JPH0794089A - 陰極線管の反射帯電防止膜形成方法 - Google Patents

陰極線管の反射帯電防止膜形成方法

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JPH0794089A
JPH0794089A JP24022393A JP24022393A JPH0794089A JP H0794089 A JPH0794089 A JP H0794089A JP 24022393 A JP24022393 A JP 24022393A JP 24022393 A JP24022393 A JP 24022393A JP H0794089 A JPH0794089 A JP H0794089A
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film
layer
polyvinyl alcohol
forming
alcohol solution
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JP24022393A
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Tsuyoshi Ishizaki
剛志 石崎
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 陰極線管の反射帯電防止膜形成方法におい
て、フェース部20外表面に帯電防止効果をもつ高屈折率
の下層31を形成する工程と、珪酸エステルのアルコール
溶液にポリビニルアルコール溶液を混合分散し、ポリビ
ニルアルコール溶液が粒径200μm 以下の微粒子とし
て均一に混在する分散液を造り、この分散液を帯電かつ
紫外線を照射しながら下層上にスプレーし乾燥して、珪
酸エステル中にポリビニルアルコールの微粒子47が混在
する混在層48を形成する工程と、水洗処理により混在層
中のポリビニルアルコールを除去して、表面に凹凸ピッ
チが50〜200μm 、凹凸の平均高さが50〜100
μm の凹凸を有する上層30を形成する工程とにより反射
帯電防止膜を形成するようにした。 【効果】 表示画像の解像度の低下させない所望の反射
帯電防止膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陰極線管のフェース
部外表面に反射帯電防止膜を形成する陰極線管の反射帯
電防止膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に陰極線管は、外表面が平滑なガラ
ス製フェース部の内面に蛍光体スクリーンが形成され、
電子銃から放出される電子ビームを偏向装置の発生する
磁界により偏向して、上記蛍光体スクリーンを水平、垂
直走査するこにより、画像を表示し、この画像をフェー
ス部を通して外側から観察する構造に形成されている。
そのため、フェース部の外表面が平滑であると、その外
表面での外光の反射が表示画像と重なり、フェース部を
通して観察する画像の品質を劣化する。
【0003】また陰極線管は、駆動時、蛍光体スクリー
ンに17〜27 kV程度の高電圧が印加される。そのた
め、フェース部内面の電荷が静電誘導によりフェース部
外表面に誘導されて帯電し、大気中の塵埃などの付着に
より表示画像を見にくくする。また視聴者がフェース部
外表面に触れると、衝撃を受け不快感を感ずる。
【0004】このようなフェース部外表面での外光の反
射や帯電を防止するために、従来よりフェース部の外表
面に反射帯電防止膜を形成した陰極線管がある。その反
射帯電防止膜の形成方法として、つぎの方法が知られて
いる。
【0005】(イ) フェース部外表面に研磨剤を吹付
け(サンドブラスト法)、さらに弗化水素酸により腐蝕
処理して、図5に示すように、フェース部1の外表面に
微細な凹凸を形成し、その凹凸面にCVD法によりSn
2 膜を形成して凹凸膜からなる反射帯電防止膜2とす
る方法。
【0006】この方法は、CVD法によりSnO2 膜を
形成するとき、460℃の高温加熱が必要である。また
完成した陰極線管に対しては加工することができない。
また陰極線管製造工程における酸処理時の腐蝕により凹
凸面が変化し、再生が不可能となる。またフェース部1
外表面に欠陥が生じた場合も、同様に再生が不可能とな
る。さらにこの場合形成される反射帯電防止膜2は、一
般に平均山間隔P、十点平均粗さRz が、 P=10〜20μm Rz =0.5〜1.5μm となり、透過光を拡散して表示画像の解像度を劣化する
などの問題がある。
【0007】(ロ) 珪酸エステルのアルコール溶液に
Sb2 3 をドープしたSnO2 超微粒子を分散させた
分散液を、あらかじめ50〜60℃に予備加熱したフェ
ース部の外表面に塗布し、150℃以上に加熱焼成して
アルコール成分を蒸発させ、珪酸エステルの縮合によ
り、図6に示すように、Sb2 3 をドープしたSnO
2 超微粒子3を含む凹凸膜からなる反射帯電防止膜2を
形成する方法。
【0008】この方法は、比較的容易に反射帯電防止膜
2を形成することができる。また完成した陰極線管にも
適用可能であり、再生も可能である。しかし上記(イ)
の方法と同様に平均山間隔P、十点平均粗さRz が、 P=10〜20μm Rz =0.5〜1.5μm となり、透過光を拡散して表示画像の解像度を劣化する
という問題がある。
【0009】(ハ) 珪酸エステルのアルコール溶液
に、直径10〜1000μm のSiO2 (およびMgF
2 )微粒子およびSb2 3 をドープしたSnO2 超微
粒子を分散させた分散液をディッピンク法やスピン法に
よりフェース部の外表面に塗布し、150℃以上に加熱
焼成して、図7に示すように、SiO2 微粒子4および
Sb2 3 をドープしたSnO2 超微粒子3を含む凹凸
膜からなる反射帯電防止膜2を形成する方法。
【0010】この方法も比較的容易に反射帯電防止膜2
を形成することができる。この場合形成される反射帯電
防止膜2は、膜中に含まれるSb2 3 をドープしたS
nO2 超微粒子3により帯電防止効果が得られ、SiO
2 微粒子4により得られる表面の微細凹凸により、空気
−膜表面間に連続的な体積比変化が発生して、膜の屈折
率が低くなり、可視光域(380〜650nm)の広範囲
で低反射スペクトルを有する反射特性をもつ。しかしこ
の反射帯電防止膜2は、SiO2 微粒子4による拡散作
用が大きいため、膜全体が曇った状態(ヘイズ)とな
り、表示画像の解像度を劣化する。またSiO2 微粒子
4とSb2 3 をドープしたSnO2 超微粒子3との結
合が弱く、耐摩耗性がいちじるしく低いなどの問題があ
る。
【0011】(ニ) 蒸着によりフェース部外表面に多
層蒸着膜からなる反射帯電防止膜を形成する方法。
【0012】図8にその一例を示す。この反射帯電防止
膜2は、第1層5にMgF2 (屈折率n5 =1.3
8)、第2層6にTiO2 +Pr6 O11(屈折率n6 =
2.06)、第3層7にMgF2 (屈折率n7 =1.3
8)、第4層8にSb2 3 をドープしたIn2 3
蒸着し、この第4層8のSb2 3 をドープしたIn2
3 で帯電防止効果を得、第1層ないし第4層5〜8の
干渉作用により正反射率Rlum を0.1%以下にしてい
る。
【0013】しかしこの方法は、これを陰極線管に適用
しようとすると、大規模な設備が必要となり、製品コス
トの上昇を招く。しかも陰極線管製造時の傷の発生や再
生にも問題がある。
【0014】(ホ) 珪酸エステルのアルコール溶液ま
たは金属アルコキシド溶液に酸化物超微粒子を分散させ
た分散液をスピン法によりフェース部外表面に塗布し、
加熱焼成して縮合させ(ゾル−ゲル法)、多層膜からな
る反射帯電防止膜を形成する方法。
【0015】図9にその一例として2層構造の反射帯電
防止膜2を示す。この反射帯電防止膜2は、第1層9
(上層)がSiO2 (屈折率n9 =1.46)、第2層
10(下層)を珪酸エステルのアルコール溶液とTiの
アルコキシド溶液にSb2 3をドープしたSnO2
微粒子を分散させた分散液を塗布し、Sb2 3 をドー
プしたSnO2 超微粒子3を含むSiO2 とTiO2
の混在構造に形成されている。
【0016】この反射帯電防止膜2では、Sb2 3
ドープしたSnO2 超微粒子3により帯電防止効果を
得、2層9、10の干渉効果により反射防止効果を得て
いる。しかしこのような多層膜構造は、高屈折率または
低屈折率の酸化物超微粒子、縮合した金属アルコキシ
ド、SiO2 の混在構造となるため、膜自体の屈折率
が、酸化物超微粒子の屈折率が縮合した金属アルコキシ
ドの屈折率よりも低い場合は高く、逆に酸化物超微粒子
の屈折率が縮合した金属アルコキシドの屈折率よりも高
い場合は低くなり、所望の反射特性が得にくい。
【0017】一般に低反射特性を示す多層膜は、nを屈
折率、dを膜厚、λを可視光域の中心波長(500nm)
とすると、 n×d=λ/4 を満足するように低屈折率膜と高屈折率膜を組合わせて
形成される。しかし低屈折率膜の屈折率を低くするため
に低屈折率の酸化物超微粒子を混入する場合は、耐摩耗
性も含めた総合特性から、 n=1.40 が限度となる。この場合、高屈折率膜としては、1.7
3以上の屈折率が必要となり、金属アルコキシドに高屈
折率の酸化物超微粒子を混入しても、1.73以上の高
屈折率膜にすることは難しく、反射特性を低くすること
が困難である。図9に示した反射帯電防止膜2では、第
1層9の屈折率n9 n9 =1.46 に対して、第2層10の屈折率n10は、 n10=1.65 であり、2層構造の正反射率Rlum は、約1.0%であ
り、反射特性として不十分である。
【0018】このような反射特性を改善するためには、
酸化物超微粒子あるいは金属アルコキシドを多くしなけ
ればならず、膜中でのSiO2 結合が低下して耐摩耗性
がいちじるしく劣化する。
【0019】また2層以上の多層構造とすると、低反射
率化、低反射スペクトルの広域化が実現可能である。し
かしゾル−ゲル法では、特に多層膜の場合、膜厚の制御
が難しく、膜厚の不均一に起因する色むらが発生する。
【0020】要するに、ゾル−ゲル法により低反射率お
よび低反射スペクトルの広域化を実現しようとすると、
製造面で膜厚の制御、特性面で反射特性および耐摩耗性
が問題となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、陰極線
管の反射帯電防止膜形成方法として、従来より、 (イ) フェース部の外表面に微細な凹凸を形成し、そ
の凹凸面にCVD法によりSnO2 膜を形成して凹凸膜
からなる反射帯電防止膜とする方法 (ロ) 珪酸エステルのアルコール溶液にSb2 3
ドープしたSnO2 超微粒子を分散させた分散液を塗布
して、Sb2 3 をドープしたSnO2 超微粒子を含む
凹凸膜からなる反射帯電防止膜を形成する方法 (ハ) 珪酸エステルのアルコール溶液にSiO2 やM
gF2 微粒子およびSb2 3 をドープしたSnO2
微粒子を分散させた分散液をディッピンク法やスピン法
により塗布して、SiO2 やMgF2 微粒子およびSb
2 3 をドープしたSnO2 超微粒子を含む凹凸膜から
なる反射帯電防止膜を形成する方法 (ニ) 蒸着により多層蒸着膜からなる反射帯電防止膜
を形成する方法 (ホ) 珪酸エステルのアルコール溶液または金属アル
コキシド溶液に酸化物超微粒子を分散させた分散液をス
ピン法により塗布して、ゾル−ゲル法により多層膜から
なる反射帯電防止膜を形成する方法 などの各種方法がある。しかしこれら従来の反射帯電防
止膜の形成方法は、それぞれバルブの再生、表示画像の
解像度、膜の反射特性、膜の耐摩耗性などに問題があ
り、所望の反射帯電防止膜とすることが困難である。
【0022】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、低屈折率化および低反射スペクトルの広域
化が可能であり、表示画像の解像度の劣化をもたらさな
い反射帯電防止膜を容易に形成する方法を得ることを目
的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】陰極線管のフェース部外
表面に屈折率の異なる2層以上の光学膜からなる反射帯
電防止膜を積層形成する陰極線管の反射帯電防止膜形成
方法において、フェース部外表面に帯電防止効果をもつ
高屈折率の下層を形成する工程と、珪酸エステルのアル
コール溶液にポリビニルアルコール溶液を混合分散し、
そのポリビニルアルコール溶液が粒径200μm 以下の
微粒子として均一に混在する分散液を造り、この分散液
を帯電させかつ紫外線を照射しながら下層上にスプレー
し乾燥して、珪酸エステル中にポリビニルアルコールの
微粒子が混在する混在層を形成する工程と、水洗処理に
より混在層中のポリビニルアルコールを除去して、表面
に凹凸ピッチが50〜200μm 、凹凸の平均高さが5
0〜100μm の凹凸を有する上層を形成する工程とに
より反射帯電防止膜を形成するようにした。
【0024】
【作用】上記のように上層の表面に凹凸ピッチが50〜
200μm 、凹凸の平均高さが50〜100μm の微細
凹凸を形成すると、空気と上層との連続的な体積比変化
により、上層の屈折率を通常の光学媒質では実現できな
い値まで低下させることができ、低屈折率化および低反
射スペクトルを広域化する反射防止膜とすることがで
き、この上層の反射特性により、下層を比較的低屈折率
にしても、たとえばSb2 3 をドープしたSnO2
微粒子を耐摩耗性の許される限りSiO2 膜中に含ませ
ることが可能となり、十分な帯電防止特性をもたせるこ
とができる。また上層の表面に非常に微細な凹凸を形成
することができるため、凹凸による拡散作用を低くで
き、表示画像の解像度の低下を防止できる。しかも上層
がSiO2 膜であるため、十分な耐摩耗性をもたせるこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0026】図3にその一実施例に係るカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、ガラス製パネル20(フェ
ース部)およびこのパネル20に一体に接合されたガラ
ス製ファンネル21からなる真空外囲器を有し、そのパ
ネル20のスカート部22の外周には、大気圧荷重に対
して真空外囲器を補強する防爆バンド23が装着されて
いる。上記パネル20の内面には、ドット状またはスト
ライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン24
が形成され、この蛍光体スクリーン24に対向して、そ
の内側にシャドウマスク25が配置されている。一方、
ファンネル21のネック26内に電子銃27が配置され
ている。そして、この電子銃27から放出される3電子
ビーム28をファンネル21の外側に装着された偏向装
置(図示せず)の発生する磁界により偏向して、蛍光体
スクリーン24を水平、垂直走査することにより、蛍光
体スクリーン24上にカラー画像を表示する構造に形成
されている。
【0027】さらにこのカラー受像管においては、上記
パネル20の外表面に反射帯電防止膜29が形成されて
いる。この反射帯電防止膜29は、2層30,31の積
層構造に形成され、そのパネル20の外表面に密着する
第2層31(下層)は、Sb2 3 をドープしたSnO
2 超微粒子32を含むTiO2 とSiO2 の混在構造に
形成され、屈折率nと膜厚dが、 n×d=λ/4 の関係を満足し、Sb2 3 をドープしたSnO2 超微
粒子32が帯電防止効果を、TiO2 とSiO2 との混
在構造層が膜の高屈折率化を達成している。これに対
し、第1層30(上層)は、表面が微細凹凸のSiO2
膜からなり、屈折率nと膜厚dが、 n×d=λ/4 の関係を満足し、その表面に凹凸ピッチPおよび平均粗
さRa が、それぞれ P=50〜200μm Ra =50〜100μm となっている。
【0028】上記反射帯電防止膜29は、つぎのように
形成される。
【0029】まずパネルの外表面を酸化セリウムで研磨
あるいはアルカリ洗剤で洗浄して汚れを除去して活性化
する。ついで図1(a)に示すように、その活性化され
たパネル20の外表面に、珪酸エステルのアルコール溶
液とTiのアルコキシド溶液に粒径10μm 以下のSb
2 3 をドープしたSnO2 超微粒子を分散した分散液
をスプレー法により塗布し乾燥して、Sb2 3 をドー
プしたSnO2 超微粒子32を含むTiO2 とSiO2
の混在構造の第2層31を形成する。
【0030】つぎに図2に示すように、珪酸エステルの
アルコール溶液33、ポリビニルアルコール溶液34お
よびポリビニルアルコールの架橋剤を加圧タンク35に
入れ、分散器36により珪酸エステルのアルコール溶液
33中にポリビニルアルコール溶液34が微粒子状に分
離して混在する分散液を造る。この分散液を第1加圧調
整器37、第1開閉弁38を介して加圧し、第2加圧調
整器39、第2開閉弁40を介して上記分散液をフィル
ター41に送込む。そしてこのフィルター41でポリビ
ニルアルコール溶液が粒径50〜200μm の微粒子4
2として均一に混在する分散液43とする。つぎにこの
分散液43を高圧印加装置44により帯電させ、スプレ
ーノズル45から噴霧する。このとき、その噴霧液に紫
外線放射ランプ46から1000 mJ/cm2 以上の紫外
線を照射し、図1(b)に示すように、パネル20の外
表面に形成された第2層31上に塗布し乾燥して、珪酸
エステル中にポリビニルアルコールが微粒子47として
均一に混在する混在層48を形成する。
【0031】この場合、スプレーノズル43から噴霧す
る分散液41中のポリビニルアルコール溶液の微粒子4
0は、1000 mJ/cm2 以上の紫外線の照射により、
パネル20の外表面に到達する前に硬化し、粒径200
μm 以下のポリビニルアルコールの微粒子47として混
在層48中に均一に混在する。
【0032】つぎに図1(c)に示すように、上記混在
層48に水49をスプレーして、混在層48中のポリビ
ニルアルコールの微粒子を除去する。その後、200℃
以上に加熱焼成して、図1(d)に示すように、表面に
凹凸ピッチPおよび平均粗さRa が、それぞれ P=50〜200μm Ra =50〜100μm の微細凹凸をもつ第1層30を形成する。
【0033】このような方法により反射帯電防止膜29
を形成すると、SiO2 の平滑膜の屈折率nが、 n=1.46 であるのに対し、第1層30の屈折率n30は、その表面
の微細凹凸による第1層−空気間の連続的な体積比変化
により、SiO2 膜であっても、屈折率n30が、 n30=1.35 程度まで下がる。この場合、第2層31の屈折率n31お
よび膜厚d31は、上層30との組合わせにより、 n31=1.55〜1.65 d31=80〜90μm に形成される。このとき、第1層30の膜厚d30は、 d30=100〜110μm に形成される。
【0034】その結果、図4に測定光の反射帯電防止膜
への入射角θが0°の場合の正反射率Rlum を曲線51
で、入射角θが30°の場合の正反射率Rlum を曲線5
2で示すように、広帯域の低反射スペクトルを有し、正
反射率Rlum が1.0%以下という良好な反射特性を示
す。また第1層30の表面の凹凸がきわめて微細なた
め、凹凸による拡散作用が小さく、表示画像の解像度の
劣化もほとんど生じない。また第1層30を200℃以
上の加熱焼成したSiO2 膜で構成されているため、耐
摩耗性にもすぐれている。さらに第1層30を微細凹凸
構造としたため、膜厚の変化による正反射色の変化が小
さく、ゾル−ゲル法で所望の反射帯電防止膜を比較的簡
単に形成することができる。
【0035】なお、上記実施例では、反射帯電防止膜の
上層をSiO2 膜で構成したが、さらに反射特性を改善
するためには、耐摩耗性の許す限りMgF2 微粒子など
の低屈折率物質を混ぜて形成すればよい。
【0036】
【発明の効果】陰極線管のフェース部外表面に屈折率の
異なる2層以上の光学膜からなる反射帯電防止膜を積層
形成する陰極線管の反射帯電防止膜形成方法において、
フェース部外表面に帯電防止効果をもつ高屈折率の下層
を形成し、珪酸エステルのアルコール溶液にポリビニル
アルコール溶液を混合分散し、そのポリビニルアルコー
ル溶液を粒径200μm 以下の微粒子として均一に混在
する分散液を造り、この分散液を帯電させかつ紫外線を
照射しながら下層上にスプレーし乾燥して、珪酸エステ
ル中にポリビニルアルコールが微粒子として混在する混
在層を形成し、水洗処理によりその混在層中のポリビニ
ルアルコールを除去して、表面に凹凸ピッチが50〜2
00μm 、凹凸の平均高さが50〜100μm の凹凸を
有する上層形成して反射帯電防止膜とすると、その凹凸
ピッチが50〜200μm 、凹凸の平均高さが50〜1
00μm の微細凹凸の上層と空気との連続的な体積比変
化により、上層の屈折率を通常の光学媒質では実現でき
ない値まで低下させることができ、低屈折率化および低
反射スペクトルを広域化する反射防止膜とするととも
に、下層を比較的低屈折率にしても、上層の反射特性に
より、たとえばSb2 3 をドープしたSnO2 超微粒
子などを耐摩耗性の許される限りSiO2 膜中に含ませ
ることが可能となり、十分な帯電防止特性をもたせるこ
とができる。また上層の表面に非常に微細な凹凸を形成
することができるため、凹凸による拡散作用を低くで
き、表示画像の解像度の低下を防止できる。しかも上層
がSiO2 膜であるため、耐摩耗性も十分なものとな
り、ゾル−ゲル法で比較的簡単に所望の反射帯電防止膜
を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)ないし(d)はそれぞれこの発明の
一実施例であるカラー受像管のパネル外表面に反射帯電
防止膜を形成する方法を説明するための図である。
【図2】図2(a)および(b)はそれぞれその反射帯
電防止膜の上層の形成を説明するための図である。
【図3】図3(a)はこの発明の一実施例に係るカラー
受像管の構成を示す図、図3(b)はそのパネルの外表
面に反射帯電防止膜の構成を示す図である。
【図4】上記反射帯電防止膜の反射特性を示す図であ
る。
【図5】凹凸面上にCVD法によりSnO2 膜を形成し
た反射帯電防止膜の構成を示す図である。
【図6】珪酸エステルのアルコール溶液にSnO2 超微
粒子を分散した分散液を用いて形成された反射帯電防止
膜の構成を示す図である。
【図7】珪酸エステルのアルコール溶液にSiO2 微粒
子とSnO2 超微粒子とを分散した分散液を用いて形成
された反射帯電防止膜の構成を示す図である。
【図8】多層蒸着膜からなる反射帯電防止膜の構成を示
す図である。
【図9】2層構造の反射帯電防止膜の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
20…パネル 24…蛍光体スクリーン 29…反射帯電防止膜 30…第1層 31…第2層 32…SiO2 超微粒子 42…ポリビニルアルコール溶液の微粒子 43…分散液 44…高圧印加装置 45…スプレーノズル 46…紫外線放射ランプ 47…ポリビニルアルコールの微粒子 48…混在層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管のフェース部外表面に屈折率の
    異なる2層以上の光学膜からなる反射帯電防止膜を積層
    形成する陰極線管の反射帯電防止膜形成方法において、 上記フェース部外表面に帯電防止効果をもつ高屈折率の
    下層を形成する工程と、珪酸エステルのアルコール溶液
    にポリビニルアルコール溶液を混合分散し、上記ポリビ
    ニルアルコール溶液が粒径200μm 以下の微粒子とし
    て均一に混在する分散液を造り、この分散液を帯電させ
    かつ紫外線を照射しながら上記下層上にスプレーし乾燥
    して、珪酸エステル中にポリビニルアルコールの微粒子
    が混在する混在層を形成する工程と、水洗処理により上
    記混在層中のポリビニルアルコールを除去して、表面に
    凹凸ピッチが50〜200μm 、凹凸の平均高さが50
    〜100μm の凹凸を有する上層を形成する工程とによ
    り反射帯電防止膜を形成することを特徴とする陰極線管
    の反射帯電防止膜形成方法。
JP24022393A 1993-09-28 1993-09-28 陰極線管の反射帯電防止膜形成方法 Pending JPH0794089A (ja)

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