JPH0792606A - 迅速処理に使用できる写真感光性材料 - Google Patents

迅速処理に使用できる写真感光性材料

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JPH0792606A
JPH0792606A JP6247195A JP24719594A JPH0792606A JP H0792606 A JPH0792606 A JP H0792606A JP 6247195 A JP6247195 A JP 6247195A JP 24719594 A JP24719594 A JP 24719594A JP H0792606 A JPH0792606 A JP H0792606A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動処理機中でのローラーマークに対する感
度の小さい感光性写真ハロゲン化銀材料を提供する。 【構成】 支持体及びその一側又は両側上に少なくとも
一つのハロゲン化銀乳剤層、少なくとも一つのゼラチン
応力防止層及び所望によってその上に被覆した実質的に
ゼラチンを含有しない帯電防止表面層を含有し、前記乳
剤層が少なくとも1種の合成クレーを含有する感光性写
真ハロゲン化銀材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は迅速処理できる感光性ハロゲン化銀写真材料に
関する。
【0002】発明の背景 放射線写真の分野で良く知られているように、処理速度
を増強することが一般的傾向である。従って診断に必要
である放射線写真の迅速処理に関心が集中している。迅
速処理用に好適なフィルムの製造によって、被覆された
親水性層の厚さと短い処理時間内で得られる感度に関す
る理想的なバランスを探究しなければならない。例えば
厚いゼラチン層は、例えば12秒以下の短い現像時間内
に、得ることのできる現像度を支持する処理薬品の充分
な吸収を与える。しかしながら避けられない欠点は、処
理サイクルの洗浄段階でも水吸収が増強されるので厚い
被覆に対して長い乾燥時間が要求されることである。他
方薄く、充分に硬化された被覆は非常に短い時間内で乾
燥できる。
【0003】別法として適用できる迅速処理条件は、前
記処理を促進するため、高pH及び例えば30〜40℃
の高温での現像処理である。
【0004】しかしながら、高温処理又は高pHを有す
る現像液媒体中での処理と同様に薄い被覆層は、得られ
る写真像の劣化をもたらす。特に自動処理機において
は、写真材料の耐圧性が不充分であることがしばしば生
ずる。その場合、処理機中の搬送又は担持ローラーの不
均一な圧力によって、いわゆるローラーマークが出現す
る。
【0005】発明の目的 従って本発明の主目的は、自動処理機中での高速処理サ
イクルでさえも、ローラーマークを含まない写真材料を
提供することにある。
【0006】他の目的は以下の説明から明らかになるで
あろう。
【0007】前記目的は、支持体及びその一側又は両側
上に少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層を含有する感
光性写真ハロゲン化銀材料において、前記ハロゲン化銀
乳剤層が少なくとも1種の合成クレーを含有する写真材
料によって達成できることを見出した。
【0008】天然クレーは本質的に水和ケイ酸アルミニ
ウムであり、中にアルカリ金属またはアルカリ土類金属
が主構成成分として存在する、また或る種のクレー鉱物
質では、マグネシウム又は鉄がアルミニウムの全部又は
一部を置換している。クレー鉱物質の化学的構成成分
は、量ばかりでなく、各種クレー鉱物質中で結合してい
るか又はその中に存在する方法において変化している。
また研究室で合成クレーを製造することもできる、従っ
て種々異なる用途に使用するため目的に応じて作ったク
レー生成物の再現性により大なる自由度をもたらすこと
ができる。
【0009】例えば天然クレーからラポナイト( lapon
ite ) 、ヘクトライト及びベントナイトを含むスメクタ
イト( smectite ) クレーが良く知られている、前記ス
メクタイトクレーについて、結晶格子の八面体及び四面
体層に少しの置換が生じ、少数の中間層カチオンを生じ
ている。スメクタイトクレーは、複合層間で水及び有機
液体を吸収し、著しいカチオン交換能を有する“膨潤
性”クレーの群を形成する。
【0010】これらのスメクタイトクレーから、化学的
に純粋な合成クレーが製造されている。例えば本発明の
目的のため好ましい合成スメクタイトクレー添加物は、
ロンドンのLAPORTE INDUSTRIES Li
mited のLAPONITERD及びLAPONITE
JS(商標名)がある。親有機性クレー及びその製造法
はEP特許161411 B1に記載されている。
【0011】LAPONITE JSは、無機ポリホス
フェートペプタイザーを導入した合成積層水和ナトリウ
ムリチウムマグネシウムフルオロシリケートとして発表
されている。前記フルオロシリケートは、自由流動性白
色粉末として売り出され、水中で良く水和して最後には
低粘度の透明で無色のコロイド上分散液(ゾルとも称さ
れる)を与える。少量の電解質を加えると、急速に高度
にチキソトロピー性のゲルを形成する。前記チキソトロ
ープゲルは粘度を著しく変えることなく水性系に構造を
与えることができる。ゲル強度、乳剤安定性及び懸濁力
の改良は、前記水性系でそれを使用することによって観
察することができる。更に別の利点は、約350m2
gの大きな固体表面積にあり、これはすぐれた吸着特
性、広い温度範囲にわたるその安定性、所望されるまで
ゲル形成を遅らせるその独特の能力、及び増粘剤の存在
下におけるその相乗挙動を与える。更にその純度及び小
さい粒度がすぐれた明澄度を確実にする。多くの極性有
機溶媒の水性液体中で、それは非常に有効な添加剤とし
て作用する。
【0012】LAPONITE RDは、LAPONI
TE JSと同様の性質を有する合成積層水和ナトリウ
ムリチウムマグネシウムシリケートとして発表されてい
る。
【0013】極性有機化合物の水性溶液のための合成無
機ゲル化剤としてのラポナイトクレーは、1969年1
0月14日にオックスフォードで開かれた the Society
ofCosmetic Chemists of Great Britain によって組
織された Gums and Thickeners で提供された。 Lapor
te Inorganics Laponite Technical Bulletin L10
4/90/Aに、構造、化学及び天然クレーに対する関
係についての完全な調査が提供されている。更に、 Lap
orte Inorganics Laponite Technical Bulletin L1
06/90/cには、性質、分散液の製造、応用及び製
品範囲が発表されている。 Laponite 合成膨潤性クレ
ー、その化学、性質及び用途の詳細な説明は、 Laporte
Industries Limited から B. J. R. Mayes によって与
えられている。
【0014】本発明の感光性材料は、少なくとも一側上
に少なくとも一つの感光性親水性コロイドハロゲン化銀
乳剤層を有する支持体を含み、この場合本発明による合
成膨潤性クレーが、親水性コロイドに加えて、ハロゲン
化銀粒子間の充填剤または余分の結合剤として存在す
る。
【0015】前記合成膨潤性クレーの特に有用な量は、
0.05〜1g/m2 、好ましくは0.05〜0.75
g/m2 、更に好ましくは0.1〜0.5g/m2 の範
囲である。
【0016】全く意外なことに、本発明による前記クレ
ーの存在で、前記感光性材料を自動処理機中で急速に送
行させたとき、前述したローラーマーク欠陥は非常に減
少するか、存在すらしなくなることが見出された。親水
性結合剤の量が薄い被覆された迅速処理しうる層を得る
ため減少させられたときでさえも、前記合成膨潤性クレ
ーの存在が、前記材料の処理中搬送ローラーによって誘
起される圧力マークに対して非常に効率的に作用する。
【0017】写真材料の親水性層中の主たる親水性結合
剤として、従来のライム処理又は酸処理ゼラチンを使用
できる。かかるゼラチン種の製造は、例えば Academic
Press 1977年発行、A. G. Ward 及び A.Courts
編、The Science and Technology of Gelatin の295
頁及び296頁に記載されている。ゼラチンは、 Bull.
Soc. Sci. Phot. Japan No. 16の30頁(1966
年)に記載されている如く酵素処理ゼラチンであること
もできる。
【0018】ハロゲン化銀粒子の形成前又は形成中、ゼ
ラチン含有媒体中で作られるハロゲン化銀結晶の導入に
よって、ゼラチンが予め乳剤層中に入れられるように、
分散媒体中で約0.05〜5.0重量%のゼラチン濃度
を確立することが普通に行われる。或いはゼラチンの量
を最少にするため、ハロゲン化銀結晶は、EP−A31
9019に記載されている如くシリカゾル媒体中で作る
こともできる。最良の被覆条件及び/又は被覆された乳
剤層の要求される厚さを確立にするため、乳剤製造の後
の段階で、例えば凝集工程中、洗浄後又は凝集物の再分
散による乳剤製造段階で追加のゼラチンを加えることが
できる。その時好ましくは硝酸銀の当量として表示した
ハロゲン化銀に対するゼラチンの比として0.2〜1.
0の範囲が得られる。
【0019】しかしながらゼラチンは一部又は全部を、
合成、半合成又は天然重合体で置換できる。ゼラチンの
代りの合成代替物には、例えばポリビニルアルコール、
ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾー
ル、ポリビニルピラゾール、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリル酸、及びそれらの誘導体、特にそれらの共重合
体がある。ゼラチンの天然代替物には、例えば他の蛋白
質例えばゼイン、アルブミン及びカゼイン、セルロー
ス、サッカライド、澱粉及びアルギネートがある。一般
にゼラチンの半合成代替物は、変性天然生成物、例えば
アルキル化剤又はアシル化剤でゼラチンを変換すること
により、又はゼラチン上に重合性単量体をグラフトする
ことにより得られるゼラチン誘導体、及びセルロース誘
導体例えばヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、フタロイルセルロース、及びセルロ
ースサルフェートがある。
【0020】写真材料のゼラチン結合剤は適切な硬化剤
で前硬化できる、かかる硬化剤には例えばエポキサイド
系のもの、エチレンイミン系のもの、ビニルスルホン系
のもの例えば1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノ
ール、クロム塩例えば酢酸クロム及びクロム明ばん、ア
ルデヒド例えばホルムアルデヒド、グリオキサール、及
びグルタルアルデヒド、N−メチロール化合物例えばジ
メチロール尿素及びメチロールジメチルヒダントイン、
ジオキサン誘導体例えば2,3−ジヒドロキシジオキサ
ン、活性ビニル化合物例えば1,3,5−トリアクリロ
イル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、活性ハロゲン化
合物例えば2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−ト
リアジン、及びムコハロゲン酸例えばムコクロル酸及び
ムコフェノキシクロル酸がある。これらの硬化剤は単独
で又は組合せて使用できる。結合剤はまた、US−P4
063952に記載されている如きカルバモイルピリジ
ニウム塩の如き急速反応性硬化剤で又はEU特許出願4
08143に記載されている如きオニウム化合物で硬化
することもできる。
【0021】本発明により使用するハロゲン化銀乳剤の
ハロゲン化銀組成は特に限定されず、例えば塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、臭沃化銀及び塩臭沃化銀から選択した
任意の組成であることができる。沃化銀の含有率は、2
0モル%以下、好ましくは5モル%以下、更に好ましく
は3モル%以下である。
【0022】本発明により使用する写真ハロゲン化銀乳
剤は、温度、濃度、添加順序、及び添加速度の部分的に
又は全体的に制御された条件で、ハロゲン化物及び銀溶
液を混合することによって作ることができる。ハロゲン
化銀は単一ジェット法、二重ジェット法、又は変換法に
より沈澱させることができる。
【0023】本発明により使用する写真乳剤のハロゲン
化銀粒子は、立方晶又は八面体晶の形の如き規則的結晶
形を有することができる、又はそれらは転移形を有して
いてもよい。それらはまた球形又は平板形の如き不規則
結晶を有していてもよい、又は前記規則及び不規則結晶
形の混合物を含む複合結晶を有していてもよい。
【0024】ハロゲン化銀粒子は多層粒子構造を有して
もよい。簡単な例によれば、粒子はコア及びシェルを含
むことができ、それらは異なるハロゲン化物組成を有す
ることができ、そして/又はドープの添加の如き異なる
変性を受けることもできる。別々に構成されたコア及び
シェルを有すること以外に、ハロゲン化銀粒子は中間に
異なる相を含有することもできる。
【0025】別々に作った二種以上のハロゲン化銀乳剤
を、本発明により使用するための写真乳剤を形成するた
めに混合することができる。
【0026】ハロゲン化銀粒子の平均粒度は0.1〜
2.0μm、好ましくは0.1〜1.0μm、更に好ま
しくは0.2〜0.6μmの範囲であることができる。
【0027】本発明により使用する写真乳剤のハロゲン
化銀粒子の粒度分布は均質分散又は不均質分散であるこ
とができる。均質分散粒度分布は、平均粒度から30%
以上偏差しない大きさを粒子の95%が有するとき得ら
れる。
【0028】ハロゲン化銀結晶は、Rh3+、Ir4+、C
2+、Zn2+、Pb2+でドープすることができる。
【0029】写真乳剤は、例えばパリーの Paul Monte
l (1967年)発行、 P. Glafkides 著、 Chimie
et Physique Photographique ;ロンドンのThe Focal
Press (1966年)発行、 G. F. Duffin 著、 Pho
tographic Emulsion Chemistry ;ロンドンのThe Foca
l Press (1966年)発行、 V. L. Zelikman 等著、
Making and Coating Photographic Emulsion に記載さ
れている如く種々の方法により可溶性銀塩及び可溶性ハ
ロゲン化物から作ることができる。
【0030】乳剤は通常の方法例えば透析により、凝集
及び再分散により、又は限外濾過により脱塩できる。
【0031】感光性ハロゲン化銀乳剤は、いわゆる基本
乳剤、換言すれば化学的に増感されていない乳剤である
ことができる。しかしながら感光性ハロゲン化銀乳剤
は、例えば P. Glafkides による Chimie et Physi
que Photographique 、前述した G. F. Duffin による
Photographic Emulsion Chemistry、前述した V. L.
Zelikman 等による Making and Coating Photograph
ic Emulsion 、及び Akademische Verlagsgesellscha
ft 1968年発行、 H. Frieser 編、Die Grundlagen
der Photographischen Prozesse mit Silberhalo
geniden に記載されている如く化学的に増感ができ
る。前記文献に記載されている如く、化学増感は、少量
の硫黄を含有する化合物例えばチオサルフェート、チオ
シアネート、チオ尿素、サルファイト、メルカプト化合
物及びローダミンの存在下に熟成を行うことによって実
施できる。乳剤はまた、金−硫黄熟成剤によって又は還
元剤例えばGB−A789823に記載されている錫化
合物、アミン、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジン−ス
ルフィン酸、及びシラン化合物によっても増感すること
ができる。化学増感はまた少量のIr、Rh、Ru、P
b、Cd、Hg、Tl、Pd、Pt、又はAuを用いて
行うこともできる、これらの化学増感法の一つ又はそれ
らの組合を使用できる。
【0032】感光性ハロゲン化銀乳剤は、John Wiley
& Sons 1964年発行、F. M.Hamer 著、 The Cya
nine Dyes and Related Compounds に記載されて
いる如きメチン染料でスペクトル増感できる。スペクト
ル増感のため使用できる染料には、シアニン染料、メロ
シアニン染料、錯体シアニン染料、錯体メロシアニン染
料、等極シアニン染料、ヘミシアニン染料、スチリル染
料及びヘミオキソノール染料を含む。特に価値ある染料
には、シアニン染料、メロシアニン染料、錯体メロシア
ニン染料がある。
【0033】それ自体はスペクトル増感活性を有しない
他の染料、又は実質的に可視放射線を吸収しない一定の
他の化合物は、それらを前記増感剤と共に乳剤中に混入
するとき強色増感効果を有することができる。好適な強
色増感剤には、例えばUS−P3457078に記載さ
れている如き少なくとも一つの電気陰性基を含有する複
素環式メルカプト化合物、例えばUS−P293339
0及びUS−P3635721に記載されている如き窒
素含有複素環式環置換アミノスチルベン化合物、例えば
US−P3743510に記載されている如き芳香族有
機酸/ホルムアルデヒド縮合生成物、カドミウム塩、及
びアザインデン化合物がある。
【0034】本発明により使用するためのハロゲン化銀
乳剤は、写真材料の製造もしくは貯蔵中、又はその写真
処理中に写真特性を安定化又はかぶりの形成を防止する
化合物を含有できる。ハロゲン化銀乳剤にかぶり防止剤
又は安定剤として多くの既知の化合物を加えることがで
きる。好適な例には例えば、複素環式窒素含有化合物例
えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール、ニト
ロベンゾイミダゾール、クロロベンゾイミダゾール、ブ
ロモベンゾイミダゾール、メルカプトチアゾール、メル
カプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾイミダゾー
ル、メルカプトチアジアゾール、アミノトリアゾール、
ベンゾトリアゾール(好ましくは5−メチル−ベンゾト
リアゾール)、ニトロベンゾトリアゾール、メルカプト
テトラゾール特に1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾール、メルカプトピリミジン、メルカプトトリアジ
ン、ベンゾチアゾリン−2−チオン、オキサゾリン−チ
オン、トリアザインデン、テトラザインデン及びペンタ
ザインデン、特に Z. Wiss.Phot. 47巻(1952
年)2〜58頁に Birr によって発表されたもの、GB
−A1203757、GB−A1209146、特願昭
50−39537、及びGB−A1500278に記載
されたものの如きトリアゾロピリミジン、及びUS−P
4727017に記載された如き7−ヒドロキシ−s−
トリアゾロ〔1,5−a〕−ピリミジン、及び他の化合
物例えばベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンチオスルフ
ィン酸、ベンゼンチオスルホン酸アミドがある。かぶり
防止化合物として使用できる他の化合物には、金属塩例
えば水銀又はカドミウム塩及び Research Disclosure
No.17643(1978年)VI章に記載された化合物
がある。
【0035】かぶり防止剤又は安定剤は、乳剤の熟成
前、熟成中又は熟成後にハロゲン化銀乳剤に加えること
ができる、そしてこれらの化合物の二種以上の混合物を
使用できる。
【0036】本発明の写真材料は、写真乳剤層又は少な
くとも一つの他の親水性コロイド層中に各種の界面活性
剤を含有できる。好適な界面活性剤には、サポニン、ア
ルキレンオキサイド例えばポリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合
生成物、ポリエチレングリコールアルキルエーテルもし
くはポリエチレングリコールアルキルアリールエーテ
ル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレング
リコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリコー
ルアルキルアミンもしくはアルキルアミド、シリコーン
−ポリエチレンオキサイドアダクト、グリシドール誘導
体、多価アルコールの脂肪酸エステル及びサッカライド
のアルキルエステルの如き非イオン界面活性剤;酸基例
えばカルボキシ、スルホ、ホスホ、硫酸もしくはリン酸
エステル基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸、アミ
ノアルキルスルホン酸、アミノアルキルサルフェートも
しくはホスフェート、アルキルベタイン、及びアミン−
N−オキサイドの如き両性界面活性剤;及びアルキルア
ミン塩、脂肪族、芳香族もしくは複素環式アンモニウム
塩、脂肪族もしくは複素環式環含有ホスホニウムもしく
はスルホニウム塩の如きカチオン界面活性剤を含む。か
かる界面活性剤は種々の目的のため、例えば被覆助剤と
して、帯電防止化合物として、滑性を改良する化合物と
して、分散乳化を容易にする化合物として、接着性を防
止又は低下させる化合物として、及び写真特性例えば高
コントラスト、増感及び現像促進を改良する化合物とし
て使用できる。
【0037】現像促進は各種の化合物により、好ましく
は例えばUS−P3038805、US−P40380
75、US−P4292400に記載されているものの
如き少なくとも400の分子量を有するポリアルキレン
誘導体を用いて達成できる。
【0038】本発明の写真材料は更に、各種の他の添加
剤、例えば写真材料の寸法安定性を改良する化合物、U
V吸収剤、スペーシング剤、硬化剤、及び可塑剤を含有
できる。
【0039】写真材料の寸法安定性を改良するのに好適
な添加剤には、例えば水溶性又は殆ど可溶性でない合成
重合体、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコ
キシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、ア
クリロニトリル及びスチレンの重合体、又は前記したも
のとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカル
ボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ス
ルホアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンスルホ
ン酸と共重合体の分散物がある。
【0040】好適なUV吸収剤には、例えばUS−P3
533794に記載された如きアリール置換ベンゾトリ
アゾール、US−P3314794及びUS−P335
2681に記載された如き4−チアゾリドン化合物、J
P−A2784/71に記載されている如きベンゾフェ
ノン化合物、US−P3705805及びUS−P37
07375に記載された如きケイヒ酸エステル化合物、
US−P4045229に記載された如きブタジエン化
合物、及びUS−P3700455に記載された如きベ
ンゾキサゾール化合物がある。
【0041】一般にスペーシング剤の平均粒度は0.2
μm〜10μmの間に含まれる。スペーシング剤はアル
カリに可溶性又は不溶性であることができる。アルカリ
不溶性スペーシング剤は、通常写真材料中に永久的に残
る、一方アルカリ可溶性スペーシング剤は通常そこから
アルカリ性処理浴中で除去される。好適なスペーシング
剤は例えばポリメチルメタクリレート、アクリル酸とメ
チルメタクリレートの共重合体、及びヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースヘキサヒドロフタレートから作るこ
とができる。他の好適なスペーシング剤はUS−P46
14708に記載されている。
【0042】ハロゲン化銀乳剤層は通常保護応力防止層
で上塗被覆する。好ましい保護層は、1m2 について水
2.5g未満の水吸収量に相当する程度まで硬化したゼ
ラチンで作る。保護層のゼラチン被覆量は約1.1g/
2 以下であるのが好ましく、1.20〜0.60g/
2 の範囲が更に好ましい。
【0043】硬化したゼラチンと混合物の形で、保護層
は摩擦低下物質、例えば分散したワックス粒子(カルナ
ウバワックス又はモンタンワックス)又はポリエチレン
粒子、弗素化重合体粒子、シリコン重合体粒子を含有で
きる。
【0044】特別の実施態様によれば、摩擦低下物質
は、最外層として作用する応力防止層の上の帯電防止層
中に存在させる。
【0045】写真ハロゲン化銀乳剤材料の普通の支持体
は疎水性樹脂支持体又は疎水性樹脂被覆紙支持体であ
る。疎水性樹脂支持体は当業者に良く知られており、例
えばポリエステル、ポリスチレン、ポリビニルクロライ
ド、ポリカーボネートから作られる、好ましいのはポリ
エチレンテレフタレートである。好ましい樹脂被覆紙支
持体はポリエチレン被覆紙支持体の如きポリ−α−オレ
フィン被覆紙支持体である。
【0046】疎水性樹脂支持体は、それに親水性コロイ
ド層を接着させるため当業者に知られている一つ以上の
下塗層を設けるとよい。好適なポリエチレンテレフタレ
ート支持体のための下塗層は例えばUS−P33979
88、US−P3649336、US−P412327
8及びUS−P4478907に記載されている。
【0047】好ましい実施態様において本発明によれ
ば、コロイドシリカはハロゲン化銀乳剤層の上の応力防
止層に加える。好ましくは前記コロイドシリカは10n
m以下の平均粒度、及び少なくとも300m2 /gの表
面積を有する。50〜500mg/m2 の範囲の被覆量
を使用する。特に良好な結果は、保護応力防止被覆中
に、結合剤に対してコロイドシリカ少なくとも50重量
%存在するとき得ることができる。特に好ましいコロイ
ドシリカ粒子は500m2 /gの表面積及び7nmより
小さい平均粒度を有する。かかる種類のシリカはKIE
SELSOL 500(KIESELSOLはドイツ
国、レファークゼンの Bayer AGの登録商標である)
の名で市販されている。
【0048】帯電防止剤例えばポリオキシアルキレン、
更に好ましくはポリオキシエチレンが最外層中に存在す
るような層組成の使用をすることによって、前述した如
き少なくとも1種の合成クレー又は少なくとも1種のイ
オン性又は非イオン性重合体又は共重合体ラテックスの
存在が、処理前の帯電防止特性の維持に寄与する。
【0049】更に前記層組成は、本発明の主目的であっ
た自動処理機中でのローラーからの圧力マークの改良に
加えて、処理後の水斑点欠陥のないこと、充分な表面光
沢の如きすぐれた表面特性を提供する。
【0050】本発明によるハロゲン化銀乳剤層を含有す
る写真ハロゲン化銀乳剤材料は、当業者に知られている
任意の材料であることができる。例えば親水性ハロゲン
化銀乳剤層は、黒白及びカラー写真材料において、及び
連続色調又はハーフトーン写真、マイクロ写真及び放射
線写真において有用である。
【0051】前記組成で水吸収量の減少した薄い被覆層
を特長としている本発明による組成物を有するハロゲン
化銀乳剤層を有する記録材料を用いることによって、迅
速処理サイクルで自動処理機でのローラーマークによっ
て生ずる問題は、後掲の実施例に示す如く避けること又
は実質的に減ずることができる。
【0052】実施例 実施例 1 40gのフタロイルゼラチンを含有する容器中で、通常
の単一ジェット法により、沃化銀2.0モル%を含有す
る写真沃臭化銀乳剤を作った。ハロゲン化物を含有する
乳剤容器と同様にアンモニア性硝酸銀溶液を42℃で保
った。300ml/分の一定速度で、沈澱時間は10分
後に終了した、続いて40分の物理熟成をした。その時
間の後で、20gのゼラチン追加量を加えた。得られた
乳剤は、硝酸銀3モルの添加後、分散液1Kgについて
硝酸銀約90gに相当するハロゲン化銀の量を含有し、
0.63μmの平均粒度のものであった。
【0053】硫酸を加えてpHを3.5にした後、攪拌
を停止し、沈降後上澄液を除去した。スクレープラーダ
ーを装置した後、そして銀の損失なく定量的凝集を得る
ため、ポリスチレンスルホン酸を加えた後、洗浄を開始
した。
【0054】乳剤の再分散中に、150gのゼラチンを
加えた、かくして硝酸銀として表示したハロゲン化銀に
対するゼラチンの重量比は0.40となった、そして乳
剤は、1Kgについて硝酸銀190gに当量の臭沃化銀
の量を含有した。
【0055】乳剤は、最良のかぶりと感度の間の関係を
得るため、4時間47℃で硫黄及び金化合物で化学的に
熟成し、175μmの厚さのポリエステル支持体の両側
に被覆する前に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a−テトラザインデンで安定化した。その上にゼ
ラチン1.1g/m2 の被覆量で保護層を被覆した。一
側で、乳剤層中の硝酸銀の当量として表示したハロゲン
化銀結晶及びゼラチンの被覆量は、それぞれ4.41g
/m2 及び1.05g/m2 であった。
【0056】評価に現実性をもたせるため、処理前にフ
ィルムを段階光学楔を通して露光した。露光した放射線
写真材料を、下記時間(秒で)及び温度(℃で)特性を
有する処理機CURIX HT530(アグファ・ゲヴ
ェルトの商標名)で処理した。
【0057】装填:0.2秒 現像:9.3秒、下記現像液I中で35℃ クロスオーバー:1.4秒 洗浄:0.9秒 クロスオーバー:1.5秒 定着:6.6秒、下記定着液I中で35℃ クロスオーバー:2.0秒 洗浄:4.4秒、20℃ クロスオーバー:4.6秒 乾燥:6.7秒 合計:37.6秒
【0058】 現像液Iの組成: 濃縮部分: 水 200ml 臭化カリウム 12g 亜硫酸カリウム(65%溶液) 249g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩3水和物 9.6g ハイドロキノン 106g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.076g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.040g 四硼酸ナトリウム(10水和物) 70g 炭酸カリウム 38g 水酸化カリウム 49g ジエチレングリコール 11g 沃化カリウム 0.088g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリジノン 12g 水で 1lにした。
【0059】pHは水酸化カリウムで25℃で11.1
5に調整した。
【0060】処理開始のため、濃縮現像液1部を水3部
と混合した。開始剤は加えなかった。この混合物のpH
は25℃で10.30であった。
【0061】 定着液の組成: 濃縮部分: チオ硫酸アンモニウム(78%溶液) 661g 亜硫酸ナトリウム 54g 硼酸 25g 酢酸ナトリウム3水和物 70g 酢酸 40g 水で 1lにした。
【0062】pHは酢酸で25℃で5.30に調整し
た。
【0063】この定着液を使用に供するため、この濃縮
部分1部を水4部と混合した。25℃でpH5.25が
測定となった。
【0064】圧力マーク欠陥を強化するため、搬送ロー
ラーの位置を最適でなく、不均一にした。
【0065】使用した現像浴は10.1のpHを有し、
1lについて下記成分を含有していた。
【0066】 ハイドロキノン 120g 1−フェニル−3−ピラゾリジン−1−オン 6g 5−ニトロインダゾール 1g メチル−6−ベンゾトリアゾール 0.36g
【0067】下記データを表1に示す: 被覆No. 乳剤層(Em.L.)中及び保護応力防止層(A.S.
L.)中の1m2 についてgで表示したLAPONIT
E添加剤の量。
【0068】ローラーマークの評価(1〜5の数値):
前記ローラーマークは次の如く定性的に評価した邪魔な
黒色縞である: 1=非常に少ないローラーマークの存在 2=少しのローラーマークの存在 3=実際に使用するのに許容しうるローラーマークの存
在 4=多くのローラーマークの存在 5=非常に多数のローラーマークの存在
【0069】 表 1 LAPONITE JS LAPONITE JS 被覆No. EM.L. 中の量 A.S.L.中の量 ローラーマーク 1 0 0 2 2 0.15 0 1 3 0 0.15 2
【0070】表1から誘導できるように、合成ヘクトラ
イトLAPONITE JSの添加は、前記添加剤が乳
剤層中に存在するときローラーマーク(圧力感度)にお
ける改良がもたらされる。LAPONITE JSを保
護応力層中に加えると効果は検出されない。
【0071】実施例 2 ゼラチンの合計量及び硝酸銀として表示したハロゲン化
銀の合計量の間の重量比を変化させるため、乳剤層中の
ゼラチンの量を変えて実施例1と同様の試料を作った。
【0072】この比の値(GESTと称する)を、表1
における如く集計したデータを加えて表2に示す。
【0073】更に両側被覆した材料に対する水吸収の量
を、H2 Og/m2 で表示して示す。前記量は後述する
方法によって測定した:
【0074】処理後全フィルム表面上に最高濃度を有す
るためフィルムを露光する、前述した如く処理する、乾
燥ステーション中に入る前に、洗浄工程後CURIX
HT530処理機からフィルムを取出す、最外層の上に
存在する過剰量の水を吸引する、湿潤フィルムの重量を
直ちに測定する、CURIX HT530処理機の乾燥
単位でフィルムを乾燥する、フィルムが処理機を出た後
フィルムの重量を直ちに測定する、1m2 についての湿
潤フィルムと乾燥フィルムの間の測定した重量差を計算
する。
【0075】この方法を、硬化すべき材料を一定レベル
にできるよう、被覆後2週間続けた。
【0076】 表 2 LAPONITE JS 被覆No. EM.L. 中の量 GESI 水吸収 ローラーマーク 4 0 0.35 11.4 4 5 0 0.30 10.9 5 6 0.316 0.30 9.4 3
【0077】表2から誘導できるように、合成ヘクトラ
イトLAPONITE JSはゼラチン対ハロゲン化銀
の低い重量比に対してさえも、合成ヘクトライトLAP
ONITE JS添加剤が乳剤層中に存在すると、ロー
ラーマーク(圧力感度)における改良をもたらす。GE
SI値の低下は、乳剤被覆が薄く作られ、結果として水
吸収の減少が測定されたことを示す。かくして薄い被覆
に対してさえもローラーマークの改良が顕著である。
【0078】実施例 3 GESI 0.3で実施例2におけるように試料を被覆
した。LAPONITE RDは表3に示す如く量を変
えて材料の乳剤層に加えた。実施例2に記載した如く測
定した水吸収の値も示す。
【0079】 表 3 LAPONITE RD 被覆No. EM.L. 中の量 GESI 水吸収 ローラーマーク 7(比較) 0 0.30 9.1 5 8(本発明) 0.08 0.30 9.0 3〜4 9(本発明) 0.16 0.30 8.7 3
【0080】表3から誘導できるように、合成ヘクトラ
イトLAPONITE RDの添加は、薄い被覆層に対
して検出した低い水吸収量及びゼラチン対ハロゲン化銀
の低い重量比に対してさえも、前記添加物が乳剤層中に
存在するとローラーマーク(圧力感度)の改良をもたら
す。前記添加物の量が大となればなるほど改良は著しく
なり、処理後の水吸収の量の変化が実際上ない。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、及びその一側又は両側上に少な
    くとも一つのハロゲン化銀乳剤層を含有する感光性写真
    ハロゲン化銀材料において、前記ハロゲン化銀乳剤が少
    なくとも1種の合成クレーを含有することを特徴とする
    感光性写真ハロゲン化銀材料。
  2. 【請求項2】 前記合成クレーが合成スメクタイトクレ
    ーであることを特徴とする請求項1の写真ハロゲン化銀
    材料。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀乳剤層中に存在する合成ク
    レーの量が0.05〜0.75g/m2 であることを特
    徴とする請求項1又は2の写真ハロゲン化銀材料。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀乳剤層中に存在する合成ク
    レーの量が0.1〜0.5g/m2 であることを特徴と
    する請求項3の写真ハロゲン化銀材料。
  5. 【請求項5】 乳剤の上に、1.2g/m2 未満のゼラ
    チン量を含有する応力防止層が存在することを特徴とす
    る請求項1〜4の何れか1項の写真ハロゲン化銀材料。
  6. 【請求項6】 コロイドシリカが、応力防止層中に50
    〜500mg/m2の量で存在する請求項5の写真ハロ
    ゲン化銀材料。
  7. 【請求項7】 コロイドシリカ粒子が、500m2 /g
    の表面積及び7nmより小さい平均粒度を有することを
    特徴とする請求項6の写真ハロゲン化銀材料。
  8. 【請求項8】 前記写真材料が医学X線材料であること
    を特徴とする請求項1〜7の何れか1項の写真材料。
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