JPH0791932B2 - ケーシングヘッド - Google Patents

ケーシングヘッド

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JPH0791932B2
JPH0791932B2 JP3329915A JP32991591A JPH0791932B2 JP H0791932 B2 JPH0791932 B2 JP H0791932B2 JP 3329915 A JP3329915 A JP 3329915A JP 32991591 A JP32991591 A JP 32991591A JP H0791932 B2 JPH0791932 B2 JP H0791932B2
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盛吉 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既存の地中障害物であ
る旧地下躯体等を破壊して削孔し、または旧地下躯体等
を破壊すると共に、地中の所定深度まで削孔し、この孔
にセメントミルクを注入し、ソイルセメント柱列杭を築
造する削孔装置等に用い、特に、鉄筋を切断するのに適
するケーシングヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市の再開発などにより老朽建
物、機能的に低下した建物などの建て替え工事が盛んに
行われている。このような建物は敷地境界一杯に外壁が
築造されている場合が多く、その解体後の建て替え工事
を行うには、既存建物との境界となる外壁部分に山留め
のためのソイル柱列杭を築造する必要がある。
【0003】従来の所謂ロックオーガと称する削孔装置
としては、先端にケーシングヘッドを有する外側のケー
シングと、先端にオーガヘッドを有する内側のオーガス
クリューを別々に配置した駆動装置、若しくは1箇所に
配置した駆動装置により互いに逆回転させるようにした
構成が知られている。そして、駆動装置によりケーシン
グとオーガスクリューを逆回転させ、互いの反動トルク
を打ち消しながら穿孔する。すなわち、外側のケーシン
グのケーシングヘッドによるコアカット的な穿孔と、内
側のオーガヘッドによる破壊作用の相乗効果により旧地
下躯体を破壊して削孔することができる。または旧地下
躯体を破壊して削孔すると共に、地中の所定深度まで削
孔し、この孔にセメントミルクを注入し、順次、ソイル
セメント柱列杭を築造することができる。
【0004】上記のいずれの削孔装置においても、外側
のケーシングのケーシングヘッドは、ヘッド本体部の先
端外周部の複数箇所にビットを溶接、若しくはボルトに
より取り付けている。そして、各ビットはシャンクの切
欠部に超硬からなるチップをろう付けにより張り付けて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のケーシングヘッドでは、ビットの取付間隔が広い
ため、ケーシングの回転により鉄筋を切断する際、ビッ
トのチップの垂直方向の刃部が鉄筋に側方より圧接し、
続いて刃部の先端(下端)が鉄筋に乗り上げ、鉄筋の頂
点を通過すると下降するという上下動を繰り返す。この
ようにチップの垂直方向の刃部が鉄筋に側方より圧接
し、衝撃が大きいため、損傷しやすい。チップの損傷を
防止するため、ケーシングの回転速度を遅くすると、鉄
筋の切断スピードに劣り、また、チップの硬度を下げる
と、刃部が摩耗しやすく、上記と同様、切断スピードに
劣り、無理に切断スピードを上げようとすると、大きな
反力を必要とし、削孔装置本体に与える負担が大きくな
り、減速機等を破損しやすい。また、上記のようにケー
シング等が上下動を繰り返すため、その振動衝撃が削孔
装置本体に悪影響を及ぼす。更にチップの垂直方向の刃
部が鉄筋にその軸心に対し、直角方向でなく、傾斜方向
で圧接すると、チップがシャンクより剥離しやすい。こ
のように、従来のケーシングヘッドでは、ビットが頻繁
に損傷するため、その補修費が嵩み、工期にも遅れを生
じる。
【0006】本発明は、上記のような従来の問題を解決
するものであり、鉄筋の切断時にチップに掛かる衝撃を
小さくし、しかも、いずれかのチップが常時、鉄筋を切
削している状態にし、これにより適度な反力の増大、高
速回転、チップの破損防止、チップの高硬度化等を図る
ことができ、したがって、鉄筋を確実に切断することが
でき、しかも、切断作業のスピードアップを図ることが
でき、また、チップの破損防止に加えてチップの離脱防
止、補修作業の低減等を図ることができ、したがって、
経済性を向上させることができると共に、作業能率を向
上させることができ、更には実施する装置全体に与える
悪影響を少なくすることができるようにしたケーシング
ヘッドを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的解決手段は、ヘッド本体部の先端面側
に円周上で基部が埋め込まれ、先端に少なくとも上記ヘ
ッド本体部の円周方向において円弧面を有する多数の超
硬からなるチップを備え、上記ヘッド本体部の円周方向
における上記各チップの先端を結ぶ線がウェーブを描
き、かつ上記ヘッド本体部の回転に際し、回転方向下流
側のチップの円弧面が切断する鉄筋から離れる前に、隣
接する回転方向上流側のチップの円弧面が上記鉄筋に圧
接し得るように構成されたものである。
【0008】またはヘッド本体部の先端部の周囲複数箇
所に取り付けられたシャンクと、このシャンクの先端面
側にそれぞれ基部が埋め込まれ、先端に少なくとも上記
ヘッド本体部の円周方向において円弧面を有する複数の
超硬からなるチップとを備え、上記ヘッド本体部の円周
方向における上記各チップの先端を結ぶ線がウェーブを
き、かつ上記ヘッド本体部の回転に際し、回転方向下
流側のチップの円弧面が切断する鉄筋から離れる前に、
隣接する回転方向上流側のチップの円弧面が上記鉄筋に
圧接し得るように構成されたものである。
【0009】そして、上記ヘッド本体部の先端面を円周
方向においてウェーブ状に形成し、上記各チップの先端
を結ぶ線が上記ヘッド本体部のウェーブ状の先端面に対
応してウェーブを描くように構成し、または上記各シャ
ンクの先端面を組み合わせて上記ヘッド本体部の円周方
向においてウェーブ状に形成し、上記各チップの先端を
結ぶ線が上記シャンクのウェーブ状の先端面に対応して
ウェーブを描くように構成するのが好ましい。
【0010】また、上記チップを上記ヘッド本体部の半
径方向に複数列に配置し、また、上記隣接する列のチッ
プ同士を上記ヘッド本体部の円周方向に千鳥状配置とな
るように交互にずらせるのが好ましい。
【0011】また、上記チップを上記ヘッド本体部の半
径方向に複数列に配置する際、外周列のチップを先端側
に至るに従い次第にヘッド本体部の外方へ突出するよう
に傾斜させて埋め込み、または内周列のチップを先端側
に至るに従い次第にヘッド本体部の中心側へ突出するよ
うに傾斜させて埋め込み、または外周列のチップを先端
側に至るに従い次第にヘッド本体部の外方へ突出するよ
うに傾斜させて埋め込み、内周列のチップを先端側に至
るに従い次第にヘッド本体部の中心側へ突出するように
傾斜させて埋め込むのが好ましい。
【0012】
【作用】したがって、本発明によれば、多数のチップが
先端に少なくともヘッド本体部の円周方向において円弧
面を有し、しかも、ヘッド本体部の円周方向において各
チップの先端を結ぶ線がウェーブを描き、かつヘッド本
体部の回転に際し、回転方向下流側のチップの円弧面が
切断する鉄筋から離れる前に、隣接する回転方向上流側
のチップの円弧面が上記鉄筋に圧接し得るように構成し
ているので、回転に際し、常時、いずれかのチップの円
弧面を順次連続的に鉄筋に圧接させることができる。そ
の結果、チップに掛かる衝撃を小さくすることができ、
しかも、常時、チップにより鉄筋を切削している状態を
得ることができる。また、各チップの基部をヘッド本体
部の先端面側、若しくはヘッド本体部の先端部に取り付
けたシャンクの先端面側に埋め込んでいるので、チップ
が鉄筋の側部に圧接してもヘッド本体部、若しくはシャ
ンクより離脱しにくくなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。まず、本発明の第1の実施例について
説明する。図1および図2は本発明の第1の実施例にお
けるケーシングヘッドを示し、図1は側面図、図2は一
部底面図、図3は同ケーシングヘッドを削孔装置のケー
シングに取り付けた状態を示す一部破断側面図である。
図1および図2に示すように、ケーシングヘッド1はヘ
ッド本体部である円形の筒体2と、この筒体2の先端に
取り付けられた多数の小型のチップ3とから構成されて
いる。その一例として、筒体2の先端面4が比較的緩や
かなウェーブ状に形成され、この先端面4側に形成され
た凹入孔5にチップ3の基部が挿入され、高周波ろう付
け方法等により埋め込まれた状態に取り付けられてい
る。そして、凹入孔5とチップ3は筒体2の円周方向に
多数配置されると共に、筒体2の半径方向に複数列に配
置され、かつ隣接する列のチップ3同士が筒体2の円周
方向に千鳥状配置となり、交互にずれるように配置され
ている。各チップ3は超硬からなり、先端の半球状部が
筒体2の半径方向の両側においてテーパー状に切除さ
れ、筒体2の円周方向において円弧面6を有するように
形成されている。また、各チップ3は筒体2の先端面4
からの突出長さがほぼ等しくなるように埋め込まれ、し
たがって、円周方向における各チップ3の先端を結ぶ線
が筒体2のウェーブ状の先端面4に対応してウェーブを
描くように設定されている。しかも、筒体2の回転に際
し、回転方向下流側のチップ3の円弧面6が切断する鉄
筋Rから離れる前に、隣接する回転方向上流側のチップ
3の円弧面6が上記鉄筋Rに圧接し得るように設定され
ている(これら回転方向下流側と上流側のチップ3の位
置関係は隣接する列のチップ3同士、若しくは同列のチ
ップ3同士のいずれの場合でもよい。)。筒体2の先端
部外周の複数箇所には肉盛材7が設けられて補強されて
いる。上記ケーシングヘッド1は図3に示すように、そ
の筒体2の基端部がケーシング8の先端に溶接により固
定され、若しくはねじ(図示省略)等により交換可能に
固定されている。
【0014】削孔装置の概略について説明すると、図3
に示すように、ベースマシン(図示省略)の前側にリー
ダマスト10が垂直方向に支持され、リーダマスト10
のガイドレール11に沿って駆動装置12のフレーム1
3がガイドギブ14により昇降可能に支持され、駆動装
置12はワイヤ15により吊支されている。駆動装置1
2はフレーム13に一対の電動機16、17と、その出
力軸の回転数を抑えるための減速機18、19と、トル
ク出力用の減速機20とが支持され、減速機20の下側
に保持装置21が支持されている。駆動装置12の下方
において、保持装置22がガイドギブ23によりガイド
レール11に沿って昇降可能に支持されている。保持装
置22には連結筒24を介して上記ケーシング8の基部
が取り外し可能に連結され、ケーシング8の下端部がベ
ースマシンの前側に取り付けられた保持装置(図示省
略)に回転可能に、かつ昇降可能に保持されている。保
持装置22は保持装置21に対し、連係手段25により
接近、離隔可能に、かつ一体に回転可能に連係されてい
る。そして、電動機16の駆動により減速機18、2
0、連係手段25およびケーシング8等が回転されるよ
うになっている。ケーシング8の内側にオーガスクリュ
ー26が挿入され、オーガスクリュー26の中空軸27
の上部が保持装置22に貫通されて保持装置21に回転
可能に保持され、中空軸27の上端は減速機20に連係
されている。オーガスクリュー26の先端のオーガヘッ
ド28は中空軸27に取り外し可能に連結され、オーガ
ヘッド28は複数個の超硬からなるビット29を有して
いる。中空軸27の基端には注入口(図示省略)が形成
され、先端には吐出口(図示省略)が設けられ、注入口
はホース(図示省略)を介してセメントミルクの圧送装
置(図示省略)に接続されている。そして、電動機17
の駆動により減速機19、20を介してオーガスクリュ
ー26がケーシング8とは逆方向に回転されるようにな
っている。駆動装置12のフレーム13に大径の筒体3
0の一端が固定され、保持装置22には小径の筒体31
の一端が固定され、これら筒体30、31は伸縮可能に
嵌合されている。筒体30の内側には油圧シリンダ32
の基部が連結され、油圧シリンダ32のピストンロッド
33が筒体31を貫通して保持装置22に連結されてい
る。したがって、油圧シリンダ32のピストンロッド3
3を縮めることにより、保持装置22、ケーシング8等
がガイドレール11に沿って上昇し、ケーシング8のチ
ップ3がオーガスクリュー26のオーガヘッド28の上
方へ後退し、すなわち、オーガスクリュー26の先端部
が突出して露出する。これとは逆に油圧シリンダ32の
ピストンロッド33を伸ばすことにより、保持装置2
2、ケーシング8等がガイドレール11に沿って下降
し、ケーシング8のチップ3がオーガスクリュー26の
オーガヘッド28の先方へ突出し、すなわち、オーガス
クリュー26のオーガヘッド28がケーシング8内に後
退するようになっている。
【0015】以上の構成において、まず、上記のように
油圧シリンダ32のピストンロッド33を縮め、ケーシ
ング8等を上昇させ、ケーシング8のチップ3をオーガ
ヘッド28の上方へ後退させる。次に、上記のように駆
動装置12の電動機16、17を駆動させ、減速機1
8、19、20を介してケーシング8およびオーガスク
リュー26等を逆方向に回転させ、オーガスクリュー2
6のオーガヘッド28およびケーシング8のケーシング
ヘッド1により解体ガラを削孔する。このように解体ガ
ラ部においては、オーガスクリュー26をケーシング8
より先行させることにより、この解体ガラ部を容易に崩
して削孔することができる。次に、上記のように油圧シ
リンダ32のピストンロッド33を伸ばし、図3に示す
ように、ケーシング8等を下降させ、そのケーシングヘ
ッド1をオーガヘッド28の先方へ前進させ、ケーシン
グヘッド1のチップ3のみを旧地下躯体に当接させる。
そして、ケーシング8の回転に伴い、そのチップ3によ
り旧地下躯体を環状に削孔する。このとき、チップ3は
筒体2の先端面に円周方向に配列されているので、旧地
下躯体上でずれにくく、安定して所望箇所を削孔するこ
とができる。このようにして削孔を少し進めてオーガヘ
ッドスクリュー26のオーガヘッド28でも旧地下躯体
の破壊が始まると、油圧シリンダ32のピストンロッド
33を少し縮め、ケーシング8等を少し上昇させてその
チップ3をオーガヘッド28のビット29とほぼ同一水
平面上に位置させる。そして、ケーシング8のチップ3
により鉄筋を切断し、オーガヘッド28のビット29
により鉄筋を切断、若しくはオーガヘッド28により
チップ3で切断した鉄筋を小さく丸めながら削孔する
ことができる。このとき、上記のように多数のチップ3
が先端に少なくとも筒体2の円周方向において円弧面6
を有し、しかも、筒体2の円周方向において全体のチッ
プ3の先端を結ぶ線がウェーブを描き、かつ筒体2の回
転に際し、回転方向下流側のチップ3の円弧面6が切断
する鉄筋Rから離れる前に、回転方向上流側のチップ3
の円弧面6が上記鉄筋Rに圧接し得るように構成してい
るので、図1に示すように、ケーシング8の回転に際
し、常時、いずれかのチップ3の円弧面6を順次連続的
に鉄筋Rに点接触状態で圧接させることができる。この
ようにチップ3に掛かる衝撃を小さくすることができ、
しかも、常時、チップ3により鉄筋Rを切削している状
態を得ることができる。したがって、適度な大きさの反
力を与えることができ、しかも、高硬度のチップ3を用
いることができ、また、ケーシング8等を高速で回転さ
せることができるので、鉄筋Rの切断等のスピードアッ
プを図ることができる。また、各チップ3の基部を筒体
2の先端面4に埋め込み、しかも、各チップ3の先端を
結ぶ線が筒体2のウェーブ状の先端面4に対応するよう
にして各チップ3の先端面4からの突出長さを短く揃え
るようにしているので、チップ3が鉄筋Rの側部に圧接
しても筒体2から離脱しにくく、上記のようにチップ3
に掛かる衝撃を小さくすることができることと相俟って
チップ3の損傷、離脱を防止することができ、したがっ
て、チップ3の補修の頻度を少なくすることができる。
【0016】上記のように旧地下躯体を破壊しながら削
孔する間、鉄筋がオーガスクリュー26の先端部に絡み
付き、ケーシング8の内面に圧接して回転トルクが大き
くなり、旧地下躯体の破壊の進行が停止すると、駆動装
置12、ケーシング8、オーガスクリュー26等を上昇
させ、ケーシング8およびオーガスクリュー26を旧地
下躯体の上方へ引き上げる。そして、油圧シリンダ32
のピストンロッド33を縮め、ケーシング8等を後退さ
せ、オーガスクリュー26の先端部を露出させる。これ
によりオーガスクリュー26の先端部に絡み付いた鉄筋
を除去することができる。
【0017】このようにして削孔した後、ソイルセメン
ト柱を築造する場合には、圧送装置より圧送パイプを介
してオーガスクリュー26の中空軸27に貧配合等のセ
メントミルクを供給し、下端の吐出口より吐出させると
共に、電動機16、17を逆方向に駆動し、ケーシング
8、オーガスクリュー26を上記とはそれぞれ逆方向に
回転させながら削孔より引き上げることにより、ソイル
セメント柱を築造することができる。この動作を順次繰
り返して行うことにより、ソイルセメント柱列杭を造成
することができる。
【0018】一例として、外径が790mm、内径が69
0mmの筒体2を用い、直径が8mmで硬度が88.5HRAの
チップ3を用い、筒体2の先端面4のウェーブの角度α
(図1参照)を約8度に形成し、筒体2の先端面を半径
方向でほぼ5等分する円周上にチップ3を4列に配置
し、かつ各列の円周方向に隣接する軸心と筒体2の軸心
を結ぶ角度β(図2参照)が6〜7度になるように配置
し、計216個のチップ3を筒体2の先端面4に埋め込
んだ。各チップ3の先端面4からの突出長さγ(図1参
照)は約8mmとした。
【0019】上記ケーシングヘッド1を備えた削孔装置
と、比較例として上記従来例のビットを備えた削孔装置
とにより直径19mmの鉄筋が埋設された旧地下躯体の削
孔試験を行った。その結果、本発明実施例によれば、比
較例に対し、削孔時間を約1/3に短縮することができ
た。また、比較例では削孔作業開始後、数時間でビット
におけるチップの損傷や剥離を生じたが、本発明実施例
によれば、数日間削孔作業を続けたがチップ3の破損、
離脱は見受けられなかった。この試験結果からも本発明
実施例によれば、鉄筋の切断作業性、耐久性、保守性、
経済性等に優れていることが明らかである。
【0020】なお、本発明のケーシングヘッド1は、ケ
ーシング8とオーガスクリュー26の位置関係を固定し
た削孔装置に実施することも可能である。
【0021】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図4および図5は本発明の第2の実施例における
ケーシングヘッドを示し、図4は側面図、図5は一部底
面図、図6と図7および図8と図9はそれぞれ同ケーシ
ングヘッドに用いるビットの側面図と底面図である。本
実施例においては、図4ないし図9に示すように、ヘッ
ド本体部である筒体2の先端部外周の複数箇所に筒体2
とは別に形成された三種類のビット34、35、36が
組み合わされて取り付けられる。図6、図7に示すビッ
ト34は、シャンク37の先端面38が中央部において
ほぼ水平に形成され、両側部において中央部から側端に
至るに従い次第に低くなる傾斜面に形成されている。図
8、図9に示すビット35は、シャンク37の先端面3
8が一側端から他側端に至るに従い次第に低くなる傾斜
面に形成されている。残るビット36は、シャンク37
の先端面38が図8、図9に示すビット35の先端面3
8と反対側に傾斜されている(図4、図5参照)。各ビ
ット34、35、36はシャンク37の先端面38側に
形成された複数個の凹入孔39にチップ3の基部が挿入
されて高周波ろう付け方法等により埋め込まれた状態に
取り付けられている。各シャンク37は先端側の両短辺
縁部が突出されるように切欠かれて埋込部40と係合部
41が形成されている。各シャンク37はその埋込部4
0が筒体2の先端側外周部の複数箇所に形成された深い
凹入部42に挿入されると共に、先端部が浅い凹入部4
3に挿入され、係合部41が浅い凹入部43の底面に係
合され、溶接、若しくはボルト等により固定状態に取り
付けられている。そして、すべてのシャンク37の先端
面38が組み合わされてウェーブ状に形成されている。
また、各チップ3はシャンク37の先端面38からの突
出長さがほぼ等しくなるように埋め込まれ、したがっ
て、円周方向における各チップ3の先端を結ぶ線がシャ
ンク37の先端面38に対応してウェーブを描き、かつ
筒体2の回転に際し、回転方向下流側のチップ3の円弧
面6が切断する鉄筋Rから離れる前に、回転方向上流側
のチップ3(回転方向下流側のチップ3とは隣接する
列、若しくは同列のいずれの場合でもよい。)が上記鉄
筋Rに圧接し得るように設定されている。その他の構成
および鉄筋の切断動作については上記第1の実施例と同
様であるので、その説明を省略する。本実施例によれ
ば、万一、いずれかのチップ3が損傷してもそのビット
34、若しくは35、若しくは36を交換するだけで済
むので、経済的である。
【0022】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図10および図11は本発明の第3の実施例にお
けるケーシングヘッドを示し、図10は内周側の一部の
チップを図示省略した側面図、図11は一部底面図、図
12と図13は同ケーシングヘッドに用いるビットの側
面図と底面図、図14は図13のA−A矢視断面図、図
15と図16は同ケーシングヘッドに用いる他のビット
の側面図と底面図、図17は図16のB−B矢視断面図
である。本実施例においては、図10ないし図17に示
すように、上記第2の実施例と同様にヘッド本体部であ
る筒体2の先端部外周の複数箇所に筒体2とは別に形成
された三種類のビット34、35、36が組み合わされ
て取り付けられている。そして、いずれのビット34、
35、36においても外周列のチップ3は先端側に至る
に従い次第に筒体2の外方へ突出するように傾斜して基
部が凹入孔39に埋め込まれた状態に取り付けられ、内
周列のチップ3は先端側に至るに従い次第に筒体2の中
心側に突出するように傾斜して基部が凹入孔39に埋め
込まれた状態に取り付けられている。その他の構成は上
記第1、第2の実施例と同様であるので、同一部分には
同一符号を付してその説明を省略する。
【0023】本実施例によれば、図3に示すケーシング
8の回転に伴い、チップ3により旧地下躯体を削孔する
際、外周列と内周列のチップ3が先端側に至るに従い次
第に拡開されているので、旧地下躯体上で更に一層ずれ
にくく、更に一層安定して削孔することができる。実験
の結果、外周列と内周列のチップ3はいずれもその軸の
鉛直線に対する傾斜角度δ(図13、図17参照)が約
35度になるように傾斜させることにより、最も安定状
態で削孔することができるが、これに限定されるもので
はない。また、外周列のチップ3と内周列のチップ3の
いずれか一方のみを傾斜させても安定状態で削孔するこ
とができる。
【0024】なお、上記各実施例では、ケーシングヘッ
ド1をケーシング8とは別に構成した場合について説明
したが、ヘッド本体部である筒体2はケーシング8の一
部をなす一体型に構成してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
数のチップが先端に少なくともヘッド本体部の円周方向
において円弧面を有し、しかも、ヘッド本体部の円周方
向において各チップの先端を結ぶ線がウェーブを描き、
かつヘッド本体部の回転に際し、回転方向下流側の円弧
面が切断する鉄筋から離れる前に、隣接する回転方向上
流側のチップの円弧面が上記鉄筋に圧接し得るように構
成しているので、回転に際し、常時、いずれかのチップ
の円弧面を順次連続的に鉄筋に圧接させることができ
る。その結果、チップに掛かる衝撃を小さくすることが
でき、しかも、常時、チップにより鉄筋を切削している
状態を得ることができる。これにより反力を適度な大き
さに増大することができると共に、高速で回転させるこ
とができ、しかも、チップの破損を防止することができ
てチップの硬度を高めることができる。したがって、鉄
筋を確実に切断することができ、しかも、切断作業のス
ピードアップを図ることができる。また、上記のように
チップに掛かる衝撃を小さくして高硬度の材質を用いる
ことができることに加え、各チップの基部をヘッド本体
部の先端面側、若しくはヘッド本体部の先端部に取り付
けたシャンクの先端面側に埋め込んでいるので、チップ
が鉄筋の側部に圧接してもヘッド本体部、若しくはシャ
ンクより離脱しにくくなり、チップの摩耗、破損、離脱
を防止することができると共に、補修作業を減らすこと
ができる。したがって、経済性を向上させることができ
ると共に、切断作業能率を向上させることができる。更
に上記のようにチップに掛かる衝撃を小さくすることが
できるので、装置全体に与える悪影響を少なくすること
ができる。
【0026】また、上記ヘッド本体部の先端面を円周方
向においてウェーブ状に形成し、上記各チップの先端を
結ぶ線が上記ヘッド本体部のウェーブ状の先端面に対応
してウェーブを描くように構成し、または上記各シャン
クの先端面を組み合わせて上記ヘッド本体部の円周方向
においてウェーブ状に形成し、各チップの先端を結ぶ線
が上記シャンクのウェーブ状の先端面に対応してウェー
ブを描くように構成することにより、各チップの突出長
さを短くし、その切損を防止することができる。
【0027】また、上記チップを上記ヘッド本体部の半
径方向に複数列に配置した際、隣接する列のチップ同士
を上記ヘッド本体部の円周方向に千鳥状配置となるよう
に交互にずらせることにより、ヘッド本体部2の肉厚を
薄くしてチップを複数列に取り付けることができる。
【0028】また、上記チップを上記ヘッド本体部の半
径方向に複数列に配置する際、外周列のチップを先端側
に至るに従い次第にヘッド本体部の外方へ突出するよう
に傾斜させて埋め込み、または内周列のチップを先端側
に至るに従い次第にヘッド本体部の中心側へ突出するよ
うに傾斜させて埋め込み、または外周列のチップを先端
側に至るに従い次第にヘッド本体部の外方へ突出するよ
うに傾斜させて埋め込み、内周列のチップを先端側に至
るに従い次第にヘッド本体部の中心側へ突出するように
傾斜させて埋め込むことにより、旧地下躯体を更に一層
安定した状態で確実に削孔することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるケーシングヘッ
ドを示す側面図
【図2】同ケーシングヘッドを示す一部底面図
【図3】同ケーシングヘッドを削孔装置のケーシングに
取り付けた状態を示す一部破断側面図
【図4】本発明の第2の実施例におけるケーシングヘッ
ドを示す側面図
【図5】同ケーシングヘッドを示す一部底面図
【図6】同ケーシングヘッドに用いるビットの側面図
【図7】図6に示すビットの底面図
【図8】同ケーシングヘッドに用いる他のビットの側面
【図9】図8に示すビットの底面図
【図10】本発明の第3の実施例におけるケーシングヘ
ッドを示し、内周側の一部のチップを図示省略した側面
【図11】同ケーシングヘッドを示す一部底面図
【図12】同ケーシングヘッドに用いるビットの側面図
【図13】図12に示すビットの底面図
【図14】図13のA−A矢視断面図
【図15】同ケーシングヘッドに用いる他のビットの側
面図
【図16】図15に示すビットの底面図
【図17】図16のB−B矢視断面図
【符号の説明】
1 ケーシングヘッド 2 筒体 3 チップ 4 先端面 6 円弧面 8 ケーシング 34 ビット 35 ビット 36 ビット 37 シャンク 38 先端面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッド本体部の先端面側に円周上で基部
    が埋め込まれ、先端に少なくとも上記ヘッド本体部の円
    周方向において円弧面を有する多数の超硬からなるチッ
    プを備え、上記ヘッド本体部の円周方向における上記各
    チップの先端を結ぶ線がウェーブを描き、かつ上記ヘッ
    ド本体部の回転に際し、回転方向下流側のチップの円弧
    面が切断する鉄筋から離れる前に、隣接する回転方向上
    流側のチップの円弧面が上記鉄筋に圧接し得るように構
    成されたケーシングヘッド。
  2. 【請求項2】 ヘッド本体部の先端面が円周方向におい
    てウェーブ状に形成され、各チップの先端を結ぶ線が上
    記ヘッド本体部のウェーブ状の先端面に対応してウェー
    ブを描くように構成された請求項1記載のケーシングヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 ヘッド本体部の先端部の周囲複数箇所に
    取り付けられたシャンクと、このシャンクの先端面側に
    それぞれ基部が埋め込まれ、先端に少なくとも上記ヘッ
    ド本体部の円周方向において円弧面を有する複数の超硬
    からなるチップとを備え、上記ヘッド本体部の円周方向
    における上記各チップの先端を結ぶ線がウェーブを描
    き、かつ上記ヘッド本体部の回転に際し、回転方向下流
    側のチップの円弧面が切断する鉄筋から離れる前に、隣
    接する回転方向上流側のチップの円弧面が上記鉄筋に圧
    接し得るように構成されたケーシングヘッド。
  4. 【請求項4】 各シャンクの先端面が組み合わされてヘ
    ッド本体部の円周方向においてウェーブ状に形成され、
    各チップの先端を結ぶ線が上記シャンクのウェーブ状の
    先端面に対応してウェーブを描くように構成された請求
    項3記載のケーシングヘッド。
  5. 【請求項5】 チップがヘッド本体部の半径方向に複数
    列に配置された請求項1ないし4のいずれかに記載のケ
    ーシングヘッド。
  6. 【請求項6】 隣接する列のチップ同士が上記ヘッド本
    体部の円周方向に千鳥状配置となるように交互にずらさ
    れている請求項1ないし5のいずれかに記載のケーシン
    グヘッド。
  7. 【請求項7】 外周列のチップが先端側に至るに従い次
    第にヘッド本体部の外方へ突出するように傾斜して埋め
    込まれた請求項5または6記載のケーシングヘッド。
  8. 【請求項8】 内周列のチップが先端側に至るに従い次
    第にヘッド本体部の中心側へ突出するように傾斜して埋
    め込まれた請求項5または6記載のケーシングヘッド。
  9. 【請求項9】 外周列のチップが先端側に至るに従い次
    第にヘッド本体部の外方へ突出するように傾斜して埋め
    込まれ、内周列のチップが先端側に至るに従い次第にヘ
    ッド本体部の中心側へ突出するように傾斜して埋め込ま
    れた請求項5または6記載のケーシングヘッド。
JP3329915A 1991-07-08 1991-11-19 ケーシングヘッド Expired - Lifetime JPH0791932B2 (ja)

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JP19341591 1991-07-08
JP3-193415 1991-07-08

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Publication Number Publication Date
JPH0565790A JPH0565790A (ja) 1993-03-19
JPH0791932B2 true JPH0791932B2 (ja) 1995-10-09

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ID=16307584

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