JPH0792343A - 光・電力複合ケーブルにおける光ファイバユニットの接続方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】光ファイバユニットの接続部を一般部とほぼ同
径にすることができ、ケーブル完成接続部としても一般
部とほぼ同径の光・電力複合ケーブルを得る。 【構成】光・電力複合ケーブルの光ファイバユニット１
を構成するテンションメンバー２上で複数の光ファイバ
心線３の端部同士を接続する。そのために、まず各光フ
ァイバ心線３の端部同士を接続した後、その接続部３ａ
を含む各光ファイバ心線３を二分割防護パイプ５により
光ファイバ心線毎に個別に被覆する。その上で、この二
分割防護パイプ５で被覆された光ファイバ心線３をテン
ションメンバー２上に添わせて硬化剤６により一体的に
固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光・電力複合ケーブル
における光ファイバユニットの接続方法に係り、特に光
ファイバユニットの接続部を非接続部とほぼ同径にする
ための光・電力複合ケーブルにおける光ファイバユニッ
トの接続方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光・電力複合ケーブルは、光ファイバユ
ニットと電力線心を組合せて構成されているため、光・
電力複合ケーブルの接続においては光ファイバユニット
の接続と電力線心の接続が必要となる。

【０００３】そして、上記光ファイバユニットの接続方
法としては、例えば図５に示すような接続方法が採用さ
れている。図５に示すようにこの光ファイバユニット１
は、軸心部に配置されたテンションメンバー２と、この
テンションメンバー２上に沿って配設された複数本の光
ファイバ心線３と、これらの周囲全体を覆うシース４と
から主に構成されている。

【０００４】上記光ファイバユニット１を接続する場合
には、接続すべき光ファイバユニット１のテンションメ
ンバー２の端部同士を予め図示しない接合手段によって
接続した後、光ファイバ心線３の端部同士を接続する。
この場合、光ファイバ心線３の接続部３ａの前後で再接
続用の余長を得るために、光ファイバ心線３にはオフセ
ットないしループ１２が取られる。そして、光ファイバ
心線３の接続後に、これら光ファイバ心線３を一括して
覆うように光ファイバユニット１間に防護管１３を装着
することにより光ファイバユニット１の接続が完了す
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記光
・電力複合ケーブルにおいては、上述したような光ファ
イバユニットの接続方法がとられていることから、光フ
ァイバユニットの接続部が非接続部（一般部）の外径に
比して太くなる傾向があり、このため、たとえ電力線心
接続が同径で行われていても光・電力複合ケーブル全体
としてはその接続部が一般部よりも非常に太くなるとい
う問題があった。

【０００６】そして、光・電力複合ケーブルの接続部が
一般部と比べて極端に太くなる結果、以下のような欠点
が生じている。

【０００７】（１）複合ケーブルの一般部と接続部の剛
性が異なるので接続部前後の裾の部分が弱くなり、通常
の許容半径で複合ケーブルを曲げた場合でも、この裾の
部分が外傷を受ける恐れがある。

【０００８】（２）出荷の際に使用するドラム、コンテ
ナ等の胴径或いは内径を（１）項の理由より接続部の無
い通常品より大きくする必要があるため、荷姿が大きく
なり経済的でない。

【０００９】（３）接続部が一般部に比して太くなるた
め、海底ケーブル等、鉄線外装を有する複合ケーブルに
おいては、その接続部のみ鉄線本数を増線する必要があ
り、増線接続部が一般鉄線部に比べて機械的強度が弱い
ために接続部の信頼性が低下する。

【００１０】（４）光ファイバ心線の接続部を防護管に
より一括防護としているため、その防護管が何らかの損
傷を受けた場合、全光ファイバ心線が同時に損傷を受け
る可能性がある。

【００１１】本発明の目的は、前記した従来技術の欠点
を解消し、光ファイバユニットの接続部を一般部とほぼ
同径にすることができ、ケーブル完成接続部としても一
般部とほぼ同径の光・電力複合ケーブルが得られる光・
電力複合ケーブルにおける光ファイバユニットの接続方
法を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第１の発明は、光・電力複合ケーブルの光ファイバユ
ニットを構成するテンションメンバー上で複数の光ファ
イバ心線の端部同士を接続するようにした光ファイバユ
ニットの接続方法において、上記複数の光ファイバ心線
の接続すべき端部同士を接続した後、その接続部を含む
複数の光ファイバ心線を二分割防護パイプにより各光フ
ァイバ心線毎に個別に被覆し、この二分割防護パイプで
被覆された光ファイバ心線を上記テンションメンバー上
に添わせて硬化剤により一体的に固定することを特徴と
する。

【００１３】また、第２の発明は、光・電力複合ケーブ
ルの光ファイバユニットを構成するテンションメンバー
上で複数の光ファイバ心線の端部同士を接続するように
した光ファイバユニットの接続方法において、上記複数
の光ファイバ毎に接続すべき対となる２本光ファイバ心
線に光ファイバ防護パイプをそれぞれ嵌挿すると共に、
その一方の光ファイバ防護パイプ上に接続用防護パイプ
を嵌挿し、上記光ファイバ心線の対となる端部同士を接
続した後、上記接続用防護パイプを両光ファイバ防護パ
イプ間に掛け渡して接合し、これら光ファイバ防護パイ
プ及び接続用防護パイプで被覆された光ファイバ心線を
上記テンションメンバー上に添わせて硬化剤により一体
的に固定することを特徴とする。

【００１４】

【作用】第１の発明によれば、各光ファイバ心線の端部
同士を接続した後、その接続部を含む各光ファイバ心線
を二分割防護パイプにより光ファイバ心線毎に個別に被
覆し、この二分割防護パイプで被覆された光ファイバ心
線をテンションメンバー上に添わせて硬化剤により一体
的に固定するため、光ファイバユニットの接続部を一般
部とほぼ同径にすることができ、ケーブル完成接続部と
しても一般部とほぼ同径の光・電力複合ケーブルが得ら
れる。

【００１５】また、第２の発明によれば、複数の光ファ
イバ心線毎に、接続すべき対となる２本の光ファイバ心
線に光ファイバ防護パイプをそれぞれ嵌挿すると共に、
その一方の光ファイバ防護パイプ上に接続用防護パイプ
を嵌挿し、光ファイバ心線の端部同士を接続した後、上
記接続用防護パイプを両光ファイバ防護パイプ間に掛け
渡して接合し、これら光ファイバ防護パイプ及び接続用
防護パイプで被覆された光ファイバ心線を上記テンショ
ンメンバー上に添わせて硬化剤により一体的に固定する
ため、光ファイバユニットの接続部を一般部とほぼ同径
にすることができ、ケーブル完成接続部としても一般部
とほぼ同径の光・電力複合ケーブルが得られる。

【００１６】そして、このようにして得られる光・電力
複合ケーブルにおいては、その接続部が一般部とほぼ同
径であることから、接続部前後の機械的強度の向上が
図れ、コンパクトな荷姿とすることができて経済的で
あり、海底ケーブル等、鉄線外装を有する複合ケーブ
ルにおいて増線作業が不要となる。また、各光ファイ
バ心線の接続部が防護パイプにより個別に防護されてい
るため、外部からの影響で全光ファイバ心線が同時に損
傷を受ける確率が小さくなる。

【００１７】

【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

【００１８】光・電力複合ケーブルにおける光ファイバ
ユニットの接続方法の実施例を示す図１ないし図２にお
いて、この光ファイバユニット１は、軸心部に配置され
たテンションメンバー２と、このテンションメンバー２
上に沿って螺旋状に配設され複数本の光ファイバ心線３
と、これらの周囲全体を覆う樹脂製のシース４から主に
構成されている。

【００１９】上記光ファイバユニット１を接続する場合
には、接続すべき光ファイバユニット１のテンションメ
ンバー２の端部同士を予め図示しない接合手段によって
接続した後、各光ファイバ心線３の端部同士を接続す
る。なお、光ファイバ心線３の接続部３ａのプルーフ荷
重は、光ファイバ心線３の一般部と同一にすることが望
ましい。次いで、接続部３ａを含む各光ファイバ心線３
をその全長に渡って二分割防護パイプ５により光ファイ
バ心線３毎に個別に被覆し、これら二分割防護パイプ５
で被覆された光ファイバ心線３をテンションメンバー２
上に添わせて硬化剤６により一体的に固定する。

【００２０】この場合、上記光ファイバ心線３の端部同
士を接続する際に、光ファイバ心線３にはオフセットな
いしループは取らず、光ファイバ心線３をほぼ直線状、
すなわち図１に示すようにテンションメンバー２上に直
線状に巻き付ける。また、上記二分割防護パイプ５は、
図３に示すように一対のパイプ構成片５ａ，５ｂから構
成され、両パイプ構成片５ａ，５ｂはこれらの間に光フ
ァイバ心線３を収容しつつ重ね合わされ、その外周に全
長に渡って図示しないテープが巻き付けられて固定され
る。

【００２１】そして、上記テンションメンバー２上に上
記二分割防護パイプ５で被覆された光ファイバ心線３を
硬化剤６により一体化させたなら、その外周を覆うよう
に、かつ光ファイバユニット１のシース４と連続するよ
うに樹脂製のシース７を施すことにより光ファイバユニ
ット１の接続が完了する。なお、本実施例では、光ファ
イバ心線３に再接続のためのオフセットないしループを
取らないので、接続がうまくいかず再接続が必要となっ
た場合に問題となるが、その場合には、いわゆる二個割
入れ接続（短尺ケーブルを使用し、その両端と本体側を
接続すること）を入れることにより対応すればよい。

【００２２】このように光・電力複合ケーブルにおける
光ファイバユニットの接続方法によれば、各光ファイバ
心線３の端部同士を接続した後、その接続部３ａを含む
各光ファイバ心線４を二分割防護パイプ５により光ファ
イバ心線３毎に個別に被覆し、この二分割防護パイプ５
により被覆された光ファイバ心線３をテンションメンバ
ー２上に添わせて硬化剤６により一体的に固定するよう
にしたので、光ファイバユニット１の接続部を一般部と
ほぼ同径にすることができ、ケーブル完成接続部として
も一般部とほぼ同径の光・電力複合ケーブルが得られ
る。

【００２３】また二分割防護パイプ５により光ファイバ
心線３を被覆するため、被覆作業が容易にできる。さら
に、光ファイバ心線３には余長を多く取っていないので
光ファイバ心線３をテンションメンバー２上に容易に沿
わせることができ、光ファイバ心線３が多少ルーズであ
っても硬化剤６で固めてシース７で被覆するので、光フ
ァイバ心線３が接続後にルーズになることはない。

【００２４】そして、得られる光・電力複合ケーブルに
おいては、その接続部が一般部とほぼ同径であることか
ら、接続部前後の機械的強度の向上が図れ、コンパ
クトな荷姿とすることができて経済的であり、海底ケ
ーブル等、鉄線外装を有する複合ケーブルにおいて増線
作業が不要となる。また、各光ファイバ心線３の接続
部３ａが二分割防護パイプ５により個別に防護されてい
るため、外部からの影響で全光ファイバ心線３が同時に
損傷を受ける確率が小さくなる。更に、〓光ファイバ心
線３の接続にはオフセットを取らないので、オフセット
曲げによって生じる光ファイバの伝送損失の増加を招く
ようなことはない。

【００２５】図４には本発明の変形例が示されており、
本変形例では二分割防護パイプ５の代りに一対の光ファ
イバ防護パイプ８ａ，８ｂと、これら両光ファイバ防護
パイプ８ａ，８ｂ間に掛け渡されて接合される接続用防
護パイプ９とが用いられている。また、接続用防護パイ
プ９を含む光ファイバ防護パイプ８ａ，８ｂ上には熱収
縮パイプ１０が施されるようになっている。

【００２６】光ファイバ心線３の接続を行う場合には、
先ず接続すべき対となる光ファイバ心線３に一対の光フ
ァイバ防護パイプ８ａ，８ｂをそれぞれ嵌挿し、その一
方の光ファイバ防護パイプ８ａ上に接続用防護パイプ９
と熱収縮パイプ１０を嵌挿する。次いで、上記光ファイ
バ心線３の端部同士を接続した後、接続用防護パイプ９
を両光ファイバ防護パイプ８ａ，８ｂ間に跨がるように
移動させ、接続用防護パイプ９の両端部を両光ファイバ
防護パイプ８ａ，８ｂ上に溶接１１で接合する。次い
で、上記熱収縮パイプ１０を接続用防護パイプ９上に移
動させて熱収縮させればよい。これを全部の光ファイバ
心線３について個別に行う。

【００２７】なお、本実施例においても、上記実施例と
同様に光ファイバ心線３にはオフセットないしループを
取らず、接続用防護パイプ９を含む光ファイバ防護パイ
プ８ａ，８ｂにより被覆された光ファイバ心線３をテン
ションメンバー２に添わせて硬化剤６により一体的に固
定し、シース７を施すことにより光ファイバユニットの
接続が完了する（図示省略）。そして、本実施例の接続
方法においても、上記実施例と同様の作用効果が得られ
る。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果が得
られる。

【００２９】（１）請求項１の発明によれば、光ファイ
バ心線の端部同士を接続した後、二分割防護パイプによ
り各光ファイバ心線毎に被覆し、テンションメンバー上
に添わせて硬化剤により一体的に固定するため、光ファ
イバユニットの接続部を一般部とほぼ同径にすることが
でき、ケーブル完成接続部としても一般部とほぼ同径の
光・電力複合ケーブルが得られる。

【００３０】（２）請求項２の発明によれば、接続すべ
き対となる２本の光ファイバに光ファイバ防護パイプを
それぞれ嵌挿し、これらをさらに接続用防護パイプで接
合して、テンションメンバー上に添わせて硬化剤により
一体的に固定するため、光ファイバユニットの接続部を
一般部とほぼ同径にすることができ、ケーブル完成接続
部としても一般部とほぼ同径の光・電力複合ケーブルが
得られる。

【００３１】（３）従って、請求項１又は２の発明によ
り得られる光・電力複合ケーブルにおいては、その接続
部が一般部とほぼ同径であることから、接続部前後の
機械的強度の向上が図れ、コンパクトな荷姿とするこ
とができて経済的であり、海底ケーブル等、鉄線外装
を有する複合ケーブルにおいて増線作業が不要となる。
また、各光ファイバ心線の接続部が補助防護パイプに
より個別に防護されているため、外部からの影響で全光
ファイバ心線が同時に損傷を受ける確率が小さくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光・電力複合ケーブルにおける光
ファイバユニットの接続方法の実施例を示す一部断面側
面図である。

【図２】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】接続後の光ファイバ心線に二分割防護パイプを
被せる状態を示す斜視図である。

【図４】本発明の変形例を示す一部断面側面図である。

【図５】従来技術を示す一部断面側面図である。

【符号の説明】

１ 光ファイバユニット ２ テンションメンバー ３ 光ファイバ心線 ３ａ 接続部 ５ 二分割防護パイプ ６ 硬化剤 ８ａ，８ｂ 光ファイバ防護パイプ ９ 接続用防護パイプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光・電力複合ケーブルの光ファイバユニッ
   トを構成するテンションメンバー上で複数の光ファイバ
   心線の端部同士を接続するようにした光ファイバユニッ
   トの接続方法において、上記複数の光ファイバ心線の接
   続すべき端部同士を接続した後、その接続部を含む複数
   の光ファイバ心線を二分割防護パイプにより各光ファイ
   バ心線毎に被覆し、この二分割防護パイプで被覆された
   光ファイバ心線を上記テンションメンバー上に添わせて
   硬化剤により一体的に固定することを特徴とする光・電
   力複合ケーブルにおける光ファイバユニットの接続方
   法。
2. 【請求項２】光・電力複合ケーブルの光ファイバユニッ
   トを構成するテンションメンバー上で複数の光ファイバ
   心線の端部同士を接続するようにした光ファイバユニッ
   トの接続方法において、上記複数の光ファイバ心線毎に
   接続すべき対となる２本の光ファイバに光ファイバ防護
   パイプをそれぞれ嵌挿すると共に、その一方の光ファイ
   バ防護パイプ上に接続用防護パイプを嵌挿し、上記光フ
   ァイバ心線の対となる端部同士を接続した後、上記接続
   用防護パイプを両光ファイバ防護パイプ間に掛け渡して
   接合し、これら光ファイバ防護パイプ及び接続用防護パ
   イプで被覆された光ファイバ心線を上記テンションメン
   バー上に添わせて硬化剤により一体的に固定することを
   特徴とする光・電力複合ケーブルにおける光ファイバユ
   ニットの接続方法。