JPH0794585B2 - メタクリル酸エステル系樹脂組成物 - Google Patents

メタクリル酸エステル系樹脂組成物

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JPH0794585B2
JPH0794585B2 JP17483589A JP17483589A JPH0794585B2 JP H0794585 B2 JPH0794585 B2 JP H0794585B2 JP 17483589 A JP17483589 A JP 17483589A JP 17483589 A JP17483589 A JP 17483589A JP H0794585 B2 JPH0794585 B2 JP H0794585B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐候性、透明性、耐衝撃性に優れたフィルムを
形成しうる加工性に優れた架橋アクリル酸エステル系弾
性体含有メタクリル酸エステル系樹脂組成物に関する。
さらに詳しくは、アクリル酸エステルを主成分とする特
定のゲル分率とゲル含量を有する架橋アクリル酸エステ
ル系弾性体に、メタクリル酸エステルを主成分とする単
量体をグラフト重合させた架橋アクリル酸エステル系弾
性体含有メタクリル酸エステル系樹脂組成物に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] メタクリル酸エステル系樹脂はプラスチックの中でもと
くに耐候性および透明性に優れ、種々の産業分野、たと
えばシートまたはフィルム状に成形し、プラスチック、
木材、金属など種々の材料にラミネートして基材の劣化
を防止したり、美観を維持したりする分野などに広く用
いられている。
たとえば耐候性と耐衝撃性を有する架橋アクリル酸エス
テル系弾性体(以下、架橋弾性体という)に(メタ)ア
クリル酸エステル系モノマーをグラフトさせ、メタクリ
ル酸エステル系の樹脂成分中に分散させ、これを用いて
フィルムをうるばあい、架橋弾性体のゲル含量を一定量
以下、たとえばゲル含量を80%以上(特公昭49-46159号
公報)にすることにより、耐衝撃性、耐候性および成形
加工性を向上させたフィルム、またゲル含量を60%以上
(特公昭54-33277号公報)にすることにより、加工性、
応力白化性および機械的強度を向上させたフィルムなど
が製造されている。
ところが、該フィルムを溶融押出し法や溶液キャスティ
ング法で成形するばあい、溶融粘度が高く加工し難い、
フィルムの濁度が劣り特徴とする高度な透明性がえられ
難いなどの問題がある。
[課題を解決するための手段] このような状況に鑑み、本発明者は鋭意検討を重ねた結
果、架橋弾性体のゲル分率とゲル含量を特定の範囲にす
ることにより、溶融粘度が低く加工性に優れ、表面光沢
度が高く、濁度(ヘイズ値)が低く、高透明なフィルム
を形成しうる樹脂組成物が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
本発明は、 アクリル酸アルキルエステル60%(重量%、以下同様)
以下とメタクリル酸アルキルエステル40%以下とを含む
単量体および該単量体と共重合しうる1分子当り2個以
上の非共役二重結合を有する多官能性単量体からなるゲ
ル分率が60%以上、ゲル含量が50%以下の架橋アクリル
酸エステル系弾性体10〜50部(重量部、以下同様)と、 この架橋アクリル酸エステル系弾性体の存在下でメタク
リル酸アルキルエステル60%以上およびアクリル酸アル
キルエステル40%以下からなる単量体を重合せしめてえ
られた樹脂成分50〜90部とからなり、前記弾性体と樹脂
成分とが合計量が100部になるように配合せしめられた
メタクリル酸エステル系樹脂組成物 に関する。
[実施例] 本発明に用いられる特定の架橋アクリル酸エステル系弾
性体(以下、特定の架橋弾性体という)は、樹脂に強靱
性や柔軟性を付与し、良好な加工性と優れた透明性およ
び表面光沢性を付与するために使用される成分である。
特定の架橋弾性体を構成するアクリル酸アルキルエステ
ルは、重合反応性やコストの点からアルキル基の炭素数
が1〜8であるのが好ましく、直鎖状でも分岐鎖状でも
よい。その具体例としては、たとえばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
n−オクチルなどがあげられ、これらの単量体は2種以
上が併用されていてもよい。
これらとともに共重合させうるメタクリル酸アルキルエ
ステルは、重合反応性やコストの点からアルキル基の炭
素数が1〜4であるのが好ましく、直鎖状でも分岐鎖状
でもよい。メタクリル酸メチルがその代表的なもので、
その他にメタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸ブチルなどがあげられ、これらの単量体は
2種以上が併用されていてもよい。
特定の架橋弾性体中のアクリル酸アルキルエステルとメ
タクリル酸アルキルエステルとの割合は、前者60〜100
%、好ましくは75〜95%に対して、後者0〜40%、好ま
しくは5〜25%である。アクリル酸アルキルエステルの
割合が60%未満になると架橋弾性体の性能が低下し、成
形されたフィルムは脆弱になる。特定の架橋弾性体のガ
ラス転移温度(以下、Tgという)を高めると室温下での
衝撃エネルギーの吸収の点で不利であるという面から
も、メタクリル酸アルキルエステルの割合には上記のご
とき限定があり、通常の成形体などに用いるばあいには
Tgが0℃以下、さらには−10℃以下であるのが好まし
い。
さらに要すれば前記アクリル酸アルキルエステルやメタ
クリル酸アルキルエステルと共重合可能なエチレン系単
量体を、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル
酸アルキルエステルの好ましくは20%以下、さらに好ま
しくは10%以下の範囲でそれらのかわりに用いてもよ
い。該割合が20%をこえるとアクリル酸エステル系弾性
体の特徴である耐候性が低下し、好ましくない。
前記共重合可能なエチレン系単量体としては、たとえば
塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル、アク
リロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニ
ル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど
のビニルエステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレンなどの芳香族ビニル誘導体、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン、ア
クリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウ
ムなどのアクリル酸およびその塩、β−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、
グリシジルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミドなどのアクリル酸エステル誘導体、
メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸
カルシウムなどのメタクリル酸およびその塩、β−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル
アミド、ポリエチレングリコールメタクリレート類など
のメタクリル酸エステル誘導体などをあげることができ
る。
特定の架橋弾性体には、架橋性の1分子当り2個以上の
非共役二重結合を有する多官能性単量体が共重合せしめ
られている。該多官能性単量体が共重合せしめられてい
るため、えられる重合体が架橋重合体となるとともに未
反応の反応性官能基がグラフト交叉点となり、このグラ
フト交叉点に樹脂成分がグラフトし、特定の架橋弾性体
が樹脂成分中に不連続かつ均一に分散する。そのため、
透明性を損うことなく、特定の架橋弾性体の機械的性能
が発現される。
この目的で用いられる多官能性単量体は通常使用される
ものでよく、たとえばエチレングリコールジメタクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタク
リレートおよびこれらのアクリレート類、ジビニルベン
ゼン、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジビニ
ルアジペート、アリルアクリレート、アリルメタクリレ
ート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レートなどを使用することができる。これらの多官能性
単量体を2種以上使用してもよい。前記多官能性単量体
の割合は、特定の架橋弾性体のゲル分率およびゲル含量
の点から特定の架橋弾性体中に0.2〜10%であるのが好
ましい。
以上のごとき成分からなる特定の架橋弾性体は、その機
能を発現するために、適度に架橋されていることが必要
であり、架橋することによって発生するゲル(架橋ポリ
マー)分が一定以上あることが必要である。しかも、本
発明においては、ゲル含量(100メッシュのステンレス
金網でつくったハリスかごに残るポリマーの量)よりも
ゲル分率(ゲル含量に含まれる架橋物以外に、100メッ
シュのステンレス金網を通り抜けるミクロゲルも含むゲ
ルの割合)が重要である。すなわち、表面光沢と透明性
に優れたフィルムを形成しうる樹脂組成物をうるために
は、ゲル分率が60%以上、ゲル含量が50%以下であるこ
とが必要であり、さらにゲル分率が70%以上、ゲル含量
が40%以下であるのが好ましい。
なお、ゲル分率とは、つぎのようにして算出される値を
いう。
特定の架橋弾性体を含むラテックスを塩析し、えられた
弾性体を60℃以下で真空乾燥する。この弾性体約1gを精
秤(W1 g)し、これにメチルエチルケトンを40〜45ml添
加し一夜静置する。この溶液の不溶分と可溶分とを遠心
分離(30,000rpm×90分)し、不溶分を秤量瓶に取出し
て減圧乾燥し、その重量(W2 g)を測定する。ついで次
式によりゲル分率を算出する。
ゲル含量の測定はJIS K 6388に準拠し、詳しくはつぎの
とおりである。前記ゲル分率の測定と同様に、弾性体を
含むラテックスを塩析し、えられた弾性体を60℃以下で
真空乾燥する。この弾性体(W3 g)を149μmのステン
レス鋼線製金網(100メッシュ金網 目開き147μm)で
作ったハリスかごに入れ、室温で約200倍量のメチルエ
チルケトンに浸漬し、24時間静置する。つぎにハリスか
ごを取出し、減圧乾燥後105℃の乾燥機で恒量になるま
で乾燥し、ハリスかごに残ったゲル分の重量(W4 g)を
測定する。ついで次式によりゲル含量を算出する。
ゲル分率が60%未満の架橋弾性体からえられる樹脂組成
物は樹脂成分に分散した架橋弾性体の分散状態が加工条
件によって変動し、フィルムなどに成形したばあい成形
ムラを生じやすくなる。また、加工が困難でフィルムの
機械強度も低下する。また、ゲル含量が50%をこえる弾
性体からえられる樹脂組成物では、加工時の溶融粘度が
高く加工性に問題があり、表面光沢性と透明性に優れる
フィルムがえられにくい。
すなわち、ゲル分率を60%以上にし、ゲル含量を50%以
下にすることにより、好ましくはゲル分率を70%以上に
し、ゲル含量を40%以下にすることにより始めて所望の
加工性と物性を備えた樹脂組成物がえられる。
前記特定の架橋弾性体は、透明性と機械的強度や耐衝撃
性のバランスの点から平均粒子径が300〜2000Åである
のが好ましい。
つぎに前記特定の架橋弾性体の製法を説明する。
特定の架橋弾性体はアクリル酸アルキルエステルやメタ
クリル酸アルキルエステルに、これらと共重合可能な1
分子当り2個以上の非共約二重結合を有する多官能性単
量体を加えた混合物を乳化重合(第1段階の重合)して
製造される。
単量体は重合の最初に全量一括で仕込んでもよく、連続
追加してもよい。または一部を仕込んで重合しシードを
作製したのち、残りを連続追加してもよい。重合発熱の
制御や粒子径調整の目的に応じて選択することができ
る。
ゲル分率およびゲル含量は多官能性単量体の種類および
量の他に重合温度、開始剤の種類とその使用量、分子量
調節剤の有無などの重合条件によって変動するので、そ
れらを調節することにより前記ゲル分率およびゲル含量
に調節することができる。
該乳化重合に使用される重合開始剤は、通常の遊離基発
生開始剤である。その具体例としては、たとえば過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物、キュ
メンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパ
ーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサ
イドなどの有機ハイドロパーオキサイド、ジターシャリ
ーブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
ベンゾイルバーオキサイド、ターシャリーブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネートなどの有機過酸化物やア
ゾイソブチロニトリルなどの油溶性開始剤があげられ
る。
さらに、これらと亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒ
ドスルフォキシレート、グルコース、ポリアミン、アス
コルビン酸、ヒドロキシアセトン酸、硫酸第一鉄、硫酸
第一鉄とエチレンジアミン四酢酸ナトリウムの錯体など
の還元剤と組み合わせた通常のレドックス系開始剤も使
用することができる。
とくに、レドックス系開始剤を使用すると、重合開始時
誘導期が解消されるとともに、本発明に用いる低ゲル含
量弾性体がえられやすい。
該乳化重合に使用可能な界面活性剤はとくに限定はな
く、通常の乳化重合用の界面活性剤を使用することがで
きる。たとえば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、長鎖
アルキルカルボン酸塩などの陰イオン性界面活性剤や、
アルキルフェノール類、脂肪族アルコール、アルキルフ
ェノール類、脂肪族アルコールおよびプロピレンオキサ
イド類とエチレンオキサイドとの反応生成物などの非イ
オン性界面活性剤などである。これらの界面活性剤は単
独で用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらに要
すればアルキルアミン塩酸塩などの陽イオン性界面活性
剤を使用してもよい。
本発明のメタクリル酸エステル系樹脂組成物は、前記特
定の架橋弾性体と、該弾性体エマルジョンの存在下でメ
タクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体を重
合せしめてえられた樹脂成分とからなる樹脂組成物であ
る。
該樹脂成分は特定の架橋弾性体を幹とするグラフト部分
と該グラフト部分と同一組成のマトリクス部分を構成す
る成分である。
本発明の樹脂組成物は前記のごとく製造されるため、樹
脂成分のグラフト部分とマトリクス部分の組成が特定の
架橋弾性体同士の凝集を防止し、組成物全体が均質な分
散物としてえられるのである。
樹脂成分のうち、グラフト部分の割合は通常15〜80%で
あるのが好ましい。15%未満では本発明の樹脂組成物製
造中の架橋弾性体同士の凝集防止は困難で成形フィルム
の透明性が低下する傾向があり、80%をこえると溶融延
伸性が低下し、加工性が低下する傾向がある。
前記樹脂成分を構成する単量体はメタクリル酸アルキル
エステル60〜100%、好ましくは80〜100%とアクリル酸
アルキルエステル0〜40%、好ましくは0〜20%とから
なる。メタクリル酸アルキルエステルの割合が60%未満
になると軟化温度が低下し、ブロッキングをおこすなど
の問題が生じる。
樹脂成分となるメタクリル酸アルキルエステルおよびア
クリル酸アルキルエステルとしては、特定の架橋弾性体
を構成するものと同様のものを用いるのが好ましい。
さらに要すれば特定の架橋弾性体のばあいと同様にメタ
クリル酸アルキルエステルおよびアクリル酸アルキルエ
ステルの10%以下をこれら単量体と共重合しうる前記と
同様のエチレン系単量体でおきかえてもよい。
本発明の組成物においては、特定の架橋弾性体と樹脂成
分とは、特定の架橋弾性体が固形分として10〜50部、好
ましくは20〜40部、樹脂成分が50〜90部、好ましくは60
〜80部で、その合計が100部になるように配合せしめら
れている。
特定の架橋弾性体の量が10部未満になるとえられる樹脂
組成物の強靱性や柔軟性が充分でなくなり、50部をこえ
ると硬度や軟化温度が低下し、実用に適さなくなる。
樹脂成分単量体を特定の架橋弾性体にグラフト重合させ
る第二段階の重合法にはとくに限定はなく、全量を最初
に加えて重合することも、またその全部または一部を添
加しつつ重合してもよい。その他必要に応じ分子量調節
剤を添加することもできる。
また、第二段階の重合に使用される重合開始剤として
は、特定の架橋弾性体を製造する際の第一段階の重合に
用いるものと同様のものを用いることができる。なお、
重合開始剤は第一段階および第二段階を通じて同種でも
よく、異種でもよい。
さらに界面活性剤を第二段階の重合開始時もしくは重合
途中に用いてもよい。そのばあい第一段階の重合に用い
るものと同様のものでよい。
えられた重合体ラテックスは、コアーシェルタイプの重
合体粒子からなり、その平均粒子径は400〜3000Å程度
である。
第二段階の重合でえられた重合体ラテックスは通常の凝
固(たとえば塩や酸を用いた凝固)と洗浄により、また
は噴霧、凍結乾燥などにより処理され、樹脂分が分離回
収される。
えられた樹脂分は、通常粉末状または顆粒状の粉体で、
その平均粒子径は50〜500μm程度、見掛比重は0.2〜0.
6程度である。ただし用途、目的により処理方法をコン
トロールすることにより前記範囲外のものをうることも
できる。
本発明の樹脂組成物を通常のフィルムやシートの製膜
法、すなわちインフレーション法、T型ダイス法、カレ
ンダー法などの溶融押出法や溶液流延法により加工する
と、耐候性、透明性、表面光沢性に優れたフィルムやシ
ートがえられる。
本発明の樹脂組成物には着色のための有機系または無機
系の顔料や染料、熱や光に対する安定性を増すための抗
酸化剤や紫外線吸収剤などを添加してもよい。また、た
とえばPMMA、PVCなどとブレンドしてもよい。
えられたフィルムやシートは、たとえばプラスチック、
木材、金属などの劣化防止、美観維持などのために用い
るラミネート用のフィルムやシートとして有用である。
以下、実施例に基づき本発明の樹脂組成物を具体的に説
明する。
なお、実施例中の物性、加工性評価はつぎの方法を用い
て行なった。
フロー値:高化式フローテスター((株)島津製作所製
のCFT-500)にてB法フロー値を測定する。単位:×10
-2ml/s.,条件:230℃、75kg荷重、ノズル1mmφ×10mmL 濁度:JIS K 7105に準拠して測定する。
光沢:JIS Z 8741に準拠して測定(60°鏡面反射)す
る。
フィルム伸度:JIS K 6732に準拠して測定する。
表面硬度:フィルムを積層し加工熱プレスにより厚さ3m
mのプレス板を作製し、JIS K 7202に準拠して測定す
る。
ビカット軟化温度:ISO R-306に準拠して測定する。
加工安定性:インフレーション成形時のバブルの安定性
を調べる。安定なものを良好(○)とし、やや不安定な
ものをやや不良(△)、不安定なものを不良(×)とし
た。
また、主副原料の略号の内容を以下に示す。
Fe:硫酸第一鉄(7水塩) EDTA:エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム BA:アクリル酸ブチル MMA :メタクリル酸メチル CHP :クメンハイドロパーオキサイド TAIC:トリアリルイソシアヌレート TAC :トリアリルシアヌレート DAP :ジアリルフタレート 実施例1 撹拌機、温度計、チッ素ガス導入管、モノマー供給管お
よび還流冷却器をそなえた8l重合機に下記混合物(1)
を仕込み、機内をチッ素ガスで充分に置換して実施的に
酸素の影響がない状態としたのち、内温を40℃に設定し
た。そののち、内温を40℃に保ちながら、混合物(2)
を2時間で連続的に添加して重合させ、添加終了後、さ
らに1時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にし
て、架橋弾性体(A)を含む第一段階のラテックスをえ
た。えられた架橋弾性体のゲル分率、ゲル含量は第1表
に示した通りであり、平均粒子径は約800Åであった。
つぎに内温を80℃に昇温したのち、混合物(3)を4時
間で連続的に添加して重合させ、添加終了後、さらに1
時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にして重合を
完了し、第二段階のラテックスをえた。
混合物(1):脱イオン水…200部(4kg) ジオクチルスルホコハク酸ソーダ…0.5部 ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート…0.1
部 Fe…0.001部 EDTA…0.004 混合物(2):BA……27部 NMA……3部 CHP……0.06部 TAIC…0.3部 混合物(3):NMA…59.5 BA…10.5部 CHP…0.2部 このようにしてえられたラテックスを常法にしたがい塩
析、凝固させたのち熱処理し、冷却後脱水、洗浄、乾燥
を行ない、樹脂組成物をえた。
えられた樹脂組成物100部に紫外線吸収剤(チバガイギ
ー社製のチヌビンP)2部を添加し、40mm押出し機でペ
レット化した。このペレットを用いてダイス温度240℃
でインフレーション成形し、厚さ50μmのフィルムを製
膜した。このばあいの加工性およびフィルム物性を第1
表に示す。
比較例1 第一段階のラテックスを製造する際に、FeとEDTAの混合
水溶液を添加しない他は実施例1と同様にして樹脂を製
造し、ペレット化を経て厚さ50μmのフィルムを製膜し
た。このばあいの加工性およびフィルム物性を第1表に
示す。
実施例2〜7および比較例2〜4 実施例1における架橋性アクリル酸エステル系単量体混
合物(2)中の架橋剤の種類と量を第2表に示したよう
に変更したほかは実施例1に示した方法によりメタクリ
ル樹脂組成物をえた。そのフィルム加工性と物性を測定
した結果を第2表に示す。
実施例8〜10および比較例5 実施例1における架橋性アクリル酸エステル系単量体混
合物(1)中の単量体の組成を第3表に示したように変
更したほかは実施例1に示した方法によりメタクリル樹
脂組成物をえた。そのフィルム物性を測定した結果を第
3表に示す。
第3表の結果から架橋弾性体のアクリル酸アルキルエス
テル(アクリル酸ブチル)の組成比率が40%以下になる
とフィルム伸度がきわめて低く、脆弱なフィルムとなる
ことがわかる。
実施例11〜14および比較例6 実施例1における架橋弾性体の割合を第4表に示したよ
うに変更したほかは実施例1に示した方法によりメタク
リル樹脂組成物をえた。そのフィルム物性を測定した結
果を第4表に示す。なお、樹脂成分単量体の組成、単量
体に対する開始剤の割合は実施例1と同じになるように
した。
第4表の結果から、架橋弾性体が10%未満ではフィルム
伸度が低く、脆弱なフィルムとなり、50%までは表面硬
度が優れていることがわかる。
実施例15〜18および比較例7 実施例1で使用した樹脂成分を構成する単量体混合物の
かわりに第5表に示す組成比率の単量体混合物を合成量
が70部になるように用いたほかは実施例1と同様にし
て、樹脂組成物をえた。そのフィルム物性の測定結果を
示す。
第5表の結果から、メタクリル酸アルキルエステル(メ
タクリル酸メチル)が60%未満では軟化温度が低過ぎ好
ましくないことがわかる。
[発明の効果] 本発明のメタクリル酸エステル系樹脂組成物は、架橋弾
性体のゲル分率とゲル含量を特定の範囲にすることによ
り、加工性と透明性や表面光沢性の物性が優れたフィル
ム用樹脂を提供するという効果を奏するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル酸アルキルエステル60重量%以上
    とメタクリル酸アルキルエステル40重量%以下とを含む
    単量体および該単量体と共重合しうる1分子当り2個以
    上の非共役二重結合を有する多官能性単量体からなるゲ
    ル分率が60%以上、ゲル含量が50%以下の架橋アクリル
    酸エステル系弾性体10〜50重量部と、 この架橋アクリル酸エスエル系弾性体の存在下でメタク
    リル酸アルキルエステル60重量%以上およびアクリル酸
    アルキルエステル40重量%以下からなる単量体を重合せ
    しめてえられた樹脂成分50〜90重量部 とからなり、前記弾性体と樹脂成分とが合計量が100重
    量部になるように配合せしめられたメタクリル酸エステ
    ル系樹脂組成物。
JP17483589A 1989-07-05 1989-07-05 メタクリル酸エステル系樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0794585B2 (ja)

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