JPH0793569B2 - 発振装置 - Google Patents

発振装置

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JPH0793569B2
JPH0793569B2 JP62023441A JP2344187A JPH0793569B2 JP H0793569 B2 JPH0793569 B2 JP H0793569B2 JP 62023441 A JP62023441 A JP 62023441A JP 2344187 A JP2344187 A JP 2344187A JP H0793569 B2 JPH0793569 B2 JP H0793569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基準となるパルス信号に位相同期した標本化
パルス、クロツクパルスなどの高周波パルスを形成する
のに用いて好適な発振装置に関する。
〔従来の技術〕
ビデオ機器においては、ビデオ信号の、たとえば水平同
期信号と一定の位相関係にある高周波パルス信号を用い
るものが多い。このようなビデオ機器としては、たとえ
ば、ビデオ信号のデイジタル符号化装置、電荷転送素子
を用いたビデオ信号遅延装置、固体撮像素子を用いたビ
デオカメラ装置などがあり、これらに用いられる標本化
パルスもしくはクロツクパルスは、処理されるビデオ信
号の水平同期信号と一定の位相関係に保たれる。
このようなクロツクパルスもしくは標本化パルスを生成
するための発振装置としては、従来、電圧制御発振器
(以下、VCOという)でフエーズロツクドループ(以
下、PLLという)を構成し、このVCOの出力周波数および
出力位相を水平同期信号などの基準となる信号(以下、
基準信号という)にロツクさせる方式が採用されてい
る。この一例としては、たとえば、日立民生用ICデータ
ブツク−VTR用IC(HD44007A)(昭和59年2月)p.136に
開示されているが、基本的には、VCOの出力信号を、そ
の周波数が基準信号の周波数と等しくなるように分周し
て比較信号とし、これを基準信号と位相比較し、得られ
る位相差信号でVCOを制御するものであつて、VCOから基
準信号よりも高い周波数のパルス信号を安定に得られる
ようにしている。
一般に上記のようなビデオ機器においては、クロツクパ
ルスや標本化パルスを得る手段には、基準信号周波数を
水平操作周波数fHとし、そのN倍(但し、Nは整数)
の周波数で発振するVCOを用いた、上記の基本的なPLL構
成が採用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、かかる従来の発振装置においては、比較信号
を基準信号と同一周波数とするための分周器が用いられ
ているために、この分周器からこの比較信号の整数倍の
周波数の分周ノイズが電圧制御発振器の出力信号に混入
し、この出力信号が分周ノイズで位相変調されるなど影
響を受ける。そして、この電圧制御発振器の出力信号を
上記のように利用する場合、ビデオ信号の帯域内に分周
ノイズが混入することになり、ビデオ信号を劣化させて
しまう。
また、使用される分周器の分周比が大きいときには、こ
の分周器は構成が複雑で大型となり、発振装置が大型と
なるという問題もあつた。
本発明の目的は、かかる問題点を解消し、分周ノイズの
影響を回避できて規模を縮小可能とした発振装置を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、電圧制御発振器
の出力信号のm(但し、mは1以上の整数)毎にn(但
し、nは3以上の整数)個の位相範囲を設定し、該位相
範囲を用いて基準信号に対する該電圧制御発振器の出力
信号の位相遷移を検出し、この検出結果に応じて該電圧
制御発振器の発振周波数を制御する。
〔作用〕
基準信号のエツジに対して電圧制御発振器の出力信号の
エツジが進んでいくか遅れていくかに応じて、該電圧制
御発振器の出力信号が該基準信号の周波数のN倍(但
し、Nは整数)よりも高いか低いかが判定でき、この判
定結果にもとずいて該電圧制御発振器を制御することに
より、該電圧制御発振器の発振周波数を該基準信号の周
波数のN倍にする。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面によつて説明する。
第1図は本発明による発振装置の一実施例を示すブロツ
ク図であつて、1は入力端子、2は位相遷移検出器、3
はLPF(ローパスフイルタ)、4はVCO、5は出力端子、
6は位相差生成器である。
同図において、入力端子1から水平同期信号などの基準
信号Aが入力される。この基準信号Aは位相遷移検出器
2に供給され、位相差生成回路6が出力する比較信号C
を用いて基準信号Aに対するVCO4の出力信号Bの位相遷
移状態が検出される。位相遷移検出回路2の出力信号D
はLPF3で平滑され、制御信号EとしてVCO4に供給され
る。VCO4はこの制御信号Eによつて発振周波数、発振位
相が制御され、基準信号Aに位相がロツクし、高周波の
パルス信号Bが得られる。ここでは、VCO4から出力され
る高周波パルス信号Bの周波数は基準信号Aの周波数の
N倍(但し、Nは2以上の整数)とし、第2図に示すよ
うに、基準信号Aの立下り時点(同図でP,P+1,P+2と
して示している)に高周波パルス信号Bの立上り時点を
ロツクさせるものとする。
そこで、第3図に示すように、基準信号Aの立下りエツ
ジPに高周波パルス信号Bの1番目の周期(以下、周期
1という。同様にして、一般にi番目の周期を周期iと
いう)の立上りエツジが一致し、基準信号Aの次の立下
りエツジ(P+1)に高周波パルス信号Bの周期(N+
1)の立上りエツジが一致し、基準信号Aのさらに次の
立下りエツジ(P+2)が高周波パルス信号Bの周期
(2N+1)の立上りエツジに一致し、以下、高周波パル
ス信号BのN個毎の周期の立上りエツジが順次基準信号
Aの立下りエツジと一致するときには、基準信号Aを水
平同期信号としてその周波数をfH、高周波パルス信号
Bの周波数をfVCOとすると、 fVCO=N・fH ……(1) となる。この状態をVCO4が基準信号Aにロツクしている
という。これに対して、VCO4から出力される高周波パル
ス信号Bの周波数が上式(1)で表わされるfVCOより
もΔfVCOだけずれているとすると、第4図に示すよう
に、基準信号Aの立下りエツジPに高周波パルス信号B
の周期1の立上りエツジが一致するとき、基準信号Aの
次の立下りエツジ(P+1)では高周波パルス信号Bの
周期(N+1)の立上りエツジがΔTだけずれ、基準信
号のさらに次の立下りエツジ(P+2)では高周波パル
ス信号Bの周期(2N+1)の立上りエツジが2ΔTだけ
ずれ、以下、基準信号Aの立下りエツジ毎に高周波パル
ス信号BのN個目毎の周期の立上りエツジのずれが順次
ΔTずつ大きくなつていくことになる。この場合、高周
波パルス信号Bの周波数が上式(1)で表わされるf
VCOよりも高い場合には、高周波パルス信号BのN個毎
の周期の立上りエツジは基準信号Aの立下りエツジに対
して順次ΔTずつ進んでいき、逆に、高周波パルス信号
Bの周波数が上式(1)で表わされるfVCOよりも低い
場合には、高周波パルス信号BのN個毎の周期の立上り
エツジは基準信号Aの立下りエツジに対して順次ΔTず
つ遅れていく。
以上のことから、すなわち、基準信号Aの立下りエツジ
に対して高周波パルス信号Bの立上りエツジが順次進ん
でいくか、遅れていくかあるいは常に一致しているかを
検出することにより、高周波パルス信号Bの周波数が上
記式(1)のfVCOよりも高いか低いかもしくはfVCO
一致しているかを判定できる。
位相遷移検出器2はこの基準信号Aに対する高周波パル
ス信号Bの関係を検出するものであり、この検出結果
(すなわち、出力信号D)に応じてVCO4が制御され、高
周波パルス信号Bが式(1)で表わされるfVCOとなる
ようにする。このために、位相差生成器6で、第5図に
示すように、VCO4が出力する高周波パルス信号Bを1周
期毎にP1,P2,P3,……,Pnとn個(但し、nは3以上の
整数)の位相範囲に等分割し、位相遷移検出器2は、基
準信号Aの順次の立下りエツジがこれら位相範囲のいず
れにあるかを検出して、基準信号Aの立下りエツジに対
して高周波パルス信号Bの立上りエツジが順次進んでい
くか、遅れていくのかを検出する。
たとえば、基準信号Aの立下りエツジが常時高周波パル
ス信号BのN個毎の周期の位相範囲P1にあるときに
は、基準信号Aと高周波パルス信号Bの周波数fVCO
上記式(1)の関係にある。以下、これをロツク状態と
いう。また、高周波パルス信号Bの周波数fVCOが上記
式(1)で表わされるNfHよりも高いときには、基準信
号Aの立下りエツジPが高周波パルス信号Bの周期1の
位相範囲にあるとすると、次の立下りエツジ(P+1)
以降の立下りエツジは、これらと一致すべき高周波パル
ス信号Bの周期1の立上りエツジから次第にずれてい
き、ついには、位相範囲P2内にあるようになり、順次
基準信号Aの所定周期毎に位相範囲P3,P4,……とずれ
ていく。さらに、高周波パルス信号Bの周波数fVCO
上記式(1)で表わされるNfHよりも低いときには、逆
に、基準信号Aの立下りエツジは所定周期毎に位相範囲
1,Pn,Pn-1,……とずれていく。
第6図はこのような位相遷移を図式的に示したものであ
つて、破線は高周波パルス信号Bの周波数fVCOがNfH
りも高い場合を示し、実線は逆にNfHよりも低い場合を
示している。ここで、破線で示される位相遷移状態で
は、基準信号Aの立下りエツジPが高周波パルス信号B
の周期1の位相範囲P1にあるとすると、基準信号Aの
次の立下りエツジ(P+1)は高周波パルス信号Bの周
期(N+1)の位相P1にあり、以下、「高周波パルス
信号Bの周期」という用語を省略し、基準信号Aの次の
2つの立下りエツジ(P+2),(P+3)は位相範囲
2にあり、さらに基準信号Aの次の2つの立下りエツ
ジ(P+4),(P+5)が位相範囲P3にあるという
ように、順次基準信号Aの立下りエツジが2つずつを単
位として後の位相範囲に1つずつずれていくことを示し
ている。以下、このような位相遷移状態を遅れ位相遷移
状態という。また、実線で示す位相遷移状態では、同じ
く基準信号Aの立下りエツジが2つずつを単位として、
位相範囲が1つずつP3,P2,P1,Pn,……と前の位相範囲
にずれていくことを示している。以下、このような位相
遷移状態を進み位相遷移状態という。
このように、位相遷移状態は高周波パルス信号Bを基準
とした基準信号Aの立下りエツジの遷移を表わすものと
しており、高周波パルス信号Bの周波数fVCOがNfHより
も高いときには遅れ位相遷移状態となり、逆にこれがNf
Hよりも低いときには進み位相遷移状態となる。
ところで、いま、遅れ位相遷移状態にあり、高周波パル
ス信号Bの周期をTとし、基準信号Aの立下りエツジP
が高周波パルス信号Bの周期1の立上りエツジに一致し
て次の立下りエツジ(P+1)が高周波パルス信号Bの
周期(N+1)の立上りエツジよりもΔT(但し、0<
ΔT<T)だけ遅れるとすると、基準信号Aの周波数f
Hは、 となる。ここで、1/Tは高周波パルス信号Bの周波数f
VCOであるから、式(2)は次のようになる。
(但し、ΔT/T=ΔN,0<ΔN<1,かつΔN・fH=Δf
VCO) したがつて、高周波パルス信号Bの周波数fVCOはNfH
りもΔfVCOだけ高くなる。進み位相遷移状態にあつて
同様に基準信号Aの立下りエツジ(P+1)がΔTだけ
進むものとすると、高周波パルス信号Bの周波数fVCO
は、 fVCO=(N−ΔN)fH=NfH−ΔfVCO…… (4) となり、NfHよりもΔfVCOだけ低くなる。
ここで、高周波パルス信号Bの1周期毎に設定される位
相範囲の数nを2とし、このときの遅れ位相遷移状態と
進み位相遷移状態とについて、第7図により説明する。
同図のB1はΔT/T=2/10とした進み位相遷移状態での高
周波パルス信号Bであり、基準信号Aの立下りエツジP
が高周波パルス信号B1の周期1の立上りエツジよりもT
/4だけ遅れているとすると、基準信号Aの順次の立下り
エツジP,P+1,P+2,P+3,……に対して高周波パルス信
号B1の位相範囲は、 P1→P1→P2→P2→…… と移つていく。第7図のB2は同じくΔT/T=2/10とした
ときの遅れ位相遷移状態での高周波パルス信号Bであ
り、基準信号Aの順次の立下りエツジに対して高周波パ
ルス信号B2の位相範囲は、 P1→P1→P2→P2→…… と移つていき、進み位相遷移状態と同じになる。基準信
号Aの立下りエツジが高周波パルス信号Bの周期1の立
上りエツジよりもT/4だけ進んでいる場合も同様であ
る。このことから、位相遷移状態から高周波パルス信号
Bの周波数fVCOがNfHよりも高いか低いかを判定するこ
とができない。
一般に、高周波パルス信号の1周期毎に設定される位相
範囲の数nを2とすると、基準信号Aの立下りエツジは
高周波パルス信号Bに設定された位相範囲P1,P2を移る
だけであり、位相遷移状態から高周波パルス信号Bの周
波数fVCOがNfHよりも高いか低いかを判定することは困
難である。
次に、高周波パルス信号Bの1周期毎に設定される位相
範囲の数nを3とした場合について、第8図を用いて説
明する。
同図のB1はΔT/T=1/6としたときの進み位相遷移状態
での高周波パルス信号Bであり、基準信号Aの立下りエ
ツジPが高周波パルス信号B1の周期1の立上りエツジ
よりもT/12だけ遅れているとすると、基準信号Aの順次
の立下りエツジP,P+1,P+2,P+3,……に対して、高周
波パルス信号B1の位相範囲は、 P1→P3→P3→P2→…… と移つていく。第8図のB2は同じくΔT/T=1/6とした
ときの遅れ位相遷移状態での高周波パルス信号Bであ
り、基準信号Aの順次の立下りエツジに対して高周波パ
ルス信号B2の位相範囲は、 P1→P1→P2→P2→…… と移つていく。したがつて、進み位相遷移状態と遅れ位
相遷移状態とで位相範囲の移り順序が異なる。
第8図のB3,B4は夫々ΔT/T=1/2としたときの進み位相
遷移状態、遅れ位相遷移状態での高周波パルス信号Bで
あり、いずれも基準信号B2の位相範囲は、 P1→P2→P1→P2→…… と移つていく。このために、進み位相遷移状態か遅れ位
相遷移状態かを判定できず、高周波パルス信号Bの周波
数fVCOがNfHよりも高いか低いかを判定できない。
さらに、第8図のB5はΔT/T=5/6としたときの進み位
相遷移状態での高周波パルス信号Bであり、基準信号A
の立下りエツジP,P+1,P+2,P+3,……に対して高周波
パルス信号B5の位相範囲は、 P1→P1→P2→P2→…… と移つていく。これは第8図B2で示したΔT/T=1/6と
したときの遅れ位相遷移状態での高周波パルス信号Bの
場合と同じである。一般に、ΔNの遅れ位相遷移状態
(または進み位相遷移状態)と(1−ΔN)の進み位相
遷移状態とでは、基準信号Aの順次の立下りエツジに対
する高周波パルス信号Bの位相範囲の移り順序は等しく
なる。
以上のように、ΔNが0<ΔN<1の任意の値をとると
すると、遅れ位相遷移状態か進み位相遷移状態かの判定
が不能もしくはこれらを誤判定することになる。
これに対して、 とすると、第8図のB1,B2のように、進み位相遷移状態
と遅れ位相遷移状態での高周波パルス信号Bの位相範囲
の移り順序は、前者で、 P1→……→P3→……→P2→……→P1→…… のようになるのに対し、後者では、 P1→……→P2→……→P3→……→P1→…… のようになり、互いに異なるために両者の判別が可能と
なる。したがつて、高周波パルス信号Bの1周期に設定
される位相範囲の数nを3とすると、 となるようにVCO4を安定化することにより、進み位相遷
移状態か遅れ位相遷移状態かの判定が可能となる。
ここで、この条件を満足するVCO4の周波数安定度につい
て、NTSC方式カラーテレビジヨン信号を例にして説明す
る。この場合、第1図において、入力端子1に入力され
る基準信号Aを水平同期信号とし、VCO4は色副搬送周波
数fSCの4倍の周波数の高周波パルス信号Bを発生する
ものとする。
水平同期信号の周波数をfHとすると、色副搬送周波数
SCは、 であるから、VCO4が出力する高周波パルス信号Bの周波
数fVCOは、 fVCO=4fSC=910fH ……(5) である。このVCO4の発振周波数fVCOは上記式(3)や
式(4)で表わされるが、このときの周波数安定度は、 となる。ここで、式(5)からN=910であり、ΔNは
最大1/3まで許容されるから、 となる。一方、水晶振動子の周波数安定度は数十ppmで
あり、VCO4に水晶振動子を用いることによつて上記の条
件は満足される。
第9図は第1図における位相差生成器6の一具体例を示
す構成図であつて、7は入力端子、8はインバータ、9
〜11は出力端子である。また、第10図は第9図の各部の
信号を示す波形図であり、第9図に対応する信号には同
一符号をつけている。なお、この具体例では、VCO4(第
1図)から出力される高周波パルス信号Bの1周期毎に
設定される位相範囲の数nを3としている。
第9図および第10図において、入力端子7にはVCO4から
の高周波パルス信号Bが入力され、第1の比較信号C1
として出力端子9から位相遷移検出器2(第1図)に供
給される。この高周波パルス信号Bは、また、所定段数
のインバータ8を通り、それらの内部遅延量によつて遅
延される。ここで、高周波パルス信号Bの周期をTとす
ると、これらインバータ8の総内部遅延量はT/3に設定
され、これにより、比較信号C1よりもT/3だけ遅れた第
2の比較信号C2が得られ、出力端子10から位相遷移検
出器2に供給される。この第2の比較信号C2は、ま
た、所定段数のインバータ8でT/3だけ遅延され、第3
の比較信号C3として出力端子11から位相遷移検出器2
に供給される。
かかる比較信号C1,C2,C3において、比較信号C1の立上
りエツジから比較信号C2の立上りエツジまでのT/3期間
が高周波パルス信号Bの第5図に示した位相範囲P1
あり、以下、比較信号C2の立上りエツジから比較信号
3の立上りエツジまでが位相範囲P2、比較信号C3
立上りエツジから比較信号C1の立上りエツジまでが位
相範囲P3である。
第11図は第1図における位相遷移検出器2の一具体例を
示す構成図であつて、12〜15は入力端子、16〜24はD−
FF(D型フリツプフロツプ回路)、25はノア回路、26は
出力端子、27は電源端子である。
以下、この具体例の動作を説明する。
同図において、入力端子12には基準信号Aが入力され、
D−FF16,17,18のデータ入力D16,D17,D18となる。入力
端子13には比較信号C1が入力され、D−FF16のクロツ
ク入力φ16となり、同様にして、入力端子14,15には比
較信号C2,C3が入力され、夫々D−FF17,18のクロツク
入力φ17,φ18となる。
D−FF16,17,18は基準信号Aの立下りエツジが比較信号
Cの位相範囲P1,P2,P3のいずれにあるかを判定するた
めのものであつて、夫々比較信号C1,C2,C3の立上りエ
ツジで基準信号Aをサンプルホールドする。第12図によ
つてその判定動作を説明する。
第12図(a)は基準信号Aの立下りエツジが比較信号C
の位相範囲P1にある場合であつて、この立下りエツジ
の前に比較信号C1が立上がり、その後に比較信号C2,C
3の順で立上がる。このために、D−FF16,17,18の
161718出力は、171816 の順で立上がる。第12図(b)は基準信号Aの立下りエ
ツジが比較信号Cの位相範囲P2にある場合であつて、
この立下りエツジの前に比較信号C2が立上がり、その
後に比較信号C3,C1の順で立上がる。このために、D−
FF16〜18の161718出力は、181617 の順で立上がる。第12図(c)は基準信号Aの立下りエ
ツジが比較信号Cの位相範囲P3にある場合であつて、
この立下りエツジの前に比較信号C3が立上がり、その
後に比較信号C1,C2の順で立上がる。このために、D−
FF16〜18の161718出力は、161718 の順で立上がる。
このようにして、基準信号Aの立下りエツジが比較信号
Cの位相範囲P1,P2,P3のいずれにあるかに応じてD−F
F16,17,18の161718出力の立上り順序が異な
る。
次に、D−FF16の16出力はD−FF19にデータ入力D19
として供給され、また、D−FF21にクロツク入力φ21
して供給される。D−FF17の17出力はD−FF20はデー
タ入力D20として供給され、また、D−FF19にクロツク
入力φ19として供給される。D−FF18の18出力はD−
FF21にデータ入力D21として供給され、また、D−FF20
にクロツク入力φ20として供給される。これらD−FF19
〜21は基準信号Aの立下りエツジが位相範囲P1→P2
3→P1→……と遷移するのか、あるいはその逆方向に
遷移するのかを判定するものである。
さらに、D−FF19のQ19出力はD−FF22にクロツク入力
φ22として供給され、また、D−FF24にリセツト入力R
24として供給される。D−FF20のQ20出力はD−FF23に
クロツク入力φ23として供給され、また、D−FF22にリ
セツト入力R22として供給される。D−FF21のQ21出力
はD−FF24にクロツク入力φ24として供給され、また、
D−FF23にリセツト入力R23として供給される。これら
D−FF22,23,24には夫々電源端子27からの電源電圧が
“H"のデータ入力D22,D23,D24として供給され、また、
これらD−FF22,23,24のQ22,Q23,Q24出力はノア回路25
に供給される。これらD−FF22〜24およびノア回路25
は、D−FF19〜21の判定結果にもとづいてレベルが異な
る出力信号Dを形成するものである。
したがつて、これらD−FF19〜24およびノア回路25は、
D−FF16〜18の判定結果により、高周波パルス信号B
(第1図)の周波数fVCOが遅れ位相遷移状態か進み位
相遷移状態から判定する。これらの動作を第13図および
第14図を用いて説明する。
まず、第13図を用い、基準信号Aの立下りエツジが高周
波パルス信号Bの位相範囲P1→P2→P3→P1→……の
順に移る遅れ位相遷移状態の場合について説明する。
いま、初期状態として、D−FF22,23,24のQ22,Q23,Q24
出力の全てが“L"であればノア回路25の出力信号Dは
“H"となり、これらの少なくとも1つが“H"であれば出
力信号Dは“L"となる。第13図では、初期状態でのノア
回路25の出力信号Dは“H"としている。また、D−FF16
〜21の初期状態も任意であるが、第12図の説明から明ら
かなように、入力端子12から基準信号Aの立下りエツジ
が入力されるとD−FF16〜18の161718出力は
必ず“H"となり、基準信号Aの次の立上りエツジでこれ
らは必ず“L"となる。したがつて、基準信号Aのその次
の立下りエツジでは、第3図(a),(b),(c)で
説明したように、この立下りエツジが高周波パルス信号
B(第1図)の位相範囲P1,P2,P3のいずれにあるかに
応じた順序で、D−FF16〜18の1618出力が立上が
ることになる。
そこで、第13図では、D−FF16〜18の1618出力が
“L"であり、そこに基準信号Aの立下りエツジが高周波
パルス信号Bの位相範囲P1にあるときからの位相遷移
を示している。
このように、基準信号Aの立下りエツジ(時刻t0)が
高周波パルス信号Bの位相範囲P1にあると、第12図
(a)で説明したように、D−FF16〜18の出力は
171816の順で“L"から“H"に反転する。この
ために、D−FF19〜21のQ19〜Q21出力が“H",“L"の
いずれであつても、D−FF19のQ19出力はD−FF17の
17出力の立上りエツジで“L"となり、D−FF20のQ20
力はD−FF18の18出力の立上りエツジ(時刻tA)で
“H"となり、D−FF21のQ21出力はD−FF16の16出力
の立上りエツジ(時刻tB)で“H"となる。
一方、D−FF22〜24の初期状態でこれらのQ出力が全て
“L"であり、ノア回路25の出力信号Dが“H"だとする
と、時刻tAでD−FF20のQ20出力が“L"から“H"とな
ることにより、D−FF22はリセツト状態となつてそのQ
22出力は“L"のままに保持されるか、D−FF21のQ21
力が“L"であるためにリセツト解除されているD−FF23
では、Q20出力の立上りエツジによつて“H"のデータ入
力D23がサンプルホールドされ、Q23出力は“H"とな
る。このために、ノア回路25の出力信号Dは“H"から
“L"に反転する。また、このとき、D−FF19のQ19出力
が“L"であつてD−FF24はリセツト解除されているが、
D−FF21のQ21出力に立上りエツジがないから、D−FF
24のQ24出力は“L"に保持される。
時刻tAでD−FF21のQ21出力が立上がると、D−FF23
はリセツトされるためにそのQ23出力は“L"となり、ま
た、リセツト解除されているD−FF24では、このQ21
力の立上りエツジで“H"のデータ入力D24がサンプルホ
ールドされ、そのQ24出力は“L"から“H"に反転する。
したがつて、ノア回路25の出力信号Dは“L"のままに保
持される。
基準信号Aの立下りエツジが高周波パルス信号B(第1
図)の位相範囲P1にあるときにはD−FF19〜21の各Q
出力はそのままの状態に保持されるが、基準信号Aの立
下りエツジが位相範囲P2に移ると、第12図(b)で説
明したように、D−FF16〜18のQ出力は1816
17の順で“L"から“H"に反転するから、まず、18出力
の立上りエツジで17出力レベルがサンプルホールドさ
れてD−FF20のQ20出力が“H"から“L"に反転し(時刻
1)、次に、16出力の立上りエツジで18出力のレ
ベルがサンプリングホールドされるが(時刻t2)、D
−FF21のQ21出力はそのまま“H"に保持される。次い
で、D−FF17の17出力の立上りエツジでD−FF16の
16出力がサンプルホールドされ(時刻t3)、D−FF19
のQ19出力は“L"から“H"に反転する。
基準信号Aが高周波パルス信号Bの位相範囲P1からP2
に移る前には、初期状態により、ノア回路25の出力信号
Dが“H"であるように、D−FF22〜24のQ22〜Q24出力
は全て“L"である。また、これらD−FF22〜24はリセツ
ト入力R22〜R24が“H"のときリセツト状態にあり、Q
22〜Q24出力は“L"となる。
そこで、時刻t3にD−FF19のQ19出力が“L"から“H"
に反転すると、その前の時刻t1でD−FF20のQ20出力
が“H"から“L"に反転してD−FF22がリセツト解除され
ているために、このD−FF22ではこのQ19出力の立上り
エツジで“H"のデータ入力D22がサンプルホールドさ
れ、そのQ22出力は“L"から“H"に反転する。また、D
−FF23は、リセツト入力R23であるD−FF21のQ21出力
が“H"のままに保持されるから、リセツト状態に保持さ
れる。さらに、D−FF24は、そのクロツク入力φ24であ
るD−FF21のQ21出力に立上りエツジが生じないから、
データ入力D24のサンプルホールドを行なわず、しか
も、その後時刻t3でD−FF19のQ19出力が“H"となる
ことにより、リセツト状態に保持される。このようにし
てD−FF22のQ22出力は“L"から“H"に反転し、この時
刻t3からノア回路25の出力信号Dは“L"となる。
その後ある時間経過して基準信号Aの立下りエツジが高
周波パルス信号Bの位相範囲P2からP3に移ると、第12
図(c)で説明したように、D−FF16〜18のQ出力は
161718の順序で“L"から“H"に反転する。そこ
で、まず、16出力の立上りエツジ(時刻t4)で18
出力のレベルがサンプルホールドされてD−FF21のQ21
出力は“H"から“L"に反転し、D−FF23がリセツト解除
される。次に、17出力の立上りエツジ(時刻t5)で
16出力のレベルがサンプルホールドされるが、このと
16出力は“H"であるからD−FF19のQ19出力はその
まま“H"に保持され、D−FF24はリセツト状態に保持さ
れる。さらに、18出力の立上りエツジ(時刻t6)が
17出力のレベルをサンプルホールドし、D−FF20のQ
20出力は“L"から“H"に反転する。リセツト解除された
D−FF23では、このQ20出力の立上りエツジで“H"のデ
ータ入力D23がサンプルホールドされ、そのQ23出力が
“H"となる。また、これと同時に、D−FF22は、そのリ
セツト入力R22であるQ20出力が“H"となることによ
り、リセツト状態となり、そのQ22出力は“H"から“L"
に反転する。したがつて、時刻t6以降では、D−FF23
のQ23出力のみが“H"となり、ノア回路25の出力信号D
は“L"のままに保持される。
そして、その後基準信号Aの立下りエツジが高周波パル
ス信号Bの位相範囲P3からP1に移ると、第12図(a)
で説明したように、D−FF16〜18のQ出力は17
1816の順で反転するから、まず、17出力の立上
りエツジ(時刻t7)で16出力のレベルがサンプルホ
ールドされてD−FF19のQ19出力が“H"から“L"に反転
する。この結果、D−FF24がリセツト解除される。次
に、18出力の立上りエツジ(時刻t8)で17出力レ
ベルがサンプルホールドされるが、D−FF20のQ20出力
はそのまま“H"に保持される。このために、D−FF22は
リセツト状態に保持される。さらに、16出力の立上り
エツジ(時刻t9)で18出力のレベルがサンプルホー
ルドされ、D−FF21のQ21出力は“L"から“H"に反転す
る。先にリセツト解除されたD−FF24では、このQ21
力の立上りエツジでデータ入力D24がサンプルホールド
され、そのQ24出力は“L"から“H"に反転する。これと
同時に、D−FF23はリセツト状態となり、そのQ23出力
は“H"から“L"に反転する。したがつて、時刻t9以降
では、D−FF24のQ24出力のみが“H"となり、ノア回路
25の出力信号Dは“L"に保持される。これは時刻tB
降の基準信号Aの立下りエツジが高周波パルス信号Bの
位相範囲P1にある状態と同じ状態である。
以下、基準信号Aの立下りエツジが高周波パルス信号B
の位相範囲をP1→P2→P3→P1の順に移るにつれて、
D−FF22〜24のQ出力はQ22→Q23→Q24の順に“H"と
なり、したがつて、遅れ位相遷移状態では、出力端子26
に“L"の出力信号が得られる。
なお、上記の動作では、初期状態でD−FF22〜24のQ出
力を全て“L"とし、出力信号Dを“H"としたが、これら
のいずれかが“H"であつて出力信号Dが“L"の場合も同
様である。すなわち、たとえば第13図で出力信号Dの初
期レベルが“L"の場合、時刻t0での基準信号Aの立下
りエツジが高周波パルス信号Bの位相範囲P1にあると
すると、D−FF19〜21のQ出力は上記と同様に変化す
る。そこで、D−FF22,23のQ22,Q23出力が“H"であつ
ても、D−FF20,21のQ20,Q21出力の立上り(時刻tA,t
B)によつてともに“L"となるし、また、D−FF24のQ
24出力が“H"である場合には、Q21出力の立上りエツジ
で“H"のデータ入力D24をサンプルホールドし、結局、
時刻tB以降は上記の出力信号Dが“H"の場合と同様に
なる。
次に、第14図を用い、基準信号Aの立下りエツジが高周
波パルス信号Bの位相範囲P1→P3→P2→P1→……の
順に移る進み位相遷移状態の場合について説明する。こ
の場合にも、第13図で説明した動作と同様に、初期状態
として基準信号Aの立下りエツジ(時刻t0)が高周波
パルス信号Bの位相範囲P1にあり、D−FF22〜24のQ
出力は“L"であつてノア回路25の出力信号Dは“H"であ
るとする。
D−FF22〜24のQ出力が全て“L"のときに基準信号Aの
立下りエツジが高周波パルス信号Bの位相範囲P1にあ
ると(時刻t0)、第13図で説明した動作と同様に、D
−FF18の18出力の立上りエツジ(時刻tA)でD−FF2
3のQ23出力が“L"から“H"に反転してノア回路25の出
力信号Dは“H"から“L"に反転し、次に、D−FF16の
16出力の立上りエツジ(時刻tB)でD−FF23のQ23
力は“H"から“L"に反転し、D−FF24のQ24出力が“L"
から“H"に反転する。このために、ノア回路25の出力信
号Dは“L"のままである。
基準信号Aの立下りエツジが高周波パルス信号Bの位相
範囲P1からP3に移ると、第13図と同様に、D−FF19の
19出力は“L",D−FF20,21のQ20,Q21出力は“H"であ
り、D−FF16〜18の出力は161718の順に立
上がるが、まず、16出力の立上りエツジで18出力の
レベルがサンプルホールドされ、D−FF21のQ21出力は
“H"から“L"に反転する。しかし、D−FF19,20のQ19,
Q20出力のレベルは変化しないから、D−FF22,23の
22,Q23出力は“L"のままであり、ノア回路25の出力信
号Dは“L"である。次に、17出力の立上りエツジで
16出力のレベルがサンプルホールドされ(時刻t2)、
D−FF19のQ19出力は“L"から“H"に反転する。このた
めに、D−FF24はリセツトされてそのQ24出力は“H"か
ら“L"に反転し、また、このQ19出力の立上りエツジが
D−FF22に供給されるが、このD−FF22はD−FF20のQ
20出力によつてリセツトされているから、そのQ22出力
は“L"のままである。さらに、D−FF20で18出力の立
上りエツジで17出力のレベルがサンプルホールドされ
るが、このD−FF20のQ20出力は“H"のままで変化しな
い。
以上のことから、基準信号Aの立下りエツジが高周波パ
ルス信号Bの位相範囲P3に移るとともに、D−FF19の
19出力のみに立上りエツジが生ずるが、これをクロツ
ク入力とするD−FF22はD−FF20のQ20出力が“H"であ
ることによつてリセツト状態にあり、このD−FF22のQ
22出力は“L"である。また、他のD−FF23,24のQ23,Q
24出力は“L"に保持され、この結果、ノア回路25の出力
信号Dは“H"となる。
以下、説明は省略するが、上記動作と同様にして、基準
信号Aの立下りエツジが高周波パルス信号Bの位相範囲
3からP2に移るときには、D−FF21のQ21出力が“L"
から“H"に反転するが(時刻t5)、これをクロツク入
力とするD−FF24はD−FF19のQ19出力が“H"となつて
いるためにリセツト状態にあり、また、基準信号Aの立
下りエツジが高周波パルス信号Bの位相範囲P2からP1
に移るときには、D−FF20のQ20出力が“L"から“H"に
反転するが(時刻t8)、これをクロツク入力とするD
−FF23はD−FF21のQ21出力が“H"となつているために
リセツト状態にある。したがつて、進み位相遷移状態で
はD−FF22〜24のQ出力は全て“L"に保持され、ノア回
路25の出力信号Dは“H"に保持される。
以上のようにして、位相遷移検出器2(第1図)から
は、進み位相遷移状態と遅れ位相遷移状態とでレベルが
異なる出力信号Dが得られる。
第15図は第1図におけるLPF3とVCO4の一具体例を示す回
路図であつて、27は入力端子、28〜30は抵抗、31〜33は
コンデンサ、34は水晶振動子、35はインバータ、36は可
変容量ダイオード、37は出力端子であり、抵抗28とコン
デンサ31がLPF3を、他の部分がVCO4を夫々構成してい
る。
同図において、これらLPF3,VCO4は周知のものであり、
入力端子27に位相遷移検出器2(第1図)の出力信号D
が入力され、これをLPF3に通すことにより、この出力信
号Dの直流成分のレベルを表わす制御信号Eが得られ
る。この制御信号Eは、抵抗29を介し、バイアス電圧と
して可変容量ダイオード36に印加される。可変容量ダイ
オード36はバイアス電圧に応じて容量が変化し、これに
よつてVCO4の発振周波数(すなわち、高周波パルス信号
Bの周波数)が変化する。
第16図(a)は可変容量ダイオード36のバイアス電圧に
対する容量特性を表わすものであり、バイアス電圧が高
い程可変容量ダイオード36の容量は小さくなる。第16図
(b)は可変容量ダイオード36の容量とVCO4の発振周波
数fVCOとの関係を示すものであつて、この容量が大き
い程VCO4の発振周波数fVCOが低くなる。したがつて、
可変容量ダイオード36のバイアス電圧が高い程VCO4の発
振周波数は高くなる。
いま、第16図(b)におけるf0を前記式(1)を満足
する(すなわち、基準信号Aの周波数fHのN倍)VCO4
の発振周波数fVCOとすると、このときの可変容量ダイ
オード36の容量はC0であり、また、この容量がC0とな
るための可変容量ダイオード36に印加されたバイアス電
圧は、第16図(a)により、V0である。ところで、先
にも説明したように、位相遷移検出器2の出力信号Dは
“H",“L"の2つのレベルのいずれかをとるものであ
り、しかも、その“H"の期間、“L"の期間は、第17図に
示すように、基準信号Aの周期T0の整数倍である。か
かる信号Dの直流レベルがLPF3で得られ、この直流レベ
ルが第16図のV0であるとき、VCO4の発振周波数fVCO
第16図(b)の所望周波数f0となるのである。
そこで、いま、電源投入による起動時をみると、可変容
量ダイオード36にはバイアス電圧が印加されていなかつ
たら、第16図により、可変容量ダイオード36の容量はC
0よりも充分大きく、したがつて、VCO4の発振周波数f
VCOも所望周波数f0よりも充分低い。このために、進み
位相遷移状態にある。この場合には、第14図で説明した
ように、位相遷移検出器2の出力信号Dは“H"であり、
この結果、第15図において、LPF3を通してVCO4の可変容
量ダイオード36に印加されるバイアス電圧Eは上昇して
いき、第18図に示すように、VCO4の発振周波数fVCO
高くなつていく。
その後、バイアス電圧Eは第16図のV0に等しくなり、V
CO4の発振周波数fVCOは所望周波数f0に等しくなる
が、このときは基準信号Aの立下りエツジはVCO4の出力
信号Bの同じ位相範囲に留まることになり、位相遷移検
出器2の出力信号Dはこれまでのレベル、すなわち“H"
に保持される。このために、バイアス電圧EはV0を越
えてしまう。このために、VCO4の発振周波数fVCOは所
望周波数f0よりも高くなり、進み位相遷移状態から遅
れ位相遷移状態に転換する。そこで、位相遷移検出器2
の出力信号Dは“H"から“L"に反転し、バイアス電圧E
は低下していき、VCO4の発振周波数fVCOは低くなつて
いく。バイアス電圧EがV0よりも低くなつてVCO4の発
振周波数fVCOがf0よりも低くなると、再び進み位相遷
移状態となり、バイアス電圧Eが上昇し始めてVCO4の発
振周波数fVCOも上昇し始める。
この場合、位相遷移状態の転換は基準信号Aの立下りエ
ツジがVCO4の出力信号Bの他の位相範囲に移つたときに
検出されるから、この出力信号Bの隣あう2つの位相範
囲の境界が基準信号Aの立下りエツジを中心として変動
するようにして、すなわち、第10図に示した比較信号C
1,C2,C3のいずれかの立上りエツジが基準信号Aの立下
りエツジを中心としてその前後にふらつくようにして、
VCO4が発振する。このときのVCO4の発振周波数fVCO
平均周波数がf0であり、この状態がロツク状態であ
る。
VCO4がこのロツク状態にあるときに、ノイズなどによつ
て可変容量ダイオード36のバイアス電圧EがV0から変
動すると、VCO4の発振周波数fVCOも変動するが、バイ
アス電圧Eの変動分が除かれるような位相遷移状態にな
り、VCO4は元のロツク状態に引き込まれる。
以上のようにして、VCO4の発振周波数fVCOは所望周波
数f0となる。
以上はVCO4の出力信号Bの1周期を3分割し、3つの位
相範囲P1,P2,P3を設定した場合であるが、一般に、n
を3以上の整数とし、mを1以上の整数とすると、VCO4
の出力信号Bのm周期毎にn個の位相範囲P1,P2,…
…,Pnを設けるようにしてもよい。この場合には、前記
式(3)に定義づけたΔNは、 を満足すれば進み位相遷移状態と遅れ位相遷移状態とが
判別できる。また、前記式(1)のように、VCO4の出力
信号Bの周波数fVCOが基準信号Aの周波数fHのN倍の
ときには、このNがmの倍数となるように、式(6)の
mが設定される。これは、VCO4の発振周波数fVCOが前
記式(1)を満足するとき、基準信号Aの順次の立下り
エツジはこのVCO4の出力信号Bの同じ位相範囲の境界に
ロツクしなければならないが、これを満足させるために
必要な要件である。
上記式(6)において、nが大きくなる程VCO4の周波数
安定度に対する条件が厳しくなるが、mを大きくするこ
とによつてこの条件も緩和される。
以上説明した実施例はm=1,n=3の場合であつたが、
次に、m=2,n=4の場合の本発明による発振装置の他
の実施例を第19図〜第24図によつて説明する。なお、こ
の実施例も全体的構成は第1図と同様であり、各部を表
わす符号も第1図と同様とする。
第19図はこの実施例における位相差生成器6の一具体例
を示すブロツク図であつて、38は入力端子、39は2分周
器、40はインバータ、41はD−FF、42〜45は出力端子で
ある。また、第20図はこの具体例の動作を示すタイミン
グチヤートであつて、第19図に対応する信号には同一符
号をつけている。
第19図および第20図において、入力端子38には、VCO4の
出力信号である高周波パルス信号Bが入力される。2分
周器39はT型フリツプフロツプであり、高周波パルス信
号Bの立上りエツジでトリガーされる。これにより、2
分周器39からは高周波パルス信号Bが2分周されたQ39
出力とこれより高周波パルス信号Bの1周期遅れた39
出力が得られる。また、高周波パルス信号Bはインバー
タ40で反転され、クロツク入力φ41としてD−FF41に供
給される。D−FF41では、このクロツク入力φ41の立上
りエツジで2分周器39のQ39出力をサンプルホールドす
る。これにより、D−FF41からは、2分周器39のQ39
力よりも高周波パルス信号Bの1/2周期遅れたQ41出力
と同じ3/2周期遅れた41出力とが得られる。
2分周器39のQ39出力の立上りエツジは高周波パルス信
号Bの2周期毎の立上りエツジに一致しており、Q41
力,39出力,41出力は順次Q39出力から高周波パル
ス信号Bの1/2周期ずつ立上りエツジがずれている。そ
こで、Q39出力を比較信号C1とし、同様に、Q41
力,39出力,41出力を夫々比較信号C2,C3,C4とす
ることにより、比較信号C1,C2の立上りエツジ間を高周
波パルス信号Bの2周期に対応して位相範囲P1とし、
同様にして、比較信号C2,C3の立上りエツジ間、比較信
号C34の立上りエツジ間、比較信号C4,C1の立上りエ
ツジ間を夫々位相範囲P2,P3,P4とすることができる。
これら比較信号C1,C2,C3,C4は出力端子42,44,43,45を
介して位相遷移検出器2(第1図)に供給される。
第21図は第19図に示した位相差生成器6から比較信号が
供給される位相遷移検出器2の一具体例を示すブロツク
図であつて、46〜50は入力端子、51〜62はD−FF,63は
ノア回路、64は電源端子、65は出力端子である。
この具体例は、第11図と比較して明らかなように、第11
図のD−FF16〜18に相当するD−FF51〜53にD−FF54を
追加し、第11図のD−FF19〜21に相当するD−FF55〜57
にD−FF58を追加し、第11図のD−FF22〜24に相当する
D−FF59〜61にD−FF62を追加したものであり、D−FF
51〜53,55〜57,59〜61はこれらに相当する第11図のD−
FF16〜24と同様の動作をなす。そして、D−FF54は比較
信号C4の立上りエツジで基準信号Aのレベルをサンプ
ルホールドし、D−FF58はD−FF51の51出力の立上り
エツジでD−FF54の54出力のレベルをサンプルホール
ドし、D−FF62はD−FF58のQ58出力の立上りエツジで
“H"のデータ入力D62をサンプルホールドするととも
に、D−FF55のQ55が“H"のときにリセツト状態とな
る。
この具体例の動作は第11図に示した具体例の動作から明
らかであるので、まず、D−FF51〜54の動作結果を第22
図によつて説明する。
基準信号Aの立下りエツジがVCO4の出力信号Bの位相範
囲P1にあるときには、D−FF51〜54の出力は、第22
図(a)に示すように、52535451 の順序で立上がり、基準信号Aの立下りエツジが同じく
位相範囲P2にあるときには、第22図(b)に示すよう
に、53545152 の順序で立上がる。また、基準信号Aの立下りエツジが
同じく位相範囲P3にあるときには、第22図(c)に示
すように、54515253 の順序で立上がり、基準信号Aの立下りエツジが同じく
位相範囲P4にあるときには、第22図(d)に示すよう
に、51525354 の順序で立上がる。
D−FF55〜62の動作も第11図のD−FF19〜24の動作から
明らかであるので、遅れ、進み位相遷移状態であること
を判別動作結果について簡単に説明する。
第23図は遅れ位相遷移状態での第21図の動作を示すもの
であつて、第13図の場合と同一の初期状態をもたせてい
る。
同図から明らかなように、遅れ位相遷移状態では、基準
信号Aの立下りエツジがVCO4の出力信号Bの位相範囲を
移る毎にQ59,Q60,Q61,Q62,Q59,……出力の順にレベル
が“H"となり、したがつて、常にこれら出力のうち1つ
が“H"である。このために、これら出力が供給されるノ
ア回路63の出力信号Dは“L"となる。
第24図は進み位相遷移状態での第21図の動作を示すもの
であつて、第14図の場合と同一の初期状態をもたせてい
る。
同図から明らかなように、初期状態から基準信号Aの立
下りエツジが隣りの位相範囲に移ると、D−FF59〜62は
全てリセツトされ、Q59〜Q62出力は全て“L"となつて
ノア回路63の出力信号Dは“H"となる。その後は時刻t
2,t3,t4,……毎にD−FF59〜62のクロツク入力φは順
番に立上がるが、これらD−FF59〜62のクロツク入力φ
の立上りエツジが入力されたD−FFは既にリセツト状態
に保持されており、これらのQ出力は全てそのまま“L"
に保持される。したがつて、ノア回路63の出力信号Dは
“H"のままである。
以上のように、この具体例においても、進み位相遷移状
態と遅れ位相遷移状態とで得られる出力信号Dのレベル
が異なる。
以上の説明した具体例では、m=2,n=4であるから、
前記式(6)の条件は、 となり、先に説明したm=1,n=4のときの条件、 に比べてVCO4の周波数安定度に対する条件が緩やかにな
る。
また、m=2,n=4の場合の上記具体例では、VCO4の出
力信号Bを2分周し、その1周期に対して4つの位相範
囲を設けたことと同様であり、このために、先に説明し
たように、VCO4が基準信号Aにクロツクするためには、 fVCO=2kfH(但し、kは1以上の整数) ……(7) でなければならない。しかし、 fVCO=(2k+1)fH ……(8) の場合にも、次に示す処理を施すことにより、比較信号
CがVCO4の出力信号Bを2分周したものとして位相遷移
状態の判定が可能である。
いま、上記式(8)の関係を満足しているときに、第19
図で示した位相差生成器6を用いたとすると、第25図に
示すように、基準信号Aの立下りエツジが存在するVCO4
の出力信号Bの位相範囲が変化する。すなわち、同図に
おいて、いま、基準信号Aの立下りエツジがVCO4の出力
信号Bの周期1の立上りエツジ近傍にあり、この立下り
エツジが存在する位相範囲をP1とすると、基準信号A
の次の立下りエツジはVCO4の出力信号Bの周期(2k+
2)の立上りエツジ近傍にあり、このときの基準信号A
の立下りエツジが存在する位相範囲はP3となる。した
がつて、位相遷移状態と判定されてVCO4の発振周波数f
VCOは上記式(8)からずれてくる。これを防止するた
めには、VCO4がロツク状態にあるときに基準信号Aの順
次の立下りエツジが同一位相範囲に存在するように、位
相範囲P1〜P4の順序をづらせばよい(第25図B′)。
第26図は前記式(8)を満足するようにした本発明によ
る発振装置のさらに他の実施例における比較信号を形成
する手段の一具体例を示すブロツク図であつて、4は第
19図に示した第1図の位相差生成器、66は切換回路、67
は入力端子、68は出力端子である。
同図において、第19図および第20図で説明したように位
相差生成器4で生成された比較信号Cは切換回路66に供
給され、入力端子67からの切換信号Sにより、比較信号
Cの位相がずらされて、第25図B′に示すように、位相
範囲P1〜P4の順序が変更される。これによる新たな比
較信号C′は第21図に示した位相遷移検出器2の入力端
子47〜50に供給される。
ここで、切換信号Sとして基準信号Aの立上りエツジで
レベル反転する基準信号Aの2分周信号とし、基準信号
Aの立上りエツジで位相範囲P1〜P4の順序を変更させ
るようにした切換回路66の一具体例を第27図に示す。な
お、同図において、69〜73は入力端子、74〜81はオア回
路、82〜85はアンドゲード、86はインバータ、87〜90は
出力端子である。また、第28図は第27図に示した切換回
路66の動作を示すタイミングチヤートであつて、第27図
に対応する信号には同一符号をつけている。なお、比較
信号C1の立上りエツジに付される数字は、基準信号の
立下りエツジにVCO4がロツクしたときのこの出力信号B
(図示せず)の立上りエツジの順序を表わし、基準信号
Aの立下りエツジPに一致する出力信号Bの立上りエツ
ジの時点を1としている。ここで、比較信号C1〜C4
対しては、 比較信号C1,C2の立上りエツジ間→位相範囲P1 比較信号C2,C3の 〃 → 〃 P2 比較信号C3,C4の 〃 → 〃 P3 比較信号C4,C1の 〃 → 〃 P4 であることはいうまでもない。これら比較信号C1〜C4
を直接位相遷移状態の判定に用いると、第25図で説明し
た動作を生じ、この判定ができなくなるのである。
第27図に示す具体例は位相遷移状態を正しく判定できる
比較信号C1′〜C4′を形成するものであり、以下、第
28図を用いてこの具体例を動作を説明する。
入力端子69には位相差生成器4(第26図)からの比較信
号C1が入力され、オア回路74,79に供給される。同様に
して、比較信号C2は入力端子70からオア回路76,81に、
比較信号C3は入力端子71からオア回路78,75に、比較信
号C4は入力端子72からオア回路80,77に夫々供給され
る。また、入力端子93には基準信号Aの立上りエツジ毎
に反転する切換信号Sが入力され、直接オア回路74,76,
78,80に供給され、同時にインバータ86で反転されてオ
ア回路75,77,79,81に供給される。オア回路74,75の出力
信号はアンドゲート82に供給され、同様に、オア回路7
6,77の出力信号はアンドゲート83に、オア回路78,79の
出力信号はアンドゲート84に、オア回路80,81の出力信
号はアンドゲート85に夫々供給される。
そこで、いま、切換信号Sが“L"とすると、比較信号C
1はオア回路74を通してアンドゲート82に供給され、同
様にして、比較信号C2,C3,C4は夫々オア回路76,78,80
を通してアンドゲート83,84,85に供給される。このと
き、オア回路75,77,79,81の出力信号は全て“H"となる
から、出力端子87,88,89,90には夫々比較信号C1,C2,
C3,C4が得られ、比較信号C1が新たな比較信号C1′と
して、同様に、比較信号C2,C3,C4が新たな比較信号
2′,C3′,C4′として夫々位相遷移検出器2(第1
図)に供給される。
次に、切換信号Sが“H"になると、比較信号C1はオア
回路79を通してアンドゲート84に供給され、同様にし
て、比較信号C2,C3,C4が夫々オア回路81,75,77を通し
てアンドゲート85,82,83に供給される。このとき、オア
回路74,76,78,80の出力信号は全て“H"であるから、出
力端子87,88,89,90に夫々比較信号C3,C4,C1,C2が得ら
れる。比較信号C3は新たな比較信号C1′として位相遷
移検出器2に供給され、同様にして、比較信号C4,C1,C
2は新たな比較信号C2′,C3′,C4′として夫々位相遷移
検出器2に供給される。次に切換信号Sが“L"になる
と、再び比較信号C1,C2,C3,C4は夫々新たな比較信号C
1′,C2′,C3′,C4′となり、以下、切換信号Sのレベル
が反転する毎に上記の動作を繰り返す。
そこで、切換信号AとVCO4の出力信号Bとの周波数関係
が前記式(8)を満足している場合、比較信号C1′の
立上りエツジが基準信号の立下りエツジPに一致してい
るとすると、その後の基準信号の立下りエツジ(P+
1),(P+2),……はこの比較信号C′1の立上り
エツジに一致することになる。したがつて、位相遷移状
態の判定が可能となる。
なお、第28図では、動作説明上基準信号Aのデユーテイ
比を50%としたが、ビデオ信号の水平同期信号のように
デユーテイ比が異なる信号であつても同様である。
第29図は前記式(8)を満足するようにした本発明によ
る発振装置のさらに他の実施例を示す要部ブロツク図で
あつて、91は分周器であり、第1図に対応する部分には
同一符号をつけている。また、第30図は第29図の動作を
示すタイミングチヤートである。
第28図の基準信号Aと比較信号C1〜C4との関係から明
らかなように、前記式(8)を満足しているときには、
基準信号Aの1つおきの立下りエツジP,(P+2),…
…はVCO4の出力信号Bの同一位相範囲に入ることにな
る。この実施例は、この点に着目し、第19図で示した位
相差生成器6からの比較信号C1〜C4を用い、基準信号
Aの1つおきの立下りエツジによつて位相遷移状態を判
定するものである。
第29図および第30図において、入力端子1に入力された
基準信号Aは分周器91で2分周され、基準信号A′とし
て位相遷移検出器2に供給される。位相遷移検出器2に
は、第20図で示した比較信号Cが供給される。また、分
周器91は、基準信号Aの立下りエツジ毎に基準信号A′
のレベルが反転するように、2分周動作を行なう。
前記式(8)を満足しているときには、基準信号A′と
比較信号C1〜C4との位相関係は一定し、したがつて位
相遷移状態を判別できる。
なお、この実施例において、基準信号Aがビデオ信号の
同期信号である場合には、基準信号A′のエツジが帰線
期間内であるように分周器91の分周動作を帰線期間に限
定することにより、ビデオ信号の劣化を防止できる。
以下、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらの
みに限定されるものではない。たとえば、第19図以降に
説明した実施例はVCO4の出力信号Bを2周期毎に4つの
位相範囲を形成するために、VCO4の出力信号Bまたは基
準信号を2分周したが、一般に、VCO4の出力信号Bのm
周期毎にn個の位相範囲を設定するためには、比較信号
Cとしては、周期がVCO4の出力信号Bの周期の1/mであ
つて位相が互いにT/n(但し、Tはこの出力信号Bの周
期である)ずつ異なるn個の信号が用いられる。このよ
うな比較信号Cを形成する位相差生成器としては、第9
図の具体例と同様に、遅延回路で形成することができる
し、また、第19図の具体例のように、フリツプフロツプ
回路などの分周器でもつて形成することもできる。な
お、位相差生成器6に分周器を用いる場合には、前記従
来技術と同様に、VCO4の出力信号Bに分周ノイズが重畳
される懸念があるが、この分周器の出力信号の周波数は
基準信号Aに比べて充分高い。このために、たとえば、
基準信号Aがビデオ信号の水平同期信号の場合、VCO4の
出力信号Bに分周ノイズが重畳されることによつてビデ
オ信号に分周波ノイズが混入しても、この分周ノイズの
周波数はビデオ信号帯域よりも高くなり、容易にこの分
周ノイズを除去することができる。
また、上記実施例では、基準信号Aの立下りエツジを用
いたが、立上りエツジを用いてもよいし、比較信号Cも
立下りエツジを用いるようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、基準信号と比較
信号とからVCOの制御信号を形成するに際し、該比較信
号は該基準信号よりも充分高い周波数とすることができ
るので、該VCOの出力信号を分周して該比較信号の周波
数を該基準信号の周波数に等しくする分周器を用いる必
要なく、したがつて、分周ノイズの影響を回避すること
ができるし、回路規模も大幅に低減できるという優れた
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第18図は本発明による発振装置の一実施例を示
すものであつて、第1図はその全体構成を示すブロツク
図、第2図〜第4図はこの実施例の動作原理を示す説明
図、第5図は第1図における電圧制御発振器の出力信号
に設定される位相範囲の一例を示す説明図、第6図は位
相遷移状態を示す説明図、第7図は電圧制御発振器の出
力信号の1周期毎に2つの位相範囲を設けた場合の問題
点を示す説明図、第8図は同じく3つの位相範囲を設け
た場合の説明図、第9図は第1図における位相差生成器
の一具体例を示す構成図、第10図はその動作を示すタイ
ミングチヤート、第11図は第1図における位相遷移検出
器の一具体例を示す構成図、第12図〜第14図はその動作
を示すタイミングチヤート、第15図は第1図に示したロ
ーパスフイルタと電圧制御発振器の一具体例を示す回路
図、第16図は第15図における電圧制御発振器の制御信号
による特性図、第17図はその動作を示すタイミングチヤ
ート、第18図は第15図における電圧制御発振器の出力周
波数を示す特性図、第19図〜第25図は本発明による発振
装置の他の実施例を示すものであつて、第19図はその位
相差生成器の一具体例を示す構成図、第20図はその動作
を示すタイミングチヤート、第21図は位相遷移検出器の
一具体例を示す構成図、第22図〜第24図はその動作を示
すタイミングチヤート、第25図〜第28図は本発明による
発振装置のさらに他の実施例を示すものであつて、第25
図はこの実施例の動作原理の説明図、第26図はその要部
を示すブロツク図、第27図は第26図における切換回路の
一具体例を示す構成図、第28図はその動作を示すタイミ
ングチヤート、第29図および第30図は本発明による発振
装置のさらに他の実施例の要部を示すものであつて、第
29図はそのブロツク図、第30図はその動作を示すタイミ
ングチヤートである。 1……基準信号の入力端子、2……位相遷移検出器、3
……ローパスフイルタ、4……電圧制御発振器、5……
出力端子、6……位相差生成器、66……切換回路、91…
…分周器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心発振周波数が基準信号の規定周波数の
    N(但し、Nは2以上の整数)倍に設定された電圧制御
    発振器と、 該電圧制御発振器の出力信号のm(但し、mは1以上の
    整数)周期毎にn(但し、nは3以上の整数)個の位相
    範囲を規定する比較信号を生成する位相差生成器と、 該比較信号によって規定される該位相範囲をもとに該比
    較信号に対する該基準信号の位相遷移状態を検出する位
    相遷移検出器と、 該位相遷移検出器の検出出力信号から該電圧制御発振器
    の発振周波数を制御する制御信号を形成するローパスフ
    イルタと からなることを特徴とする発振装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、 前記位相差生成器が生成する比較信号は、前記電圧制御
    発振器の出力信号の1/m倍の周期であって互いに該出力
    信号の周期の1/n倍ずつ位相が異なるn個の信号であ
    り、該信号の順次の立上りエツジ(もしくは立下りエツ
    ジ)間を前記位相範囲とすることを特徴とする発振装
    置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項または第2項におい
    て、 前記位相遷移検出器は、 前記基準信号の立下りエッジ(もしくは立上りエッジ)
    が存在する前記位相範囲を検出する第1の手段と、 該第1の手段の検出結果をもとに前記電圧制御発振器の
    出力信号の立上りエツジ(もしくは立下りエツジ)が前
    記基準信号に対して進むか遅れるかを判定する第2の手
    段と、 前記第2の手段の判定結果をもとにレベルの異なる信号
    を出力する第3の手段と からなることを特徴とする発振装置。
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