JPH0792911A - 識別体および識別方法 - Google Patents

識別体および識別方法

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JPH0792911A
JPH0792911A JP34363393A JP34363393A JPH0792911A JP H0792911 A JPH0792911 A JP H0792911A JP 34363393 A JP34363393 A JP 34363393A JP 34363393 A JP34363393 A JP 34363393A JP H0792911 A JPH0792911 A JP H0792911A
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yarn
light
phosphor
fiber
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Takeshi Sato
武四 佐藤
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Satake Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】布地などの被識別物に、貼付等されてその一部
を構成する繊維体で識別体を構成する。この識別体は、
紫外線の受光によって可視光線を発光する発光体を担持
した、例えば糸や繊維などの繊維集合体を有し、この識
別体1に紫外線を照射することによって、識別体1から
可視光線が発せられ、これによって可視光線を発しない
被識別物と可視光線を発する被識別物とを分けることが
できる。 【効果】耐久性があり、紫外線の照射によって種々の色
を発光させることができ、容易に識別することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織物などの主として繊
維によって構成されるものを識別する際に用いられる識
別体および識別体を用いた識別方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料やカバン、小物などでは各種
のブランド商品が提供されている。これらブランド商品
は、そのブランドゆえに品質等の点で保証され、消費者
も安心して購入できるようになっている。
【0003】ところで、このようなブランド製品では、
一般にブランドを表す図柄や商品ナンバーなどの識別体
を印刷することによって他メーカーとの区別を図ってい
る。例えば、衣料では織りネームを襟につけたりブラン
ドの図柄や文字を胸に刺繍したりして区別化を図り、カ
バンや小物でも刺繍等によりブランドの図柄や文字を縫
い込むことなどによって区別化を図っている。
【0004】一方、従来上記のような衣料やカバンなど
の流通商品以外の分野では、例えば物の真贋などの識別
を行う方法として、蛍光顔料を塗布して、これに紫外線
を照射し、その発光の有無と、発色の種類で識別する方
法があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したような図柄や
文字などの識別体は真似され易いため、このような偽識
別体をつけたいわゆるコピー製品が後をたたず、生産者
は多大な被害を被り、また小売店や消費者も安心して売
り買いできないといった問題がある。
【0006】このような問題を解決するため、上記蛍光
顔料を塗布し、識別する際に、これに紫外線を照射して
識別する方法を取ることもできるが、蛍光顔料自体が白
色系の色であり、これを有色の衣料などに塗布すると、
そのもの本来の彩色美が損なわれる。また識別用のマー
クとして利用することもできるが、可視光下での発色は
単調であるため、見栄えのする識別標識として利用する
には限界がある。
【0007】さらに、蛍光顔料は単に布や皮などの表面
に塗布しただけでは容易に剥げ落ちてしまうため、耐久
性に乏しいなどの欠点があり、いまだ実用には用いられ
ていない。
【0008】本発明の目的は、被識別物の色彩やデザイ
ンを損なうことなく、容易に識別でき、さらに耐久性の
ある識別体と、その識別体を利用した識別方法を提供す
ることにあり、ひいては、各種のブランド製品の保護を
図るべく、その真贋を識別でき、かつ真似され難い識別
体および識別方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明(1)により達成され、さらに(2)〜(8)
とするのが好ましい。
【0010】(1) 被識別物に担持される識別体であ
って、紫外線の受光によって可視光線を発光する発光体
を担持した繊維集合体を有することを特徴とする識別
体。
【0011】(2) 前記繊維集合体は、繊維の表面に
前記発光体を付着させたものである上記(1)に記載の
識別体。
【0012】(3) 前記繊維集合体は、前記発光体を
表面に付着させた繊維の集合体である上記(1)に記載
の識別体。
【0013】(4) 前記繊維集合体は、前記発光体が
構成成分中に混入されている繊維の集合体である上記
(1)に記載の識別体。
【0014】(5) 前記繊維集合体は、糸である上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の識別体。
【0015】(6) 被識別物の一部を構成する繊維体
であって、紫外線の受光によって可視光線を発光する発
光体を担持した繊維集合体によって構成される織物また
は編物よりなることを特徴とする識別体。
【0016】(7) 前記発光体は、紫外線を受光する
ことによって発光する硫化物および/または酸化物を主
成分とする蛍光体顔料と、樹脂とからなる組成物である
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の識別体。
【0017】(8) 前記上記(1)ないし(7)のい
ずれかの識別体に紫外線を照射し、発する光りによって
被識別物を識別することを特徴とする識別方法。
【0018】
【作用】本発明の識別体は、例えば衣服などの被識別物
に縫いつけるなどして用いられる。この識別体は、発光
体を繊維自体、または繊維集合体が担持しているため、
発光体が識別体から剥がれにくく、耐久性が高くなり、
他の有色の糸や繊維とともに、撚りまたは織り込むこと
によって、前記他の有色の糸の可視光線下での色彩を損
なうことなく識別体を構成することができる。この識別
体に紫外線を照射することにより、前記繊維集合体の部
分が発光して、他の被識別物と識別することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の識別体を詳しく説明する。図
1は本発明の識別体の一実施例を示す図である。この識
別体1は、例えば、各種の衣料やカバンなどの被識別物
に貼着されあるいは縫いつけて用いることができる。
【0020】この識別体1は、表面に発光体を付着させ
た、繊維集合体である糸(以下「発光糸」という)2を
経糸および/または緯糸として用いて織られた織物であ
る。この識別体1を構成する織物は、前記発光糸2の他
に、無色または有色の糸3が用いられている。
【0021】この識別体1には、必要に応じ例えばブラ
ンドを表す模様や文字などが印刷あるい貼着などによっ
て設けられている。発光体が表面に付着される糸の素材
となる繊維としては、例えば木綿、羊毛、絹などの天然
繊維や、ポリエステル繊維、ナイロン、アクリル繊維な
ど人造繊維(化学繊維)等、一般に用いられている繊維
であればいずれのものでも用いられるが、繊維そのもの
の強度が高い点からナイロンがより好適とされる。
【0022】発光糸2は、前記繊維によって構成した糸
の表面に、後述の発光体を付着させて構成する場合と、
前記繊維の表面に該発光体を付着させた後、その繊維を
撚って構成する場合などが挙げられる。
【0023】さらに、発光体が付着する繊維を撚ってで
きた発光糸2の表面に、フッ素樹脂を付着させれば、耐
光性、耐洗濯性、耐久性が飛躍的に向上する。また、こ
のようなフッ素樹脂は、通常の糸に発光体または蛍光顔
料を含浸させ、その糸の表面に付着させて使用してもよ
く、このようにしても発光糸2を構成することができ
る。
【0024】発光糸2の表面に付着されている発光体
は、例えば紫外線の照射により発光する蛍光体または燐
光体(蛍燐光体)と樹脂とからなる組成物で構成され
る。例えば、紫外線の照射によって可視光線を発する蛍
光体とは、紫外領域で発光する蛍光体はすべて使用可能
であるが、波長300〜400nmの紫外線により発光
するものである。また、この蛍光体としては、特に発光
ピークが600〜660nmの範囲にある赤色蛍光体
(以下、R蛍光体と略称する)、発光ピークが490〜
560nmの範囲にある緑色蛍光体(以下、G蛍光体と
略称する)、発光ピークが390〜460nmの範囲に
ある青色蛍光体(以下、B蛍光体と略称する)が好適に
使用される。
【0025】前記R蛍光体としては、例えばY23:E
u(発光ピーク611nm:以下同様)、YVO:Eu
(619)、Y22 S:Eu(626)、3.5Mg
O、0.5MgO、0.5MgF2 GeO2:Mn(66
0)、(Y、Gd)BO3:Eu(611)などがあり、
これらを一種または複数種混合して使用することができ
る。
【0026】前記G蛍光体としては、例えばZuS: C
u、Al(530)、(Zn、Cd)S:Cu、Al
(530〜560)、ZnS:Cu、Au、Al(53
5)、Zn2SiO4 :Mn(525)、ZuS:A
g、Cu(527)、(Zn、Cd)S:Cu(52
5)、ZuS:Cu(530)、Gd22 S:Tb
(544)、La22 S:Tb(544)、Y2 Si
5 :Ce、Tb(544)、Zn2 GeO4 :Mn
(534)、CeMgAl1119:Tb(543)、S
rGa24 :Eu2+(535)、ZuS:Cu、CO
(516)、MgO・nB23 :Ce、Tb(54
4)、LaOBr:Tb、Tm(544)、La22
S:Tb(544)などがあり、これらを一種または複
数種混合して使用することができる。
【0027】前記B蛍光体としては、例えばZnS:A
g(450)、CaWO4 (425)、Y2 SiO5
Ce(410)、Sr5(PO4)3 C1:Eu(44
5)、ZnS:Ag、Ga、Cl(450)、Ca2
59 Cl:Eu2+(450)、BaMgAl1423
Eu2+(454)などがあり、これらを一種または複数
種混合して使用することができる。
【0028】なお、これら蛍光体については、R蛍光
体、G蛍光体、B蛍光体をそれぞれ単独で用い、赤、
緑、青、の色を発光させるようにしてもよいが、これら
を組合わせて用い、これら三原色の組み合わせによる種
々の色を発光させるようにしてもよい。
【0029】また、このような蛍光体に混合される樹脂
としては、アクリル、ウレタン、フッ素樹脂などが挙げ
られるが、透明度の高いものが特に望ましい。そして、
これら蛍光体と樹脂との混合物に、必要に応じて公知の
溶剤や各種の添加剤(分散剤、消泡剤等)を添加するこ
とにより、繊維に付着される組成物となる。なお、この
組成物は、使用する樹脂や添加剤の種類によっても若干
差異があるものの、常に、通常照明下においては白色で
あり、したがってこれが塗着(付着)される糸または繊
維は、通常照明下において白色かあるいは糸(繊維)自
体の色との組合せによる色となる。
【0030】この他、上記蛍光体の三原色と、一般染料
および/または顔料との組み合わせで、あらゆる色彩を
得ることができる。色の組み合わせの方法は、前記発光
体の組成自体に、各色の蛍光体と、染料、顔料等を混合
する場合の他、それぞれ異なる色を発色させる前記蛍光
体を付着させた複数種の繊維を撚って構成してもよく、
さらにそれぞれ異なる色を発色させる前記蛍光体を付着
させた複数種の蛍光糸を織って構成することもできる。
【0031】このような組成物の繊維または糸への付着
については、浸漬法、スプレー法、ローラーサイジング
法など公知の方法が採用される。上記付着の際の条件
は、原糸の種類や乾燥時間に応じ変動するが、例えば、
合成繊維であるナイロン70デニールの原糸について、
前記ローラーサイジング法にて蛍光体と樹脂とからなる
組成物を付着させる場合、つまりアクリル樹脂25%程
度、アクリル系糊剤15%程度、増粘剤3%程度、蛍光
体(R蛍光体)25%程度、添加剤3%程度、水29%
程度の比率で配合し、乾燥温度80度において10分程
度経過させて蛍光糸が完成する。
【0032】繊維集合体を構成する繊維を例えばポリエ
ステル、ナイロン、アクリルなどの化学繊維で構成する
場合には、前記化学繊維を構成する樹脂に(例えば、繊
維を作るポリマーの融液に)、紫外線の照射によって発
光する蛍光体を混入して構成すれば、発光性能におい
て、さらに耐久性の高い発光繊維や発光糸を得ることが
できる。
【0033】そして、このようにして得られた発光糸2
を織り、得られた織物を適宣な形状にカットすることに
よって本発明の識別体1が得られる。識別体1を担持す
る被識別物について、さらに詳説すると、例えば、布
地、衣服、かばんなどの日用品など、流通過程において
扱われる商品、さらには工場生産ラインにおいて量産さ
れる製品、有体物、パンフレットなどの有形の広告媒体
などが挙げられる。
【0034】また、被識別物に担持された識別体1の形
態は、例えば洋服の襟口に縫いこまれた商標ラベル、衣
服に引掛られたタッグ、生地に縫いこまれた糸、鞄の裏
地、包装ケースに貼られたラベル、パンフレットや本の
表紙地、看板の表面に貼られた布地、のれん、などが挙
げられる。
【0035】なお、発光糸2としては同一の蛍光体を有
する組成物からなるものに限らない。発光色が異なる組
成物を付着させた異種の発光糸2を組み合わせて織ると
ともに、発光色の配列に予め定められた規則性を持たせ
ることにより、発光パターンに情報を担持させることが
できる。即ち、単に全体を同一色で発光させるよりも多
くの情報を盛り込むことができる。例えば、発光糸2の
発する光の波長や配列を変えることにより、商品の真贋
に加えて製造年月日を表示することもできるのである。
【0036】このようにして得られた識別体1にあって
は、発光糸2で織られていることから、通常照明下では
普通の発光しない布であるものの、紫外線を照射するこ
とにより、使用した組成物中の蛍光体の種類に応じて例
えば赤や緑、青に発光する。したがって、この識別体1
を衣料やカバン、小物などの商品に貼着しあるいは縫い
着けておけば、消費者等の一般の人は該識別体1がどん
な機能を有するか分からないものの、小売店などでは紫
外線照射による発光の有無を確認することにより商品の
真贋を判定することができる。
【0037】さらに、上記発光糸2を用いて編物を構成
し、これを識別体として用いることもできる。この場合
にも、編物を構成する糸として、発光糸2とともに他の
糸を編み込んで構成してもよい。
【0038】さらに、このような織物や編物からなる識
別体は、織物や編物が伸縮したりして、それらを構成す
る糸の間隔が変化しても、発光体は繊維や糸自体に付着
しているので、織物や編物から離脱しにくく、発光性能
における耐久性能が極めて高くなる。
【0039】ここで、紫外線の照射にはブラックライト
が好適に用いられる。このブラックライトは、紫外線波
長域の中でも、特に人体に無害とされる340〜400
nmの波長域の紫外線を照射するもので、波長が400
nm以上の可視光を照射せず、したがって暗闇中でこれ
を照射しても照明としての機能は果たし得ないものであ
る。識別体が貼着等されている衣服などに照射すれば、
その衣服の使用者に気づかれずに真贋の判別が可能とな
る。
【0040】なお、発光糸を、経糸、緯糸に使い、得ら
れた織物全体を紫外線照射により発光するようにする場
合の他、経糸、緯糸の一方のみに発光糸を用い、他方に
は一般の蛍光性を有しない糸を用いて織物とし、これを
識別体としてもよい。また、図1に示すように経糸、緯
糸の一部のみに発光糸2を用い、残部には一般の糸3を
用いて織物とし、これを識別体としてもよい。
【0041】このように一部のみに発光糸を用いるとと
もに、異なる発光色のものを併用する場合と同様に、発
光糸を用いる部分に予め定められた規則性を持たせ、情
報を担持させることができ、単に全体を同一色で発光さ
せるよりも多くの情報を盛り込むことができる。
【0042】特に、図1に示されているように、発光糸
2と他の一般糸3とを織り込んで織物を作った場合に
は、通常光では一般糸3の色が視認され、ブラックライ
トを照射すると、発光糸2の発光により織物全体の色を
変えることができる。つまり、一般糸の有する色と、発
光糸2の発する光の色とが混合して、可視光下で視認で
きる色とは異なった色に変化させることができる。
【0043】即ち、通常光下での糸の色を損なうことな
く、識別機能を発揮することができる。このような作用
は、発光糸2と一緒に織り込まれる一般糸3を、いわゆ
るラメ糸、即ち、フィルムを細幅(1〜5mm程度)の帯
び状に裁断することによって製造される糸、またはある
程度光沢を有する糸とすることによって、より好ましく
発揮される。つまり、前記ラメ糸などを用いると、可視
光下では発光糸2を目立たせることなく、紫外線照射下
での色変化を顕著に発揮させることができる。
【0044】また、前記実施例では発光糸を経糸、緯糸
として用いて織物とし、これを本発明の識別体とした
が、図2に示されているように、一般の織物、すなわち
一般の布地4に発光糸で文字や模様5を刺繍し、これを
識別体としてもよい。この場合にも、発光糸として単一
の、すなわち発光色が同一のものを用いるだけでなく、
発光色の異なる複数種の発光糸を用い、かつこれらに規
則性を持たすことにより、識別体としての機能を一層高
めることができる。例えば、折り込まれている糸の間隔
や、色、刺繍の形状などによって情報を担持する構成と
することができる。
【0045】さらに、被識別物を布地とする場合には、
その布地の一部または全部に、上記発光糸を織り込んで
もよい。この場合には、発光糸自体が識別体として機能
する。また、衣服などの識別体として用いる場合には、
衣服にタッグを縫いつける縫い糸、あるいは他の部分に
用いられる縫い糸に、発光糸を用いてもよい。
【0046】以上説明した実施例は、繊維集合体として
発光糸および発光糸を織り込んだ織物を挙げてあるが、
繊維集合体としては、この他メンブランフィルター、ろ
紙、不織布などが挙げられる。つまり、上記発光体を担
持する、例えば表面に発光体を付着させている繊維を用
いて、上記繊維集合体を構成し、この繊維集合体によっ
ても、本発明の識別体を構成することができる。そし
て、このような識別体は、例えば、衣服の内側や、カバ
ンの内張りに縫いつけられたブランドを表示するラベル
などの全部または一部を構成し、あるいは縫いつける際
の糸などに用いて、識別機能を発揮するようにすること
ができる。
【0047】上記識別体を衣料やカバン、小物などの商
品に貼着しあるいは縫い着けておけば、消費者等の一般
の人は通常では該識別体がどんな機能を有するかわから
ないものの、その発光の有無を確認することにより、商
品の真贋を判定することができる。よって、本発明の識
別体は、疑似商品、偽物商品を防止し、生産者からの秩
序ある供給と同時に消費者保護に大きな役割を果たすも
のとなる。
【0048】なお、上記発光体を構成するものとして、
蛍光体について詳述したが、蛍光体の代わりに、既に述
べられているように燐光体または蛍燐光体を用い、ある
は蛍光体、燐光体、蛍燐光体の内の二種以上を任意に選
択したものを混合して使用することもできる。
【0049】燐光体あるいは蛍燐光体の具体例として
は、上記に既に述べられているが、燐光体の他の例とし
て、例えばZnS:Cuなどが挙げられる。以上説明し
た識別体は、真贋の判定の他にも、工場の製造ラインに
おいて、製品の種別を判別する識別体として使用すると
など、他の識別の手段に使用することもできる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の識別体
は、紫外線の照射によって発光する発光体を表面に付着
させた繊維集合体を用いているため、紫外線の照射によ
って他の被識別物と容易に識別することができる。
【0051】例えば、繊維集合体として糸を用いると、
これを用いて織物または編物にし、あるいは一般の糸と
組み合わせて造る、いわゆる交織、交編物さらには一般
の布地に織り込むなどして用いることにより、例えば紫
外線を照射することによって、この識別体が発光糸の種
類に応じた色を発光するものとなり、多種類の発色パタ
ーンを得ることができる。このため、多種類の被識別物
の識別も可能となるとともに、耐光性、耐洗濯性、耐久
性が向上し、色あせすることなく長期間使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の識別体を構成する織物の部分拡大図で
ある。
【図2】本発明の識別体の具体例を示す、全体斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 識別体 2 発光糸(識別体) 3 一般糸 4 布地 5 模様(識別体)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被識別物に担持される識別体であって、
    紫外線の受光によって可視光線を発光する発光体を担持
    した繊維集合体を有することを特徴とする識別体。
  2. 【請求項2】 前記繊維集合体は、繊維の表面に前記発
    光体を付着させたものである請求項1に記載の識別体。
  3. 【請求項3】 前記繊維集合体は、前記発光体を表面に
    付着させた繊維の集合体である請求項1に記載の識別
    体。
  4. 【請求項4】 前記繊維集合体は、前記発光体が構成成
    分中に混入されている繊維の集合体である請求項1に記
    載の識別体。
  5. 【請求項5】 前記繊維集合体は、糸である請求項1な
    いし4のいずれかに記載の識別体。
  6. 【請求項6】 被識別物に担持された識別体であって、
    紫外線の受光によって可視光線を発光する発光体を担持
    した繊維集合体によって構成される織物または編物より
    なることを特徴とする識別体。
  7. 【請求項7】 前記発光体は、紫外線を受光することに
    よって発光する蛍光体と、樹脂とからなる組成物である
    請求項1ないし7のいずれかに記載の識別体。
  8. 【請求項8】 前記請求項1ないし7のいずれかの識別
    体に紫外線を照射し、発する光りによって被識別物を識
    別することを特徴とする識別方法。
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