JPH07272646A - 超微粒子膜及びその形成方法、及び、透光板並びに画像表示板 - Google Patents

超微粒子膜及びその形成方法、及び、透光板並びに画像表示板

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JPH07272646A
JPH07272646A JP6062274A JP6227494A JPH07272646A JP H07272646 A JPH07272646 A JP H07272646A JP 6062274 A JP6062274 A JP 6062274A JP 6227494 A JP6227494 A JP 6227494A JP H07272646 A JPH07272646 A JP H07272646A
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Hiromitsu Kawamura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は優れた帯電防止、可視光反射防止に
有効な超微粒子膜に係り、特に低コストで大面積に適用
できる超微粒子膜と、これを適用したブラウン管などの
画像表示板を、簡単な方法により形成することにある。 【構成】 ブラウン管21の表面に塗布液槽22を取付
け、この塗布液槽にまず高屈折率超微粒子を混合した塗
布溶液23を満たし、その後、所定の速度でブラウン管
21の表面を塗布液で覆った後に露出させて導電性膜を
形成し、次に低屈折率超微粒子を混合した塗布溶液を用
いて同様の操作を行い可視光反射防止膜をその上に形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超微粒子膜及びその形成
方法に係り、特に、反射と帯電を防止する膜として有効
に機能し得る超微粒子を利用した、透光板、画像表示
板、画像表示保護板、ブラウン管、液晶パネル、自動車
用窓ガラス、展示品保護板などに好適な超微粒子膜及び
その形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透光性板表面の可視光を反射する反射率
を低減する膜(反射防止膜)は古くから研究されてお
り、カメラ、メガネなどのレンズに利用されてきた。現
在は、ビジュアル・デイスプレイ・ターミナル(VD
T)の反射光を低減するための反射防止フィルタなどに
用いられている。反射防止膜には様々なものが考えられ
ているが、現在利用されているものは主に多層膜と不均
質膜である。
【0003】多層膜は透光性板表面に低屈折率物質と高
屈折率物質とを交互に少なくとも三層積層した構造であ
り、その反射防止効果は各層間での光学的干渉作用の総
合効果である。多層膜に関してはフィジックス・オブ・
シン・フィルムの第2巻(1964年)242頁〜28
4頁(Phyiscs of Thin Films 2,(1964) p.242〜 p.2
84)に論じられている。
【0004】また、膜厚方向に屈折率分布を持つ不均質
膜は、透光性板表面を多孔質化したものが一般的であ
る。ガラス表面に島状の金属蒸着膜を形成後、スパッタ
エッチングにより微細な凹凸を形成して不均質膜を作
り、反射率を低減する方法がアプライド・フィジックス
・レター36号(1980)の727頁〜730頁(Ap
l.Phys.Lett,36 (1980) p.727〜 p.730)において論
じられている。
【0005】一方、陰極管においてはガラス面の帯電防
止のために導電性膜を形成すると共に反射防止の工夫も
要求されている。ところで、ブラウン管などの陰極管の
前面パネル表面(画像表示板)が帯電することが知れて
いる。その理由は図9に示すごとく、通常ブラウン管9
1の内面92に塗布されている蛍光体93の上に薄く均
一なアルミニウムを蒸着しているが、そのアルミニウム
膜94に高電圧が印加されると、その印加時及び遮断時
にブラウン管前面パネル95に静電誘導により帯電現象
を起こすことによる。
【0006】このような表示管表面での帯電を防止し、
さらに表面の反射を防止する方法は特開昭61−511
01号公報に開示されている。この場合には、まずガラ
ス基板に真空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気
相法あるいは化学的気相法などにより導電性膜を形成
し、その上に反射防止膜を形成するようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、膜の
形成方法がスパッタリング法、真空蒸着法に限られ、か
つ膜厚の高精度制御が必要であるため、コストが高く、
大面積の基板への適用が困難であるという問題点があっ
た。この場合の反射防止膜は、基本的にはガラス表面に
屈折率の異なる物質を何層か蒸着したものであり、各層
間での光学的干渉作用により反射防止を図っている。こ
の反射防止機構を考える上で、今最も単純な単層蒸着膜
を例にとる。屈折率Ng のガラス表面に、ガラスよりも
低い屈折率Nf をもつ物質を厚さdでコーティングした
場合、この表面に入射する光の反射挙動はフルネルの公
式によって導くことができ、反射率Rは式「数1」で表
される。
【0008】
【数1】 R=(Nf 2 −Ng )2 /(Nf 2 +Ng )2 ……(数1)
【0009】
【数2】 Nf ×d=λ/4 ……(数2) 上記数式より、Nf =√Ng でR=0となり、波長λの
光に対してまったく反射光がない状態となる。最も一般
的なソーダガラスではNg =1.52であるので、Nf
=1.23の物質をコーティングすれば膜厚dによって
決まる波長λにおける理想的な反射防止膜となる。しか
しながらこのような低い屈折率をもつ物質は実在せず、
今のところ利用できる物質の中ではNf =1.38のフ
ッ化マグネシウム(MgF2 )が最も低い屈折率を有す
る。この場合の反射率は、R=1.3%となる。また単
層膜の反射防止条件は、式「数1」・「数2」から明ら
かなように、ある特定の波長λに対するものであり、λ
の前後で反射率は大きくなる。このため、可視光領域全
域(400〜700nm)で反射を低減するためには屈
折率の異なる物質を、膜厚を厳密に制御しながら何層も
重ねる必要があった。
【0010】一方、膜厚方向に屈折率分布を持つ不均質
膜によっても表面の反射を低減することができる。今、
ガラス表面が、図10に示すように、凹凸を持つ場合、
この層の深さ方向の座標をxとすると、屈折率(nF
(x))は式「数3」で表すことができる。ここに、n
g はガラスの屈折率、V(x)はxでのガラスの占める
体積、n0は空気の屈折率である。
【0011】
【数3】 nF(x)=ng ×V(x)+(1−V(x))×n0 ……(数3) この場合、空気と膜との界面、及び膜とガラス基板との
界面では、図11に示すように、不連続的に屈折率が変
化するので、この点における屈折率をそれぞれn1 、n
2 とすると、この層の反射率Rは式「数4」で表すこと
ができる。
【0012】
【数4】
【0013】この式において、n0 =1.0(空気の屈
折率)、n1 =1.1、n2 =1.47、ng =1.53
(ガラスの屈折率)として可視光波長での反射率を求め
たのが図12である。図から、最も低い反射率が得られ
るのは、表面の凹凸が100nm(0.1μm)程度で
あることが明らかである。しかし、この大きさの凹凸を
規則正しくガラス表面に設けることは困難であり、エッ
チング法によっても多くの時間を要する。
【0014】本発明者らは、これまでに、この凹凸を超
微粒子によって形成することにより、三層蒸着膜に匹敵
する低反射特性を有する膜を提案した。超微粒子による
凹凸膜の場合の反射特性は基本的には式「数4」で表す
ことができるが、図13に示すように、超微粒子1と基
板3の表面との間にはバインダーが薄膜層2として形成
されているので、この薄膜層2と超微粒子層4を区別す
る必要がある。まず、超微粒子表面層は、図14に示す
モデルで表すことができる。この場合には、式「数4」
のng (1.53、ガラスの屈折率)をns (バインダ
ーと超微粒子の混合屈折率、1.47)と置き換えると
「数5」のようになる。
【0015】
【数5】
【0016】Raはn0 =1.0、n1 =1.10、n2
=1.38、ns =1.47と仮定すると、λ=550n
mで約0.19%となる。
【0017】本発明者等は、先に超微粒子を所定量混合
した塗布液を、基板表面上を所定の速度で上昇あるいは
下降することにより、塗布液に混合されている超微粒子
が基板上に規則正しく配列、塗布され、理論値に近い反
射率が得られることを提案したが、さらに鋭意検討した
結果、まず一層目にバインダーを含まない高屈折率超微
粒子塗布液を塗布し、次に二層目に低屈折率超微粒子と
バインダーとの混合塗布溶液を塗布することにより、基
板の材質に係らず安定した特性が得られると同時に、大
幅に反射特性を向上できることを見出した。
【0018】本発明の目的は、低コストでかつ大面積に
適用できる可視光反射防止膜と帯電防止膜及び/または
赤外線反射膜と、これを適用した透光板、画像表示板、
画像表示保護板、ブラウン管、液晶パネル、自動車用窓
ガラス、展示品保護板などに好適な超微粒子膜及びその
形成方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は、透光性を有
する基板上に形成される少なくとも二層以上からなる超
微粒子膜において、前記基板に近い第一の層は、前記基
板側を超微粒子群が密に且つ前記基板と反対側を前記超
微粒子群が粗に形成され、前記第一の層の上の第二の層
は、前記第一の層の超微粒子より大径の超微粒子により
形成されていることを特徴とする超微粒子膜により達成
される。また、前記第二の層を単層膜からなる表面層と
することにより達成される。
【0020】また、上記目的を達成するために本発明の
超微粒子膜の形成方法は、超微粒子群と、前記超微粒子
群を構成する各超微粒子の間隙を充填するバインダーと
により、基板上に少なくとも二層以上からなる超微粒子
膜を形成する超微粒子膜の形成方法において、前記超微
粒子膜の各層のうちの少なくとも二つの層は、一層目
を、前記基板側の超微粒子群を密に且つ前記基板と反対
側の超微粒子群を粗に形成し、次に、前記一層目の上の
二層目を、該一層目の超微粒子より大径の超微粒子によ
り形成することを特徴とする。また、前記基板より屈折
率が高い超微粒子の塗布溶液で一層目を塗布し、次に前
記基板より屈折率が低い超微粒子と前記バインダーとを
含む混合塗布溶液で二層目を塗布することにより、前記
基板の表面に超微粒子膜を形成することを特徴とする。
【0021】また、前記基板を塗布液用の容器に設置
し、前記基板より屈折率の高い超微粒子からなる塗布溶
液を前記容器内へ導入し、前記塗布溶液が前記基板の超
微粒子膜形成部分を覆って一層目を形成した後に、前記
容器から前記塗布溶液を排出させ、次に、前記基板より
屈折率の低い超微粒子とバインダーとの混合塗布溶液を
前記容器内に導入し、前記混合塗布溶液が前記基板の超
微粒子膜形成部分を覆って二層目を形成した後に、前記
容器から前記混合塗布溶液を吐出させることにより、前
記基板の表面に二層からなる超微粒子膜を形成すること
を特徴とする。
【0022】すなわち、本発明の具体的な超微粒子膜の
形成方法は、超微粒子群と超微粒子群を構成する各超微
粒子の間隔を充填するバインダーとによる超微粒子膜を
基板表面に形成する超微粒子膜の形成方法であって、超
微粒子膜を形成すべき基板を容器に設置し、まず一層目
に基板より高い屈折率を有する超微粒子の塗布溶液を容
器内に導入し、基板の超微粒子膜形成部分を塗布溶液が
覆った後に容器から塗布溶液を吐出させ、基板の超微粒
子膜形成部分を露出させ、次に二層目に基板より低い屈
折率を有する超微粒子とバインダーとの混合塗布溶液を
用いて同様の操作を行い、基板表面に超微粒子膜を多層
形成するものである。また、前記基板を設置する容器の
側面に基板被覆部分の大きさの穴を開け、その部分に基
板を設置してもよい。また、前記基板の超微粒子膜形成
部分を露出させる速度は10mm/s以下であることが
望ましい。
【0023】また、二層目の低屈折超微粒子とし二酸化
ケイ素(SiO2 )、フッ化マグネシウム(MgF2
の群から、一層目の高屈折超微粒子として二酸化スズ
(SnO2 )、SnO2 +酸化アンチモン(Sb2
3 )、酸化インジウム(In23 )、In23 +S
nO2 の群からさらに赤外線反射用超微粒子はSnO
2 、SnO2 +Sb23 、In23 、In23
SnO2 、酸化チタン(TiO2 )、酸化ジルコニウム
(ZrO2 )の群から選ばれるものである。また、基板
がガラスのとき、バインダーとしてSi(OR)4(R
はアルキル基)を使用し、アルカリまたは酸で前処理を
行い、基板がプラスチックのとき、バインダーとしてS
i(OR)4(Rはアルキル基)を使用し、プラスチッ
クに対する官能基を有するカップリング剤を使用し、さ
らにアルカリまたは酸で基板を前処理するのがよい。ま
た、カップリング剤はプラスチックがアクリル樹脂のと
き、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
とし、プラスチックがエポキシ樹脂のとき、γ−グリシ
ドオキシプロピルトリメトキシシランとするのがよい。
【0024】また、超微粒子膜は基板の両面に形成して
も、片面にのみ形成してもよい。低屈折率超微粒子が粒
径40nm〜200nmのSiO2 超微粒子からなるも
の、高屈折率超微粒子が粒径10nm以下の酸化スズ化
合物及び酸化チタン化合物からなるものがよい。さら
に、上記の方法により超微粒子膜を形成する基板は透光
板とし、この透光板を液晶パネル、自動車用窓ガラスま
たは展示用保護板に備えてもよい。また、透光基板に上
記の方法により超微粒子膜を形成し画像表示板または画
像表示保護板としてもよく、さらにこの画像表示板また
は画像表示保護板をブラウン管に備えてもよい。尚、上
記に述べた基板は平板状のものに限らず表面が曲率を有
するものも含まれる。
【0025】
【作用】以下、本発明の上記構成による作用を説明す
る。一般に超微粒子を混合していない塗布溶液を用い
て、ディッピング法により膜形成を行った場合、膜厚t
と引上げ速度vとの間には次の式「数6」が成り立つこ
とが知られている。尚、ηは溶液の粘性、pは溶液の密
度、gは重力加速度、Kは定数である。
【0026】
【数6】
【0027】一方、本発明者等は、反射防止用の比較的
大きな超微粒子(40〜200nm)を混合した塗布液
を一定速度で基板表面上を上昇あるいは下降させた場
合、基板の材質あるいは基板表面の状態によって超微粒
子の配列の形態が大きく異なることを見出した。例えば
同じ市販の板ガラスでも表と裏では配列の形態が異な
り、反射特性が変わる。この種の板ガラスの表面状態を
X線光電子分光分析装置(XPS)等の表面分析計で分
析すると、片側の表面から酸化スズ(SiO2 )が多く
検出された。これは板ガラスを製造する工程で、スズ浴
上を溶融ガラスが通過する際に、スズがガラスに付着す
ることによると考えられる。この付着したSiO2 はガ
ラス洗浄の前処理を行っても取り除くことが困難であ
る。このような表面状態の基板に超微粒子混合溶液を塗
布した場合には、ぬれ性が良好のため通常の表面状態に
較べると薄く塗布できることを見出した。言い替えれば
同じ膜厚を得ようとするならば、式「数6」から塗布速
度を速くすることができる。塗布速度が速ければ塗布時
間は当然短くなるので製造コストは安価になる。
【0028】また、前述のように基板の材質が異なると
表面状態も異なるために、ぬれ性が変わり超微粒子膜の
膜厚が変化する。したがって、同一の膜厚、超微粒子の
配列状態を得ようとする場合には、その都度塗布条件を
変化させなければならない。特にガラスとプラスチック
スとでは表面状態が全く異なるので、前処理の工程から
考慮する必要がある。しかし本発明では、あらかじめ高
屈折率のSnO2 、酸化インジューム(In23 )、
酸化チタンなどの小さな酸化物超微粒子(10nm以
下)を塗布するので、基板の表面状態あるいは基板材質
が異なっていても常に一定の表面状態を得ることができ
る。したがって、同様の塗布条件で同一の特性が得られ
る。このとき、粒径10nm程度の小さな超微粒子を混
合した溶液の場合でも、基板の表面状態の違いによる超
微粒子の配列状態は変化するが、反射防止用超微粒子膜
のように規則正しく配列されている必要はないので、同
様の前処理でほぼ一定の特性が得られる。
【0029】また一層目にバインダーを含まない高屈折
率の超微粒子層を設けると、バインダーが存在しないた
めに、ポーラス上の膜が形成される。このとき乾燥速度
の違い、膜内部からの溶剤の蒸発等により、膜表面ほど
ポーラスになる。次にこの上に二層目の低屈折率の超微
粒子とバインダーとを含む混合塗布液を塗布すると、バ
インダーの一部が一層目のポーラス部及び超微粒子間に
入り込んで混合層を形成する。したがってバインダーの
屈折率が超微粒子の屈折率より低いと、一層目の膜は基
板から二層目の境界面の方向に徐々に屈折率が増加する
ようになる。言い替えれば屈折率が連続的に傾斜を持つ
ことになる。二層目は、塗布条件により比較的大きな超
微粒子が一層配列され、バインダーの一部は二層膜の下
部に形成されて超微粒子を一層膜に接着させる役目を果
たす。したがって、この二層目上部では超微粒子の形状
による屈折率連続変化が生じる。以上述べた一層膜と二
層膜上部との屈折率連続変化効果により、非常に優れた
反射防止特性を有することが可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。まず、本発明の構成要件につき分説する。 「超微粒子」超微粒子の機能は透明性、透光性(以下、
透明性も含めて透光性という。)に支障のない限り特に
限定はされないが、サブミクロンの平均粒径のものをい
う。代表的な機能は可視光反射防止、帯電防止および/
または赤外線反射である。反射防止用超微粒子は低屈折
率を有する二酸化ケイ素(SiO2)、MgF2の群から
選ばれることが望ましい。帯電防止用超微粒子は高屈折
率を有するSnO2、SnO2+酸化アンチモン(Sb2
3)、In23、In23+SnO2の群から選ばれる
ことが望ましい。また赤外線反射超微粒子はIn23
In23+SnO2、酸化チタン(TiO2)、酸化ジル
コニゥム(ZrO2)の群から選ばれることが好まし
い。
【0031】上記の低屈折率超微粒子の平均粒径は40
〜200nmが望ましい。40nmより小さい粒径の超
微粒子では、形成された膜の最外表面が平坦になりすぎ
て十分な反射防止効果が得られない。一方、200nm
より大きな粒径の超微粒子では反射防止効果は十分得ら
れるが、拡散反射が大きくなり、そこ結果、白濁すると
同時に解像度が低下する恐れがあるからである。従って
低屈折率超微粒子の粒径は40〜200nmが好まし
い。このことから超微粒子間で形成される谷の深さは2
0〜100nmが好ましい。尚、SiO2やMgF2など
の反射防止用超微粒子材料は、いずれもその屈折率が
1.50以下であり、通常表示装置に用いられるガラス
やプラスチック基板の屈折率より低い。
【0032】また、高屈折率超微粒子の平均粒径は10
nm以下が望ましい。この場合超微粒子は2種以上を併
用してもよい。平均粒径が10nm以下の超微粒子を塗
布液に混合した場合には、基板の表面状態が異なってい
ても比較的均一な膜が得られる。またかなり厚く塗布し
ても、透過率の低下および白濁を招く恐れが比較的少な
い。高屈折率を有しかつ透光導電性機能或いは赤外線反
射機能或いは電磁遮断機能を有する超微粒子としては、
SnO2、In23、TiO2、ZrO2などの金属酸化物或
いはこれらの混合物などが挙げられる。この中でSnO
2+10重量%Sb23、或いはIn23+5重量%S
nO2は導電特性と赤外線反射特性が優れているので好
ましい。膜厚は0.1〜0.5μm、粒径は5〜50nm
が望ましい。透光導電性の機能を有する金属酸化物ある
いはこれらの混合物は、エネルギーバンドギャップが3
eV以上あるために可視光域で高い透過性を示すと同時
に、化学量論組成からのずれ、および不純物添加による
高い自由電子濃度を有するために高導電性を示す。また
TiO2超微粒子は高屈折率を示し、かつ可視光領域で
の透光性が優れている。但し導電性が劣っているのでS
nO2超微粒子などと混合して用いると導電性と高屈折
率を兼ね備えた膜を得ることができる。
【0033】「透光性基板」透光性基板としてはガラス
板でもプラスチックス板でもプラスチックスフィルムで
も差し支えない。プラスチック材としては主成分が例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、アクリ
ル、フェノール、エポキシ、メラニン、ナイロン、ポリ
イミド、ポリカーボネート、ブチル、エポキシフェノー
ル、塩化ビニル、ポリエステルなどのものが挙げられ
る。尚、基板の超微粒子形成面は平板上はもちろんのこ
と、ブラウン管のように曲率を有していてもよい。また
超微粒子形成面は片面でも両面でも差し支えない。
【0034】「前処理」基板とのぬれ性を考慮するなら
ば、アルカリ処理や酸処理等の前処理が好ましい。ま
た、プラスチックス基板の場合には、中性洗剤等による
前処理も有効である。
【0035】「塗布方法」塗布液が基板などの被塗布物
を覆った後、露出させる速度は10mm/s以下が望ま
しい。また、この速度は被塗布物の形状により一定速度
でも変化させてもよい。基板は容器内に設置するか、或
いはこれに代えて容器の側面部に開けた穴から基板面を
露出させてもよい。後者の方法はブラウン管など製品形
状がほぼでき上がったものに超微粒子膜を形成するのに
適している。塗布面の加熱処理としては炉中で50〜2
00℃で焼成するのが実用的であるが、高圧水銀灯など
を用いて紫外線により短時間に焼成してもよい。以上は
デイッピング方法の一例で説明したが、プラスチックス
基板への塗布方法や膜表面の均一さを問わないならば、
このデイッピング法に限らず他のディッピング法やスピ
ンコート法、スプレー法、或いはこれらの組合せやこれ
らとデイッピング法との組合せも有効である。
【0036】「塗布溶液」本発明の超微粒子膜の形成に
は、所定量の超微粒子にバインダーや必要に応じてカッ
プリング剤、その他添加物を加えた塗布溶液を用いる。
透光性板がガラス体のときは、バインダーとしてSi
(OR)4(但しRはアルキル基)を使用することが好ま
しく、透光性板がプラスチックスのときはバインダーと
してSi(OR)x(x=2〜4、好ましくはx=3)を
使用することが好ましい。更に透光性板がプラスチック
スのときはこのプラスチックス材に対する官能基を有す
るカップリング剤を併用することが望ましい。透光性板
がガラス体の場合にはSi(OR)4(但しRはアルキル
基)を溶解したアルコール溶液に、透光性板がプラスチ
ックスの場合には、この高分子体と容易に反応する官能
基とSi(OR)x(x=2〜4、好ましくはx=3)を
保有するシランカップリング剤、或いは、上記Si(O
R)4とシランカップリング剤との混合溶液を溶解したア
ルコール溶液に超微粒子を分散させる。
【0037】この基板を透光性板上に前記方法により塗
布した後、この塗布面を加熱(或いは焼成)して膜形成
を行う。この加熱処理によりSi(OR)4或いはシラン
カップリング剤は分解してSiO2などそれぞれ超微粒
子と基板との接着剤としての役目を果たす。Si(OR)
4のRとしては、一般に炭素数1〜5のアルキル基が好
ましい。一方、シランカップリング剤は透光性板の高分
子材料によって適宜選択する必要がある。例えば主成分
がポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、アクリル
などの場合には、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカ
ップリング剤が有効である。またフェノール、エポキ
シ、メラニン、ナイロン、ポリイミド、ポリカーボネー
トなどの場合には、γ−アミノプロピルエトキシシラ
ン、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン等
のシランカップリング剤が有効である。更にブチル、エ
ポキシフェノール、塩化ビニル、ポリエステルなどの場
合には、β,3,4−エポキシシクロヘキシルエチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメ
トキシシラン等のシランカップリング剤が有効である。
【0038】また、Si(OR)4或いはシランカップリ
ング剤を溶融させるためのアルコールは、上記Rの炭素
数の増加と共に混合アルコール溶液の粘性が高くなるの
で、作業性を考慮して粘性が高くなり過ぎないように適
宜アルコールを選択すればよい。一般に使用可能なアル
コールとしては炭素数が1〜5のアルコールが挙げられ
る。さらにSi(OR)4が加水分解するために、水およ
び触媒として鉱酸、例えば硝酸などを加えて塗膜溶液を
調整してもよい。
【0039】以下、本発明の一実施例として、本発明を
ブラウン管の前面パネル表面(ガラス面板)に適用した
例を述べる。図1は本実施例の工程図である。まず前処
理として、ブラウン管表面をアルカリ洗浄し、純水で水
洗後、水滴の跡が残らないように窒素ガス等でブローす
る。次にこのブラウン管を塗布装置に装着し、導電性超
微粒子(SnO2)と高屈折率超微粒子(TiO2)を混
合した塗布液を塗布する。尚、塗布装置と塗布方法は後
述する。このときの混合塗布溶液組成および塗布条件の
一実施例を表1に示す。塗布後、所定時間放置したあ
と、ブラウン管を装置から取外し、窒素ガスで乾燥させ
る。乾燥はガスあるいはクリーンエアーによる冷風乾
燥、熱風乾燥、若しくは炉中乾燥でもよい。乾燥した
後、同一仕様の別塗布装置に装着し、反射防止用超微粒
子(SiO2)とバインダーとを混合した塗布溶液を塗
布する。このときの塗布溶液組成および塗布条件の一実
施例を「表1」に示す。
【0040】
【表1】
【0041】次に、炉中で160℃、30分間焼成す
る。焼成は炉中加熱の他、紫外線あるいは赤外線による
加熱でもよい。この焼成工程により、超微粒子がブラウ
ン管に強固に接着される。以上の塗布工程によって、帯
電防止、反射防止膜が形成される。
【0042】また、図2は本実施例の塗布装置構成を示
す図である。図2において、本実施例装置は、ブラウン
管21、塗布液槽22、塗布溶液23、溶液供給用バル
ブ24、引き抜き用バルブ25、定量ポンプ26、溶液
タンク27、溶液供給加圧バルブ28、リーク用バルブ
29などから構成される。かかる構成において、塗布液
槽22にブラウン管21を装着する。この場合、塗布液
槽22の取付け面には、塗布工程で塗布液および加圧ガ
スが漏れないようにパッキンあるいはOリングが施され
ており、かつ作業性を考慮してブラウン管を押し当てる
だけでシールできる構造になっている。
【0043】次に、超微粒子が混合された塗布溶液を塗
布液槽22とブラウン管表面との間に形成された空間に
導入する。この塗布液の導入は、まず引き抜きバルブ2
5およびリーク用バルブ29を閉にし、溶液供給用バル
ブ24および溶液供給加圧バルブ28を開にする。この
操作により、溶液タンク27に充填されている塗布溶液
23を加圧してブラウン管表面上に充たす。次に、溶液
供給用バルブ24および溶液供給加圧バルブ28を閉に
した後、引き抜きバルブ25とリーク用バルブ29を開
にし、定量ポンプ26を起動させると、ブラウン管表面
に充たされている塗布溶液23は溶液タンク27に戻さ
れる。この場合、定量ポンプ26の液送給速度を適宜変
えることにより、塗布溶液23がブラウン管表面上を所
定の速度で下降する速度を調整することができる。
【0044】次に、この塗布溶液の混合方法について述
べる。まず一層目に塗布する高屈折率超微粒子塗布溶液
は、エタノールに粒径6nmのSnO2超微粒子と粒径
10nmのTiO2超微粒子を重量%で2%添加する。
また二層目に塗布する低屈折率超微粒子塗布溶液は、エ
チルシリケート〔Si(OC254〕をエタノールに
溶解し、更に加水分解のためのH2Oと、触媒としての
HNO3とを添加した溶液を作り、この溶液に粒径12
0nmのSiO2超微粒子を重量%で5%添加する。こ
のとき充分分散するように溶液のpHを調整する。
【0045】次いで、この高屈折率超微粒子塗布溶液を
前記方法によりブラウン管表面に満たし、5.0mm/
sの速度で塗布液を降下して塗布を行った。塗布後は冷
風によって強制乾燥させた。次に、この上に低屈折率超
微粒子塗布溶液を同様の方法で塗布した。このときの塗
布速度は2.5mm/sである。その後、空気中で、1
60℃で30分間焼成し、エチルシリケートを分解し
た。溶液に添加したSnO2およびSiO2超微粒子は、
分解してできたSiO2がバインダーの役目を果たすの
で、ブラウン管表面に強固に接着、固定される。また、
一層目の表面は、SnO2超微粒子およびTiO2超微粒
子が均一に分散、塗布されているので、ぬれ性が良好で
かつ均一である。従って、二層目のSiO2超微粒子は
均一に配列されて、連続的な凹凸を形成することができ
る。
【0046】図3はブラウン管と同材質のガラス板にこ
の膜を被覆し、破断してその断面を走査型電子顕微鏡
(SEM)により観察した結果を模式的に表した斜視図
である。ガラス板31にほぼ均一の膜厚で形成された一
層目の導電性膜32の上に、120nmのSiO2超微
粒子33が一層配列している。超微粒子が一部欠落して
いる個所があるが、この大きさは超微粒子2〜3個分、
即ち約240〜360nm程度の距離であり、可視光波
長よりも十分小さいために反射特性には大きな影響はな
い。
【0047】図4は、この超微粒子膜を反射防止膜に適
用した場合の反射率の特性図である。図4に示すよう
に、この超微粒子膜を形成したブラウン管表面に入射角
5度で光を入射させ、反射率を測定した結果、波長55
0nmにおいて0.03%の低反射率が得られ、従来の
ものに比較して、低反射率であることが確認される。
【0048】一方、図5は、この超微粒子膜を帯電防止
膜に適用した場合の帯電特性図である。この膜の表面抵
抗値を測定した結果、約108Ω/□であり、この帯電
特性は、図5に示すように、参考として示した従来の特
性と比べると、ほとんど帯電しないことが判った。この
とき導電性超微粒子の間には薄い絶縁性のバインダーが
存在することになるが、SnO2等の物質はトンネル効
果により電子が移動することが知られており、この作用
により導電性の機能が発揮される。
【0049】次いで、本実施例の帯電防止低反射膜を消
しゴム(ライオン社製、50−30タイプ)を用いて1
Kgfの荷重で50回擦った結果、反射率は0.1%程
度変化しただけで、膜品質上はまったく問題がなかっ
た。このような帯電、反射防止膜を形成するプロセスで
は、完成したブラウン管に直接膜を形成することがで
き、また、既存のSi(OR)4アルコール溶液にSnO2
超微粒子あるいはSiO2超微粒子とを混合して塗布、
焼成するだけでよく、フッ酸などの有害な薬品の使用は
一切なく、品質一定でしかも低コストで製造することが
できる。
【0050】また、上記実施例では、Si(OR)4とし
てRがエチル基の例を示したが、前述の通り、R=Cn
Hm(m=2n+1)としたとき、n=1〜5の範囲で
実施可能であり、nが大きくなる場合、溶液の粘性が少
し高くなるので溶媒としては作業性を考慮してそれに応
じたアルコールを選択すればよい。以上のように、本実
施例によれば、反射防止効果に優れ、かつ帯電防止機能
を有する膜を形成した画像表示板が、簡単な装置と簡便
な塗布工程で形成することができる。しかも、本実施例
の表示板は、フッ酸などの有害な処理薬品を使用せず、
簡単で安全なプロセスで製造でき、量産性に好適であ
る。
【0051】本発明の他の実施例について、図6を用い
て説明する。図6は本実施例の装置構成を示す。図6に
おいて、複数枚の透光基板61を治具62に設置し、塗
布液槽22内に納める。図2に示した実施例のブラウン
管の透光基板がガラス板であったのに対して、本実施例
の透光基板61はプラスチックス板である。この場合、
塗布液槽22に治具および被塗物の出し入れ用に設けた
出入口には、塗布工程で塗布液および加圧ガスが漏れな
いようにパッキンあるいはOリングを施し、塗布液槽2
2の内部は密閉状態となるようにした。
【0052】次に、超微粒子が混合された塗布溶液を塗
布液槽22の空間に導入した。この塗布液の導入には、
まず、引き抜きバルブ25およびリーク用バルブ29を
閉にし、溶液供給用バルブ24および溶液供給加圧バル
ブ28を開にする。この操作により溶液タンク27に充
填されている塗布溶液23を加圧して塗布液槽22内に
充たす。次に、溶液供給用バルブ24および溶液供給加
圧バルブ28を閉にした後、引き抜きバルブ25とリー
ク用バルブ29を開にし、定量ポンプ26を起動させる
と、塗布浴槽22に充たされている塗布溶液23は溶液
タンク27に戻される。この場合、定量ポンプ26の送
給速度を適宜変えることにより、塗布溶液23が複数枚
の透光基板61の各表面上を所定速度で下降するよう速
度調整することができる。この場合の塗布工程は図1と
ほぼ同様であるが、ブラウン管装着の工程が治具62を
塗布液槽61に設置、ブラウン管取外しの工程が治具6
2を塗布液槽61から引き上げて別の塗布装置に設置す
る工程になる。また三層塗布の場合には異なる三種類の
塗布液、同一仕様の塗布装置を三台用いて塗布を行う。
【0053】次に、この塗布溶液の混合方法について述
べる。まず一層目に塗布する帯電防止膜用塗布溶液は、
エタノールに粒径6nmのSnO2超微粒子と粒径10
nmのTiO2超微粒子とを重量%で2%添加する。次
に二層目に塗布する低屈折率超微粒子塗布溶液は、γ−
メラクリルオキシプロピルトリメトキシシランを含むエ
チルシリケート〔Si(OC254〕をエタノールに
溶解し、更に加水分解のためのH2Oと、触媒としての
HNO3とを添加した溶液を作り、この溶液に粒径40
nmのSiO2超微粒子を重量%で5%添加する。この
とき充分分散するように溶液のPHを調整する。「表
2」はこのときの塗布条件である。
【0054】
【表2】
【0055】図7は、本発明の実施例に係る超微粒子膜
の断面図である。二回の塗布工程を終了した後はプラス
チックの種類によって50〜120℃の焼成を行った。
この膜を被覆した基板を破断しその断面をSEMで観察
した結果を模式的に示したものが図7である。基板71
の表面に一層目の高屈折率超微粒子層72が、基板71
側には超微粒子群を密に、基板71と反対側には超微粒
子群を粗に形成し、その上に、この高屈折率超微粒子層
72の超微粒子より大径の超微粒子の低屈折率超微粒子
層73が、ほぼ均一厚さで形成されている。これによ
り、反射防止機能、帯電防止機能および耐摩耗性、耐久
性に優れた膜が可能となる。尚、本実施例においては三
層構成から成る超微粒子膜について述べたが、四層以上
の超微粒子膜を形成する場合も上記の塗布工程を追加す
ることによって行うことができる。
【0056】図8は、液晶表示装置(TFT)に適用し
た本発明の超微粒子膜の一部分を示す図である。本実施
例では、液晶85の両側にそれぞれ共通電極84、ガラ
ス基板83、偏向板82が積層されている。本発明の超
微粒子膜は偏向板82の表面に施されている。従来、液
晶表示板の表面には、例えばミクロンオーダーの凹凸を
設けて表面の反射を拡散させていた。このような処理で
は、反射光による結像はなくなるが、拡散反射によっ
て、本来の画像がぼやけて解像度が低下すると云った問
題があり、このことが作業者の目の疲労の一因となって
いた。これに対して本実施例では前述のようにほとんど
反射を防止するためにこのような問題は生じないため、
従来方式では65〜70本/cmしか人間の目に感知で
きなかつたのに対して、本実施例では人間の目の解像度
の限界とされている85本/cm以上を感知できる。
【0057】以上のように、本発明になる超微粒子膜を
形成する基板を透光板とし、この透光板を液晶パネル、
自動車用窓ガラスまたは展示用保護板に容易に適用でき
るし、また、透光基板に上記の方法により超微粒子膜を
形成し画像表示板または画像表示保護板としてもよく、
さらにこの画像表示板または画像表示保護板をブラウン
管に適用してもよい。もちろん、上記に述べた基板は平
板状のものに限らず表面が曲率を有するものも含まれ
る。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、超微粒子を用い簡単な
塗布方法により被塗物上に対汚れ付着性の優れた超微粒
子膜を容易に形成でき、低コストでかつ大面積に適用で
きる可視光反射防止膜と帯電防止膜及び/または赤外線
反射膜と、これを適用した透光板、画像表示板、画像表
示保護板、ブラウン管、液晶パネル、自動車用窓ガラ
ス、展示品保護板などを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る膜形成工程図である。
【図2】本発明の一実施例に係る装置構成図である。
【図3】本発明の一実施例に係る超微粒子膜の断面斜視
図である。
【図4】本発明の超微粒子膜を反射防止膜に適用した場
合の反射特性図である。
【図5】本発明の超微粒子膜を帯電防止膜に適用した場
合の帯電特性図である。
【図6】本発明の他の実施例に係る装置構成図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る超微粒子膜の断面図
である。
【図8】本発明の適用対象例である液晶表示装置の一部
分図である。
【図9】本発明の適用対象例であるブラウン管の一般的
な断面図である。
【図10】本発明の反射防止原理説明図である。
【図11】本発明の反射防止原理説明図である。
【図12】本発明の反射防止原理を説明する反射特性図
である。
【図13】本発明の適用対象例の反射特性モデルの一つ
の説明図である。
【図14】本発明の適用対象例の反射特性モデルの他の
説明図である。
【符号の説明】 1 超微粒子 2 薄膜層 3 基板 4 超微粒子層 21 ブラウン管 22 塗布液槽 23 塗布溶液 24 溶液供給用バルブ 25 引き抜きバルブ 26 定量ポンプ 27 溶液タンク 28 溶液供給加圧バルブ 29 リーク用バルブ 30 可視光反射防止層 31 ガラス板 32 導電性膜 33 SiO2超微粒子 61 透光基板 62 治具 71 基板 72 高屈折率超微粒子層 73 低屈折率超微粒子層 82 偏向板 83 ガラス基板 84 カラーフィルター層 85 共通電極 86 液晶 91 ブラウン管 92 ブラウン管内面 93 蛍光体 94 アルミニウム膜 95 ブラウン管前面パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 5/14 A H01J 11/02 B 29/88 (72)発明者 小原 克美 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する基板上に形成される少な
    くとも二層以上からなる超微粒子膜において、前記基板
    に近い第一の層は、前記基板側を超微粒子群が密に且つ
    前記基板と反対側を前記超微粒子群が粗に形成され、前
    記第一の層の上の第二の層は、前記第一の層の超微粒子
    より大径の超微粒子により形成されていることを特徴と
    する超微粒子膜。
  2. 【請求項2】 透光性を有する基板上に形成される少な
    くとも二層以上からなる超微粒子膜において、前記基板
    に近い第一の層は、前記基板側を超微粒子群が密に且つ
    前記基板と反対側を前記超微粒子群が粗に形成され、前
    記第一の層の上の第二の層は、前記第一の層の超微粒子
    より大径の超微粒子により形成され、前記第二の層は、
    単層膜からなる表面層であることを特徴とする超微粒子
    膜。
  3. 【請求項3】 超微粒子群と、前記超微粒子群を構成す
    る各超微粒子の間隙を充填するバインダーとにより、基
    板上に少なくとも二層以上からなる超微粒子膜を形成す
    る超微粒子膜の形成方法において、前記超微粒子膜の各
    層のうちの少なくとも二つの層は、一層目を、前記基板
    側の超微粒子群を密に且つ前記基板と反対側の超微粒子
    群を粗に形成し、次に、前記一層目の上の二層目を、該
    一層目の超微粒子より大径の超微粒子により形成するこ
    とを特徴とする超微粒子膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 超微粒子群と、前記超微粒子群を構成す
    る各超微粒子の間隙を充填するバインダーとにより、基
    板上に二層からなる超微粒子膜を形成する超微粒子膜の
    形成方法において、前記基板上の一層目を、前記基板側
    の前記超微粒子群を密に且つ前記基板と反対側の前記超
    微粒子群を粗に形成し、次いで二層目を、前記一層目の
    超微粒子より大径の超微粒子により形成することを特徴
    とする超微粒子膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記二層目は単層膜からなる表面層であ
    ることを特徴とする請求項3又は4に記載の超微粒子膜
    の形成方法。
  6. 【請求項6】 超微粒子群と、前記超微粒子群を構成す
    る各超微粒子の間隙を充填するバインダーとにより、基
    板上に超微粒子膜を形成する超微粒子膜の形成方法にお
    いて、前記基板より屈折率が高い超微粒子の塗布溶液で
    一層目を塗布し、次に前記基板より屈折率が低い超微粒
    子と前記バインダーとを含む混合塗布溶液で二層目を塗
    布することにより、前記基板の表面に超微粒子膜を形成
    することを特徴とする超微粒子膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 超微粒子群と、前記超微粒子群を構成す
    る各超微粒子の間隙を充填するバインダーとにより、基
    板上に超微粒子膜を形成する超微粒子膜の形成方法にお
    いて、前記基板を塗布液用の容器に設置し、前記基板よ
    り屈折率の高い超微粒子からなる塗布溶液を前記容器内
    へ導入し、前記塗布溶液が前記基板の超微粒子膜形成部
    分を覆って一層目を形成した後に、前記容器から前記塗
    布溶液を排出させ、次に、前記基板より屈折率の低い超
    微粒子とバインダーとの混合塗布溶液を前記容器内に導
    入し、前記混合塗布溶液が前記基板の超微粒子膜形成部
    分を覆って二層目を形成した後に、前記容器から前記混
    合塗布溶液を吐出させることにより、前記基板の表面に
    二層からなる超微粒子膜を形成することを特徴とする超
    微粒子膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記基板に形成する超微粒子膜の各層の
    うち、前記一層目の超微粒子は、二酸化スズ(SnO
    2 )、SnO2 +酸化アンチモン(Sb23)、酸化
    インジウム(In23 )、In23 +SnO2 、酸
    化チタン(TiO2 )、TiO2 +SnO2 、酸化ジル
    コニウム(ZrO2 )の群から選ばれることを特徴とす
    る請求項3ないし7のうちいずれかに記載の超微粒子膜
    の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記基板に形成する超微粒子膜の各層の
    うち、前記二層目の超微粒子は、二酸化ケイ素(SiO
    2 )、フッ化マグネシウム(MgF2 )の群から選ばれ
    ることを特徴とする請求項3ないし7のうちいずれかに
    記載の超微粒子膜の形成方法。
  10. 【請求項10】前記バインダーとして、Si(OR)4
    (Rはアルキル基)を使用し、アルカリまたは酸で前処
    理することを特徴とする請求項3ないし7のうちいずれ
    かに記載の超微粒子膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記基板の両面に、前記一層目及び二
    層目からなる超微粒子膜を形成することを特徴とする請
    求項3ないし7のうちいずれかに記載の超微粒子膜の形
    成方法。
  12. 【請求項12】 前記基板の片面のみに、前記一層目及
    び二層目からなる超微粒子膜を形成することを特徴とす
    る請求項3ないし7のうちいずれかに記載の超微粒子膜
    の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記一層目を形成する超微粒子は、粒
    径10nm以下の酸化スズと酸化チタンとの化合物であ
    ることを特徴とする請求項3ないし7のうちいずれかに
    記載の超微粒子膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記二層目を形成する超微粒子は、粒
    径40nm〜150nmのSiO2 超微粒子であること
    を特徴とする請求項3ないし7のうちいずれかに記載の
    超微粒子膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項11、12、13又は14に記
    載の形成方法により形成された超微粒子膜を備えてなる
    ことを特徴とする透光板。
  16. 【請求項16】 請求項11、12、13又は14に記
    載の形成方法により形成された超微粒子膜を備えてなる
    ことを特徴とする画像表示板。
  17. 【請求項17】 請求項11、12、13又は14に記
    載の形成方法により形成された超微粒子膜を備えてなる
    ことを特徴とする画像表示保護板。
  18. 【請求項18】 請求項15に記載の透光板もしくは請
    求項16に記載の画象表示板のうち、いずれかを備えて
    なることを特徴とするブラウン管。
  19. 【請求項19】 請求項15に記載の透光板、請求項1
    6に記載の画象表示板もしくは請求項17に記載の画像
    表示保護板のうち、いずれかを備えてなることを特徴と
    する液晶パネル。
  20. 【請求項20】 請求項15に記載の透光板を備えてな
    ることを特徴とする自動車用窓ガラス。
  21. 【請求項21】 請求項15に記載の透光板を備えてな
    ることを特徴とする展示品保護板。
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