで、図3(A)に示す時刻t1以降の期間Bのように、例えば外圧Poutがステップ上に上昇すると、キャビティ10の外部と内部との間に差圧が生じるので、図4(B)に示すようにカンチレバー4はキャビティ10内部に向けて撓み変形する。
すると、カンチレバー4の撓み変形に応じてピエゾ抵抗20に歪が生じ、電気抵抗値が変化するので、図3(B)に示すように変位測定部5の出力が増大する。
また、外圧Poutの上昇以降、ギャップ13を介してキャビティ10の外部から内部へと圧力伝達媒体が流動するので、図3(A)に示すように、内圧Pinが時間の経過とともに外圧Poutよりも遅れながら、かつ外圧Poutの変動よりも緩やかな応答で上昇する。
これにより、内圧Pinが外圧Poutに徐々に近づくので、キャビティ10の外部と内部との圧力が均衡状態になり始め、カンチレバー4の撓みが徐々に小さくなり、図3(B)に示すように変位測定部5の出力が徐々に低下する。
そして、図3(A)に示す時刻t2以降の期間Cのように、内圧Pinが外圧Poutに等しくなると、図4(C)に示すように、カンチレバー4の撓み変形が解消されて元の状態に復帰し、図3(B)に示すように、変位測定部5の出力が再びゼロになる。
このように、カンチレバー4の変位に基づいた変位測定部5の出力信号の変動をモニタすることで、キャビティ内部と外部の差圧変化を検出することができる。
特に、SOI基板2のシリコン活性層2cを利用して半導体プロセス技術によりカンチレバー4を形成できるので、従来の圧電素子に比べて薄型化(例えば、数十〜数百nm)し易い。したがって、カンチレバー4を非常に低剛性で構成できるため、微小な差圧の変動を精度よく検出することができる。
次に、圧力制御部7を駆動させた場合の圧力センサ1の動作について、図5及び図6を用いて説明する。
前述同様に、図5の期間Aのように外圧Poutと内圧Pinとの圧力差がゼロである場合は、カンチレバー4は変形せず、圧力制御部7の駆動機構71も変形しない(図6(A)参照)。
ここで、図5の時刻t1以降の期間Bのように、外圧Poutがステップ状に上昇したとする。ここで、カンチレバー4は外圧Poutと内圧Pinの差圧によりキャビティ10内部に撓み変形を始める。この時、カンチレバー4に接続された変位測定部5と演算処理部6(図示省略)を経て生成された信号に基づいて、圧力制御部7はカンチレバー4の変形をできるかぎり小さくするよう制御する。具体的には、変位機構71がキャビティ10内部へと変形することで、内圧Pinを上昇させ、外圧Poutとの差圧を発生させないようにする(図6(B)参照)。このとき、圧力制御部の出力は、外圧Poutの上昇に合わせて差圧Pinを上昇させようとするので、時刻t1から大きく上昇することとなる。そして、外圧Poutの上昇に差圧Pinが追い付くと、そのまま維持しようとすることになり(図6(C)参照)、圧力制御部の出力はほぼ平坦な出力となる。
なお、この時の変位機構71の変形量の制御は、カンチレバー4の変形量(すなわち変位測定部5の出力信号)に基づいて行う。つまり、カンチレバー4の変形が発生しないよう、変位機構71を変形させることとなる。
このため、変位測定部5の出力信号と異なり、圧力制御部7の出力は外圧Poutの動きと非常に類似した動きとなる。したがって、圧力制御部7の出力信号を検出することで、外圧Poutの変動を検出することが可能となる。
また、カンチレバー4はほとんど撓み変形することがなく、ギャップ13の形状が大きく変化することがない。つまり、外圧Poutと内圧Pinとの差圧が発生せず、キャビティ10内外を移動する圧力伝達媒体の流量がほぼゼロとなる。これにより、圧力制御部7の出力と外圧Poutとは線形性を有するため、圧力検出感度の線形性を向上することが可能となる。
(演算処理部の動作)
次に、演算処理部6の動作について、説明する。
演算処理部6の役割は、主に2つある。一つは、変位測定部5の出力信号に基づいて圧力制御部7への出力信号を生成すること、もう一つは圧力制御部7の出力信号から外圧Poutを算出して、圧力センサ1の出力信号として出力することである。
まず、圧力制御部7への出力信号の生成について述べる。
前述したように、カンチレバー4が変形しないように圧力制御部7を動作させる必要がある。具体的には、カンチレバー4の変形量に対応する変位測定部5の出力信号を読み込み、これを変位ゼロの場合の変位測定部5の出力との差分を算出、ゲイン調整を行い、圧力制御部7に出力することを、ごく短い所定時間間隔で繰り返すというサーボ制御を行う。この圧力制御部7の動作により、変位測定部5の出力値の変動は小さくなり、カンチレバー4は撓み変形しなくなる。なお、演算処理部6は、この処理に使用する変位ゼロの場合の変位測定部5の出力値や初期ゲイン値等をメモリに格納しておくものとする。
次に、外圧Poutの算出について述べる。
測定初期の外圧Pout(t=0)、キャビティ10の容積V(t=0)とし、各時刻tにおける外圧Pout(t)、キャビティ10の容積V(t)とする。
まず、圧力制御部7の出力信号からキャビティ容積V(t)を求める。これは予めメモリ内に格納された圧力制御部7の出力信号とキャビティ容積Vとのテーブルから、必要なキャビティ容積V(t)を読み出す。
次に、ボイルの法則からPout(t)×V(t)=Pout(t=0)×V(t=0)であるため、各時刻tにおける外圧は、以下の式で求めることができる。
Pout(t)=Pout(t=0)×V(t=0)/V(t)
このため、求めたV(t)とメモリ内に格納されたPout(t=0)とV(t=0)を読み出し、各時刻tにおける外圧Pout(t)を求めることができる。
この値に基づいて、演算処理部6は出力信号を生成する。
以上により、演算処理部6により、圧力制御部7の動作を制御することができるため、外圧Poutと内圧Pinをほぼ等しく保つことができる。同時に、圧力制御部7の出力信号から外圧Poutを算出し、演算処理部6の出力信号とすることができる。
なお、駆動機構71の可動範囲を超えて、外圧Poutが変化した場合、演算処理部6からエラー信号を出力して、駆動機構71を原点復帰させた後、前述同様に圧力制御部7の制御を開始することとする。これにより、エラー信号出力前後での、外圧Poutの変動は連続的に測定できないものの、エラー信号前とエラー信号後各々の期間において、外圧Poutの圧力変動を時系列で測定することが可能となる。また、非常に急激な圧力変化が圧力センサ1に加わった場合に、圧力制御部7の動作によってカンチレバー4に急激な差圧が加わることを抑制することができる。これによりカンチレバー4の破損を防止することも可能となる。
上述したように、本実施形態の圧力センサ1によれば、圧力変動の検出を精度よく行うことができるとともに、検出感度の線形性向上することが可能となる。
(変形例1)
本発明に係る第一の実施形態の圧力センサ1では、圧力制御部7の構成にバイモルフ型圧電アクチュエータを利用したが、それ以外の構成でも圧力センサ1を構成可能である。
以下、圧力制御部7の駆動機構71の構成例について説明する。
図7に、薄膜状のメンブレン70をアクチュエータ71aで駆動する構成を示す。キャビティ10を二分してメンブレン70を構成し、このメンブレン70を直動のアクチュエータ71aで駆動する。アクチュエータ71aは積層型圧電素子や、直動式ボイスコイルモーター、ネジとモーター等で構成することが可能である。メンブレン70は変形領域が大きく、あまり剛性が高くないほうが望ましいが、アクチュエータ71aで屈曲変形させることが可能であれば構成可能である。
本構成の圧力センサ1の動作原理は、前述同様、アクチュエータ71aを演算処理部6からの信号に基づいて駆動し、内圧Pinと外圧Poutとの差圧が発生しないよう制御する。この時の駆動回路72の出力信号に基づいて、演算処理部6が演算処理を行い、外圧Poutの圧力変動を算出するものである。
また、可動部のない圧力制御部7でも、本発明の圧力センサ1の動作は実現可能である。圧力制御部7を、キャビティ10内部に設置した熱源と温度センサ74、熱源の動作を制御する駆動回路72とで構成する。熱源は電熱線やセラミックヒーター等でも実施可能であるが、例えば、図8に示すように、加熱/冷却可能なペルチエ素子73を利用したほうが、制御は容易である。
ここで、図8に示す圧力制御部7による内圧Pinの制御原理について説明する。
キャビティ10内の圧力伝達媒体は、内部の温度Tinにより膨張/収縮する。ボイル・シャルルの法則により、Pin/Tinは一定であるため、温度によりPinを制御することができる。したがって以下の式でPinを求めることができる。
Pin(t)=Pin(t=0)×Tin(t)/Tin(t=0)
Pin(t)はPout(t)とほぼ同じであるため、温度制御と計測によって外圧Poutの圧力変動を測定することができる。
なお、キャビティ10内部の温度を測定する温度センサ74は、熱源を設置するセンサ本体3ではなく、カンチレバー4を構成するSOI基板2に設置するほうが望ましい。これは、熱源からの熱エネルギーはキャビティ10内部の圧力伝達媒体を伝達するよりセンサ本体3を伝導するほうが早いため、温度センサ74の出力値が測定対象のキャビティ10内の温度ではなく、センサ本体3の温度を測定してしまう恐れがあるためである。設計上の都合等でセンサ本体3に温度センサ74を設置する場合、センサ本体3を熱伝導の低い物質で形成するほうが望ましい。
なお、熱膨張/収縮を利用する圧力制御部7を用いる構成を利用するには、温度による膨張/収縮率が大きいほうが実施容易であるため、圧力伝達媒体は気体であることが望ましい。
(変形例2)
本発明に係る第一の実施形態の圧力センサ1では、差圧センサとして薄膜のカンチレバー4を用いたが、それ以外の構成でも圧力センサ1を構成可能である。
図9に、差圧センサとして熱式差圧センサ9を利用した圧力センサ1を示す。
熱式差圧センサ9は、流路91と、流路91内部に設けられたヒーター92、ヒーター92に一定距離を離して設置した温度センサ93、検出回路22とからなる。熱式差圧センサ9は、センサ本体3内部に構成されたキャビティ10と外部とが両端になるよう、流路91を設置する。流路91内部にはヒーター92が設けられており、このヒーター92により加熱された圧力伝達媒体の温度が上昇することとなる。このため、流路91内部で圧力伝達媒体が移動すると、加熱された圧力伝達媒体も移動することとなる。このため、移動方向の下流側の温度センサ93で検知する温度の方が、上流側より高温を検知することとなる。この二つの温度センサで検知する温度差によって、流路91内の圧力伝達媒体の移動量を測定することができるものである。
圧力センサ1において、圧力伝達媒体がキャビティ10内部−外部間で移動するには、流路91を経由することとなる。このため流路91は連通開口として機能する。この圧力伝達媒体の移動量は、キャビティ10の内圧Pinと外圧Poutとの差圧に起因するため、両者の物理量には相関関係がある。この差圧が発生しないよう、すなわち、二つの温度センサ93が検知する温度に差がないよう圧力制御部7を駆動することにより、上述同様、外部の圧力変動を測定することが可能となる。
なお、センサ本体3は、外部の温度により膨張収縮すると、内部のキャビティ10の容積も変化してしまうため、線膨張係数の小さい材質で形成することが望ましい。
(第2の実施形態)
以下、本発明に係る第2の実施形態の圧力センサ1について説明する。第1の実施形態と同一箇所については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第1の実施形態と異なる点は、予め、既知の外圧Poutを加えた場合の、圧力制御部7の出力を測定しておき、圧力制御部7の出力から正確に外圧Poutの変動値を算出する関係式を演算処理部が有する点である。
上述した連通開口を有する差圧センサを用いて外圧Poutと内圧Pinの差圧を検出する方式では、キャビティ10内外を移動する圧力伝達媒体の流量をゼロに近づけることはできるが、ゼロにすることはできない。このため、内圧Pinの挙動は圧力制御部7の動作と、ギャップ13や流路を経由してキャビティを出入りする圧力伝達媒体とが関与することになる。
上述したように、圧力制御部7の動作だけで内圧Pinを求め、これと同値である外圧Poutであると仮定して出力すると、実際の外圧Poutの挙動とは誤差が生じることとなる。
このため、図10に示すような補正値測定装置50を用いて、出荷前に補正値を計測しておき、補正した信号を出力するようにしたものである。
補正値測定装置50は、圧力容器51とポンプ52、補正用圧力センサ53、補正値演算処理回路54とから構成される。
圧力容器51内に本発明の圧力センサ1と補正用圧力センサ53を設置し、圧力容器51とポンプ52を接続する。補正値演算処理回路54は、圧力センサ1とポンプ52、補正用圧力センサ53各々と接続する。
補正演算処理装置54からの信号により、ポンプ52が駆動し、圧力容器51内に所定の圧力変動を生成する。この時の圧力変動により出力される圧力センサ1と補正用圧力センサ53各々の信号に基づいて、補正値演算処理回路54が圧力センサ1の補正値を算出し、圧力センサ1に出力する。処理の一例として、この時の圧力センサ1と補正用圧力センサ53との出力を比較して、誤差を算出し、この値を補正値として、圧力センサ1の演算処理部6のメモリに格納させる。
なお、発生させる圧力変動の変化勾配や圧力センサ1のサンプリングによっても補正値が異なることから、ポンプ52で発生させる圧力変動は複数パターンで行い、その条件に応じた補正値を複数計測することが望ましい。
実際に圧力センサ1の出力信号を演算する際には、補正値を利用して演算した結果を出力する。
これにより、キャビティ10内外を出入りする圧力伝達媒体の流量が常にゼロでなくても、正確な外圧Poutの変動を測定することが可能となる。
(第3の実施形態)
以下、本発明に係る第3の実施形態の圧力センサ1について、図11を用いて説明する。第1及び第2の実施形態と同一箇所については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第1及び第2の実施形態と異なる点は、演算処理部6に絶対圧センサ8を接続し、外圧Poutの絶対圧力値を測定する構成を別途有する点である。
前述までの構成では、測定初期の外圧Poutや演算処理部6に格納された大気圧を基準にして、そこからの圧力変動を測定し、出力する構成となっていた。ここで、絶対圧センサ8の出力を利用して、必要に応じて基準圧を設定し、絶対圧である基準圧に対する外圧Poutの圧力変動を測定、出力することが可能となる。
具体的には、圧力センサ1の起動時やユーザーインターフェース(図示省略)からの入力時、エラー発生時等に、まず、圧力制御部7の駆動機構71を初期状態に復帰させる。圧力センサ1の時定数以上の時間を待機し、その後、演算処理部6が絶対圧センサ8の出力信号を測定し、その瞬間の外圧Poutを絶対圧で取得する。この後、前述同様に、圧力制御部7を駆動し、演算処理部6で処理を行い、出力する。
上記の動作により、圧力センサ1の出力は、絶対圧センサ8で取得した絶対圧に対する圧力変動として測定することが可能となり、より情報量の多い圧力変動を測定することが可能となる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。また、上述した各実施形態を適宜組み合わせて採用することも可能である。
1 圧力センサ
2 SOI基板
3 センサ本体
4 カンチレバー
4b カンチレバーの先端部
4a カンチレバーの基端部
5 変位測定部
6 演算処理部
7 圧力制御部
8 絶対圧センサ
9 熱式差圧センサ
10 キャビティ
20 ピエゾ抵抗
22 検出回路
50 補正値測定装置
51 圧力容器
52 ポンプ
53 補正用圧力センサ
54 補正値演算処理回路
71 駆動機構
72 駆動回路
73 ペルチエ素子
74 温度センサ
91 流路
92 ヒーター
93 温度センサ

Claims (6)

  1. 測定対象圧力を伝達する圧力伝達媒体が流入するキャビティと、前記圧力伝達媒体を前記キャビティの内部と外部に流通させる連通開口と、が形成されたセンサ本体と、
    前記センサ本体の一部に設置され、前記キャビティの内部圧力と前記外部の圧力との差圧を測定する差圧センサと、
    前記センサ本体の一側面に設置され、かつ前記差圧センサの出力に基づいて前記キャビティの内部の圧力を可変する圧力制御部と、
    前記圧力制御部からの信号を処理する演算処理部と、
    を備える圧力センサであって、
    前記演算処理部に接続された絶対圧センサをさらに備え、
    前記絶対圧センサからの出力信号に基づいて取得された初期圧力に対する圧力変動を算出することを特徴とする圧力センサ。
  2. 測定対象圧力を伝達する圧力伝達媒体が流入するキャビティと、前記圧力伝達媒体を前記キャビティの内部と外部に流通させる連通開口と、が形成されたセンサ本体と、
    前記センサ本体の一部に設置され、前記キャビティの内部圧力と前記外部の圧力との差圧を測定する差圧センサと、
    前記センサ本体の一側面に設置され、かつ前記差圧センサの出力に基づいて前記キャビティの内部の圧力を可変する圧力制御部と、
    前記圧力制御部からの信号を処理する演算処理部と、
    を備える圧力センサであって、
    前記演算処理部は、所定の圧力変動における圧力制御部からの出力信号により算出された補正値に基づいて、演算した結果を出力することを特徴とする圧力センサ。
  3. 前記差圧センサは、基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状であり、かつ、前記基端部が前記センサ本体に片持ち状に支持され、前記先端部が前記連通開口に沿って配設された構造を有し、前記キャビティの内部と外部との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの撓み変形を測定する変位測定部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサ。
  4. 前記圧力制御部は、前記キャビティと前記外部との差圧がゼロに近づくよう制御されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の圧力センサ。
  5. 前記圧力制御部は、屈曲変形する駆動機構を有し、前記屈曲変形することにより前記キャビティの容積を可変することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の圧力センサ。
  6. 前記圧力制御部は、キャビティ内部の圧力伝達媒体の温度を可変する制御機構を有し、前記キャビティ内部の前記圧力伝達媒体の膨張もしくは収縮させることにより前記キャビティ内の圧力を可変することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の圧力センサ。
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